JP5729379B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車輌に搭載される自動変速機の制御装置に係り、詳しくは、走行レンジであって、かつ車輌の停止中に、発進時に係合されるクラッチを制御して、ニュートラル状態に維持する自動変速機の制御装置に関する。
従来、車輌等に搭載される自動変速機において、例えば走行レンジであってフットブレーキ等により車輌が停車状態にされた場合に、エンジンと駆動車輪との動力伝達を行うクラッチ(例えばC−1)の係合を緩め、略々ニュートラル状態にする、いわゆるニュートラル制御を行うものがある(特許文献1参照)。この特許文献1のものは、当該クラッチが引き摺り状態にあると判断した場合に該クラッチの係合圧を設定圧分だけ上昇し、該クラッチがスリップ状態(動力伝達状態)にあると判断した場合に該クラッチの係合圧を設定圧分だけ低下することで、クラッチをスリップ状態の直前(動力伝達を行う直前)に維持している。
このように引き摺り状態(スリップ状態の直前)にするニュートラル制御を行うと、車輌の停車中にあって、トルクコンバータの引き摺り(クリープトルクの伝達)を抑えて燃費の向上を図ると共にエンジンの振動を車体に伝えてしまうことの抑制を図ることができ、かつ車輌の発進時にあっては、直ちに該クラッチを係合することを可能にして、発進時における動力伝達のレスポンスを確保し、駆動力の伝達遅れを運転者等に感じさせてしまうことの防止を図ることができる。
特開平9−32917号公報
ところで、従来、自動変速機の油圧制御装置にあっては、クラッチの係合圧を制御するため、リニアソレノイドバルブにより制御した制御圧によってコントロールバルブを駆動制御し、該コントロールバルブによりライン圧を調圧することで、該係合圧を生成していたが、近年、リニアソレノイドバルブの出力性能の向上がなされ、該リニアソレノイドバルブによりライン圧を直接調圧してクラッチの係合圧を生成することが可能となり、上述したクラッチの状態を制御するレスポンスとして飛躍的な向上が図られている。
一方、近年の環境問題等に起因して、更なる車輌の燃費向上、即ち自動変速機における更なる効率向上が求められるようになり、上記特許文献1のようなニュートラル制御にあっても、車輌の停車中にクラッチの引き摺りロスがあるため、更なる燃費向上の余地があると考えられている。しかしながら、ニュートラル制御においてクラッチを完全解放状態(係合圧を0)にしてしまうと、リニアソレノイドバルブの出力性能が向上しているとしても、運転者が発進操作を行った場合にクラッチの係合遅れが生じてしまい、運転者に違和感を与える虞があった。
そこで本発明は、走行レンジで、かつ車輌の停車中にニュートラル制御を実行するものにあって、更なる燃費の向上を図ることが可能な自動変速機の制御装置を提供することを目的とするものである。
本発明は(例えば図1乃至図9参照)、発進時に係合されるクラッチ(C−1)の油圧サーボ(40)の作動油室(46)に供給する係合圧(PC1)を調圧出力自在なソレノイドバルブ(SLC1)を指令制御する自動変速機(3)の制御装置(1)において、
走行レンジを含むシフトレンジを判定するレンジ判定手段(21)と、
車輌の停車を判定する停車判定手段(22)と、
前記走行レンジが判定され、かつ前記車輌の停車が判定された際に、前記ソレノイドバルブ(SLC1)から前記クラッチ(C−1)の油圧サーボ(40)の作動油室(46)までの油路(50)と、前記クラッチ(C−1)の油圧サーボ(40)の作動油室(46)とが油で満たされ、かつ前記クラッチ(C−1)のピストン(43)がスプリング(45)による付勢力にてクラッチドラム(42)に押し付けられて当接した状態となるように、0圧よりも大きくかつ前記スプリング(45)の付勢力よりも小さい圧である所定係合圧(PC1−LOW )を前記クラッチ(C−1)の油圧サーボ(40)に供給制御するニュートラル制御を実行し、該ニュートラル制御が終了されるまで前記所定係合圧(P C1−LOW )を継続して供給するニュートラル制御手段(25)と、を備えたことを特徴とする。
更に、本発明は(例えば図1乃至図9参照)、車輌の発進意思の操作を検出する発進意思操作検出手段(23)と、
前記車輌の発進意思の操作を検出した際に、前記係合圧(PC1)の油圧指令値を一時的に上昇して、前記クラッチ(C−1)の油圧サーボ(40)をストロークエンドよりも係合側の状態にするファーストフィル制御を実行するファーストフィル制御手段(27)と、
前記ファーストフィル制御に続いて前記クラッチ(C−1)の係合制御を行う係合制御手段(26)と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は(例えば図1、図7、図8、図9参照)、前記ファーストフィル制御手段(27)は、前記ニュートラル制御手段(25)により指令制御された前記所定係合圧(PC1−LOW )の油圧指令値と該油圧指令値を前記ニュートラル制御の開始から終了まで継続した時間(TA)とに基づき、前記ファーストフィル制御における前記係合圧(PC1)の油圧指令値(PC1−FF)の大きさを設定してなることを特徴とする。
更に、本発明は(例えば図1、図7、図8、図9参照)、油温を検出する油温検出手段(35)を備え、
前記ファーストフィル制御手段(27)は、前記油温に基づき、前記ファーストフィル制御を実行する時間(TB)を設定してなることを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、ニュートラル制御手段が、走行レンジが判定され、かつ車輌の停車が判定された際に、ソレノイドバルブから作動油室までの油路と、該作動油室とが油で満たされ、かつクラッチのピストンがスプリングによる付勢力にてクラッチドラムに押し付けられて当接した状態となるように、0圧よりも大きくかつ前記スプリングの付勢力よりも小さい圧である所定係合圧をクラッチの油圧サーボに供給制御するので、いわゆるニュートラル制御中にクラッチの引き摺りロスがなく、例えばニュートラルレンジに手動操作した場合と同等な燃費の向上を図ることができる。
請求項2に係る本発明によると、ファーストフィル制御手段が、車輌の発進意思の操作を検出した際に、係合圧の油圧指令値を一時的に上昇して、クラッチの油圧サーボをストロークエンドよりも係合側の状態にするファーストフィル制御を実行するので、ソレノイドバルブによる係合圧上昇のレスポンスと相俟って、運転者が発進操作を行った場合にクラッチの係合遅れが生じることを防ぐことができ、運転者に違和感を与えることを防止することができる。
請求項3に係る本発明によると、ファーストフィル制御手段が、ニュートラル制御手段により指令制御された係合圧の油圧指令値と該油圧指令値を継続した時間とに基づき、ファーストフィル制御における油圧指令値の大きさを設定するので、つまりニュートラル制御の終了時におけるクラッチの油圧制御状態(油圧サーボのストローク状態)を予測し、該予測を反映した形でファーストフィル制御を実行することができる。これにより、より正確にクラッチを係合直前の状態にするファーストフィル制御を可能とすることができ、係合ショックの発生や係合遅れの発生を防止することができる。
請求項4に係る本発明によると、ファーストフィル制御手段が、油温に基づきファーストフィル制御を実行する時間を設定するので、油の粘性に応じた正確なファーストフィル制御を実行することができて、より正確にクラッチを係合直前の状態にすることができ、係合ショックの発生や係合遅れの発生を防止することができる。
本発明に係る自動変速機の制御装置を示すブロック図。 本発明を適用し得る自動変速機を示すスケルトン図。 本発明を適用し得る自動変速機の係合表。 自動変速機のクラッチC−1及びその油路の構造を示す模式断面図。 本発明に係るニュートラル制御を示すフローチャート。 インニュートラル制御を示すフローチャート。 アプライ制御を示すフローチャート。 ファーストフィル制御を示すフローチャート。 本発明に係るニュートラル制御の一例を示すタイムチャート。
以下、本発明に係る実施の形態を図1乃至図9に沿って説明する。
まず、本発明を適用し得る自動変速機3の概略構成について図2に沿って説明する。図2に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車輌に用いて好適な自動変速機3は、エンジン(E/G)2(図1参照)に接続し得る自動変速機の入力軸8を有しており、該入力軸8の軸方向を中心としてトルクコンバータ(T/C)4と、自動変速機構5とを備えている。
上記トルクコンバータ4は、自動変速機3の入力軸8に接続されたポンプインペラ4aと、作動流体を介して該ポンプインペラ4aの回転が伝達されるタービンランナ4bとを有しており、該タービンランナ4bは、上記入力軸8と同軸上に配設された上記自動変速機構5の入力軸10に接続されている。また、該トルクコンバータ4には、ロックアップクラッチ7が備えられており、該ロックアップクラッチ7が係合されると、上記自動変速機3の入力軸8の回転が自動変速機構5の入力軸10に直接伝達される。
上記自動変速機構5には、入力軸10上において、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。上記プラネタリギヤSPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP1を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、キャリヤCR2、及びリングギヤR2を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合するロングピニオンPLと、サンギヤS3に噛合するショートピニオンPSとを互いに噛合する形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。
上記プラネタリギヤSPのサンギヤS1は、ミッションケース9に一体的に固定されているボス部に接続されて回転が固定されている。また、上記リングギヤR1は、上記入力軸10の回転と同回転(以下「入力回転」という。)になっている。更に上記キャリヤCR1は、該固定されたサンギヤS1と該入力回転するリングギヤR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、クラッチC−1及びクラッチC−3に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、バンドブレーキからなるブレーキB−1に接続されてミッションケースに対して固定自在となっていると共に、上記クラッチC−3に接続され、該クラッチC−3を介して上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。また、上記サンギヤS3は、クラッチC−1に接続されており、上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。
更に、上記キャリヤCR2は、入力軸10の回転が入力されるクラッチC−2に接続され、該クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、ワンウェイクラッチF−1及びブレーキB−2に接続されて、該ワンウェイクラッチF−1を介してミッションケースに対して一方向の回転が規制されると共に、該ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、上記リングギヤR2は、カウンタギヤ11に接続されており、該カウンタギヤ11は、不図示のカウンタシャフト、ディファレンシャル装置を介して駆動車輪に接続されている。
上記のように構成された自動変速機3は、図3に示す作動表のように前進1速段〜前進6速段及び後進段において、各クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−2、ワンウェイクラッチF−1が作動することにより、良好なステップ比をもって変速段のギヤ比を形成する。また、これらの複数のクラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−2同士を掴み換えすることで各変速制御が実行され、各変速段において前進1速段の駆動時(例えば発進時)を除き、各クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−2のうちの2つが係合されて各変速段が達成される。
つづいて、本発明に係る自動変速機の制御装置1と、クラッチC−1及びその油路の構造とについて、図1及び図4に沿って説明する。
図1に示すように、本自動変速機の制御装置1は、制御部(ECU)20を有しており、該制御部20は、入力軸回転速度センサ30、シフトポジションセンサ31、出力軸回転速度(車速)センサ32、ブレーキセンサ33、スロットル開度センサ34、油温センサ(油温検出手段)35などが接続されていると共に、上述した自動変速機構5の各クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−2やロックアップクラッチ7等を油圧制御する油圧制御装置(V/B)6に接続されている。
該油圧制御装置6には、各クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−2の油圧サーボに対して供給する係合圧を制御する複数のリニアソレノイドバルブ等が備えられており、特に油圧制御装置6には、クラッチC−1の油圧サーボ40に対して供給する係合圧PC1を、ライン圧Pを元圧として調圧出力自在なリニアソレノイドバルブSLC1が備えられていて、該リニアソレノイドバルブSLC1は、制御部20からの指令により制御され得るように構成されている。
詳細には、クラッチC−1は、図4に示すように、外摩擦板41a及び内摩擦板41bからなる摩擦板41と、この摩擦板41を接断させる油圧サーボ40とを備えている。この油圧サーボ40は、クラッチドラム42、ピストン部材43、リターンプレート44、リターンスプリング45を有しており、これらにより、作動油室46、キャンセル油室47を構成している。
クラッチドラム42は、図4では図示を省略した入力軸10に回転自在に支持されており、上記サンギヤS3に不図示の連結部材を介して駆動連結されている。また、クラッチドラム42の外周先端部の内周面には、上記外摩擦板41aがスプライン係合されていると共に、それら外摩擦板41aはスナップリング49によってクラッチドラム42に対して軸方向の移動が規制されている。それら外摩擦板41aの軸方向の間に交互に配置された内摩擦板41bは、ハブ部材60の先端部の外周面にスプライン係合されており、該ハブ部材60は、上記キャリヤCR1に対して駆動連結されている。
上記ピストン部材43は、クラッチドラム42に内包されて軸方向移動可能に配置されていて、2本のシールリングa1,a2により、クラッチドラム42との間に作動油室46を構成している。さらにリターンプレート44は、クラッチドラム42に嵌合されたスナップリング48によって軸方向移動が阻止されており、該リターンプレート44は、ピストン部材43との間にリターンスプリング45が縮設されていると共に、シールリングa3によりキャンセル油室47を構成している。
また、上記作動油室46は、油路50を介してリニアソレノイドバルブSLC1の出力ポートに接続されており、該リニアソレノイドバルブSLC1の入力ポートには油路51を介してライン圧Pが入力されている。なお、リニアソレノイドバルブSLC1は、上記油圧制御装置6内に配置されており、本明細書中において「油路50」とは、上記油圧制御装置6内に形成されたリニアソレノイドバルブSLC1の出力ポートから、例えば油圧制御装置6内、オイルポンプケース(不図示)内、入力軸10内、等をそれぞれ通って作動油室46まで連通される油路を指す。
以上のように構成されたクラッチC−1においては、例えばリニアソレノイドバルブSLC1から係合圧PC1が出力されない状態(クラッチC−1の解放状態)では、油路50及び作動油室46がドレーン(大気開放)されて、解放状態の時間の長さ等によっては空気が混入する状態となる。
また、詳しくは後述するニュートラル制御中のように、リニアソレノイドバルブSLC1から係合圧PC1として所定圧PC1−LOWが出力されると、スプリング45の付勢力によってピストン部材43がクラッチドラム42に押し付けられて当接した状態で、かつ油路50及び作動油室46が油で満たされる状態となる。
つづいて、該リニアソレノイドバルブSLC1から係合圧PC1としてストロークエンド圧PC1−STENDが出力されると、スプリング45の付勢力に打勝って該スプリング45を縮めるようにピストン部材43が移動し、該ピストン部材43の先端が摩擦板41に当接した状態(いわゆる油圧サーボ40がガタ詰めした状態)となる。
そして、該リニアソレノイドバルブSLC1からストロークエンド圧PC1−STENDよりも大きい係合圧PC1が出力されると、ピストン部材43がさらに移動し、該ピストン部材43の先端が摩擦板41を押圧してクラッチC−1を係合していく状態となる。
ついで、本自動変速機の制御装置1における制御部(ECU)20の構成について詳細に説明する。図1に示すように、制御部20には、レンジ判定手段21、停車判定手段22、発進意思操作検出手段23、ニュートラル制御手段25、係合制御手段26が備えられており、該係合制御手段26には、低圧時間タイマ27aとファーストフィル時必要油圧マップ27bとファーストフィル時間マップ27cとを有するファーストフィル制御手段27、待機制御手段28、実係合制御手段29が備えられている。このうちのニュートラル制御手段25及び係合制御手段26は、リニアソレノイドバルブSLC1に指令制御して、係合圧PC1の油圧指令値を自在に制御し、クラッチC−1の係脱状態、つまり油圧サーボ40のピストンのストローク状態ないし摩擦板に対する押圧状態を自在に制御する。
一方、上記入力軸回転速度センサ30は、上述した自動変速機構5の入力軸10の回転速度(つまりタービンランナ4bのタービン回転数Nt)を検出する。上記シフトポジションセンサ31は、不図示の運転席に配置されたシフトレバーの操作位置(或いはシフトレバーに連動するマニュアルシャフトの位置)を検出する。上記出力軸回転速度センサ32は、上述した自動変速機構5のカウンタギヤ11(或いはカウンタシャフト)の回転速度(つまり車速V、出力軸回転数Nout)を検出する。上記ブレーキセンサ33は、不図示のブレーキペダルの踏圧状態(少なくともブレーキON/OFF)を検出する。上記スロットル開度センサ34は、主にアクセル開度に基づき制御されるスロットル開度を検出する。そして、油温センサ35は、自動変速機3内の油温を検出する。
上記レンジ判定手段21は、上記シフトポジションセンサ31によるシフトレバーの位置検出に基づき、P(パーキング)レンジ(非走行レンジ)、R(リバース)レンジ(走行レンジ)、N(ニュートラル)レンジ(非走行レンジ)、D(ドライブ)レンジ(走行レンジ)を含むシフトレンジの、いずれのレンジであるかを判定する。上記停車判定手段22は、上記出力軸回転速度センサ32による出力軸回転速度(即ち車速V)の検出結果に基づき車輌が停車状態であるか否かを判定する。上記発進意思操作検出手段23は、例えば運転者が坂路等でブレーキを緩めて車速Vが0以上となった場合(停車状態ではなくなった場合)、ブレーキがOFFされた場合、スロットル開度がONされた場合(0%ではなくなった場合)、のいずれかの場合に運転者による発進意思の操作があったとして検出する。
ついで、停車時のクラッチC−1制御、即ち、ニュートラル制御手段25によるニュートラル制御と係合制御手段26によるアプライ制御とについて、図1を参照しつつ、図5乃至図8に沿って説明する。例えばレンジ判定手段21によりDレンジが判定されている状態で、かつ停車判定手段22により車輌の停車が判定されると、図5に示すように、本発明に係るクラッチC−1の制御を開始し(S1)、ニュートラル制御手段25は、インニュートラル制御を開始する(S2)。ニュートラル制御手段25は、図6に示すように、このインニュートラル制御を開始すると(S2−1)、まず、クラッチC−1の解放制御を行う(S2−2)。この解放制御においては、例えば予め演算されたクラッチC−1の解放直前の油圧まで係合圧PC1を予め設定した急勾配で降下させ、その後、緩勾配で所定時間の間、該係合圧PC1を降下して緩やかにクラッチC−1を解放する。
上記解放制御(S2−2)が終了すると、ニュートラル制御手段25は、低圧出力制御に移行し(S2−3)、リニアソレノイドバルブSLC1を指令制御して、クラッチC−1の係合圧PC1が、該クラッチC−1の油圧サーボ40のピストンがストロークエンド(即ち油圧サーボ40がガタ詰めした状態)となるストロークエンド圧PC1−STENDよりも低い所定圧PC1−LOWになるように油圧指令値を設定して制御する。
これにより、上述したようにクラッチC−1の油圧サーボ40においては、スプリング45による付勢力にてピストン部材43がクラッチドラム42に当接した状態で、かつリニアソレノイドバルブSLC1から作動油室46までの油路50と、該作動油室46とが油で満たされた状態となるように制御され(図4参照)、該クラッチC−1は、引き摺り状態ではなく、解放した状態であって、かつ完全解放(即ち油圧が0)ではない状態である。これにより、Dレンジでかつ停車中の状態にあって、クラッチC−1が引き摺られることなく解放され、該クラッチC−1の引き摺りロスをなくすことが可能となり、エンジン2のアイドル回転の低回転化や低出力化も可能となる。
ニュートラル制御手段25は、上記低圧出力制御を行うと、そのままステップS2−4を介して、図5に示すステップS3に進む。すると、上述した発進意思操作検出手段23が、スロットル開度センサ34によりスロットルONが検出されるか、出力軸回転速度(車速)センサ32により車速Vが0より大きくなったことが検出されるか、ブレーキセンサ33によりブレーキOFFが検出されるか、のいずれかが検出されるまで待機する(S3のNo)。そして、発進意思操作検出手段23が、スロットルON、車速Vが0より大きい、ブレーキOFF、のいずれかの状態を検出すると(S3のYes)、運転者の発進意思があるとして、上記ニュートラル制御(即ち低圧出力制御)の終了を判断し、ステップS4に進む。なお、この低圧出力制御の開始(S2−3)から終了(S3のYes)までの時間、つまり所定圧PC1−LOWになるように油圧指令値を継続した時間TA(図9参照)は、低圧時間タイマ27aにより計時されており、詳しくは後述するファーストフィル制御手段27によるファーストフィル制御に反映される。
ステップS4に進むと、係合制御手段26は、図7に示すように、アプライ制御を開始する(S4−1)。すると、まず、ファーストフィル制御手段27が、クラッチC−1の油圧サーボ40のガタ詰め動作を行うためのファーストフィル制御の実行を開始する(S4−2)。詳細には、図8に示すように、ファーストフィル制御を開始すると(S4−2−1)、アプライ制御開始前(低圧出力制御の終了時)の係合圧PC1の油圧指令値(つまり所定圧PC1−LOW)を取得すると共に(S4−2−2)、上記低圧時間タイマ27aにより計時された低圧出力制御の経過時間(所定圧PC1−LOWになるように油圧指令値を継続した時間)TAを取得する(S4−2−3)。そして、ファーストフィル制御手段27は、取得したアプライ制御開始前の油圧指令値と、低圧出力制御の経過時間とに基づきファーストフィル時必要油圧マップ27bを参照し(S4−2−4)、ファーストフィル制御で指令する係合圧PC1の油圧指令値PC1−FFを設定する。
なお、詳細な図示は省略したが、該ファーストフィル時必要油圧マップ27bには、予め実験的に求めた値として、アプライ制御開始前の油圧指令値と低圧出力制御の経過時間との関係に基づいたファーストフィル制御の係合圧の値(油圧指令値PC1−FF)が格納されており、具体的には、低圧出力制御において出力した油圧指令値と時間の経過とに関連して僅かに移動する油圧サーボ40のピストン(不図示)の位置を正確に予測し、そのピストンをファーストフィル制御でガタ詰め動作させるために必要とされる係合圧PC1の油圧指令値PC1−FFが格納されている。
即ち、上記低圧出力制御中にあっては、クラッチC−1の係合圧PC1の油圧指令値を所定圧PC1−LOWに維持していたとしても、実際の係合圧PC1が油圧指令値としての所定圧PC1−LOWに収束していくまで時間を要するため、油圧指令値としての所定圧PC1−LOWを指令していた時間の長さによって、クラッチC−1の油圧サーボ40のピストンのストローク位置が変化するはずである。そこで、低圧時間タイマ27aが上記低圧出力制御を継続した時間TAを計時し、上記低圧出力制御により油圧指令した所定圧PC1−LOWの値とそれが継続した時間TAとに基づき、該ファーストフィル時必要油圧マップ27bを参照することで、クラッチC−1の油圧サーボ40のピストンのストローク位置を予測する形となって、該所定圧PC1−LOWと該時間TAとに基づきファーストフィル制御における係合圧PC1の油圧指令値PC1−FFを設定することができる。
一方、ファーストフィル制御手段27は、上記ステップS4−2−2〜S4−2−4と同時進行的に、油温センサ35の検出によりファーストフィル制御の開始時の油温を取得し(S4−2−5)、ファーストフィル時間マップ27cを参照して(S4−2−6)、ファーストフィル制御で上記油圧指令値PC1−FFを出力する時間、つまりファーストフィル制御を実行する時間(以下、「ファーストフィル時間TB」という)を設定する。
即ち、詳細な図示は省略したが、該ファーストフィル時間マップ27cには、予め実験的に求めた時間の値として、油温とファーストフィル時間TBとの関係が格納されており、具体的には、油温に起因した油の粘性係数に基づき、上記油圧指令値PC1−FFにより正確にピストンをガタ詰め動作させるために必要な時間TB、つまり油温が高いほど短く、低いほど長くなるような時間TBの値が格納されている。これにより、上記ファーストフィル制御における係合圧PC1の油圧指令値PC1−FFの設定と、そのファーストフィル制御を実行する時間TBの設定とが相俟って、より正確なガタ詰め動作の実行を可能とすることができる。
以上のように、ファーストフィル制御手段27は、ファーストフィル制御における係合圧PC1の油圧指令値PC1−FFとファーストフィル時間TBとを設定すると、ステップS4−2−6に進み、ファーストフィル制御における係合圧PC1の油圧指令値PC1−FF(ファーストフィル油圧)を出力し、ファーストフィル時間TBが経過したか否かを判定して(S4−2−7)、該ファーストフィル時間TBが経過するまで(S4−2−7のNo)、ファーストフィル制御を継続する。そして、ファーストフィル時間TBが経過すると(S4−2−7のYes)、クラッチC−1の油圧サーボ40のピストンがストロークエンドより僅かに係合側の状態となるように(つまりクラッチC−1が引き摺り状態となるように)ファーストフィル(ガタ詰め動作)が終了しているはずであるので、ファーストフィル制御を終了し(S4−2−8)、図7のステップS4−3に進む。
ステップS4−3に進むと、待機制御手段28は、係合圧PC1の油圧指令値をストロークエンド圧PC1−STENDよりも高い待機圧PC1−Wに維持する待機制御を開始する。これにより、クラッチC−1は、引き摺り状態から徐々にピストンが係合側にストロークされていく。そして、上記入力軸回転速度センサ30により検出されるタービン回転数Ntに変化が生じたか否かにより、クラッチC−1が係合を開始したか否か(つまりスリップ状態に移行したか否か)を判定し(S4−4)、該クラッチC−1が係合開始となるまで待機圧を維持し(S4−4のNo)、その後、クラッチC−1が係合を開始すると(S4−4のYes)、待機制御手段28による待機制御を終了して、ステップS4−5に進む。
なお、この待機圧PC1−Wは、前回のクラッチC−1の係合制御(通常の変速時の係合制御でもよい)における係合タイミング等に基づき、学習補正されて設定されるようにしてもよい。また、この待機制御が所定時間以上継続してもクラッチC−1の係合開始が検出できない場合は、タイムリミットを設けて、強制的に後述する実係合制御に移行することが好ましく、それによりクラッチC−1の係合遅れを防止することが好ましい。
ステップS4−5に進むと、実係合制御手段29は、係合圧PC1の油圧指令値を上昇勾配に設定する。この上昇勾配は、例えばクラッチC−1のトルク容量の上昇を保障する勾配、予め設定された基本勾配、タービン回転数Ntと出力軸回転数Noutとに基づく回転変化率の上昇を保障する勾配、の例えば3つの勾配を演算し、そのうちの最も急勾配となる勾配を選択する。そして、上記タービン回転数Ntと出力軸回転数Noutとに基づく回転変化率(即ちギヤ比の進行率)が所定の変化率になったか否かにより、クラッチC−1が実係合を完了したか否かを判定し(S4−6)、該クラッチC−1が実係合完了となるまで上記上昇勾配を維持し(S4−6のNo)、その後、クラッチC−1が係合を完了すると(S4−6のYes)、実係合制御手段29による実係合制御を終了して、ステップS4−7に進む。
ステップS4−7に進むと、係合制御手段26は係合完了制御を実行して係合圧PC1を急上昇させ、該係合圧PC1をライン圧P相当まで上昇させて、以上のアプライ制御を終了する(S4−8)。そして、係合制御手段26によるクラッチC−1の完全係合制御が完了するまで待機し(図5のS5のNo)、クラッチC−1の完全係合が完了すると(S5のYes)、以上説明した停車時のクラッチC−1制御を全て終了する(S6)。
つづいて、停車時のクラッチC−1制御を図9の走行例に沿って説明する。例えばDレンジによる走行中にフットブレーキ(Brake)がONされると、出力軸回転数Nout(車速V)及びタービン回転数Ntが降下していき、時点t1に0となって、つまり車輌が停車される。すると、レンジ判定手段21により判定されるシフトレンジがDレンジであって、かつ停車判定手段22により車輌の停車が判定されるので、ニュートラル制御手段25がインニュートラル制御における解放制御を開始し(S2−2)、時点t2までに係合圧PC1の油圧指令値を急勾配で降下させてクラッチC−1を解放直前の状態にし、時点t2から時点t3まで係合圧PC1の油圧指令値を緩勾配で降下させてクラッチC−1を緩やかに解放していく。
これにより、クラッチC−1が引き摺り状態まで解放されて自動変速機構5の入力軸10とカウンタギヤ11(つまり駆動車輪)との動力伝達が切り離され、入力軸10及びタービンランナ4bが略々自由回転状態となって、タービン回転数Ntはトルクコンバータ4の流体伝動により略々エンジン回転数Neと一致するまで上昇する。また、クラッチC−1が解放される前にあって、入力軸10及びタービンランナ4bがクラッチC−1の係合によりエンジン2のアイドル回転以下まで引き摺られると、トルクコンバータ4を空転させる分のエンジントルクTe、言い換えるとエンジンストールを防止するための分のエンジントルクTeを出力する必要があるが、クラッチC−1が解放されて入力軸10及びタービンランナ4bが略々自由回転状態となることで、その分、エンジントルクTeを下げることができる。
時点t3において、上記解放制御が終了すると、ニュートラル制御手段25は、低圧出力制御を開始し(S2−3)、係合圧PC1の油圧指令値をストロークエンド圧PC1−STENDよりも低い所定圧PC1−LOWに設定する。これにより、ニュートラル制御中のクラッチC−1における引き摺りロスをなくしてニュートラルと同じ解放状態にすることができ、例えばニュートラルレンジに手動操作した場合と同等な燃費にすることができて、クラッチC−1を引き摺り状態にする従来のニュートラル制御に比して、燃費の向上を図ることができる。
時点t4において、発進意思操作検出手段23が、スロットルON、車速Vが0より大きい、ブレーキOFF、のいずれかの状態を検出すると(S3のYes)、運転者の発進意思があるとして、上記低圧出力制御を終了し、ファーストフィル制御手段27によりアプライ制御におけるファーストフィル制御を開始する(S4−2)。
ところで、上述したように、上記低圧出力制御中にあっては、クラッチC−1の係合圧PC1の油圧指令値を所定圧PC1−LOWに維持していたとしても、実際の係合圧PC1が油圧指令値としての所定圧PC1−LOWに収束していくまで時間を要するため、油圧指令値としての所定圧PC1−LOWを指令していた時間の長さによって、クラッチC−1の油圧サーボ40におけるピストンのストローク位置が変化する。
そこで、低圧時間タイマ27aが上記低圧出力制御が継続した時間TAを計時し、上記低圧出力制御により油圧指令した所定圧PC1−LOWの値とそれが継続した時間TAとに基づき、ファーストフィル時必要油圧マップ27bを参照し(S4−2−2〜S4−2−4)、つまりクラッチC−1の油圧サーボ40におけるピストンのストローク位置を予測する形で、該所定圧PC1−LOWと該時間TAとに基づきファーストフィル制御における係合圧PC1の油圧指令値PC1−FFを設定する。
また、上述のようにピストンストローク位置の予測に基づきファーストフィル制御における係合圧PC1の油圧指令値PC1−FFを正確に設定したとしても、油温によって油の粘性が異なるため、実際の係合圧PC1が油圧指令値PC1−FFに収束するまでの時間が異なる。そこで、ファーストフィル制御手段27は、油温と油圧指令する時間TBとの関係が記録されたファーストフィル時間マップ27cを参照して、油圧指令値PC1−FFを出力(実行)する時間TBを設定する(S4−2−5〜S4−2−6)。
このように係合圧PC1の油圧指令値PC1−FFと、それを出力する時間TBとを設定してファーストフィル制御を行うことで、迅速に、かつ正確にガタ詰め動作を行ってクラッチC−1を係合直前の状態(引き摺り状態であってスリップ状態の直前)にすることができ、車輌の発進に際して係合ショックの発生や係合遅れの発生を防止することができる。
つづいて、時点t4から上記の時間TBが経過して時点t5となり、ファーストフィル制御が終了すると(S4−2−7のYes)、待機制御手段28が係合圧PC1を待機圧PC1−Wにする待機制御を開始する(S4−3)。これにより、クラッチC−1は徐々に係合されていき、引き摺り状態からスリップ状態に移行して、つまりクラッチC−1のトルク伝達が開始される。
その後の時点t6において、上記待機制御によってタービン回転数Ntに変化が生じたことを検出し、クラッチC−1が係合を開始したことを判定すると(S4−4のYes)、実係合制御手段29は、上述のように例えばクラッチC−1のトルク容量の上昇を保障する勾配、予め設定された基本勾配、タービン回転数Ntと出力軸回転数Noutとに基づく回転変化率の上昇を保障する勾配、の例えば3つの勾配を演算し、そのうちの最も急勾配となる勾配を選択し、その勾配で係合圧PC1の油圧指令値を設定する(S4−5)。
これにより、時点t6から時点t7にかけて、クラッチC−1は、スリップ状態から徐々に完全係合状態に向けて係合されていく。それにより、クラッチC−1の係合が進行するに連れて出力軸回転数Nout(車速V)が上昇していき、タービン回転数Ntは徐々に前進1速段のギヤ比に近づくために下降し、前進1速段のギヤ比となると出力軸回転数Noutの上昇に応じて上昇を開始する。また、タービン回転数Ntが前進1速段のギヤ比となる回転数まで下げられるため、トルクコンバータ4においてアイドル回転数のポンプインペラ4aとタービンランナ4bとの間に差回転が生じ、その差回転の伝動ロス分だけエンジントルクTeが上昇することになる。
そして、時点t7において、タービン回転数Ntと出力軸回転数Noutとに基づく回転変化率(ギヤ比進行率)に基づき、クラッチC−1が実係合を完了したことを判定すると(S4−6のYes)、係合制御手段26は係合完了制御を実行し(S4−7)、係合圧PC1を急上昇させて該係合圧PC1をライン圧P相当まで上昇させ、アプライ制御を終了する(S4−8)。以上によって本ニュートラル制御に係るクラッチC−1の制御を終了し、前進1速段としての通常走行状態となる。
以上説明したように本自動変速機の制御装置1によると、ニュートラル制御手段25が、Dレンジが判定され、かつ車輌の停車が判定された際に、クラッチC−1のピストン43がスプリング45による付勢力にてクラッチドラム42に当接した状態で、かつリニアソレノイドバルブSLC1から作動油室46までの油路50と、該作動油室46とが油で満たされるように、係合圧PC1を指令制御するので、いわゆるニュートラル制御中にクラッチC−1の引き摺りロスがなく、例えばニュートラルレンジに手動操作した場合と同等な燃費の向上を図ることができる。
また、ファーストフィル制御手段27が、車輌の発進意思の操作を検出した際に、係合圧PC1の油圧指令値を一時的に上昇して、クラッチC−1の油圧サーボ40をストロークエンドよりも係合側の状態にするファーストフィル制御を実行するので、リニアソレノイドバルブSLC1による係合圧PC1の上昇のレスポンスと相俟って、運転者が発進操作を行った場合にクラッチC−1の係合遅れが生じることを防ぐことができ、運転者に違和感を与えることを防止することができる。
また、ファーストフィル制御手段27が、ニュートラル制御手段25により指令制御された係合圧PC1の油圧指令値PC1−LOWと該油圧指令値PC1−LOWを継続した時間TAとに基づき、ファーストフィル制御27における油圧指令値PC1−FFの大きさを設定するので、つまりニュートラル制御25の終了時におけるクラッチC−1の油圧制御状態(油圧サーボ40のピストンのストローク状態)を予測し、該予測を反映した形でファーストフィル制御を実行することができる。これにより、より正確にクラッチC−1を係合直前の状態にするファーストフィル制御を可能とすることができ、係合ショックの発生や係合遅れの発生を防止することができる。
さらに、ファーストフィル制御手段27が、油温に基づきファーストフィル制御を実行する時間TBを設定するので、油の粘性に応じた正確なファーストフィル制御を実行することができて、より正確にクラッチを係合直前の状態にすることができ、係合ショックの発生や係合遅れの発生を防止することができる。
なお、以上説明した本実施の形態においては、例えば前進6速段及び後進段を達成し得る自動変速機3に本制御装置1を適用したものを説明したが、これに限らず、解放された際にニュートラル状態を形成し、かつ発進時に係合されて動力伝達を行うクラッチを有する自動変速機であれば、例えば多段式自動変速機、ベルト式無段変速機、トロイダル式無段変速機など、どのような自動変速機であっても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態においては、Dレンジの停車中におけるニュートラル制御を説明したが、例えばRレンジの停車中にニュートラル制御を行うようなものにあっても、本発明を適用することができる。
さらに、本実施の形態においては、ファーストフィル制御において、ニュートラル制御の終了時における油圧指令値PC1−LOWとニュートラル制御の継続時間TAとによって油圧指令値PC1−FFを設定し、油温に基づきファーストフィル時間TBを設定するものを説明したが、例えば油圧指令値は全開値(ライン圧P相当)として、ニュートラル制御の終了時における油圧指令値PC1−LOW、継続時間TA、油温のパラメータに応じて、ファーストフィル時間TBだけを調節して設定するようにしても構わない。
そして、クラッチC−1の解放制御や、アプライ制御における待機制御、実係合制御、係合完了制御等は、本実施の形態に限るものではなく、種々の変更が可能である。
本発明に係る発進装置の油圧制御装置は、乗用車、トラック等に搭載される自動変速機の制御装置として用いることが可能であり、特にニュートラル制御を行うものにあって、ニュートラル制御後の発進時のクラッチ係合遅れを防ぎつつ燃費の向上が求められる自動変速機の制御装置に用いて好適である。
1 自動変速機の制御装置
3 自動変速機
21 レンジ判定手段
22 停車判定手段
23 発進意思操作検出手段
25 ニュートラル制御手段
26 係合制御手段
27 ファーストフィル制御手段
35 油温検出手段(油温センサ)
40 油圧サーボ
C−1 クラッチ
C1 係合圧
C1−STEND ストロークエンド圧
C1−LOW 低圧、(ニュートラル制御における)油圧指令値
C1−FF (ファーストフィル制御における)油圧指令値
SLC1 ソレノイドバルブ
TA 時間(低圧出力制御の経過時間)
TB 時間(ファーストフィル時間)

Claims (4)

  1. 発進時に係合されるクラッチの油圧サーボの作動油室に供給する係合圧を調圧出力自在なソレノイドバルブを指令制御する自動変速機の制御装置において、
    走行レンジを含むシフトレンジを判定するレンジ判定手段と、
    車輌の停車を判定する停車判定手段と、
    前記走行レンジが判定され、かつ前記車輌の停車が判定された際に、前記ソレノイドバルブから前記クラッチの油圧サーボの作動油室までの油路と、前記クラッチの油圧サーボの作動油室とが油で満たされ、かつ前記クラッチのピストンがスプリングによる付勢力にてクラッチドラムに押し付けられて当接した状態となるように、0圧よりも大きくかつ前記スプリングの付勢力よりも小さい圧である所定係合圧を前記クラッチの油圧サーボに供給制御するニュートラル制御を実行し、該ニュートラル制御が終了されるまで前記所定係合圧を継続して供給するニュートラル制御手段と、を備えた、
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 車輌の発進意思の操作を検出する発進意思操作検出手段と、
    前記車輌の発進意思の操作を検出した際に、前記係合圧の油圧指令値を一時的に上昇して、前記クラッチの油圧サーボをストロークエンドよりも係合側の状態にするファーストフィル制御を実行するファーストフィル制御手段と、
    前記ファーストフィル制御に続いて前記クラッチの係合制御を行う係合制御手段と、を備えた、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記ファーストフィル制御手段は、前記ニュートラル制御手段により指令制御された前記所定係合圧の油圧指令値と該油圧指令値を前記ニュートラル制御の開始から終了まで継続した時間とに基づき、前記ファーストフィル制御における前記係合圧の油圧指令値の大きさを設定してなる、
    ことを特徴とする請求項2記載の自動変速機の制御装置。
  4. 油温を検出する油温検出手段を備え、
    前記ファーストフィル制御手段は、前記油温に基づき、前記ファーストフィル制御を実行する時間を設定してなる、
    ことを特徴とする請求項2または3記載の自動変速機の制御装置。
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