JP2002089689A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP2002089689A
JP2002089689A JP2000282316A JP2000282316A JP2002089689A JP 2002089689 A JP2002089689 A JP 2002089689A JP 2000282316 A JP2000282316 A JP 2000282316A JP 2000282316 A JP2000282316 A JP 2000282316A JP 2002089689 A JP2002089689 A JP 2002089689A
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friction element
pressure
oil pressure
operating oil
automatic transmission
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JP2000282316A
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English (en)
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Taku Murasugi
卓 村杉
Takashi Sano
孝 佐野
Kazunari Otake
一成 大嶽
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JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の摩擦要素のうち第一の摩擦要素を作動
油圧の上昇により締結させると共に、第一の摩擦要素の
作動油圧に係わる圧力信号を受けて設定時間後に第二の
摩擦要素を作動油圧の低下により解放させる、摩擦要素
の掛け替えにより行う変速動作を行う自動変速機におい
て、大きな突き上げショックの発生を防ぎ、滑らかな変
速動作を実現することができる変速制御装置を提案す
る。 【解決手段】 摩擦要素の掛け替え変速動作に際し、第
一の摩擦要素のロスストローク終了が検知された後、第
二の摩擦要素に係わる作動油圧を設定勾配で低下させる
と共に前記第一の摩擦要素に係わる作動油圧を所定勾配
で上昇させるようにした自動変速機において、変速動作
開始直後より所定時間、前記第一の摩擦要素に係わる作
動油圧の指令圧を最大値とし、次いで前記所定時間経過
後に前記指令圧を一定値まで低下させ、その後前記指令
圧を前記ロスストローク終了時まで前記一定値に保持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速
制御装置、特に、複数の摩擦要素のうち第一の摩擦要素
を締結すると共に、第一の摩擦要素の作動油圧に係わる
圧力信号を受けて設定時間後に第二の摩擦要素を解放す
る摩擦要素の掛け替えにより行う変速を好適に遂行させ
るための変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は、複数のクラッチやブレー
キ等の摩擦要素を選択的に油圧作動(締結)させること
により歯車伝動系の動力伝達経路(変速段)を決定し、
作動する摩擦要素を切り換えることにより他の変速段へ
の変速を行うよう構成する。
【0003】自動変速機はかかる構成であるが故に、複
数の摩擦要素のうち第一の摩擦要素を作動油圧の上昇に
より締結させると共に、第一の摩擦要素の作動油圧に係
わる圧力信号を受けて設定時間後に第二の摩擦要素を作
動油圧の低下により解放させる、いわゆる摩擦要素の掛
け替えにより行う変速が存在することとなる。なお本明
細書では、当該掛け替え変速に際し締結状態から解放状
態に切り替えるべき摩擦要素を解放側摩擦要素、その作
動油圧を解放側作動油圧と称し、また、解放状態から締
結状態に切り換えるべき摩擦要素を締結側摩擦要素、そ
の作動油圧を締結側作動油圧と称する。
【0004】当該掛け替え変速に際し、解放側摩擦要素
を解放させるための解放側作動油圧の低下制御、および
締結側摩擦要素を締結させるための締結側作動油圧の上
昇制御は、従来、例えば図7に示すように行っている。
つまり図7(a)に示すように、指令圧、すなわち締結側
摩擦要素を締結させるための目標とする制御圧力(指令
圧)Pを、図の細線で示す如く変速指令瞬時tから
ライン圧Pまで急上昇させ、次いで瞬時t(締結側
摩擦要素のロスストローク終了検知瞬時)でP からP
(初期棚圧)まで急激に低下させ、その瞬時tから
瞬時tまでの間、所定のゆっくりした棚圧勾配で更に
上昇させてイナーシャフェーズが終了する圧力Pに至
らしめ、その後瞬時tまでの間に最高値まで上昇させ
るように設定する。なお、上記の「ロスストローク」と
は、作動油圧が締結容量を持つ以前のピストンストロー
クのことである。
【0005】締結側作動油圧の指令圧Pを上記のよう
に設定する理由は、実際に締結側摩擦要素に作用する締
結側作動油圧Pをライン圧Pまで急上昇させること
により、供給される作動油の量を最大にして締結側摩擦
要素をリターンスプリングに抗して急速でストロークさ
せ、締結側摩擦要素のピストンストローク、すなわち前
述のロスストロークを短時間で終了させるためである。
【0006】一方解放側作動油圧Pは、図7(a)に一
点鎖線で示すように変速指令瞬時t から締結側摩擦要
素のロスストローク終了検知瞬時tまでの間、解放側
摩擦要素がスリップし始める直前の締結容量となるよう
まで急速に低下させ、その後瞬時tまでの間は上
記の掛け替えが行われるようゆっくりと低下させ、以後
は急速に0まで低下させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記した従来
の制御を行う場合、実際の締結側作動油圧Pにおい
て、図7(a)に実線で示すようにロスストローク終了時
に大きなサージ圧が発生すると共に振動が生じる。これ
は、締結側摩擦要素に供給される作動油の量が最大の状
態でロスストロークが終了すると、作動油の流量が急激
に0となり、作動油の運動量の変化が極めて短い時間の
間に大きくなることによるものである。この締結側作動
油圧Pにおけるサージ圧および振動の発生により、以
下のような問題が生じる。
【0008】ここで、図7(a)に示す指令圧で制御動作
を行った時、変速機出力トルクTの時系列変化は図7
(b)に示すようなものとなる。図より明らかなように、
変速機出力トルクTに、トルクフェーズにおける大き
なトルクの低下(引き込み)と、大きな上昇(突き上
げ)が生じる。このことは、滑らかな変速動作を困難に
し、また変速動作中に大きなショックを発生させると言
った、車輌の運転性や乗り心地に好ましくない影響を与
えるものである。
【0009】この現象は、長時間車輌を駐車した等の後
にエンジンを始動させた際の1回目の自動変速機のクラ
ッチ作動時や、低温(-10℃以下)でのクラッチ作動時
に特に顕著なものとなる。これは、前者の場合、クラッ
チに供給される作動油をシールするためのシールリング
の隙間から空気が侵入し易い状態にあり、それによって
油圧回路内に空気が入ると、指令圧を逐次上昇させて油
圧回路の作動油の流量を増加させても、実際の油圧が所
望の圧力、すなわち指令圧になかなか到達せず、両者の
差が大きくなることによる。また、後者の場合、作動油
の粘性抵抗が増加するため、ピストンを動作させるのに
必要な作動油の流量が得難くなることによる。
【0010】請求項1に記載の第1発明は、掛け替え変
速動作に際し、締結側摩擦要素を作動させる指令圧を、
変速指令瞬時より所定時間最大値まで上昇させ、その後
指令圧を一定の値まで低下させてロスストローク終了時
までその値を保つことにより、従来装置において生じて
いた前記の問題点を解決することを目的とする。
【0011】請求項2に記載の第2発明は、締結側摩擦
要素に係わる作動油圧の指令圧の最大値を、作動油の温
度やスロットル開度に応じて変化させることにより、上
記の作用効果を確実なものとすることを目的とする。
【0012】請求項3に記載の第3発明は、前記指令圧
を最大値に保つ時間を、作動油の温度に応じて変化させ
ることにより、上記の作用効果を更に確実なものとする
ことを目的とする。
【0013】請求項4に記載の第4発明は、前記指令圧
をロスストローク終了まで一定に保つ際の、その一定値
の範囲を規定することにより、上記の作用効果を確実な
ものとすることを目的とする。
【0014】請求項5に記載の第5発明は、前記一定値
の範囲を具体的に規定することにより、上記の作用効果
を更に確実なものとすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による自動変速機の変速制御装置は、複数の
摩擦要素のうち第一の摩擦要素を作動油圧の上昇により
締結させると共に、該第一の摩擦要素の作動油圧に係わ
る圧力信号を受けて設定時間後に第二の摩擦要素を作動
油圧の低下により解放させ、これら第一および第二の摩
擦要素の掛け替えにより行う変速を有し、該掛け替えに
際しては前記第一の摩擦要素のピストンストローク終了
が検知された後、前記第二の摩擦要素に係わる作動油圧
を設定勾配で低下させると共に前記第一の摩擦要素に係
わる作動油圧を所定勾配で上昇させるようにした自動変
速機において、変速動作開始直後より所定時間、前記第
一の摩擦要素に係わる作動油圧の指令圧を最大値とし、
次いで前記所定時間経過後に前記指令圧を一定値まで低
下させ、その後前記指令圧を前記ピストンストローク終
了時まで前記一定値に保持することを特徴とするもので
ある。
【0016】第2発明による自動変速機の変速制御装置
は、第1発明において、前記指令圧の最大値を作動油の
温度および/またはスロットル開度に応じて変化させる
ことを特徴とするものである。
【0017】第3発明による自動変速機の変速制御装置
は、第1または第2発明において、前記所定時間を作動
油の温度に応じて変化させることを特徴とするものであ
る。
【0018】第4発明による自動変速機の変速制御装置
は、第1〜第3のいずれか1の発明において、前記指令
圧の前記一定値を、前記ピストンストローク終了時の前
記出力圧よりも大きく、かつ、前記ピストンストローク
終了時の前記出力圧と所定値の和よりも小さくすること
を特徴とするものである。
【0019】第5発明による自動変速機の変速制御装置
は、第4発明において、前記所定値を50kPa以下とする
ことを特徴とするものである。
【0020】
【発明の効果】複数の摩擦要素のうち第一の摩擦要素を
作動油圧の上昇により締結させると共に、該第一の摩擦
要素の作動油圧に係わる圧力信号を受けて設定時間後に
第二の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させ、これ
ら第一および第二の摩擦要素の掛け替えにより行う変速
を有し、該掛け替えに際しては前記第一の摩擦要素のピ
ストンストローク、すなわちロスストローク終了が検知
された後、前記第二の摩擦要素に係わる作動油圧を設定
勾配で低下させると共に前記第一の摩擦要素に係わる作
動油圧を所定勾配で上昇させることにより、当該掛け替
え変速を進行させる。
【0021】第1発明においては、変速動作開始直後よ
り所定時間、前記第一の摩擦要素に係わる作動油圧の指
令圧を最大値とし、次いで前記所定時間経過後に前記指
令圧を一定値まで低下させ、その後前記指令圧を前記ロ
スストローク終了時まで前記一定値に保持することとし
ている。
【0022】それゆえ、ロスストロークを確実に進行か
つ終了させることができると共に、ロスストローク終了
前に指令圧の上限を規定することができることから、ロ
スストローク終了時のサージ圧を小さくすることができ
る。その結果、変速動作中に生じるショックを低減化す
ることができ、滑らかな変速動作を実現することができ
るようになる。
【0023】また第2発明においては、前記指令圧の最
大値を作動油の温度および/またはスロットル開度に応
じて変化させることとしている。それゆえ、低温時にお
ける運転等の車輌の運転状態に応じて、ロスストローク
終了時のサージ圧を小さくすることができる指令圧を適
切に設定することが可能となる。その結果、上記第1発
明の作用効果を確実なものとすることができる。
【0024】さらに第3発明においては、前記所定時間
を作動油の温度に応じて変化させることとしている。そ
れゆえ、低温時における運転等の車輌の運転状態に応じ
て、ロスストローク終了時のサージ圧を小さくするため
に指令圧を維持する期間を適切に設定することが可能と
なる。その結果、上記第1発明の作用効果をより確実な
ものとすることができる。
【0025】第4発明においては、前記指令圧の前記一
定値に範囲を設定することとしている。それゆえ、低温
時における運転等の車輌の運転状態に応じて、ロススト
ローク終了時のサージ圧を小さくすることができる指令
圧を適切に設定することが可能となり、上記各発明の作
用効果を確実なものとすることができるようになる。
【0026】第5発明においては、前記指令圧の上限値
に具体的な値を設定することとしている。それゆえ、上
記第4発明の作用効果を更に確実なものとすることが可
能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。
【0028】図1は本発明の一実施形態に係る自動変速
機の変速制御装置を示し、1はエンジン、2は自動変速
機である。エンジン1は、運転者が操作するアクセルペ
ダルに連動してその踏み込みにつれ全閉から全開に向け
開度増大するスロットルバルブにより出力を加減され、
エンジン1の出力回転はトルクコンバータ3を経て自動
変速機2の入力軸4に入力されるものとする。
【0029】自動変速機2は、同軸突き合わせ関係に配
置した入出力軸4,5上にエンジン1の側から順次フロ
ントプラネタリギヤ組6およびリヤプラネタリギヤ組7
を載置して具え、これらを自動変速機2における遊星歯
車変速機構の主たる構成要素とする。エンジン1に近い
フロントプラネタリギヤ組6は、フロントサンギヤ
、フロントリングギヤR、これらに噛合するフロ
ントピニオンP、および該フロントピニオンを回転自
在に支持するフロントキャリアCよりなる単純遊星歯
車組とし、エンジン1から遠いリヤプラネタリギヤ組7
も、リヤサンギヤS 、リヤリングギヤR、これらに
噛合するリヤピニオンP、および該リヤピニオンを回
転自在に支持するリヤキャリアCよりなる単純遊星歯
車組とする。
【0030】遊星歯車変速機構の伝動経路(変速段)を
決定する摩擦要素としてはロークラッチL/C、2速・4
速ブレーキ2-4/B、ハイクラッチH/C、ローリバースブレ
ーキLR/B、ローワンウエイクラッチL/OWC、およびリバ
ースクラッチR/Cを、以下のごとく両プラネタリギヤ組
6,7の構成要素に相関させて設ける。つまり、フロン
トサンギヤSはリバースクラッチR/Cにより入力軸4
に適宜結合可能にすると共に、2速・4速ブレーキ2-4/
Bにより適宜固定可能とする。
【0031】フロントキャリアCはハイクラッチH/C
により入力軸4に適宜結合可能にする。フロントキャリ
アCは更に、ローワンウエイクラッチL/OWCによりエ
ンジン回転と逆方向の回転を阻止すると共に、ローリバ
ースブレーキLR/Bにより適宜固定可能とする。そしてフ
ロントキャリアCと、リヤリングギヤRとの間を、
ロークラッチL/Cにより適宜結合可能とする。フロント
リングギヤRおよびリヤキャリアC間を相互に結合
し、これらフロントリングギヤRおよびリヤキャリア
を出力軸6に結合し、リヤサンギヤSを入力軸4
に結合する。
【0032】上記遊星歯車変速機構の動力伝達列は、摩
擦要素L/C,2-4/B,H/C,LR/B,R/Cの図2に実線の〇印
で示す選択的油圧作動(締結)と、ローワンウェイクラ
ッチL/OWCの同図に実線の〇印で示す自己係合とによ
り、前進第1速(1st)、前進第2速(2nd)、前進第3速(3
rd)、前進第4速(4th)の前進変速段と、後退変速段(Re
v)とを得ることができる。なお図2に点線の〇印で示す
油圧作動(締結)は、エンジンブレーキが必要な時に作
動させるべき摩擦要素である。
【0033】図2に示す変速制御用摩擦要素L/C,2-4/
B,H/C,LR/B,R/Cの締結論理は図1に示すコントロー
ルバルブボディー8により実現し、このコントロールバ
ルブボディー8には図示せざるマニュアルバルブの他
に、ライン圧ソレノイド9、ロークラッチソレノイド1
0、2速・4速ブレーキソレノイド11、ハイクラッチソ
レノイド12、ローリバースブレーキソレノイド13などを
挿置する。
【0034】ライン圧ソレノイド9はそのON,OFFによ
り、変速制御の元圧であるライン圧を高低切り替えし、
図示しないマニュアルバルブは、希望する走行形態に応
じて運転者により前進走行(D)レンジ位置、後退走行(R)
レンジ位置、または駐停車(P,N)レンジ位置に操作され
るものとする。Dレンジでマニュアルバルブは、上記の
ライン圧を元圧としてロークラッチソレノイド10、2速
・4速ブレーキソレノイド11、ハイクラッチソレノイド
12、ローリバースブレーキソレノイド13のデューティ制
御により対応するロークラッチL/C、2速・4速ブレー
キ2-4/B、ハイクラッチH/C、ローリバースブレーキLR/B
の作動油圧を個々に制御し得るようライン圧を所定の回
路に供給し、当該各ソレノイドのデューティ制御により
図2に示した第1速〜第4速の締結論理を実現するもの
とする。但しRレンジでは、マニュアルバルブはライン
圧を上記各ソレノイドのデューティ制御に依存すること
なく直接、リバースクラッチR/Cおよびローリバースブ
レーキLR/Bに供給し、これらを締結作動させることによ
り図2に示した後退の締結論理を実現するものとする。
なおP,Nレンジでマニュアルバルブはライン圧をどの
回路にも供給せず、全ての摩擦要素を解放状態にするこ
とにより自動変速機を中立状態にする。
【0035】ライン圧ソレノイド9のON,OFF制御、お
よびロークラッチソレノイド10、2速・4速ブレーキソ
レノイド11、ハイクラッチソレノイド12、ローリバース
ブレーキソレノイド13のデューティ制御はそれぞれ変速
機コントローラ14により実行し、そのために変速機コン
トローラ14には、エンジン1のスロットル開度TVOを検
出するスロットル開度センサ15からの信号と、トルクコ
ンバータ3の出力回転数(変速機入力回転数)であるタ
ービン回転数Nを検出するタービン回転センサ16から
の信号と、自動変速機2の出力軸5の回転数Nを検出
する出力回転センサ17からの信号と、選択レンジを検出
するインヒビタスイッチ18からの信号と、掛け替え変速
時に締結すべき締結側摩擦要素、つまり、図2から明ら
かなように2→3変速時はハイクラッチH/C、3→2変
速時は2速・4速ブレーキ2-4/B、3→4変速時は2速
・4速ブレーキ2-4/B、4→3変速時はロークラッチL/C
内に配置された油圧スイッチ群19からの信号をそれぞれ
入力する。ここで油圧スイッチ群19は、対応する摩擦要
素の作動油圧が摩擦要素のロスストロークを終了させて
締結容量を発生させ始める圧力になった時にONするもの
とする。
【0036】本発明が関与するDレンジでの自動変速作
用を説明するに、変速機コントローラ14は図示しない制
御プログラムを実行して、予定の変速マップをもとにス
ロットル開度TVOおよび変速機出力回転数N(車速)
から、現在の運転状態において要求される好適変速段を
検索する。次いで変速機コントローラ14は、現在の選択
変速段が好適変速段と一致しているか否かを判定し、不
一致なら変速指令を発して好適変速段への変速が実行さ
れるよう、つまり図2の締結論理表にもとづき当該変速
のための摩擦要素の締結、解放切換えが行われるようソ
レノイド10〜13のデューティ制御により、当該摩擦要素
の作動油圧を変更する。
【0037】ここで第2速と第3速との間の変速や第3
速と第4速との間の変速におけるように、或る摩擦要素
を作動油圧の低下により解放させつつ、他の摩擦要素を
作動油圧の上昇により締結させて行う掛け替え変速を説
明すると、この変速が例えば正駆動状態(エンジンブレ
ーキと逆の駆動状態)での車速上昇に伴うドライブアッ
プ変速時は、解放すべき摩擦要素の作動油圧の指令値で
ある解放側作動油圧指令値Pおよび締結すべき摩擦要
素の作動油圧の指令値である締結側作動油圧指令値P
をそれぞれ所定のパターンで与える。
【0038】かかる掛け替え変速を実行するために変速
機コントローラ14は、図3に示すプログラムにより解放
側作動油圧指令値Pおよび締結側作動油圧指令値P
をそれぞれ時系列制御する。図3のプログラムにおいて
は、先ずステップ21において、図5(a)の変速指令瞬時
から油圧スイッチ19がONする瞬時tまでのフェー
ズ1のための初期設定を行い、次のステップ22では、フ
ェーズ1における解放側作動油圧指令値Pおよび締結
側作動油圧指令値Pの決定を行う。
【0039】ステップ23では締結側摩擦要素の油圧スイ
ッチ19がONしたか否かを判定する。つまり、締結側摩擦
要素がロスストロークを終了して締結容量を持ち始めた
図5(a)の瞬時tに至ったか否かを判定する。図5(a)
の瞬時tに至るまではステップ22を実行して、フェー
ズ1における解放側作動油圧指令値Pおよび締結側作
動油圧指令値Pの制御を継続する。
【0040】ステップ23で締結側摩擦要素の油圧スイッ
チ19がONしたと判定すると、図5(a)の瞬時tに制御
をステップ24に進め、図5(a)の油圧スイッチ19のON瞬
時tから設定時間Δtが経過するまでのフェーズ2
のための初期設定を行い、次のステップ25では、フェー
ズ2における解放側作動油圧指令値Pおよび締結側作
動油圧指令値Pの決定を行う。
【0041】ステップ26では、図5(a)の油圧スイッチ1
9のON瞬時tからの経過時間を計測するタイマTM
が変速終了判断用設定時間Δtの経過を示しているか
否かを、つまりフェーズ2が完了したか否かを判定す
る。TM<Δtでフェーズ2が未だ完了していなけ
ればステップ25を実行して、フェーズ2における解放側
作動油圧指令値Pおよび締結側作動油圧指令値P
制御を継続し、TM≧Δtでフェーズ2が完了して
いれば制御を終了する。
【0042】フェーズ1における締結側作動油圧指令値
の制御は図4に示すようなものであり、先ずステッ
プ31において、図5(a)の変速指令瞬時tからの経過
時間(フェーズ1の開始からの経過時間)を計測するた
めにタイマTMを始動させる。次いで締結側作動油圧
指令値Pを最大値PMAXとする。
【0043】ここで、締結側作動油圧指令値Pの最大
値PMAXは、図6(a)および(b)に示すように作動油の
温度およびスロットル開度TVOの変化に応じて変化させ
るものとする。これによって、運転状況等に応じて適切
に指令圧の最大値PMAXが設定されることとなる。な
お、この最大値PMAXの上限値はライン圧Pである
ことは言うまでもない。
【0044】次いでステップ33において、タイマTM
の値、すなわち変速指令瞬時tからの経過時間が所定
値Tを経過したか否かを判定する。ここで、タイマT
の値がTを越えていると判定すると、ステップ34
へ進み、締結側作動油圧指令値Pを一定値Pまで低
下させる。もし、タイマTMの値がTを越えていな
いと判定した場合には、ステップ32へ戻り、時刻T
経過するまで締結側作動油圧指令値Pを最大値P
MAXに保つ。
【0045】なお、このTの値は、図6(c)に示すよ
うに作動油の温度変化に応じて変化させるものとする。
これによって、運転状況等に応じて適切に指令圧を最大
値P MAXに保持する時間が設定されることとなる。
【0046】その後ステップ35で油圧スイッチ19からの
信号を読み込み、これを基にステップ36で、当該油圧ス
イッチ19がONか否かを、つまり締結側摩擦要素がロスス
トロークを終了して締結容量を持ち始めた図5(a)の瞬
時tに至ったか否かを判定する。ステップ36において
油圧スイッチ19がONになったと判定すると、フェーズ1
における締結側作動油圧指令値Pの制御を終了し、フ
ェーズ2における締結側作動油圧指令値Pの制御に移
行する。一方、油圧スイッチ19がONになっていないと判
定した場合には、ステップ34へ戻り、油圧スイッチ19が
ONになるまで締結側作動油圧指令値Pを一定値P
保つ。
【0047】なお、フェーズ1における解放側摩擦要素
に対する制御の処理手順および、フェーズ2における解
放側および締結側各摩擦要素それぞれに対する制御の処
理手順は、いずれも従来の処理手順と同様のものである
ため、ここでは説明を省略する。
【0048】図5は、上述した処理手順に基づく、掛け
替え変速動作における締結側摩擦要素の作動油圧の制御
を示すものである。図5(a)に示すように、変速動作瞬
時t において、締結側作動油圧指令値Pを最大値P
MAX(図ではライン圧Pとしている)まで急上昇さ
せ、前述した所定時間Tの間、この値を保つ。その後
前記所定時間Tが経過すると、締結側作動油圧指令値
を所定値Pまで急速に低下させる。その後、油圧
スイッチ19がONになるまで、締結側作動油圧指令値P
の値を、この所定値Pに保持し続ける。締結側作動油
圧指令値Pの値をこのように制御するのは、締結側摩
擦要素のロスストロークを早期に終了させるためであ
る。
【0049】ここで、前述した締結側作動油圧指令値P
の所定値Pは、油圧スイッチ19がONする際、すなわ
ち実際の締結側摩擦要素のロスストローク終了時の油圧
と、このPよりもわずかに大きい所定値αの範囲
内に設定する。具体的には、
【数1】P<P<P+α の一定の範囲内とする。なお、ここで所定値αの値は、
【数2】α≦50kPa と設定する。なお、この50kPaの値は、油圧スイッチの
特性の、変速制御装置毎のばらつき(公差のばらつき)
を考慮したものである。
【0050】上述した制御により、解放側作動油圧指令
値Pの経時低下および締結側作動油圧指令値Pの経
時上昇により、解放側摩擦要素が解放されると共に締結
側摩擦要素が締結されて両者の掛け替えが行われ、所定
の掛け替え変速が遂行される。ところで上述した実施形
態においては、締結側作動油圧指令値Pの、掛け替え
変速動作のフェーズ1における制御に際し、変速開始瞬
時より指令値Pをその最大値PMAXまで急上昇さ
せ、所定時間Tの間この値を維持し、その後P を所
定値Pまで急激に低下させて、油圧スイッチがONする
まで、この値に維持する。
【0051】その結果、図5(a)に示すようにロススト
ローク終了時において大きなサージ圧が発生するのを防
ぐことができ、それゆえ、図5(c)に示す、変速機出力
トルクTの時系列変化より明らかなように、トルクの
引き込みを小さく(浅く)することができ、空吹きの発
生や、その直後の大きな突き上げショックの発生を避け
ることが可能となり、滑らかな変速動作を実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る変速制御装置を具
えた自動変速機の伝動列、およびその変速制御システム
を示す概略系統図である。
【図2】 同自動変速機の選択変速段と、摩擦要素の締
結論理との関係を示す図である。
【図3】 同実施の形態における変速制御装置がドライ
ブアップ掛け替え変速を行う場合の締結側作動油圧指令
値および解放側作動油圧指令値の制御プログラムを示す
メインルーチンである。
【図4】 同ドライブアップ掛け替え変速のフェーズ1
において行う締結側作動油圧指令値の制御プログラムを
示すサブルーチンである。
【図5】 本発明の一実施形態における変速制御装置が
ドライブアップ掛け替え変速を行う場合のタイムチャー
トであり、(a)は、締結側作動油圧指令値および解放側
作動油圧指令値の時系列変化を示すタイムチャート、
(b)は、締結側作動油圧指令値および解放側作動油圧指
令値を制御した時におけるタービン回転数の時系列変化
を示すタイムチャート、(c)は、締結側作動油圧指令値
および解放側作動油圧指令値を制御した時における変速
機出力トルクの時系列変化を示すタイムチャートであ
る。
【図6】 締結側作動油圧指令値の最大値および、フェ
ーズ1においてこの最大値を維持する時間と作動油温度
またはスロットル開度との関係を示すグラフであり、
(a)は最大値と作動油温度との関係を示すグラフ、(b)は
最大値とスロットル開度との関係を示すグラフ、(c)は
最大値を維持する時間と作動油温度との関係を示すグラ
フである。
【図7】 従来の変速制御装置が掛け替え変速を行う場
合のタイムチャートであり、(a)は、締結側作動油圧お
よび解放側作動油圧の時系列変化を示すタイムチャー
ト、(b)は、締結側作動油圧および解放側作動油圧を制
御した時における変速機出力トルクの時系列変化を示す
タイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 トルクコンバータ 4 入力軸 5 出力軸 6 フロントプラネタリギヤ組 7 リヤプラネタリギヤ組 8 コントロールバルブ 9 ライン圧ソレノイド 10 ロークラッチソレノイド 11 2速・4速ブレーキソレノイド 12 ハイクラッチソレノイド 13 ローリバースブレーキソレノイド 14 変速機コントローラ 15 スロットル開度センサ 16 タービン回転センサ 17 出力回転センサ 18 インヒビタスイッチ 19 油圧スイッチ L/C ロークラッチ 2-4/B 2速・4速ブレーキ H/C ハイクラッチ LR/B ローリバースブレーキ R/C リバースクラッチ L/OWC ローワンウエイクラッチ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 63:12 F16H 63:12 (72)発明者 大嶽 一成 静岡県富士市吉原宝町1番1号 ジヤト コ・トランステクノロジー株式会社内 Fターム(参考) 3J552 MA02 MA12 MA26 NA01 NB01 PA02 RA16 RA17 RA18 SA08 SA09 TB01 TB04 TB05 TB08 VA07Z VA48W VA76W VC03W VD01W

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の摩擦要素のうち第一の摩擦要素を
    作動油圧の上昇により締結させると共に、該第一の摩擦
    要素の作動油圧に係わる圧力信号を受けて設定時間後に
    第二の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させ、これ
    ら第一および第二の摩擦要素の掛け替えにより行う変速
    を有し、該掛け替えに際しては前記第一の摩擦要素のピ
    ストンストローク終了が検知された後、前記第二の摩擦
    要素に係わる作動油圧を設定勾配で低下させると共に前
    記第一の摩擦要素に係わる作動油圧を所定勾配で上昇さ
    せるようにした自動変速機において、 変速動作開始直後より所定時間、前記第一の摩擦要素に
    係わる作動油圧の指令圧を最大値とし、次いで前記所定
    時間経過後に前記指令圧を一定値まで低下させ、その後
    前記指令圧を前記ピストンストローク終了時まで前記一
    定値に保持することを特徴とする自動変速機の変速制御
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記指令圧の最大値
    を作動油の温度および/またはスロットル開度に応じて
    変化させることを特徴とする自動変速機の変速制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記所定時
    間を作動油の温度に応じて変化させることを特徴とする
    自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記指令圧の前記一定値を、前記ピストンストローク終
    了時の前記出力圧よりも大きく、かつ、前記ピストンス
    トローク終了時の前記出力圧と所定値の和よりも小さく
    することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記所定値を50kPa
    以下とすることを特徴とする自動変速機の変速制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009008196A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Denso Corp 自動変速機の制御装置

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