JP5343897B2 - 車両用フード構造 - Google Patents

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Description

本発明は、フード部材にストライカが取り付けられた車両用フード構造に関する。
車両用フード構造においては、衝突時に、衝突物に対する衝撃力を低減するために、フード部材のスティフナ部の板厚を薄くした構造がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−69643公報
しかしながら、このような従来構造では、閉止位置にあるフード部材に対しその最前端側から衝突体が衝突した場合、フード部材はロック用のストライカ及びラッチを介して車体側に反力をとることでストライカ取付部の前方側が突っ張ることになり、衝突体への反力を抑えながらフード部材の前端部の変形ストローク(変形可能なストローク)を大きくする点で改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮して、フード部材に対しその最前端側から衝突体が衝突した場合に、衝突体への反力を抑えながらフード部材の前端部の変形ストロークを大きくすることができる車両用フード構造を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明の車両用フード構造は、車体前部を開閉可能に覆うフード部材と、前記フード部材に設けられた取付板部に取り付けられて前記フード部材よりもフード下方側に突出し、前記フード部材の閉止位置で車体骨格部材側のロック手段が係止されるストライカと、前記取付板部に設けられ、前記閉止位置にあるときの前記フード部材の前端部にフード後方斜め下方側への所定値以上の荷重が入力された状態では、前記ストライカに対して前記取付板部がフード後方側へ相対変位するのを許容して前記ストライカを当該取付板部から離脱させる離脱手段と、を有する。
請求項1に記載する本発明の車両用フード構造によれば、フード部材の取付板部に取り付けられたストライカは、フード部材よりもフード下方側に突出し、フード部材の閉止位置で車体骨格部材側のロック手段が係止される。このため、閉止位置にあるときのフード部材に対しその最前端側から衝突体が衝突し、フード部材の前端部にフード後方斜め下方側への荷重が入力された場合、フード部材の前端部がフード後方側へ変位しようとしても、ストライカはロック手段を介して車体骨格部材側に反力をとって殆ど動かない。
ここで、ストライカが取り付けられた取付板部には離脱手段が設けられており、離脱手段は、閉止位置にあるときのフード部材の前端部にフード後方斜め下方側への所定値以上の荷重が入力された状態では、ストライカに対して取付板部がフード後方側へ相対変位するのを許容してストライカを取付板部から離脱させる。このため、ストライカが離脱しない対比構造に比べて、フード部材側がストライカの取付位置から抜け落ちる分だけ、フード部材の前端部がフード後方側へ変形しやすくなり、フード部材の前端部における変形ストロークが大きくなる。
請求項2に記載する本発明の車両用フード構造は、請求項1記載の構成において、前記離脱手段は、前記取付板部に設けられて前記ストライカの取付け用とされる取付孔に対してフード前方側でかつ当該取付孔に連続して貫通形成された貫通部を備えている。
請求項2に記載する本発明の車両用フード構造によれば、離脱手段の貫通部は、取付板部に設けられてストライカの取付け用とされる取付孔に対してフード前方側でかつ当該取付孔に連続して貫通形成されている。このため、閉止位置にあるときのフード部材の前端部にフード後方斜め下方側への所定値以上の荷重が入力された場合、ストライカが貫通部を通るようにして貫通部に対して相対変位して取付板部から離脱する。これにより、ストライカに対して取付板部がフード後方側へ相対変位する際に作用する反力が抑えられ、ストライカが離脱しやすくなる。すなわち、フード部材に対しその最前端側から衝突体が衝突した場合には、衝突体への反力が効果的に抑えられる。
請求項3に記載する本発明の車両用フード構造は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記取付板部は、フード後方へ向けてフード下方側に傾斜している。
請求項3に記載する本発明の車両用フード構造によれば、取付板部がフード後方へ向けてフード下方側に傾斜しているので、閉止位置にあるときのフード部材の前端部にフード後方斜め下方側への荷重が入力された場合には、ストライカに対する取付板部の変位方向と荷重入力方向とが略平行になる。このため、ストライカに対して取付板部が相対変位する際に作用する反力が抑えられ、ストライカが離脱しやすくなる。すなわち、フード部材に対しその最前端側から衝突体が衝突した場合には、衝突体への反力が効果的に抑えられる。
請求項4に記載する本発明の車両用フード構造は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の構成において、前記取付板部は、その周囲の一般面に対してフード下方側に突出して形成された座形状部の座板部とされている。
請求項4に記載する本発明の車両用フード構造によれば、取付板部は、その周囲の一般面に対してフード下方側に突出して形成された座形状部の座板部となっている。このため、ストライカを取り付ける部位への局部荷重に対する剛性(局部剛性)が高められる。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車両用フード構造によれば、フード部材に対しその最前端側から衝突体が衝突した場合に、衝突体への反力を抑えながらフード部材の前端部の変形ストロークを大きくすることができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の車両用フード構造によれば、フード部材に対しその最前端側から衝突体が衝突し、フード部材の前端部にフード後方斜め下方側への所定値以上の荷重が入力された場合、ストライカが貫通部を通るようにして貫通部に対して相対変位して離脱することで、ストライカに対して取付板部がフード後方側へ相対変位する際に作用する反力、ひいては衝突体への反力を効果的に抑えることができるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の車両用フード構造によれば、フード部材に対しその最前端側から衝突体が衝突し、フード部材の前端部にフード後方斜め下方側への荷重が入力された場合、ストライカに対する取付板部の変位方向と荷重入力方向とが略平行になることで、ストライカに対して取付板部が相対変位する際に作用する反力、ひいては衝突体への反力を抑えることができるという優れた効果を有する。
請求項4に記載の車両用フード構造によれば、ストライカを取り付ける部位への局部荷重に対する剛性を高めることができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る車両用フード構造が適用された車両前部を示す斜視図である 図1の2−2線に沿った拡大断面図である。ストライカ取付部は図3の2A−2A線に沿って切断した状態で示す。 本発明の第1の実施形態におけるフード部材のストライカ取付部を示す斜視図である。 フード部材に対しその最前端側から衝突体が衝突した場合のフード部材の変形状態を示す側断面図である。フード部材の変形前の状態は二点鎖線で示す。 フード部材に対しその最前端側から衝突体が衝突した場合のストライカとベースプレートとの相対変位を示す模式的な平面図である。図5(A)は衝突前の状態を示す。図5(B)はベースプレートがフード後方側へ変位した状態を示す。図5(C)はベースプレートが抜け落ちた状態を示す。 フード部材に対しその最前端側から衝突体が衝突した場合のストライカとベースプレートとの相対変位を示す模式的な斜視図である。図6(A)は衝突前の状態を示す。図6(B)はベースプレートがフード後方側へ変位した状態を示す。図6(C)はベースプレートが抜け落ちた状態を示す。 本発明の第2の実施形態に係る車両用フード構造を示す側断面図である。 図7の矢印8方向視のストライカ取付部における衝突前後の状態を示す説明図である。図8(A)が衝突前の状態を示す。図8(B)が衝突後の状態を示す。 本発明の第3の実施形態に係る車両用フード構造を示す側断面図である。
[第1実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る車両用フード構造について図1〜図6を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印Wは車両幅方向を示している。また、フード部材が閉止位置にある状態においては、フード前方側は車両前方側と同じ方向、フード上方側は車両上方側と同じ方向、フード幅方向は車両幅方向と同じ方向とする。
図1に示されるように、自動車(車両)10には、車体前部10Aのエンジンルーム12を開閉可能に覆うフード部材としてのエンジンフード14(以下、単に「フード14」という。)が配設されている。フード14の車両前後方向における後端部には、ヒンジ(図示省略)が配設されており、これによって、フード14は、ヒンジ(図示省略)における車両幅方向の軸回りに回転移動可能、すなわち開閉可能となっている。
図2には、図1の2−2線に沿った拡大断面図が示されている。なお、図2では、ストライカ取付部は図3の2A−2A線に沿って切断した状態で示す。図2に示されるように、フード14は、その外板がフードアウタパネル16によって構成されている。フードアウタパネル16は、フード14が閉止位置にある状態では略車両前後方向に沿って延在している。このフードアウタパネル16に対してフード下方側にはフードインナパネル18が配置されている。フードインナパネル18は、フード14の内板を構成している。フードアウタパネル16及びフードインナパネル18は、いずれも金属板(例えば、鋼板、アルミニウム合金板等)をプレス成形することにより形成されている。また、フードアウタパネル16の外周縁部(前端縁部16Aを含む)とフードインナパネル18の外周縁部(前端縁部18Aを含む)とは、接着剤による接着及びヘミング加工で結合されている。
フードインナパネル18には、前端縁部18Aのややフード後方側に凸部18Bが設けられている。凸部18Bは、フード側断面視でフード下方側に開口されてフード上方側に突出するように形成されている。また、凸部18Bのフード前後方向の後端には、略フード前後方向に延在する底壁部18Cが連続して設けられている。また、底壁部18Cのフード前後方向の後端には、概ねフード後方へ向けてフードアウタパネル16に接近する方向へ立ち上がる立上がり部18Dが連続して設けられている。なお、図示を省略するが、この立上がり部18Dのフード前後方向の後端には、概ねフードアウタパネル16に沿って延在する骨格部(図示省略)が連続して設けられている。
閉止位置にあるときのフード14における前端部14Bのフード幅方向の中央部に対応してフードロック部30が配設されている。フードロック部30は、フード14を閉止位置(図2に示される位置)で拘束するための構造部である。このフードロック部30は、エンジンルーム12内で車体骨格部材(車体構造部材)としてのラジエータサポートアッパ28側に配設されたロック機構部32(フードロック装置)と、フード14側(フードインナパネル18側)に配設されたストライカ34(「フードロックストライカ」ともいう。)と、を含んで構成されている。ロック機構部32は、ラジエータサポートアッパ28に固定されたベース32Aを備えると共に、ベース32Aに略車両前後方向の軸回りに回転移動可能に取り付けられたロック手段としてのラッチ32Bを備えている。また、ストライカ34は、フード14の閉止位置でラッチ32Bが係止されるようになっており、ラッチ32Bが係止されることで、閉止位置にある状態のフード14が保持される。
フードインナパネル18の底壁部18Cには、貫通孔20が貫通形成されており、この貫通孔20には、ストライカ34が挿入されている。ストライカ34は、ベースプレート40(「パッチ」ともいう。)を介してフードインナパネル18の底壁部18Cに支持され、フード14(フードインナパネル18)よりもフード下方側に突出している。
ストライカ34は、高強度の鉄鋼製で丸棒状とされ、ベンディングマシンで折り曲げられることで、車両側面視でフード上方側が開放された屈曲形状(略U字形状)とされている。より具体的には、ストライカ34は、フード下方側へ突出してラッチ32Bが係止される略U字形状の被係止部36を備えており、この被係止部36は、フード前後方向に並びフード14側から立設するように配設される前後一対の脚部36B、36Cと、これらの脚部36B、36Cを連結する下軸部36Aと、を含んで構成されている。また、ストライカ34は、一対の脚部36B、36Cにおいて下軸部36Aとは反対側に固定端部38A、38Bを備えている。図3に示されるように、前後一対の固定端部38A、38Bは、かしめられることによってベースプレート40に固定(係合)されて取り付けられている。
ベースプレート40は、屈曲板材であって平面視で略矩形状とされ、フード幅方向に沿って切断したときの断面形状が概ねハット形状とされている。ベースプレート40の外端部には剛性を補うためのフランジ40Dが立設されている。また、ベースプレート40におけるフード幅方向両側の部位は、左右一対の取付フランジ40Cとされ、フードインナパネル18の底壁部18Cにスポット溶接(打点を「×」印で示す。)により結合されている。また、ベースプレート40におけるフード幅方向中間部は、フードインナパネル18の底壁部18Cよりも僅かにフード上方側に配置された取付板部40Aとされている。取付板部40Aは、フードインナパネル18の底壁部18Cと略平行に配置され、左右一対の支持脚部40Bによって取付フランジ40Cと略フード上下方向に繋げられている。
取付板部40Aには、フード前後方向における前後端寄りに取付孔42、44が貫通形成されている。前後一対の取付孔42、44は、ストライカ34の取付け用とされている。すなわち、固定端部38A、38Bが取付孔42、44に挿通されてかしめられることによってストライカ34がベースプレート40の取付板部40Aに固定される構成となっている。
また、取付板部40Aにおいて、各取付孔42、44に対してフード前方側には、当該取付孔42、44に連続して離脱手段としての貫通部46、48が貫通形成されている。換言すれば、取付板部40Aは、ストライカ34の固定端部38A、38Bのフード前方側が開放された形状に形成されている。
取付板部40Aにおけるフード前後方向の前端側に形成された貫通部46は、切欠状に形成されている。より具体的には、図5(A)の模式的な平面図に示されるように、貫通部46は、取付孔42に連続して取付孔42よりもフード幅方向の寸法が小さいスリット状の幅狭部46Aと、この幅狭部46Aを介して取付孔42に連通する幅広部46Bと、によって構成されている。幅広部46Bは、ストライカ34の固定端部38Aよりもフード幅方向の寸法が大きく設定されており、フード前方側に開口している。
取付板部40Aにおけるフード前後方向の中間部に形成された貫通部48は、孔状に形成されている。より具体的には、貫通部48は、取付孔44に連続して取付孔44よりもフード幅方向の寸法が小さいスリット状の幅狭部48Aと、この幅狭部48Aを介して取付孔44に連通する幅広部48Bと、幅狭部48A及び幅広部48Bを介して取付孔44に連通する中央孔部48Cと、によって構成されている。幅広部48B及び中央孔部48Cは、ストライカ34の固定端部38Bよりもフード幅方向の寸法がともに大きく設定されており、中央孔部48Cは、幅広部48Bよりもさらにフード幅方向の寸法が大きく設定されて取付板部40Aの中央部に形成されている。なお、図3に示されるように、中央孔部48Cの外周端側には剛性を補うためのフランジ40Eが立設されている。
貫通部46、48は、図2に示される閉止位置にあるときのフード14の前端部14Bにフード後方斜め下方側への所定値以上の荷重Fが入力された状態では、ストライカ34に対して取付板部40Aがフード後方側へ相対変位するのを許容してストライカ34を当該取付板部40Aから離脱させるようになっている(図4参照)。
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
図2に示されるように、フード14の取付板部40Aに取り付けられたストライカ34は、フード14よりもフード下方側に突出し、フード14の閉止位置でラジエータサポートアッパ28側に設けられたラッチ32Bが係止される。このため、例えば、図2の二点鎖線で示されるように、閉止位置にあるときのフード14に対しその最前端14A側から衝突体(大腿部インパクタ)50が衝突し、フード14の前端部14Bにフード後方斜め下方側への所定値以上の荷重Fが入力された場合(荷重入力方向を矢印f1、ストライカ取付部付近での荷重作用方向をf2で示す)、フードインナパネル18及びベースプレート40はフード後方側へ変位しようとするが、ストライカ34は、ラッチ32Bを介してラジエータサポートアッパ28側に反力をとって殆ど動かない。
ここで、図3に示されるように、ストライカ34が取り付けられた取付板部40Aには貫通部46、48が形成されており、貫通部46、48は、ストライカ34の取付け用とされる取付孔42、44に対してフード前方側でかつ当該取付孔42、44に連続して貫通形成されている。このため、図2の二点鎖線で示される衝突体50側から荷重Fが入力された場合には、図5(A)及び図6(A)に示される状態から図5(B)及び図6(B)に示されるように、当初位置に留まるストライカ34が貫通部46、48の幅狭部46A、48Aを押し広げながら幅狭部46A、48Aを通るようにして貫通部46、48に対して相対変位する。その後、図6(C)及び図5(C)に示されるように、ストライカ34が貫通部46、48から抜ける。つまり、ストライカ34に対する取付板部40Aのフード後方側への相対変位が許容され、ストライカ34が取付板部40Aから離脱する。
このため、ストライカ34に対して取付板部40Aがフード後方側へ相対変位する際に作用する反力、ひいては図4に示される衝突体50への反力(荷重)が効果的に抑えられる。また、ストライカ34が離脱しない対比構造に比べて、ベースプレート40を介したストライカ34によるフードインナパネル18の拘束がなくなる分だけフード14の前端部14Bの変形が容易になる。つまり、フードインナパネル18側がストライカ34の取付位置から抜け落ちる分だけ、フード14の前端部14Bがフード後方側へ自由にストロークし、フード14の前端部14Bにおける変形ストロークが大きくなると共に、反力発生も抑制される。なお、図4には、フード14の最前端14Bの下方側のラジエータグリル26に衝突体50が衝突してからのEAストロークを符号Sで示している。
また、別の観点から補足すると、例えば、衝突体への反力を抑えるために、フードインナパネルに大きな孔を形成した対比構造では、フードを弱体化させることでフードの変形ストロークを大きくすることができるが、このような対比構造では、フードの閉まり性等のような背反事項の関係にある複数の性能を確保することが難しい。すなわち、前記対比構造では、大きな孔を形成しすぎてしまうと、フードを閉める際にフードインナパネルが撓んで(べこついて)フィーリングが悪化したり、走行時にびびり音が発生したり、フード建付けの調整がし難くなる等の事象が懸念され、フードを開いた状態での見栄えも悪化する。これに対して、本実施形態に係る車両用フード構造では、フードインナパネル18に大きな孔を形成する構造ではないので、前述のような問題点も発生しない。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用フード構造によれば、フード14に対しその最前端14A側から衝突体50が衝突した場合に、衝突体50への反力を抑えながらフード14の前端部14Bの変形ストロークを大きくすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両用フード構造について、図7及び図8を用いて説明する。図7には、本発明の第2の実施形態に係る車両用フード構造が側断面図にて示されている。また、図8には、図7の矢印8方向視のストライカ取付部における衝突前後の状態が示されており、図8(A)が衝突前の状態、図8(B)が衝突後の状態である。
図7に示されるように、本実施形態に係る車両用フード構造は、ベースプレート40(図2参照)に代えて、ロックリインフォース62を備え、ロックリインフォース62の取付板部66Bがフード後方へ向けてフード下方側に傾斜している点で、第1の実施形態に係る車両用フード構造とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図7に示されるロックリインフォース62は、「ストライカリインフォース」ともいい、広義には「フード補強用の補強部材」として把握される要素である。このロックリインフォース62は、フード14の前端部14B側において、フードインナパネル18のフード下方側に配置され、金属板で形成された板状体とされ、フード幅方向(図7の紙面に垂直な方向)に沿って延在している。
ロックリインフォース62は、前端フランジ64がフードインナパネル18の前端縁部18A寄りの部位に接合されると共に、後端フランジ68がフードインナパネル18の底壁部18C側に接合されており、前端フランジ64と後端フランジ68とを繋ぐ中間部66がフードインナパネル18の凸部18Bのフード下方側に配置されている。
ロックリインフォース62の中間部66は、前端フランジ64のフード前後方向の後端からフード後方側へ延在する水平板部66Aと、水平板部66Aのフード前後方向の後端からフード後方へ向けてフード下方側に傾斜した取付板部66Bと、取付板部66Bのフード前後方向の後端と後端フランジ68のフード前後方向の前端とを繋ぐ後板部66Cと、を含んで構成されている。後板部66Cはフード後方へ向けてフード上方側に傾斜しており、取付板部66Bと後板部66Cとで側断面視V字形状を成している。
取付板部66Bには、ストライカ70が取り付けられている。なお、本実施形態のストライカ70は、図2に示される第1の実施形態のストライカ34と実質的にはほぼ同様の構成とされて同様の機能を果たすので、第1の実施形態のストライカ34と異なる部分のみ符号を変えて説明する。
図7に示されるように、ストライカ70において、ラッチ32Bが係止される被係止部72は、前脚上部72Aが固定端部38Aから取付板部66Bに対して垂直に立設されると共に、前脚上部72Aの下端から屈曲された前脚下部72Bが配置状態でフード下方側に延設されている。また、被係止部72は、後脚部72Dが固定端部38Bから取付板部66Bに対して垂直に立設されると共に、前脚下部72Bの下端と後脚部72Dの下端とを連結する下軸部72Cがフード14の閉止状態でフード前後方向に延在するように配置されている。このように構成されたストライカ70は、フード14よりもフード下方側に突出し、フード14の閉止位置でラジエータサポートアッパ28側のラッチ32Bが係止される。
ストライカ70の前後一対の固定端部38A、38Bは、かしめられることによってロックリインフォース62の取付板部66Bに固定(係合)されて取り付けられている。図8(A)に示されるように、取付板部66Bには、フード前後方向における前後端寄りに取付孔74、76が貫通形成されている。前後一対の取付孔74、76は、ストライカ70の取付け用とされている。すなわち、固定端部38A、38Bが取付孔74、76に挿通されてかしめられることによってストライカ70がロックリインフォース62の取付板部66Bに固定される構成となっている。
取付板部66Bにおいて、各取付孔74、76に対してフード前方側には、当該取付孔74、76に連続して離脱手段としての貫通部78、80が貫通形成されている。
取付板部66Bにおけるフード前後方向の前端側に形成された貫通部78は、取付板部66Bと水平板部66Aとに跨って孔状に形成されている。より具体的には、貫通部78は、取付孔74に連続して取付孔74よりもフード幅方向の寸法が小さいスリット状の幅狭部78Aと、この幅狭部78Aを介して取付孔74に連通する幅広部78Bと、によって構成されており、幅広部78Bは、ストライカ70の固定端部38Aよりもフード幅方向の寸法がともに大きく設定されている。
取付板部66Bにおけるフード前後方向の後端側に形成された貫通部80は、後板部66Cに跨らないで孔状に形成されている。より具体的には、貫通部80は、取付孔76に連続して取付孔76よりもフード幅方向の寸法が小さいスリット状の幅狭部80Aと、この幅狭部80Aを介して取付孔76に連通する幅広部80Bと、によって構成されており、幅広部80Bは、ストライカ70の固定端部38Bよりもフード幅方向の寸法が大きく設定されて取付板部66Bの概ね中央部に形成されている。
これらの貫通部78、80は、図7に示される閉止位置にあるときのフード14の前端部14Bにフード後方斜め下方側への所定値以上の荷重Fが入力された状態では、図8(B)に示されるように、ストライカ70に対して取付板部66Bがフード後方側へ相対変位するのを許容してストライカ70を当該取付板部66Bから離脱させるようになっている。
以上説明した本実施形態の構成によっても、前述した第1実施形態と同様の作用及び効果が得られる。また、本実施形態では、図7に示されるように、取付板部66Bがフード後方へ向けてフード下方側に傾斜しているので、フード14に対しその最前端14A側から衝突体50が衝突し、フード後方斜め下方側への荷重Fが入力された場合には、ストライカ70に対する取付板部66Bのスライド方向(矢印A方向で示される変位方向)と荷重入力方向(矢印B方向で示される衝突方向参照)とが略平行になる。このため、ストライカ70に対して取付板部66Bが相対変位する際に作用する反力が抑えられ、ストライカ70が離脱しやすくなる。これにより、フード14に対しその最前端14A側から衝突体50が衝突した場合には、フード14のロックリインフォース62が無理なくスライドしてストライカ70から脱落するので、衝突体50への反力が効果的に抑えられる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る車両用フード構造について、図9を用いて説明する。図9には、本発明の第3の実施形態に係る車両用フード構造が側断面図にて示されている。
この図に示されるように、本実施形態に係る車両用フード構造は、ロックリインフォース84の取付板部88A、88Bがその周囲の二点鎖線で示す一般面86に対してフード下方側に突出して形成された座形状部90A、90Bの座板部とされている点で、第2の実施形態に係る車両用フード構造とは異なる。他の構成は、第2の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1、第2の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
ロックリインフォース84において座形状部90A、90Bの座板部とされた取付板部88A、88Bは、前後一対設けられ、フード前後方向の前側と後側とが段違い状になっており、いずれもフード後方へ向けてフード下方側に傾斜している。取付板部88A、88Bにはストライカ70の固定端部38A、38Bがかしめによって取り付けられている。
前後一対の座形状部90A、90Bの間には、略水平状の水平部92が形成されている。この水平部92には、開口部92A(ロック開口部)が貫通部80の幅広部80Bに連続して貫通形成されている。開口部92Aの開口周端には、バーリング加工が施されたフランジ94が形成されている。
本実施形態の構成によっても、前述した第2の実施形態と同様の作用及び効果が得られるうえ、本実施形態では、座形状部90A、90Bが形成されることで、ストライカ70の取付部への局部荷重に対する剛性(局部剛性)を上げることができ、耐久強度も向上させることができる。また、本実施形態では、座形状部90A、90Bを形成する構成とすることで、開口部92Aの形成面を、プレス成形時の型抜き方向(プレス方向である矢印P方向の逆方向)に対して直角にすることができ、寄せ抜き型(寄せ抜き加工)が不要になるので型構造を簡易にすることができる。さらに、本実施形態では、開口部92Aの形成面をプレス成形時の型抜き方向に対し直角にしたことで、開口部92Aの周囲にバーリング加工にてフランジ94を形成できるので、開口部92Aの周囲の剛性も向上させることができる。
[実施形態の補足説明]
なお、上記実施形態では、ストライカ34、70が取り付けられる取付板部40A、66B、88A、88Bがベースプレート40やロックリインフォース62、84の一部とされているが、取付板部には、例えば、差厚鋼板(テーラードブランク材)により形成されたフードインナパネルの一部であって他部位に比べて板厚が厚く設定された板厚部等のような他の取付板部が適用されてもよい。
また、上記実施形態では、離脱手段としての貫通部46、48、78、80が取付板部40A、66B、88A、88Bにおいて取付孔42、44、74、76に対してフード前方側でかつ当該取付孔42、44、74、76に連続して貫通形成されており、ストライカ34、70に対して取付板部40A、66B、88A、88Bがフード後方側へ相対変位する際に作用する反力を効果的に抑える観点からはこのような構成がより好ましいが、離脱手段は、例えば、上記実施形態における貫通部46、48、78、80の幅狭部46A、48A、78A、80Aに代えて、V字状の溝部(脆弱部)が設けられた離脱手段等のような他の離脱手段としてもよい。
また、上記実施形態では、ストライカ34、70が取付板部40A、66B、88A、88Bにかしめによって取り付けられているが、ストライカは、取付板部に例えばボルト締結等のような他の手段によって取り付けられてもよい。
10A 車体前部
14 エンジンフード(フード部材)
28 ラジエータサポートアッパ(車体骨格部材)
32B ラッチ(ロック手段)
34 ストライカ
40A 取付板部
42 取付孔
44 取付孔
46 貫通部(離脱手段)
48 貫通部(離脱手段)
66B 取付板部
70 ストライカ
74 取付孔
76 取付孔
78 貫通部(離脱手段)
80 貫通部(離脱手段)
88A 取付板部
88B 取付板部
90A 座形状部
90B 座形状部
F 荷重

Claims (4)

  1. 車体前部を開閉可能に覆うフード部材と、
    前記フード部材に設けられた取付板部に取り付けられて前記フード部材よりもフード下方側に突出し、前記フード部材の閉止位置で車体骨格部材側のロック手段が係止されるストライカと、
    前記取付板部に設けられ、前記閉止位置にあるときの前記フード部材の前端部にフード後方斜め下方側への所定値以上の荷重が入力された状態では、前記ストライカに対して前記取付板部がフード後方側へ相対変位するのを許容して前記ストライカを当該取付板部から離脱させる離脱手段と、
    を有する車両用フード構造。
  2. 前記離脱手段は、前記取付板部に設けられて前記ストライカの取付け用とされる取付孔に対してフード前方側でかつ当該取付孔に連続して貫通形成された貫通部を備えている請求項1記載の車両用フード構造。
  3. 前記取付板部は、フード後方へ向けてフード下方側に傾斜している請求項1又は請求項2に記載の車両用フード構造。
  4. 前記取付板部は、その周囲の一般面に対してフード下方側に突出して形成された座形状部の座板部とされている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用フード構造。
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