JP2008105497A - フードロック機構を備える車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フードFは、フードスキン10およびストライカ部材45とそれぞれ連結部C1および連結部C2,C3で連結されるフードフレーム20と、フードスキン10およびフードフレーム20とそれぞれ連結部C5および連結部C4で連結されるレインフォース30とを備える。フードフレーム20は、連結部C1と連結部C2,C3との間に弛み部26を有し、該弛み部26に連結部C4がある。走行中の自動車に衝突体Aが衝突したとき、該衝突に起因する荷重によりストライカ部材45が変位したとしても、その変位に追随して弛み部26が伸長するので、ストライカ部材45の破断が防止される。
【選択図】図3
Description
請求項2記載の発明は、車体に対して開閉可能なフードと、前記車体に設けられる係合部と前記フードに設けられる被係合部との係合により前記フードを閉状態に維持するフードロック機構と、を備える車両において、前記フードは、前記フードの外形を形成するフード本体と、前記フード本体の内側に設けられて前記フード本体および前記被係合部とそれぞれ第1フード側連結部および第1係合側連結部で連結される第1連結部材と、前記フード本体の内側に設けられて前記フード本体および前記第1連結部材とそれぞれ第2フード側連結部および第2係合側連結部で連結される第2連結部材とを備え、前記第1連結部材は、前記第1フード側連結部と前記第1係合側連結部との間に曲がり形状を有する弛み部を有し、前記第2係合側連結部は前記第1フード側連結部と前記第1係合側連結部との間にあり、走行方向とは正反対の反走行方向の荷重が前記係合部と係合状態にある前記被係合部に作用して前記被係合部が変位するとき、前記弛み部が伸長する車両である。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の車両において、前記フード本体と前記弛み部とが補助連結部で連結されるもの、または請求項2記載の車両において、前記第2係合部側連結部が前記弛み部にあるものである。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の車両において、前記第2係合側連結部は、前記第1フード側連結部と前記弛み部との間にあるものである。
請求項5記載の発明は、請求項2から4のいずれか1項記載の車両において、すべての前記連結部のうち、前記弛み部の伸長時に前記補助連結部または前記第2係合側連結部のみが破断するものである。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項記載の車両において、前記弛み部は、前記フード本体の内側において前記フード本体に近づく方向に突出して曲がっているものである。
請求項2記載の発明によれば、弛み部を有する第1連結部材および第2連結部材を備えるフードを備える車両において、例えば走行中の車両に衝突体が衝突したとき、弛み部が伸長することにより、被係合部に作用する荷重が低減して、被係合部または第1係合側連結部が破断することが防止され、請求項1記載の発明と同様の効果が奏される。そのうえ、第1連結部材は、被係合部または第1係合側連結部の破断を防止する手段である弛み部が位置する第1フード側連結部と第1係合側連結部との間で、第2連結部材を介してフード本体と連結されるので、被係合部が連結されると共に弛み部を有する第1連結部材とフード本体との間の剛性が高められて、フードロックを行うときの操作荷重によるフード本体の変形を防ぐと共に、弛み部があるにも拘わらす、車両の走行時に、フードロック機構によりフードが安定して閉状態に維持される。
請求項3記載の事項によれば、弛み部が補助連結部でフード本体に連結され、または弛み部が第2連結部材を介してフード本体に連結されるので、弛み部の剛性が高められて、弛み部があるにも拘わらす、車両の走行時に、フードロック機構によりフードが安定して閉状態に維持される。
請求項4記載の事項によれば、第1連結部材は、弛み部がある第1フード側連結部と第1係合側連結部との間において、弛み部を挟んで第1係合側連結部とは反対側の位置で、第2連結部材を介してフード本体と連結されるので、第1連結部材における第1フード側連結部と第1係合側連結部との間の剛性が高められて、フードロックを行うときの操作荷重によるフード本体の変形を防ぐと共に、車両の走行時に、フードロック機構によりフードが安定して閉状態に維持される。しかも、弛み部の伸長時に、弛み部が第2係合側連結部または第2連結部材により制約されることなく伸長して、係合部と被係合部との係合状態が維持される。
請求項5記載の事項によれば、弛み部の伸長時に、すべての連結部のうちで、補助連結部のみ、または第1フード側連結部と第1係合部側連結部との間にある第2係合側連結部のみが破断するので、弛み部または第1フード側連結部と第1係合部側連結部の間での連結部材または第1連結部材の一層の伸長が可能になって、より大きな変位が被係合部に生じる場合にも、被係合部または係合側連結部が破断することが確実に防止される。
請求項6記載の事項によれば、弛み部はフード本体に近づく方に突出するので、弛み部が設けられたことによりフードの内側に形成される空間が減少するのが回避される。
図1〜図4は、第1実施形態を説明する図である。
図1,図3を参照すると、本発明が適用された車両としての自動車は、車体と、該車体の一部分である前部(以下、「車体前部」という。)1に搭載されたエンジンが収納される収納空間としてのエンジンルーム2を車体前部1と共に形成するフードFと、車体前部1に設けられるラッチ機構41とフードFに設けられるストライカ部材45との係合により車体前部1に対して開閉可能なフードFを閉状態に維持するフードロック機構40とを備える。フードFは、その後端部Fbと車体前部1とを連結する連結機構としてのヒンジ機構(図示されず)により、上下方向に回動可能に、かつ開閉可能に、車体前部1に取り付けられる。また、図3には、フードFの地上高が比較的高い自動車の車体前部1の構成部材の一部であるフロントグリル3およびフロントバルクヘッド4が示されている。
ここで、フードFに関して、内側とはエンジンルーム2側を意味する。
また、フードフレーム20の後端部22において車幅方向(または左右方向)での両端部には、前記ヒンジ機構が取り付けられる取付座25が設けられる。
フードスキン10およびフードフレーム20の前端部11,21は、各前縁部11a,21aにおいて、結合手段としてのヘミング加工により結合された第1フード側連結部C1で連結される。
ここで、側断面とは、車幅方向に直交する平面での断面を意味する。
そして、弛み部26の長さは、荷重Bによりストライカ46が後方および下方に変位するとき、ストライカ部材45とラッチ43との係合状態が維持される長さに設定される。
連結部C4は、前端部21において、連結部C1と連結部C2との間にあり、この実施形態では、弛み部26にある。そして、該連結部C4は、弛み部26において、前後方向で、前寄りの部位、または両連結部C1,C2に対して連結部C1寄りの部位にある。
なお、図4に示される例では、ストライカ46または連結部C2の変位量は、下方への変位量が後方への変位量よりも大きいが、後方への変位量が下方への変位量よりも大きい場合もある。
図4を参照すると、フードFおよびフードロック機構40を備える自動車が走行中に、フードFの下方で衝突体Aが車体前部1に衝突したとき、衝突体Aは、フードFの下方で後方に向かって進入して、フロントバルクヘッド4およびラッチ機構41を後方に変位させる。なお、図4には、衝突体Aが衝突する前のストライカ部材45および弛み部26が二点鎖線で示されている。
そして、第1ラッチ43aと係合状態にあるストライカ46にはラッチ機構41を通じて後向きの荷重Bが作用し、ストライカ部材45は後方および下方に変位する。このとき、弛み部26が後方および下方に部分的に伸長することにより、ストライカ部材45に大きな荷重が作用して、連結部C10aにおいてストライカ部材45が破断すること、または連結部C2においてストライカ部材45が破断することが防止される。そして、弛み部26が部分的に伸長した後に、ストライカ部材45がさらに後方および下方に変位するときには、連結部C4が破断して、レインフォース30と弛み部26とが分離する。このため、弛み部26は、レインフォース30または連結部C4に拘束されることなくさらに伸長して、連結部C10aや連結部C2での破断を防止する。
この第2実施形態によれば、第1実施形態において連結部C4が弛み部26にあること、および該連結部C4が破断することに関連する効果を除いて、第1実施形態と同様の効果が奏されるほか、次の効果が奏される。
すなわち、フードフレーム20は、弛み部26がある連結部C1と連結部C2との間において、弛み部26を挟んで連結部C2とは反対側の位置で、レインフォース30を介してフードスキン10と連結されるので、フードフレーム20における連結部C1と連結部C2との間の剛性が高められて、フードロックを行うときの操作荷重によるフードスキン10の変形を防ぐと共に、自動車の走行時に、フードロック機構40によりフードFが安定して閉状態に維持される。しかも、弛み部26の伸長時に、弛み部26が連結部C4またはレインフォース30により制約されることなく伸長して、ストライカ部材45または連結部C2の破断が防止される。
この第3実施形態によれば、弛み部26の突出方向に関連する効果を除いて、第2実施形態と同様の効果が奏される。
この第4実施形態によれば、折曲部35により、弛み部26の伸長時に、第3実施形態に比べて連結部C4またはレインフォース30による弛み部26の伸長の制約が緩和されて、弛み部26が伸長しやすくなる。
また、これら連結部C1〜C3,C7,C10において、ストライカ部材45に作用する荷重B(図4参照)による各連結部C1〜C3,C7,C10の破断荷重は、連結部C7が最小に設定される。そして、すべての連結部C1〜C3,C7,C10のうちで、弛み部27の伸長時に連結部C7のみが破断する。
さらに、フードスキン10と弛み部27とが連結部C7で連結されること、および弛み部27の伸長時に連結部C7のみが破断することにより、それぞれ第1実施形態と同様の効果が奏される。
フードに備えられる第1,第2連結部材は、フードフレームおよびレインフォース以外の部材であってもよい。
フードは、エンジンルームを形成すると共に車体の車体前部に配置されたが、車体の後部に配置されてもよい。
フード本体は、前記実施形態ではフードスキンから構成されたが、フードスキンおよび補強部材とから構成されてもよい。
第2〜第4実施形態において、連結部C4は、弛み部26の伸長時に連結部C4が破断するような強度で結合されていてもよい。
両連結部C1と連結部C2との間の弛み部は、各実施形態では1つであったが、2つ以上であってもよい。
第1実施形態において、連結部C4の、弛み部26における部位は、前後方向で、後寄り、または両連結部C1,C2に対して連結部C2寄りであってもよい。
F…フード、C1〜C7,C10,C11…連結部。
Claims (6)
- 車体に対して開閉可能なフードと、前記車体に設けられる係合部と前記フードに設けられる被係合部との係合により前記フードを閉状態に維持するフードロック機構と、を備える車両において、
前記フードは、前記フードの外形を形成するフード本体と、前記フード本体の内側に設けられて前記フード本体および前記被係合部とそれぞれフード側連結部および係合側連結部で連結される連結部材とを備え、
前記連結部材は、前記フード側連結部と前記係合側連結部との間に曲がり形状を有する弛み部を有し、
走行方向とは正反対の反走行方向の荷重が前記係合部と係合状態にある前記被係合部に作用して前記被係合部が変位するとき、前記弛み部が伸長することを特徴とする車両。 - 車体に対して開閉可能なフードと、前記車体に設けられる係合部と前記フードに設けられる被係合部との係合により前記フードを閉状態に維持するフードロック機構と、を備える車両において、
前記フードは、前記フードの外形を形成するフード本体と、前記フード本体の内側に設けられて前記フード本体および前記被係合部とそれぞれ第1フード側連結部および第1係合側連結部で連結される第1連結部材と、前記フード本体の内側に設けられて前記フード本体および前記第1連結部材とそれぞれ第2フード側連結部および第2係合側連結部で連結される第2連結部材とを備え、
前記第1連結部材は、前記第1フード側連結部と前記第1係合側連結部との間に曲がり形状を有する弛み部を有し、
前記第2係合側連結部は前記第1フード側連結部と前記第1係合側連結部との間にあり、
走行方向とは正反対の反走行方向の荷重が前記係合部と係合状態にある前記被係合部に作用して前記被係合部が変位するとき、前記弛み部が伸長することを特徴とする車両。 - 前記フード本体と前記弛み部とが補助連結部で連結されることを特徴とする請求項1記載の車両または前記第2係合部側連結部が前記弛み部にあることを特徴とする請求項2記載の車両。
- 前記第2係合側連結部は、前記第1フード側連結部と前記弛み部との間にあることを特徴とする請求項2記載の車両。
- すべての前記連結部のうち、前記弛み部の伸長時に前記補助連結部または前記第2係合側連結部のみが破断することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項記載の車両。
- 前記弛み部は、前記フード本体の内側において前記フード本体に近づく方向に突出して曲がっていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の車両。
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