JP2009008196A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動変速機の係合側の摩擦係合要素が係合し始める位置までピストンを移動させるように該摩擦係合要素に作動油を充填するプリチャージ制御を精度良く実行する。
【解決手段】作動油の温度が所定値以下の場合には、ブレーキB2(係合側の摩擦係合要素)の油圧指令値を所定のプリチャージ油圧に設定してプリチャージ制御を開始した後、ブレーキB2の油圧回路内の油圧が所定圧力まで上昇してブレーキB2用の油圧スイッチの出力信号がオフからオンに切り換わった時点t1 で、ブレーキB2のプリチャージ制御の開始からブレーキB2の油圧回路内の油圧が所定圧力に上昇するまでの経過時間を圧力上昇時間Ta として求め、この圧力上昇時間Ta (ブレーキB2の油圧回路内の作動油の流動性等を反映した情報)に応じてブレーキB2のプリチャージ制御の実行時間Tb を算出して、ブレーキB2のプリチャージ制御の終了タイミングを設定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、摩擦係合要素のピストンに作用させる油圧を制御して変速機構の変速段を切り換える自動変速機の制御装置に関する発明である。
自動車用の自動変速機は、エンジンの駆動力をトルクコンバータを介して変速機構の入力軸に伝達し、この変速機構で変速して出力軸に伝達し、駆動輪を回転駆動するようにしている。一般に、変速機構は、入力軸と出力軸との間に複数の歯車を配列して、入力軸と出力軸との間に変速比の異なる複数の動力伝達経路を構成し、各動力伝達経路中にクラッチやブレーキ等の摩擦係合要素を設けて、変速要求に応じて各摩擦係合要素のピストンに作用させる油圧を個別に制御することで、各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて、入出力軸間の動力伝達経路を切り換えて変速段(ギヤ比)を切り換えるようにしている。
このような自動変速機の変速制御おいては、特許文献1(特公平5−59294号公報)に記載されているように、変速制御の際に、係合状態に切り換える係合側クラッチへの供給制御油量を最大にするプリチャージ制御(急速充填制御)を行うことで、係合側クラッチのピストンがクラッチプレートを押圧して係合側クラッチが係合し始める位置(無効ストロークの終了位置)までピストンを短時間で移動させるようにしたものがある。その際、係合側クラッチに供給される油圧が所定油圧以上になったことを油圧スイッチで検出したときに、係合側クラッチのピストンが無効ストロークの終了位置まで移動したと判断して、プリチャージ制御を終了するようにしている。
ところで、冷間始動直後や暖機中のように、作動油の温度が低くて作動油の粘性が比較的高いときには、作動油の流動性が低下するため、係合側クラッチに供給される油圧が所定油圧以上になったことを油圧スイッチで検出しても、その油圧検出位置から係合側クラッチのピストンまでの間で発生する作動油の流動抵抗によってピストン室に供給される作動油の流量(ピストンに作用する油圧)が低下して、ピストンが無効ストロークの終了位置まで移動できない可能性がある。
この対策として、自動変速機の油圧制御回路に油温センサを設け、この油温センサで検出した油温(作動油の温度)に応じてプリチャージ制御の実行時間や指令油圧を設定して、油温が低くなるほどプリチャージ制御の際に係合側の摩擦係合要素に供給する作動油の供給量(いわゆるプリチャージ量)が多くなるようにしたものがある。
特公平5−59294号公報
しかし、冷間始動直後や暖機中は、油圧制御回路や各摩擦係合要素及びそれら結ぶ配管は、それぞれ各部位によって温度が異なるため、油圧制御回路の一か所に設けた油温センサで検出した油温は、実際にプリチャージ制御を行う係合側の摩擦係合要素に供給される作動油の温度と必ずしも一致しない。このため、油圧制御回路に設けた油温センサで検出した油温に応じてプリチャージ制御の実行時間や指令油圧を設定しても、プリチャージ制御の実行時間や指令油圧を適正値に設定することができず、プリチャージ量が不足して変速の応答が遅くなったり、或は、プリチャージ量が過剰となって摩擦係合要素の急激な係合に伴うショックが発生したりする可能性がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、プリチャージ制御の実行時間を適正な時間に設定することができ、プリチャージ制御を精度良く実行することができる自動変速機の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、変速機構に設けられた複数の摩擦係合要素のピストンに作用させる油圧を個別に制御することで各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて変速機構の変速段を切り換える変速制御手段を備え、変速制御手段は、変速制御の際に係合状態に切り換える係合側の摩擦係合要素のピストンを該係合側の摩擦係合要素が係合し始める位置まで移動させるように油圧指令を出力して該係合側の摩擦係合要素に作動油を充填するプリチャージ制御を実行するようにした自動変速機の制御装置において、少なくとも所定の変速制御の際に係合状態に切り換える係合側の摩擦係合要素の油圧回路に、該油圧回路内の油圧に応じて作動するように設けられた圧力検出手段を備え、変速制御手段は、所定の変速制御の際に係合状態に切り換える係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の際に、該係合側の摩擦係合要素の油圧回路に設けられた圧力検出手段の出力信号に基づいて該係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力まで上昇したことを検出して、該係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の開始から該係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力に上昇するまでの経過時間(以下「圧力上昇時間」という)を求め、該圧力上昇時間に応じて該係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の終了タイミングを設定するようにしたものである。
係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の作動油の状態(温度や流動性等)によって圧力上昇時間(係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の開始から該係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力に上昇するまでの経過時間)が変化するため、圧力上昇時間は、係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の作動油の状態を反映した情報となる。従って、本発明のように、圧力上昇時間に応じて係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の終了タイミングを設定すれば、プリチャージ制御の実行時間を係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の作動油の状態に応じた適正値に設定することができる。これにより、プリチャージ量(プリチャージ制御の際に係合側の摩擦係合要素に供給する作動油の供給量)の過不足の発生を防止することができ、プリチャージ制御を精度良く実行することができる。
この場合、圧力検出手段として、係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧に応じて出力信号が連続的に変化する油圧センサを用いるようにしても良いが、請求項2のように、圧力検出手段として、係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力以上になったときに出力信号が切り換わる油圧スイッチを用いるようにしても良い。このようにすれば、油圧センサよりも安価な油圧スイッチを用いてシステムを構成することができ、低コスト化の要求を満たすことができる。
プリチャージ制御の終了タイミングを設定する際には、請求項3のように、圧力上昇時間が長くなるほど係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の開始から終了までの時間が長くなるように該プリチャージ制御の終了タイミングを設定するようにすると良い。このようにすれば、係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の作動油の流動性が低下して圧力上昇時間が長くなるほど、係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の作動油の流動抵抗によってピストン室に供給される作動油の流量が低下するのに対応して、プリチャージ制御の実行時間を長くして適正なプリチャージ量を確保することができ、プリチャージ制御の実行時間を精度良く適正な時間に設定することができる。
一般に、変速制御は、解放側の摩擦係合要素の解放油圧制御と係合側の摩擦係合要素の係合油圧制御とを組み合わせて行うため、請求項4のように、少なくとも所定の変速制御の際に解放状態に切り換える解放側の摩擦係合要素の油圧回路に、該油圧回路内の油圧に応じて作動するように設けられた圧力検出手段を備え、所定の変速制御の際に係合状態に切り換える係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の際に、解放側の摩擦係合要素の油圧回路に設けられた圧力検出手段の出力信号に基づいて係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の終了タイミングを設定するようにしても良い。
変速制御の際に、解放側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧の挙動は、解放側の摩擦係合要素の油圧回路内の作動油の状態(温度や流動性等)を反映した情報となり、更には係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の作動油の状態を反映した情報となる。従って、解放側の摩擦係合要素の油圧回路に設けられた圧力検出手段の出力信号に基づいて係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の終了タイミングを設定すれば、プリチャージ制御の実行時間を係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の作動油の状態に応じた適正値に設定することができる。これにより、プリチャージ量の過不足の発生を防止することができ、プリチャージ制御を精度良く実行することができる。また、解放側の摩擦係合要素の解放油圧制御が係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御よりも先に開始される場合には、より早い時期に係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の終了タイミングを設定することが可能となる。
具体的には、請求項5のように、係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の際に、解放側の摩擦係合要素の油圧回路に設けられた圧力検出手段の出力信号に基づいて該解放側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力まで降下したことを検出して、該解放側の摩擦係合要素の解放油圧制御の開始から該解放側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力に降下するまでの経過時間(以下「圧力降下時間」という)を求め、該圧力降下時間に応じて係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の終了タイミングを設定するようにすると良い。
圧力降下時間(解放側の摩擦係合要素の解放油圧制御の開始から該解放側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力に達するまでの経過時間)は、係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の作動油の状態を反映した情報となるため、この圧力降下時間に応じて係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の終了タイミングを設定すれば、プリチャージ制御の実行時間を係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の作動油の状態に応じた適正な時間に設定することができる。
この場合、圧力検出手段として、解放側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧に応じて出力信号が変化する油圧センサを用いるようにしても良いが、請求項6のように、圧力検出手段として、解放側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力未満になったときに出力信号が切り換わる油圧スイッチを用いるようにしても良い。このようにすれば、油圧センサよりも安価な油圧スイッチを用いてシステムを構成することができ、低コスト化の要求を満たすことができる。
プリチャージ制御の終了タイミングを設定する際には、請求項7のように、圧力降下時間が長くなるほど係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の開始から終了までの時間が長くなるように該プリチャージ制御の終了タイミングを設定するようにすると良い。このようにすれば、解放側の摩擦係合要素の油圧回路内の作動油の流動性が低下して圧力降下時間が長くなるほど、係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の作動油の流動抵抗によってピストン室に供給される作動油の流量が低下するのに対応して、プリチャージ制御の実行時間を長くして適正なプリチャージ量を確保することができ、プリチャージ制御の実行時間を精度良く適正な時間に設定することができる。
また、請求項8のように、作動油の温度が所定値以下のときに圧力検出手段の出力信号に基づいて係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の終了タイミングを設定する制御を実行するようにすると良い。このようにすれば、作動油の温度が所定値以下で作動油の流動性が低下した状態のときでも、プリチャージ制御の実行時間を係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の作動油の状態に応じた適正な時間に設定して、プリチャージ量の過不足の発生を防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図7に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて自動変速機11の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン12の出力軸13には、トルクコンバータ14の入力軸15が連結され、このトルクコンバータ14の出力軸16に、油圧駆動式の変速歯車機構17(変速機構)が連結されている。トルクコンバータ14の内部には、流体継手を構成するポンプインペラ18とタービンランナ19が対向して設けられ、ポンプインペラ18とタービンランナ19との間には、オイルの流れを整流するステータ20が設けられている。ポンプインペラ18は、トルクコンバータ14の入力軸15に連結され、タービンランナ19は、トルクコンバータ14の出力軸16に連結されている。
また、トルクコンバータ14には、入力軸15側と出力軸16側との間を係合又は切り離しするためのロックアップクラッチ21が設けられている。エンジン12の出力トルクは、トルクコンバータ14を介して変速歯車機構17に伝達され、変速歯車機構17の第1〜第3の遊星歯車機構22〜24で変速されて、車両の駆動輪(前輪又は後輪)に伝達されるようになっている。
変速歯車機構17には、複数の変速段を切り換えるための摩擦係合要素である複数のクラッチC0,C1,C2と複数のブレーキB0,B1,B2が設けられていると共に、複数のワンウェイクラッチF0,F1が設けられている。図3に示すように、これら各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1,B2の係合/解放を油圧で切り換えて、動力を伝達する各遊星歯車機構22〜24のギヤの組み合わせを切り換えることによって変速比を切り換えるようになっている。
尚、図3は5速自動変速機のクラッチC0,C1,C2とブレーキB0,B1,B2の係合の組合せを示すもので、○印はその変速段で係合状態(トルク伝達状態)に保持されるクラッチとブレーキを示し、無印は解放状態を示している。例えば、シフトレバー30がNレンジからDレンジに操作されて変速歯車機構17をニュートラル状態から1速に切り換える場合には、C1及びB1の係合からC1を解放し、新たにB2を係合する。Dレンジのスロットル踏み込み状態では、車速が上がるにつれて、1速、2速、3速、4速、5速とアップシフトしていく。1速から2速への変速では、B1及びB2の係合から新たにC2を係合する。2速から3速への変速では、C2及びB1及びB2の係合からB2を解放し、新たにC1を係合する。3速から4速への変速では、C1及びC2及びB1の係合からB1を解放し、新たにC0を係合する。4速から5速への変速では、C0及びC1及びC2の係合からC2を解放し、新たにB1を係合する。
図1に示すように、変速歯車機構17には、エンジン動力で駆動される油圧ポンプ(図示せず)が設けられ、作動油(オイル)を貯溜するオイルパン(図示せず)内には、油圧制御回路25が設けられている。この油圧制御回路25は、ライン圧制御回路26、自動変速制御回路27、ロックアップ制御回路28、手動切換弁29等から構成され、オイルパンから油圧ポンプで汲み上げられた作動油がライン圧制御回路26を介して自動変速制御回路27とロックアップ制御回路28に供給される。ライン圧制御回路26には、油圧ポンプからの油圧を所定のライン圧に制御するライン圧制御用の油圧制御弁(図示せず)が設けられ、自動変速制御回路27には、変速歯車機構17の各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1,B2に供給する油圧を制御する複数の変速制御用の油圧制御弁37〜41(図2参照)が設けられている。また、ロックアップ制御回路28には、ロックアップクラッチ21に供給する油圧を制御するロックアップ制御用の油圧制御弁(図示せず)が設けられている。
また、ライン圧制御回路26と自動変速制御回路27との間には、シフトレバー30の操作に連動して切り換えられる手動切換弁29が設けられている。シフトレバー30がニュートラルレンジ(Nレンジ)又はパーキングレンジ(Pレンジ)に操作されているときには、自動変速制御回路27の油圧制御弁37〜41への通電が停止(OFF)された状態になっていても、手動切換弁29によって変速歯車機構17に供給する油圧が変速歯車機構17をニュートラル状態とするように切り換えられる。
一方、エンジン12には、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ31が設けられている。また、変速歯車機構17には、第1の遊星歯車機構22のサンギヤ22aの回転速度を検出する回転速度センサ32と、遊星歯車機構22のキャリヤ22bの回転速度を検出する回転速度センサ33と、変速歯車機構17の出力軸34の回転速度を検出する出力軸回転速度センサ35が設けられている。また、油圧制御回路25の所定箇所には、作動油の温度を検出する油温センサ53が設けられている。
図2に示すように、自動変速制御回路27には、各クラッチC0〜C2毎に、それぞれ供給する油圧を制御する油圧制御弁37〜39が設けられていると共に、各ブレーキB1,B2毎に、それぞれ供給する油圧を制御する油圧制御弁40,41が設けられている。各油圧制御弁37〜41は、ソレノイド37a〜41aによって直動バルブ37b〜41bが開弁方向(又は閉弁方向)に駆動され、ソレノイド37a〜41aの通電停止時にはスプリング37c〜41cによって直動バルブ37b〜41bが閉弁位置(又は開弁位置)に保持されるようになっている。
また、各クラッチC0〜C2の油圧回路のうちの各クラッチC0〜C2と各油圧制御弁37〜39との間には、それぞれ油圧スイッチ42〜44(圧力検出手段)が設けられ、各ブレーキB1,B2の油圧回路のうちの各ブレーキB1,B2と各油圧制御弁40,41との間には、それぞれ油圧スイッチ45,46(圧力検出手段)が設けられている。各油圧スイッチ42〜46は、それぞれ油圧回路内の油圧(クラッチ又はブレーキに供給する油圧)が所定圧力以上になったときに出力信号がオフからオンに切り換わり、油圧回路内の油圧が所定圧力未満になったときに出力信号がオンからオフに切り換わるようになっている。
上述した各種のセンサやスイッチの出力信号は、自動変速機電子制御回路(以下「AT−ECU」と表記する)36に入力される。このAT−ECU36は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された変速制御用の各プログラムを実行することで、予め設定した変速パターンに従って変速歯車機構17の変速が行われるように、シフトレバー30の操作位置や運転条件(スロットル開度、車速等)に応じて発生する変速段切り換え要求(目標変速段の切り換え要求)に応じて自動変速制御回路27の各油圧制御弁37〜41への通電を制御して、変速歯車機構17の各クラッチC0〜C2と各ブレーキB0〜B2に作用させる油圧を制御することによって、図2に示すように、各クラッチC0〜C2と各ブレーキB0〜B2の係合/解放を切り換えて、動力を伝達する各遊星歯車機構22〜24のギヤの組み合わせを切り換えることで、変速歯車機構17の変速比を切り換える。
図4に示すように、各クラッチC0〜C2と各ブレーキB0〜B2は、ドラム47に形成されたピストン室48内に、ピストン49が移動可能に設けられ、ピストン室48内に充填された作動油の油圧が上昇してピストン49が油圧によって係合方向(図4では右方向)に移動することで係合状態となる。その際、ピストン49が金属板50を押圧して金属板50と摩擦板51との間に摩擦力が発生し始める位置まで移動すると、クラッチ(又はブレーキ)が係合し始める。このクラッチ(又はブレーキ)が係合し始める位置がピストン49の無効ストロークの終了位置となる。一方、ピストン室48内の油圧が低下してピストン49がリターンスプリング52の付勢力によって解放方向(図4では左方向)に移動することで解放状態となる。
以下、シフトレバー30がNレンジからDレンジに操作されて変速歯車機構17をニュートラル状態から1速に切り換える際の変速制御について説明する。
変速歯車機構17をニュートラル状態から1速に切り換える場合には、クラッチC1から作動油を排出してクラッチC1を係合状態から解放状態に切り換える解放油圧制御を実行すると共に、ブレーキB2に作動油を充填してブレーキB2を解放状態から係合状態に切り換える係合油圧制御を実行する。
図5に示すように、ブレーキB2の係合油圧制御では、目標変速段が1速に切り換えられた時点t0 で、プリチャージ制御(急速充填制御ということもある)を実行する。このブレーキB2のプリチャージ制御では、ブレーキB2の油圧指令値を所定のプリチャージ油圧に設定してブレーキB2に作動油を急速に充填することで、ブレーキB2のピストン49をブレーキB2が係合し始める位置(無効ストロークの終了位置)まで短時間で移動させる。
本実施例1では、このブレーキB2のプリチャージ制御の際に、作動油の温度が所定値以下の場合(作動油の流動性が低下した状態の場合)には、ブレーキB2のプリチャージ制御を開始した後、ブレーキB2の油圧回路内の油圧が所定圧力(プリチャージ油圧よりも低い圧力)まで上昇してブレーキB2用の油圧スイッチ46(ブレーキB2の油圧回路に設けられた油圧スイッチ)の出力信号がオフからオンに切り換わった時点t1 で、ブレーキB2のプリチャージ制御の開始からブレーキB2の油圧回路内の油圧が所定圧力に上昇するまでの経過時間を圧力上昇時間Ta として求める。
この圧力上昇時間Ta に応じてプリチャージ制御残り時間ΔTを算出し、圧力上昇時間Ta にプリチャージ制御残り時間ΔTを加算してブレーキB2のプリチャージ制御の実行時間Tb (プリチャージ制御の開始から終了までの時間)を求めて、ブレーキB2のプリチャージ制御の終了タイミングt2 を設定する。
Tb =Ta +ΔT
ブレーキB2の油圧回路内の作動油の状態(温度や流動性等)によって圧力上昇時間Ta (ブレーキB2のプリチャージ制御の開始からブレーキB2の油圧回路内の油圧が所定圧力に上昇するまでの経過時間)が変化するため、圧力上昇時間Ta は、ブレーキB2の油圧回路内の作動油の状態を反映した情報となる。従って、圧力上昇時間Ta に応じてブレーキB2のプリチャージ制御の終了タイミングを設定すれば、プリチャージ制御の実行時間をブレーキB2の油圧回路内の作動油の状態に応じた適正な時間に設定することができる。
本実施例1のブレーキB2のプリチャージ制御は、AT−ECU36によって図6のプリチャージ制御ルーチンに従って実行される。以下、図6のプリチャージ制御ルーチンの処理内容を説明する。
図6に示すプリチャージ制御ルーチンは、特許請求の範囲でいう変速制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、油温センサ53で検出した作動油の温度が所定値(例えば20℃)以下であるか否かを判定する。尚、油温センサ53を備えていないシステムの場合には、冷却水温センサで検出した冷却水温、吸気温センサで検出した吸気温、外気温センサで検出した外気温、エンジン始動後の経過時間等のうちの少なくとも1つに基づいて作動油の温度を推定するようにしても良い。
このステップ101で、作動油の温度が所定値以下であると判定された場合(つまり作動油の流動性が低下した状態の場合)には、ステップ102に進み、プリチャージ制御開始後の経過時間をカウントする経過時間カウンタTのカウント値を「0」にリセットすると共に、圧力上昇判定フラグFa を「0」にリセットした後、ステップ103に進み、ブレーキB2の油圧指令値を所定のプリチャージ油圧に設定してプリチャージ制御を開始する。
この後、ステップ104に進み、圧力上昇判定フラグFa が「1」にセットされているか否かを判定し、まだ圧力上昇判定フラグFa が「0」であると判定された場合には、ステップ105に進み、ブレーキB2用の油圧スイッチ46(ブレーキB2の油圧回路に設けられた油圧スイッチ)の出力信号がオンになったか否かを判定する。
このステップ105で、まだブレーキB2用の油圧スイッチ46がオフであると判定された場合には、ステップ110に進み、経過時間カウンタTのカウント値を「1」だけカウントアップした後、ステップ111で、所定時間(例えば10msec)だけ待機した後に、上記ステップ103に戻る。
その後、ブレーキB2の油圧回路内の油圧が所定圧力まで上昇して、ステップ105で、ブレーキB2用の油圧スイッチ46がオンに切り換わったと判定された時点で、ステップ106に進み、圧力上昇判定フラグFa を「1」にセットした後、ステップ107に進み、現在の経過時間カウンタTのカウント値(つまりブレーキB2のプリチャージ制御の開始からブレーキB2の油圧回路内の油圧が所定圧力に上昇するまでの経過時間)を圧力上昇時間Ta として設定する。
この後、ステップ108に進み、図7に示すプリチャージ制御残り時間ΔTのマップを参照して、圧力上昇時間Ta に応じたプリチャージ制御残り時間ΔTを算出し、圧力上昇時間Ta にプリチャージ制御残り時間ΔTを加算してプリチャージ制御の実行時間Tb (プリチャージ制御の開始から終了までの時間)を求める。
Tb =Ta +ΔT
ここで、図7に示すプリチャージ制御残り時間ΔTのマップは、圧力上昇時間Ta が長くなるほどプリチャージ制御残り時間ΔTが長くなってプリチャージ制御の実行時間Tb が長くなるように設定されている。これにより、ブレーキB2の油圧回路内の作動油の流動性が低下して圧力上昇時間Ta が長くなるほど、ブレーキB2の油圧回路内の作動油の流動抵抗によってピストン室48に供給される作動油の流量が低下するのに対応して、プリチャージ制御の実行時間Tb を長くして適正なプリチャージ量(プリチャージ制御の際にブレーキB2に供給する作動油の供給量)を確保することができ、プリチャージ制御の実行時間Tb を精度良く適正な時間に設定することができる。
尚、上記ステップ108では、圧力上昇時間Ta に応じたプリチャージ制御残り時間ΔTをマップにより算出し、圧力上昇時間Ta にプリチャージ制御残り時間ΔTを加算してプリチャージ制御の実行時間Tb を求めるようにしたが、圧力上昇時間Ta に応じたプリチャージ制御の実行時間Tb をマップにより直接算出するようにしても良い。
この後、ステップ109に進み、経過時間カウンタTのカウント値がプリチャージ制御の実行時間Tb 以上になったか否かを判定し、経過時間カウンタTのカウント値がプリチャージ制御の実行時間Tb に達していなければ、経過時間カウンタTのカウント値をカウントアップして所定時間だけ待機した後(ステップ110、111)、上記ステップ103に戻る。
ブレーキB2用の油圧スイッチ46がオンに切り換わって圧力上昇判定フラグFa を「1」にセットした後は、ステップ104で、圧力上昇判定フラグFa が「1」にセットされていると判定されて、ステップ109に進み、経過時間カウンタTのカウント値がプリチャージ制御の実行時間Tb 以上になったか否かを判定し、経過時間カウンタTのカウント値がプリチャージ制御の実行時間Tb に達していなければ、経過時間カウンタTのカウント値をカウントアップして所定時間だけ待機した後(ステップ110、111)、上記ステップ103に戻る。
その後、ステップ109で、経過時間カウンタTのカウント値がプリチャージ制御の実行時間Tb 以上になったと判定された時点で、プリチャージ制御の終了タイミングであると判断して、ステップ113に進み、ブレーキB2の油圧指令値を所定の待機油圧に設定してプリチャージ制御を終了する。
尚、プリチャージ制御の実行時間Tb を算出する処理を省略して、ブレーキB2用の油圧スイッチ46がオンに切り換わった時点(ブレーキB2の油圧回路内の油圧が所定圧力まで上昇した時点)からプリチャージ制御残り時間ΔTが経過した時点で、プリチャージ制御の終了タイミングであると判断するようにしても良い。
一方、上記ステップ101で、作動油の温度が所定値よりも高いと判定された場合には、ステップ112に進み、通常のプリチャージ制御を実行する。この通常のプリチャージ制御では、ブレーキB2の油圧指令値を所定のプリチャージ油圧に設定してプリチャージ制御を開始し、プリチャージ制御開始から予め設定した所定時間が経過した後に、ステップ113に進み、ブレーキB2の油圧指令値を所定の待機油圧に設定してプリチャージ制御を終了する。
以上説明した本実施例1では、ブレーキB2のプリチャージ制御の際に、作動油の温度が所定値以下の場合には、ブレーキB2用の油圧スイッチ46の出力信号に基づいてブレーキB2のプリチャージ制御の開始からブレーキB2の油圧回路内の油圧が所定圧力に上昇するまでの経過時間を圧力上昇時間Ta として求め、この圧力上昇時間Ta (ブレーキB2の油圧回路内の作動油の状態を反映した情報)に応じてブレーキB2のプリチャージ制御の実行時間Tb を算出して、ブレーキB2のプリチャージ制御の終了タイミングを設定するようにしたので、プリチャージ制御の実行時間Tb をブレーキB2の油圧回路内の作動油の状態に応じた適正な時間に設定することができる。これにより、作動油の温度が所定値以下で作動油の流動性が低下した状態のときでも、プリチャージ量の過不足の発生を防止することができ、プリチャージ制御を精度良く実行することができる。
また、本実施例1では、ブレーキB2の油圧回路内の油圧が所定圧力まで上昇したことを検出する圧力検出手段として、油圧スイッチ46を用いるようにしたので、油圧に応じて出力信号が変化する油圧センサよりも安価な油圧スイッチ46を用いてシステムを構成することができ、低コスト化の要求を満たすことができる。
しかしながら、本発明は、油圧スイッチ46を用いた構成に限定されず、油圧スイッチ46に代えて油圧センサを用いた構成としても良い。
次に、図8乃至図10を用いて本発明の実施例2を説明する。
前述したように、変速歯車機構17をニュートラル状態から1速に切り換える場合には、クラッチC1から作動油を排出してクラッチC1を係合状態から解放状態に切り換える解放油圧制御を実行すると共に、ブレーキB2に作動油を充填してブレーキB2を解放状態から係合状態に切り換える係合油圧制御を実行する。
図8に示すように、クラッチC1の解放油圧制御では、目標変速段が1速に切り換えられた時点t0 で、クラッチC1の油圧指令値を所定の解放油圧(例えば略0)に設定する。一方、ブレーキB2の係合油圧制御では、目標変速段が1速に切り換えられた時点t0 で、ブレーキB2の油圧指令値を所定のプリチャージ油圧に設定してプリチャージ制御を実行する。
本実施例2では、このブレーキB2のプリチャージ制御の際に、作動油の温度が所定値以下の場合(作動油の流動性が低下した状態の場合)には、クラッチC1の解放油圧制御及びブレーキB2の係合油圧制御(プリチャージ制御)を開始した後、クラッチC1の油圧回路内の油圧が所定圧力(例えば解放油圧よりも高い圧力)まで降下してクラッチC1用の油圧スイッチ43(クラッチC1の油圧回路に設けられた油圧スイッチ)の出力信号がオンからオフに切り換わった時点t3 で、クラッチC1の解放油圧制御の開始からクラッチC1の油圧回路内の油圧が所定圧力に降下するまでの経過時間を圧力降下時間Tc として求める。
この圧力降下時間Tc に応じてプリチャージ制御残り時間ΔTを算出し、圧力降下時間Tc にプリチャージ制御残り時間ΔTを加算してブレーキB2のプリチャージ制御の実行時間Td (プリチャージ制御の開始から終了までの時間)を求めて、ブレーキB2のプリチャージ制御の終了タイミングt4 を設定する。
Td =Tc +ΔT
この場合、圧力降下時間Tc (クラッチC1の解放油圧制御の開始からクラッチC1の油圧回路内の油圧が所定圧力に降下するまでの経過時間)は、クラッチC1の油圧回路内の作動油の状態(温度や流動性等)を反映した情報となり、更にはブレーキB2の油圧回路内の作動油の状態を反映した情報となる。従って、圧力降下時間Tc に応じてブレーキB2のプリチャージ制御の終了タイミングを設定することで、プリチャージ制御の実行時間をブレーキB2の油圧回路内の作動油の状態に応じた適正な時間に設定することができる。
本実施例2のブレーキB2のプリチャージ制御は、AT−ECU36によって図9のプリチャージ制御ルーチンに従って実行される。
図9に示すプリチャージ制御ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、作動油の温度が所定値以下であるか否かを判定する。このステップ201で、作動油の温度が所定値以下であると判定された場合(つまり作動油の流動性が低下した状態の場合)には、ステップ202に進み、経過時間カウンタTのカウント値を「0」にリセットすると共に、圧力降下判定フラグFb を「0」にリセットした後、ステップ203に進み、ブレーキB2の油圧指令値を所定のプリチャージ油圧に設定してプリチャージ制御を開始する。この際、図示しない解放油圧制御ルーチンにより、クラッチC1の油圧指令値が所定の解放油圧に設定されてクラッチC1の解放油圧制御が開始される。
この後、ステップ204に進み、圧力降下判定フラグFb が「1」にセットされているか否かを判定し、まだ圧力降下判定フラグFb が「0」であると判定された場合には、ステップ205に進み、クラッチC1用の油圧スイッチ43(クラッチC1の油圧回路に設けられた油圧スイッチ)の出力信号がオフになったか否かを判定する。
このステップ205で、まだクラッチC1用の油圧スイッチ43がオンであると判定された場合には、ステップ210に進み、経過時間カウンタTのカウント値を「1」だけカウントアップした後、ステップ211で、所定時間(例えば10msec)だけ待機した後に、上記ステップ203に戻る。
その後、クラッチC1の油圧回路内の油圧が所定圧力まで降下して、ステップ205で、クラッチC1用の油圧スイッチ43がオフに切り換わったと判定された時点で、ステップ206に進み、圧力降下判定フラグFb を「1」にセットした後、ステップ207に進み、現在の経過時間カウンタTのカウント値(つまりクラッチC1の解放油圧制御の開始からクラッチC1の油圧回路内の油圧が所定圧力に降下するまでの経過時間)を圧力降下時間Tc として設定する。
この後、ステップ208に進み、図10に示すプリチャージ制御残り時間ΔTのマップを参照して、圧力降下時間Tc に応じたプリチャージ制御残り時間ΔTを算出し、圧力降下時間Tc にプリチャージ制御残り時間ΔTを加算してプリチャージ制御の実行時間Td (プリチャージ制御の開始から終了までの時間)を求める。
Td =Tc +ΔT
図10に示すプリチャージ制御残り時間ΔTのマップは、圧力降下時間Tc が長くなるほどプリチャージ制御残り時間ΔTが長くなってプリチャージ制御の実行時間Td が長くなるように設定されている。これにより、クラッチC1の油圧回路内の作動油の流動性が低下して圧力降下時間Tc が長くなるほど、ブレーキB2の油圧回路内の作動油の流動抵抗によってピストン室48に供給される作動油の流量が低下するのに対応して、プリチャージ制御の実行時間Td を長くして適正なプリチャージ量(プリチャージ制御の際にブレーキB2に供給する作動油の供給量)を確保することができ、プリチャージ制御の実行時間Td を精度良く適正な時間に設定することができる。
尚、上記ステップ208では、圧力降下時間Tc に応じたプリチャージ制御残り時間ΔTをマップにより算出し、圧力降下時間Tc にプリチャージ制御残り時間ΔTを加算してプリチャージ制御の実行時間Td を求めるようにしたが、圧力降下時間Tc に応じたプリチャージ制御の実行時間Td をマップにより直接算出するようにしても良い。
この後、ステップ209に進み、経過時間カウンタTのカウント値がプリチャージ制御の実行時間Td 以上になったか否かを判定し、経過時間カウンタTのカウント値がプリチャージ制御の実行時間Td に達していなければ、経過時間カウンタTのカウント値をカウントアップして所定時間だけ待機した後(ステップ210、211)、上記ステップ203に戻る。
クラッチC1用の油圧スイッチ43がオフに切り換わって圧力降下判定フラグFb を「1」にセットした後は、ステップ204で、圧力降下判定フラグFb が「1」にセットされていると判定されて、ステップ209に進み、経過時間カウンタTのカウント値がプリチャージ制御の実行時間Td 以上になったか否かを判定し、経過時間カウンタTのカウント値がプリチャージ制御の実行時間Td に達していなければ、経過時間カウンタTのカウント値をカウントアップして所定時間だけ待機した後(ステップ210、211)、上記ステップ203に戻る。
その後、ステップ209で、経過時間カウンタTのカウント値がプリチャージ制御の実行時間Td 以上になったと判定された時点で、プリチャージ制御の終了タイミングであると判断して、ステップ213に進み、ブレーキB2の油圧指令値を所定の待機油圧に設定してプリチャージ制御を終了する。
尚、プリチャージ制御の実行時間Td を算出する処理を省略して、クラッチC1用の油圧スイッチ43がオフに切り換わった時点(クラッチC1の油圧回路内の油圧が所定圧力まで降下した時点)からプリチャージ制御残り時間ΔTが経過した時点で、プリチャージ制御の終了タイミングであると判断するようにしても良い。
以上説明した本実施例2では、ブレーキB2のプリチャージ制御の際に、作動油の温度が所定値以下の場合には、クラッチC1用の油圧スイッチ43の出力信号に基づいてクラッチC1の解放油圧制御の開始からクラッチC1の油圧回路内の油圧が所定圧力に降下するまでの経過時間を圧力降下時間Tc として求め、この圧力降下時間Tc (ブレーキB2の油圧回路内の作動油の状態を反映した情報)に応じてブレーキB2のプリチャージ制御の実行時間Td を算出して、ブレーキB2のプリチャージ制御の終了タイミングを設定するようにしたので、プリチャージ制御の実行時間Td をブレーキB2の油圧回路内の作動油の状態に応じた適正な時間に設定することができる。これにより、作動油の温度が所定値以下で作動油の流動性が低下した状態のときでも、プリチャージ量の過不足の発生を防止することができ、プリチャージ制御を精度良く実行することができる。また、クラッチC1の解放油圧制御がブレーキB2のプリチャージ制御よりも先に開始される場合には、より早い時期にブレーキB2のプリチャージ制御の終了タイミングを設定することが可能となる。
また、本実施例2では、クラッチC1の油圧回路内の油圧が所定圧力まで降下したことを検出する圧力検出手段として、油圧スイッチ43を用いるようにしたので、油圧に応じて出力信号が変化する油圧センサよりも安価な油圧スイッチ43を用いてシステムを構成することができ、低コスト化することができる。
しかしながら、本発明は、油圧スイッチ43を用いた構成に限定されず、油圧スイッチ43に代えて油圧センサを用いた構成としても良い。
尚、上記実施例2では、圧力降下時間Tc (クラッチC1の解放油圧制御の開始からクラッチC1の油圧回路内の油圧が所定圧力に降下するまでの経過時間)に応じてブレーキB2のプリチャージ制御の実行時間Td を算出してブレーキB2のプリチャージ制御の終了タイミングを設定するようにしたが、クラッチC1用の油圧スイッチ43(又は油圧センサ)でクラッチC1の油圧回路内の油圧が所定値まで降下したことを検出したときに、ブレーキB2のプリチャージ制御を終了するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、ブレーキB2のプリチャージ制御に本発明を適用したが、ブレーキB2以外のクラッチやブレーキのプリチャージ制御に本発明を適用しても良いことは言うまでもない。
その他、本発明のプリチャージ制御を適用しないクラッチやブレーキの油圧回路には、必ずしも圧力検出手段(油圧スイッチ又は油圧センサ)を設ける必要がない等、本発明は種々変更して実施できる。
本発明の実施例1における自動変速機全体の概略構成図である。 自動変速制御回路の概略構成を説明する図である。 各変速段毎のクラッチC0〜C2とブレーキB0〜B2の係合/解放の組み合わせを示す図である。 クラッチとブレーキの概略構成を説明する図である。 実施例1のプリチャージ制御を説明するタイムチャートである。 実施例1のプリチャージ制御ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 実施例1のプリチャージ制御残り時間ΔTのマップの一例を概念的に示す図である。 実施例2のプリチャージ制御を説明するタイムチャートである。 実施例2のプリチャージ制御ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 実施例2のプリチャージ制御残り時間ΔTのマップの一例を概念的に示す図である。
符号の説明
11…自動変速機、14…トルクコンバータ、17…変速歯車機構(変速機構)、25…油圧制御回路、27…自動変速制御回路、36…AT−ECU(変速制御手段)、37〜41…油圧制御弁、42〜46…油圧スイッチ(圧力検出手段)、48…ピストン室、49…ピストン、53…油温センサ、C0〜C2…クラッチ(摩擦係合要素)、B0〜B2…ブレーキ(摩擦係合要素)

Claims (8)

  1. 変速機構に設けられた複数の摩擦係合要素のピストンに作用させる油圧を個別に制御することで各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて前記変速機構の変速段を切り換える変速制御手段を備え、前記変速制御手段は、変速制御の際に係合状態に切り換える係合側の摩擦係合要素のピストンを該係合側の摩擦係合要素が係合し始める位置まで移動させるように油圧指令を出力して該係合側の摩擦係合要素に作動油を充填するプリチャージ制御を実行するようにした自動変速機の制御装置において、
    少なくとも所定の変速制御の際に係合状態に切り換える係合側の摩擦係合要素の油圧回路に、該油圧回路内の油圧に応じて作動するように設けられた圧力検出手段を備え、
    前記変速制御手段は、前記所定の変速制御の際に係合状態に切り換える係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の際に、該係合側の摩擦係合要素の油圧回路に設けられた圧力検出手段の出力信号に基づいて該係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力まで上昇したことを検出して、該係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の開始から該係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力に上昇するまでの経過時間(以下「圧力上昇時間」という)を求め、該圧力上昇時間に応じて該係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の終了タイミングを設定することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記圧力検出手段は、前記係合側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力以上になったときに出力信号が切り換わる油圧スイッチであることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記変速制御手段は、前記圧力上昇時間が長くなるほど前記係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の開始から終了までの時間が長くなるように該プリチャージ制御の終了タイミングを設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 変速機構に設けられた複数の摩擦係合要素のピストンに作用させる油圧を個別に制御することで各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて前記変速機構の変速段を切り換える変速制御手段を備え、前記変速制御手段は、変速制御の際に係合状態に切り換える係合側の摩擦係合要素のピストンを該係合側の摩擦係合要素が係合し始める位置まで移動させるように油圧指令を出力して該係合側の摩擦係合要素に作動油を充填するプリチャージ制御を実行するようにした自動変速機の制御装置において、
    少なくとも所定の変速制御の際に解放状態に切り換える解放側の摩擦係合要素の油圧回路に、該油圧回路内の油圧に応じて作動するように設けられた圧力検出手段を備え、
    前記変速制御手段は、前記所定の変速制御の際に係合状態に切り換える係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の際に、前記解放側の摩擦係合要素の油圧回路に設けられた圧力検出手段の出力信号に基づいて前記係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の終了タイミングを設定することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  5. 前記変速制御手段は、前記係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の際に、前記解放側の摩擦係合要素の油圧回路に設けられた圧力検出手段の出力信号に基づいて該解放側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力まで降下したことを検出して、該解放側の摩擦係合要素の解放油圧制御の開始から該解放側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力に降下するまでの経過時間(以下「圧力降下時間」という)を求め、該圧力降下時間に応じて前記係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の終了タイミングを設定することを特徴とする請求項4に記載の自動変速機の制御装置。
  6. 前記圧力検出手段は、前記解放側の摩擦係合要素の油圧回路内の油圧が所定圧力未満になったときに出力信号が切り換わる油圧スイッチであることを特徴とする請求項4又は5に記載の自動変速機の制御装置。
  7. 前記変速制御手段は、前記圧力降下時間が長くなるほど前記係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の開始から終了までの時間が長くなるように該プリチャージ制御の終了タイミングを設定することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  8. 前記変速制御手段は、作動油の温度が所定値以下のときに前記圧力検出手段の出力信号に基づいて前記係合側の摩擦係合要素のプリチャージ制御の終了タイミングを設定する制御を実行することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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