JP2004100781A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クラッチ制御油圧の供給を制御する油圧コントロールバルブHCV)と、クラッチ作動油温を検出する油温センサ57とを備え、エンジンを停止して変速制御を停止した状態からエンジンを始動させて変速制御を開始し、変速指示に従って現在変速段から行先変速段へアップシフトを行わせるときに、行先変速段を設定するクラッチがエンジン始動後に初めて係合される場合には、油圧コントロールバルブは、現在変速段を設定しているクラッチを解放するために設定される解放ベース圧をその後の変速指示に対して設定される解放ベース圧より増大補正する。このときの解放ベース圧の増大補正量は、油温センサにより検出された油温が低温のときの方が大きくなる。
【選択図】 図19
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動変速機における自動変速制御を行うための装置に関し、より詳しくは、摩擦係合要素(例えば、摩擦クラッチ、ブレーキ等)に係合制御油圧を供給して所望の変速段を設定して変速制御を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機は、一般的に、複数の動力伝達経路(複数の動力伝達ギヤ列)と複数の摩擦係合要素(摩擦クラッチ、ブレーキ等)とを備え、エンジンスロットル開度、走行車速等といった走行状態に応じて摩擦係合要素を選択的に係合させて動力伝達経路を切換選択し、変速制御を行うように構成されている。このような変速制御に用いられる摩擦係合要素としては、油圧力により係合させる油圧作動型のものが一般的に知られており、例えば、特開平10−184887号公報に開示の装置がある。
【0003】
ところで、このように油圧作動型の摩擦係合要素を用いて変速制御を行う場合、摩擦係合要素を構成する油圧シリンダ室内に作動油を満たし且つ油圧ピストンの無効ストローク詰めが完了するまでは係合が開始しない。このため、この無効ストローク詰めを完了するまでの時間をできる限り短くして変速レスポンスを向上させるため、上記特開平10−184887号公報に開示の装置では、無効ストローク詰めが完了するまでは摩擦係合要素への係合制御油圧供給制御を行うバルブの油圧指示値を最大値に設定している。具体的には、このバルブがデューティソレノイドバルブから構成され、その油圧指示値をフルデューティとしている。
【0004】
しかしながら、このようにして係合制御が行われるときにその摩擦係合要素内に残留している油量が少ないときと多いときとで無効ストローク詰めが完了する時間が相違し、変速開始タイミングがばらついて違和感のある変速制御となるという問題がある。このようなことから、本出願人の出願に係る特開2001−165290号公報においては、係合される摩擦係合要素の残油量を推定するオイル量推定手段と、摩擦係合要素に無効ストローク詰めのために供給する準備圧を入力回転数に基づいてい決定する準備圧決定手段と、オイル量推定手段により推定された残油量に基づいて摩擦係合要素に上記準備圧を供給する供給時間を補正する供給時間補正手段を備えて制御装置が構成されている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−153259号公報
【特許文献2】特開2001−165290号公報
【特許文献3】特開2001−165291号公報
【特許文献4】特開2001−165303号公報
【特許文献5】特開2002−130454号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンが駆動されて油圧制御装置に作動油が供給されている状態では摩擦係合要素に対する油圧供給は停止されてもエンジンにより駆動された油圧ポンプから油圧制御装置に作動油供給が行われているため、少なくとも一部の内部油路内に作動油が充満した状態にある。これに対してエンジンが停止されて油圧制御装置に作動油が全く供給されていない状態では、油圧制御装置の内部油路内の作動油もタンクに排出されるため、エンジンを始動した後での最初の摩擦係合要素の係合が遅れやすく、変速遅れが発生したり、エンジン回転が吹き上がったりしやすいという問題がある。なお、この変速遅れおよびエンジン回転の吹き上がりは、油温が低くてその粘性が大きいときに特に顕著となる。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みたもので、エンジンを停止して変速制御を停止した状態からこのエンジンを始動させて変速制御を開始したときに変速遅れや、エンジン回転の吹き上がりの発生が防止できるようにすることを目的とし、特に、作動油温が低温のときにも変速遅れおよびエンジン回転の吹き上がりが生じることがないような構成の自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明においては、複数の動力伝達経路(例えば、実施形態における1速〜5速ギヤ列)と複数の摩擦係合要素(例えば、実施形態における1速〜5速クラッチ11〜15)とを備え、走行状態に応じてこれら複数の摩擦係合要素を選択的に係合させていずれかの動力伝達経路を選択して変速段の設定を行い、エンジンの出力回転をこのように設定された変速段に基づいて変速して車輪に伝達するように自動変速機が構成され、その制御装置は、変速指示に従って所定の変速を行わせるように摩擦係合要素への係合制御油圧の供給を制御する油圧供給制御手段(例えば、実施形態における油圧コントロールバルブHCV)と、摩擦係合要素に供給される作動油の油温を検出する油温検出器(例えば、実施形態における油温センサ57)とを備える。そして、この制御装置において、エンジンを停止して変速制御を停止した状態からエンジンを始動させて変速制御を開始し、変速指示に従って現在変速段から行先変速段へアップシフトを行わせるときに、行先変速段を設定する摩擦係合要素がエンジン始動後に初めて係合される場合には、油圧供給制御手段は、現在変速段を設定している摩擦係合要素を解放するために設定される解放ベース圧をその後の変速指示に対して設定される解放ベース圧より増大補正し、このときにおける解放ベース圧の増大補正量は、油温検出器により検出された油温が低温のときの方が大きくなるように設定される。
【0009】
一般的に、自動変速機において、エンジンが停止されて油圧制御装置に作動油が全く供給されていない状態では油圧制御装置の内部油路内の作動油もタンクに排出されるため、エンジンを始動した後での最初の摩擦係合要素の係合が遅れやすく、これによりエンジン回転が吹き上がるという問題が発生するおそれがある。ところが、上記構成の本発明に係る制御装置によれば、エンジンを始動させて変速制御を開始した後において、現在変速段から行先変速段へアップシフトを行わせるときに、この行先変速段を設定する摩擦係合要素がエンジン始動後に初めて係合される場合には、油圧供給制御手段は現在変速段を設定している摩擦係合要素を解放するために設定される解放ベース圧をその後の変速指示に対して設定される解放ベース圧より増大しているので、摩擦係合要素の係合遅れに伴うエンジン回転の吹き上がりを効果的に抑制できる。この変速遅れおよびエンジン回転の吹き上がりは、油温が低くてその粘性が大きいときに特に顕著となるが、本発明では解放ベース圧の増大補正量は油温検出器により検出された油温が低温のときの方が大きくなるように設定されるので、油温が低いときにもエンジン回転吹き上がりの発生を抑制することができる。
【0010】
上記構成の本発明に係る自動変速機の制御装置において、エンジンを停止して変速制御を停止した状態からエンジンを始動させて変速制御を開始し、変速指示に従って現在変速段から行先変速段へアップシフトを行わせるときに、行先変速段を設定する摩擦係合要素がエンジン始動後に初めて係合される場合には、油圧供給制御手段は、行先変速段を設定する摩擦係合要素を係合させるために設定される係合準備圧をその後の変速指示に対して設定される係合準備圧より増大補正するのが好ましい。このとき、係合準備圧の増大補正量は、油温検出器により検出された油温が低温のときの方が大きくなるように設定されるのが好ましい。このように係合準備圧を増大補正すれば、エンジン停止状態からエンジンを始動させて変速制御を行うときに最初に係合される摩擦係合要素への供給油量を増大でき、係合遅れすなわち変速遅れを抑制できる。
【0011】
また、上記構成の本発明に係る自動変速機の制御装置において、エンジンを停止して変速制御を停止した状態からエンジンを始動させて変速制御を開始し、変速指示に従って現在変速段から行先変速段へアップシフトを行わせるときに、行先変速段を設定する摩擦係合要素がエンジン始動後に初めて係合される場合には、油圧供給制御手段により現在変速段を設定している摩擦係合要素に供給される上記解放ベース圧の供給時間は、その後の変速指示に対して設定される供給時間より長くなり、且つ油温検出器により検出された油温が低温のときの方が長くなるように設定されるのが好ましい。このように解放ベース圧の供給時間を長くすることによって、行先変速段設定用の摩擦係合要素の係合遅れが生じてもエンジン回転の吹き上がりを効果的に抑えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1に本発明に係る自動変速機およびその制御装置の全体構成を模式的に示している。この制御装置により変速制御がなされる自動変速機(以下、トランスミッションという)TMは車両(図示せず)に搭載されると共に、前進5速および後進1速の平行軸式の変速機構を有して構成される。
【0013】
トランスミッションTMは、内燃機関(以下「エンジン」という)ENGのクランクシャフトESにロックアップ機構LCを有するトルクコンバータTCを介して接続されたメインシャフト(入力軸)MSと、このメインシャフトMSと平行に延びて配設されるとともに複数のギヤ列を介してメインシャフトMSに接続されたカウンタシャフトCSとを備える。
【0014】
メインシャフトMSには、1速駆動ギヤ11が回転自在に配設され、2速駆動ギヤ12が回転自在に配設され、3速駆動ギヤ13が結合配設され、4速駆動ギヤ14が回転自在に配設され、5速駆動ギヤ15が結合配設され、リバース駆動ギヤ16が4速駆動ギヤ14と一体に形成されて回転自在に配設されている。
【0015】
カウンタシャフトCSには、1速駆動ギヤ11に噛合する1速従動ギヤ21、2速駆動ギヤ12と噛合する2速従動ギヤ22、3速駆動ギヤ13に噛合する3速従動ギヤ23、4速駆動ギヤ14に噛合する4速従動ギヤ24、5速駆動ギヤ15に噛合する5速従動ギヤ25、およびリバース駆動ギヤ16にリバースアイドラギヤ17を介して噛合するリバース従動ギヤ26が設けられている。なお、カウンタシャフトCSに対して、1速従動ギヤ21は結合配設され、2速従動ギヤ22は結合配設され、3速従動ギヤ23は回転自在に配設され、4速従動ギヤ24は回転自在に配設され、5速従動ギヤ25は回転自在に配設され、リバース従動ギヤ26は回転自在に配設されている。
【0016】
メインシャフトMSにはさらに、それぞれ相対回転自在に配設された1速駆動ギヤ11、2速駆動ギヤ12および4速駆動ギヤ14(およびこれと一体のリバース駆動ギヤ16)をメインシャフトMSに結合する1速油圧クラッチC1、2速油圧クラッチC2および4−RクラッチC4が配設されている。カウンタシャフトCSには、それぞれ回転自在に配設された3速従動ギヤ23および5速従動ギヤ25をカウンタシャフトCSに結合する3速油圧クラッチC3および5速油圧クラッチC5が配設されている。
【0017】
さらに、カウンタシャフトCS上における4速従動ギヤ24とリバース従動ギヤ26との間にドグ歯機構28が配設されており、そのセレクタ28aを図示しないサーボアクチュエータで軸方向に移動させて、4速従動ギヤ24をカウンタシャフトCSと結合させたり、リバース従動ギヤ26をカウンタシャフトCSと結合させたりすることができる。
【0018】
このように構成されたトランスミッションTMにおいて、1速クラッチ11を係合させて1速駆動ギヤ11をメインシャフトMSに結合させると、メインシャフトMSの回転が1速駆動ギヤ11および1速従動ギヤ21からなる1速ギヤ列を介してカウンタシャフトCSに伝達される1速段が設定される。また、2速クラッチ12を係合させて2速駆動ギヤ12をメインシャフトMSに結合させると、メインシャフトMSの回転が2速駆動ギヤ12および2速従動ギヤ22からなる2速ギヤ列を介してカウンタシャフトCSに伝達される2速段が設定される。同様に、3速クラッチ13を係合させて3速従動ギヤ23をカウンタシャフトCSに結合させるとメインシャフトMSの回転が3速駆動ギヤ13および3速従動ギヤ23からなる3速ギヤ列を介してカウンタシャフトCSに伝達される3速段が設定される。
【0019】
一方、4−RクラッチC4を係合させて一体に形成された4速駆動ギヤ14およびリバース駆動ギヤ16をメインシャフトMSと結合させると、メインシャフトMSの回転がこれらギヤと噛合する4速従動ギヤ24およびリバース従動ギヤ26に伝達される。但し、これら4速従動ギヤ24およびリバース従動ギヤ26はカウンタシャフトCSに回転自在に配設されており、ドグ歯クラッチ28の作動に応じてカウンタシャフトCSと選択的に係脱される。すなわち、図示しないサーボアクチュエータによりドグ歯クラッチ28のセレクタ28aを図において左動させて4速従動ギヤ24をカウンタシャフトCSと結合させると、メインシャフトMSの回転が4速駆動ギヤ14および4速従動ギヤ24からなる4速ギヤ列を介してカウンタシャフトCSに伝達される4速段が設定される。また、ドグ歯クラッチ28のセレクタ28aを図において右動させてリバース従動ギヤ26をカウンタシャフトCSと結合させると、メインシャフトMSの回転がリバース駆動ギヤ16、リバースアイドラギヤ17およびリバース従動ギヤ26からなるリバースギヤ列を介してカウンタシャフトCSに伝達されるリバース段が設定される。
【0020】
以上のように、1速、2速、3速、4−Rおよび5速クラッチC1〜C5の係合制御とサーボアクチュエータによるドグ歯機構28のセレクタ28aの移動制御とにより、1速〜5速およびリバース段の設定がなされる。これら1速、2速、3速、4−Rおよび5速クラッチC1〜C5の係合制御とサーボアクチュエータの作動制御とが、油圧コントロールバルブHCVからの作動油供給を受けて制御される。この油圧コントロールバルブHCVの作動制御はコントロールユニットECUからの制御信号に基づいて行われる。
【0021】
以上のようにして1速〜5速段もしくはリバース段が設定されて各ギヤ列を介してメインシャフトMSの回転がカウンタシャフトCSに伝達される。このカウンタシャフトCSの回転は、ファイナルドライブギヤ31およびファイナルドリブンギヤ32を介してディファレンシャル機構DFに伝達され、それから左右のアクスルシャフト33,33を介して車両(図示せず)の左右駆動輪W,Wに伝達される。
【0022】
車両運転席(図示せず)のフロア付近にはシフトレバー装置40が設けられ、運転者のシフトレバー操作によって8種のポジションレンジ、P,R,N,D5,D4,D3,2,1のいずれか選択される。このシフトレバー操作位置を検出するポジションセンサ41が設けられており、シフトレバー操作に応じていずれのポジションレンジが選択されたかを示すポジションレンジ信号PRSがこのセンサ41からコントロールユニットECUに送られる。
【0023】
この装置には、エンジンENGのスロットルバルブの開度TH、吸気負圧PBAおよび冷却水温TWEを検出するスロットル開度センサ51、吸気負圧センサ52および冷却水温センサ53が図示のように配設されており、各検出信号TH,PBAおよびTWEがコントロールユニットECUに送られる。エンジン出力回転速度NE(すなわち、トルクコンバータ入力回転速度)を検出するエンジン回転センサ54、メインシャフトMSの回転速度NMを検出するメイン回転センサ55、カウンタシャフトCSの回転速度NCを検出するカウンタ回転センサ56、ファイナルドリブンギヤ32の回転速度を検出して車速Vを検出する車速センサ58が図示のように配設されており、各検出信号NE,NM,NC,VがコントロールユニットECUに送られる。
【0024】
油圧コントロールバルブHCVに、各クラッチC1〜C4に供給される作動油温TTMを検出する油温センサ57が設けられており、その検出信号TTMがコントロールユニットECUに送られる。ブレーキペダルの踏み込み操作、すなわち、ブレーキ操作を検出するブレーキセンサ59も設けられており、その検出信号BSもコントロールユニットECUに送られる。
【0025】
エンジンENGには、エンジン吸排気バルブの開閉時期、解放時間およびバルブリフト量等のバルブ作動特性を切換設定する可変バルブタイミング機構が設けられており、その切換作動を検出するバルブタイミング切換作動検出器61がエンジンENGに取り付けられている。このバルブタイミング切換作動検出器61により検出された検出信号VTSもコントロールユニットECUに送られる。なお、この実施形態においては、可変バルブタイミング機構により低速バルブタイミング特性(LVT特性)と高速バルブタイミング特性(HVT特性)とに二段階に切換設定可能な構成の場合について説明する。エンジンENGには排気ガス浄化のため排気ガス再循環器(EGR装置)が設けられている。この排気ガス再循環器の作動量を検出するEGR作動検出器62がエンジンENGに取り付けられており、このEGR作動検出器62により検出された作動信号(EGR信号)EGRもコントロールユニットECUに送られる。
【0026】
コントロールユニットECUは、これらセンサ類41,51〜59,61,62から送られてくる検出信号に基づいて、油圧コントロールバルブHCVの作動を制御し、1速、2速、3速、4−Rおよび5速クラッチC1〜C5の係合制御とサーボアクチュエータの作動制御を行って自動変速制御を行う。なお、油圧コントロールバルブHCVには、各クラッチC1〜C5に供給する係合制御油圧の調圧設定を行うリニアソレノイドバルブ(図示せず)が配設されており、コントロールユニットECUからの制御信号(駆動電流)に基づいてリニアソレノイドバルブの作動が制御され、各クラッチC1〜C5に供給する係合制御油圧が制御されるようになっている。
【0027】
このようにしてコントロールユニットECUによりなされる自動変速制御について、以下に説明する。図2はこの自動変速制御メインプログラムの作動を示すメインフロー・チャートであり、その作動内容を図3以下に示すサブフローチャートを併用して説明する。なお、このプログラムは、所定時間間隔、例えば10msec毎にに繰り返し実行される。
【0028】
図2のメインフローチャートに示す制御では、まずステップS1において各種パラメータ算出を行い、ステップS2に進んでシフトモード設定を行い、ステップS3においてトルクコンバータTCのロックアップクラッチLCの係合制御を行い、ステップS4において各クラッチC1〜C5およびドグ歯機構28の作動を行って自動変速を行わせるシフト制御を行う。
【0029】
ステップS1を構成するパラメータ算出ステップS1は、図3に示すように、各種検出値読み込みを行うステップS11と、各クラッチC1〜C5における残油量(Qc)を算出するステップS12とからなる。ステップS11においては、上述したポジションセンサ41、スロットル開度センサ51、吸気負圧センサ52、冷却水温センサ53、エンジン回転センサ54、メイン回転センサ55、カウンタ回転センサ56、油温センサ57、車速センサ58、ブレーキセンサ59、EGR作動検出器61、バルブタイミング切換作動検出器62等により検出された検出信号、すなわち、シフトレバー操作により選択されたポジションレンジを示すポジションレンジ信号PRS、エンジンENGのスロットルバルブの開度TH、吸気負圧PBA、冷却水温TWE、エンジン出力回転速度NE、メインシャフトMSの回転速度NM、カウンタシャフトCSの回転速度NC、各クラッチC1〜C4に供給される作動油温TTM、車速V、ブレーキ操作を示すブレーキ信号BS、EGR作動量を示すEGR作動信号EGR、可変バルブタイミング特性を示すバルブタイミング信号VTS等の検出信号が読み込まれる。
【0030】
ステップS12におけるクラッチ残油量(Qc)推定サブフローの内容を図4に示している。なお、トランスミッション内には複数のクラッチC1〜C5が設けられており、各クラッチ毎にクラッチ残油量Qcが算出される。すなわち、図4のサブフローが各クラッチ毎に存在する。このサブフローS12においては、まずステップS121においてクラッチ係合制御油圧を設定するクラッチ指示油圧Piを読み込む。上述したように、変速制御のため各クラッチC1〜C5に供給されるクラッチ係合制御油圧は油圧コントロールバルブHCV内のリニアソレノイドバルブにより調圧設定され、このリニアソレノイドバルブの作動制御のために指示される油圧がクラッチ指示油圧Piであり、これはリニアソレノイドバルブの駆動電流に対応する値である。
【0031】
次に、ステップS122に進み、クラッチ指示油圧Piが第1所定値Pi(1)として設定された油圧値1.6 Kgf/cm2(= 156800 Pa)を超えるか否かを判断する。この第1所定値Pi(1)は対象となるクラッチに対してクラッチ内に作動油を充満した状態で保持できる最低油圧であり、この油圧より低い係合制御油圧が設定されるとクラッチ内から作動油が流出を開始する。なお、この第1所定値Pi(1)および下記第2所定値Pi(2)はいずれも予め実験等により求められて設定されている。ステップS122においてPi> 1.6(Kgf/cm2)である(YESである)と判断されたときには、作動油の流出が発生しないため、ステップS123においてクラッチ残油量Qc=100%(満油量)であると設定してこのサブフローを終了する。
【0032】
一方、ステップS122においてPi≦ 1.6(Kgf/cm2)である(NOである)と判断されたときには、ステップS124に進み、クラッチ指示油圧Piが第2所定値Pi(2)として設定された油圧値0.6 Kgf/cm2(= 58800 Pa)を超えるか否かを判断する。この第2所定値Pi(2)は、クラッチに供給する油圧をこの値に設定するとクラッチ内の作動油が空になるまで流出するという油圧であり、この第2所定値Pi(2)より低い係合制御油圧においてはクラッチ内の作動油は空になるまで流出を続ける。逆に、この第2所定値Pi(2)より高い油圧(且つ第1所定値Pi(1)より低い油圧)が設定されると、クラッチ内の作動油は満油量状態からある程度の残油量が発生する状態まで流出するが、ある程度の油量になった時点でクラッチからの流出が停止する。この「ある程度の油量」を下限リミット油量QLと称する。
【0033】
ステップS124においてPi> 0.6(Kgf/cm2)である(YESである)と判断されたときには、ステップS125に進み、この時のクラッチ指示油圧Piの下でのクラッチ内のオイル減少率ΔQd、すなわち、クラッチからのオイル流出率を算出する。この算出について以下に説明する。
【0034】
この算出のため、各クラッチ毎について、リニアソレノイドバルブに図5に実線で示すような指示油圧Piを与え、クラッチ油圧の変化を測定した。この指示油圧は、図示のように、高圧指示油圧Pi(A)を供給する状態から、所定時間T1の間だけ低圧指示油圧Pi(B)に低下させた後、再び高圧指示油圧Pi(A)に戻す指示油圧Piである。このような指示油圧Piを与えたときに、対象となるクラッチ内に実際に発生する実クラッチ油圧Pacを測定した結果を図に破線で示している。低圧指示油圧Pi(B)に低下させている間にクラッチ内の油が流出するため、実クラッチ油圧Pacは指示油圧Piを高圧指示油圧Pi(A)に戻した時点から緩やかに高圧指示油圧Pi(A)まで上昇する。このときに実クラッチ油圧Pacが高圧指示油圧Pi(A)まで上昇するのに要する経過時間T2がクラッチ内にオイルを充満するに要した時間であると考えられ、上記所定時間T1を変化させて上記経過時間T2を測定した。その結果を図6に示しており、T1=0のときはクラッチ内は満油量のままであり、所定時間T1が長くなるほどクラッチ内油量は減少し、所定時間T1の増加に対して経過時間T2が変化しなくなるところではクラッチ内油量が空油量となるまで油が流出したと考えられる。
【0035】
この図6の関係を見ると、クラッチ残油量Qcに対してクラッチ内のオイル減少率ΔQd(単位時間当たりのオイル減少量)が一義的に決まることが分かる。この関係、すなわち、クラッチ残油量Qcとオイル減少率ΔQdとの関係は図7に示すようになる。但し、図6の関係は、クラッチに供給される油の温度、クラッチの回転数(これはメインシャフト回転速度NMに比例する)、シフトモードに応じてそれぞれ設定される。そこで、これら油温、メインシャフト回転数NM、シフトモードに対応して図7に示すような関係のデータを複数のマップとして予め設定記憶しておく。
【0036】
上記ステップS125においては、このように記憶された複数のマップから、ステップS11において検出された作動油温TTM、指示油圧Pi、メインシャフト回転速度NMおよびシフトモードに対応するマップを選択し、このマップから現在のクラッチ残油量Qcに対応するオイル減少率ΔQdを読み込む。なお、クラッチ残油量Qcの初期値は満油量(100%)に設定され、時間経過に応じて下記のように減算されて更新記憶されるが、このように更新記憶されている現在の残油量Qcに基づいてオイル減少率ΔQdが読み込まれる。
【0037】
このようにして現時点のオイル減少率ΔQdが算出されると、ステップS126に進んで下限リミット油量QLを算出する。この下限リミット油量QLはクラッチ指示油圧Piに応じて変化するものであり、次の式(1)に基づいて算出される。
【0038】
【数1】
QL(%)=(Pi−Pi(2))/(Pi(1)−Pi(2))×100 ・・・(1)
【0039】
例えば、クラッチ指示油圧Pi=1.1(Kgf/cm2)のときには、下限リミット油量QL=(1.1−0.6)/(1.6−0.6)×100=50(%)となる。
【0040】
このようにして下限リミット油量QLが算出されると、ステップS127に進み、現在のクラッチ残油量Qc>QLか否かが判断される。そして、Qc>QLである(YESである)と判断されたときには、ステップS128に進み、現在のクラッチ残油量Qcから上述のように読み込まれたオイル減少率ΔQdを減算(Qc−ΔQd)し、これを新たな現在のクラッチ残油量Qcとして更新記憶してこのサブフローを終了する。なお、このフローは所定時間間隔(例えば、10ms)で繰り返し実行されるものであり、オイル減少率ΔQdはこの繰り返し時間間隔での減少率に換算されて、この換算オイル減少率が減算される。一方、ステップS127においてQc≦QLである(NOである)と判断されたときには、ステップS128をバイパスして現在のクラッチ残油量Qcをそのまま保持してこのサブフローを終了する。
【0041】
このことから分かるように、クラッチ指示油圧Piが1.6(Kgf/cm2)から0.6(Kgf/cm2)の間であるときに、クラッチ残油量Qcを満油量(100%)から下限リミット油量QLまで算出オイル減少率ΔQdに基づいて減少させ、下限リミット油量QLに達した後は、この油量QLで保持して、クラッチ残油量が推定される。
【0042】
ステップS124においてPi≦ 0.6(Kgf/cm2)である(NOである)と判断されたときには、ステップS129に進み、この時のクラッチ指示油圧Piの下で対象となるクラッチ内のオイル減少率ΔQdを算出する。この算出は上述したステップS125における場合と同様である。そして、ステップS130に進み、現在のクラッチ残油量Qcから算出されたオイル減少率ΔQdを減算(Qc−ΔQd)し、これを新たな現在のクラッチ残油量Qcとして更新記憶してこのサブフローを終了する。このことから分かるように、クラッチ指示油圧Piが0.6(Kgf/cm2)以下であるときには、クラッチ残油量Qcを満油量(100%)から空油量(0%)まで算出オイル減少率ΔQdに基づいて減少させて、クラッチ残油量Qcが推定される。
【0043】
以上のようにして、図2のメインフローにおけるパラメータ算出(ステップS1)が完了すると、ステップS2のシフトモード設定が行われる。このシフトモード設定の内容を図8に示している。このフローでは、まずステップS21においてポジションセンサ41からのポジションレンジ信号PRSを検出し、シフトレバー操作により設定されたポジションレンジを検出する。そして、ステップS22において、現在係合されているクラッチを検出するなどして現在変速段GAを判断する。さらに、ステップS23に進み、ステップS11において検出された現時点での車速Vとエンジンスロットル開度THから公知のシフトマップ(シフトスケジューリングマップ。図示せず)を検索し、このシフトマップ上での検出行先変速段GBPを求める。
【0044】
そして、ステップS24おいてこのようにして求めた検出行先変速段GBPが前回のフローにおいて設定記憶されている行先変速段GBと一致しているか否かを判断する。これは、所定の変速を開始した後、この所定の変速を行っている間に車速Vやスロットル開度THが変化して行先変速段が変更されるような状態となったか否かを判断するものである。ここで、GB=GBPであると判断された場合(YESであると判断された場合)にはステップS27に進み、前回のフローで設定記憶されている行先変速段GB(=GBP)をそのままホールドする。これは、所定変速が開始された後にその変速がそのまま継続される場合や、変速が行われず定常走行している場合に行われる制御である。
【0045】
一方、ステップS24において、GB≠GBPであると判断された場合(NOであると判断された場合)にはステップS25に進み、後述するシフトパーミット処理(ステップS8、図26参照)において設定されるパーミットフラグFP=ONか否かが判断される。詳細は後述するがパーミットフラグFP=ONのとき(YESのとき)には変速中に別の新たな変速への切換を許可するようになっており、ステップS26に進んで、検出行先変速段GBPを新たな行先変速段GBとして設定記憶する。一方、FP=OFFのとき(NOのとき)には、変速中に別の新たな変速への切換を禁止するようになっており、ステップS27に進み、前回のフローで設定記憶されている行先変速段GBをそのままホールドする。この後、ステップS28に進み、以上のようにして設定された現在変速段GAを行先変速段GBに変速する変速モードを設定して、シフトモード設定サブフロー(ステップS2)を終了する。
【0046】
次いでメインフローに戻ってステップS3に進み、トルクコンバータTCのロックアップクラッチLCの係合制御を行う。この係合制御は従来から良く知られており、且つ本発明と関係しないため、その内容説明は省略する。
【0047】
この後、ステップS4に進み、各クラッチC1〜C5の係合制御を行って自動変速を行わせるシフト制御を行う。このシフト制御の内容を図9に示している。このサブフローにおいては、まず、ステップS5においてトランスミッションTMのメインシャフトMSへの入力トルク推定を行う。
【0048】
このステップS5における入力トルク推定内容を図10に示しており、この内容をまず説明する。ここではまず、エンジンENGのグロス出力トルクを算出する。エンジン出力トルクは、吸気負圧PBAとエンジン回転速度NEとに応じて決まるものなので、予め吸気負圧PBAとエンジン回転速度NEとに対応してエンジン出力トルクマップが設定記憶されており、このエンジン出力トルクマップからステップS11において検出された現在のエンジン吸気負圧PBAとエンジン回転速度NEに対応するエンジン出力トルクを読み取って求めることができる。但し、エンジンENGは可変バルブタイミング機構を有しており、その作動切換に応じてエンジン出力トルクマップが異なるため、この出力トルク算出(ステップS51)は図11に示すサブフローに従って行われる。
【0049】
ここでは、まずステップS511において、可変バルブタイミング機構の作動特性VTが、低速バルブタイミング特性LVTであるか、高速バルブタイミング特性HVTであるかを検出する。これは、ステップS11において読み込まれたバルブタイミング切換作動検出器61からの検出信号VTSを読み取って検出される。そして、ステップS512において、このように検出した作動作成VTが低速バルブタイミング特性LVTであるか(VT=LVT)否かが判断される。VT=LVTであると判断されたとき(YESであると判断されたとき)にはステップS513に進み、高速バルブタイミング特性HVTから低速バルブタイミング特性LVTに切り換えられた時点からの切換経過時間がt0秒以内であるか否かが判断される。
【0050】
切換経過時間がt0秒を超えていると判断されたとき(NOであると判断されたとき)にはステップS514に進み、図12(A)に示すように予め測定設定されている低速バルブタイミング特性LVTでのエンジン出力特性マップから、ステップS11において検出された現在のエンジン吸気負圧PBAとエンジン回転速度NEに対応するエンジングロス出力トルクTEGを読み取る。
【0051】
ステップS513において切換経過時間がt0秒以内であると判断されたとき(YESであると判断されたとき)にはステップS515に進み、図12(A)に示す低速バルブタイミング特性LVTでのエンジン出力特性マップおよび図12(B)に示す高速バルブタイミング特性HVTでのエンジン出力特性マップから、現在のエンジン吸気負圧PBAとエンジン回転速度NEに対応する低速バルブタイミング特性LVTでのエンジングロス出力トルクTEG(L)および高速バルブタイミング特性HVTでのエンジングロス出力トルクTEG(H)を算出する。そして、切換経過時間t0秒の間にエンジングロス出力トルクをTEG(H)からTEG(L)まで連続的に変化させるようにしてエンジングロス出力トルクTEGを算出する。
【0052】
この算出は具体的には、図13に示すようにして行われる。ここでは時間t1において高速バルブタイミング特性HVTから低速バルブタイミング特性LVTに切り換えられており、この時間t1から切換経過時間t0秒後の時間t2にかけて、エンジングロス出力トルクをTEG(H)からTEG(L)まで直線的に変化させ、各時間に対応するエンジングロス出力トルクを算出する。これにより、高速バルブタイミング特性HVTと低速バルブタイミング特性LVTでの切り換えにヒステリシスが設けられており、切換時にエンジン出力トルクが急に変化する場合でも、滑らかに変化するエンジン出力トルクの算出を行い、変速制御をスムーズに行うことができる。
【0053】
一方、ステップS512において可変バルブタイミング機構の作動特性VTが高速バルブタイミング特性HVTである(VT=HVT)と判断されたとき(NOであると判断されたとき)にはステップS516に進み、低速バルブタイミング特性LVTから高速バルブタイミング特性HVTに切り換えられた時点からの切換経過時間がt0秒以内であるか否かが判断される。
【0054】
切換経過時間がt0秒を超えていると判断されたとき(NOであると判断されたとき)にはステップS517に進み、図12(B)に示す高速バルブタイミング特性HVTでのエンジン出力特性マップから、ステップS11において検出された現在のエンジン吸気負圧PBAとエンジン回転速度NEに対応するエンジングロス出力トルクTEGを読み取る。
【0055】
ステップS516において切換経過時間がt0秒以内であると判断されたとき(YESであると判断されたとき)にはステップS518に進み、図12(A)に示す低速バルブタイミング特性LVTでのエンジン出力特性マップおよび図12(B)に示す高速バルブタイミング特性HVTでのエンジン出力特性マップから、現在のエンジン吸気負圧PBAとエンジン回転速度NEに対応する低速バルブタイミング特性LVTでのエンジングロス出力トルクTEG(L)および高速バルブタイミング特性HVTでのエンジングロス出力トルクTEG(H)を算出する。そして、切換経過時間t0秒の間にエンジングロス出力トルクをTEG(L)からTEG(H)まで連続的に変化させるようにしてエンジングロス出力トルクTEGを算出する。この算出はステップS515での算出と同様である。これにより、高速バルブタイミング特性HVTと低速バルブタイミング特性LVTでの切り換えにヒステリシスが設けられており、切換時にエンジン出力トルクが急に変化する場合でも、滑らかに変化するエンジン出力トルクの算出を行い、変速制御をスムーズに行うことができる。
【0056】
以上のようにしてステップS51におけるエンジングロス出力トルクTEGが算出されると、ステップS52に進み、EGR補正を行う。これは排気ガス再循環器(EGR装置)の作動により排気ガスが再循環されるとエンジン出力が低下するため、その補正を行うものである。このEGR補正制御内容を図14に示しており、まずステップS521においてEGR作動検出器62により検出されたEGR量(%)を読み取り、ステップS522においてこのEGR量に対するトルクダウン係数αを求める。排気ガス再循環を行うとその再循環排気量に応じてエンジン出力トルクが低下するが、その関係を図15に示している。この図15において、横軸に示すEGR量は排気ガス再循環量が0のときに100%となり、再循環量が10%のときに90%となる値であり、横軸に示すトルクダウン係数αはEGR量に対してエンジン出力トルクが低下する割合を示す係数である。
【0057】
ステップS522においては、EGR作動検出器62により検出された現在のEGR量(%)に対応するトルクダウン係数αを図15のマップから読み込む。そしてステップS523に進み、ステップS51において算出されたエンジングロス出力トルクTEGにトルクダウン係数αを乗じてエンジン補正出力トルクTECを算出する。
【0058】
このようにしてエンジン補正出力トルクTECが算出されると、図10のサブフローに戻り、ステップS53により補機駆動補正が行われる。ここでは、エンジンにより駆動される補機類、例えば、オルタネータ、エアコンディショナーコンプレッサ等の補機を駆動するために必要な駆動トルクTAUXをエンジン補正出力トルクTECから減算して、エンジンネット出力トルクTENを算出する。ここではさらに、エンジン冷却水温に基づく補正、点火時期調整に基づく補正等、各種補正が行われるが、これは従来と同様である。
【0059】
以上のようにしてステップS53の補機駆動補正が行われてエンジンネット出力トルクTENが算出されると、ステップS54に進み、TCトルク比補正が行われる。これはトルクコンバータTCでのトルク比に基づくトルク増幅補正を行うものであり、これにより、トルクコンバータTCから出力されてメインシャフトMSに伝達される入力トルクTINが算出される。
【0060】
このようにして、図9のステップS5での変速機入力トルクTINの推定が行われると、ステップS41に進み、現在変速中であるか否かが判断される。現在変速中であると判断されたとき(YESであると判断されたとき)にはステップS42に進み、この変速での変速モード(アップシフトであるか、ダウンシフトであるか)を判断する。そして、変速モードがアップシフトのときにはステップS6に進んでアップシフト制御が行われ、ダウンシフトのときにはステップS7に進んでダウンシフト制御が行われる。なお、現在変速中でないときにはステップS41からステップS8に進む。
【0061】
まず、ステップS6のアップシフト制御について、図16を参照して説明する。アップシフト制御においては、ステップS61において行先変速段GBを設定するクラッチに対する係合指示油圧PiGBを設定し、ステップS62において現在変速段GAを設定しているクラッチに対する解放指示油圧PiGAを設定し、このように設定された係合指示油圧PiGBおよび解放指示油圧PiGAを油圧コントロールバルブHCVのリニアソレノイドバルブに出力して(ステップS63)、その作動を制御し、このアップシフト制御を行わせるために必要なクラッチの係合および解放制御を行う。
【0062】
このときにおけるステップS61での係合指示油圧PiGBの設定制御内容を図17及び図19を参照して説明する。図19には、シフト指令信号SH、係合指示油圧PiGB、解放指示油圧PiGAおよびシフトモニター値SFTMONの時間経過を示しており、ここでは時間t0において第2速段から第3速段へのアップシフト変速指令が出力された場合を例示している。
【0063】
この制御では、まずステップS611において、基本係合指示油圧PiGB(Base)を設定する。この基本係合指示油圧PiGB(Base)は、係合対象となる3速クラッチC3および解放対象となる2速クラッチC2での油圧変化、入出力回転数比変化や、設定タイマー等に基づいて、図19におけるPiGBの時間経過グラフにおいて実線(PiGB(1)〜PiGB(5))で示すように設定される。この基本係合指示油圧PiGB(Base)は、変速開始時toからt1までにおける3速クラッチC3のピストン無効ストローク詰めのための準備モード(シフトモニター値SFTMON=10h)と、時間t1〜t2において設定されるトルク相モード(SFTMON=20h)と、時間t2〜t3において設定されるイナーシャ相モード(SFTMON=30h)と、時間t3以降に設定される係合完了モード(SFTMON=40h)とからなる。
【0064】
なお、ピストン無効ストローク詰めのための準備モード(シフトモニター値SFTMON=10h)を設定する時間(toからt1までの時間)は、係合対象となる3速クラッチC3の残油量Qc(この残油量QcはステップS12において算出されている)に応じて可変設定され、これに続くトルク相モード(SFTMON=20h)、イナーシャ相モード(SFTMON=30h)、係合完了モード(SFTMON=40h)での制御が残油量Qcに影響されないようになっている。また、トルク相モード(SFTMON=20h)での係合指示油圧PiGB(2)およびPiGB(3)はステップS5において推定された入力トルクTINに基づいて設定される。
【0065】
このような基本係合指示油圧PiGB(Base)の設定については、従来から公知(例えば、本出願人の出願に係る特開2001−165303号公報等参照)なので、その設定についての説明は省略する。
【0066】
このようにして図19の係合指示油圧PiGBのグラフにおいて実線で示す基本係合指示油圧PiGB(Base)が設定されると、ステップS612に進み、この指示油圧により係合される3速クラッチC3の係合が、エンジンスタート(イグニッションIGをON作動)した後において最初の係合であるか否かが判断される。IGをON作動させた後における最初の係合であると判断された場合(YESであると判断された場合)には、ステップS613に進み、放置フラグFHをONに設定する。イグニッションIGをOFFにしてエンジンを停止させると、油圧コントロールバルブHCVへ作動油を供給する油圧ポンプ駆動も停止され、制御油圧供給油路およびクラッチ内の油がドレンに流出する。このため、イグニッションON作動後に最初にクラッチを係合させるときにはこのようにドレンした油を補った後にクラッチ係合が開始することになり、クラッチ係合遅れが発生するおそれがある。本フローでは係合油圧を増大補正(これを放置補正と称する)してこのようなクラッチ係合遅れを防止するのであるが、この放置補正を行っていることを示す放置フラグFHをステップS613においてONにする。
【0067】
次にステップS614に進み、クラッチに供給される作動油温(変速機油温)TTMを読み込み、ステップS615においてこの作動油温TTMに対応する放置補正油圧ΔPiHBを算出する。この放置補正油圧ΔPiHBは油温に対応して(油温が低温のときに大きくなるように)予め設定されており、作動油温TTMに対応する放置補正油圧ΔPiHBを読み取って算出される。このように算出された放置補正油圧ΔPiHBは、例えば、図19に示す係合指示油圧PiGBのグラフにおけるハッチングを施した油圧であり、これが基本係合指示油圧PiGB(Base)の初期指示油圧(準備用およびトルク相用指示油圧モードにおいて設定される指示油圧PiGB(1)およびPiGB(2))に加えられて増圧補正され、図において破線PiGB(1)′およびPiGB(2)′で示す指示油圧が設定される(ステップS616)。
【0068】
一方、ステップS612においてIGをON作動させた後における最初の係合でない、すなわち既に少なくとも一回係合されたことがあると判断された場合(NOであると判断された場合)には、ステップS617に進み、放置フラグFHをOFFに設定し、基本係合指示油圧PiGB(Base)を設定した状態のまま、このサブフローを終了する。
【0069】
以上のように係合指示油圧PiGBの設定制御を行うことにより、IGをON作動させてエンジンをスタートさせた後において、最初にクラッチを係合させるときには、作動油温TTMに応じた放置補正油圧ΔPiHBにより、基本係合指示油圧PiGB(Base)の初期指示油圧(準備用およびトルク相用指示油圧モードにおいて設定される指示油圧PiGB(1)およびPiGB(2))が増圧される。この結果、係合クラッチ(3速クラッチC3)への作動油供給が急速に行われ、最初のクラッチ係合が遅れることを抑制することができる。
【0070】
次に、ステップS62における現在変速段GAを設定している2速クラッチC2に対する解放指示油圧PiGAの設定制御内容を図18及び図19を参照して説明する。まずステップS621において、基本解放指示油圧PiGA(Base)を設定する。この基本解放指示油圧PiGA(Base)は、係合対象となる3速クラッチC3および解放対象となる2速クラッチC2での油圧変化、入出力回転数比変化や、設定タイマー等に基づいて、図19におけるPiGAの時間経過グラフにおいて実線(PiGA(1)〜PiGA(3))で示すように設定される。この基本解放指示油圧PiGA(Base)は、3速クラッチC3のピストン無効ストローク詰めが完了して係合開始するまで待機するために設定される待機指示油圧PiGA(1)と、これを解放指示油圧PiGA(3)まで低下させる低下指示油圧PiGA(2)と、3速クラッチC3の係合段階において設定される解放指示油圧PiGA(3)とからなる。なお、待機指示油圧PiGA(1)は入力トルクを保持して伝達可能な油圧となるように設定することが必要であり、この設定はステップS5において推定された入力トルクTINに基づいて行われる。このような基本解放指示油圧PiGA(Base)の設定についても、従来から公知なので、その設定についての説明は省略する。
【0071】
このようにして図19の解放指示油圧PiGAのグラフにおいて実線で示す基本解放指示油圧PiGA(Base)が設定されると、ステップS622に進み、放置フラグFHがONであるか否かが判断される。FH=ONであると判断されたとき(YESと判断されたとき)にはステップS623およびステップS624に進み、ステップS614で読み込まれたクラッチ作動油温(変速機油温)TTMに対応して放置補正油圧ΔPiHAおよび切れ開始ディレータイムt(DEL)を算出する。そして、これら放置補正油圧ΔPiHAおよび切れ開始ディレータイムt(DEL)を用いて基本解放指示油圧PiGA(Base)の待機指示油圧PiGA(1)および低下指示油圧PiGA(2)を図19にハッチングを施して示すように増大補正し、補正待機指示油圧PiGA(1)′および補正低下指示油圧PiGA(2)′を算出する(ステップS625)。
【0072】
この増大補正について詳しく説明する。放置補正油圧ΔPiHAおよび切り開始ディレータイムt(DEL)はそれぞれクラッチ作動油温TTMが低温になるほど大きな値が設定される。例えば、本例では、クラッチ作動油温TTMが−20°C以下となる場合には、ΔPiHA=1.0kgf/cm2( = 98000 Pa)、t(DEL)=0.1秒が設定され、クラッチ作動油温TTMが−20°Cを超え、−10°C以下となる場合には、ΔPiHA=0.3 kgf/cm2(= 29400 Pa)、t(DEL)=0.05秒が設定される。なお、クラッチ作動油温TTMが−10°Cを超えるときには、放置補正油圧ΔPiHAおよび切り開始ディレータイムt(DEL)は設定されない(零が設定される)。
【0073】
まず、放置補正油圧ΔPiHAは基本解放指示油圧PiGA(Base)の待機指示油圧PiGA(1)に加算されて補正待機指示油圧PiGA(1)′が設定される。さらに、補正待機指示油圧PiGA(1)′は基本となる待機指示油圧PiGA(1)より切り開始ディレータイムt(DEL)だけ遅れて低下を開始し、このときの補正低下指示油圧PiGA(2)′は図示のように基本となる低下指示油圧PiGA(2)より緩やかに低下する特性が設定される。
【0074】
一方、ステップS622において放置フラグFH=ONでないと判断された場合(NOであると判断された場合)には、上記の増圧補正は行わず、基本解放指示油圧PiGA(Base)を設定した状態のまま、このサブフローを終了する。
【0075】
以上のように解放指示油圧PiGAの設定制御を行うと、IGをON作動させてエンジンをスタートさせた後において、最初にアップシフト制御を行ってクラッチを係合させるときにこのクラッチの係合が遅れる場合でも、アップシフト制御のために解放されるクラッチの待機指示油圧PiGA(1)および低下指示油圧PiGA(2)が上記のように増圧されるので、その解放が遅くなってエンジン回転が吹き上がることが防止される。
【0076】
次に、ダウンシフト制御(ステップS7)について図20を参照して説明する。本制御では、アクセルペダルを踏み込んで走行中に行われるダウンシフト(通常ダウンシフト)と、走行状態からアクセルペダルの踏み込みを解除してブレーキを踏み、車両を停止させるときに行われるダウンシフト(停止ダウンシフト)とでは異なる制御が行われる。このため、まずステップS71において、今回のダウンシフト指令が停止ダウンシフトを行わせる指令であるか否かが判断される。そして、停止ダウンシフトではなく通常ダウンシフトであると判断された場合(NOであると判断された場合)には、ステップS72及びステップS73に進み、通常ダウンシフト制御のための行先変速段GBを設定するクラッチに対する係合指示油圧PiGBを設定し、且つ現在変速段GAを設定しているクラッチに対する解放指示油圧PiGAを設定する。一方、停止ダウンシフトであると判断された場合(YESであると判断された場合)には、ステップS74およびステップS75に進み、停止ダウンシフト制御のための行先変速段GBを設定するクラッチに対する係合指示油圧PiGBを設定し、且つ現在変速段GAを設定しているクラッチに対する解放指示油圧PiGAを設定する。
【0077】
そして、ステップS76において、このように設定された係合指示油圧PiGBおよび解放指示油圧PiGAを油圧コントロールバルブHCVのリニアソレノイドバルブに出力してその作動を制御し、このダウンシフト制御を行わせるために必要なクラッチの係合および解放制御を行う。
【0078】
このときにおけるステップS72およびステップS73での通常ダウンシフトのための係合指示油圧PiGBおよび解放指示油圧PiGAは、図22に示すように設定される。なお、図22には、この通常ダウンシフト制御におけるシフト指令信号SH、係合指示油圧PiGB、解放指示油圧PiGAおよび入出力回転数比(もしくはギヤ比)Rの時間経過を示しており、ここでは時間t0において第4速段から第3速段へのダウンシフト変速指令が出力された場合を例示している。この図に示す入出力回転数比Rはカウンタシャフト回転NCとメインカウンタシャフト回転NMの比であり、変速ギヤ比に対応する値である。この入出力回転数比Rは変速進行度を示す指標として用いられ、図示のように現在変速段入出力回転数比R(GA)が変速の進行に応じて行先変速段入出力回転数比R(GB)に変化している。なお、入出力回転数比Rは変速段に対応する無次元数として表される。例えば、本例のように第4速段から第3速段へのダウンシフトのときには、第4速段での入出力回転数比R(GA)=4.0、第3速段での入出力回転数比R(GB)=3.0と表され、変速の進行に応じて、R=4.0からR=3.0まで徐々に小さくなる数字で進行度が表される。例えば、R=3.5のときには進行度が50%である。
【0079】
ステップS72において設定される係合指示油圧PiGBは、係合対象となる3速クラッチC3および解放対象となる4−RクラッチC4での油圧変化、入出力回転数比変化や、設定タイマー等に基づいて、図22におけるPiGBの時間経過グラフにおいて実線(PiGB(1)〜PiGB(3))で示すように設定される。この係合指示油圧PiGBは、変速開始時toからt1までにおける3速クラッチC3のピストン無効ストローク詰めのための準備モードと、時間t1〜t2において設定される待機モードと、時間t2〜t3において設定される係合モードとからなる。通常ダウンシフト制御においては現在変速段を設定しているクラッチを開放させ、エンジン回転の上昇を待ってから行先変速段用のクラッチを係合させれば良いため、このような指示油圧PiGBが設定されている。
【0080】
なお、ピストン無効ストローク詰めのための準備モードを設定する時間(toからt1までの時間)は、係合対象となる3速クラッチC3の残油量Qc(この残油量QcはステップS12において算出されている)に応じて可変設定され、これに続く待機モードおよび係合モードでの制御が残油量Qcに影響されないようになっている。また、待機モードおよび係合モードでの係合指示油圧PiGB(2)およびPiGB(3)はステップS5において推定された入力トルクTINに基づいて設定される。
【0081】
なお、このような係合指示油圧PiGBの設定については、従来から公知(例えば、本出願人の出願に係る特開2002−130454号公報等参照)なので、その設定についての説明は省略する。
【0082】
次に、ステップS73において行われる4−RクラッチC4に対する解放指示油圧PiGAの設定制御内容を図21および図22を参照して説明する。まずステップS731において、図22に示す基本解放指示油圧PiGAを設定する。この基本解放指示油圧PiGAは、係合対象となる3速クラッチC3および解放対象となる4−RクラッチC4での油圧変化、入出力回転数比変化や、設定タイマー等に基づいて、図において実線(PiGA(1)〜PiGA(5))で示すように設定される。なお、この基本解放指示油圧PiGAの設定は、ステップS5において推定された入力トルクTINに基づいて行われる。この解放指示油圧PiGAにおける補正初期圧PiGA(1)を除く指示油圧PiGA(2)〜PiGA(5)の設定は、従来から公知なので、その説明は省略し、従来とは異なる補正初期圧PiGA(1)の設定について説明する。
【0083】
この補正初期圧PiGA(1)の設定のため、ステップS732においてクラッチ作動油温TTMと、エンジンスロットル開度TH(アクセル開度)とを読み込み、ステップS733においてエンジンスロットル開度THの変化率ΔTHを算出する。そして、ステップS734においてTTM≧40°C(なお、この温度は例示であり、対象となる変速機、クラッチ等に応じて適宜設定される温度である)か否かが判断され、TTM<40°Cのとき(NOのとき)には、ステップS739に進んで補正初期圧PiGA(1)=0に設定する。すなわち、補正初期圧PiGA(1)を設定せず、最初からベース解放指示油圧PiGA(2)を設定する。
【0084】
ステップS734においてTTM≧40°Cである(YESである)と判断されたときには、ステップS735に進んでスロットル開度TH≧β(所定開度)か否かが判断される。この所定開度βは、例えば本実施形態では、全開開度(WOT)の5/8の開度が設定される。ここで、TH<βである(NOである)と判断されたとき、すなわち、エンジンスロットル開度TH(もしくはアクセル開度)が所定開度以下であると判断されたときには、ステップS739に進んで補正初期圧PiGA(1)=0にして、最初からベース解放指示油圧PiGA(2)となるように設定する。
【0085】
ステップS735でTH≧βである(YESである)と判断されたときには、ステップS736に進んでスロットル開度変化率ΔTH≦γ(所定変化率)か否かが判断される。この所定変化率γは、例えば本実施形態では、100m秒の間のスロットル開度の変化が+0.4/8となる変化率が設定される。ここで、ΔTH>γである(NOである)と判断されたとき、すなわち、スロットル開度変化率ΔTHが所定変化率を超えるようにアクセルペダルが急激に踏み込まれていると判断されたときには、ステップS739に進んで補正初期圧PiGA(1)=0にして、最初からベース解放指示油圧PiGA(2)となるように設定する。
【0086】
一方、ΔTH≦γである(YESである)と判断されたときには、ステップS737に進んで補正初期圧PiGA(1)が算出される。この補正初期圧PiGA(1)は、図22においてハッチングを施したような指示油圧であり、例えば、その大きさΔPiA=1.0kgf/cm2( = 98000 Pa)、ΔtA=100m秒が設定される。そしてステップS738に進み、この補正初期圧PiGA(1)が加算されて、図22に実線で示す解放指示油圧PiGAが設定される。これにより、この場合には、図22にハッチングを施して示すように、まず補正準備油圧PiGA(s)まで低下させるとともにこの補正準備油圧PiGA(s)をベース解放指示油圧PiGA(2)まで緩やかに低下させる補正初期圧PiGA(1)が設定される。
【0087】
以上の説明から分かるように、通常ダウンシフト制御において設定される解放指示油圧PiGAは、クラッチ作動油温(変速機油温)TTMが所定温度(40°C)以上で、スロットル開度THが所定開度(5/8開度)以上で、且つスロットル開度変化率ΔTHが所定変化率(100m秒の間のスロットル開度の変化が+0.4/8となる変化率)以下となる場合には、図22においてハッチングを施した補正初期圧PiGA(1)が設けられるが、それ以外の場合にはこの補正初期圧PiGA(1)が零に設定される。
【0088】
このような通常ダウンシフト制御における解放指示油圧PiGAの設定制御を行えば、アクセルペダルが急激に踏み込まれて行われるダウンシフト制御(キックダウン制御)の場合には、解放指示油圧PiGAを直ちにベース解放指示油圧PiGA(2)まで低下させるので、アクセルペダル踏み込みによるエンジン回転の上昇を妨げず、且つエンジントルク変動を車輪(車体)に伝えることがない。また、アクセルペダルが徐々に踏み込まれて行われるダウンシフト制御の場合には、解放指示油圧PiGAを補正準備油圧PiGA(s)まで低下させた後、これをベース解放指示油圧PiGA(2)まで緩やかに低下させるように制御するので、エンジン回転の吹き上がりを防止し、且つ最適な変速時間を確保することができる。この結果、アクセルペダルの踏み込み速度に対応して常に最適なダウンシフト制御が行われる。なお、補正初期圧PiGA(1)を(すなわち、ΔPiAおよびΔtAを)、変速モードと車速とに対応して設定しても良い。これにより、全ての変速モードにおいて且つどのような車速での通常ダウンシフト制御においても適切な変速を行わせることができる。
【0089】
次に、停止ダウンシフト制御について説明する。なお、この停止ダウンシフトとしては、3速から1速へのダウンシフト制御が行われる。この場合には、上述のように、ステップS74において係合指示油圧PiGB(1速クラッチC1の係合指示油圧)が設定され、ステップS75において解放指示油圧PiGA(3速クラッチC3の解放指示油圧)が設定されるが、係合指示油圧PiGBは通常ダウンシフト制御の場合と同様な設定であるためその説明は省略する。
【0090】
停止ダウンシフト制御での解放指示油圧PiGAの設定サブフローを図23に示し、このときに設定される解放指示油圧PiGAの時間変化特性を図24に示している。ここでは、まずステップS751において図24で実線で示すような基本解放指示油圧PiGA(Base)が設定される。停止ダウンシフトはアクセルペダルの踏み込みが解除されて車両が停止するときに行われるダウンシフトであるため、基本解放指示油圧PiGA(Base)は、図示のように、初期解放指示油圧PiGA(1)、ベース解放指示油圧PiGA(2)および完全解放指示油圧PiFA(3)からなるように設定される。
【0091】
次に、ステップS752においてクラッチ作動油温TTMを読み込み、ステップS753においてエンジン回転速度NEを読み込む。そして、ステップS754において、停止シフト補正油圧ΔPiDNを算出する。停止シフト補正油圧ΔPiDNは、クラッチ作動油温TTMとエンジン回転速度NEとに対応して図25に示すように設定されており、ステップS752およびS753において読み込んだクラッチ作動油温TTMおよびエンジン回転速度NEに対応する停止シフト補正油圧ΔPiDNを読み取る。なお、このときのエンジン回転速度NEとしては、変速制御開始時の値をホールドして用いるのが好ましい。そして、ステップS755に進み、このように読み取った停止シフト補正油圧ΔPiDNをステップS751において設定された基本解放指示油圧PiGA(Base)を加算して、図24において破線で示す補正解放指示油圧PiGA′(これは、補正初期解放指示油圧PiGA(1)′、補正ベース解放指示油圧PiGA(2)′および補正完全解放指示油圧PiFA(3)′からなる)を算出する。
【0092】
このようにして算出された補正解放指示油圧PiGA′を用いて停止ダウンシフト制御(3速から1速へのダウンシフト)を行うと、現在の変速段を設定する3速クラッチC3の係合制御油圧となる補正解放指示油圧PiGA′が油温とエンジン回転速度とに応じて可変設定され、検出油温が低いほど大きく、且つ検出エンジン回転速度が高い程大きくなるように増圧補正される。このため、作動油温が低いときに行先変速段を設定する1速クラッチC1の係合が遅れてエンジン回転が吹き上がるという問題が発生することがなく、且つ、エンジンが暖気運転している状態から通常運転に移行してエンジンアイドリング回転が変化しても、停止ダウンシフト時にエンジン回転吹き上がりもしくは変速ショックが発生するという問題もない。
【0093】
次に、図9のフローに戻り、ステップS8のシフトパーミット処理が行われる。この内容を図26に示しており、ここです、ステップS81においてアップシフトからさらなるアップシフトへの移行を許可するか否かの判断が行われ、ステップS82においてアップシフトからダウンシフトへの移行を許可するか否かの判断が行われ、ステップS83においてダウンシフトからさらなるダウンシフトへの移行を許可するか否かの判断が行われ、ステップS84においてダウンシフトからアップシフトへの移行を許可するか否かの判断が行われ、ステップS85においてダウンシフトを行っている間にさらなるダウンシフト(すなわち、飛びダウンシフト)への移行を許可するか否かの判断が行われる。
【0094】
ステップS85における飛びダウンシフトの制御内容を図27を参照して説明する。ここでは、まずステップS851においてメインシャフト回転数NM、カウンターシャフト回転数NCおよびクラッチ作動油温TTMを読み込む。そして、ステップS852において変速進行度Rを算出する。この変速進行度Rは図22に示したものと同一であり、入出力回転数比に対応する値である。
【0095】
次に、ステップS853においてクラッチ作動油温TTM≧20°Cか否かが判断され、TTM≧20°Cのとき(YESのとき)にはステップS855に進み、TTM<20°Cのとき(NOのとき)にはステップS854に進む。ステップS854においては、変速進行度Rが低温用閾値RSH(LT)以上であるか否かが判断され、R≧RSH(LT)のとき(YESのとき)にはステップS856に進み、R<RSH(LT)のとき(NOのとき)にはステップS857に進む。一方、ステップS855においては、、変速進行度Rが高温用閾値RSH(HT)以上であるか否かが判断され、R≧RSH(HT)のとき(YESのとき)にはステップS856に進み、R<RSH(HT)のとき(NOのとき)にはステップS858に進む。そして、ステップS856においてはパーミットフラグFP=ONに設定し、ステップS857およびS858においてはパーミットフラグFP=OFFに設定する。
【0096】
なお、本実施形態では、4速から3速へのシフトダウン制御が行われているときには、変速進行度R=4.0(4速段)からR=3.0(3速段)まで連続的に低下するが、この場合には低温用閾値RSH(LT)=3.9に設定され、高温用閾値RSH(HT)=3.3に設定される。
【0097】
図8を参照して説明したシフトモード設定サブフロー(ステップS2)において、ステップS25でパーミットフラグFP=ONか否かが判断されているが、ここでFP=ONのときには、変速中であっても新たな変速への切換を許可している。このことから分かるように、パーミットフラグFPは、ある変速が行われている途中にアクセルペダル操作等に応じて別の新たな変速指令が出されたような場合(例えば、4速から3速へのダウンシフト指令に基づいてダウンシフト制御を行っている途中に、さらに2速にダウンシフトする指令が出されたような場合)に、この新たな変速指令に基づく制御に直ちに移行しても良いかを判断するためのフラグである。
【0098】
このような場合に、例えば、それまでの4速から3速へのダウンシフト制御がある程度進行していた場合に直ちに2速へのダウンシフト制御を開始したのでは、4速クラッチC4の滑り時間が長くなってこのクラッチが劣化するおそれや、2速クラッチC2の係合遅れにより、ダウンシフト制御終了時にエンジン回転が吹き上がるおそれがある。そこで、上述のようにしてパーミットフラグFPが設定され、FP=ONのときにのみ、新たな変速指令に基づく変速制御に移行することを許容している。この場合に、パーミットフラグFPは、変速進行度Rに応じて設定されるため、それまでの行先変速段への変速制御(例えば、3速へのダウンシフト制御)がある程度進行していた場合には、新行先変速段への変更(2速ダウンシフト制御への変更)は許可せず、3速段への変速が完了した後に2速段への変速制御が行われる。これにより、4速クラッチC4の滑り時間が長くなってこのクラッチが劣化するおそれがなくなり、2速クラッチC2の係合遅れによりダウンシフト制御終了時にエンジン回転が吹き上がることを防止して変速違和感の発生を抑えることができる。
【0099】
さらに、パーミットフラグFP=ONに設定するための変速進行度Rの閾値が、クラッチ作動油温(変速機油温)TTMに応じて設定されており、作動油温に応じてパーミットフラグFP=ONにしており、作動油温に対応して常に最適なフラグ設定が行われる。すなわち、ステップS853〜ステップS858により閾値変更手段が構成されている。なお、ステップS853における判断基準となる作動油温は20°Cに限られるものではなく、適宜設定され、ステップS854およびステップS855において設定される閾値RSH(LT)およびRSH(HT)についても(RSH(LT))>(RSH(HT))という関係を保って適宜設定される。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る制御装置によれば、エンジンを始動させて変速制御を開始した後において、現在変速段から行先変速段へアップシフトを行わせるときに、この行先変速段を設定する摩擦係合要素がエンジン始動後に初めて係合される場合には、油圧供給制御手段は現在変速段を設定している摩擦係合要素を解放するために設定される解放ベース圧をその後の変速指示に対して設定される解放ベース圧より増大しているので、摩擦係合要素の係合遅れに伴うエンジン回転の吹き上がりを効果的に抑制できる。この変速遅れおよびエンジン回転の吹き上がりは、油温が低くてその粘性が大きいときに特に顕著となるが、本発明では解放ベース圧の増大補正量は油温検出器により検出された油温が低温のときの方が大きくなるように設定されるので、油温が低いときにもエンジン回転吹き上がりの発生を抑制することができる。
【0101】
上記構成の本発明に係る自動変速機の制御装置において、エンジンを停止して変速制御を停止した状態からエンジンを始動させて変速制御を開始し、変速指示に従って現在変速段から行先変速段へアップシフトを行わせるときに、行先変速段を設定する摩擦係合要素がエンジン始動後に初めて係合される場合には、油圧供給制御手段は、行先変速段を設定する摩擦係合要素を係合させるために設定される係合準備圧をその後の変速指示に対して設定される係合準備圧より増大補正するのが好ましい。このとき、係合準備圧の増大補正量は、油温検出器により検出された油温が低温のときの方が大きくなるように設定されるのが好ましい。このように係合準備圧を増大補正すれば、エンジン停止状態からエンジンを始動させて変速制御を行うときに最初に係合される摩擦係合要素への供給油量を増大でき、係合遅れすなわち変速遅れを抑制できる。
【0102】
また、上記構成の本発明に係る自動変速機の制御装置において、エンジンを停止して変速制御を停止した状態からエンジンを始動させて変速制御を開始し、変速指示に従って現在変速段から行先変速段へアップシフトを行わせるときに、行先変速段を設定する摩擦係合要素がエンジン始動後に初めて係合される場合には、油圧供給制御手段により現在変速段を設定している摩擦係合要素に供給される上記解放ベース圧の供給時間は、その後の変速指示に対して設定される供給時間より長くなり、且つ油温検出器により検出された油温が低温のときの方が長くなるように設定されるのが好ましい。このように解放ベース圧の供給時間を長くすることによって、行先変速段設定用の摩擦係合要素の係合遅れが生じてもエンジン回転の吹き上がりを効果的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動変速機の制御装置を全体的に示す説明図である。
【図2】図1の制御装置の動作を示すメインフロー・チャートである。
【図3】図2のフロー・チャートのステップS1における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図4】図3のフロー・チャートのステップS12における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図5】クラッチのオイル減少率測定のため、クラッチに与えられる指示油圧パターンを示すグラフである。
【図6】図5の指示油圧をクラッチに与えたときの低指示油圧供給時間T1とクラッチ圧上昇に要する経過時間T2との関係を示すグラフである。
【図7】図6の関係から求められたクラッチ残油量Qcとオイル減少率ΔQdとの関係を示すグラフである。
【図8】図1のフロー・チャートのステップS2における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図9】図1のフロー・チャートのステップS4における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図10】図9のフロー・チャートのステップS5における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図11】図10のフロー・チャートのステップS51における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図12】本発明の自動変速機に用いられるエンジンの出力特性マップを、可変バルブタイミング機構の作動に対応して示すグラフである。
【図13】高速バルブタイミング特性から低速バルブタイミング特性に切換られたときでのエンジン出力算出トルク変化を示すグラフである。
【図14】図10のフロー・チャートのステップS52における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図15】EGR量とトルクダウン係数αとの関係を示すグラフである。
【図16】図9のフロー・チャートのステップS6における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図17】図16のフロー・チャートのステップS61における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図18】図16のフロー・チャートのステップS62における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図19】図16に示すアップシフト制御におけるシフト指令信号SH、係合指示油圧PiGB、解放指示油圧PiGAおよびシフトモニター値SFTMONの時間経過を示すグラフである。
【図20】図9のフロー・チャートのステップS7における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図21】図20のフロー・チャートのステップS73における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図22】図20に示す通常ダウンシフト制御におけるシフト指令信号SH、係合指示油圧PiGB、解放指示油圧PiGAおよび変速進行度Rの時間経過を示すグラフである。
【図23】図20のフロー・チャートのステップS75における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図24】図20に示す停止ダウンシフト制御における解放指示油圧PiGAの時間経過を示すグラフである。
【図25】停止ダウンシフト制御における停止シフト補正油圧ΔPiDNを示す表図である。
【図26】図9のフロー・チャートのステップS8における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図27】図26のフロー・チャートのステップS85における制御内容を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【符号の説明】
11〜15 1速〜5速駆動ギヤ(動力伝達経路)
21〜25 1速〜5速従動ギヤ(動力伝達経路)
57 油温センサ(温度検出手段)
ENG エンジン
TM トランスミッション
MS メインシャフト(動力伝達経路)
CS カウンタシャフト(動力伝達経路)
C1〜C5 1速〜3速クラッチ、4−Rクラッチ、5速クラッチ(摩擦係合要素)
HCV 油圧コントロールバルブ(油圧供給制御手段)
ECU コントロールユニット
Claims (3)
- 複数の動力伝達経路と複数の摩擦係合要素とを備え、走行状態に応じて前記複数の摩擦係合要素を選択的に係合させて前記複数の動力伝達経路からいずれかの動力伝達経路を選択して変速段の設定を行い、エンジンの出力回転を前記設定された変速段に基づいて変速して車輪に伝達するように構成された自動変速機において、
変速指示に従って所定の変速を行わせるように前記摩擦係合要素への係合制御油圧の供給を制御する油圧供給制御手段と、
摩擦係合要素に供給される作動油の油温を検出する油温検出器とを備え、
前記エンジンを停止して変速制御を停止した状態から前記エンジンを始動させて変速制御を開始し、変速指示に従って現在変速段から行先変速段へアップシフトを行わせるときに、前記行先変速段を設定する前記摩擦係合要素が前記エンジンの始動後に初めて係合される場合には、
前記油圧供給制御手段は、前記現在変速段を設定している前記摩擦係合要素を解放するために設定される解放ベース圧をその後の変速指示に対して設定される解放ベース圧より増大補正し、
前記解放ベース圧の増大補正量は、前記油温検出器により検出された油温が低温のときの方が大きくなるように設定されることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 前記エンジンを停止して変速制御を停止した状態から前記エンジンを始動させて変速制御を開始し、変速指示に従って現在変速段から行先変速段へアップシフトを行わせるときに、前記行先変速段を設定する前記摩擦係合要素が前記エンジンの始動後に初めて係合される場合には、
前記油圧供給制御手段は、前記行先変速段を設定する前記摩擦係合要素を係合させるために設定される係合準備圧をその後の変速指示に対して設定される係合準備圧より増大補正し、
前記係合準備圧の増大補正量は、前記油温検出器により検出された油温が低温のときの方が大きくなるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記エンジンを停止して変速制御を停止した状態から前記エンジンを始動させて変速制御を開始し、変速指示に従って現在変速段から行先変速段へアップシフトを行わせるときに、前記行先変速段を設定する前記摩擦係合要素が変速制御開始後に初めて係合される場合には、
前記油圧供給制御手段により前記現在変速段を設定している前記摩擦係合要素に供給される前記解放ベース圧の供給時間は、その後の変速指示に対して設定される供給時間より長くなり、且つ前記油温検出器により検出された油温が低温のときの方が長くなるように設定されることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の自動変速機の制御装置。
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