JP2008106892A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008106892A
JP2008106892A JP2006292061A JP2006292061A JP2008106892A JP 2008106892 A JP2008106892 A JP 2008106892A JP 2006292061 A JP2006292061 A JP 2006292061A JP 2006292061 A JP2006292061 A JP 2006292061A JP 2008106892 A JP2008106892 A JP 2008106892A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston chamber
hydraulic pressure
rotational speed
speed
engagement element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006292061A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4743432B2 (ja
Inventor
Nobuyori Nakajima
信頼 中島
Ryuji Murakawa
隆二 村川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2006292061A priority Critical patent/JP4743432B2/ja
Publication of JP2008106892A publication Critical patent/JP2008106892A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4743432B2 publication Critical patent/JP4743432B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

【課題】自動変速機の変速ショックの発生を確実に防止できるようにする。
【解決手段】変速歯車機構の非変速時に、そのときの変速段で解放状態に維持する解放側クラッチにおいて、ピストン室の回転速度が所定の判定値以下のときには、ピストン室に所定の保持油圧(ピストンが係合方向にストロークしない程度の低い油圧)を予め付与する与圧制御を実行することで、ピストン室内に作動油が充満した状態を維持する。一方、ピストン室の回転速度が判定値よりも高いときには、与圧制御を実行せず、回転による遠心力によってピストン室内に作動油が充満した状態を維持する。これにより、変速歯車機構の非変速時に、解放側クラッチのピストン室の全ての回転速度領域でピストン室内に作動油が充満した状態を維持して、次の変速時にクラッチを係合させる際の応答性にばらつきが生じることを防止し、大きな変速ショックが発生することを確実に防止する。
【選択図】図5

Description

本発明は、摩擦係合要素のピストンに作用させる油圧を制御して変速機構の変速段を切り換える自動変速機の制御装置に関する発明である。
自動車用の自動変速機は、エンジンの駆動力をトルクコンバータを介して変速歯車機構の入力軸に伝達し、この変速歯車機構で変速して出力軸に伝達し、駆動輪を回転駆動するようにしている。一般に、変速歯車機構は、入力軸と出力軸との間に複数の歯車を配列して、入力軸と出力軸との間に変速比の異なる複数の動力伝達経路を構成し、各動力伝達経路中にクラッチやブレーキ等の摩擦係合要素を設けて、変速段切り換え要求に応じて各摩擦係合要素のピストンに作用させる油圧を個別に制御することで、各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて、入出力軸間の動力伝達経路を切り換えて変速比を切り換えるようにしている。
従来の一般的な自動変速機の油圧制御では、変速段切り換え要求に応じて摩擦係合要素に油圧を供給して該摩擦係合要素を係合させる際に、変速を行う時点になってから摩擦係合要素に油圧を供給する制御を開始するため、それまでの摩擦係合要素への油圧供給履歴によって該摩擦係合要素の応答性にばらつきが生じることがある。
例えば、エンジン始動後に初めて摩擦係合要素を係合させるときのように、摩擦係合要素のピストン室内に作動油が充満していない状態(空気が存在する状態)で油圧を供給する場合と、変速に伴って一旦作動油をピストン室内に充填して係合させた摩擦係合要素の供給油圧を低下させて摩擦係合要素を解放させる途中で、その摩擦係合要素を再び係合させるときのように、既に摩擦係合要素のピストン室内に作動油が充満した状態で油圧を供給する場合とでは、ピストン室内に流入する作動油の量が異なるため、変速時に油圧を供給する制御を開始するタイミングを同一に設定しても、実際に摩擦係合要素が動作してトルクを伝達するまでに要する時間(応答性)にばらつきが生じてしまう。このように変速時に摩擦係合要素を係合させる際の応答性にばらつきが生じると、大きな変速ショックが発生することがある。
この対策として、特許文献1(特開平5−296327号公報)に記載されているように、変速終了後に、解放されている摩擦係合要素のピストン室の回転速度(クラッチドラムの回転速度)が所定値以上になったときに、該摩擦係合要素のピストン室にピストンがストロークしない程度の低い油圧を所定時間だけ供給して作動油を充満させることで、その後、油圧を供給しなくても回転による遠心力によってピストン室内に作動油が充満した状態を維持して、次の変速時に摩擦係合要素を係合させる際の応答性にばらつきが生じることを防止するようにしたものがある。
特開平5−296327号公報(第4頁等)
ところで、最近の自動変速機には、マニュアルモード(手動で変速段を切り替えるモード)を備えた機種があり、摩擦係合要素のピストン室の回転速度が低回転のときにも変速段切り換え要求が発生することがある。
しかし、上記特許文献1の技術は、摩擦係合要素のピストン室の回転速度が所定値以上になったときに該摩擦係合要素のピストン室に油圧を供給することで、遠心力によってピストン室内に作動油が充満した状態を維持する技術であり、摩擦係合要素のピストン室の回転速度が所定値よりも低い低回転時には、遠心力が小さくなってピストン室内に作動油が充満した状態を維持することができない。このため、摩擦係合要素のピストン室の回転速度が所定値よりも低い低回転時に変速する際には、摩擦係合要素を係合させる際の応答性にばらつきが生じて、大きな変速ショックが発生する可能性がある。
また、上記特許文献1の技術は、摩擦係合要素のピストン室の回転速度が所定値以上になったときに該摩擦係合要素のピストン室にピストンがストロークしない程度の低い油圧を供給するが、万一、油圧ばらつきでピストンがストロークして摩擦係合要素のひきずり(摩擦係合要素が半係合状態になる現象)が発生すると、ピストン室の回転速度が所定値以上の高回転時であるため、ひきずりによる摩擦熱が過大になって摩擦係合要素が焼損する可能性がある。
本発明は、これらの事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、変速時に摩擦係合要素を係合させる際の応答性ばらつきによって大きな変速ショックが発生することを確実に防止することができると共に、摩擦係合要素の焼損を防止することができる自動変速機の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、複数の摩擦係合要素のピストンに作用させる油圧を個別に制御することで、各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて、変速機構の変速段を切り換える自動変速機の制御装置において、摩擦係合要素のピストン室の回転速度を回転速度検出手段により直接又は間接的に検出し、変速機構の非変速時に、そのときの変速段で解放されるべき摩擦係合要素のピストン室の回転速度が所定値以下のときに該摩擦係合要素のピストンがストロークしない程度の低い保持油圧を該摩擦係合要素のピストン室に予め付与する与圧制御をを非変速時油圧制御手段により実行するようにしたものである。
この構成では、変速機構の非変速時に解放されるべき摩擦係合要素において、ピストン室の回転速度が所定値以下のときには、ピストン室にピストンがストロークしない程度の低い保持油圧を予め付与する与圧制御を実行することで、ピストン室内に作動油が充満した状態を維持することができる。一方、ピストン室の回転速度が所定値よりも高いときには、与圧制御を実行しないが、回転による遠心力によってピストン室内に作動油が充満した状態を維持することができる。
これにより、変速機構の非変速時に、解放されるべき摩擦係合要素のピストン室の全ての回転速度領域でピストン室内に作動油が充満した状態を維持することができるため、次の変速時に摩擦係合要素を係合させる際の応答性にばらつきが生じることを防止して、大きな変速ショックが発生することを確実に防止することができる。
しかも、摩擦係合要素のピストン室の回転速度が所定値以下のときに与圧制御を実行するため、万一、油圧ばらつきでピストンがストロークして摩擦係合要素のひきずりが発生しても、ピストン室の回転速度が所定値以下の低回転時であるため、ひきずりによる摩擦熱が過大にならず、摩擦係合要素の焼損を防止することができる。
この場合、請求項2のように、与圧制御の際にピストン室の回転速度に応じて保持油圧を変化させるようにしても良い。このようにすれば、ピストン室の回転速度に応じてピストン室内の作動油に作用する遠心力が変化して、ピストンがストロークしない上限油圧が変化するのに対応して、保持油圧を変化させて保持油圧を適正値に設定することができると共に、ピストン室の回転速度が所定値付近のときに油圧がオン/オフ的に切り替わるハンチング現象を防止することができる。
また、請求項3のように、ピストン室の回転速度の代用情報として、変速機構の出力軸回転速度と入力軸回転速度と内燃機関の回転速度のうちの少なくとも1つと、変速機構の変速段とを用いるようにしても良い。変速機構の出力軸や入力軸の回転速度や内燃機関の回転速度と、変速機構の変速段との組み合わせに応じてピストン室の回転速度が変化するため、変速機構の出力軸回転速度と入力軸回転速度と内燃機関の回転速度の少なくとも1つと、変速機構の変速段とを用いれば、ピストン室の回転速度を精度良く反映した情報を得ることができる。
また、請求項4のように、与圧制御を開始する際に一時的に油圧指令値を保持油圧よりも高くする急速充填制御を実行するようにしても良い。このようにすれば、与圧制御の際に摩擦係合要素のピストン室内に速やかに作動油を充填して保持油圧を速やかに付与することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図6に基づいて説明する。
まず、図1及び図2に基づいて自動変速機11の概略構成を説明する。図2に示すように、エンジン(図示せず)の出力軸には、トルクコンバータ12の入力軸13が連結され、このトルクコンバータ12の出力軸14に、油圧駆動式の変速歯車機構15(変速機構)が連結されている。トルクコンバータ12の内部には、流体継手を構成するポンプインペラ31とタービンランナ32が対向して設けられ、ポンプインペラ31とタービンランナ32との間には、オイルの流れを整流するステータ33が設けられている。ポンプインペラ31は、トルクコンバータ12の入力軸13に連結され、タービンランナ32は、トルクコンバータ12の出力軸14に連結されている。
また、トルクコンバータ12には、入力軸13側と出力軸14側との間を係合又は切り離しするためのロックアップクラッチ16が設けられている。エンジンの出力トルクは、トルクコンバータ12を介して変速歯車機構15に伝達され、変速歯車機構15の複数のギヤ(遊星歯車等)で変速されて、車両の駆動輪(前輪又は後輪)に伝達される。
変速歯車機構15には、複数の変速段を切り換えるための摩擦係合要素である複数のクラッチC0,C1,C2とブレーキB0,B1が設けられ、図3に示すように、これら各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1の係合/解放を油圧で切り換えて、動力を伝達するギヤの組み合わせを切り換えることによって変速比を切り換えるようになっている。
尚、図3は4速自動変速機のクラッチC0,C1,C2とブレーキB0,B1の係合の組合せを示すもので、○印はその変速段で係合状態(トルク伝達状態)に保持されるクラッチとブレーキを示し、無印は解放状態を示している。例えば、Dレンジのスロットル踏み込み状態では、車速が上がるにつれて、1速、2速、3速、4速へとアップシフトしていく。1速から2速への変速では、C0及びB0の係合からB0を解放し、新たにB1を係合する。2速から3速への変速では、C0及びB1の係合からB1を解放し、新たにC2を係合する。3速から4速への変速では、C0及びC2の係合からC0を解放し、新たにB1を係合する。
図1に示すように、変速歯車機構15には、エンジン動力で駆動される油圧ポンプ18が設けられ、作動油(オイル)を貯溜するオイルパン(図示せず)内には、油圧制御回路17が設けられている。この油圧制御回路17は、ライン圧制御回路19、自動変速制御回路20、ロックアップ制御回路21、手動切換弁26等から構成され、オイルパンから油圧ポンプ18で汲み上げられた作動油がライン圧制御回路19を介して自動変速制御回路20とロックアップ制御回路21に供給される。ライン圧制御回路19には、油圧ポンプ18からの油圧を所定のライン圧に制御するライン圧制御用の油圧制御弁(図示せず)が設けられ、自動変速制御回路20には、変速歯車機構15の各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1に供給する油圧を制御する複数の変速用の油圧制御弁(図示せず)が設けられている。また、ロックアップ制御回路21には、ロックアップクラッチ16に供給する油圧を制御するロックアップ制御用の油圧制御弁(図示せず)が設けられている。
また、ライン圧制御回路19と自動変速制御回路20との間には、シフトレバー25の操作に連動して切り換えられる手動切換弁26が設けられている。シフトレバー25がニュートラルレンジ(Nレンジ)又はパーキングレンジ(Pレンジ)に操作されているときには、自動変速制御回路20の油圧制御弁への通電が停止(OFF)された状態になっていても、手動切換弁26によって変速歯車機構15に供給する油圧が変速歯車機構15をニュートラル状態とするように切り換えられる。
一方、エンジンには、エンジン回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ27が設けられ、変速歯車機構15には、変速歯車機構15の入力軸回転速度Nt(トルクコンバータ12の出力軸回転速度)を検出する入力軸回転速度センサ28と、変速歯車機構15の出力軸回転速度Noを検出する出力軸回転速度センサ29が設けられている。
これら各種センサの出力信号は、自動変速機電子制御回路(以下「AT−ECU」と表記する)30に入力される。このAT−ECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各プログラムを実行することで、予め設定した変速パターンに従って変速歯車機構15の変速が行われるように、シフトレバー25の操作位置や運転条件(スロットル開度、車速等)に応じて発生する変速段切り換え要求(目標変速段の切り換え要求)に応じて自動変速制御回路20の各油圧制御弁への通電を制御して、変速歯車機構15の各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1に作用させる油圧を制御することによって、図3に示すように、各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1の係合/解放を切り換えて、動力を伝達するギヤの組み合わせを切り換えることで、変速歯車機構15の変速比を切り換える。
以下の説明では、クラッチC0,C1,C2とブレーキB0,B1を総称して単に「クラッチ」と簡略化して表記する。また、変速歯車機構15の変速時に解放状態から係合状態に切り換えるクラッチ及び非変速時に係合状態に維持するクラッチを「係合側クラッチ」と表記し、変速歯車機構15の変速時に係合状態から解放状態に切り換えるクラッチ及び非変速時に解放状態に維持するクラッチを「解放側クラッチ」と表記する。
図4に示すように、各クラッチは、クラッチドラム34に形成されたピストン室35内に、ピストン36が移動可能に設けられ、ピストン室35内に充填された作動油の油圧が上昇してピストン36が油圧によって係合方向に移動することで係合状態となり、ピストン室35内の油圧が低下してピストン36がリターンスプリング37の付勢力によって解放方向に移動することで解放状態となる。
変速歯車機構15の非変速時に、解放側クラッチは、ピストン室35の回転速度がある程度高いときには、遠心力によってピストン室35内に作動油が充満した状態に維持されるが、ピストン室35の回転速度が低いときには、遠心力が小さくなるため、油路38に設けられたシール39から作動油が漏れ易くなる。
そこで、AT−ECU30は、後述する図6の非変速時油圧制御プログラムを実行することで、図5のタイムチャートに示すように、変速歯車機構15の非変速時に、そのときの変速段で解放状態に維持する解放側クラッチにおいて、ピストン室35の回転速度を検出し、ピストン室35の回転速度が所定の判定値以下のときには、ピストン室35に所定の保持油圧(ピストン36が係合方向にストロークしない程度の低い油圧)を予め付与する与圧制御を実行することで、ピストン室35内に作動油が充満した状態を維持する。一方、ピストン室35の回転速度が判定値よりも高いときには、与圧制御を実行せず、回転による遠心力によってピストン室35内に作動油が充満した状態を維持する。
以下、AT−ECU30が実行する図6の非変速時油圧制御プログラムの処理内容を説明する。
[非変速時油圧制御プログラム]
図6に示す非変速時油圧制御プログラムは、AT−ECU30の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう非変速時油圧制御手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、変速歯車機構15の非変速時であるか否かを判定し、非変速時であると判定された場合には、ステップ102に進み、今回の制御対象となるクラッチが現在の変速段で解放されるべき解放側クラッチであるか否かを判定する。
このステップ102で、解放側クラッチであると判定された場合には、ステップ103に進み、エンジン回転速度センサ27で検出したエンジン回転速度Neと入力軸回転速度センサ28で検出した入力軸回転速度Ntと出力軸回転速度センサ29で検出した出力軸回転速度Noのうちの少なくとも1つと、現在の変速段とに基づいて解放側クラッチのピストン室35の回転速度を算出する。
エンジン回転速度Neや入力軸回転速度Ntや出力軸回転速度Noと、変速段との組み合わせに応じて解放側クラッチのピストン室35の回転速度が変化するため、エンジン回転速度Neと入力軸回転速度Ntと出力軸回転速度Noのうちの少なくとも1つと、現在の変速段とを用いれば、解放側クラッチのピストン室35の回転速度を精度良く算出することができる。このステップ103の処理が特許請求の範囲でいう回転速度検出手段としての役割を果たす。
尚、解放側クラッチのピストン室35の回転速度が、エンジン回転速度Neと入力軸回転速度Ntと出力軸回転速度Noのうちのいずれか1つと一致する変速段の場合には、エンジン回転速度センサ27と入力軸回転速度センサ28と出力軸回転速度センサ29のうちのいずれか1つの出力から解放側クラッチのピストン室35の回転速度を検出するようにしても良い。
この後、ステップ104に進み、解放側クラッチのピストン室35の回転速度が所定の判定値以下であるか否かを判定する。ここで、判定値は、例えば、回転よる遠心力によってピストン室35内に作動油が充満した状態を維持することができるピストン室35の回転速度の下限値又はそれよりも少し高い値に設定されている。
このステップ104で、解放側クラッチのピストン室35の回転速度が判定値以下であると判定された場合には、遠心力が小さくなってピストン室35内に作動油が充満した状態を維持できなくなる可能性があると判断して、ステップ105に進み、解放側クラッチの油圧指令値を保持油圧に設定することで、解放側クラッチのピストン室35に保持油圧を予め付与する与圧制御を実行する。これにより、ピストン室35内に作動油が充満した状態を維持する。ここで、保持油圧は、例えば、ピストン室35の回転速度が判定値以下の領域においてピストン36が係合方向にストロークしない油圧の上限値又はそれよりも少し低い値に設定されている。
一方、上記ステップ104で、解放側クラッチのピストン室35の回転速度が判定値よりも高いと判定された場合には、遠心力によってピストン室35内に作動油が充満した状態を維持できると判断して、ステップ106に進み、与圧制御を禁止する。
以上説明した本実施例1では、変速歯車機構15の非変速時に、そのときの変速段で解放状態に維持する解放側クラッチにおいて、ピストン室35の回転速度が判定値以下のときには、ピストン室35に保持油圧を予め付与する与圧制御を実行するようにしたので、この与圧制御によってピストン室35内に作動油が充満した状態を維持することができる。一方、ピストン室35の回転速度が判定値よりも高いときには、与圧制御を実行しないが、回転による遠心力によってピストン室35内に作動油が充満した状態を維持することができる。
これにより、変速歯車機構15の非変速時に、解放側クラッチのピストン室35の全ての回転速度領域でピストン室35内に作動油が充満した状態を維持することができるため、次の変速時にクラッチを係合させる際の応答性にばらつきが生じることを防止して、大きな変速ショックが発生することを確実に防止することができる。
しかも、解放側クラッチのピストン室35の回転速度が判定値以下のときに与圧制御を実行するため、万一、油圧ばらつきでピストン36が係合方向にストロークしてクラッチのひきずりが発生しても、ピストン室35の回転速度が判定値以下の低回転時であるため、クラッチの焼損を防止することができる。
次に、図7乃至図9を用いて本発明の実施例2を説明する。
前記実施例1では、与圧制御の際の保持油圧を固定値としたが、本実施例2では、後述する図8の非変速時油圧制御プログラムを実行することで、図7のタイムチャートに示すように、与圧制御を開始する際に解放側クラッチのピストン室35の回転速度に応じて保持油圧を変化させるようにしている。
図8に示す非変速時油圧制御プログラムでは、変速歯車機構15の非変速時に解放側クラッチのピストン室35の回転速度を検出した後(ステップ101〜103)、ステップ103aに進み、図9に示す保持油圧のマップを参照して、解放側クラッチのピストン室35の回転速度に応じた保持油圧を算出する。
図9に示す保持油圧のマップは、ピストン室35の回転速度が第1の所定値(例えば1000rpm)よりも低い領域では、保持油圧が第1の所定値(例えば50kPa)に保持され、ピストン室35の回転速度が第2の所定値(例えば1500rpm)よりも高い領域では、保持油圧が第2の所定値(例えば0kPa=大気圧)に保持されるように設定されている。
更に、ピストン室35の回転速度が第1の所定値以上で第2の所定値以下(例えば1000〜1500rpm)の領域では、ピストン室35の回転速度が高くなるに従って保持油圧が第1の所定値(例えば50kPa)から第2の所定値(例えば0kPa)に向かって小さくなるように設定されている。或は、補間により保持油圧を算出することで、ピストン室35の回転速度が高くなるに従って保持油圧が第1の所定値(例えば50kPa)から第2の所定値(例えば0kPa)に向かって小さくなるように設定しても良い。これにより、与圧制御を開始する際にピストン室35の回転速度が低くなるに従って保持油圧が高くなるようにしている(図7参照)。
この後、ステップ104に進み、解放側クラッチのピストン室35の回転速度が判定値以下であるか否かを判定し、解放側クラッチのピストン室35の回転速度が判定値以下であると判定された場合には、解放側クラッチのピストン室35に保持油圧を予め付与する与圧制御を実行することで、ピストン室35内に作動油が充満した状態を維持する(ステップ105)。
一方、解放側クラッチのピストン室35の回転速度が判定値よりも高いと判定された場合には、遠心力によってピストン室35内に作動油が充満した状態を維持することができると判断して、与圧制御を禁止する(ステップ106)。
以上説明した本実施例2では、与圧制御を開始する際にピストン室35の回転速度が低くなるに従って保持油圧が高くなるようにしたので、ピストン室35の回転速度が低くなるに従ってピストン室35内の作動油に作用する遠心力が減少して、ピストン36がストロークしない上限油圧が高くのに対応して、保持油圧を高くすることができ、保持油圧を適正値に設定することができると共に、ピストン室35の回転速度が判定値付近のときに油圧がオン/オフ的に切り替わるハンチング現象を防止することができる。
尚、本実施例2では、図9に示す保持油圧のマップを参照して、解放側クラッチのピストン室35の回転速度に応じて保持油圧を算出するようにしたが、これに代えて、図10に示す保持油圧のマップを参照して、入力軸回転速度Ntと変速段とに応じて保持油圧を算出するようにしても良い。図10に示す保持油圧のマップは、入力軸回転速度Ntと変速段とに応じてピストン室35の回転速度が変化するという特性を用いて作成され、ピストン室35の回転速度と保持油圧との関係が図9のマップとほぼ同じになるように設定されている。
また、入力軸回転速度Ntに代えて出力軸回転速度Noやエンジン回転速度Neや車速を用いて、出力軸回転速度Noと変速段とに応じて保持油圧を算出したり、エンジン回転速度Neと変速段とに応じて保持油圧を算出したり、車速と変速段とに応じて保持油圧を算出するようにしても良い。
次に、図11及び図12を用いて本発明の実施例3を説明する。
本実施例3では、後述する図12の非変速時油圧制御プログラムを実行することで、図11のタイムチャートに示すように、与圧制御を開始する際に一時的に油圧指令値を保持油圧よりも高くする急速充填制御を実行するようにしている。
図12に示す非変速時油圧制御プログラムでは、変速歯車機構15の非変速時に解放側クラッチのピストン室35の回転速度を検出した後(ステップ101〜103)、ステップ104に進み、解放側クラッチのピストン室35の回転速度が判定値以下であるか否かを判定する。
このステップ104で、解放側クラッチのピストン室35の回転速度が判定値以下であると判定された場合には、ステップ104aに進み、一時的に解放側クラッチの油圧指令値を保持油圧よりも高い充填油圧に設定する急速充填制御を実行することで、解放側クラッチのクラッチ制御弁を素早く調圧位置へ移動させることで、ピストン室35に速やかに作動油を充填する。
この後、ステップ105に進み、解放側クラッチの油圧指令値を保持油圧に設定することで、解放側クラッチのピストン室35に保持油圧を予め付与する与圧制御を実行して、ピストン室35内に作動油が充満した状態を維持する。
以上説明した本実施例3では、与圧制御を開始する際に一時的に油圧指令値を保持油圧よりも高い充填油圧に設定する急速充填制御を実行するようにしたので、与圧制御の際に解放側クラッチのピストン室35内に速やかに作動油を充填して保持油圧を速やかに付与することができる。
尚、上記各実施例1〜3では、本発明を4速の自動変速機に適用したが、3速以下又は5速以上の自動変速機に本発明を適用しても良い。
本発明の実施例1における自動変速機全体の概略構成図である。 自動変速機の機械的構成を模式的に示す図である。 各変速段毎のクラッチC0〜C2とブレーキB0,B1の係合/解放の組み合わせを示す図である。 クラッチの縦断面図である。 実施例1の与圧制御を説明するタイムチャートである。 実施例1の非変速時油圧制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の与圧制御を説明するタイムチャートである。 実施例2の非変速時油圧制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の保持油圧のマップの一例を概念的に示す図である。 実施例2の変形例における保持油圧のマップの一例を概念的に示す図である。 実施例3の与圧制御を説明するタイムチャートである。 実施例3の非変速時油圧制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
11…自動変速機、12…トルクコンバータ、15…変速歯車機構(変速機構)、17…油圧制御回路、18…油圧ポンプ、20…自動変速制御回路、27…エンジン回転速度センサ、28…入力軸回転速度センサ、29…出力軸回転速度センサ、30…AT−ECU(非変速時油圧制御手段,回転速度検出手段)、34…クラッチドラム、35…ピストン室、36…ピストン、C0〜C2…クラッチ(摩擦係合要素)、B0,B1…ブレーキ(摩擦係合要素)

Claims (4)

  1. 複数の摩擦係合要素のピストンに作用させる油圧を個別に制御することで、各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて、変速機構の変速段を切り換える自動変速機の制御装置において、
    前記摩擦係合要素のピストン室の回転速度を直接又は間接的に検出する回転速度検出手段と、
    前記変速機構の非変速時に、そのときの変速段で解放されるべき摩擦係合要素のピストン室の回転速度が所定値以下のときに該摩擦係合要素のピストンがストロークしない程度の低い保持油圧を該摩擦係合要素のピストン室に予め付与する与圧制御を実行する非変速時油圧制御手段と
    を備えていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記非変速時油圧制御手段は、前記与圧制御の際に前記ピストン室の回転速度に応じて前記保持油圧を変化させることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記ピストン室の回転速度の代用情報として、前記変速機構の出力軸回転速度と入力軸回転速度と内燃機関の回転速度のうちの少なくとも1つと、前記変速機構の変速段とを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記非変速時油圧制御手段は、前記与圧制御を開始する際に一時的に油圧指令値を前記保持油圧よりも高くする急速充填制御を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
JP2006292061A 2006-10-27 2006-10-27 自動変速機の制御装置 Expired - Fee Related JP4743432B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006292061A JP4743432B2 (ja) 2006-10-27 2006-10-27 自動変速機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006292061A JP4743432B2 (ja) 2006-10-27 2006-10-27 自動変速機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008106892A true JP2008106892A (ja) 2008-05-08
JP4743432B2 JP4743432B2 (ja) 2011-08-10

Family

ID=39440402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006292061A Expired - Fee Related JP4743432B2 (ja) 2006-10-27 2006-10-27 自動変速機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4743432B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9062760B2 (en) 2011-04-19 2015-06-23 Mazda Motor Corporation Automatic transmission control method and control apparatus, and automatic transmission system

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0231073A (ja) * 1988-07-19 1990-02-01 Aisin Aw Co Ltd 自動変速機における油圧制御装置
JPH0246364A (ja) * 1988-08-05 1990-02-15 Honda Motor Co Ltd 変速用油圧作動クラッチの作動用ライン圧設定装置
JPH02292566A (ja) * 1989-04-28 1990-12-04 Toyota Motor Corp 自動変速機の油圧制御装置
JPH03149460A (ja) * 1989-11-02 1991-06-26 Toyota Motor Corp 自動変速機の油圧制御装置
JPH05296327A (ja) * 1992-04-22 1993-11-09 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機のクラッチ圧制御装置
JPH05306765A (ja) * 1992-04-28 1993-11-19 Toyota Motor Corp 自動変速機の変速制御装置
JPH07127727A (ja) * 1993-10-30 1995-05-16 Mazda Motor Corp 自動変速機の油圧制御装置
JP2006292007A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Denso Corp 自動変速機制御装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0231073A (ja) * 1988-07-19 1990-02-01 Aisin Aw Co Ltd 自動変速機における油圧制御装置
JPH0246364A (ja) * 1988-08-05 1990-02-15 Honda Motor Co Ltd 変速用油圧作動クラッチの作動用ライン圧設定装置
JPH02292566A (ja) * 1989-04-28 1990-12-04 Toyota Motor Corp 自動変速機の油圧制御装置
JPH03149460A (ja) * 1989-11-02 1991-06-26 Toyota Motor Corp 自動変速機の油圧制御装置
JPH05296327A (ja) * 1992-04-22 1993-11-09 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機のクラッチ圧制御装置
JPH05306765A (ja) * 1992-04-28 1993-11-19 Toyota Motor Corp 自動変速機の変速制御装置
JPH07127727A (ja) * 1993-10-30 1995-05-16 Mazda Motor Corp 自動変速機の油圧制御装置
JP2006292007A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Denso Corp 自動変速機制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9062760B2 (en) 2011-04-19 2015-06-23 Mazda Motor Corporation Automatic transmission control method and control apparatus, and automatic transmission system

Also Published As

Publication number Publication date
JP4743432B2 (ja) 2011-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4420060B2 (ja) 自動変速機の制御装置
US20070117677A1 (en) Shift control device of vehicular automatic transmission
JP5217294B2 (ja) 車両の制御装置、制御方法およびその方法をコンピュータに実現させるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体
JP6418187B2 (ja) 車両の変速制御装置
JP5729379B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP3826783B2 (ja) 車両の動力伝達装置
US7103462B1 (en) Control device of automatic transmission
JP2004144293A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
EP3273103B1 (en) Control device to avoid shift shock by timing of the shift elements
US6969340B2 (en) Control apparatus and control method for automatic transmission
JP2008256149A (ja) 自動変速機の制御装置、制御方法、その方法を実現させるプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP3724491B2 (ja) 車両用動力伝達装置のエンジン制御装置
JP4743432B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2008240561A (ja) 車両の制御装置、制御方法、その方法を実現させるプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP4023157B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4967722B2 (ja) 車両の制御装置および制御方法
JP2001021029A (ja) 車両用自動変速機の変速制御方法
JP2004116686A (ja) 自動変速機の制御装置
JP2011149484A (ja) トルクコンバータの制御装置
JP2009008196A (ja) 自動変速機の制御装置
JP5051624B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2010007767A (ja) 自動変速機の制御装置
JP2009281450A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP2008309066A (ja) 車両の制御装置
JP2005233372A (ja) 油圧特性値の設定方法及び自動変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100930

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110413

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110426

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees