JP4906474B2 - フードロック機構を備える車両 - Google Patents

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本発明は、車体に対して開閉可能なフードを閉状態に維持するフードロック機構を備える車両に関する。
車体の前部に配置されて車体に対して開閉可能に設けられるフードと、車体に設けられる係合部(例えばラッチ)とフードに設けられる被係合部(例えばストライカ)との係合によりフードを閉状態に維持するフードロック機構とを備える車両は知られている。(例えば特許文献1参照)
特開2005−119512号公報
係合構造を有するフードロック機構を備える車両が衝突体と衝突したとき、特にフードの地上高が高い車両の場合には、フードよりも下方の車体部分に衝突体が進入し、該衝突体により係合状態にあるフードロック機構が後方(または反走行方向)に押されることがある。そして、衝突体が車体に設けられる係合部を後方に押して、被係合部が係合状態で係合部と共に後方に比較的大きく変位すると、フードに設けられる被係合部に作用する後方向きの荷重により、被係合部が破断してしまうことがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜6記載の発明は、車両に衝突体が衝突したときなどに発生する荷重がフードロック機構の被係合部に作用したときにも、被係合部が破断してしまうことを防止することを目的とする。そして、請求項2,3,4記載の発明は、さらに、被係合部の破断を防止する手段である弛み部を有する連結部材または第1連結部材の剛性を高めて、車両の走行時におけるフードの閉状態の維持の安定化を図ることを目的とし、請求項5記載の発明は、さらに、連結部材の剛性を確保しながら弛み部の伸長量の増加を可能とすることを目的とし、請求項6記載の発明は、さらに、弛み部によりフードの内側に形成される空間が減少するのを回避することを目的とする。
請求項1記載の発明は、車体に対して開閉可能なフードと、前記車体に設けられる係合部と前記フードに設けられる被係合部との係合により前記フードを閉状態に維持するフードロック機構と、を備える車両において、前記フードは、前記フードの外形を形成するフード本体と、前記フード本体の内側に設けられて前記フード本体および前記被係合部とそれぞれフード側連結部および係合側連結部で連結される連結部材とを備え、前記連結部材は、前記フード側連結部と前記係合側連結部との間に曲がり形状を有する弛み部を有し、走行方向とは正反対の反走行方向の荷重が前記係合部と係合状態にある前記被係合部に作用して前記被係合部が変位するとき、前記弛み部が伸長する車両である。
請求項2記載の発明は、車体に対して開閉可能なフードと、前記車体に設けられる係合部と前記フードに設けられる被係合部との係合により前記フードを閉状態に維持するフードロック機構と、を備える車両において、前記フードは、前記フードの外形を形成するフード本体と、前記フード本体の内側に設けられて前記フード本体および前記被係合部とそれぞれ第1フード側連結部および第1係合側連結部で連結される第1連結部材と、前記フード本体の内側に設けられて前記フード本体および前記第1連結部材とそれぞれ第2フード側連結部および第2係合側連結部で連結される第2連結部材とを備え、前記第1連結部材は、前記第1フード側連結部と前記第1係合側連結部との間に曲がり形状を有する弛み部を有し、前記第2係合側連結部は前記第1フード側連結部と前記第1係合側連結部との間にあり、走行方向とは正反対の反走行方向の荷重が前記係合部と係合状態にある前記被係合部に作用して前記被係合部が変位するとき、前記弛み部が伸長する車両である。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の車両において、前記フード本体と前記弛み部とが補助連結部で連結されるものである。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の車両において、前記第2係合側連結部は、前記第1フード側連結部と前記弛み部との間にあるものである。
請求項5記載の発明は、請求項3記載の車両において、前記弛み部の伸長時に前記補助連結部のみが破断するものである。
請求項6記載の発明は、請求項2または請求項4いずれか記載の車両において、前記弛み部の伸長時に前記第2係合側連結部のみが破断するものである。
請求項1記載の発明によれば、例えば走行中の車両に衝突体が衝突したとき、該衝突に起因して、係合部と係合状態にある被係合部に反走行方向の荷重が作用し、該荷重により被係合部が変位したとしても、その変位に追随して弛み部が伸長するため、被係合部に作用する荷重が低減して、被係合部または係合側連結部が破断することが防止される。
請求項2記載の発明によれば、弛み部を有する第1連結部材および第2連結部材を備えるフードを備える車両において、例えば走行中の車両に衝突体が衝突したとき、弛み部が伸長することにより、被係合部に作用する荷重が低減して、被係合部または第1係合側連結部が破断することが防止され、請求項1記載の発明と同様の効果が奏される。そのうえ、第1連結部材は、被係合部または第1係合側連結部の破断を防止する手段である弛み部が位置する第1フード側連結部と第1係合側連結部との間で、第2連結部材を介してフード本体と連結されるので、被係合部が連結されると共に弛み部を有する第1連結部材とフード本体との間の剛性が高められて、フードロックを行うときの操作荷重によるフード本体の変形を防ぐと共に、弛み部があるにも拘わらす、車両の走行時に、フードロック機構によりフードが安定して閉状態に維持される。
請求項3記載の事項によれば、前記フード本体と前記弛み部とが補助連結部で連結されるので、弛み部の剛性が高められて、弛み部があるにも拘わらす、車両の走行時に、フードロック機構によりフードが安定して閉状態に維持される。
請求項4記載の事項によれば、第1連結部材は、弛み部がある第1フード側連結部と第1係合側連結部との間において、弛み部を挟んで第1係合側連結部とは反対側の位置で、第2連結部材を介してフード本体と連結されるので、第1連結部材における第1フード側連結部と第1係合側連結部との間の剛性が高められて、フードロックを行うときの操作荷重によるフード本体の変形を防ぐと共に、車両の走行時に、フードロック機構によりフードが安定して閉状態に維持される。しかも、弛み部の伸長時に、弛み部が第2係合側連結部または第2連結部材により制約されることなく伸長して、係合部と被係合部との係合状態が維持される。
請求項5記載の事項によれば、弛み部の伸長時に、補助連結部のみが破断するので、弛み部の伸長が可能になって、より大きな変位が被係合部に生じる場合にも、被係合部または係合側連結部が破断することが確実に防止される。
請求項6記載の事項によれば、弛み部の伸長時に前記第2係合側連結部のみが破断するので、弛み部は前記第2連結部材または第2係合側連結部に拘束されることなく伸長して、カシメにより結合された前側連結部や第1係合側前連結部での破断が防止される。
以下、本発明の実施形態を図1〜図8を参照して説明する。
図1〜図4は、第1実施形態を説明する図である。
図1,図3を参照すると、本発明が適用された車両としての自動車は、車体と、該車体の一部分である前部(以下、「車体前部」という。)1に搭載されたエンジンが収納される収納空間としてのエンジンルーム2を車体前部1と共に形成するフードFと、車体前部1に設けられるラッチ機構41とフードFに設けられるストライカ部材45との係合により車体前部1に対して開閉可能なフードFを閉状態に維持するフードロック機構40とを備える。フードFは、その後端部Fbと車体前部1とを連結する連結機構としてのヒンジ機構(図示されず)により、上下方向に回動可能に、かつ開閉可能に、車体前部1に取り付けられる。また、図3には、フードFの地上高が比較的高い自動車の車体前部1の構成部材の一部であるフロントグリル3およびフロントバルクヘッド4が示されている。
なお、この明細書において、車両の走行方向とは正反対の方向を反走行方向といい、車両を構成する部材や部位などにおいて、走行方向側および反走行方向側を、それぞれ前および後という。そして、例えば、車両が前進するとき、前および後は車両に関する前および後に一致し、この実施形態では、前および後は、車両(自動車)が前進する場合のものとする。
フードFは、フードFの外形を形成するフード本体としてのフードスキン10と、フードスキン10の内側に設けられてフードスキン10およびストライカ部材45とそれぞれ連結される第1連結部材としてのパネル状のフードフレーム20と、フードスキン10の内側であってフードスキン10の前端部11aとフードフレーム20の前端部12aとの間に設けられてフードスキン10およびフードフレーム20とそれぞれ連結される第2連結部材としての板状のレインフォース30とを備える。
ここで、フードFに関して、内側とはエンジンルーム2側を意味する。
フードスキン10の補強部材としてのフードフレーム20は、その前端部11および後端部12でそれぞれ車幅方向に延びている前突条23aおよび後突条23bと、前突条23aおよび後突条23bと連結されて前後方向に延びている複数の連結突条23cと、車幅方向で隣接する連結突条23c同士と連結されて車幅方向に延びる補助突条23dとを有する。フードフレーム20は、曲げ加工により形成されてエンジンルーム2側に向かって突出するこれら突条23a,23b,23c,23dにより剛性が高められ、これら突条23a,23b,23c,23dに囲まれる位置に設けられた複数の孔24により軽量化されている。
また、フードフレーム20の後端部22において車幅方向(または左右方向)での両端部には、前記ヒンジ機構が取り付けられる取付座25が設けられる。
フードスキン10およびフードフレーム20の前端部11,21は、各前縁部11a,21aにおいて、結合手段としてのヘミング加工により結合された第1フード側連結部C1で連結される。
フードロック機構40は、フロントバルクヘッド4に設けられるラッチ機構41と、フードFの前端部Fa、より具体的には前端部21に設けられて前突条23aに結合されるストライカ部材45とを備える。係合部としてのラッチ機構41は、フロントバルクヘッド4に取り付けられる保持部42と、保持部42に移動可能に保持されて後述するストライカ46と係合する係合位置と該ストライカ46との係合を解除する係合解除位置と間で揺動可能な鉤状のラッチ43とから構成される。ここで、ラッチ43は、ストライカ46と係合してフードFを閉状態に維持する第1ラッチ43aと、車室内から操作されて動作する保持部42により第1ラッチ43aとストライカ46との係合が解除されたときにフードFが僅かに開くもののフードFを閉状態に維持する第2ラッチ43bとから構成される。そして、僅かに開いたフードFとフロントグリル3との間から挿入された手で操作される解除レバー(図示されず)により第2ラッチ43bが係合解除位置まで操作されて、第2ラッチ43bとストライカ46との係合が解除されることにより、フードFはフードロック機構40から解放されて、フードFを開放状態に、すなわち全開状態または大きく開いた状態に、することが可能になる。
被係合部としてのストライカ部材45は、フードフレーム20に一体に結合されるベース部としてのベースプレート47と、ベースプレート47と一体に設けられるストライカ46とから構成される。車幅方向から見てU字状に屈曲したストライカ46は、ベースプレート47と結合手段としてのカシメにより結合された1対の連結部C10で連結される1対の基端部46bと、ラッチ43が係合する先端部46aとを有する。
フードスキン10とフードフレーム20との間に配置されるほぼ矩形状のベースプレート47には、ストライカ46と第1ラッチ43aとが係合状態にあるときに第2ラッチ43bが進入する長孔形状の貫通孔からなる逃げ部48が設けられる。逃げ部48は、ベースプレート47が前端部21に結合された状態で、フードフレーム20に設けられると共に第2ラッチ43bが進入する貫通孔からなる進入部28と整合する位置にある。
ベースプレート47およびフードフレーム20は、ベースプレート47の逃げ部48を囲む周縁部47cおよび前端部21において、結合手段としてのスポット溶接により結合された連結部C11で連結される。連結部C11は、前後方向(したがって、走行方向に平行な方向)において逃げ部48および進入部28を挟む位置にある、第1係合側連結部としての前連結部C2と、後連結部C3とから構成される。そして、連結部C2および連結部C3は、それぞれ周縁部47cの前縁部47aおよび後縁部47bにある。
図2を併せて参照すると、フードフレーム20の前端部21は、前後方向で連結部C1と連結部C2との間に曲がり形状を有する弛み(たるみ)部26を有する。側断面が弧状の弛み部26は、フードスキン10の内側においてフードスキン10に近づく方向に突出して曲がっており、この実施形態では膨出している。そして、弛み部26は、前端部21に対して車幅方向の中央部に位置し、車幅方向で、レインフォース30の幅W3よりも小さい幅W2を有する。
ここで、側断面とは、車幅方向に直交する平面での断面を意味する。
さらに図4を併せて参照すると、この弛み部26は、車体前部1に衝突体Aが衝突して、該衝突に起因してストライカ46に後向き(または反走行方向)の荷重が作用したときに、ストライカ部材45が破断することを防止する破断防止手段を構成する。
具体的には、自動車と衝突した衝突体AがフードFの下方に位置する車体前部1を変形させつつフードFの下方で後方に向かって進入し、衝突体Aによる荷重がフロントバルクヘッド4を変形させつつフロントバルクヘッド4およびラッチ機構41を後方に変位させる。そして、ストライカ部材45には係合状態にある第1ラッチ43aを通じて後向き(または反走行方向)の荷重Bが作用し、ストライカ部材45はラッチ機構41と共に後方および下方に変位する。このとき、弛み部26が後方(または反走行方向)および下方に伸長して弛み量が減少することにより、ストライカ部材45に作用する荷重が低減して、連結部C10または連結部C2,C3(すなわち連結部C11)においてストライカ部材45が破断すること、特に変位が大きくなる連結部C10の前側の連結部C10aまたは連結部C2においてストライカ部材45が破断することが防止される。
そして、弛み部26の長さは、荷重Bによりストライカ46が後方および下方に変位するとき、ストライカ部材45とラッチ43との係合状態が維持される長さに設定される。
図1〜図3を参照すると、フードスキン10の前端部11およびストライカ部材45が設けられるフードフレーム20の前端部21の剛性を高めるための補強部材としてのレインフォース30は、フードスキン10、フードフレーム20およびストライカ部材45と、それぞれ連結部C4、連結部C5および連結部C6で連結される。レインフォース30は、側断面が山形状であり、両前端部11,21に対して車幅方向での中央部に位置して車幅方向に所定の幅W3を有して延びている。
前後方向に離隔すると共に車幅方向に延びて設けられる該複数の連結部C4,C5,C6は、レインフォース30の前端部31およびフードフレーム20の前端部21において、結合手段としてのスポット溶接により結合される第2係合側連結部としての前連結部C4と、レインフォース30の後端部32およびベースプレート47の後縁部47bにおいて結合手段としてのスポット溶接により結合された後連結部C6と、前後方向で両連結部C4,C6の間に位置すると共にレインフォース30の中間部33およびフードスキン10の前端部11において結合手段としての接着剤E(例えば、マスチックシール)により結合された第2フード側連結部としての中間連結部C5とから構成される。
連結部C4は、前端部21において、連結部C1と連結部C2との間にあり、この実施形態では、弛み部26にある。そして、該連結部C4は、弛み部26において、前後方向で、前寄りの部位、または両連結部C1,C2に対して連結部C1寄りの部位にある。
レインフォース30は上方からベースプレート47を覆い、連結部C2,C3を含む連結部C11との間には上下方向での空間が形成される。そして、連結部C6は、前後方向で連結部C3よも後方に位置し、両連結部C2,C3を含むベースプレート47の連結部C11は、前後方向で、レインフォース30の両連結部C4,C6の間にある。このため、図4に示されるように、ストライカ部材45に作用する荷重Bにより弛み部26が伸長してストライカ部材45が変位するとき、ストライカ部材45は、連結部C3または連結部C6をほぼ支点部として後方に変位しつつ下方に変位する。
なお、図4に示される例では、ストライカ46または連結部C2の変位量は、下方への変位量が後方への変位量よりも大きいが、後方への変位量が下方への変位量よりも大きい場合もある。
また、これら連結部C1〜C6,C10において、ストライカ部材45に作用する荷重B(図4参照)による各連結部C1〜C6,C10の破断荷重は、連結部C4が最小に設定されている。具体的には、荷重Bにより、連結部C1〜C3,C6には、連結部C1〜C3,C6を破断させる破断荷重としての剪断荷重が作用する。一方、各連結部C1〜C3,C6と同じ結合手段としてのスポット溶接により結合される連結部C4には、前記剪断荷重よりも小さな荷重で連結部C4を剥離させて破断する破断荷重としての剥離荷重が作用する。そして、該連結部C4の破断荷重は、荷重Bにより弛み部26が後方および下方に伸長するとき、連結部C4において前端部31と弛み部26とが剥離して分離する程度の値に設定される。それゆえ、すべての連結部C1〜C6,C10のうち、弛み部26の伸長時に、連結部C4のみが破断する程度の結合強度で連結され、残りの連結部C1〜C3,C5,C6,C10は、弛み部26の伸長時にも破断しないような結合強度で連結される。
次に、前述のように構成された第1実施形態の作用および効果について説明する。
図4を参照すると、フードFおよびフードロック機構40を備える自動車が走行中に、フードFの下方で衝突体Aが車体前部1に衝突したとき、衝突体Aは、フードFの下方で後方に向かって進入して、フロントバルクヘッド4およびラッチ機構41を後方に変位させる。なお、図4には、衝突体Aが衝突する前のストライカ部材45および弛み部26が二点鎖線で示されている。
そして、第1ラッチ43aと係合状態にあるストライカ46にはラッチ機構41を通じて後向きの荷重Bが作用し、ストライカ部材45は後方および下方に変位する。このとき、弛み部26が後方および下方に部分的に伸長することにより、ストライカ部材45に大きな荷重が作用して、連結部C10aにおいてストライカ部材45が破断すること、または連結部C2においてストライカ部材45が破断することが防止される。そして、弛み部26が部分的に伸長した後に、ストライカ部材45がさらに後方および下方に変位するときには、連結部C4が破断して、レインフォース30と弛み部26とが分離する。このため、弛み部26は、レインフォース30または連結部C4に拘束されることなくさらに伸長して、連結部C10aや連結部C2での破断を防止する。
このように、フードFは、フードスキン10およびストライカ部材45とそれぞれ連結部C1および連結部C2を含む連結部C11で連結されるフードフレーム20と、フードスキン10およびフードフレーム20とそれぞれ連結部C5および連結部C4で連結されるレインフォース30とを備え、フードフレーム20は、連結部C1と連結部C2との間に弛み部26を有し、連結部C4は連結部C1と連結部C2との間にあり、走行中の自動車に衝突体Aが衝突したときなどに、後向き(または反走行方向)の荷重がラッチ機構41と係合状態にあるストライカ部材45に作用してストライカ46が後方および下方に変位するとき、弛み部26が後方および下方に伸長することにより、前記衝突に起因する荷重Bによりストライカ部材45が後方および下方に変位したとしても、その変位に追随して弛み部26が後方および下方に伸長するため、ストライカ部材45に作用する荷重が低減して、ストライカ部材45または連結部C2が破断することが防止される。
そのうえ、フードフレーム20は、ストライカ部材45または連結部C2の破断を防止する手段である弛み部26が位置する連結部C1と連結部C2との間で、レインフォース30を介してフードスキン10と連結されるので、ストライカ部材45が連結されると共に弛み部26を有するフードフレーム20の前端部21とフードスキン10の前端部11との間の剛性が高められて、フードロックを行うときの操作荷重によるフードスキン10の前端部11の変形を防ぐと共に、弛み部26があるにも拘わらす、自動車の走行時に、フードロック機構40によりフードFが安定して閉状態に維持される。
連結部C4が弛み部26にあることにより、弛み部26がレインフォース30を介してフードスキン10の前端部11に連結されるので、弛み部26の剛性が高められて、弛み部26があるにも拘わらす、自動車の走行時に、フードロック機構40によりフードFが安定して閉状態に維持される。
また、連結部C4が、弛み部26において、前後方向で、前寄りの部位、または両連結部C1,C2に対して連結部C1寄りの部位にあることにより、ストライカ部材45に急激に大きな荷重が作用する衝突の初期の段階で、弛み部26が連結部C4に制約されることなく、円滑に伸長するので、ストライカ部材45に作用する衝突初期の荷重の低減効果に優れる。
すべての連結部C1〜C6,C10のうちで、弛み部26の伸長時に連結部C4のみが破断することにより、弛み部26の伸長時に、連結部C1と連結部C2との間にある連結部C4のみが破断するので、弛み部26または連結部C1と連結部C2との間での前端部21の一層の伸長が可能になって、より大きな変位がストライカ部材45に生じる場合にも、ストライカ部材45または連結部C2が破断することが確実に防止される。
弛み部26は、フードスキン10の内側においてフードスキン10に近づく方向に突出して曲がっているので、弛み部26が設けられたことによりフードFの内側に形成される空間であるエンジンルーム2が減少するのが回避される。
次に、図5〜図8を参照して、第1実施形態の一部が異なる第2〜第5実施形態を説明する。第2〜第5実施形態は、第1実施形態と基本的な構造が同一であるので、同一の部分についての説明は省略または簡略にし、異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態の部材等と同一または対応する部材等については、必要に応じて同一の符号を使用した。
図5を参照すると、この第2実施形態では、連結部C4が、前後方向で、連結部C1と弛み部26との間にある。
この第2実施形態によれば、第1実施形態において連結部C4が弛み部26にあること、および該連結部C4が破断することに関連する効果を除いて、第1実施形態と同様の効果が奏されるほか、次の効果が奏される。
すなわち、フードフレーム20は、弛み部26がある連結部C1と連結部C2との間において、弛み部26を挟んで連結部C2とは反対側の位置で、レインフォース30を介してフードスキン10と連結されるので、フードフレーム20における連結部C1と連結部C2との間の剛性が高められて、フードロックを行うときの操作荷重によるフードスキン10の変形を防ぐと共に、自動車の走行時に、フードロック機構40によりフードFが安定して閉状態に維持される。しかも、弛み部26の伸長時に、弛み部26が連結部C4またはレインフォース30により制約されることなく伸長して、ストライカ部材45または連結部C2の破断が防止される。
図6を参照すると、この第3実施形態では、連結部C4が、前後方向で、連結部C1と弛み部26との間に位置する点で第2実施形態と同様である。そして、第3実施形態では、弛み部26がフードスキン10に近づくように突出して曲がっている第2実施形態とは異なり、弛み部26がエンジンルーム2側に突出して曲がることにより、膨出している。
この第3実施形態によれば、弛み部26の突出方向に関連する効果を除いて、第2実施形態と同様の効果が奏される。
図7を参照すると、この第4実施形態では、レインフォース30において、前後方向で連結部C4と中間連結部C5との間に、側断面で後方に向かって突出するように折曲部35が形成される点で、第3実施形態と異なる。
この第4実施形態によれば、折曲部35により、弛み部26の伸長時に、第3実施形態に比べて連結部C4またはレインフォース30による弛み部26の伸長の制約が緩和されて、弛み部26が伸長しやすくなる。
図8を参照すると、この第5実施形態では、フードFにはレインフォース30が備えられず、連結部材としてのフードフレーム20が、フードスキン10と、前後方向で、フード側連結部としての連結部C1と係合側連結部としての連結部C2との間に位置する弛み部27およびフードスキン10の前端部11において結合手段としてのスポット溶接により結合された補助連結部としての連結部C7で連結される。
また、これら連結部C1〜C3,C7,C10において、ストライカ部材45に作用する荷重B(図4参照)による各連結部C1〜C3,C7,C10の破断荷重は、連結部C7が最小に設定される。そして、すべての連結部C1〜C3,C7,C10のうちで、弛み部27の伸長時に連結部C7のみが破断する。
第5実施形態によれば、フードFは、フードスキン10の内側に設けられてフードスキン10およびストライカ部材45とそれぞれ連結部C1および連結部C2,C3で連結されるフードフレーム20を備え、フードフレーム20の前端部21は、連結部C1と連結部C2との間に曲がり形状を有する弛み部27を有し、荷重Bによりストライカ部材45が変位するとき、弛み部27が後方および下方に伸長することにより、荷重Bの作用時に、弛み部27が後方および下方に伸長するため、ストライカ部材45に作用する荷重が低減して、ストライカ部材45または連結部C2,C3が破断すること、特に連結部C10aまたは連結部C2が破断すること、が防止されて、第1実施形態と同様の効果が奏される。
さらに、フードスキン10と弛み部27とが連結部C7で連結されること、および弛み部27の伸長時に連結部C7のみが破断することにより、それぞれ第1実施形態と同様の効果が奏される。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
フードに備えられる第1,第2連結部材は、フードフレームおよびレインフォース以外の部材であってもよい。
フードは、エンジンルームを形成すると共に車体の車体前部に配置されたが、車体の後部に配置されてもよい。
フード本体は、前記実施形態ではフードスキンから構成されたが、フードスキンおよび補強部材とから構成されてもよい。
第2〜第4実施形態において、連結部C4は、弛み部26の伸長時に連結部C4が破断するような強度で結合されていてもよい。
両連結部C1と連結部C2との間の弛み部は、各実施形態では1つであったが、2つ以上であってもよい。
第1実施形態において、連結部C4の、弛み部26における部位は、前後方向で、後寄り、または両連結部C1,C2に対して連結部C2寄りであってもよい。
本発明の第1実施形態を示し、自動車のフードの、フードスキンを外したときの平面図である。 図1の要部斜視図である。 図1のIII−III線でのフードの要部断面図である。 図1の自動車に衝突体が衝突したときの様子を示す図3に相当する図である。 本発明の第2実施形態を示し、図3に相当する図である。 本発明の第3実施形態を示し、図3に相当する図である。 本発明の第4実施形態を示し、図3に相当する図である。 本発明の第5実施形態を示し、図3に相当する図である。
符号の説明
1…車体前部、10…フードスキン、20…フードフレーム、26…弛み部、30…レインフォース、35…折曲部、40…フードロック機構、41…ラッチ機構、45…ストライカ部材、46…ストライカ、47…ベースプレート、
F…フード、C1〜C7,C10,C11…連結部。

Claims (6)

  1. 車体に対して開閉可能なフードと、前記車体に設けられる係合部と前記フードに設けられる被係合部との係合により前記フードを閉状態に維持するフードロック機構と、を備える車両において、
    前記フードは、前記フードの外形を形成するフード本体と、前記フード本体の内側に設けられて前記フード本体および前記被係合部とそれぞれフード側連結部および係合側連結部で連結される連結部材とを備え、
    前記連結部材は、前記フード側連結部と前記係合側連結部との間に曲がり形状を有する弛み部を有し、
    走行方向とは正反対の反走行方向の荷重が前記係合部と係合状態にある前記被係合部に作用して前記被係合部が変位するとき、前記弛み部が伸長することを特徴とする車両。
  2. 車体に対して開閉可能なフードと、前記車体に設けられる係合部と前記フードに設けられる被係合部との係合により前記フードを閉状態に維持するフードロック機構と、を備える車両において、
    前記フードは、前記フードの外形を形成するフード本体と、前記フード本体の内側に設けられて前記フード本体および前記被係合部とそれぞれ第1フード側連結部および第1係合側連結部で連結される第1連結部材と、前記フード本体の内側に設けられて前記フード本体および前記第1連結部材とそれぞれ第2フード側連結部および第2係合側連結部で連結される第2連結部材とを備え、
    前記第1連結部材は、前記第1フード側連結部と前記第1係合側連結部との間に曲がり形状を有する弛み部を有し、
    前記第2係合側連結部は前記第1フード側連結部と前記第1係合側連結部との間にあり、
    走行方向とは正反対の反走行方向の荷重が前記係合部と係合状態にある前記被係合部に作用して前記被係合部が変位するとき、前記弛み部が伸長することを特徴とする車両。
  3. 前記フード本体と前記弛み部とが補助連結部で連結されることを特徴とする請求項1記載の車両。
  4. 前記第2係合側連結部は、前記第1フード側連結部と前記弛み部との間にあることを特徴とする請求項2記載の車両。
  5. 前記弛み部の伸長時に前記補助連結部のみが破断することを特徴とする請求項3記載の車両。
  6. 前記弛み部の伸長時に前記第2係合側連結部のみが破断することを特徴とする請求項2または請求項4のいずれか記載の車両。
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