JPH05296327A - 自動変速機のクラッチ圧制御装置 - Google Patents

自動変速機のクラッチ圧制御装置

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JPH05296327A
JPH05296327A JP10292692A JP10292692A JPH05296327A JP H05296327 A JPH05296327 A JP H05296327A JP 10292692 A JP10292692 A JP 10292692A JP 10292692 A JP10292692 A JP 10292692A JP H05296327 A JPH05296327 A JP H05296327A
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JP
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clutch
piston
pressure
hydraulic
clutch pressure
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JP10292692A
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Yasushi Mori
泰志 森
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピストン油室への油圧制御によりクラッチの
締結・解放を行なう自動変速機のクラッチ圧制御装置に
おいて、自動変速機の小型化や軽量化を達成しながら、
掛け替え変速時に変速経歴にかかわらず安定した低変速
ショックを実現すること。 【構成】 解放されている回転クラッチ10の締結前に
ピストン11がストロークしない程度の極低圧の油圧pc
1 を予めピストン油室10aに付与しておくクラッチ圧
制御を行なう構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一方のクラッチ{回転
クラッチや固定クラッチ(ブレーキ)}を解放し、他方
のクラッチを締結するいわゆる掛け替え変速において低
変速ショックを実現する自動変速機のクラッチ圧制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機において、掛け替え変
速において低変速ショックを実現するのに、ワンウェイ
クラッチやアプライ・リリース方式といったタイミング
取り機構が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のタイミング取り機構を採用した場合、これらの機構
をトランスミッションケース内に納めると、大型化や重
量増を招く。
【0004】そこで、タイミング取り機構を採用するこ
となく、掛け替え変速において低変速ショックを実現す
るのに、電子制御自動変速機において、変速指令が出力
されてから解放されるクラッチと締結されるクラッチの
掛け替えを変速の種類や車両状態に応じて適切なタイミ
ング制御により行なう案がある。
【0005】しかし、この場合、タイミング制御自体の
精度を如何に高めたとしても、下記の理由により変速シ
ョックが安定しない。
【0006】つまり、自動変速機のクラッチ圧制御は、
変速を行なう時になって初めて油圧を供給するので、ク
ラッチの変速経歴によって締結応答性にばらつきがあ
る。詳しく説明すれば、エンジン始動後初めて変速する
時のようにクラッチのピストン油室内に空気が存在する
状態から油圧を供給する場合と、一旦変速した後、別の
ギア位置への変速によりクラッチが解放され、ピストン
油室内部に作動油が充満している状態から再締結する場
合とでは、ピストン油室に流入する作動油の量が異な
り、よって、図17に示すように、締結圧を制御するタ
イミングを同じにしても実際にクラッチが作動してトル
クを伝達するまでの時間(応答)には、空気がある状態
とない状態とでばらつきが生じてしまう。
【0007】本発明は、上記のような問題に着目してな
されたもので、ピストン油室への油圧制御によりクラッ
チの締結・解放を行なう自動変速機のクラッチ圧制御装
置において、自動変速機の小型化や軽量化を達成しなが
ら、掛け替え変速時に変速経歴にかかわらず安定した低
変速ショックを実現することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の自動変速機のクラッチ圧制御装置では、解放さ
れているクラッチの締結前にピストンがストロークしな
い程度の極低圧の油圧を予め付与しておくクラッチ圧制
御手段を設けた。
【0009】即ち、複数のギア位置が得られるギアトレ
ーンと、ギア位置に応じて締結される複数のクラッチ
と、変速指令によりギア位置を変える時、解放すべきク
ラッチのピストン油室から油圧を抜き、締結すべきクラ
ッチのピストン油室へ油圧を供給するクラッチ圧制御手
段を備えた自動変速機のクラッチ圧制御装置において、
前記クラッチ圧制御手段を、解放されているクラッチの
締結前にピストンがストロークしない程度の極低圧の油
圧を予め付与しておく手段としたことを特徴とする。
【0010】
【作用】変速時には、クラッチ圧制御手段において、解
放されているクラッチの締結前にピストンがストローク
しない程度の極低圧の油圧を予め付与しておく制御が行
なわれる。したがって、このクラッチのピストン油室か
らは、空気が排除され、作動油が充満することになり、
このクラッチを締結しての変速時には、常に安定した高
い締結応答を得ることができることになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0012】(第1実施例)構成を説明する。
【0013】図1は本発明第1実施例の自動変速機に設
けられる複数のクラッチのうち1つのクラッチについて
のクラッチ圧制御装置を示す図で、図1において、10
は回転クラッチ(クラッチに相当),10aはピストン
油室,11はピストン,12はピストンシール,13は
クラッチドラム,14はリターンスプリング,15は回
転軸,15aは第2クラッチ圧油路,16は自動変速機
ケース,17は油路シール,20はコントロールバルブ
ユニット,21はソレノイドバルブ,21aはライン圧
油路,21bは第1クラッチ圧油路,21cはドレーン
油路,30は電子コントロールユニットである。
【0014】前記電子コントロールユニット30からの
信号によりソレノイドバルブ21は所定の圧力の作動油
をピストン油室10aに付加する。
【0015】ソレノイドバルブ21は、ギア位置によっ
て経路の連通,遮断を切り換えるスプールバルブ等を途
中に介さずにピストン油室10aに接続されている。
【0016】前記回転クラッチ10は、ピストン油室1
0aに作動油が供給されると、作動油は遠心力により外
周側に拡がり、空気と入れ替わってピストン油室10a
は作動油で充填される。尚、固定クラッチ(ブレーキ)
はここに図示しないが、油路シール17が無く、ピスト
ン油室の上部に残された空気は圧縮され、ピストンシー
ルから抜け、結局、ピストン油室は作動油で充填され
る。
【0017】回転クラッチ10が停止あるいは低速回転
している場合は、一般に油路シール17から作動油が漏
れてゆくため、ピストン油室10aの圧力が上がり難い
場合もあるが、少なくともピストン油室10aの下半分
には作動油が溜る。
【0018】また、変速直前までに作動油が溜ればいい
のであって、その時には回転クラッチ10は回転してい
るので、停止時に充満していなくても差し支えない。
【0019】尚、以下の説明中に用いる符号は、 pc…クラッチ圧 Dpc…クラッチ圧pcを発生させるためのソレノイドバル
ブ21への制御信号 添え字 pc1 …ピストン油室10a内に作動油が溜るが
ピストン11がストロークしない油圧(第1の油圧) pc2 …第1の油圧pc1 よりも低いゼロ圧を含む油圧(第
2の油圧) pc3 …第1の油圧pc1 よりも高い油圧(第3の油圧) である。
【0020】作用を説明する。
【0021】(A) クラッチ圧制御作用 図2は第1実施例装置の電子コントロールユニット30
で行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを示すフロ
ーチャートで、この制御処理は、N→Dセレクトを含む
変速制御毎に行なわれる。
【0022】すなわち、一般的な電子制御自動変速機の
制御プログラムにおいて、変速と判断された場合にP201
のプログラムルーチンを実行するものとする。
【0023】P202は、個々の変速の制御ルーチンであ
り、詳細は省略する。
【0024】P202での変速制御が終了した時点でP203へ
進む。ここでは、本制御の対象となる回転クラッチ10
が前述の制御の結果、締結していなければP204へ進む。
【0025】P204では、予め設定されたピストン11が
ストロークしない程度の第1の油圧pc1 が発生するよう
にソレノイドバルブ21に対し制御信号Dpc1 を出力す
る。
【0026】P203及びP204は、請求項のクラッチ圧制御
手段に相当する。
【0027】(B) 掛け替え変速作用 エンジン始動後、初めて回転クラッチ10を締結しての
変速をする時、変速前においてピストン油室10a内に
存在する空気は、ピストン11がストロークしない程度
の第1の油圧pc1 をピストン油室10aに供給すること
で、作動油は遠心力により外周側に拡がり、空気と入れ
替わってピストン油室10aは作動油で充填される。
【0028】したがって、初めて回転クラッチ10を締
結しての変速をする時も、一旦変速した後、別のギア位
置への変速により回転クラッチ10が解放され、ピスト
ン油室10aの内部に作動油が充満している状態から再
締結する時もピストン油室10aに流入する作動油の量
が同じとなり、よって、実際にクラッチが作動してトル
クを伝達するまでの時間(応答)のばらつきが解消さ
れ、回転クラッチ10の変速経歴にかかわらず一定の締
結応答性が得られる。
【0029】効果を説明する。
【0030】(1)ピストン油室10aへの油圧制御に
より回転クラッチ10の締結・解放を行なう自動変速機
のクラッチ圧制御装置において、解放されている回転ク
ラッチ10の締結前にピストン11がストロークしない
程度の第1の油圧pc1 を予め付与しておくクラッチ圧制
御を行なうようにした為、ワンウェイクラッチやアプラ
イ・リリース方式といったタイミング取り機構を採用す
る場合に比べて自動変速機の小型化や軽量化を達成しな
がら、掛け替え変速時に変速経歴にかかわらず安定した
低変速ショックを実現することができる。
【0031】(2)ギア位置に無関係に回転クラッチ1
0の油圧を制御可能に構成されたコントロールバルブユ
ニット20により上記クラッチ圧制御を実現するように
した為、ギア位置によって経路の連通,遮断を切り換え
るスプールバルブ等を途中に介する場合に比べ、さらに
自動変速機の小型軽量化を達成することができる。
【0032】(第2実施例)電力消費の低減を図った第
2実施例について説明する。構成的には、図1に示す第
1実施例装置と同様であるので図示並びに説明を省略す
る。
【0033】作用を説明する。
【0034】(A) クラッチ圧制御作用 図3の(イ)(ロ)は第2実施例装置の電子コントロールユニ
ット30で行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを
示すフローチャートである。
【0035】図3の(イ) に示すように、回転クラッチ1
0が締結していなければP204で第1の油圧pc1 が発生す
るようにソレノイドバルブ21に対し制御信号Dpc1 を
出力する点は第1実施例と同様であるが、P305でフラグ
の設定(FLG←1)とタイマのクリア(TMR←0)
を行ない、図3の(ロ) に示す一定時間毎に実行される制
御ルーチンP321においてタイマーTMRを1づつ増加さ
せ(P324)、P323で所定値TMRO となったと判断され
たら、P325へ進み、クラッチ圧を第2の油圧pc2(この
例では、pc2 =0)とするようにソレノイドバルブ21
に対し制御信号Dpc2 を出力する。
【0036】(B) 掛け替え変速作用 回転クラッチ10の非締結時、ピストン11がストロー
クしない程度の第1の油圧pc1 をピストン油室10aに
所定時間供給することでピストン油室10aが作動油で
充填され、所定時間経過後、クラッチ圧をゼロ圧にし、
ピストン油室10aの作動油充填を保ち、次に回転クラ
ッチ10が締結される変速に待機することになる。
【0037】つまり、回転クラッチ10においては、回
転数が所定値以上であれば、回転による遠心力で作動油
はクラッチ外周側に押し付けられる為、一旦、ピストン
油室10a内に作動油が充満すれば、その後、油圧を与
えなくともピストン油室10a内は作動油が充満したま
まとなる(このときの回転数をN1とする)。
【0038】したがって、回転クラッチ10が非締結時
に所定時間だけ第1の油圧pc1 が発生するようにソレノ
イドバルブ21に対し制御信号Dpc1 を出力し、この所
定時間経過後は、第2の油圧pc2 とするようにソレノイ
ドバルブ21に対し制御信号Dpc2 を出力する装置とし
た為、第1実施例の効果に加え、ソレノイドバルブとし
て電源OFFで油圧がゼロとなるようなソレノイドバル
ブ21を用いた場合、電力消費を低減できる。
【0039】尚、固定クラッチにあっても、ピストン油
室内の作動油を保つに必要な最低の第2の油圧pc2 に下
げることによって電力消費を低減できる。
【0040】(第3実施例)第2実施例で述べたのと同
様の理由により、回転クラッチ10にあっては、その回
転数が所定回転数N1以上の状態でのみ第1の油圧pc1 に
よる作動油を供給するようにしても良く、その例がこの
第3実施例である。
【0041】図4に本発明第3実施例の自動変速機のク
ラッチ圧制御装置を示すが、図1と異なる構成は、クラ
ッチドラム13の外周に歯型13bが設けられ、この歯
型13bの対向位置に回転センサ41が設けられ、回転
センサ41からの信号は、コントロールユニット30へ
送出される。
【0042】作用を説明する。
【0043】(A) クラッチ圧制御作用 図5は第3実施例装置の電子コントロールユニット30
で行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを示すフロ
ーチャートである。
【0044】P521は定時割込により一定時間毎に実行さ
れるプログラムルーチンであり、P523でクラッチ回転数
Ncを読み込む。
【0045】読み込んだクラッチ回転数Ncが第1の所定
回転数N1より高ければ、P524からP204へ進み、第1の油
圧pc1 が発生するようにソレノイドバルブ21に対し制
御信号Dpc1 が出力される。
【0046】もし、NcがN1より低く、さらに、第1の回
転数N1より低い第2の回転数N2よりも低い場合には、P5
24→P525→P526へ進み、クラッチ圧がゼロとなるように
ソレノイドバルブ21に対し制御信号が送られる。
【0047】(B) 掛け替え変速作用 回転クラッチ10の非締結時、最初にクラッチ回転数Nc
が第1の回転数N1より高くなれば、ピストン11がスト
ロークしない程度の第1の油圧pc1 がピストン油室10
aに供給され、ピストン油室10aが作動油で充填され
る。その後、クラッチ回転数Ncが第2の回転数N2よりも
低くなれば、クラッチ圧をゼロ圧にし、ピストン油室1
0aの作動油充填を保ち、その後もクラッチ非締結であ
る限りクラッチ回転数Ncの監視により上記の油圧制御が
繰り返され、次に回転クラッチ10が締結される変速に
待機することになる。
【0048】したがって、第3実施例と同様に、回転ク
ラッチ10の非締結時に、常時、第1の油圧pc1 を加え
る場合に比べ、電力消費を低減できる。
【0049】もちろん、第2実施例と同様に、タイマー
と組み合わせ、回転数が第1の回転数N1以上になった
後、所定時間TMRO の間だけ、作動油を供給するよう
にすることもできる。
【0050】尚、回転センサにより直接クラッチドラム
の回転を検出できなくても、ギア位置とエンジン回転数
あるいは車速等から推定することもできる。
【0051】(第4実施例)ピストン油室10aへの作
動油供給を早める為、最初、供給油圧を第3の油圧pc3
(>pc1 )まで高めておき、ピストン油室10aに作動
油が充満したことを検出して、クラッチ圧を第1の油圧
pc1 または第2の油圧pc2 まで下げるようにした例であ
る。
【0052】構成的には、図6に示すように、第1実施
例に加え、ピストンストロークセンサ51を設けてい
る。
【0053】作用を説明する。
【0054】(A) クラッチ圧制御作用 図7は第4実施例装置の電子コントロールユニット30
で行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを示すフロ
ーチャートである。
【0055】P701は変速時に行なわれる制御で、図2の
P204がP704,P705に置き換わる。
【0056】P704にて制御を開始するフラグのセットを
行ない、P705にて第3の油圧pc3 を発生させる制御信号
Dpc3 が出力される。
【0057】P701のルーチンは一旦P720で終了し、後
は、P721の定時割込ルーチンで制御される。ここでは、
フラグがセット(FLG=1)されている場合には、P7
23にてストロークセンサ51からの出力信号を読み込
み、ピストン11のストロークを検出する。ストローク
が検出されると(P724→P725)、ソレノイド21へ制御
信号Dpc1 (またはDpc2 )を出力し、フラグをリセッ
トして制御を終了する(P726)。
【0058】(B) 掛け替え変速作用 回転クラッチ10の非締結時、まず高い第3の油圧pc3
を供給し、ピストンストロークが検出されると、直ち
に、第1の油圧pc1 または第2の油圧pc2 まで下げら
れ、次の回転クラッチ10を締結する変速に待機する。
【0059】したがって、この第4実施例では、初めに
高い第3の油圧pc3 を供給する為、ピストン油室10a
への作動油の充満時間が短時間となるし、ピストンスト
ロークを検出したらクラッチ圧を所定値まで下げる為、
万一、クラッチ圧が高すぎて回転クラッチ10がトルク
を伝達し、引き摺るということが無い。
【0060】尚、固定クラッチ(ブレーキ)の場合、P7
25の所定の油圧制御値は0でない値とする。回転クラッ
チ10の場合、第3実施例と同じ理由でP725の所定の油
圧制御値は0としても良い。
【0061】(第5実施例)この第5実施例は、第4実
施例と同様の制御をトルクセンサを用いて行なうように
した例である。
【0062】構成的には、トルクセンサ61が自動変速
機出力軸62に設けられ、図外のエンジンにスロットル
開度センサ63が設けられ、両センサ61,63からの
センサ信号がコントロールユニット30に送出される。
【0063】作用を説明する。
【0064】(A) クラッチ圧制御作用 図9は第5実施例装置の電子コントロールユニット30
で行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを示すフロ
ーチャートである。
【0065】P901は変速時に行なわれる制御で、図7の
P704がP906〜P908に置き換わる。
【0066】P906,P907にて、その時の出力トルクTo0
とスロットル開度TVO0が記憶される。また、P908にて本
制御の実行中であることを示すフラグのセットを行な
い、P705にて第3の油圧pc3 を発生させる制御信号Dpc
3 が出力される。
【0067】P901のルーチンは一旦P920で終了し、後
は、P921の定時割込ルーチンで制御される。ここでは、
フラグがセット(FLG=2)されている場合には、P9
23でスロットル開度TVO を読み込み、P924にてスロット
ル開度が変化していない場合は、P925へ進み、トルクTo
を読み込む。P926にて出力トルクが所定値ΔTo以上低下
していることを検出した場合は、P725,P726へ進み、制
御を終了する。
【0068】尚、P924にてスロットル開度が変化してい
る場合には、P927,P928へ進み、第1の油圧が得られる
制御信号Dpc1 を出力する。もちろん、第2実施例のよ
うに、タイマーを用いて所定時間だけ制御信号Dpc1 を
出力することもできる。
【0069】(B) 掛け替え変速作用 回転クラッチ10の非締結時、まず高い第3の油圧pc3
を供給し、出力トルクの低下あるいはスロットル開度の
変化が検出されると、直ちに、第1の油圧pc1まで下げ
られ、次の回転クラッチ10を締結する変速に待機す
る。
【0070】したがって、この第5実施例では、初めに
高い第3の油圧pc3 を供給する為、ピストン油室10a
への作動油の充満時間が短時間となるし、出力トルクの
低下あるいはスロットル開度の変化を検出したらクラッ
チ圧を所定値まで下げる為、万一、クラッチ圧が高すぎ
て回転クラッチ10がトルクを伝達し、引き摺るという
ことが無い。
【0071】加えて、トルクセンサ61を用いる場合に
は、ストロークセンサ51のようにクラッチ毎にセンサ
を設ける必要がない。また、万一、路面勾配等の外乱を
受けた場合を考え、図10に示すように、第2実施例の
ようなタイマー制御を併用することも可能である。
【0072】(第6実施例)この第6実施例は、ソレノ
イドバルブ21の固体ばらつきや使用環境による特性変
化による影響を排除しようとする例である。
【0073】構成的には、図11に示すように、第1ク
ラッチ圧油路21bの途中に油圧センサ71を設けてい
る。
【0074】作用を説明する。
【0075】(A) クラッチ圧制御作用 図12は第6実施例装置の電子コントロールユニット3
0で行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを示すフ
ローチャートである。
【0076】P1121 から始まるルーチンは、第2実施例
の図3のP301から始まるルーチンとセットである。
【0077】P324の後に、油圧センサ71からクラッチ
圧pcを読み込み(P1122 )、第1の油圧pc1 と比較し
(P1123 )、その大小に応じて制御信号Dpc1 を増減さ
せ(P1124,P1125 )、制御信号Dpc1 が出力される(P1
126 )。
【0078】(B) 掛け替え変速作用 回転クラッチ10の非締結時、まず第1の油圧pc1 を油
圧センサ71からの検出信号を監視しながら供給し、設
定したタイマー時間を経過すると、直ちに、ゼロ圧とさ
れ、次の回転クラッチ10を締結する変速に待機する。
【0079】したがって、この第6実施例では、クラッ
チ圧を油圧センサ71により直接検出している為、ソレ
ノイドバルブ21のばらつきや作動油温によるばらつき
等の影響が排除され、適切な油圧を供給することができ
る。
【0080】尚、この第6実施例の油圧センサ71は、
クラッチ圧を所定値に制御する全ての実施例に適用する
ことが可能である。
【0081】(第7実施例)この第7実施例は、クラッ
チ圧制御のフェイルセーフとして、ストロークセンサ5
1を用いた例である。
【0082】装置構成としては、図6と同様である。
【0083】作用を説明する。
【0084】図13は第7実施例装置の電子コントロー
ルユニット30で行なわれるクラッチ圧制御処理作動の
流れを示すフローチャートである。
【0085】P1221 から始まるルーチンは、第2実施例
の図3のP324の後にピストンストロークsを読み込み
(P1222 )、ピストン11がストロークしたかどうかを
チェックし(P1223 )、ストロークしている場合は、P3
25へ進み、クラッチ圧を下げて回転クラッチ10の引き
摺りを回避するものである。
【0086】したがって、第1の油圧pc1 を供給する指
令に対してフェイルにより高圧の油圧が供給されるよう
な場合であっても、ピストンストロークのチェックによ
りゼロ圧までクラッチ圧を下げられることで、回転クラ
ッチ10の引き摺りを回避することができる。
【0087】尚、ピストンストロークセンサ51の代わ
りにトルクセンサ61を用いることも可能である。
【0088】(第8実施例)この第8実施例は、ストロ
ークセンサ51を用いて制御信号Dpc1 を学習して設定
する例である。
【0089】装置構成としては、図6と同様である。
【0090】作用を説明する。
【0091】図14は第8実施例装置の電子コントロー
ルユニット30で行なわれるクラッチ圧制御処理作動の
流れを示すフローチャートである。
【0092】P1321 から始まるルーチンは、第2実施例
の図3のP324の後にピストンストロークsを読み込み
(P1222 )、ピストン11がストロークしたかどうかを
チェックし(P1223 )、ストロークしている場合は、P1
322 へ進み、制御信号Dpc1 を所定値ΔDpcだけ小さく
し、その値をDpc1 として更新する(P1323 )。
【0093】したがって、この第8実施例では、設定さ
れているタイマー値TMRO を経過する前に、ピストン
ストロークが起きることがないように、第1の油圧pc1
が最適値に学習されて設定されることになり、第1の油
圧pc1 を固定値とした場合の回転クラッチ10のばらつ
きや油温等による影響を排除することができる。
【0094】クラッチ圧を下げて回転クラッチ10の引
き摺りを回避するものである。
【0095】尚、油圧センサ71やトルクセンサ61を
用いて油圧pc1 やpc3 を学習することも可能である。も
ちろん、油温等をパラメータとしてマップ的に学習する
ことも可能である。
【0096】(第9実施例)この第9実施例は、一定時
間だけ与える低圧のクラッチ圧を所定時間毎に繰り返す
ことで、シール性の低いクラッチの場合に締結応答性を
確保するようにした例である。
【0097】装置構成としては、図1と同様である。
【0098】作用を説明する。
【0099】図15,図16は第9実施例装置の電子コ
ントロールユニット30で行なわれるクラッチ圧制御処
理作動の流れを示すフローチャートである。
【0100】図15は図3(イ) と同様の処理である。
【0101】P1421 から始まる図16のルーチンは、P1
422 にて所定間隔を計時するTMR2をリセットし、P1
423 にて計時を行ない、所定時間TMR20ごとにP203,
P305,P204にてクラッチ圧を供給するようにしている。
この時、フラグも1にセットされ、以後は変速の時と同
様に、所定時間TMR0 でクラッチ圧はゼロになり、ま
た、TMR2 の計時が繰り返される。
【0102】一般に、回転クラッチ10は、前述のよう
に、回転中は遠心力により作動油が外周側に押し付けら
れる為、ピストン油室10aの内部に作動油が充満した
後は、作動油の供給を停止しても良いが、ピストンシー
ル12のシール性が劣る場合は、作動油の供給を停止し
た後にピストン油室10aに空気が入ってくることがあ
る。
【0103】したがって、第9実施例のように、所定時
間毎に作動油を供給してやるようにすると、ピストンシ
ール12のシール性劣化にかかわらず、ピストン油室1
0aの内部に作動油を充満させての締結応答性を確保す
ることができる。
【0104】尚、第9実施例において、油温や回転数に
応じて所定時間を設定することも可能である。これは、
油温によって作動油の粘度が異なったり、クラッチ回転
数によって遠心力による圧力が異なるので、漏れ流量も
異なるが、このようにすると、油温や回転数にかかわら
ず、適切な時間間隔で漏れた作動油を補充することがで
きる。
【0105】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0106】例えば、第1実施例〜第9実施例は、それ
ぞれ独立ではなく組み合わせて用いることもできる。
【0107】また、遠心キャンセル機構付の回転クラッ
チにおいては、遠心力によるクラッチ圧上昇に対抗する
ためにリターンスプリング力を高く設定する必要がな
く、また、ピストン油室の一方向弁との特性の両立解を
探す必要がなく、本発明を適用するのに適している。
【0108】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明にあって
は、ピストン油室への油圧制御によりクラッチの締結・
解放を行なう自動変速機のクラッチ圧制御装置におい
て、解放されているクラッチの締結前にピストンがスト
ロークしない程度の極低圧の油圧を予め付与しておくク
ラッチ圧制御手段を設けた為、自動変速機の小型化や軽
量化を達成しながら、掛け替え変速時に変速経歴にかか
わらず安定した低変速ショックを実現することができる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例の自動変速機に設けられる複
数のクラッチのうち1つのクラッチについてのクラッチ
圧制御装置を示す図である。
【図2】第1実施例装置の電子コントロールユニットで
行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを示すフロー
チャートである。
【図3】第2実施例装置の電子コントロールユニットで
行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを示すフロー
チャートである。
【図4】第3実施例の自動変速機のクラッチ圧制御装置
を示す図である。
【図5】第3実施例装置の電子コントロールユニットで
行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを示すフロー
チャートである。
【図6】第4実施例の自動変速機のクラッチ圧制御装置
を示す図である。
【図7】第4実施例装置の電子コントロールユニットで
行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを示すフロー
チャートである。
【図8】第5実施例の自動変速機のクラッチ圧制御装置
を示す図である。
【図9】第5実施例装置の電子コントロールユニットで
行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを示すフロー
チャートである。
【図10】第5実施例装置の変形例を示す部分フローチ
ャートである。
【図11】第6実施例の自動変速機のクラッチ圧制御装
置を示す図である。
【図12】第6実施例装置の電子コントロールユニット
で行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図13】第7実施例装置の電子コントロールユニット
で行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図14】第8実施例装置の電子コントロールユニット
で行なわれるクラッチ圧制御処理作動の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図15】第9実施例装置の電子コントロールユニット
で行なわれるクラッチ圧制御処理作動の変速ルーチンの
流れを示すフローチャートである。
【図16】第8実施例装置の電子コントロールユニット
で行なわれるクラッチ圧制御処理作動の定時割り込みル
ーチンの流れを示すフローチャートである。
【図17】従来のクラッチにおける締結応答のばらつき
説明図である。
【符号の説明】
10 回転クラッチ(クラッチ) 10a ピストン油室 11 ピストン 20 コントロールバルブユニット 21 ソレノイドバルブ 30 電子コントロールユニット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のギア位置が得られるギアトレーン
    と、ギア位置に応じて締結される複数のクラッチと、変
    速指令によりギア位置を変える時、解放すべきクラッチ
    のピストン油室から油圧を抜き、締結すべきクラッチの
    ピストン油室へ油圧を供給するクラッチ圧制御手段を備
    えた自動変速機のクラッチ圧制御装置において、 前記クラッチ圧制御手段を、解放されているクラッチの
    締結前にピストンがストロークしない程度の極低圧の油
    圧を予め付与しておく手段としたことを特徴とする自動
    変速機のクラッチ圧制御装置。
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