JPH09269054A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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Publication number
JPH09269054A
JPH09269054A JP8103872A JP10387296A JPH09269054A JP H09269054 A JPH09269054 A JP H09269054A JP 8103872 A JP8103872 A JP 8103872A JP 10387296 A JP10387296 A JP 10387296A JP H09269054 A JPH09269054 A JP H09269054A
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JP
Japan
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shift
pressure
speed
control
gear
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Application number
JP8103872A
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English (en)
Inventor
Shinya Kamata
真也 鎌田
Mitsukazu Tasaka
満一 田坂
Hajime Yamane
肇 山根
Kenji Sawa
研司 澤
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦要素の解放動作と締結動作とを伴う変速
時において、該変速動作の終了を適正に判定することを
課題とする。 【解決手段】 最後に解放動作又は締結動作を行なう摩
擦要素に対する作動圧の状態に基づいて、変速の終了を
判定するコントローラ300を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車に搭載される
自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車に搭載される自動変速機
は、トルクコンバータと変速歯車機構とを組み合わせ、
この変速歯車機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ
等の複数の摩擦要素の選択的作動により切り換えて、所
定の変速段に自動的に変速するように構成したものであ
るが、かかる変速動作のなかには、一つの摩擦要素を解
放すると共に他の摩擦要素を締結するように動作させる
ものがある。
【0003】特にこのような変速がスロットル開度の増
大に伴うトルクディマンドのダウンシフトの変速である
場合等には、まず解放側の摩擦要素の解放動作を先行さ
せて該摩擦要素をスリップさせ、このときタービン回転
数が変速動作中の目標回転数に一致するように解放側摩
擦要素の締結力をフィードバック制御し、タービン回転
数が変速後の回転数の近くまで上昇した時点で締結側摩
擦要素を締結させると共に、解放側摩擦要素を完全に解
放させて目的の変速段を達成するようにしている。
【0004】一方、このような摩擦要素の掛替えを伴う
変速指令が出力された直後に、例えばスロットル開度の
急変等により別の変速段への変速指令が出力されること
がある。この場合、最初の変速指令に基づく変速動作が
既に開始されている状態で、急遽、別の変速動作に移行
すると、著しい変速ショックが発生するので、このよう
な事態を回避するために、最初の変速が終了するまで次
の変速を実行しないようにすることが望ましく、この意
味から、1つ目の変速の終了判定が重要となる。
【0005】また、次の変速指令が出力されていない場
合であっても、変速動作の途中で変速終了が判定される
と、その時点で作動圧の制御等が打ち切られ、急激な摩
擦要素の締結、解放が起こってやはり変速ショック等の
不具合が発生することになる。したがって、このような
意味からも、変速終了の判定が重要となる。
【0006】従来、このような変速終了の判定は、例え
ば特開昭61−81044号公報に開示されているよう
に、タービン回転センサで検出されるタービン回転数
が、予想される変速後の回転数に略一致したときに変速
が終了したものと判定していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、摩擦要素の掛替えを伴うと共に、解放側摩擦要
素の締結力のフィードバック制御によってタービン回転
数が目標回転数に一致するように制御される変速時にお
いては、該解放側の摩擦要素の制御によってタービン回
転数が変速後の回転数まで変化しているので、この時点
でもう一方の締結側摩擦要素が締結されているとは限ら
ず、例えば低温時で作動油の粘性が高くなっているとき
や、油圧制御回路の構成上、締結側摩擦要素に至る油路
が長く設定されているとき等は、この締結側摩擦要素に
至る油路内に未だ作動油が充満されておらず、その結
果、該摩擦要素の締結前に変速終了が判定されることに
なって、変速ショックやエンジンの吹上り等が発生す
る。
【0008】そこで、本発明は、一つの摩擦要素を解放
すると共に他の摩擦要素を締結する変速時における該変
速の終了判定を適正に行なうことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は次のように特定される。
【0010】まず、請求項1に記載の発明(以下「第1
発明」という。)は、変速歯車機構と、作動圧の給排に
より選択的に締結されて上記変速歯車機構の動力伝達経
路を切り換える複数の摩擦要素と、これらの摩擦要素に
対する作動圧の給排を制御することにより複数の変速段
を達成すると共に、第1の摩擦要素を解放して第2の摩
擦要素を締結する変速時には、該変速動作中におけるタ
ービン回転数が所定の目標回転数に近づくように上記第
1の摩擦要素の締結力を制御する変速制御手段とを有す
る自動変速機の制御装置であって、変速動作中における
第2の摩擦要素の締結状態を検出する締結状態検出手段
と、該検出手段の検出結果に基づいて、当該変速の終了
を判定する変速終了判定手段とが備えられていることを
特徴とする。
【0011】この第1発明によれば、解放側摩擦要素で
ある第1の摩擦要素の締結力の制御によって変化するタ
ービン回転数に基づいて変速の終了が判定されるのでは
なく、もう一方の締結側摩擦要素である第2の摩擦要素
の変速動作中における締結状態によって変速の終了が判
定されるので、第2の摩擦要素の締結前に変速終了が誤
って判定されることが回避される。
【0012】そして、請求項2に記載の発明(以下「第
2発明」という。)は、上記第1発明において、締結状
態検出手段は、第2の摩擦要素に供給されている作動圧
の大きさから該摩擦要素の締結状態を検出することを特
徴とし、また請求項3に記載の発明(以下「第3発明」
という。)は、同じく上記第1発明において、締結状態
検出手段は、第2の摩擦要素に対する作動圧の供給を制
御するデューティーソレノイドバルブの作動状態から該
摩擦要素の締結状態を検出することを特徴とする。
【0013】これらの第2発明又は第3発明によれば、
第2の摩擦要素の締結状態が、該摩擦要素に供給されて
いる作動圧の大きさから、あるいは該摩擦要素に対する
作動圧の供給を制御するデューティーソレノイドバルブ
の作動状態からそれぞれ検出される。
【0014】一方、請求項4に記載の発明(以下「第4
発明」という。)は、同じく上記第1発明において、変
速中に別の変速段への変速指令があったときには、当該
変速が終了するまで別の変速段への変速を規制する変速
規制手段と、上記変速終了判定手段が変速の終了を判定
したときに、上記規制手段の変速規制を解除する変速規
制解除手段とが備えられていることを特徴とする。
【0015】この第4発明によれば、特に、変速中に別
の変速段への変速指令があった場合に、当該変速が終了
するまで別の変速段への変速を規制する制御が適正に機
能することになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、機
械的構成、油圧制御回路、及び変速制御動作にわけて説
明する。
【0017】機械的構成 まず、図1の骨子図により本実施の形態に係る自動変速
機10の全体の機械的な概略構成を説明する。
【0018】この自動変速機10は、主たる構成要素と
して、トルクコンバータ20と、該コンバータ20の出
力により駆動される変速歯車機構として隣接配置された
第1、第2遊星歯車機構30,40と、これらの遊星歯
車機構30,40でなる動力伝達経路を切り換えるクラ
ッチやブレーキ等の複数の摩擦要素51〜55及びワン
ウェイクラッチ56とを有し、これらによりDレンジに
おける1〜4速、Sレンジにおける1〜3速及びLレン
ジにおける1〜2速と、Rレンジにおける後退速とが得
られるようになっている。
【0019】上記トルクコンバータ20は、エンジン出
力軸1に連結されたケース21内に固設されたポンプ2
2と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22
により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポ
ンプ22とタービン23との間に介設され、かつ、変速
機ケース11にワンウェイクラッチ24を介して支持さ
れてトルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース
21とタービン23との間に設けられ、該ケース21を
介してエンジン出力軸1とタービン23とを直結するロ
ックアップクラッチ26とで構成されている。そして、
上記タービン23の回転がタービンシャフト27を介し
て遊星歯車機構30,40側に出力されるようになって
いる。
【0020】ここで、このトルクコンバータ20の反エ
ンジン側には、該トルクコンバータ20のケース21を
介してエンジン出力軸1に駆動されるオイルポンプ12
が配置されている。
【0021】一方、上記第1、第2遊星歯車機構30,
40は、いずれも、サンギヤ31,41と、このサンギ
ヤ31,41に噛み合った複数のピニオン32…32,
42…42と、これらのピニオン32…32,42…4
2を支持するピニオンキャリヤ33,43と、ピニオン
32…32,42…42に噛み合ったリングギヤ34,
44とで構成されている。
【0022】そして、上記タービンシャフト27と第1
遊星歯車機構30のサンギヤ31との間にフォワードク
ラッチ51が、同じくタービンシャフト27と第2遊星
歯車機構40のサンギヤ41との間にリバースクラッチ
52が、また、タービンシャフト27と第2遊星歯車機
構40のピニオンキャリヤ43との間に3−4クラッチ
53がそれぞれ介設されていると共に、第2遊星歯車機
構40のサンギヤ41を固定する2−4ブレーキ54が
備えられている。
【0023】さらに、第1遊星歯車機構30のリングギ
ヤ34と第2遊星歯車機構40のピニオンキャリヤ43
とが連結されて、これらと変速機ケース11との間にロ
ーリバースブレーキ55とワンウエイクラッチ56とが
並列に配置されていると共に、第1遊星歯車機構30の
ピニオンキャリヤ33と第2遊星歯車機構40のリング
ギヤ44とが連結されて、これらに出力ギヤ13が接続
されている。
【0024】そして、この出力ギヤ13が、中間伝動機
構60を構成するアイドルシャフト61上の第1中間ギ
ヤ62に噛み合わされていると共に、該アイドルシャフ
ト61上の第2中間ギヤ63と差動装置70の入力ギヤ
71とが噛み合わされて、上記出力ギヤ13の回転が差
動装置70のデフケース72に入力され、該差動装置7
0を介して左右の車軸73,74が駆動されるようにな
っている。
【0025】ここで、上記各クラッチやブレーキ等の摩
擦要素51〜55及びワンウェイクラッチ56の作動状
態と変速段との関係をまとめると、次の表1に示すよう
になる。
【0026】なお、上記の骨子図に示す自動変速機10
の変速歯車機構の部分は、具体的には図2に示すように
構成されているが、この図に示すように、変速機ケース
11には後述する制御で用いられるタービン回転センサ
305が取り付けられている。このセンサ305は、先
端部がタービンシャフト27と一体的に回転するフォワ
ードクラッチ51のドラム51aの外周面に対向するよ
うに取り付けられ、該ドラム外周面に設けられたスプラ
インによって生じる磁場の周期的変化を検知することに
より、上記タービンシャフト27の回転数を検出するよ
うになっている。
【0027】
【表1】 油圧制御回路 次に、図1、図2に示す各摩擦要素51〜55に設けら
れた油圧室に対して作動圧を給排する油圧制御回路の構
成を図3により説明する。
【0028】なお、上記各摩擦要素のうち、バンドブレ
ーキでなる2−4ブレーキ54は、作動圧が供給される
油圧室として締結室54aと解放室54bとを有し、締
結室54aのみに作動圧が供給されているときに当該2
−4ブレーキ54が締結され、解放室54bのみに作動
圧が供給されているとき、両室54a,54bとも作動
圧が供給されていないとき、及び両室54a,54bと
も作動圧が供給されているときに、2−4ブレーキ54
が解放されるようになっている。また、その他の摩擦要
素51〜53,55は単一の油圧室を有し、該油圧室に
作動圧が供給されているときに当該摩擦要素が締結され
る。
【0029】図3に示すように、この油圧制御回路10
0には、主たる構成要素として、オイルポンプの吐出圧
を調整して所定のライン圧を生成するレギュレータバル
ブ101と、手動操作によってレンジの切り換えを行う
ためのマニュアルバルブ102と、変速時に作動して各
摩擦要素51〜55に通じる油路を切り換えるローリバ
ースバルブ103、バイパスバルブ104、3−4シフ
トバルブ105及びロックアップコントロールバルブ1
06と、これらのバルブ103〜106を作動させるた
めの第1、第2ON−OFFソレノイドバルブ(以下、
「第1、第2SV」と記す)111,112と、第1S
V111からの作動圧の供給先を切り換えるソレノイド
リレーバルブ(以下、「リレーバルブ」と記す)107
と、各摩擦要素51〜55の油圧室に供給される作動圧
の生成、調整、排出等の制御を行う第1〜第3デューテ
ィソレノイドバルブ(以下、「第1〜第3DSV」と記
す)121,122,123等が備えられている。
【0030】ここで、上記第1、第2SV111,11
2及び第1〜第3DSV121〜123はいずれも3方
弁であって、上、下流側の油路を連通させた状態と、下
流側の油路をドレンさせた状態とが得られるようになっ
ている。そして、後者の場合、上流側の油路が遮断され
るので、ドレン状態で上流側からの作動油を徒に排出す
ることがなく、オイルポンプ12の駆動ロスが低減され
る。
【0031】なお、第1、第2SV111,112はO
Nのときに上、下流側の油路を連通させる。また、第1
〜第3DSV121〜123はOFFのとき、即ちデュ
ーティ率(1ON−OFF周期におけるON時間の比
率)が0%のときに全開となって、上、下流側の油路を
完全に連通させ、ONのとき、即ちデューティ率が10
0%のときに、上流側の油路を遮断して下流側の油路を
ドレン状態とすると共に、その中間のデューティ率で
は、上流側の油圧を元圧として、下流側にそのデューテ
ィ率に応じた値に調整した油圧を生成するようになって
いる。
【0032】上記レギュレータバルブ101によって調
整されるライン圧は、メインライン200を介して上記
マニュアルバルブ102に供給されると共に、ソレノイ
ドレデューシングバルブ(以下、「レデューシングバル
ブ」と記す)108と3−4シフトバルブ105とに供
給される。
【0033】このレデューシングバルブ108に供給さ
れたライン圧は、該バルブ108によって減圧されて一
定圧とされた上で、ライン201,202を介して第
1、第2SV111,112に供給される。
【0034】そして、この一定圧は、第1SV111が
ONのときには、ライン203を介して上記リレーバル
ブ107に供給されると共に、該リレーバルブ107の
スプールが図面上(以下同様)右側に位置するときは、
さらにライン204を介してバイパスバルブ104の一
端の制御ポートにパイロット圧として供給されて、該バ
イパスバルブ104のスプールを左側に付勢する。ま
た、リレーバルブ107のスプールが左側に位置すると
きは、ライン205を介して3−4シフトバルブ105
の一端の制御ポートにパイロット圧として供給されて、
該3−4シフトバルブ105のスプールを右側に付勢す
る。
【0035】また、第2SV112がONのときには、
上記レデューシングバルブ108からの一定圧は、ライ
ン206を介してバイパスバルブ104に供給されると
共に、該バイパスバルブ104のスプールが右側に位置
するときは、さらにライン207を介してロックアップ
コントロールバルブ106の一端の制御ポートにパイロ
ット圧として供給されて、該コントロールバルブ106
のスプールを左側に付勢する。また、バイパスバルブ1
04のスプールが左側に位置するときは、ライン208
を介してローリバースバルブ103の一端の制御ポート
にパイロット圧として供給されて、該ローリバースバル
ブ103のスプールを左側に付勢する。
【0036】さらに、レデューシングバルブ108から
の一定圧は、ライン209を介して上記レギュレータバ
ルブ101の制御ポート101aにも供給される。その
場合に、この一定圧は、上記ライン209に備えられた
リニアソレノイドバルブ131により例えばエンジンの
スロットル開度等に応じて調整され、したがって、レギ
ュレータバルブ101により、ライン圧がスロットル開
度等に応じて調整されることになる。
【0037】なお、上記3−4シフトバルブ105に導
かれたメインライン200は、該バルブ105のスプー
ルが右側に位置するときに、ライン210を介して第1
アキュムレータ141に通じ、該アキュムレータ141
にライン圧を導入する。
【0038】一方、上記メインライン200からマニュ
アルバルブ102に供給されたライン圧は、D,S,L
の各前進レンジでは第1出力ライン211及び第2出力
ライン212に、Rレンジでは第1出力ライン211及
び第3出力ライン213に、また、Nレンジでは第3出
力ライン213にそれぞれ導入される。
【0039】そして、上記第1出力ライン211は第1
DSV121に導かれて、該第1DSV121に制御元
圧としてライン圧を供給する。この第1DSV121の
下流側は、ライン214を介してローリバースバルブ1
03に導かれ、該バルブ103のスプールが右側に位置
するときには、さらにライン(サーボアプライライン)
215を介して2−4ブレーキ54の締結室54aに導
かれる。また、上記ローリバースバルブ103のスプー
ルが左側に位置するときには、さらにライン(ローリバ
ースブレーキライン)216を介してローリバースブレ
ーキ55の油圧室に導かれる。
【0040】ここで、上記ライン214からはライン2
17が分岐されて、第2アキュムレータ142に導かれ
ている。
【0041】また、上記第2出力ライン212は、第2
DSV122及び第3DSV123に導かれて、これら
のDSV122,123に制御元圧としてライン圧をそ
れぞれ供給すると共に、3−4シフトバルブ105にも
導かれている。
【0042】この3−4シフトバルブ105に導かれた
ライン212は、該バルブ105のスプールが左側に位
置するときに、ライン218を介してロックアップコン
トロールバルブ106に導かれ、該バルブ106のスプ
ールが左側に位置するときに、さらにライン(フォワー
ドクラッチライン)219を介してフォワードクラッチ
51の油圧室に導かれる。
【0043】ここで、上記フォワードクラッチライン2
19から分岐されたライン220は3−4シフトバルブ
105に導かれ、該バルブ105のスプールが左側に位
置するときに、前述のライン210を介して第1アキュ
ムレータ141に通じると共に、該バルブ105のスプ
ールが右側に位置するときには、ライン(サーボリリー
スライン)221を介して2−4ブレーキ54の解放室
54bに通じる。
【0044】また、第2出力ライン212から制御元圧
が供給される第2DSV122の下流側は、ライン22
2を介して上記リレーバルブ107の一端の制御ポート
に導かれて該ポートにパイロット圧を供給することによ
り、該リレーバルブ107のスプールを左側に付勢す
る。また、上記ライン222から分岐されたライン22
3はローリバースバルブ103に導かれ、該バルブ10
3のスプールが右側に位置するときに、さらにライン2
24に通じる。
【0045】このライン224からは、オリフィス15
1を介してライン225が分岐されていると共に、この
分岐されたライン225は3−4シフトバルブ105に
導かれ、該3−4シフトバルブ105のスプールが左側
に位置するときに、前述のサーボリリースライン221
を介して2−4ブレーキ54の解放室54bに導かれ
る。
【0046】また、上記ライン224からオリフィス1
51を介して分岐されたライン225からは、さらにラ
イン226が分岐されていると共に、このライン226
はバイパスバルブ104に導かれ、該バルブ104のス
プールが右側に位置するときに、ライン(3−4クラッ
チライン)227を介して3−4クラッチ53の油圧室
に導かれる。
【0047】さらに、上記ライン224は直接バイパス
バルブ104に導かれ、該バルブ104のスプールが左
側に位置するときに、上記ライン226を介してライン
225に通じる。つまり、ライン224とライン225
とが上記オリフィス151をバイパスして通じることに
なる。
【0048】また、第2出力ライン212から制御元圧
が供給される第3DSV123の下流側は、ライン22
8を介してロックアップコントロールバルブ106に導
かれ、該バルブ106のスプールが右側に位置するとき
に、上記フォワードクラッチライン219に連通する。
また、該ロックアップコントロールバルブ106のスプ
ールが左側に位置するときには、ライン229を介して
ロックアップクラッチ26のフロント室26aに通じ
る。
【0049】さらに、マニュアルバルブ102からの第
3出力ライン213は、ローリバースバルブ103に導
かれて、該バルブ103にライン圧を供給する。そし
て、該バルブ103のスプールが左側に位置するとき
に、ライン(リバースクラッチライン)230を介して
リバースクラッチ52の油圧室に導かれる。
【0050】また、第3出力ライン213から分岐され
たライン231はバイパスバルブ104に導かれ、該バ
ルブ104のスプールが右側に位置するときに、前述の
ライン208を介してローリバースバルブ103の制御
ポートにパイロット圧としてライン圧を供給し、該ロー
リバースバルブ103のスプールを左側に付勢する。
【0051】以上の構成に加えて、この油圧制御回路1
00には、コンバータリリーフバルブ109が備えられ
ている。このバルブ109は、レギュレータバルブ10
1からライン232を介して供給される作動圧を一定圧
に調圧した上で、この一定圧をライン233を介してロ
ックアップコントロールバルブ106に供給する。そし
て、この一定圧は、ロックアップコントロールバルブ1
06のスプールが右側に位置するときには、前述のライ
ン229を介してロックアップクラッチ26のフロント
室26aに供給され、また、該バルブ106のスプール
が左側に位置するときには、該一定圧はライン234を
介してリヤ室26bに供給されるようになっている。
【0052】このロックアップクラッチ26は、フロン
ト室26aに上記一定圧が供給されたときに解放される
と共に、上記ロックアップコントロールバルブ106の
スプールが左側に位置して、第3DSV123で生成さ
れた作動圧がフロント室26aに供給されたときには、
その作動圧に応じたスリップ状態に制御されるようにな
っている。
【0053】また、上記マニュアルバルブ102から
は、D,S,L,Nの各レンジでメインライン200に
通じるライン235が導かれて、レギュレータバルブ1
01の減圧ポート101bに接続されており、上記の各
レンジで該減圧ポート101bにライン圧が導入される
ことにより、これらのレンジで、他のレンジ、即ちRレ
ンジよりもライン圧の調圧値が低くなるようになってい
る。
【0054】ここで、上記2−4ブレーキ54の油圧ア
クチュエータの具体的構造を説明すると、図4に示すよ
うに、この油圧アクチュエータは、変速機ケース11と
該ケース11に固着されたカバー部材54cとで構成さ
れたサーボシリンダ54d内にピストン54eを嵌合
し、その両側に前述の締結室54aと解放室54bとを
形成した構成とされている。また、上記ピストン54e
にはバンド締め付け用ステム54fが取り付けられてい
ると共に、被制動部材(図示せず)に巻き掛けられたブ
レーキバンド54gの一端側に上記ステム54fが係合
され、また、該バンド54gの他端側はケース11に設
けられた固定用ステム54hに係合されており、さら
に、上記解放室54b内にはピストン54eを締結室5
4a側、即ちブレーキバンド54gの緩め側に付勢する
スプリング54iが収納されている。
【0055】そして、上記油圧制御回路100を構成す
るコントロールバルブユニットから油孔(図示せず)を
介して締結室54aと解放室54bとに作動圧が供給さ
れ、その供給状態に応じてブレーキバンド54gを締め
付けもしくは緩めることにより、2−4ブレーキ54を
締結もしくは解放するようになっていると共に、特に、
この油圧アクチュエータにおいては、上記ピストン54
eの締結室54a側および解放室54b側の受圧面積が
ほぼ等しくされ、したがって、例えば両室54a,54
bに等しい圧力の作動圧を供給すると、これらの圧力は
互いに打ち消し合い、スプリング54iの付勢力のみが
解放側に作用することになる。
【0056】一方、当該自動変速機10には、図5に示
すように、油圧制御回路100における上記第1、第2
SV111,112、第1〜第3DSV121〜123
及びリニアソレノイドバルブ131を制御するコントロ
ーラ300が備えられていると共に、このコントローラ
300には、当該車両の車速を検出する車速センサ30
1、エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開
度センサ302、エンジン回転数を検出するエンジン回
転センサ303、運転者によって選択されたシフト位置
(レンジ)を検出するシフト位置センサ304、トルク
コンバータ20におけるタービン23の回転数を検出す
るタービン回転センサ305、作動油の油温を検出する
油温センサ306等からの信号が入力され、これらのセ
ンサ301〜306からの信号が示す当該車両ないしエ
ンジンの運転状態等に応じて上記各ソレノイドバルブ1
11,112,121〜123,131の作動を制御す
るようになっている。なお、上記タービン回転センサ3
05については、図2にその取り付け状態が示されてい
る。
【0057】次に、この第1、第2SV111,112
及び第1〜第3DSV121〜123の作動状態と各摩
擦要素51〜55の油圧室に対する作動圧の給排状態の
関係を変速段ごとに説明する。
【0058】ここで、第1、第2SV111,112及
び第1〜第3DSV121〜123の各変速段ごとの作
動状態の組合せ(ソレノイドパターン)は、次の表2に
示すように設定されている。
【0059】この表2中、(○)は、第1、第2SV1
11,112についてはON、第1〜第3DSV121
〜123についてはOFFであって、いずれも、上流側
の油路を下流側の油路に連通させて元圧をそのまま下流
側に供給する状態を示す。また、(×)は、第1、第2
SV111,112についてはOFF、第1〜第3DS
V121〜123についてはONであって、いずれも、
上流側の油路を遮断して、下流側の油路をドレンさせた
状態を示す。
【0060】
【表2】 まず、1速(Lレンジの1速を除く)においては、表2
及び図6に示すように、第3DSV123のみが作動し
て、第2出力ライン212からのライン圧を元圧として
作動圧を生成しており、この作動圧がライン228を介
してロックアップコントロールバルブ106に供給され
る。そして、この時点では該ロックアップコントロール
バルブ106のスプールが右側に位置することにより、
上記作動圧は、さらにフォワードクラッチライン219
を介してフォワードクラッチ51の油圧室にフォワード
クラッチ圧として供給され、これにより該フォワードク
ラッチ51が締結される。
【0061】ここで、上記フォワードクラッチライン2
19から分岐されたライン220が3−4シフトバルブ
105及びライン210を介して第1アキュムレータ1
41に通じていることにより、上記フォワードクラッチ
圧の供給が緩やかに行われる。
【0062】次に、2速の状態では、表2及び図7に示
すように、上記の1速の状態に加えて、第1DSV12
1も作動し、第1出力ライン211からのライン圧を元
圧として作動圧を生成する。この作動圧は、ライン21
4を介してローリバースバルブ103に供給されるが、
この時点では、該ローリバースバルブ103のスプール
が右側に位置することにより、さらにサーボリリースラ
イン215に導入され、2−4ブレーキ54の締結室5
4aにサーボアプライ圧として供給される。これによ
り、上記フォワードクラッチ51に加えて、2−4ブレ
ーキ54が締結される。
【0063】なお、上記ライン214はライン217を
介して第2アキュムレータ142に通じているから、上
記サーボアプライ圧の供給ないし2−4ブレーキ54の
締結が緩やかに行われる。そして、このアキュムレータ
142に蓄えられた作動油は、後述するLレンジの1速
への変速に際してローリバースバルブ103のスプール
が左側に移動したときに、ローリバースブレーキライン
216からローリバースブレーキ55の油圧室にプリチ
ャージされる。
【0064】また、3速の状態では、表2及び図8に示
すように、上記の2速の状態に加えて、さらに第2DS
V122も作動し、第2出力ライン212からのライン
圧を元圧として作動圧を生成する。この作動圧は、ライ
ン222及びライン223を介してローリバースバルブ
103に供給されるが、この時点では、該バルブ103
のスプールが同じく右側に位置することにより、さらに
ライン224に導入される。
【0065】そして、この作動圧は、ライン224から
オリフィス151を介してライン225に導入されて、
3−4シフトバルブ105に導かれるが、この時点で
は、該3−4シフトバルブ105のスプールが左側に位
置することにより、さらにサーボリリースライン221
を介して2−4ブレーキ54の解放室54bにサーボリ
リース圧として供給される。これにより、2−4ブレー
キ54が解放される。
【0066】また、上記ライン224からオリフィス1
51を介して分岐されたライン225からはライン22
6が分岐されており、上記作動圧は該ライン226によ
りバイパスバルブ104に導かれると共に、この時点で
は、該バイパスバルブ104のスプールが右側に位置す
ることにより、さらに3−4クラッチライン227を介
して3−4クラッチ53の油圧室に3−4クラッチ圧と
して供給される。したがって、この3速では、フォワー
ドクラッチ51と3−4クラッチ53とが締結される一
方、2−4ブレーキ54は解放されることになる。
【0067】なお、この3速の状態では、上記のように
第2DSV122が作動圧を生成し、これがライン22
2を介してリレーバルブ107の制御ポート107aに
供給されることにより、該リレーバルブ107のスプー
ルが左側に移動する。
【0068】さらに、4速の状態では、表2及び図9に
示すように、3速の状態に対して、第3DSV123が
作動圧の生成を停止する一方、第1SV111が作動す
る。
【0069】この第1SV111の作動により、ライン
201からの一定圧がライン203を介してリレーバル
ブ107に供給されることになるが、上記のように、こ
のリレーバルブ107のスプールは3速時に左側に移動
しているから、上記一定圧がライン205を介して3−
4シフトバルブ105の制御ポート105aに供給され
ることになり、該バルブ105のスプールをが右側に移
動する。そのため、サーボリリースライン221がフォ
ワードクラッチライン219から分岐されたライン22
0に接続され、2−4ブレーキ54の解放室54bとフ
ォワードクラッチ51の油圧室とが連通する。
【0070】そして、上記のように第3DSV123が
作動圧の生成を停止して、下流側をドレン状態とするこ
とにより、上記2−4ブレーキ54の解放室54b内の
サーボリリース圧とフォワードクラッチ51の油圧室内
のフォワードクラッチ圧とが、ロックアップコントロー
ルバルブ106及びライン228を介して該第3DSV
123でドレンされることになり、これにより、2−4
ブレーキ54が再び締結されると共に、フォワードクラ
ッチ51が解放される。
【0071】一方、Lレンジの1速では、表2及び図1
0に示すように、第1、第2SV111,112及び第
1、第3DSV121,123が作動し、この第3DS
V123によって生成された作動圧が、Dレンジ等の1
速と同様に、ライン228、ロックアップコントロール
バルブ106及びフォワードクラッチライン219を介
してフォワードクラッチ51の油圧室にフォワードクラ
ッチ圧として供給され、該フォワードクラッチ51が締
結される。また、このとき、ライン220、3−4シフ
トバルブ105及びライン210を介して第1アキュム
レータ141に作動圧が導入されることにより、上記フ
ォワードクラッチ51の締結が緩やかに行われるように
なっている点も、Dレンジ等の1速と同様である。
【0072】また、第1SV111の作動により、ライ
ン203、リレーバルブ107、ライン204を介して
バイパスバルブ104の制御ポート104aにパイロッ
ト圧が供給されて、該バルブ104のスプールを左側に
移動させる。そして、これに伴って、第2SV112か
らの作動圧がライン206及び該バイパスバルブ104
を介してライン208に導入され、さらにローリバース
バルブ103の制御ポート103aに供給されて、該バ
ルブ103のスプールを左側に移動させる。
【0073】したがって、第1DSV121で生成され
た作動圧がライン214、ローリバースバルブ103及
びローリバースブレーキライン216を介してローリバ
ースブレーキ55の油圧室にローリバースブレーキ圧と
して供給され、これにより、フォワードクラッチ51に
加えてローリバースブレーキ55が締結されて、エンジ
ンブレーキが作動する1速が得られる。
【0074】さらに、Rレンジでは、表2及び図11に
示すように、第1、第2SV111,112及び第1〜
第3DSV121〜123が作動する。ただし、第2、
第3DSV122,123については、第2出力ライン
212からの元圧の供給が停止されているから作動圧を
生成することはない。
【0075】このRレンジでは、上記のように、第1、
第2SV111,112が作動するから、前述のLレン
ジの1速の場合と同様に、バイパスバルブ104のスプ
ールが左側に移動し、これに伴ってローリバースバルブ
103のスプールも左側に移動する。そして、この状態
で第1DSV121で作動圧が生成されることにより、
これがローリバースブレーキ圧としてローリバースブレ
ーキ55の油圧室に供給される。
【0076】一方、Rレンジでは、マニュアルバルブ1
02から第3出力ライン213にライン圧が導入され、
このライン圧が、上記のようにスプールが左側に移動し
たローリバースバルブ103、及びリバースクラッチラ
イン230を介してリバースクラッチ52の油圧室にリ
バースクラッチ圧として供給される。したがって、上記
リバースクラッチ52とローリバースブレーキ55とが
締結されることになる。
【0077】なお、上記第3出力ライン213には、N
レンジでもマニュアルバルブ102からライン圧が導入
されるので、ローリバースバルブ103のスプールが左
側に位置するときは、Nレンジでリバースクラッチ52
が締結される。
【0078】制御動作 次に、前述のコントローラ300による変速制御、特に
主としてダウンシフト変速であって摩擦要素の掛け替え
動作、つまり摩擦要素の締結動作と解放動作との二つの
動作を伴う場合の特徴的な制御動作について説明する。
【0079】一般に、ダウンシフト変速は、エンジンの
スロットル開度の増大に伴うトルクディマンドのダウン
シフト変速と、これとは逆に、スロットル開度が全閉状
態で行なわれるダウンシフト変速、すなわちマニュアル
操作によるマニュアルダウン変速や車速の低下によるコ
ーストダウン変速との二つに分類され、それぞれ異なる
変速制御が要求される。まず、前者のトルクディマンド
変速から説明する。
【0080】(A)トルクディマンドのダウンシフト変
速 トルクディマンド変速では、まず解放側摩擦要素の解放
動作を先行させて該摩擦要素をスリップさせることによ
り、タービン回転数をエンジン回転の増大に伴わせて上
昇させると共に、これが予め算出された変速後のタービ
ン回転数の近くまで上昇した時点で締結側摩擦要素を締
結させ、かつ解放側摩擦要素を完全に解放して目的の変
速段を達成する。そして、その場合に、解放側摩擦要素
に対する作動圧、すなわち該摩擦要素の締結力ないしス
リップ量を制御することにより、上昇するタービン回転
数をフィードバック制御して、図12に示すように、該
回転数Ntを各制御サイクル毎の目標回転数Nti
0(鎖線)に一致させながら、変速応答性の向上を図る
ために速やかに変速後の回転数Nti0まで上昇させ
る。次に、このトルクディマンドのダウンシフト変速の
全般的動作について、4−3変速を例に取って説明す
る。
【0081】(1)4−3変速制御 4−3変速では、前述の表2及び図8、図9から明らか
なように、第1SV111、第1DSV121及び第2
DSV122がONで、3−4クラッチ53と2−4ブ
レーキ54とが締結された状態から、第1SV111が
OFFとなり、代わって第3DSV123がONとなっ
て、3−4クラッチ53とフォワードクラッチ51とが
締結された状態に移行する。つまり、2−4ブレーキ5
4を解放してフォワードクラッチ51を締結する摩擦要
素の掛け替え動作を伴う変速である。
【0082】そして、この実施の形態においては、第1
SV111が変速動作中はONのまま維持されて、その
結果、3−4シフトバルブ105のスプールが右に位置
してサーボリリースライン221とフォワードクラッチ
ライン219とが連通された状態に保たれ、この状態で
第3DSV123によってそれぞれサーボリリース圧及
びフォワードクラッチ圧が供給されることにより、2−
4ブレーキ54を解放してフォワードクラッチ51を締
結する上記の掛け替え動作が行われる。
【0083】一方、これに先立って第1DSV121に
よるタービン回転数のフィードバック制御が行われる。
すなわち、該第1DSV121のデューティ率を制御し
てサーボアプライ圧を低下させ、これにより2−4ブレ
ーキ54を所定量スリップさせると共に、そのスリップ
量を制御することによりタービン回転数を所定の目標回
転数に一致させながら速やかに変速後の回転数まで上昇
させるのである。そして、タービン回転数が変速後回転
数の近くまで上昇した時点で上記の摩擦要素の掛け替え
動作を行なって、4速から3速への変速を達成する。
【0084】ここで、前述したように、各DSV121
〜123は、デューティ率100%で作動圧が発生しな
いドレン状態、0%で作動圧が元圧に等しくなる全開状
態となり、その中間のデューティ率で作動圧の制御が行
なわれる。
【0085】なお、第1SV111は、この4−3変速
動作の終了時には最終的にOFFとされ、これにより、
3−4シフトバルブ105のスプールが左に位置してサ
ーボリリースライン221とフォワードクラッチライン
219との連通状態が遮断されることになるが、フォワ
ードクラッチ51には引き続き第3DSV123によっ
てフォワードクラッチ圧が供給され、一方、2−4ブレ
ーキ54の解放室54bにはライン225を介して3−
4クラッチ圧がサーボリリース圧となって供給される。
【0086】また、第1DSV121のデューティ率
は、この4−3変速動作の終了時には最終的に0%に戻
され、これにより、タービン回転数のフィードバック制
御中にいったん低下されたサーボアプライ圧が再び上昇
して2−4ブレーキ54の解放室54bに供給されるこ
とになるが、このとき解放室54bにはサーボリリース
圧が供給されているので、結果的にこの2−4ブレーキ
54は解放される。このサーボアプライ圧の再供給は、
当該4−3変速に引き続いて行なわれる可能性の大きい
3−2変速もしくは3−4変速時に、再びこの2−4ブ
レーキ54が締結されることを考慮して、該2−4ブレ
ーキ54の締結室54aにサーボアプライ圧を供給した
状態に存置しておくものである。
【0087】(1−1)第1DSV121の制御 タービン回転数をフィードバック制御する第1DSV1
21によるサーボアプライ圧の制御は図13に示すプロ
グラムに従って行われる。これを図14に示すタイムチ
ャートを参照しながら説明すると、まず、4−3変速指
令が出力されたときに、ステップS1で作動油の温度
(油温)が所定の温度Kより高いか否かを判定する。こ
の所定温度Kとしては、例えばマイナス30℃等の極く
低い温度が設定される。
【0088】そして、油温がこのような極低温のとき
は、ステップS2に進んで、変速指令出力中に行なわれ
るフォワードクラッチ圧ないしサーボリリース圧のプリ
チャージの制御期間中であるか否かを、プリチャージフ
ラグFpの値に基づいて判定する。
【0089】このプリチャージ制御は、後の(1−6)
で説明するように、変速開始時にフォワードクラッチ5
1の油圧室及び2−4ブレーキ54の解放室54bに通
じる油路に予め作動油を速やかに充満させておいて、こ
れによりフォワードクラッチ51の締結動作ないし2−
4ブレーキ54の解放動作の遅れを回避するために行な
われるもので、上記制御によってプリチャージ期間中で
あると判定されたときは、プリチャージフラグFpが1
にセットされ、一方、プリチャージ期間が終了すれば0
にリセットされるようになっている。そして、該フラグ
Fpが0となるまで次のステップS3以下に進まず、し
たがって、この第1DSV121の実体的な制御が変速
指令の出力後すぐには行なわれず遅延されることになる
が、この意義については後の(1−7)で説明すること
とし、いまは、油温がこのように低くない場合、すなわ
ち標準的な常温時であるとして説明を進める。
【0090】上記ステップS1で常温時であると判定さ
れると、次にステップS3,S4でベース油圧Pb、及
びフィードバック油圧Pfbを算出すると共に、ステッ
プS5でこれらの油圧Pb、Pfbを加算して算出油圧
Psを求める。なお、上記ベース油圧Pb及びフィード
バック油圧Pfbの算出動作については後の(1−2)
及び(1−3)で説明する。
【0091】次に、ステップS6で、変速指令の出力
後、所定の時間T1が経過したか否かを判定し、この所
定時間T1が経過するまでは、ステップS7で、第1D
SV121のデューティ率を0%の状態に保持して、2
−4ブレーキ54の解放動作をまだ開始しないようにす
る。これは、トルクディマンド変速の場合は、スロット
ル開度の増大に伴ってライン圧が急上昇するので、その
安定を待ってから該2−4ブレーキ54に対する作動圧
の制御を行うためである。
【0092】そして、上記時間T1が経過すれば、ステ
ップS8で、タービン回転数Ntが変速後の回転数Nt
0よりもごく小さな所定の回転数ΔNtだけ低い回転数
(以下「変速終了直前回転数」と記す。)まで上昇した
のちさらに所定時間T2が経過したか否かを判定し、そ
の経過前までは、ステップS9で、上記のようにして求
めた算出油圧Psに対応するデューティ率の信号を第1
DSV121に出力してサーボアプライ圧を制御する。
一方、上記時間T2が経過すれば、ステップS10,S
11で、デューティ率を再び一定割合で0%に戻してサ
ーボアプライ圧を上昇させる。
【0093】ここで、タービン回転数Ntが変速終了直
前回転数(Nt0−ΔNt)まで上昇したのちさらに所
定時間T2が経過するまでサーボアプライ圧の制御、つ
まりタービン回転数のフィードバック制御を続行する理
由は、後の(1−4)で説明するように、フォワードク
ラッチ圧及びサーボリリース圧がもう一方の第3DSV
123の制御によってタービン回転数Ntがこの変速終
了直前回転数まで上昇した時点で先に供給されるので、
これによってフォワードクラッチ51が完全に締結し、
また2−4ブレーキ54の解放室54bにサーボリリー
ス圧が完全に供給されるまで、該2−4ブレーキ54の
締結室54aにサーボアプライ圧を再供給しない、つま
りこの2−4ブレーキ54を締結状態とさせないためで
ある。
【0094】(1−2)ベース油圧Pbの計算 図13のプログラムのステップS3におけるベース油圧
Pbの計算は、図15に示すプログラムに従って次のよ
うに行われる。
【0095】まず、ステップS21で、変速中の目標タ
ービン回転変化率dNt0を算出し、次いでステップS
22で、この目標タービン回転変化率dNt0に対応す
る油圧Piを図16に示すマップに基づいて算出する。
図示したように、このマップは、目標タービン回転変化
率dNt0が大きくなるほど油圧Piが小さな値になる
ように設定されている。
【0096】また、ステップS23で、変速時の目標タ
ービントルクTt0に応じた油圧Ptを図17に示すマ
ップに基づいて算出する。図示したように、このマップ
は、目標タービントルクTt0が大きくなるほど油圧P
tが大きな値になるように設定されている。
【0097】そして、ステップS24で、これらの油圧
Pi,Ptを加算することによりベース油圧Pbを求
め、このベース油圧Pbが、図14の符号アで示すよう
に、サーボアプライ圧の制御中において一定値として用
いられる。
【0098】(1−3)フィードバック油圧Pfbの計
算 図13のプログラムのステップS4におけるフィードバ
ック油圧Pfbの計算は、図18に示すプログラムに従
って次のように行われる。
【0099】まず、ステップS31で、後の(1−5)
で説明するフィードバック制御の開始条件が成立したか
否かを示すフィードバックフラグFfの値を判定する。
そして、この条件が成立して上記フラグFfが1となる
までは、ステップS32で、フィードバック油圧Pfb
を0とする。
【0100】また、上記条件が成立してフラグFfが1
となれば、ステップS33で、現時点の目標タービン回
転数Nti0を計算する。この計算は、変速前後の回転
数の差と、予め設定されている最適変速時間とに基づい
て行われ、各制御サイクル毎にそのサイクルでの目標タ
ービン回転数Nti0が求められる。
【0101】そして、ステップS34で、この目標ター
ビン回転数Nti0に対する実タービン回転数Ntの偏
差Dn(Nt−Nti0)を求めると共に、ステップS
35で、この偏差Dnに応じたフィードバック油圧Pf
bを図19に示すマップに基づいて算出する。
【0102】ここで、このマップにおいては、フィード
バック油圧Pfbは、偏差Dnが正のときには正の値
に、偏差Dnが負のときには負の値とされると共に、そ
の大きさは、偏差Dnの絶対値が大きくなるほど大きく
なるように設定されている。
【0103】以上のベース油圧Pbの計算及びフィード
バック油圧Pfbの計算により、図14に示すように、
第1DSV121は、変速指令が出力されて所定時間T
1が経過した時点でデューティ率0%の状態(全開状
態)からベース油圧Pbに相当する一定のデューティ率
での制御に移行する。これにより、2−4ブレーキに対
するサーボアプライ圧が低下されて該2−4ブレーキが
スリップをし始め、その結果、図中符号イで示すよう
に、タービン回転数Ntが上昇を開始した時点からフィ
ードバック制御に移行する。そして、タービン回転数N
tが変速終了直前回転数まで上昇したのちさらに所定時
間T2が経過した時点で、デューティ率が再び0%に戻
されて、サーボアプライ圧が所定値まで上昇することに
なる。
【0104】(1−4)第3DSV123の制御 一方、第3DSV123によるフォワードクラッチ圧及
びサーボリリース圧の制御は図20に示すプログラムに
従って行われ、まず、4−3変速指令が出力されたとき
に、ステップS41で算出油圧Psを求める。このこと
から明らかなように、この第3DSV123の制御にお
いては、上記の第1DSV121の制御とは異なり、油
温についての判定をせずに、常に変速指令の出力後直ち
に実体的制御が行なわれる。この意義についても後の
(1−7)で併せて説明する。
【0105】次に、ステップS42で、プリチャージフ
ラグFpが1にセットされているか否かを判定して、プ
リチャージフラグFpが1のとき、すなわち、プリチャ
ージ期間中であるときは、ステップS43で、第3DS
V123のデューティ率を0%として、フォワードクラ
ッチ51の油圧室及び2−4ブレーキ54の解放室54
bに通じる油路に作動油を速やかに充満させる。
【0106】また、プリチャージフラグFpが0にリセ
ットされているとき、すなわちプリチャージ期間が終了
すれば、さらに、ステップS44で、タービン回転数N
tが変速終了直前回転数まで上昇したか否かを判定し、
この回転数まで上昇するまでの間は、ステップS45
で、上記算出油圧Psに対応するデューティ率の信号を
第3DSV123に出力する。
【0107】その場合に、この算出油圧Psは、フォワ
ードクラッチ51におけるスプリングに相当する油圧で
あって、この油圧がフォワードクラッチ51の油圧室に
供給された状態では、該クラッチ51のピストンが締結
直前の状態に保持されることになる。また、2−4ブレ
ーキ54の解放室54b内において油圧が直ちに立ち上
がる状態に保持されることになる。
【0108】そして、タービン回転数Ntが変速終了直
前回転数まで上昇した時点で、ステップS46,47に
従って、デューティ率を一定割合で0%まで減少させ
る。これにより、フォワードクラッチ圧及びサーボリリ
ース圧は、図14に符号ウで示すように、サーボアプラ
イ圧の制御中、フォワードクラッチ51を締結直前ない
し2−4ブレーキを解放直前の状態とする油圧に保持さ
れると共に、上記サーボアプライ圧の制御による2−4
ブレーキ54のスリップによってタービン回転数Ntが
変速後の回転数Nt0に近い値まで上昇した時点で、こ
の作動圧は所定値まで上昇されて、フォワードクラッチ
51が締結し、かつ2−4ブレーキが完全に解放する。
その場合に、該フォワードクラッチ圧及びサーボリリー
ス圧は、予め締結直前あるいは解放直前の圧力まで上昇
されているから、フォワードクラッチ51及び2−4ブ
レーキは、応答遅れを生ずることなく速やかに締結又は
解放されて摩擦要素の掛け替えが行なわれることにな
る。
【0109】(1−5)タービン回転数のフィードバッ
ク制御の開始判定 前述したように、タービン回転数のフィードバック制御
は、2−4ブレーキに対するサーボアプライ圧が低下し
て該2−4ブレーキがスリップをし始め、その結果ター
ビン回転数Ntが上昇を開始した時点から行なわれる。
そして、一般に、このフィードバック制御を開始するた
めの判定は、前述のタービン回転センサ305でタービ
ン回転数Ntを検出して、その変化率dNtが所定値よ
り大きくなった時点を検出することにより行なわれる。
【0110】しかし、このような判定方法だけでは、実
際に2−4ブレーキのスリップによってタービン回転数
Ntが上昇を開始したのか否かが判定できず、フィード
バック制御を誤った時期に開始して変速制御を混乱させ
ることが考えられる。
【0111】すなわち、図2に示すように、タービン回
転センサ305は変速機ケース11に取り付けられてい
るから、エンジンのスロットル開度を急激に増大させた
場合に、該エンジン及び変速機のローリングにより、タ
ービンシャフト27に対してその回転方向と逆方向に相
対回転することになる。したがって、該センサ305に
よって検出されるタービン回転数Ntは、実際のタービ
ンシャフト27の回転数に上記の相対回転の回転数を加
えた値となり、その結果、図21に符号エで示すよう
に、タービン回転数Ntが見掛けのうえで上昇し、ター
ビン回転変化率dNtが一時的に大きくなる。そして、
この現象が変速指令の出力直後に発生するため、図中符
号イで示すように、実際に2−4ブレーキのスリップに
よってタービン回転数Ntが上昇を開始する時期よりも
早い時期にタービン回転数Ntが上昇し始めたものと誤
って判定されることになるのである。
【0112】そこで、この実施の形態においては、特に
この問題を回避してフィードバック制御の開始時期を正
確に判定するための制御が行われる。
【0113】この制御は図22にフローチャートを示す
プログラムに従って行われ、まず、ステップS51で、
タービン回転変化率dNtが所定値C1を超えたか否か
を判定する。この判定は、本来は、図21に符号イで示
すタービン回転数Ntの上昇開始時期を判定するための
ものであるが、この判定だけでは、符号エで示す見掛け
のうえでのタービン回転数Ntの上昇を、2−4ブレー
キのスリップによるタービン回転数Ntの上昇の開始と
誤判定するおそれがある。
【0114】そこで、dNt>C1と判定した場合、次
にステップS52で、変速指令の出力後、所定時間T3
が経過したか否かを判定する。そして、上記のような回
転上昇の検出が、変速指令の出力後、所定時間T3が経
過してからのものである場合にのみ、2−4ブレーキの
スリップによるタービン回転数Ntの上昇が開始された
ものとして、ステップS53で、フィードバックフラグ
Ffをフィードバック制御開始条件の成立を示す1にセ
ットする。これにより、図18のプログラムにおけるス
テップS35で、目標タービン回転数Nti0に対する
実タービン回転数Ntの偏差Dnに応じたフィードバッ
ク油圧Pfbが算出されて、上昇中のタービン回転数N
tを目標タービン回転数Nti0に一致させるフィード
バック制御が開始することになる。ここで、上記所定時
間T3は、図14に示すサーボアプライ圧の制御が開始
されるまでの所定時間T1よりも長い時間に設定され
る。
【0115】これによって、変速指令の出力直後に発生
するエンジン及び変速機のローリングに伴うタービン回
転数Ntの見掛けのうえでの上昇をフィードバック制御
の開始条件が満足されたものとして誤判定することが回
避され、該フィードバック制御が正しい時期に開始され
ることになる。
【0116】なお、上記ステップS51によるタービン
回転変化率dNtに関する条件、及びステップS52に
よる変速指令出力後の経過時間に関する条件のいずれか
一方もしくは両方が成立していない場合は、ステップS
54で、変速指令の出力時にセットされたバックアップ
タイマの設定時間T4が経過したか否かが判定され、こ
の設定時間T4が経過した場合には、上記ステップS5
3でフィードバックフラグFfを1にセットする。
【0117】つまり、例えばこの4−3変速時の場合に
おいて、変速指令の出力後、所定時間T1が経過した時
点で供給されるサーボアプライ圧のベース油圧Pbが高
かったため、2−4ブレーキ54の解放動作が緩やかす
ぎた場合等には、タービン回転変化率dNtが所定値C
1よりも大きくならないこともあり得るので、このよう
な場合には、バックアップタイマで別に設定した時間T
4が経過すれば直ちにフィードバック制御を開始するの
である。
【0118】一方、ステップS51及びステップS52
の少なくとも一方の条件が成立しておらず、かつ、ステ
ップS54の条件も成立していないときには、ステップ
S55で、上記フィードバックフラグFfが0とされ、
図18のプログラムにおけるステップS32で、フィー
ドバック油圧Pfbが0に保持されることになる。
【0119】(1−6)プリチャージ期間の設定 次に、図13のプログラムのステップS2、及び図20
のプログラムのステップS42でそれぞれ値が判定され
るプリチャージフラグFpの設定、すなわちプリチャー
ジ期間の設定制御について説明する。
【0120】この種の自動変速機において、変速時に油
圧制御回路で生成された作動圧を摩擦要素の油圧室ない
し締結室又は解放室に供給することにより該摩擦要素を
締結しもしくは解放する場合、変速指令の出力後、直ち
に作動圧を生成して当該摩擦要素の油圧室に供給するよ
うにしても、当初は油圧制御回路から摩擦要素の油圧室
に至る油路内に作動油が存在していないため、摩擦要素
の油圧室内では油圧が直ちに上昇せず、該摩擦要素の締
結動作もしくは解放動作が遅れるといった問題が生じ
る。
【0121】そこで、変速指令が出力されたときに、当
該摩擦要素に対する作動圧の供給を制御するデューティ
ソレノイドバルブ等の油圧制御バルブを所定時間だけ全
開状態とし、該摩擦要素の油圧室に至る油路に作動油を
速やかに充填させる制御を行うことがあり、これをプリ
チャージ制御と称している。このような制御を行なうこ
とにより、変速動作の応答遅れが解消されることにな
る。
【0122】この油圧制御回路100においては、プリ
チャージ期間の設定制御が上記コントローラ300によ
り図23のプログラムに従って行われる。このプログラ
ムは変速指令が出力されたときに図20の第3DSV1
23の制御プログラム等と並行して実行され、まず、ス
テップS61で、イニシャライズとしてトータル流量Q
tを0とし、次いで、ステップS62で、図24に示す
ように設定されたマップに基づいて、その時点のライン
圧から第3DSV123を全開(デューティ率0%)と
したときの該DSV123を通過するベース流量Qを求
める。その場合に、上記マップには、ライン圧が高いほ
どベース流量Qが多くなるように設定されているが、こ
れは、第3DSV123が全開であっても、これを通過
する作動油の流量Qはそのときのライン圧によって変化
し、ライン圧が高いほど該流量Qも多くなるからであ
る。
【0123】次に、ステップS63で、図25に示すよ
うに設定されたマップから油温補正係数C2を読み取
る。この油温補正係数のマップでは、油温が低くなるに
従って補正係数C2が1より小さくなるように設定され
ている。そして、ステップS64で、上記ベース流量Q
に補正係数C2を乗算することにより流量の補正値Q′
(Q×C2)を求める。これにより、作動油の温度が低
く、従って粘度が高いために、同じライン圧であっても
バルブ通過流量が標準的な環境条件のときよりも減少す
る場合に、その実情に合せて算出される流量も減少さ
れ、常に実際の流量に適合したベース流量Q(補正流量
Q′)が算出されることになる。
【0124】さらに、ステップS65で、この補正流量
Q′を次式1に従って積算し、制御開始時から現時点ま
でのトータル流量Qtを算出する。
【0125】
【式1】 次に、ステップS66で、このトータル流量Qtが所定
値C3を超えたか否かを判定し、この所定値C3を超え
るまでは、ステップS67でプリチャージフラグFpを
1にセットすると共に、所定値C3を超えた時点で、ス
テップS68で該フラグFpを0にリセットする。
【0126】その場合に、上記所定値C3は、油圧制御
回路100における当該バルブから当該摩擦要素の油圧
室に至る油路(この4−3変速時にあっては、第3DS
V123からライン228、ロックアップコントロール
バルブ106を介してフォワードクラッチ51の油圧室
に至る油路、及びさらにライン220、3−4シフトバ
ルブ105を介して2−4ブレーキ54の解放室54b
に至る油路)の容積に対応した値に設定されている。し
たがって、Q>C3となった時点で上記油路が作動油で
充満されたことになり、この時点でプリチャージ制御を
終了させるために上記フラグFpを0にするのである。
【0127】そして、このようにして設定されたプリチ
ャージフラグFpの値を用い、Fp=1の間、すなわち
プリチャージ期間の間は、図20のプログラムにおける
ステップS43で、第3DSV123のデューティ率を
0%にする制御が行われることにより、上記フォワード
クラッチ51の油圧室に至る油路、及び2−4ブレーキ
54の解放室54bに至る油路が作動油で速やかに充満
されることになる。
【0128】ここで、このプリチャージ期間の算出の基
礎となるベース流量Qは、前述のように、その時点のラ
イン圧に基づいて設定されるから、例えばライン圧が高
いため一定量の作動油が比較的短時間で供給される場合
や、これとは逆に、ライン圧が低いため、一定量の作動
油が供給されるのに要する時間が長くなる場合のいずれ
においても、常に、実際に油路が作動油で充満された時
期にプリチャージ制御が終了することになる。
【0129】また、油温が低いために常温時に比べて作
動油の充満に長い時間が費やされる場合においても、そ
れに応じた補正が行われるので、この場合も、プリチャ
ージ制御の終了時期が、実際に油路に作動油が充満され
た時期に精度よく対応することになる。
【0130】(1−7)低油温時における第1DSV1
21の制御開始の遅延 図23に示すプリチャージ期間の設定制御においては、
ステップS63で油温が低いほど1より小さい値の補正
係数C2が読み取られ、ステップS64でこの補正係数
C2の値がベース流量Qに乗算されて補正流量Q′が求
められ、そしてステップS65でこの補正流量Q′が1
制御サイクル毎に積算されてトータル流量Qtが算出さ
れるので、変速指令が出力されたときから同じ時間が経
過しても、低油温時はトータル流量Qtが少なく算出さ
れ、その結果として、ステップS66からS67に進ん
でプリチャージフラグFpが1とされるまでの時間、す
なわちプリチャージ期間が長くなる。
【0131】これにより、低油温時で粘度が高く、作動
油の流動性が低くなって、常温時に比べて作動油の供給
に時間が長く費やされる場合であっても、第3DSV1
23からフォワードクラッチ51の油圧室に至る油路、
及び2−4ブレーキ54の解放室54bに至る油路に確
実に作動油が充満されるという効果が得られることにな
る。
【0132】一方、図20に示す第3DSV123の制
御プログラムにおいては、フォワードクラッチ圧ないし
サーボリリース圧は、このようなプリチャージ期間の終
了後に、一旦フォワードクラッチ51のスプリング相当
圧に維持されて該クラッチ51を締結直前及び2−4ブ
レーキ54を解放直前の状態で保持したのち、タービン
回転数Ntが変速終了直前回転数まで上昇した時点で所
定値まで上昇されて、フォワードクラッチ51を完全に
締結させ、また2−4ブレーキ54を完全に解放する。
【0133】したがって、作動油の温度が極めて低く、
その結果としてプリチャージ期間が大幅に長くなり、例
えば図14においてタービン回転数Ntが変速終了直前
回転数まで上昇した後、所定時間T2が経過してもなお
プリチャージ期間中であるような場合には、先に第1D
SV121のデューティ率が0%に戻されて、2−4ブ
レーキ54が再び締結状態に復帰し、ショックが発生す
ることになる。
【0134】そこで、この実施の形態に係るコントロー
ラ300は、かかる不具合に対処するために、前述の図
13に示す第1DSV121の制御プログラムにおい
て、4−3変速指令が出力されたときにはまずステップ
S1で油温をチェックし、油温が標準的な常温時である
場合には、プリチャージ期間がそれ程大幅に長くならな
いのであるから直ちにステップS3以下に進んで、サー
ボアプライ圧の制御を開始する一方で、油温が極めて低
い場合には、ステップS2でプリチャージ期間の終了を
待ってから、サーボアプライ圧の制御を開始するのであ
る。そして、これに対して、前述の図20に示す第3D
SV123の制御プログラムにおいては、4−3変速指
令が出力されたときには、油温にかかわらず常に直ちに
プリチャージを開始するのである。
【0135】これにより、図26に示すように、低油温
時で、フォワードクラッチ圧ないしサーボリリース圧の
プリチャージの立上がりが遅く、プリチャージ期間が大
幅に長くなるような場合には、第1DSV121の制御
が、符号T5で示すようにこのプリチャージ期間中は遅
延され、該プリチャージ期間が終了してから、すなわち
フォワードクラッチ51の油圧室に至る油路及び2−4
ブレーキ54の解放室54bに至る油路に確実に作動油
が充満されて、フォワードクラッチ51が締結直前の状
態、ないし2−4ブレーキ54が解放直前の状態に保持
された時点から開始されるので、上記第1DSV121
の制御によってタービン回転数Ntが変速終了直前回転
数まで上昇した時点には、必ずフォワードクラッチ51
が締結直前の状態、ないし2−4ブレーキ54が解放直
前の状態に保持されていることになり、2−4ブレーキ
54の締結室aに対するサーボアプライ圧の上昇よりも
先に、フォワードクラッチ51が締結され、かつ2−4
ブレーキ54が解放されて、円滑に3速への変速が行な
われることになる。
【0136】なお、この実施の形態においては、前述し
たように、当該4−3変速に引き続いて行なわれる可能
性の大きい3−2変速もしくは3−4変速時の動作を考
慮して、第1DSV121のデューティ率を最終的に0
%に戻し、サーボアプライ圧を2−4ブレーキ54の解
放室54bに供給した状態に存置しておくようになって
いるために、低油温時でプリチャージ期間が大幅に長く
なったときは、該2−4ブレーキ54が先に締結状態に
復帰してショックが発生することになるのであるが、単
に、この4−3変速を達成するだけであれば、第1DS
V121のデューティ率を最終的に100%にしてサー
ボアプライ圧をドレンしてもよいのである。この場合に
は、低油温時でプリチャージ期間が大幅に長くなったと
きには、フォワードクラッチ51の締結よりも先に2−
4ブレーキ54が解放されることになり、その結果エン
ジンが吹き上がるという不具合が発生する。そして、こ
のとき第1DSV121の制御開始を遅延させることに
よって、このエンジンの吹き上りの問題が解消されるこ
とになる。
【0137】また、この実施の形態においては、低油温
時には第1DSV121の制御全体を時間的に遅くずら
すようにしたが、この第1DSV121の制御を第3D
SV123の制御と同じく油温にかかわらず変速指令の
出力後に直ちに開始したうえで、該第1DSV121の
制御ゲインを油温に応じて変化させて低油温時にはター
ビン回転数Ntの上昇速度を緩やかにするようにしても
よい。
【0138】さらに、同じく、第1DSV121の制御
を油温にかかわらず変速指令の出力後に直ちに開始した
うえで、タービン回転数Ntが変速終了直前回転数ある
いは変速後の回転数Nt0まで上昇した時点でプリチャ
ージフラグFpの値を判定して、該フラグFpが1のと
きは0にリセットされるまでタービン回転数Ntを上記
変速終了直前回転数あるいは変速後の回転数Nt0に保
持し、上記フラグFpが0にリセットされてから、もし
くはさらに所定時間T2が経過した後に、サーボアプラ
イ圧を供給またはドレンするようにしてもよい。
【0139】(1−8)フィードバック制御開始時にお
けるベース油圧Pbの補正 この4−3変速においては、変速動作中に第1DSV1
21でサーボアプライ圧を制御して、タービン回転数N
tを所定の目標回転数Nti0に一致させるようにフィ
ードバック制御するのであるが、このフィードバック制
御開始時点において目標となる算出油圧Psの初期値が
適切に設定されていないと、その後のフィードバック制
御が良好に行なわれなくなる場合が生じる。
【0140】すなわち、前述したように、第1DSV1
21についての算出油圧Psはベース油圧Pbとフィー
ドバック油圧Pfbとを加算したものであり、この算出
油圧Psが実現するように第1DSV121のデューテ
ィ率が制御される。そして、その場合に、フィードバッ
ク制御が開始されるまではフィードバック油圧Pfbが
0とされるので、ベース油圧Pbに相当する一定値の算
出油圧Psが出力され、これにより2−4ブレーキ54
の解放動作が始まることになるが、上記ベース油圧Pb
は変動の激しいタービントルクを考慮して算出されるた
めにその設定誤差が生じ易い。もちろん、この誤差は、
その後のタービン回転数Ntのフィードバック制御中に
打ち消されるのであるが、無視できない程度の誤差も生
じ得るのである。
【0141】その結果、(1−5)で指摘したように、
この4−3変速時の場合において、例えば、変速指令の
出力後、所定時間T1が経過した時点で出力される算出
油圧Ps、つまりベース油圧Pbが高すぎると、この状
態でフィードバック制御が開始されたときは、フィード
バック制御の開始時におけるこの算出油圧Psを低くす
る方向の動作の遅れのために、2−4ブレーキ54の解
放動作が緩やかとなってイナーシャフェーズの時間が長
くなってしまい、良好な変速フィーリングが得られない
のである。
【0142】そこで、この実施の形態においては、なる
べく早い時期、すなわちフィードバック制御が開始して
タービン回転数が上昇し始めた時点で、その時の実油圧
と、設定した目標油圧、つまりベース油圧Pbとが一致
しているかどうかを検出し、一致していないときには、
その偏差によってベース油圧Pbを初期の段階で一回だ
け補正することにより、それ以後のフィードバック制御
を良好に行わせるようになっている。
【0143】このフィードバック制御開始時におけるベ
ース油圧Pbの補正制御は図27に示すプログラムに従
って次のように行なわれる。なお、このプログラムは、
4−3変速指令が出力されて図13に示す第1DSV1
21の実体制御が開始したときに並行して実行され、該
プログラムのステップS3で算出されたベース油圧Pb
に補正量ofstを加えて補正するものである。これに
より、該ベース油圧Pbにフィードバック油圧Pfbが
加算されて求められる算出油圧Psが適正な値に是正さ
れることになる。
【0144】まず、この制御は、ステップS71で実油
圧を推定することから始まる。すなわち、実際に2−4
ブレーキ54に対して作動しているサーボアプライ圧の
値を、例えば油圧センサ等を用いて検出することなく、
図13のプログラムにおける2回又は1回前の制御サイ
クルで求められた算出油圧Ps[2],Ps[1]、及
びこの図27の補正プログラムにおける2回又は1回前
の制御サイクルで推定された油圧empo[2],em
po[1]から現在実際に供給されているサーボアプラ
イ圧empを精度よく推定するものである。
【0145】この油圧の推定は、具体的には、次の式2
から式5の順に、過去の算出油圧Ps[2],Ps
[1]、及び推定油圧empo[2],empo[1]
をそれぞれ更新したのち、これらの値から式6に従って
現在のサーボアプライ圧empを求める。
【0146】
【式2】
【0147】
【式3】
【0148】
【式4】
【0149】
【式5】
【0150】
【式6】 なお、ここで式6における各係数KN1,KN2,KD
1,KD2の値は、それぞれ、実際に油圧をセンシング
して行なったモデル実験の結果から、得られる推定油圧
empが精度よく実油圧に一致するように設定されたも
のである。
【0151】次いで、ステップS72で、4−3変速指
令が出力された後の1回目のサイクルであるか否かを判
定し、1回目であれば、ステップS73で、当該補正プ
ログラムにおける補正の進み状況を示すフラグFaを0
とする。
【0152】因に、このように1回目の制御サイクルで
ある場合は、上記ステップS71で、推定油圧emp
は、KN1・Psと求められている。
【0153】そして、次にステップS74で、上記状況
フラグFaが0か否かを判定し、0の場合は、ステップ
S75で、補正量ofstを0にイニシャライズしてか
らステップS76に進み、上記ステップS71で求めら
れた推定油圧empが、ベース油圧Pbに所定の不感帯
幅POを加算した値よりも小さいか否かを判定する。ま
た、ステップS77で、フィードバックフラグFfが1
か否か、つまりタービン回転数Ntが上昇し始めたか否
かを判定する。その結果、両方の判定がいずれもYES
の場合は、次のステップS78で、上記状況フラグFa
を1としてからステップS79に進み、一方、いずれか
の判定がNOの場合にはリターンする。すなわち、推定
油圧empがベース油圧Pbよりも所定量PO以上高
く、あるいはまだタービン回転数Ntが上昇を開始する
前は、上記フラグFaが0のままで補正量ofstが0
に維持されることになる。
【0154】そして、推定油圧empが低下して不感帯
幅POの範囲内でベース油圧Pbに近づき、かつタービ
ン回転数Ntが上昇を開始した後は、ステップS79
で、上記状況フラグFaが1か否かを判定し、1の場合
は、ステップS80で、該フラグFaを2にしたうえで
次のステップS81に進み、推定油圧empがベース油
圧Pbよりも小さいか否かを判定し、その結果に応じ
て、ステップS82又はステップS83で、補正量of
stを求める。
【0155】なお、以降は、この状況フラグFaの値の
変更は行なわれず、2に維持されるので、次回から当該
プログラムに入った場合は、ステップS74からステッ
プS79を経てそのままリターンされる。つまり、補正
量ofstは、実油圧empがベース油圧Pb付近まで
低下した状態でタービン回転数Ntが上昇し始めた直
後、すなわちフィードバック制御開始直後に一度だけ求
められ、その結果、図13のステップS3で計算された
ベース油圧Pbが該補正量ofstで補正され、ステッ
プS5で求められる算出油圧Psが是正されることにな
る。
【0156】上記ステップS81における判定で、推定
油圧empがベース油圧Pbよりも小さい場合は、ステ
ップS82に進んで、補正量ofstを次式7に従って
求める。
【0157】
【式7】 すなわち、この場合は、実際のサーボリリース圧emp
が、図13のステップS3で計算されて出力されたベー
ス油圧Pbよりも低い状態で2−4ブレーキ54がスリ
ップを開始したのであるから、換言すれば、ベース油圧
Pbが高い値に設定されていたのであるから、その偏差
分(emp−Pb)を補正して低くするのである。
【0158】また、上記式7における項dNt・C4は
次のような意味をもつ。すなわち、ベース油圧Pbは2
−4ブレーキ54を最初にスリップさせる油圧として設
定されるのであるから、この値Pbが適正に設定されて
いるかどうかをみるためには、該2−4ブレーキ54が
スリップし始めた時点、換言すればタービン回転数が上
昇し始めた時点における実油圧と比較するのが本来であ
る。しかしながら、現実問題としては、タービン回転数
が上昇してからでないとそれを検出することができない
ため、該タービン回転数の上昇を検出した時点において
は、油圧はすでにその間に低下しており、それを無視し
て上記偏差(emp−Pb)だけを補正したのでは実情
に添わず、ベース油圧Pbを過剰に低く補正することに
なるのである。
【0159】そこで、この実施の形態においては、ター
ビン回転数が上昇し始めた時点における初期のタービン
回転変化率dNtに基づいて、検出までにすでに低下し
た油圧を算出し、この油圧分をベース油圧Pbに加える
ようにしているのである。これにより、ベース油圧Pb
はさらに適正な値に補正されて、以降のフィードバック
制御が良好に行なわれるようになる。
【0160】なお、ここで、上記係数C4は、タービン
回転変化率dNtに対応するタービントルクを油圧に換
算する換算係数である。
【0161】これに対し、上記ステップS81における
判定で、推定油圧empがベース油圧Pbよりも小さく
ない場合、つまり一致しているか又は推定油圧empが
ベース油圧Pbよりも大きい場合は、ステップS83に
進んで、補正量ofstを上記の検出遅れに基づく油圧
分dNt・C4だけとする。
【0162】すなわち、推定油圧empとベース油圧P
bとが一致している場合であっても、上記のようにター
ビン回転数の上昇検出までの時間的なずれがあるので、
ベース油圧Pbに油圧分dNt・C4を加えて補正す
る。
【0163】一方、推定油圧empがベース油圧Pbよ
りも大きい場合、換言すれば、ベース油圧Pbが低い値
に設定されていた場合も、補正量ofstは上記油圧分
dNt・C4だけとし、偏差(emp−Pb)を加算し
ない。これは、実油圧empの方が予測を超えて高かっ
たのであるから、この状態でベース油圧Pbにさらに偏
差(emp−Pb)を加算すると、2−4ブレーキ54
の解放動作が急となってショックが発生するからであ
る。
【0164】このような補正制御により、例えば図28
に符号カで示すように、当初設定されたベース油圧Pb
が高く、この値のままであれば算出油圧Psが符号キの
ように大きい値に求められ、その結果、タービン回転数
Ntの上昇が符号クのように緩やかとなって良好な変速
フィーリングが得られなくなるような場合に、タービン
回転数Ntが上昇を開始した符号イの時点の直後に、ベ
ース油圧Pbが符号サのように低く補正されるので、算
出油圧Psも符号シのように小さい値に求められ、その
結果、タービン回転数Ntの上昇が符号スのように早く
なって良好な変速フィーリングが得られることになる。
【0165】(2)再変速禁止制御 ところで、この種の自動変速機においては、1つ目の変
速指令が出力された直後に、例えばスロットル開度の急
変等により2つ目の変速指令が出力されることがある
が、この1つ目の指令に基づく変速動作が既に開始され
ている状態で、急遽2つ目の変速動作に移行すると、著
しい変速ショックが発生する場合がある。
【0166】そこで、このような事態を回避するため
に、所定の条件のもとで2つ目の変速動作への移行を禁
止する制御が図29に示すプログラムに従って行われ
る。
【0167】すなわち、まずステップS91で、1つ目
の変速指令が出力されれば、ステップS92で、その出
力時からの経過時間tを計測し、次いでステップS93
で、1つ目の変速指令に基づく変速動作が終了したか否
かを判定し、終了すればこの制御を終了する。また、1
つ目の変速指令に基づく変速動作が終了するまでは、ス
テップS94で、2つ目の変速指令が出力されたか否か
を判定し、この2つ目の変速指令が出力されるまでは、
上記ステップS92で経過時間tを計測しながら、ステ
ップS93で、1つ目の変速指令に基づく変速動作の終
了を待つ。
【0168】一方、1つ目の変速指令に基づく変速動作
が終了する前に2つ目の変速指令が出力された場合に
は、ステップS95で、その時点における経過時間tが
所定時間T6を超えているか否かを判定する。
【0169】そして、この所定時間T6を超えていない
場合は、いまだ1つ目の変速指令に基づく変速動作が開
始されていないものと判断されるので、ステップS96
で、目標変速段を2つ目の変速指令によるものに直ちに
切り換え、この2つ目の変速指令に基づく変速動作を開
始する(図30の符号タ参照)。これにより、変速指令
に対応した変速動作が応答性よく行われることになる。
【0170】これに対して、1つ目の変速指令に基づく
変速動作が終了する前に2つ目の変速指令が出力された
場合において、その時点における1つ目の変速指令の出
力時からの経過時間tが所定時間T6を超えている場合
は(図30の符号チ)、既に1つ目の変速指令に基づく
変速動作が開始されていると判断されるので、この場合
は、ステップS97で、その1つ目の変速指令に基づく
変速動作を完了させ、その後、目標変速段を2つ目の変
速指令によるものに切り換えて、この2つ目の変速指令
に基づく変速動作を開始する(図30の符号ツ参照)。
【0171】これにより、1つ目の変速動作の途中で急
遽2つ目の変速動作に移行することによる著しいショッ
クの発生が回避される。
【0172】(3)変速終了判定制御 このように、1つ目の変速指令が出力された後に別の変
速段への2つ目の変速指令が出力された場合には、先の
1つ目の変速動作が終了したときに、次の2つ目の変速
動作に移行することになる。したがって、この1つ目の
変速動作の終了を精度よく判定する必要が生じる。
【0173】従来より、一般に、この変速終了の判定
は、タービン回転数が変速後の回転数に略一致したとき
に、変速が終了したものと判定されていた。しかしなが
ら、すでに説明したように、摩擦要素の締結動作と解放
動作との二つの動作を伴うトルクディマンドのダウンシ
フト変速の場合には、解放側摩擦要素の解放動作の制御
によってタービン回転数が変速後の回転数にまで上昇し
てきたのであり、この時点でもう一方の締結側摩擦要素
の締結動作が完了しているとは限らず、この状態で変速
終了が判定されると、変速動作の途中で次の2つ目の変
速動作に移行することになり、変速ショックの問題が有
効に解消できないことになる。
【0174】そこで、この実施の形態においては、上記
のような事態を回避するために、特にダウンシフト変速
の場合に精度よく変速終了を判定するための制御が図3
1に示すプログラムに従って行われる。
【0175】すなわち、まずステップS101で変速指
令が出力されると、ステップS102でシフトフラグF
sを1にセットし、次いでステップS103で変速終了
時のタービン回転数Ntoを演算する。
【0176】次に、ステップS104で、この変速終了
時のタービン回転数Ntoに基づいて中間タービン回転
数Thを求める。これを具体的に説明すると、例えば4
−3変速や3−2変速、あるいは1−2変速や2−3変
速等のように一段変速の場合であれば、次式8に従っ
て、変速前のタービン回転数Ntと変速終了時のタービ
ン回転数Ntoとの中間の回転数を求める。
【0177】
【式8】 また、例えば4−1変速等のように飛び越し変速の場合
では、目的とする変速段の一つ手前の変速段(この設例
では2速)が達成されたときのタービン回転数Nto’
を求め、次式9に従って、この回転数Nto’と変速終
了時のタービン回転数Ntoとの中間の回転数を求め
る。
【0178】
【式9】 そして、次に、ステップS105で、ダウンシフト変速
か否かを判定し、ダウンシフト変速の場合は、ステップ
S106で、現時点でのタービン回転数Ntが上記中間
回転数Thよりも大きくなったことが判定されたとき
に、つまり変速動作が終了に近づいたときに、ステップ
S107に進んで、当該変速を主として支配するデュー
ティソレノイドバルブ、すなわち第1〜第3DSV12
1,122,123のいずれかのデューティ率が変速終
了時の状態になったか否かを判定する。この4−3変速
の場合であれば、フォワードクラッチ51を締結させる
第3DSV123が変速を主として支配するデューティ
ソレノイドバルブであり、該第3DSV123のデュー
ティ率が略0%になったかどうかを判定するのである。
【0179】そして、デューティ率がそのような変速終
了状態になっているときには、変速が終了したものと判
定して、ステップS108で、上記シフトフラグFsを
0にリセットする。つまり、解放側摩擦要素の解放動作
によって上昇してきたタービン回転数Ntが変速終了時
の状態になったことで変速が終了したものと判定するの
ではなく、実際に締結側摩擦要素の締結動作が完了した
ことをもって変速が終了したものと判定するのである。
これにより、変速終了の判定が誤って変速動作中に出さ
れることがなく、常に1つ目の変速動作が終了した後
に、次の2つ目の変速動作に移行することになる。
【0180】一方、上記ステップS105で、アップシ
フト変速と判定された場合は、ステップS109に進ん
で、ダウンシフト変速の場合とは逆に、現時点でのター
ビン回転数Ntが上記中間回転数Thよりも小さくなっ
たことが判定されたときに、つまり変速動作が終了に近
づいたときに、ステップS110に進んで、アップシフ
ト時の変速判定基準に合致しているか否かを判定し、該
基準に合致した場合にステップS108でシフトフラグ
Fsを0にリセットする。
【0181】このアップシフト時の変速判定基準は、タ
ービン回転変化率dNtがマイナスからプラスに転じた
こと、タービン回転変化率dNtの絶対値が変速中の値
の半分以下に減少したこと、タービン回転数Ntが変速
開始時の回転数から算出される変速終了時の回転数まで
低下したことであり、このいずれか1つが成立すること
によって変速終了と判定する。
【0182】すなわち、アップシフト変速では、一般
に、ダウンシフト変速とは逆に、締結側摩擦要素の締結
動作の制御によってタービン回転数を変速終了時の回転
数に低下させるので、該タービン回転数あるいはその変
化率に基づいて締結側摩擦要素の締結動作の状態が判定
できるのである。
【0183】なお、因に、この実施の形態における他の
ダウンシフト変速の場合の変速を主として支配するデュ
ーティソレノイドバルブ、及びその変速終了時のデュー
ティ率を列挙すると、4−2変速及び4−1変速では、
この4−3変速と同じく、第3DSV123のデューテ
ィ率が略0%になったこと、3−2変速及び3−1変速
では、第2DSV122のデューティ率が略100%に
なったこと、並びに2−1変速では、第1DSV121
のデューティ率が略100%になったこととなる。
【0184】(4)4−1変速制御 次に、トルクディマンドの4−1変速について説明す
る。この4−1変速は、2−4ブレーキ54及び3−4
クラッチ53の二つの摩擦要素を解放すると共に、フォ
ワードクラッチ51を締結することにより行われ、した
がって、第1DSV121によるサーボアプライ圧の排
出制御と、変速指令の出力後直ちに第1SV111をO
FFにすることにより、3−4シフトバルブ105によ
ってサーボリリースライン221と3−4クラッチライ
ン227とを連通させた状態での第2DSV122によ
る3−4クラッチ圧の排出制御と、第3DSV123に
よるフォワードクラッチ圧の供給制御とが行われる。こ
のとき、フォワードクラッチライン219とサーボリリ
ースライン221とは連通されていないから、フォワー
ドクラッチ圧の供給制御により、サーボリリース圧が供
給されることはない。
【0185】そして、このスロットル開度の増大による
トルクディマンドの4−1変速においては、ワンウエイ
クラッチ56の作動によって変速が完了するので、いず
れの作動圧についてもフィードバック制御は行われな
い。
【0186】このように、この4−1変速では、上記の
ように3−4クラッチ53と2−4ブレーキ54との二
つの摩擦要素を解放するのであるが、その場合に、この
実施の形態における変速歯車機構としての第1、第2の
遊星歯車機構30,40にあっては、2−4ブレーキ5
4を先に解放して3−4クラッチ53を後で解放するよ
うに動作させると次のような問題が生じる。
【0187】すなわち、この4−1変速で締結されるフ
ォワードクラッチ51は、図2に示すように、タービン
シャフト27と一体的に回転するフォワードクラッチ5
1のドラム51aと、第1遊星歯車機構30のサンギヤ
31と一体的に回転するフォワードクラッチ51のハブ
51bとが、複数のクラッチ板を介して締結されること
により、締結されるのであるが、その場合に、3−4ク
ラッチ53を締結状態にしたままで2−4ブレーキ54
を先に解放すると、上記ドラム51aの角加速度の向き
と、ハブ51bの角加速度の向きとが逆になるのであ
る。
【0188】その結果、図32に示すように、変速前
は、ドラム51aの回転(タービン回転)よりも、ハブ
51bの回転sの方が高かったものが、3−4クラッチ
53を締結状態に残したままで2−4ブレーキ54を解
放した後は、時間の経過と共に、ドラム51aの回転が
上昇する一方で、ハブ51bの回転sが低下して、ドラ
ム51aの回転の方が高くなり、ついにはハブ51bが
ドラム51aの回転とは逆方向に回転するようになるの
である。したがって、これらのドラム51aとハブ51
bとを例えば時間tdにおいて締結させたときには、ハ
ブ51bの回転sが符号uのように急激に変化し、その
結果、変速歯車機構内部の回転に大きな変動が生じて、
これが大きなトルクの引き込みとなり、最終的にフォワ
ードクラッチ圧を完全に作動させて該クラッチ51を締
結したときのショックとあわせて二段ショックが生じる
のである。
【0189】一方、これに対して、逆に、2−4ブレー
キ54を締結状態にしたままで3−4クラッチ53を先
に解放した場合には、ハブ51bの回転tが殆ど変化せ
ず、ドラム51aと逆方向に回転するようなこともな
い。したがって、この実施の形態においては、4−1変
速時には、3−4クラッチ53を先に解放して2−4ブ
レーキ54を後で解放するように動作させるのである。
【0190】なお、このようなドラム51a及びハブ5
1bの回転の現象は次のようにして説明できる。
【0191】すなわち、第1遊星歯車機構30のサンギ
ヤ31のピッチ半径をRfs及び回転数をNfs、リン
グギヤ34のピッチ半径をRfr及び回転数をNfr、
ピニオン32の回転数をNfcとし、一方、第2遊星歯
車機構40のサンギヤ41のピッチ半径をRrs及び回
転数をNrs、リングギヤ34のピッチ半径をRrr及
び回転数をNrr、ピニオン32の回転数をNrcとす
ると、次の遊星歯車の基礎式10及び11から、以下の
式12及び13が得られる。
【0192】
【式10】
【0193】
【式11】
【0194】
【式12】
【0195】
【式13】 ここで、この実施の形態における変速歯車機構のスケル
トン構造により、Nfc=Nrr、及びNfr=Nrc
であるから、次の式14,15及び16が得られる。
【0196】
【式14】
【0197】
【式15】
【0198】
【式16】 上記式15と式16を辺々足し、整理すると次の式17
が得られる。
【0199】
【式17】 3−4クラッチ53を解放して2−4ブレーキ54を締
結状態にしたときは、Nrs=0であるから、次の式1
8が得られ、これを整理すると式19が得られる。
【0200】
【式18】
【0201】
【式19】 したがって、第1遊星歯車機構30のサンギヤ31と一
体回転するハブ51bの回転Nfsは、タービン回転に
は無関係である。
【0202】一方、2−4ブレーキ54を解放して3−
4クラッチ53を締結状態にしたときは、タービン回転
数をNtとすると、Nfr=Ntであるから、上記式1
2より次の式20、及び式21が得られる。
【0203】
【式20】
【0204】
【式21】 4速のときは、タービン回転数Nt=Nrc=Nfrで
あるから、上記式13より次の式22が得られる。
【0205】
【式22】 また、1速のときは、Nfr=0、及びNfs=Ntで
あるから、上記式12より次の式23が得られる。
【0206】
【式23】 このようにして求めた上記式19、式21、式22、式
23をグラフ表示したものが、それぞれ図32における
符号t、符号s、符号v、符号wである。
【0207】なお、このとき、各ギアのピッチ半径を次
の表3のように設定し、かつ、変速中は車速の変化が無
いもの(Nfc=1)とした。
【0208】
【表3】 以下、各DSV121〜123の制御について説明す
る。
【0209】(4−1)第2DSV122の制御 第2DSV121による3−4クラッチ圧及びサーボリ
リース圧の排出制御は図33に示すプログラムに従って
行われるが、この制御は、変速指令が出力されたとき
に、ステップS121,S122で、第2DSV122
に出力するデューティ率を0%から100%まで、一定
の割合で増加させるだけであり、これにより、図37に
示すように、3−4クラッチ圧が一定の勾配で比較的速
やかに排出される。
【0210】(4−2)第1DSV121の制御 また、第1DSV121によるサーボアプライ圧の排出
制御は、図34に示すプログラムに従って行われ、ま
ず、ステップS131で算出油圧Psを求めると共に、
ステップS132でタービン回転数Ntが変速終了直前
回転数まで上昇したか否かを判定し、この回転数に上昇
するまでは、ステップS133で、上記算出油圧Psに
対応するデューティ率の信号を第1DSV121に出力
する。
【0211】その場合に、上記算出油圧Psは、図35
に示すように、変速前のタービン回転数Nt′が高いほ
ど低くなるように設定されたマップに基づいて算出さ
れ、この算出油圧Psに対応するデューティ率で図37
に示すように第1DSV121によるサーボアプライ圧
の制御が行われることにより、2−4ブレーキ54が適
度なスリップ状態に保たれる。つまり、3−4クラッチ
53を速やかに解放した上で、2−4ブレーキ54をス
リップさせることにより、タービン回転数Ntを円滑に
上昇させるのである。
【0212】そして、このタービン回転数Ntが上記の
変速終了直前回転数まで上昇すれば、ステップS13
4,S135に従って、デューティ率を100%になる
まで一定割合で増加させる。これにより2−4ブレーキ
54が完全に解放される。
【0213】(4−3)第3DSV123の制御 一方、第3DSV123によるフォワードクラッチ圧の
供給制御は、図36に示すプログラムに従って行われ
る。
【0214】まず、ステップS141で、算出油圧Ps
を求める一方、プリチャージ期間中(Fp=1)は、ス
テップS142,S143に従って、第3DSV123
のデューティ率を0%とし、フォワードクラッチ51の
油圧室に通じる油路に作動油を速やかに充満させる。
【0215】また、このプリチャージ期間が終了すれば
(Fp=0)、ステップS144で、タービン回転数N
tが変速終了直前回転数まで上昇したか否かを判定し、
この回転数に上昇するまでの間、ステップS145で算
出油圧Psに対応するデューティ率を第3DSV123
に出力する。その場合に、この算出油圧Psがフォワー
ドクラッチ51を締結直前の状態に保持する油圧である
点は、4−3変速の場合と同様である。
【0216】そして、タービン回転数Ntが上記変速終
了直前回転数まで上昇した時点で、ステップS146,
S147に従い、デューティ率を一定割合で0%まで減
少させる。
【0217】これにより、フォワードクラッチ圧は、図
37に示すように、2−4ブレーキ54のスリップ制御
中は締結直前の状態となる油圧に保持されると共に、タ
ービン回転数Ntが変速終了直前回転数まで上昇した時
点で、速やかに上昇され、これに伴ってフォワードクラ
ッチ51が完全に締結される。
【0218】なお、上記ステップS144における判定
に代えて、図32の時間tc、すなわち、フォワードク
ラッチ51のドラム51aとハブ51bの回転が一致し
たときに、フォワードクラッチ51を締結させるように
してもよい。これによれば、フォワードクラッチ51の
締結が滑らかとなり、変速ショックがさらに抑制される
ことになる。
【0219】(B)コーストダウン変速 次に、スロットル開度が全閉状態で行なわれるダウンシ
フト変速として、コーストダウンの4−3変速を例に取
って説明する。
【0220】一般に、ダウンシフト変速としては、前述
のスロットル開度の増大に伴うトルクディマンドのダウ
ンシフト変速とは別に、スロットル開度全閉の状態での
マニュアル操作もしくは車速の低下によるコーストダウ
ン変速があり、そのうち、特にフォワードクラッチ51
を締結させる4−3変速は、特殊な制御が要求される。
【0221】つまり、トルクディマンドのダウンシフト
変速においては、解放側摩擦要素(4−3変速の場合に
は2−4ブレーキ54)の締結力を制御することによ
り、タービン回転数Ntを加速中のエンジン回転に伴わ
せて変速後の回転数Nt0に円滑に上昇させるのに対
し、コーストダウン変速では、締結側摩擦要素の締結動
作を制御することによって、タービン回転数Ntを車輪
側からの逆駆動の回転に引き摺らせて上昇させることに
なり、4−3変速の場合には、これをフォワードクラッ
チ51の締結制御で行うことになる。
【0222】(1)コーストダウン4−3変速制御 このコーストダウン変速時の第3DSV123によるフ
ォワードクラッチ圧の供給制御は図38に示すプログラ
ムに従って行われ、まず、ステップS151,S152
でベース油圧Pb、及びフィードバック油圧Pfbを算
出すると共に、ステップS153でこれらを加算して算
出油圧Psを求める。
【0223】次に、ステップS154,S155に従っ
て、Fp=1の間、プリチャージ制御を行い、その後、
Fp=0となれば、S156で、変速が終了し、もしく
はバックアップタイマの設定時間T7が経過したか否か
を判定し、それまでの間、ステップS157で、上記の
ようにして求めた算出油圧Psに対応するデューティ率
の信号を第3DSV123に出力する。また、上記設定
時間T7が経過すれば、ステップS158,S159
で、デューティ率が0%になるまで、該デューティ率を
一定割合で減算しながら出力する。
【0224】ここで、上記ステップS151,S152
のベース油圧Pb及びフィードバック油圧Pfbの計算
は、トルクディマンドの4−3変速時における第1DS
V121によるサーボアプライ圧のフィードバック制御
時のプログラム(図15、図18参照)と同様のプログ
ラムに従って行われる。
【0225】これにより、図39に示すように、フォワ
ードクラッチ圧が制御されて、その間にタービン回転数
Ntが車輪側からの逆駆動の回転に引き摺られて上昇す
ることになる。
【0226】(2)低車速時のコーストダウン4−3変
速制御 前述したように、ダウンシフト変速時には、解放側又は
締結側の摩擦要素の締結力を制御することにより、ター
ビン回転数を変速後の回転数まで上昇させるのである
が、例えばこの4−3変速が低車速時に行なわれる場合
は、高車速時に行なわれる場合に比べて変速後のタービ
ン回転数が小さくなることになる。
【0227】一方、この実施の形態においては、エンジ
ンの吸気系にバイパス通路が配設され、このバイパス通
路に、アクセルペダルと連動するスロットル弁とは別に
バイパスバルブが設けられて、該バイパスバルブの開度
をスロットル開度の全閉時には自動制御することによ
り、エンジンのアイドル回転数を負荷に応じて増減制御
するエンジンのISC制御が行なわれるようになってい
る。これにより、例えばキャビン内でエアコン等がオン
されると、その電気負荷の増大に伴ってアイドル回転数
が上昇するようになる。
【0228】その結果、このコーストダウン4−3変速
が低車速時に行なわれ、かつ、上記のようなISC制御
が実行中であると、該ISC制御で増大されたエンジン
のアイドル回転数よりも、変速後のタービン回転数が小
さくなる場合が生じる。
【0229】さらに、低車速時は、車輪側からの逆駆動
の回転数も小さくなっているので、この車輪側からの回
転に引き摺らせてタービン回転数を上昇させることより
も、トルクディマンドの変速時の場合のように、エンジ
ン回転に伴わせて上昇させる方が合理的であり、燃費性
能の向上が図れる。
【0230】そこで、この実施の形態においては、4−
3変速指令が出力されたときに、まず図40に示すプロ
グラムに従って、ステップS161で、スロットル開度
が所定値C5以下か否かを判定し、NOの場合、つまり
アクセルペダルが踏み込まれている場合は、ステップS
162に進んで前述のトルクディマンドの4−3変速制
御を行ない、YESの場合、つまりアクセルペダルが略
全閉の状態であるときは、ステップS163で、車速V
が所定値C6以下か否かを判定する。
【0231】そして、NOの場合、つまり高車速時は、
ステップS164に進んで上記(1)の一般的なコース
トダウン4−3変速制御を行なう一方で、YESの場
合、すなわち低車速時で、変速後のタービン回転数が、
エンジンのISC制御による目標アイドル回転数よりも
小さくなるような場合には、ステップS165に進ん
で、トルクディマンドの4−3変速制御に似た仕様でこ
の4−3変速を実行するようになっている。以下、この
低車速時のコーストダウン4−3変速制御について説明
する。
【0232】(2−1)第1DSV121の制御 スロットル開度が全閉状態であっても、低車速時には、
第1DSV121でサーボアプライ圧を制御することに
よって2−4ブレーキの解放動作を制御し、車輪側から
の逆駆動の回転ではなく、エンジンのアイドル回転に伴
わせてタービン回転数を上昇させる。
【0233】この第1DSV121の制御は、図13の
トルクディマンドの場合の制御と基本的に略同様であ
り、図41に示すプログラムに従って、まずステップS
171,S172でベース油圧Pb、及びフィードバッ
ク油圧Pfbを算出すると共に、ステップS173でこ
れらの油圧Pb、Pfbを加算して算出油圧Psを求め
る。
【0234】なお、この場合、上記ベース油圧Pbにつ
いては、トルクディマンドの場合のようにタービントル
ク等に応じて求めるのではなく、図42に示すように、
車速Vに応じて算出される。このとき、車速Vが低くな
るほど算出されるベース油圧Pbは大きくなるように設
定されている。これは、車速Vが低くなるほど、タービ
ン回転数とエンジン回転数との差が大きくなり、したが
ってタービン回転を持ち上げようと作用する力の程度が
大きくなるので、これに抗して2−4ブレーキ54を良
好にスリップさせ始めるためである。
【0235】また、フィードバック油圧Pfbは、フィ
ードバックフラグFfが1にセットから実体的な値が算
出されるのであるが、このコーストダウン変速時におけ
るフィードバック制御の開始判定制御、換言すれば上記
フィードバックフラグFfの値を求める制御は、トルク
ディマンドの場合の図22に示すプログラムとは異な
り、図43に示すプログラムに従って行なわれる。すな
わち、コーストダウン変速では、スロットル開度が全閉
の状態であり、したがって、図44に符号テで示すよう
に、エンジン及び変速機のローリングによってタービン
回転数Ntが見掛けのうえで上昇する虞が比較的少ない
ので、ステップS181で、タービン回転変化率dNt
が所定値C1を超えたとき(図44の符号ト)、あるい
はステップS183で、変速指令の出力時にセットされ
たバックアップタイマの設定時間T4が経過したときに
は、直ちにステップS182でフィードバックフラグF
fを1にセットするのである。
【0236】そして、図41のステップS174,S1
75で、変速指令の出力後、所定の時間T8が経過する
まで、第1DSV121のデューティ率を0%の状態に
保持し、所定時間T8が経過すれば、今度はステップS
176,S177で、タービン回転数Ntが変速終了直
前回転数まで上昇したのちさらに所定時間T9が経過す
るまで、上記算出油圧Psに対応するデューティ率を第
1DSV121に出力する。そして、上記時間T9が経
過すれば、ステップS178,S179で、デューティ
率を再び一定割合で0%に戻すのである。
【0237】(2−2)第3DSV123の制御 一方、低車速時のコーストダウン4−3変速では、第3
DSV123のフォワードクラッチ圧制御でタービン回
転数をフィードバック制御することは行なわない。
【0238】この第3DSV123の制御は、図20の
トルクディマンドの場合の制御と基本的に略同様の流れ
であり、図45に示すプログラムに従って、まずステッ
プS191で保持油圧Phを算出したのち、ステップS
192,S193で、プリチャージフラグFpが1にセ
ットされるまで、第3DSV123のデューティ率を0
%として、フォワードクラッチ51の油圧室及び2−4
ブレーキ54の解放室54bに通じる油路のプリチャー
ジを行なう。
【0239】なお、この場合の上記保持油圧Phとは、
トルクディマンドの場合の算出油圧Psと同様、フォワ
ードクラッチ51におけるスプリングに相当する油圧で
あって、この油圧Phがフォワードクラッチ51の油圧
室に供給された状態では、該クラッチ51のピストンが
締結直前の状態に保持されることになる。
【0240】そして、プリチャージフラグFpが0にリ
セットされると、ステップS194で、第1に、タービ
ン回転数Ntが変速終了直前回転数まで上昇したか否
か、第2に、フィードバックフラグFfが1になった時
(図43のステップS182)にセットされたバックア
ップタイマの設定時間T11が経過したか否か、又は、
第3に、タービン回転変化率dNtが所定値C7を超え
たか否かを判定し、これら3つの条件のうちの少なくと
もいずれか一つが満足されるまでは、ステップS195
で、上記保持油圧Phに対応するデューティ率の信号を
第3DSV123に出力する。そして、上記条件の少な
くともいずれか一つが満足された時点で、ステップS1
96,197に従って、デューティ率を一定割合で0%
まで減少させるのである。
【0241】ここで、上記ステップS194における各
判定条件の意義について図46のタイムチャートを参照
しながら説明する。
【0242】まず、第1の条件は、図20のステップS
44に示すトルクディマンドの場合と同様、タービン回
転数Ntが実際に変速終了時の回転数Ntoに近づいた
ときにフォワードクラッチ51を締結させるものであ
り、この場合は、図46において、フォワードクラッチ
圧Fwは符号Xの時点で立ち上がる。
【0243】一方、第2の条件は、タービン回転数Nt
が上昇を開始してから設定時間T11経過後には、必ず
フォワードクラッチ51の締結動作を開始させるもので
あり、この場合は、図46において、フォワードクラッ
チ圧Fwは例えば符号Yの時点で立ち上がる。
【0244】なお、このとき、車速Vが低いときほど、
また、急激なブレーキングの結果、車速Vの変化率、つ
まり減速度が大きいときほど、図46に鎖線mで示すよ
うに、変速後のタービン回転数Ntoが小さくなって、
変速時間が短くなるので、上記時間T11は、変速指令
の出力時の車速Vが低いほど、またその減速度が大きい
ほど、図中に鎖線で示すように短くなるように設定す
る。これにより、フォワードクラッチ51の締結動作の
遅れが回避されることになる。
【0245】そして、第3の条件は、このような急激な
ブレーキングの結果、変速時間が極端に短くなって、上
記の変速終了直前回転数やバックアップタイマが意味を
なさず、有効に機能を果たすことができなくなった場合
に対処するものであり、タービン回転数Ntが符号トで
示すように上昇を開始した時と殆ど同時にフォワードク
ラッチ51を締結し始めるものである。
【0246】したがって、この図45のプログラムのよ
うに、常にこれら3つの判定条件のいずれか一つが満足
したときに、フォワードクラッチ圧Fwを立ち上げるよ
うにしてもよく、あるいは、車速Vもしくは減速度に応
じて条件を選択するようにしてもよい。
【0247】また、このコーストダウン変速制御の趣旨
から、図40におけるステップS163の所定値C6
は、変速後のタービン回転数Ntoがエンジン回転数N
eよりも低くなるような車速に設定されるのであるが、
この場合のエンジン回転数Neは、変速直前のエンジン
回転数、変速中のエンジン回転数、もしくは変速後のエ
ンジン回転数のいずれと比較してもよい。
【0248】ただし、変速前のエンジン回転数を比較に
用いる場合であって、特に減速度が大きいときは、スロ
ットル開度が全閉となってから変速指令が出力されるま
での間に、該エンジン回転数も比較的大きく低下してい
るので、その減速度に応じて上記エンジン回転数を補正
することが好ましい。これにより、このコーストダウン
変速制御がさらに良好に行なわれることになる。
【0249】したがって、この(2)の項の冒頭でも述
べたように、一般に、ダウンシフト変速時にはタービン
回転数を変速後の回転数まで上昇させる制御を行なうの
であるが、摩擦要素の掛け替え動作を伴う場合におけ
る、上記制御を解放側摩擦要素の解放動作で行なうのか
又は締結側摩擦要素の締結動作で行なうのかの判断は、
上記図40のプログラムのようにスロットル開度及び車
速で判定する以外にも、変速後のタービン回転数とエン
ジン回転数とを直接比較することによっても判定するこ
とができる。
【0250】次に、この場合の制御動作を図47に示す
フローチャートに従って説明する。まず、4−3変速指
令が出力されたときに、ステップS201,S202,
S203で、それぞれエンジン回転数Ne、変速後のタ
ービン回転数Nt、及び減速度Gを検出したのち、ステ
ップS204で、この減速度Gが例えば急激なブレーキ
ング等が行なわれて所定値C8より大きいか否かを判定
する。
【0251】そして、減速度Gが所定値C8より大きい
ときは、ステップS205で、エンジンのアイドル回転
数をエンジン回転数Neとしたうえで、ステップS20
6で、変速後タービン回転数Ntがこのエンジン回転数
Neより小さいか否かを判定する。一方、減速度Gが所
定値C8以下のときには、上記ステップS201で検出
したエンジン回転数NeをそのままこのステップS20
6の比較に用いる。
【0252】その結果、変速後のタービン回転数Ntが
エンジン回転数Ne以上の場合には、ステップS207
でトルクディマンドの変速制御を行ない、逆に変速後の
タービン回転数Ntがエンジン回転数Ne未満の場合に
は、ステップS208で一般のコーストダウンの変速制
御を行なうことになる。
【0253】(C)変速後タービン回転数の補正制御 以上説明したように、ダウンシフトの変速制御において
は、変速動作の終了直前におけるイナーシャフェーズか
らトルクフェーズへの移行時期を、タービン回転数Nt
が変速後の回転数Nt0より所定値ΔNt低い回転数
(変速終了直前回転数)まで上昇した時点に設定してい
るが、このように、変速終了後の回転数Nt0を制御に
用いる場合、これをどのように設定するかが問題とな
る。
【0254】つまり、変速動作中、車速即ち変速機の出
力回転数が一定であれば、変速前のタービン回転数をN
ti、変速前のギヤ比をGi、変速後のギヤ比をGfと
したとき、変速後のタービン回転数Ntf(=Nt0
は、次式24で求められるが、トルクディマンドのダウ
ンシフト変速時のように、変速動作が加速状態のもとで
行われる場合、この変速中の車速の増加分を考慮して変
速終了後のタービン回転数を補正する必要があるのであ
る。
【0255】
【式24】Ntf=Nti×(Gf/Gi) この加速による変速後タービン回転数Ntfの補正は、
変速直前のタービン回転変化率dNt0に応じた増加分
Ntf1と、変速動作中におけるタービントルクTtの
増加に応じた増加分Ntf2とに分けて考えることがで
き、それぞれ式25、式26で求められる。
【0256】
【式25】Ntf1=dNt0×t×(Gf/Gi)
【0257】
【式26】Ntf2=[∫{(Tt−Tti)−I×
(dNt−dNti)}dt]×C ここで、式25におけるtはタービン回転変化率dNt
が所定値dNtxを超えた時点(変速動作の開始時点)
から現時点までの経過時間である。また、式26におけ
るTtiは変速直前のタービントルク、dNtiは変速
直前のタービン回転変化率であり、また、係数Iはター
ビンの慣性質量、係数CはタービントルクTtをタービ
ン回転変化率dNtに換算する係数であって、次式27
で示されるものである。
【0258】
【式27】 C=(60×Gi×Gf×GF2)/(2πR2×M) ここで、GFは当該車両の終減速比、Rは有効タイヤ半
径、Mは車両重量である。
【0259】上記式25は、変速によるギヤ比の変化が
ないものとしたときに、変速直前のタービン回転変化率
dNt0により変速動作の開始時から現時点までに増加
するタービン回転数(dNt0×t)を、変速前後のギ
ヤ比Gi,Gfの比を用いて変速後の回転数の増加分に
換算したものである。
【0260】また、式26は、変速動作の開始時のター
ビントルクTtiに対する現時点のタービントルクの増
加分[Tt−Tti]から、タービンの回転変化に費や
された分[I×(dNt−dNti)]を差し引き、そ
の残りのトルクが車速の増加に寄与したものとして、こ
の車速の増加分からタービン回転数の増加分を求めるも
のである。
【0261】そして、次式28に示すように、式1で算
出した変速後のタービン回転数Ntfをベース回転数N
tf0とし、これを上記の各タービン回転数増加分Nt
f1,Ntf2を用いて補正することにより、変速後の
タービン回転数Ntfを求めのである。
【0262】
【式28】Ntf=Ntf0+Ntf2+Ntf2 次に、この変速後タービン回転数の補正制御の具体的動
作を図48に示すプログラムにしたがって説明する。
【0263】まず、変速指令が出力された後に、初めて
このプログラムに入ったときは、ステップS211から
S212に移って、イニシャライズとして、カウンタi
をリセットすると共に、その時点のタービン回転数Nt
及びタービントルクTtを、変速前のそれぞれの値Nt
i,Ntiとしてセットし、また、その変速前タービン
回転数Ntiから変速後のベースタービン回転数Ntf
0を算出する。
【0264】次に、ステップS213で、上記カウンタ
iに1を加算すると共に、ステップS214で、該カウ
ンタ値iが所定値i0より大きくなったか否かを判定す
る。つまり、変速指令の出力後、所定時間が経過したか
否かを判定するのである。
【0265】そして、この所定時間が経過する前は、さ
らにステップS215で、タービン回転変化率dNtが
所定値dNtxより大きくなったか否か、即ち、変速動
作が開始されてタービン回転数Ntの上昇が開始された
か否かを判定し、その開始前は、ステップS216で、
その時点のタービン回転変化率dNtを変速直前変化率
dNtiに設定すると共に、第1、第2補正量、即ち前
述の式25、式26で求められるタービン回転数の増加
分Ntf1,Ntf2をいずれも0とする。
【0266】その後、変速指令の出力後、所定時間が経
過し、又はタービン回転変化率dNtが所定値dNtx
より大きくなると、ステップS217に進んで、現時点
で算出される変速後のタービン回転数の補正量Ntf
1,Ntf2を算出する。なお、図中、このステップS
217において、Tsとは当該プログラムの制御サイク
ルである。そして、次にステップS218でこの補正量
Ntf1,Ntf2を変速後のベースタービン回転数N
tf0に加算することにより、変速後のタービン回転数
Ntfが求められることになる。
【0267】なお、このようにして求められた変速後の
タービン回転数は、例えば前記図47のステップS20
2等において用いられることになる。
【0268】
【発明の効果】以上のように、本願の第1発明によれ
ば、解放側摩擦要素である第1の摩擦要素の締結力の制
御によって変化するタービン回転数に基づいて変速の終
了が判定されるのではなく、もう一方の締結側摩擦要素
である第2の摩擦要素の変速動作中における締結状態に
よって変速の終了が判定されるので、第2の摩擦要素の
締結前に変速終了が誤って判定されることが回避され
る。
【0269】また、第2発明又は第3発明によれば、第
2の摩擦要素の締結状態が、該摩擦要素に供給されてい
る作動圧の大きさから、あるいは該摩擦要素に対する作
動圧の供給を制御するデューティーソレノイドバルブの
作動状態からそれぞれ検出される。
【0270】また、第4発明によれば、特に、変速中に
別の変速段への変速指令があった場合に、当該変速が終
了するまで別の変速段への変速を規制する制御が適正に
機能することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る自動変速機の機械
的構成を示す骨子図である。
【図2】 同自動変速機の変速歯車機構部の構成を示す
断面図である。
【図3】 油圧制御回路の回路図である。
【図4】 2−4ブレーキの油圧アクチュエータの構成
を示す断面図である。
【図5】 同油圧制御回路における各ソレノイドバルブ
に対する制御システム図である。
【図6】 図3の油圧制御回路の1速の状態を示す要部
拡大回路図である。
【図7】 同じく2速の状態を示す要部拡大回路図であ
る。
【図8】 同じく3速の状態を示す要部拡大回路図であ
る。
【図9】 同じく4速の状態を示す要部拡大回路図であ
る。
【図10】 同じくLレンジ1速の状態を示す要部拡大
回路図である。
【図11】 同じく後退速の状態を示す要部拡大回路図
である。
【図12】 ダウンシフト時のタービン回転数のフィー
ドバック制御の説明図である。
【図13】 4−3変速時における第1DSVの動作を
示すフローチャートである。
【図14】 同変速動作による各データの変化を示すタ
イムチャートである。
【図15】 同変速時におけるベース油圧の計算の動作
を示すフローチャートである。
【図16】 上記計算動作に用いられるマップ図であ
る。
【図17】 同じく上記計算動作に用いられるマップ図
である。
【図18】 同変速時におけるフィードバック油圧の計
算の動作を示すフローチャートである。
【図19】 上記計算動作に用いられるマップ図であ
る。
【図20】 4−3変速時における第3DSVの動作を
示すフローチャートである。
【図21】 同変速時におけるフィードバック制御の開
始を判定する際の問題点の説明図である。
【図22】 同変速時におけるフィードバック制御の開
始を判定するフローチャートである。
【図23】 同変速時におけるプリチャージ制御の動作
を示すフローチャートである。
【図24】 上記プリチャージ制御に用いられるマップ
図である。
【図25】 同じく上記プリチャージ制御に用いられる
マップ図である。
【図26】 同変速動作による各データの別の変化を示
すタイムチャートである。
【図27】 同変速時における算出油圧の補正制御のフ
ローチャートである。
【図28】 上記補正制御の作用を説明するタイムチャ
ートである。
【図29】 再変速禁止制御のフローチャートである。
【図30】 上記禁止制御の作用を説明するタイムチャ
ートである。
【図31】 変速終了判定制御のフローチャートであ
る。
【図32】 4−1変速時の問題点を説明するタイムチ
ャートである。
【図33】 4−1変速時における第2DSVの動作を
示すフローチャートである。
【図34】 同変速時における第1DSVの動作を示す
フローチャートである。
【図35】 同変速時におけるベース油圧の計算に用い
られるマップ図である。
【図36】 同変速時における第3DSVの動作を示す
フローチャートである。
【図37】 同変速動作による各データの変化を示すタ
イムチャートである。
【図38】 コーストダウン4−3変速時における第3
DSVの動作を示すフローチャートである。
【図39】 同変速動作による各データの変化を示すタ
イムチャートである。
【図40】 4−3変速指令出力時の制御モード選択動
作のフローチャートである。
【図41】 低車速時コーストダウン4−3変速時にお
ける第1DSVの動作を示すフローチャートである。
【図42】 同変速時におけるベース油圧の計算に用い
られるマップ図である。
【図43】 同変速時におけるフィードバック制御の開
始判定動作を示すフローチャートである。
【図44】 上記判定動作の説明図である。
【図45】 同変速時における第3DSVの動作を示す
フローチャートである。
【図46】 同変速動作による各データの変化を示すタ
イムチャートである。
【図47】 4−3変速指令出力時の別の制御モード選
択動作のフローチャートである。
【図48】 ダウンシフト変速後のタービン回転数の計
算の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 自動変速機 30,40 変速歯車機構 51〜55 摩擦要素 300 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤 研司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速歯車機構と、作動圧の給排により選
    択的に締結されて上記変速歯車機構の動力伝達経路を切
    り換える複数の摩擦要素と、これらの摩擦要素に対する
    作動圧の給排を制御することにより複数の変速段を達成
    すると共に、第1の摩擦要素を解放して第2の摩擦要素
    を締結する変速時には、該変速動作中におけるタービン
    回転数が所定の目標回転数に近づくように上記第1の摩
    擦要素の締結力を制御する変速制御手段とを有する自動
    変速機の制御装置であって、変速動作中における第2の
    摩擦要素の締結状態を検出する締結状態検出手段と、該
    検出手段の検出結果に基づいて、当該変速の終了を判定
    する変速終了判定手段とが備えられていることを特徴と
    する自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 締結状態検出手段は、第2の摩擦要素に
    供給されている作動圧の大きさから該摩擦要素の締結状
    態を検出することを特徴とする請求項1に記載の自動変
    速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 締結状態検出手段は、第2の摩擦要素に
    対する作動圧の供給を制御するデューティーソレノイド
    バルブの作動状態から該摩擦要素の締結状態を検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装
    置。
  4. 【請求項4】 変速中に別の変速段への変速指令があっ
    たときには、当該変速が終了するまで別の変速段への変
    速を規制する変速規制手段と、上記変速終了判定手段が
    変速の終了を判定したときに、上記規制手段の変速規制
    を解除する変速規制解除手段とが備えられていることを
    特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
JP8103872A 1996-03-31 1996-03-31 自動変速機の制御装置 Pending JPH09269054A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007147067A (ja) * 2005-10-26 2007-06-14 Toyota Motor Corp 自動変速機の変速制御装置
JP2009008196A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Denso Corp 自動変速機の制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007147067A (ja) * 2005-10-26 2007-06-14 Toyota Motor Corp 自動変速機の変速制御装置
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