JP2008101068A - ポリイミド系樹脂およびそれを用いたフレキシブル配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テトラカルボン酸二無水物と1,3−ジアミノシクロブタンの重合体を主成分とするポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミド系樹脂層をフレキシブルプリント配線板の支持体やカバーインキとして用いる。
【選択図】 なし
Description
(1) 主として、テトラカルボン酸二無水物と下記一般式(I)で表される1,3-シクロブタンジアミンから得られた対数粘度が0.3dl/g以上であるポリアミド酸をイミド化されたことを特徴とするポリイミド系樹脂。
本発明ポリイミド系樹脂を構成するジアミン成分としては、下記一般式(1)で表されるシクロブタンジアミンを使用する。
ジアミン成分として式(1)で表されるジアミン成分が全ジアミン成分の60モル%未満では目的とする耐熱性、柔軟性、且つ充分な無色透明性を併せ持つフレキシブル配線板を得ることは難しい。
本発明のポリイミド系樹脂はその前駆体であるポリアミド酸の溶液より得られるが、ポリアミド酸の製造法としては公知の方法を用いることが出来る。例えば、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気中において、1,3-シクロブタンジアミンを有機溶媒中に溶解させ、1,3-シクロブタンジアミンと実質的に等モル量となるテトラカルボン酸二無水物を反応させることによって得られる。
また、このポリアミド酸溶液は各々前記の有機極性溶媒中に5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%溶解されているのが、取扱いの面からも望ましい。ポリアミド酸の対数粘度は、0.3dl/g以上であり、好ましくは0.5dl/g以上、特に1.0dl/g以上2.5dl/g以下が好ましく、さらに1.3dl/g以上2.0dl/g以下が望ましい。0.3dl/g未満では充分な膜物性が得られない可能性がある。また2.5dl/gを超えるとポリアミド酸溶液の粘度が高くなりハンドリングが困難になる恐れがある。得られたポリアミド酸中には必要に応じて滑剤(シリカ、タルク、シリコーン等)、接着促進剤、難燃剤(リン系やトリアジン系、水酸化アルミ等)、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤等)、メッキ活性化剤、有機や無機の充填剤(タルク、酸化チタン、シリカ、フッ素系ポリマー微粒子、顔料、染料、炭化カルシウム等)等の添加剤を配合することができる。
ポリアミド酸溶液を金属箔上に直接塗布し、乾燥し、硬化(イミド化)させることによりフレキシブル金属張積層体を得る方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を使用することが出来る。例えば、金属箔上に所望の厚さで塗布されたポリアミド溶液を、40℃〜180℃の温度で乾燥させ、続いて空気中、窒素等の不活性ガス雰囲気中または真空中、200℃〜400℃の温度で熱処理することで、本発明のフレキシブル金属張積層体が得られる。また、得られた2つフレキシブルプリント基板の非金属箔側同士を接着剤を使用して貼り合わせ、両面タイプのフレキシブルプリント基板にすることもできる。
本発明に用いる金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔、スチール箔、及びニッケル箔などを使用することができ、これらを複合した複合金属箔や亜鉛やクロム化合物など他の金属で処理した金属箔についても用いることができる。金属箔の厚みについては特に限定はないが、たとえば、3〜50μmの金属箔を好適に用いることができる。又、フレキシブルプリント基板のカールを抑制する目的で抗張力が好ましくは350N/mm2以上、より好ましくは550N/mm2以上の金属箔が推奨される。
ポリマー濃度が0.5g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、その溶液の溶液粘度及び溶媒粘度を30℃で、ウベローデ型の粘度管により測定して、下記の式で計算した。
対数粘度(dl/g)=[ln(V1/V2)]/V3
上記式中、V1はウベローデ型粘度管により測定した溶液粘度を示し、V2はウベローデ型粘度管により測定した溶媒粘度を示すが、V1及びV2はポリマー溶液及び溶媒(N−メチル−2−ピロリドン)が粘度管のキャピラリーを通過する時間から求めた。また、V3は、ポリマー濃度(g/dl)である。
TMA(熱機械分析/理学株式会社製)引張荷重法により本発明のフレキシブル金属張積層体の金属箔をエッチング除去した樹脂フィルム層のガラス転移点を以下の条件で測定した。なおフィルムは、窒素中、昇温速度10℃/分で、一旦、変曲点まで昇温し、その後室温まで冷却したフィルムについて測定を行った
荷重:5g
サンプルサイズ:4(幅)×20(長さ)mm
昇温速度:10℃/分
雰囲気:窒素
フレキシブル金属張積層体の金属箔をサブトラクティブ法によりエッチング加工し、(35%塩化第二鉄溶液)幅1mmの回路パターンを作成したサンプルを25℃、65%(湿度)で24時間調湿しフラックス洗浄した後、20秒間、320℃の噴流半田浴に浸漬し、剥がれや膨れ等の外観異常の有無を観察した。
(判定)○:外観異常なし
△:わずかに外観異常あり
×:外観異常あり
IPC−FC241(IPC−TM−650,2.4.9(A))に従い、サブトラクティブ法により回路パターンを作成したサンプルを用いて、回路パターンとポリイミド系樹脂層との接着強度を測定した。
金属箔をエッチング除去して得た樹脂フィルムから、幅10mm、長さ100mmのサンプルを作成し、引張試験機(商品名「テンシロン引張試験機」、東洋ボールドウィン社製)にて、引張速度20mm/分、チャック間距離40mmで測定した。
分光光度計(商品名「UV−3150」、島津製作所(株)製)にて測定した。
反応容器に2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジアミン14g(0.1モル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドン203gに溶解した後、窒素気流下、撹拌しながらピロメリット酸二無水物の粉末21.8g(0.1モル)を徐々に加え、35℃で15時間反応させることにより、透明で粘稠なポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸の対数粘度は1.6dl/gであった。
以上のようにして得られたポリアミド溶液を厚み18μm、抗張力598N/mm2の電解銅箔(商品名「USLP−SE」、日本電解(株)製)にナイフコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが12.5μmになるようにコーティングした。次いで、100℃の温度で5分乾燥し、初期乾燥されたフレキシブル金属張積層板を得た。次に初期乾燥された積層体を外径6インチのアルミ缶に、塗工面が外側になるよう巻き付け、イナートオーブンで窒素気流下(流量;20L/分)で200℃で一時間、250℃で1時間、更に300℃で30分間段階的に熱処理してイミド化を行い、積層板を作製し、表1に示す内容の各種特性を評価した。
又、ポリアミド酸溶液を厚さ100μmの離型性ポリエステルフィルム上に乾燥厚みが12.5μmとなるようにしコーティングし、100℃で5分乾燥した後、離型性ポリエステルフィルムより剥離した。剥離したフィルムを鉄枠に固定し、イナートオーブンで窒素気流下(流量;20L/分)で200℃で一時間、250℃で1時間、更に300℃で30分間段階的に熱処理してポリイミドフィルムを作製し、光線透過率を評価した。結果を表1に示す。表1から明らかなように半田耐熱性、伸度、無色透明性が高く、無色透明フレキシブル金属張積層用支持体として充分好適な性能を示していることが判る。
表1に示す組成のポリイミド樹脂を実施例1と同様な方法で得た。その評価結果を表1に示す。
ジアミン成分として4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)の代わりにトランス1,4−ジアミノシクロヘキサン11.4g(0.1モル)を用いた以外は全て実施例1と同様にしてポリアミド酸溶液の作製を行ったが、反応初期に強固なアミン塩が生成し、重合反応が全く進行しなかった。
反応容器に2,2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジアミン11.2g(0.08モル)、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン4.76g(0.02モル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドン187gに溶解した後、窒素気流下、撹拌しながら、3,3’、4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物30.9g(0.096モル)を徐々に加え、35℃で10時間反応させることにより、透明で粘稠なポリアミド酸溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を100℃に昇温後、無水酢酸50mlとピリジン50mlを加えさらに、100℃で2時間イミド化処理を行った。このポリイミド溶液を1000mlの水に投入し、析出した樹脂を濾過、乾燥した。得られた樹脂の特性を表2に示す。なお、樹脂物性、光線透過率はテトラヒドロフラン溶液から溶剤を乾燥したフィルムを用いた。
得られた樹脂をγ―ブチロラクトンに20%濃度に溶解し、微粒子シリカ(デグサ社製アエロジル200)を樹脂分の1wt%添加し分散した。この溶液にフェノールノボラック樹脂(ジャパンエポキシレジン株社製EP−152)を樹脂分の5wt%添加した。
実施例1で得たフレキシブル金属積層板に通常の方法により回路を形成後、回路上に実施例2で得た樹脂液を乾燥後の厚みが20μmになるように、スクリーン印刷を施した。印刷後、熱処理を兼ねた乾燥を180℃で30分間行った。
はんだ耐熱性は全く異常が認められなかった。
表2に示す組成のポリイミド系樹脂を実施例2と同様な方法で得た。その評価結果を表2に示す。
実施例4で用いたジアミンの代わりにイソホロンジアミンを用いた以外は全て実施例4と同様にしてポリイミド樹脂を得た。樹脂物性と回路保護コート剤としての特性を実施例4と同様に評価した。その結果を表2に示す。
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