ところで、前記ハーフカットは、溝の深さを深く形成することで内シートが破断し易くなり、おにぎりと海苔とを合体させる際、内シートを容易且つきれいにハーフカットの位置で分断できる。そのため、包装されているおにぎりを崩すことなく包装体を取り外し、海苔とおにぎりを合体させることができる。
しかし、ハーフカットが深く形成されると、包装体で包装されたおにぎりを搬送したり、商品棚に陳列されている前記おにぎりを購買者が手で掴んだりすることによって内シートに衝撃等が加わることで、簡単に内シートがハーフカットの一部で破断する。このように、一旦、内シートがハーフカットの一部で破断すると、該破断部がハーフカットに沿って広がり易く、ハーフカットの広範囲に亘って内シートが破断してしまう。そのため、かかる部分からおにぎりが有する水分が海苔の収納空間に浸入して海苔が湿気てしまうといった問題が生じる。
一方、上記問題を防ぐために、前記ハーフカットを浅く形成することで、換言すると、ハーフカットの位置における内シートの厚みを厚くすることで、上記衝撃等による内シートのハーフカットでの破断をし難くすることも考えられた。
しかし、ハーフカットを浅く形成すると、おにぎりを食するために該おにぎりから包装体を取り外す際、内シートが破断し難くなり、無理に包装体を取り外そうとすることでおにぎりに大きな力が加わり、おにぎりが崩れたり、ハーフカットの位置以外で内シートが破断して海苔が破れたりする等の問題が生じる。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、内シートが容易に分断できると共に、衝撃等で一部が破断しても該破断部が広がり難いハーフカットが形成された内シートを備える米飯加工食品の包装体を提供することを課題とする。
そこで、上記課題を解消すべく、本発明に係る米飯加工食品の包装体は、幅方向に分断可能な外シートと、シート状食品を介して外シートに重ね合わされる内シートとを備え、重ね合わせた両シートのうち、シート状食品よりも外側における所定の囲い込み領域が熱溶着されると共に、外シートの分離に伴って内シートが分断されるよう構成されてなる包装体において、前記内シートは、全長に亘って溝状のハーフカットが形成され、該ハーフカットは、深さの浅い破断規制部と深い破断開始部とが交互に連続するように構成されることを特徴とする。
かかる構成によれば、内シートは、全長に亘って溝状のハーフカットが形され、該ハーフカットは、深さの浅い破断規制部と深さの深い破断開始部とが交互に連続するように構成されていることから、一部の破断開始部が外部からの衝撃等によって破断したとしても、ハーフカットに沿って前記破断部が広がらないよう、破断規制部によって規制することができる。
詳細には、ハーフカットは、内シートに形成された溝状体であって、その深さが浅い部分は、深さの深い部分よりもシートの厚みが厚くなっている。換言すると、破断規制部は、ハーフカットにおけるシートの厚みの厚い部分であり、破断開始部はシートの厚みの薄い部分である。また、ハーフカットにおいては、破断規制部の方が破断開始部よりもシートの厚みが厚いため破断強度が強い(大きい)。
従って、米飯加工食品の包装体に外部から衝撃等が加わることによって幅方向に分断する方向の力が内シートに加わると、破断強度の弱い(小さい)破断開始部から破断する。そして、ハーフカットの一部が一旦破断すると、僅かな力で前記破断部がハーフカットに沿って広がるが、前記破断がシートの厚みの厚い破断規制部に達するとそれ以上の破断の広がりが規制される。
しかし、ハーフカットは、内シートの他の部分よりも厚みが薄いため、人の手等によって人為的に包装体を開封するために内シートを幅方向に分断するように力を加えると、破断規制部も容易に破断することができる。
その際、破断規制部は、そのシートの厚みが内シートのハーフカット以外の部分におけるシートの厚みよりも薄くなっているため、一部の破断開始部から始まった内シートの破断がハーフカットを逸れて広がることも抑制することができる。
即ち、一部の破断開始部が破断し、該破断が破断規制部に達すると、内シートのハーフカット以外の部分よりもシートの厚みの薄い破断規制部に沿って破断が広がる。そして、破断規制部が、前記破断を次の(該破断規制部の隣の)破断開始部へ案内(ガイド)し、ハーフカット以外に破断が広がるのを抑制する役目も果たす。
また、前記外シートは、全長に亘って前記ハーフカットが形成される構成であってもよい。
かかる構成によれば、外シートにも、その全長に亘って前記ハーフカットが形成されるため、前記同様、衝撃等によって外シートにおける前記ハーフカットの破断開始部が破断したとしても、該破断が破断規制部によって前記ハーフカットに沿って広がるのを規制することができると共に、米飯加工食品の包装体を開封する際には外シートを前記ハーフカットで容易に分断することができる。
さらに、外シート及び内シートにそれぞれ前記ハーフカットが形成されていることから、米飯加工食品を包装している米飯加工食品の包装体をワンタッチで取り外して米飯加工食品とシート状食品とを合体させることができる。
即ち、米飯加工食品を包装している米飯加工食品の包装体を開封する(取り外す)際、従来の米飯加工食品の包装体であれば、外シートに備えられたカットテープ等の開封手段によって外シートを分断した後、米飯加工食品を包装している包装体の両端部を分断された外シートが互いに離間する方向にそれぞれ引っ張って取り外すことで米飯加工食品とシート状食品とを合体させるといった2段階の手順が必要となる。
しかし、上記構成によれば、前記ハーフカットを挟んで包装体の両端部を摘み、該摘んだ部分をそれぞれ離間する方向に引っ張るだけで、外シートと内シートとがハーフカットで分断されるため、前記カットテープ等によって外シートを分断する手順を経ることなく1段階の手順のみで米飯加工食品から米飯加工食品の包装体を取り外すことができる。
従って、外シートと内シートとが共に容易に分断できると共に、ハーフカットが衝撃等によって一部が破断しても該破断部が広がり難くなる。
また、前記内シートに、前記ハーフカットを覆うようにセンターシートがさらに重ね合わされ、該センターシートは、前記ハーフカットと交わることなく且つ全長に亘り、前記ハーフカットを挟んで一方側の内シートに熱溶着される構成であってもよい。
かかる構成によれば、シート状食品を介して外シートに重ね合わされる内シートに、前記ハーフカットを覆うようにセンターシートがさらに重ね合わされている。従って、米飯加工食品を包装した際、内シートと米飯加工食品との間、若しくは内シートとシート状食品との間にセンターシートが介在する。そのため、内シートにおけるハーフカットの一部が衝撃等で破断したとしても、内シートの該破断部と米飯加工食品との間、若しくは内シートの破断部とシート状食品との間に前記センターシートが介在し、前記破断部にセンターシートが蓋をした状態となる。そのため、前記センターシートによって、前記破断部から浸入しようとする米飯加工食品の有する水分(湿気)がシート状食品に到達することを防ぐことができる。
即ち、上記構成によれば、衝撃等でハーフカットの一部(破断開始部)が破断したとしてもハーフカットに沿って該破断部が広がるのを好適に抑制(規制)することができると共に、該破断部がセンターシートによって覆われているため、シート状食品側(積層方向内側)に米飯加工食品の水分が浸入することを好適に抑制することができる。
特に、センターシートが内シートの積層方向における内側に重ね合わされた場合、該センターシートは、外部からハーフカットに伝わる衝撃等を少なくする緩衝材として働く。即ち、センターシートは、米飯加工食品の包装体で米飯加工食品を包装した際、内シートのシート状食品側に位置している。そのため、該米飯加工食品の包装体に外部から衝撃等が加わると、該衝撃等は、外シート、シート状食品、センターシート、そして内シートの順に伝わる。従って、センターシートを経て内シートに伝わる衝撃は、センターシートがない場合に比べて減少している。その結果、センターシートを内シートの積層方向における内側に重ね合わせることで、衝撃等によってハーフカットの一部(破断開始部)が破断することを防止、若しくは減少させることができる。
また、前記センターシートは、前記ハーフカットと交わることなく且つ全長に亘り、前記ハーフカットを挟んだ一方側の内シートに熱溶着されている。そのため、米飯加工食品を包装している米飯加工食品の包装体を取り外して米飯加工食品とシート状食品とを合体させるために、内シートをハーフカットから幅方向に分断して離間させた際、前記センターシートは、分断された一方の内シートと共に米飯加工食品とシート状食品との間から引き抜かれる(取り除かれる)。そのため、センターシートを単体で米飯加工食品とシート状食品との間から引き抜く必要がなく、容易且つ素速く引き抜くことができる。
また、前記内シートの積層方向外側に、前記ハーフカットを挟むように少なくとも一対の折り返し用シートがさらに重ね合わされ、該一対の折り返し用シートは、その内側端部を前記ハーフカットに沿って且つ全長に亘って前記内シートに熱溶着される構成であってもよい。
かかる構成によれば、前記内シートの積層方向外側に、前記ハーフカットを挟むように少なくとも一対の折り返し用シートがさらに重ね合わされ、該一対の折り返し用シートは、その内側端部を前記ハーフカットに沿って且つ全長に亘って前記内シートに熱溶着されていることから、米飯加工食品を包装した際、前記ハーフカットの両側部では、前記折り返し用シートが米飯加工食品と接することとなる。
そのため、米飯加工食品の包装体を米飯加工食品から取り外すために内シートをハーフカットから幅方向に分断させ、該分断部が離間する方向に内シートを引き離すと、折り返し用シートの内側(ハーフカット側)端部が熱溶着している内シートに引っ張られる。そのため、前記折り返し用シートが接している米飯加工食品と擦れることなく内側(ハーフカット側)から順に米飯加工食品と反対方向に捲れ上がり、米飯加工食品を崩す(割れを生じさせる)ような力が発生することなく、内シートを米飯加工食品とシート状食品との間から容易に引き抜くことができる。
その結果、分断した内シートを米飯加工食品とシート状食品との間から引き抜く際、無理な力を加える必要がないため、米飯加工食品の崩れ(割れ)を抑制することができると共にシート状食品の破れ等の発生も抑制することができる。
また、前記内シートは、その一部が積層されるよう、折り目が長さ方向に沿うと共に山折りと谷折りとが交互に形成される折り畳み部を備え、該折り畳み部を構成する最外層、中間層及び最内層の少なくとも一層に、前記ハーフカットが形成されている構成であってもよい。
かかる構成によれば、前記折り畳み部は、前記内シートをその一部が積層されるよう、折り目が長さ方向に沿うと共に山折りと谷折りとが交互に形成されており、該折り畳み部を構成する最外層、中間層及び最内層の少なくとも一層に、前記ハーフカットが形成されていることから、前記ハーフカットの一部が衝撃等によって破断したとしても、該破断部と対向する位置の折り畳まれた内シートによって前記破断部が蓋をされた状態となるため、前記破断部から浸入しようとする米飯加工食品からの水分がシート状食品に到達することを簡単な構成で好適に防ぐことができる。
また、前記内シートは、前記山折りと谷折りとの折り目部がそれぞれ熱溶着されている構成であってもよい。
かかる構成によれば、前記山折りと谷折りとの折り目部が熱溶着されていることから、折り目部が固定され、即ち、内シートの折り目(屈曲部)は、シートの復元力によって伸びようとするが、折り目の内側同士が熱溶着されることで、折り目(屈曲部)が固定されるため、米飯加工食品を包装する際に、前記折り畳み部がずれることない。そのため、ハーフカットの一部が破断したとしても、シート状食品側への該破断部からの水分の浸入を好適に抑制するという効果を維持し易くなる。
また、前記外シートの積層方向外側且つ前記分断可能位置を跨ぐように、品名等が印刷されたラベルがさらに貼着され、該ラベルは、前記分断可能位置と対応する位置に他の部分より破断強度の弱い易破断部が形成されている構成であってもよい。
かかる構成によれば、品名等が印刷されたラベルが前記外シートの積層方向外側且つ前記分断可能位置を跨ぐように貼着され、該ラベルは、前記分断可能位置と対応する位置に他の部分より破断強度の弱い易破断部が形成されている。そのため、米飯加工食品から米飯加工食品の包装体を取り外すために外シートを分断する際、前記ラベルは、外シートと共に易破断部に沿って破断され、米飯加工食品の包装体を米飯加工食品から取り外すことができる。
即ち、米飯加工食品から米飯加工食品の包装体を取り外す際、外シートに設けられた分断可能位置を跨ぐように貼着されている前記ラベルに邪魔されることなく、容易に外シートを分断することができる。
また、前記外シート又は内シートの少なくとも一方に形成される前記ハーフカットの少なくとも一方の端部に分断開始部がさらに形成され、該分断開始部は、切込みの先端部に先端側が円弧又は略円弧状の貫通孔が連接される構成であってもよい。
通常分断開始部は、V字状の切込み(いわゆる、ノッチ)によって構成され、分断時には前記V字状の先端部に力が集中して破断(分断)し始める。しかし、製造工程上の誤差により、前記V字状の切込み先端とハーフカット等の分断可能部とが幅方向にずれた場合、即ち、ハーフカットの端部がV字状の切込みの斜辺部と接続されている場合、破断しようとする力は、切込みは先端に集中するため、分断可能部の端部へうまく力が伝わらず、分断可能部を分断するのに通常よりも力が必要となる場合がある。
しかし、上記構成によれば、ハーフカット両端部に形成される破断開始部は、切込みの先端部に先端側が円弧又は略円弧状の貫通孔が連接されているため、製造行程上の誤差によってハーフカット等の破断可能部が前記切込み先端の中心と幅方向にずれた位置で接続されていても、V字状切込みのように先端だけでなく、円弧又は略円弧状部分全体に力が伝わる。
そのため、前記円弧又は略円弧状部分に分断可能部の端部が接続されていれば、容易且つ小さな力で分断可能部を破断させることができる。尚、本発明において、切込み先端方向とは、切込みが形成されているシート端縁からシート内側へ向かう方向をいう。
以上より、本発明によれば、内シートが容易に分断できると共に、衝撃等で一部が破断しても該破断部位が広がり難いハーフカットが形成された内シートを備える米飯加工食品の包装体を提供することができるようになる。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明するが、先ず、米飯加工食品及びシート状食品について説明する。
図1及び図2に示すように、米飯加工食品2は、本実施形態においては三角形おにぎりである。しかし、これに限定される必要はなく、樽形状等に握られた各種形状のおにぎりであってもよく、鮨等であってもよい。また、米飯加工食品(以下、単に「おにぎり」と言うことがある。)2は、本実施形態においては白米で構成されているが、かやくご飯等であってもよい。さらに、おにぎり2の内部には具材が埋め込まれているが、サンドイッチのように米飯で挟むようにしてもよい。
シート状食品3は、本実施形態においてはシート状の海苔である。しかし、これに限定される必要はなく、畳鰯等であってもよい。また、シート状食品(以下、単に「海苔」と言うことがある。)3は、輪郭が矩形状となるように形成されているが、他の形状であってもよい。
次に、本実施形態に係る米飯加工食品の包装体(以下、単に「包装体」と言うことがある。)1について説明する。包装体1は、海苔3が直におにぎり2と接することがないよう、別々に包装することができるものであり、矩形状の外シート10と、海苔3を介して外シート10に重ね合わされる(積層される)内シート20とを備える。
外シート10は、矩形状のシート体(フィルム)であり、その大きさは、おにぎり2の全体を包み込むことができる大きさに設定されている。外シート10は、幅方向の中央部に、該外シート10を全長に亘って長さ方向に裂くことができる分断可能部11を備える。本実施形態において、分断可能部11は、外シート10を幅方向に分断することができる後述の溝状のハーフカットHで構成されている。そして、該ハーフカットHの長さ方向両端には、分断開始部としてノッチ12がそれぞれ形成されている。本実施形態におけるノッチ12は、V字状の切込みで、切込み先端部(V字の屈曲部)がハーフカットHの端部と一致若しくは略一致するように形成されている。尚、分断開始部12は、V字状の切込みに限定される必要はなく、ホームベース状等であってもよい。
内シート20は、矩形状のシート体である。詳細には、内シート20は、外シート10と重ね合わせた(積層させた)際に輪郭(外縁)が一致する大きさの矩形状のシート体である。内シート20は、外シート10と重ね合わせた際に、内シート20における外シート10の分断可能部11と対応する位置、即ち、幅方中央部に該内シート20の全長に亘って分断可能部21を備える。本実施形態において、分断可能部21は、内シート20を幅方向に分断することができる溝状のハーフカットHによって構成されている。また、分断開始部22も、分断可能部21同様、外シート10の分断開始部12と対応する位置に対応する形状で形成されている。
図3に示すように、ハーフカットHは、シート体の表面(ひょうめん)に形成された溝状であり、該溝の深さの浅い破断規制部Haと深い破断開始部Hbとが交互に連続するように構成されている。即ち、ハーフカットHにおける破断規制部Haのシートの厚みdaは、破断開始部Hbのシートの厚みdbよりも厚くなるように形成されており、ハーフカットHは、シートの厚みが厚い部分と薄い部分とが交互に現れるような溝状に形成されている。詳細には、破断規制部Ha及び破断開始部Hbは、共に深さが一定の溝状であって、これら破断規制部Haと破断開始部Hbとは、溝の底部が傾斜面状の連結部Hcによって連結されている。また、各破断規制部Ha,…の長さは全て同一若しくは略同一であり、各破断開始部Hb,…の長さは全て同一若しくは略同一である。
尚、本実施形態においては、ハーフカットHは、内シート20の積層方向における内側に設けられているが、これに限定される必要はない。即ち、上記のように、シートの厚みが厚い部分(破断規制部)Haと薄い部分(破断開始部)Hbとが交互に現れるように形成されるならば、内シート20の積層方向における外側に設けられてもよく、両側に設けられてもよい。また、本実施形態においては、ハーフカットHは、全て同じ長さの破断規制部Ha,Ha,…と破断開始部Hb,Hb,…とが交互に連続するように構成されているが、これに限定される必要もなく、他とは異なる長さの破断規制部Haと破断開始部Hbとが含まれていてもよい。
このような外シート10と内シート20とを、その間に海苔3を介在させた後、海苔3よりも外側における所定の囲い込み領域Sが熱溶着(ヒートシール)される。本実施形態においては、図2(イ)に示すように、外シート10と内シート20との長さ方向に沿う両側縁部を全長に亘って帯状にシール(溶着)S1する。該帯状のシールS1は、長さ方向に所定間隔をおいて、位置決め突出部S1a,…が幅方向中心に向かって突出するように形成されている。さらに、両シート10,20の中心と海苔3の中心とが略一致するようにそれぞれ配置し、海苔3の長手方向両端に近接して該海苔3を挟むように線状にシールS2,S2がなされ、前記位置決め突出部S1a,…と共に海苔3を位置決めしている。シールS2,S2は、幅方向に沿った帯状のシールであり、その長さ方向(内シート20における幅方向)両端は、シールS1と連接している。このようにシールS1及びS2によって海苔3の周囲を全て囲むことによって、外シート10と内シート20との間に形成される海苔3の収納空間が全周に亘って密封され、海苔が湿気ることなく長期に亘って海苔3特有の食感であるパリパリ感を保つことができるようになる。
尚、図2(ロ)に示すように、シールS2は、外シート10及び内シート20のハーフカットH(分断部11,21)には掛からないように施されてもよい。このようにシールすることで、シールする際の熱によってハーフカットHが潰れることがなく、包装体1の開封時における外シート10及び内シート20のハーフカットHでの分断の行い易さを維持することができる。
また、上記外シート10と内シート20との重なり部へのシールは、ヒートシール(熱溶着)を用いているが、超音波溶着、又は高周波溶着等であってもよい。
次に、おにぎり2の包装について説明する。図4aに示すように、包装体1の内シート20上に、おにぎり2を倒した状態で載置する。その際、おにぎり2の幅中心が包装体1の幅中心に揃い、おにぎり2の底部が包装体1の長さ方向の中心近傍に位置するように載置する。この状態で包装体1内の海苔3は、おにぎり2の幅方向両端からはみ出していない。
図4bに示すように、包装体1を該包装体1の長さ方向の両端縁が揃うように、載置しているおにぎり2の底部近傍で二つ折りにする。
さらに、図4cにも示すように、包装体1の長さ方向に沿う両側縁を、おにぎり2の両側面側(三角おにぎり2の両斜面側)に折り畳んで重ね(折り重ね)、重ね合わされた部分(包装体1の長さ方向に沿った側縁部)をシールS3する。これによって、おにぎり2の頂部側が開口31した包装袋1’が形成される。
この時、おにぎり2の底部両側(包装体1の幅方向両側縁側)の近接した位置に、折り重ねた包装体1によって三角状耳部32,32が形成される。該耳部32,32に線状のシールS4を施す。この線状のシールS4を施すことで、シート体(外シート10及び内シート20)側端部の重なり部(包装袋1’の側部)からの外気の侵入を好適に抑制することができる。
図4dに示すように、最後に包装袋1’の側部の袋開口31側を内側に折り込んで、袋開口31を、熱溶着等によってシールS5することで封止部を形成する。
以上のようにおにぎり2を包装体1で包装することで、おにぎり2と海苔3とを別々に包装することができる。即ち、包装されたおにぎり2と海苔3との間には、内シート20が介在するように、おにぎり2は包装体1で包装されている。また、内シート20には、ハーフカットHが形成されているだけであり、おにぎり2を包装体1で包装した際、おにぎり2の収納空間と海苔3の収納空間との間に通気可能な部分がなく、おにぎり2の有する水分が海苔3に到達することはない。そのため、食した際の海苔3のパリパリ感を長期に亘って損なうことなく、包装体1でおにぎり2を包装した状態で店舗等に陳列することができる。
次に、おにぎり2を食するときについて説明する。図5に示すように、包装されたおにぎり2の包装(包装体1)を取り外す(開封する)際には、一方の手で、外シート10のハーフカットHを中心として包装袋1’の一方側の上端部を摘み、他方の手で包装袋1’の他方側の上端部を摘む。そして、互いに離間方向に引っ張る(図5(イ)参照)。このようにすることで、外シート10及び内シート20のハーフカットHは、ノッチ(分断開始部)12(22)の先端部から破断し始める。
さらに、摘んでいた上端部を離間方向に引っ張ると、外シート10及び内シート20は完全に分断され、この分断された外シート10の一方と、該一方の外シート10に溶着された内シート20とが引っ張り出され、海苔3の半分が露出する(図5(ロ)参照)。
詳細には、ハーフカットHを挟んで一方側の包装袋1’の上端部を他方側の上端部と離間する方向に引っ張ると、外シート10及び内シート20には互いに離間する方向(幅方向)の力が加わる。その結果、外シート10及び内シート20のノッチ(分断開始部)12(22)の先端部に力が集中し破断し始める。そして、該破断は、他の部分よりもシートの厚みの薄いハーフカットHに沿って広がる。
より詳細には、ノッチ12(22)の先端部とハーフカットHの端部とが一致している場合は、ノッチ12(22)の先端部から開始した破断は、ハーフカットHに沿って広がる。また、製造工程上の誤差によってノッチ12(22)の先端部とハーフカットHの端部とが僅かに包装体1の幅方向にずれていた場合は、ノッチ12(22)の先端部が破断し、該破断がハーフカットHに向かうと共に、包装袋1’の両側上端部を離間方向に引っ張る力がハーフカットHの端部にも伝わり、ハーフカットHにおける破断規制部Haよりもシートの厚みが薄い、即ち、ハーフカットHを構成する溝の深さが深いために破断強度の弱い破断開始部Hbのうちノッチ12(22)の先端部に近い破断開始部Hbから破断を開始する。さらに外シート10及び内シート20に前記離間方向(幅方向)の力が加わることで、前記破断がハーフカットHに沿って広がり、外シート10及び内シート20がハーフカットH部分で2つに分断される。そして、分断された一方の外シート10にシールされている一方の内シート20は、該一方の外シート10に引っ張られることで、海苔3とおにぎり2との間から引っ張り出され、海苔3の半分が露出する。
その後、露出した海苔3の上からおにぎり2を保持し、一方の手でおにぎり2を包装している残り(他方)の外シート10を摘んで外側に引っ張る。
おにぎり2から包装袋1’が完全に取り外され、海苔3だけが残っておにぎり2と合体する。このようにして、パリパリ感を有する海苔3が被さったおにぎり2を食することができるようになる。
以上のような包装体1によれば、外シート10及び内シート20には、幅方向中央部に全長に亘って溝状のハーフカットHが形され、該ハーフカットHは、深さの浅い破断規制部Haと深さの深い破断開始部Hbとが交互に連続するように構成されている。そのため、一部の破断開始部Hbが外部からの衝撃等によって破断したとしても、ハーフカットHに沿って前記破断が広がらないよう、破断規制部Haによって規制することができる。
詳細には、ハーフカットHは、外シート10及び内シート20の表面(ひょうめん)に形成された溝状体であって、その深さが浅い部分は、深さの深い部分よりもシートの厚みが厚くなっている。換言すると、破断規制部Haは、ハーフカットHにおけるシートの厚みの厚い部分であり、破断開始部Hbはシートの厚みの薄い部分である。また、ハーフカットHにおいては、破断規制部Haの方が破断開始部Hbよりもシートの厚みが厚いため強度(破断強度)が強い(大きい)。
従って、包装体1に外部から衝撃等が加わることによって幅方向に分断する方向の力が内シート20に加わると、強度の弱い破断開始部Hbから破断し、一旦破断すると、僅かな力で前記破断部がハーフカットHに沿って広がるが、前記破断がシートの厚みの厚い破断規制部Haに達するとそれ以上の破断の広がりが規制される。
しかし、ハーフカットHは、内シート20の他の部位よりも厚みが薄いため、人の手等によって人為的に包装体1を開封するため、内シート20を幅方向に分断するように力が加わると、破断規制部Haも容易に破断することができる。
その際、破断規制部Haは、そのシートの厚みが内シート20のハーフカットH以外の部分におけるシートの厚みよりも薄くなっているため、一部の破断開始部Hbから始まった内シート20の破断がハーフカットHを逸れて広がることも抑制することができる。
即ち、一部の破断開始部Hbが破断し、該破断が破断規制部Haに達すると、内シート20のハーフカットH以外の部分よりもシートの厚みの薄い破断規制部Haに沿って破断が広がる。そして、破断規制部Haが、前記破断を次の(該破断規制部Haの隣の)破断開始部Hbへ案内(ガイド)し、ハーフカットH以外に破断が広がるのを抑制する役目も果たす。
また、外シート10及び内シート20にそれぞれ前記ハーフカットHが形成されていることから、おにぎり2を包装している包装体1をワンタッチで取り外しておにぎり2と海苔3とを合体させることができる。
即ち、おにぎり2を包装している包装体1を開封する(取り外す)際、従来の包装体であれば、外シートに備えられたカットテープ等の開封手段によって外シートを分断した後、おにぎりを包装している包装体の両端部を分断された外シートが互いに離間する方向にそれぞれ引っ張って取り外すことでおにぎり2と海苔3とを合体させるといった2段階の手順が必要となる。
しかし、上記構成によれば、前記ハーフカットHを挟んで包装体1の両端部を摘み、該摘んだ部分をそれぞれ離間する方向に引っ張るだけで、外シート10と内シート20とがハーフカットHで分断されるため、前記カットテープ等によって外シートを分断する手順を経ることなく1段階の手順のみでおにぎり2から包装体1を取り外すことができる。
従って、外シート10と内シート20とが共に容易に分断できると共に、ハーフカットHが衝撃等によってその一部が破断しても該破断部が広がり難くなる。
尚、本発明の包装体1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、本実施形態においては、ハーフカットHは、内シート20の長さ方向両端の中央部を結ぶ直線状に形成されているがこれに限定される必要はない。即ち、ハーフカットHは、左右に屈曲する鋸歯状(図6(イ)参照)であってもよく、正弦波形状(波形状)(図6(ロ)参照)等であってもよい。尚、図6(ロ)に示すように、包装体1の長さ方向に沿った側縁部のシールS1に設けられた幅方向中心に向かって突出する位置決め突出部S1a,…の代わりに、包装体1に収納される海苔3の長さ方向側縁に沿って細帯状のシールS1bを設けてもよく、スポットシール(図示せず)を設けてもよい。即ち、海苔3が収納空間内で移動しないように、その周縁に沿って1又は複数のシールが設けられていればよい。
さらに、ハーフカットHは、包装体1(内シート20)の幅方向における中央部に形成される必要もなく、左右どちらかに偏っていてもよく、傾斜していてもよい。
また、本実施形態においては、ハーフカットHの破断規制部Haと破断開始部Hbとは、共に深さが一定の溝であって、その間を傾斜面状の連結部Hcによって連結されているが、これに限定される必要はない。即ち、破断規制部Haと破断開始部Hbとを連結する連結部Hcは、傾斜面状でなく垂直面状であってもよい(図6(ハ)参照)。また、破断規制部Haと破断開始部Hbとその連結部Hcとで、溝の底部が正弦波状(図6(ニ)参照)になるよう形成されていてもよい。
また、図7(イ)に示すように、センターシート23が内シート20の積層方向外側にハーフカットHを覆うように配設されてもよい。その際、センターシート23は、ハーフカットHに交わることなく(沿って)且つセンターシート23の全長に亘って内シート20にシールS’される。
このようにセンターシート23を設けることで、おにぎり2を包装した際、内シート20とおにぎり2との間にセンターシート23が介在するように配置される。そのため、内シート20におけるハーフカットHの一部が運搬時の衝撃等で破断したとしても、内シート20の該破断部とおにぎり2との間にセンターシート23が介在し、前記破断部にセンターシート23が蓋をした状態となる。その結果、センターシート23によって、前記破断部から浸入しようとするおにぎり2が有する水分(湿気)が海苔3に到達することを防ぐことができる。
特に、センターシート23’が内シート20の積層方向における内側に重ね合わされた場合、該センターシート23’は、緩衝材としても作用する。即ち、センターシート23’は、包装体1でおにぎり2を包装した際、内シート20の外部側(積層方向においておにぎりと反対側)に位置している。そのため、該包装体1に外部から衝撃等が加わると、該衝撃等は、外シート10、海苔3、センターシート23’、そして内シート20の順に伝わる。従って、センターシート23’を経て内シート20に伝わる衝撃は、センターシート23’がない場合に比べて減少している。その結果、センターシート23’を内シート20の積層方向における内側に重ね合わせることで、衝撃等によってハーフカットHの一部(破断開始部Hb)が破断することを防止、若しくは減少させることができる。
また、センターシート23は、ハーフカットHと交わることなく且つセンターシート23の全長に亘って前記ハーフカットHを挟んで一方側の内シート20にシールされている。そのため、おにぎり2を包装している包装体1を取り外しておにぎり2と海苔3とを合体させるために内シート20をハーフカットHで幅方向に分断した際、分断された一方の内シート20と共に該一方の内シート20にシールされているセンターシート23は、おにぎり2と海苔3との間から容易に引き抜かれる(取り除かれる)。
尚、センターシート23,23’は、内シート20と略同程度の長さの矩形状シートであることが好ましいが、これに限定される必要もなく、おにぎり2を包装体1で包装した際、内シート20のハーフカットHにおける外部からの衝撃が加わり易い部位のみをカバーできる(覆うことができる)ような長さであってもよく、ハーフカットHを覆うことができれば矩形状以外の形状でもよい。
また、図7(イ)に示す実施形態においては、センターシート23,23’は内シート20の積層方向における外側、又は内側の一方だけに設けられているが、両方にそれぞれ設けられてもよい。
さらに、センターシートは、内シート20のみに設けられる必要はなく、外シート10にも設けられてもよい。その場合、外シート10の積層方向内側に、該外シート10におけるハーフカットHを覆うようにセンターシート23’’がさらに重ね合わされ、該センターシート23’’は、前記ハーフカットHと交わることなく且つ全長に亘り、前記ハーフカットHを挟んで一方側の外シート10に熱溶着されるように配設される。
このように構成されることで、前記センターシート23’’は、包装体1でおにぎり2を包装した際、外シート10の内部側(積層方向において海苔3側)に位置している。そのため、該包装体1に外部から衝撃等が加わると、該衝撃等は、外シート10、センターシート23’’、海苔3、そして内シート20の順に伝わる。従って、センターシート23’’を経て海苔3や内シート20に伝わる衝撃は、センターシート23’’がない場合に比べて減少している。その結果、センターシート23’’を外シート10の積層方向における内側に重ね合わせることで、衝撃等によって海苔3の破損(破れ)や内シート20におけるハーフカットHの一部(破断開始部Hb)が破断することを防止、若しくは減少させることができる。
これに加え、センターシート23’’が上記構成のように外シート10の内側に配設されることで、外シート10におけるハーフカットHの一部が破断した場合に、かかる破断部を前記同様センターシート23’’が蓋をすることで、外気中の水分が海苔3の収納空間に浸入して海苔3が湿気るのを抑制することができ、また、海苔3が外気に直接触れて傷むことも抑制し、さらに、海苔3の収納空間への異物の混入をも好適に抑制することができる。尚、センターシート23’’は、外シート10と略同程度の長さの矩形状シートであることが好ましいが、前記同様、この長さに限定される必要はない。
また、本実施形態においては、外シート10を2つに分断するために分断可能部11は、ハーフカットHによって構成されているが、これに限定される必要もなく、外シート10の積層方向内側にカットテープが貼着されていてもよい。このようにすることでも、外シート10を分断可能部11において、分断することができる。即ち、外シート10を幅方向に分断可能な手段であればよい。
また、図7(イ)の実施形態においては、センターシート23は、幅方向における一方側端部を全長に亘って真っ直ぐな帯状にシールしているが、これに限定される必要はなく、波線状でもよく、複数のスポットシールでもよい。さらには、面状にシールしてもよい。即ち、センターシートは、ハーフカットを挟んで一方側の内シートに固定(シール)され且つハーフカットを覆うように配設されていればよい。
図7(ロ)に示すように、少なくとも一対の折り返し用シート24,24が内シート20の積層方向外側に、ハーフカットHを挟むように配設されてもよい。その際、該一対の折り返し用シート24,24は、その内側端部24a,24aをハーフカットHに沿うと共に、折り返し用シート24,24の全長に亘って内シート20にシールS’’される。
このように、折り返し用シート24,24を設けることで、該一対の折り返し用シート24,24は、その内側端部24a,24aをハーフカットHに沿って且つ全長に亘って内シート20にシールS’’されている。そのため、おにぎり2を包装した際、ハーフカットHの両側部では、内シート20ではなく、折り返し用シート24,24がおにぎり2と接することとなる。
そのため、包装体1をおにぎり2から取り外すために内シート20をハーフカットHから幅方向に分断させ、該分断部が離間する方向に内シート20を引き離すと、折り返し用シート24,24の内側(ハーフカット側)端部24a,24aがシールS”されている内シート20に引っ張られる。そのため、折り返し用シート24,24が接しているおにぎり2と擦れることなく内側(ハーフカットH側)から順に米飯加工食品と反対方向に捲れ上がり、おにぎり2を崩す(割れを生じさせる)ような力が発生することなく、内シート20をおにぎり2と海苔3との間から容易に引き抜くことができる。
その結果、分断した内シート20をおにぎり2と海苔3との間から引き抜く際、無理な力を加える必要がないため、おにぎり2の崩れ(割れ)を抑制することができると共に海苔3の破れ等の発生も抑制することができる。
尚、一対の折り返し用シート24,24は、内シート20と略同程度の長さの矩形状シートであることが好ましいが、これに限定される必要もなく、内シート20よりも短くてもよく、矩形状以外の形状でもよい。また、両方が同一形状のシート体であってもよく、互いに形状、長さ、幅等が異なっていても上記効果を奏する形状であればよい。
また、図7(ロ)の実施形態においては、折り返し用シート24,24は、ハーフカットHから僅かに距離をおいて平行に真っ直ぐな帯状のシールによって内シート20にシールされている。しかし、これに限定される必要はなく、ハーフカットHに沿って直線状に配列された複数のスポットシール等でもよい。即ち、折り返し用シートは、上記のように、内シートを分断していく際、接しているおにぎり2と擦れることなく内側から順に捲れ上がり、おにぎり2を崩すような力が発生することなく、内シート20をおにぎり2と海苔3との間から容易に引き抜くことができるように内シート20にシールされていればよい。
また、一対の折り返し用シート24,24の間に、さらにセンターシート(図示せず)が配設されてもよい。即ち、少なくとも一対の折り返し用シート24,24が内シート20の積層方向外側に、該内シート20におけるハーフカットHを挟むように配設されると共に、前記折り返し用シート24,24の間に、且つ積層方向において該折り返し用シート24,24と重なることなく、センターシートが内シート20の積層方向外側にハーフカットHを覆うように配設され、センターシートは、ハーフカットHに交わることなく(沿って)且つセンターシート23の全長に亘り、前記ハーフカットHを挟んで一方側の内シート20にシール(熱用着)されると共に、一対の折り返し用シート24,24は、その内側端部24a,24aをハーフカットHに沿って且つ折り返し用シート24,24の全長に亘って内シート20にシール(熱用着)S’’されてもよい。
かかる構成によれば、前記同様、包装体1をおにぎり2から取り外すために内シート20をハーフカットHから幅方向に分断させ、該分断部が離間する方向に内シート20を引き離すと、折り返し用シート24,24の内側(ハーフカット側)端部24a,24aがシールS”されている内シート20に引っ張られる。そのため、折り返し用シート24,24が接しているおにぎり2と擦れることなく内側から順に米飯加工食品と反対方向に捲れ上がり、おにぎり2を崩す(割れを生じさせる)ような力が発生することなく、内シート20をおにぎり2と海苔3との間から容易に引き抜くことができる。これに加え、このように前記センターシートを設けることで、おにぎり2を包装した際、内シート20とおにぎり2との間にセンターシートが介在するように配置される。そのため、内シート20におけるハーフカットHの一部が運搬時の衝撃等で破断したとしても、内シート20の該破断部とおにぎり2との間に前記センターシートが介在し、前記破断部に前記センターシートが蓋をした状態となる。さらに、積層方向において該折り返し用シート24,24と重なることなく、前記センターシートが内シート20の積層方向外側にハーフカットHを覆うように配設されていることから、折り返し用シート24,24とおにぎりとの間に前記センターシートが存在していない。そのため、包装体1をおにぎり2から取り外すために内シート20をハーフカットHから幅方向に分断させる際に、前記センターシートが折り返し用シート24,24が接しているおにぎり2と擦れることなく内側から順に米飯加工食品と反対方向に捲れ上がるのを邪魔することがない。その結果、おにぎり2を崩す(割れを生じさせる)ような力が発生することなく、内シート20をおにぎり2と海苔3との間から容易に引き抜くことができる。
図7(ハ)に示すように、内シート20の一部が積層されるよう、折り目が長さ方向に沿うと共に山折り26と谷折り27とが交互に形成される折り畳み部25が内シート20に備えられてもよい。その際、内シート20の一部が積層された折り畳み部25を構成する各層(最外層20’、中間層20’’及び最内層20’’’)の少なくとも一層には、ハーフカットHが形成されている。
このようにすることで、簡単な構成であるにもかかわらず、折り畳み部25は、ハーフカットHの一部が衝撃等によって破断したとしても、該破断部と対向する位置の折り畳まれた内シート20によって前記破断部が蓋をされた状態となるため、前記破断部から浸入しようとする積層方向外側からの湿気(おにぎり2の有する水分)が海苔3に到達することを好適に防ぐことができる。
また、この場合、折り畳み部25の山折りと谷折りとの各折り目部26,27は、シールS’’’されていることが好ましい。
このようにすることで、折り目部25,26が固定され、即ち、内シート20の折り目部(屈曲部)25,26は、シートの復元力によって伸びようとするが、折り目部の内側同士がシールされることで、折り目部(屈曲部)25,26が固定されるため、おにぎり2を包装する際に折り畳み部25がずれなくなり、ハーフカットHの一部が破断したとしても、海苔3への該破断部からの水分の浸入を好適に抑制するという効果を維持し易くなる。また、きれいにおにぎり2を包装し易くなる。
尚、折り畳み部25は、山折り26と谷折り27とが一箇所ずつ形成される必要もなく、それぞれ複数箇所ずつ形成されてもよく、折り畳み部25が複数形成されてもよい。
また、図8(イ)に示すように、他の部分より破断強度の弱い易破断部Wが横断するように形成されている品名等の印刷されたラベルLを、易破断部Wが外シート10の分断可能部11(ハーフカットH)に対応するように、外シート10の積層方向外側且つ分断可能位置11を跨ぐよう、包装袋1’に貼着してもよい。
易破断部Wは、例えば、三つ叉状の切込み40を直線状に複数配列したもの(図8(ロ)参照)や、多数の小さな貫通孔41,…を帯状に配設したもの(図8(ハ)参照)や、複数の一定深さの溝42,…を平行に形成したもの(図8(ニ)参照)である。即ち、易破断部Wは、ラベルLを横断する所定の幅Dの帯状部分の強度(破断強度)が、他の部分よりも弱くなるように構成されていればよい。
このようにすることで、おにぎり2から包装体1を取り外すために外シート10を分断する際、ラベルLは、外シート10の分断可能部11と共に易破断部Wに沿って容易に破断でき、包装体1をおにぎり2から取り外すことができる。即ち、おにぎり2から包装体1を取り外す際、外シート10に設けられた分断可能位置(分断可能部11)を跨ぐように貼着されている前記ラベルLに邪魔されることなく、容易に外シート10を分断することができる。
尚、易破断部Wと分断可能部11とが対応するようにラベルLを外シート10に貼着する際、製造工程上の誤差のために、ラベルLが外シート10に対して貼着予定位置よりも幅方向に僅かにずれる場合がある。このような場合でも、易破断部Wと分断可能部11とがずれないように、即ち、易破断部Wと分断可能部11とが重なるように、易破断部Wの幅Dが設定されている。
また、包装体1でおにぎり2を包装する際、包装体1は、袋状にしておにぎり2を包装することに限定される必要はなく、図9に示すような、従来からのおにぎり2に即して折り曲げた形状となるように包装してもよい。このようにしても、外シート10と内シート20とにハーフカットHをそれぞれ形成することによって、おにぎり2の底辺側の角部から突出している部分的に包装体1が折り重なった耳部M’,M’を互いに離間方向に引っ張るだけで、外シート10と内シート20とがハーフカットHで分断され、おにぎり2と海苔3とを合体させると共に包装体1をおにぎり2から取り外すことができる。
また、本実施形態においては、ノッチ(分断開始部)12は、V字状の切込みで構成されているがこれに限定される必要はない。即ち、前記外シート10又は内シート20の少なくとも一方に形成される前記ハーフカットHの少なくとも一方の端部に分断開始部がさらに形成され、該分断開始部は、切込みの先端部に先端側が円弧又は略円弧状の貫通孔が連接される構成であってもよい。
一般に、分断開始部としては、上記V字状の切込み(いわゆる、ノッチ)、又はホームベース型(同幅の切込みの先端部がV字状となっている形状)の切込みによって構成されている場合が多い。かかる分断開始部は、その両側が離間方向に引っ張られることで前記V字状の先端部に力が集中して破断(分断)し始める。しかし、製造工程上の誤差により、前記V字状の切込み先端とハーフカットやミシン目等の分断可能部とが幅方向にずれた場合、即ち、分断可能部の端部がV字状の切込みの斜辺部と接続されている場合、破断しようとする力は、切込みは先端に集中して分断可能部の端部へうまく力が伝わらず、分断可能部を分断するのに通常よりも力が必要であったり、分断可能部と異なる領域が破断することが懸念される。
しかし、上記構成によれば、ハーフカット両端部に形成される破断開始部は、切込みの先端部に先端側が円弧又は略円弧状の貫通孔が連接されているため、製造行程上の誤差によって破断可能部が前記切込み先端の中心と幅方向にずれた位置で接続されていても、V字状切込みのように先端だけでなく、円弧又は略円弧状部分全体に力が伝わる。
そのため、前記円弧又は略円弧状部分に分断可能部の端部が接続されていれば、容易且つ小さな力で分断可能部を破断させることができる。
また、前記分断開始部は、先端に向かって幅が狭くなるような切込み先端部に先端側が円弧又は略円弧状の貫通孔が連接されており、該貫通孔は、前記切込みとの連接部の幅よりも幅広に形成されていてもよい。
かかる構成によれば、本実施形態のように包装体を折り重ねておにぎり等の米飯加工食品を包装する際、対応する切込み同士が幅方向に若干ずれたとしても、かかる幅方向のずれによって、分断開始部を構成する切込み(ノッチ)が塞がることがない。
即ち、図10(イ)に示すように、米飯加工食品を包装するために包装体1を折り重ねた際、切込み12,12が幅方向にずれることで、互いに切込み部を塞ぐようにシールされてしまう。このように包装体がシールされると、米飯加工食品とシート状食品とを合体させるために包装体を分断しようとしても、切込み先端にうまく力が集中せず分断し難くなる。
そのため、図10(ロ)に示すように、分断開始部は、シート端縁から切込み12’の先端に向かって幅が狭くなるような切込み12’先端部に先端側が円弧状の貫通孔、図10(ロ)に示す実施形態においては、円形の貫通孔Aを連接した形状とし、該貫通孔Aの幅(直径)は、切込み12’の先端部よりも幅広となるように設定されている。
このようにすることで、上記のように包装体を折り重ねた際、対応する分断開始部12’,12’が幅方向にずれたとしても、完全に重なって塞がり難い。このように、切込み部12’が完全に塞がらなければ、包装体分断時に切込み部12’先端部にうまく力が集中し、分断し(破断させ)易い。また、先端に幅広の先端側が円弧状の貫通孔が形成されているため、該円弧状部全体に分断しようとする力が分散されるため、上記のように、製造行程上の誤差によって破断可能部が前記切込み先端の中心と幅方向にずれた位置で接続されていても、前記貫通孔Aの先端側の円弧(又は略円弧状)部分全体に力が伝わるため、前記円弧(又は略円弧状)部分に分断可能部の端部が接続されさえすれば、容易且つ小さな力で分断可能部を破断させることができる。
さらに、切込みが先端に向かって幅狭となることで、機能を損なうことなく切込み部分の面積を少なくすることができ、包装体で米飯加工食品を包装した際の見栄えがよくなる。
尚、前記貫通孔Aは、図10(ロ)の実施形態のような円形の貫通孔Aに限定される必要はなく、先端側が円弧であれば、後方側は、テーパー状A’(図10(ハ)参照)等であってもよく、また先端側は、完全な円弧でなく、鋸歯状A’’(図10(ニ)参照)や楕円状(図示せず)等の略円弧状であってもよい。このような形状としても、包装体分断時に、先端だけでなく貫通孔の先端側全体に分断方向の力が伝わり、分断可能部との接続位置が幅方向にずれたとしても分断可能部を破断し難くはならない。また、切込みは、先端に向かって直線状に幅狭になるよう形成される必要はなく、図10(ニ)に示すように、曲線(円弧状)に幅狭となる切込み12’’であってもよく、階段状や波線状(図示せず)であってもよい。
1…米飯加工食品の包装体(包装体)、1’…米飯加工食品の包装袋(包装袋)、2…米飯加工食品(おにぎり)、3…シート状食品(海苔)、10…外シート(シート体)、11…分断可能部、12,12’…ノッチ(分断開始部又は切込み)、20…内シート(シート体)、20’最外層、20’’…中間層、20’’’…最内層、21…分断可能部、22…ノッチ(分断開始部)、23,23’,23’’…センターシート、24…折り返し用シート、25…折り畳み部、26…山折り(山折り部)、27…谷折り(谷折り部)、A,A’,A’’…貫通孔、da…破断規制部におけるシートの厚み、db…破断開始部におけるシートの厚み、H…ハーフカット、Ha…破断規制部、Hb…破断開始部、Hc…連結部、L…ラベル、S…囲い込み領域、W…易破断部