上述のように、従来の米飯加工食品用包装材は、米飯加工食品からの水分の流入を阻止し、シート状食品本来の食感や味を保つことができ、しかも、容易に開封することもできるが、従来の米飯加工食品用包装材とは異なった新規で斬新な米飯加工食品用包装材も要求されている。
そこで、本発明は、米飯加工食品からの水分の流入を阻止し、シート状食品本来の食感や味を保つことができ、しかも、容易に開封することができる新規で斬新な米飯加工食品用包装材、及び、該米飯加工食品用包装材の内フィルム用原反を提供することを課題とする。
本発明に係る米飯加工食品用包装材は、幅方向に分割可能に形成される外フィルムと、シート状食品を介して外フィルムに重ね合わされ、外フィルムと同方向に分離可能に形成される内フィルムとを備え、前記シート状食品を囲むように外フィルムと内フィルムとがシールされてなる米飯加工食品用包装材において、前記内フィルムは、一端部同士が重ね合わされて並列に配設された二枚の分離フィルムと、該二枚の分離フィルムの一端部間に介設された中間フィルムとを備え、二枚の分離フィルムの一端部及び中間フィルムは、内フィルムの分離方向に対して交差方向に延びる直線状又は非直線状のシールラインを形成するように超音波シールされ、しかも、重ね合わされて互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性が付与されていることを特徴とする。
上記構成の米飯加工食品用包装材によれば、二枚の分離フィルムの一端部及び中間フィルムが、前記分離方向に対して交差方向に延びる直線状又は非直線状のシールラインを形成するように超音波シールされているので、米飯加工食品からの水分(湿気)が二枚の分離フィルム間を介して内フィルムと外フィルムとの間に入り込むことがなく、シート状食品が水分で害されるのを防止することができる。
また、シールラインを超音波シールで形成することで、該シールラインに対応する部分の厚みが周辺よりも薄く形成される。これより、内フィルムに対して分離方向に引っ張り力が作用すると、その力がシールラインに集中して作用し、内フィルム(内フィルムを構成する分離フィルム)がシールラインで切断されることになる。
そして、上述の如く、超音波シールによってシールラインが形成される際に、薄肉のシールラインと周辺の厚肉の部分との境界、或いは、該境界近傍において対向する面同士が溶着してしまうことがあるが、二枚の分離フィルムの一端部及び中間フィルムは、重ね合わされて互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性が付与されているので、シールラインで内フィルムが切断されるに際し、溶着した部分が剥離し易く、対向する面同士の溶着が内フィルムの分離を阻害するのを防止することができる。
本発明の一態様として、一方の分離フィルムは、一端部が中間フィルム側に折り返され、該一方の分離フィルムの折り返された一端部、及び中間フィルムの互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一方の面にイージーピール性が付与されていることが好ましい。このようにすれば、内フィルムに対して分離方向に引っ張り力を作用させたとき、分離フィルムの折り返された一端部が稜線側から順々に中間フィルムから捲り返され、折り返しによって形成される稜線が一方の分離フィルムの一端側に移行する。その結果、一方の分離フィルムの一端部(折り返された一端部)がシールラインまで捲り返されると、中間フィルムから離間しようとする力が薄肉になったシールラインに対して集中的に作用し、一方の分離フィルムが切断されることになる。すなわち、一端部を折り返すことで、開封時における内フィルムの面方向に沿った引っ張り力をその面に対して交差する方向に作用させることができ、分離フィルムを円滑に切断することができる。そして、一方の分離フィルムの折り返された一端部、及び中間フィルムの互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一方の面にイージーピール性が付与されることで、シールラインの境界又はその近傍での溶着影響を受けることなく、分離シートをシールラインで円滑に切断させることができる。
そして、一方の分離フィルムの折り返された一端部、他方の分離フィルムの一端部、及び、中間フィルムのうち、少なくとも一方の分離フィルムの折り返された一端部、及び中間フィルムが、該一方の分離フィルムの一端部の折り返しによって形成される稜線と前記シールラインとの間で、前記分離方向に対して交差方向に連続的又は断続的に弱シールされ、該弱シールされた部分が剥離可能に構成されていることが好ましい。このようにすれば、運搬や該米飯加工食品用包装材の製造過程等において、分離フィルムの一端部が中間フィルムから無造作に捲り上がってシールラインで切断されてしまうことを防止することができる。
すなわち、内フィルムの変形に伴って発生する力を弱シールされた部分で受けることにより、折り返した一端部が中間シートから捲り上がることが防止される。これにより、内フィルムが無造作に変形しても、該内フィルムが分離してしまうのを防止できる。そして、弱シールは、溶着した部分を剥離させ易い構成であるので、内フィルムの円滑な分離を確保することができる。なお、このように弱シールする場合、重ね合わせによって互いに対向する面(各分離フィルムの一端部における一方の面、中間フィルムの両面)の少なくとも何れか一つの面であって、超音波シールされる領域及び弱シールされる領域を含んだ領域にイージーピール性を付与することが好ましい。
そして、中間フィルムは、一端側が二枚の分離フィルムの一端部間に介在するとともに、他端側が一方の分離フィルムの一端部の折り返しによって形成される稜線よりも外方に延出するように設けられ、該中間フィルムの他端側が他方の分離フィルムに前記分離方向に対して交差方向に連続的又は断続的にシールされて固定されてもよい。このようにすれば、折り返しによって形成される稜線よりも外方に延出する中間フィルム(他端側)が無造作に折れ曲がったり、捲り上がったりしまうのを防止することができる。
本発明に係る別の米飯加工食品用包装材は、幅方向に分割可能に形成される外フィルムと、シート状食品を介して外フィルムに重ね合わされ、外フィルムと同方向に分離可能に形成される内フィルムとを備え、前記シート状食品を囲むように外フィルムと内フィルムとがシールされてなる米飯加工食品用包装材において、前記内フィルムは、一端部同士が重ね合わされて並列に配設された二枚の分離フィルムを備え、二枚の分離フィルムの一端部は、内フィルムの分離方向に対して交差方向に延びる直線状又は非直線状のシールラインを形成するように超音波シールされ、しかも、重ね合わされて互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性が付与されていることを特徴とする。
上記構成の米飯加工食品用包装材によれば、二枚の分離フィルムの一端部が、分離方向に対して交差方向に延びる直線状又は非直線状のシールラインを形成するように超音波シールされているので、米飯加工食品からの水分(湿気)が二枚の分離フィルム間を介して内フィルムと外フィルムとの間に入り込むことがなく、シート状食品が水分で害されるのを防止することができる。
また、シールラインを超音波シールで形成することで、該シールラインに対応する部分の厚みが周辺よりも薄く形成される。これより、内フィルムに対して分離方向に引っ張り力が作用すると、その力がシールラインに集中して作用し、内フィルム(内フィルムを構成する分離フィルム)がシールラインで切断されることになる。
そして、上述の如く、超音波シールによってシールラインが形成される際に、薄肉のシールラインと厚肉の周辺部分との境界、或いは、該境界近傍において対向する面同士が溶着してしまうことがあるが、二枚の分離フィルムの一端部は、重ね合わされて互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性が付与されているので、シールラインで内フィルムが切断されるに際し、溶着した部分が剥離し易く、対向する面同士の溶着が内フィルムの分離を阻害するのを防止することができる。
本発明に係る別の米飯加工食品用包装材の一態様として、一方の分離フィルムは、他方の分離フィルム側に一端部が折り返されていることが好ましい。このようにすれば、内フィルムに対して分離方向に引っ張り力を作用させたとき、一方の分離フィルムの折り返された一端部が稜線側から順々に他方の分離フィルムから離間して捲り返され、折り返しによって形成される稜線が一方の分離フィルムの一端側に移行する。その結果、一方の分離フィルムの一端部(折り返された一端部)がシールラインまで捲り返されると、他方の分離フィルムから離間しようとする力が薄肉になったシールラインに対して集中的に作用し、一方の分離フィルムが切断されることになる。すなわち、一端部を折り返すことで、開封時における内フィルムの面方向に沿った引っ張り力をその面に対して交差する方向に作用させることができ、分離フィルムを円滑に切断することができる。
この場合、一方の分離フィルムの折り返された一端部、及び他方の分離フィルムの一端部が、該一方の分離フィルムの一端部の折り返しによって形成される稜線と前記シールラインとの間で、前記分離方向に対して交差方向に連続的又は断続的に弱シールされ、該弱シールされた部分が剥離可能に構成されていることが好ましい。このようにすれば、運搬や米飯加工食品用包装材の製造過程等において、分離フィルムの一端部が中間フィルムから無造作に捲り上がってシールラインで切断されてしまうことを防止することができる。
すなわち、内フィルムの変形に伴って発生する力を弱シールされた部分で受けることにより、一方の分離フィルムの折り返した一端部が他方の分離フィルムから捲り上がることが防止される。これにより、内フィルムが無造作に変形しても、該内フィルムが分離してしまうのを防止できる。そして、弱シールは、溶着した部分を剥離させ易い構成であるので、内フィルムの円滑な分離を確保することができる。なお、このように弱シールする場合、重ね合わせによって互いに対向する面(二枚の分離フィルムの一端部同士の対向する二つの面)の少なくとも何れか一つの面であって、超音波シールされる領域及び弱シールされる領域を含んだ領域にイージーピール性を付与することが好ましい。
本発明に係る米飯加工食品用包装材の内フィルム用原反は、幅方向に分割可能に形成される外フィルムと、シート状食品を介して外フィルムに重ね合わされ、外フィルムと同方向に分離可能に形成される内フィルムとを備え、前記シート状食品を囲むように外フィルムと内フィルムとがシールされてなる米飯加工食品用包装材の内フィルム用原反であって、重ね合わされた二枚の長尺フィルムと、該二枚の長尺フィルムの一端部間に介設された中間長尺フィルムとを備え、二枚の長尺フィルムの一端部及び中間長尺フィルムは、長尺方向に延びる直線状又は非直線状のシールラインを形成するように超音波シールされ、しかも、重ね合わされて互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性が付与されていることを特徴とする。
上記構成の米飯加工食品用包装材の内フィルム用原反によれば、重ね合わされた二枚の長尺フィルムと、該二枚の長尺フィルムの一端部間に介設された中間長尺フィルムとを備え、二枚の長尺フィルムの一端部及び中間長尺フィルムは、長尺方向に延びる直線状又は非直線状のシールラインを形成するように超音波シールされているので、長尺方向で外フィルムに対応する長さに切断することで、重ね合わされた二枚の長尺フィルムと、該二枚の長尺フィルムの一端部間に介設された中間長尺フィルムとがシールされた状態で外フィルムに対応する長さになる。これにより、上述のように切断する前、又は、切断後に何れか一方の長尺フィルムのシールラインよりも他端側を折り返すことで、一端部間に中間長尺フィルムを介在させつつも二枚の長尺フィルムが並列に配置された内フィルムとなる。
そして、シート状食品を介して該内フィルムと外フィルムとを重ね合わせ、シート状食品を囲むように外フィルムと内フィルムとをシールすることで米飯加工食品用包装材が作製される。
上記構成の内フィルムは、二枚の長尺フィルムの一端部及び中間長尺フィルムが、該二枚の長尺フィルムの並列方向(分離方向)に対して交差方向に延びる直線状又は非直線状のシールラインを形成するように超音波シールされた状態になっているため、米飯加工食品用包装材にされて米飯加工食品を包装しても、米飯加工食品の水分が内フィルムと外フィルムとの間に入り込むことがなく、シート状食品が水分で害されるのを防止することができる。
また、シールラインを超音波シールで形成することで、該シールラインに対応する部分の厚みが周辺よりも薄く形成されるため、内フィルムに対して分離方向に引っ張り力が作用すると、その力がシールラインに集中して作用し、内フィルム(内フィルムを構成する長尺フィルム)がシールラインで切断されることになる。
そして、上述の如く、超音波シールによってシールラインが形成される際に、薄肉のシールラインと周辺の厚肉の部分との境界、或いは、該境界近傍において対向する面同士が溶着してしまうことがあるが、二枚の長尺フィルムの一端部及び中間長尺フィルムは、重ね合わされて互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性が付与されているので、シールラインで内フィルムが切断されるに際し、溶着した部分が剥離し易く、対向する面同士の溶着が内フィルムの分離を阻害するのを防止することができる。
この場合、一方の長尺フィルムの一端部、他方の長尺フィルムの一端部、及び、中間長尺フィルムのうち、少なくとも一方の長尺フィルムの一端部、及び中間長尺フィルムが、シールラインよりも長尺フィルムの短手方向の他端側で、長尺方向に連続的又は断続的に弱シールされ、該弱シールされた部分が剥離可能に構成されていることが好ましい。このようにすれば、運搬や米飯加工食品用包装材の製造過程等において、長尺フィルムの一端部が中間長尺フィルムから無造作に捲り上がってシールラインで切断されてしまうことを防止することができる。
すなわち、内フィルムの変形に伴って発生する力を弱シールされた部分で受けることにより、折り返した一端部が中間長尺フィルムから捲り上がることが防止される。これにより、内フィルムが無造作に変形しても、該内フィルムが分離してしまうのを防止できる。そして、弱シールは、溶着した部分を剥離させ易い構成であるので、内フィルムの円滑な分離を確保することができる。なお、このように弱シールする場合、重ね合わせによって互いに対向する面(各長尺フィルムの短手方向の一端部における一方の面、中間長尺フィルムの両面)の少なくとも何れか一つの面であって、超音波シールされる領域及び弱シールされる領域を含んだ領域にイージーピール性を付与することが好ましい。
そして、中間長尺フィルムは、前記シールラインよりも長尺フィルムの短手方向の他端側で、他方の長尺フィルムに対して前記長尺方向に連続的又は断続的にシールされて固定されていることが好ましい。このようにすれば、上述の如く作製された内フィルムは、一方の長尺フィルムの折り返しによって形成される稜線よりも外方に延出し、且つ他方の長尺フィルムに重なる中間長尺フィルム(他端側)が無造作に折れ曲がったり、捲り上がったりしまうことが防止される。
本発明に係る別の米飯加工食品用包装材の内フィルム用原反は、幅方向に分割可能に形成される外フィルムと、シート状食品を介して外フィルムに重ね合わされ、外フィルムと同方向に分離可能に形成される内フィルムとを備え、前記シート状食品を囲むように外フィルムと内フィルムとがシールされてなる米飯加工食品用包装材の内フィルム用原反であって、重ね合わされた二枚の長尺フィルムを備え、該二枚の長尺フィルムは、一端部同士が長尺方向に延びる直線状又は非直線状のシールラインを形成するように超音波シールされ、しかも、重ね合わされて互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性が付与されていることを特徴とする。
上記構成の米飯加工食品用包装材の内フィルム用原反によれば、重ね合わされた二枚の長尺フィルムを備え、二枚の長尺フィルムの一端部同士が、長尺方向に延びる直線状又は非直線状のシールラインを形成するように超音波シールされているので、長尺方向で外フィルムに対応する長さに切断することで、重ね合わされた二枚の長尺フィルム同士がシールされた状態で外フィルムに対応する長さになる。これにより、上述のように切断する前、又は、切断後に何れか一方の長尺フィルムのシールラインよりも他端側を折り返すことで、二枚の長尺フィルムが並列に配置された内フィルムとなる。
そして、シート状食品を介して該内フィルムと外フィルムとを重ね合わせ、シート状食品を囲むように外フィルムと内フィルムとをシールすることで米飯加工食品用包装材が作製される。
上記構成の内フィルムは、二枚の長尺フィルムの一端部が、該二枚の長尺フィルムの並列方向(分離方向)に対して交差方向に延びる直線状又は非直線状のシールラインを形成するように超音波シールされた状態になっているため、米飯加工食品用包装材にされて米飯加工食品を包装しても、米飯加工食品の水分が内フィルムと外フィルムとの間に入り込むことがなく、シート状食品が水分で害されるのを防止することができる。
また、シールラインを超音波シールで形成することで、該シールラインに対応する部分の厚みが周辺よりも薄く形成されるため、内フィルムに対して分離方向に引っ張り力が作用すると、その力がシールラインに集中して作用し、内フィルム(内フィルムを構成する長尺フィルム)がシールラインで切断されることになる。
そして、上述の如く、超音波シールによってシールラインが形成される際に、薄肉のシールラインと周辺の厚肉の部分との境界、或いは、該境界近傍において対向する面同士が溶着してしまうことがあるが、二枚の長尺フィルムの一端部は、重ね合わされて互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性が付与されているので、シールラインで内フィルムが切断されるに際し、溶着した部分が剥離し易く、対向する面同士の溶着が内フィルムの分離を阻害するのを防止することができる。
この場合、二枚の長尺フィルムは、シールラインよりも長尺フィルムの短手方向の他端側で、長尺方向に連続的又は断続的に弱シールされ、該弱シールされた部分が剥離可能に構成されていることが好ましい。このようにすれば、上述の如く、内フィルムとしたときに、一方の長尺フィルムの一端部が無造作に捲り上がって不用意にシールラインで切断されてしまうことを防止することができる。
すなわち、内フィルムの変形に伴って発生する力を弱シールされた部分で受けることにより、折り返した一端部が他方の長尺フィルムから捲り上がることが防止される。これにより、内フィルムが無造作に変形しても、該内フィルムが分離してしまうのを防止できる。そして、弱シールは、溶着した部分を剥離させ易い構成であるので、内フィルムの円滑な分離を確保することができる。なお、このように弱シールする場合、重ね合わせによって互いに対向する面(各長尺フィルムの一端部における一方の面)の少なくとも何れか一つの面であって、超音波シールされる領域及び弱シールされる領域を含んだ領域にイージーピール性を付与することが好ましい。
本発明に係る米飯加工食品用包装材、及び、米飯加工食品用包装材の内フィルム用原反によれば、米飯加工食品からの水分の流入を阻止し、シート状食品本来の食感や味を保つことができ、しかも、容易に開封することができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の第一実施形態に係る米飯加工食品用包装材、及び、米飯加工食品用包装材の内フィルム用原反について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、図1及び図2に示す如く、幅方向に分割可能に形成される外フィルム1と、海苔や薄焼き卵等のシート状食品Sを介して外フィルム1に重ね合わされ、外フィルム1と同方向に分離可能に形成される内フィルム2とを備え、前記シート状食品Sを囲むように外フィルム1と内フィルム2とがシールされている。なお、図1及び図2において、外フィルム1の外周及び内フィルム2の外周のハッチングの付された領域がシールされる領域を示している。
前記外フィルム1は、略長方形状に形成されたフィルムで、長手方向と直交する短手方向(幅方向)の略中央で長手方向に延びるように、帯状のカットテープ10が貼着されている。これにより、外フィルム1は、カットテープ10を何れか一端側から引っ張ることで、該カットテープ10に沿って切断され、幅方向に二分割できるようになっている。なお、外フィルム1は、カットテープ10によって切断されるため、切断方向性を有しないフィルムであってもよいが、不特定な方向に裂けるのを防止すべく、切断方向性を有するフィルム(延伸フィルム)を採用しても勿論よい。
そして、上述の如く、カットテープ10を引っ張るに際し、カットテープ10の端部を把持し易くするために、外フィルム1には、カットテープ10の両端部の両側に切れ込み11,11が入れられ、該切り込み11,11間に把持片12が形成されている。
前記内フィルム2は、図3(a)及び図3(b)に示す如く、一端部同士が重ね合わされて並列に配設された二枚の分離フィルム20a,20bと、該二枚の分離フィルム20a,20bの一端部間に介設された中間フィルム21とを備えている。
すなわち、本実施形態に係る内フィルム2は、一端部同士を重ね合わせるようにして二枚の分離フィルム20a,20bが並列に配設されることにより、平面視において外フィルム1と略同一形状をなし、該二枚の分離フィルム20a,20bの重なり合う一端部間に中間フィルム21が介設されている。
二枚の分離フィルム20a,20bのそれぞれは、樹脂フィルムで構成されており、本実施形態においては、PP(ポリプロピレン)フィルムで構成されている。そして、二枚の分離フィルム20a,20bは、何れも長方形状に裁断され、一端部同士を重ね合わせた状態で上述の如く外フィルム1と同形態になるようになっている(図2参照)。そして、二枚の分離フィルム20a,20bのうち、一方の分離フィルム20aは、他方の分離フィルム20bに重ね合わされる短手方向の一端部が中間フィルム21(他方の分離フィルム20b)側に折り返されている。
前記中間フィルム21は、帯状或いは短冊状に形成された樹脂フィルムで、本実施形態においては、二枚の分離フィルム20a,20bと同様に、PP(ポリプロピレン)フィルムで構成されている。そして、中間フィルム21は、長手方向と直交する短手方向の一端側が二枚の分離フィルム20a,20bの一端部間に位置し、他端側が一方の分離フィルム20aの一端部の折り返しによって形成される稜線Lから外側に延出するように設けられている。本実施形態に係る中間フィルム21は、短手方向の一端が分離フィルム20a,20bの一端に沿うように設けられている。
そして、二枚の分離フィルム20a,20bの一端部及び中間フィルム21は、内フィルム2の分離方向(外フィルム1の分割方向)に対して交差方向に延びる直線状又は非直線状のシールライン22を形成するように超音波シールされている。本実施形態では、二枚の分離フィルム20a,20bの一端部及び中間フィルム21は、内フィルム2の分離方向に対して直交方向に延びる直線状のシールライン22を形成するように超音波シールされている。該米飯加工食品用包装材は、一方の分離フィルム20aの一端部が折り返されているため、該一方の分離フィルム20aの折り返された一端部、中間フィルム21(一端部)、他方の分離フィルム20bの他端側から真っ直ぐに延びる一端部が、超音波シールによって溶着されている。このように、超音波シールされることで、二枚の分離フィルム20a,20b及び中間フィルム21は、シールライン22に対応する部分が周辺の厚みよりも薄くなっている。すなわち、本実施形態に係る内フィルム2は、二枚の分離フィルム20a,20bが超音波シールによって線状に溶けるため、シールライン22で極薄になり、結果として三枚のフィルム(分離フィルム20a,20b、中間フィルム21)の接合されるシールライン22での肉厚が薄くなっている。
そして、二枚の分離フィルム20a,20bの一端部及び中間フィルム21において、重ね合わされることで互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性が付与されている。
本実施形態においては、中間フィルム21の一方の面であって、一方の分離フィルム20a側の面(折り返された一端部と対向する面)と対向する面の全面にイージーピール性が付与されている。ここでイージーピール性とは、接続強度を弱めて剥離し易くした性質をいい、例えば、パートコートを施したり、フィルムの表面を粗面にしたりすることで達成することができる。なお、パートコートには加熱されると特有の臭いを発生させるものがあるため、電子レンジ等で加熱される可能性の米飯加工食品R(例えば、おにぎり)を包装する場合、イージーピール性を付与するのに、分離フィルム20a,20b及び中間フィルム21の少なくとも何れか一つに、加熱によって臭いや有害物質を発生させることなく剥離性を向上させる特殊コーティングの施されたフィルムが採用されたり、或いは、上述の如く、表面を粗面にしたフィルムが採用されたりする。なお、本実施形態の中間フィルム21には、PP(ポリプロピレン)フィルムが採用されており、その一方の面を粗面にしてイージーピール性を付与している。
さらに、該米飯加工食品用包装材は、一方の分離フィルム20aの折り返された一端部、他方の分離フィルム20bの一端部、及び、中間フィルム21のうち、少なくとも一方の分離フィルム20aの折り返された一端部、及び中間フィルム21が、該一方の分離フィルム20aの一端部の折り返しによって形成される稜線Lと前記シールライン22との間で、該内フィルム2の分離方向に対して交差方向に連続的又は断続的に弱シールされ、該弱シールされた部分が剥離可能に構成される。本実施形態においては、一方の分離フィルム20aの一端部、他方の分離フィルム20bの一端部、及び中間フィルム21の一端部が、稜線Lと前記シールライン22との間で、内フィルム2の分離方向に対して交差方向に間隔をあけて複数箇所に(断続的に)部分的な弱シール(ポイント弱シール)23…が施され、相互に剥離できるようになっている。
さらに、前記中間フィルム21は、一端側が二枚の分離フィルム20a,20b間に介在するとともに、他端側が一方の分離フィルム20aの一端部の折り返しによって形成される稜線Lよりも外方に延出するように設けられ、該中間フィルム21の他端側が他方の分離フィルム20bに前記分離方向に対して交差方向に連続的又は断続的にシールされて固定されている。本実施形態では、他方の分離フィルム20b及び中間フィルム21の他端部が、稜線Lよりも外側で前記交差方向に間隔をあけて複数箇所に(断続的に)部分的なシール(ポイントシール)24…が施され、中間フィルム21が他方の分離フィルム20bに固定されている。これにより、中間フィルム21が無造作に捲れ上がるのを防止するようになっている。
本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、図1及び図2に示す如く、シート状食品Sを介して上記構成の外フィルム1及び内フィルム2を重ね合わせ、上述の如く、外フィルム1及び内フィルム2の周縁部同士をシールすることで作製されている。なお、本実施形態に係る内フィルム2は、一方の分離フィルム20aの一方の面(中間フィルム21と対向する一端部の一方の面に連続し、折り返されることで中間フィルム21と非対向状態にある面)が外フィルム1(シート状食品S)と対向するように重ね合わされている。また、上述の如く、外フィルム1の長手方向の両端部には、カットテープ10の端部の両側に切り込み11,11が入れられて把持片12が形成されているため、該把持片12を除いて外フィルム1と内フィルム2との周縁部同士をシールされている。
上記構成の米飯加工食品用包装材は、図4に示す如く、内フィルム2上に米飯加工食品R(図においては、三角おにぎり)を載置して長手方向で二つ折りにし、対向する周縁部同士をシールすることで、米飯加工食品Rを包装するようになっている。なお、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、図5に示す如く、内フィルム2上に米飯加工食品R(図においては、三角おにぎり)を載置して長手方向で二つ折りにし、その二つ折りにした部分における米飯加工食品Rと対向しない領域を、米飯加工食品Rに沿わせるように折り曲げた上で当該部分を粘着テープやシール材等の貼着手段で貼着することで、米飯加工食品Rを包装することもできる。
そして、何れの包装形態であっても、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、上述の如く、二枚の分離フィルム20a,20bの一端部及び中間フィルム21が、前記分離方向に対して交差方向に延びる直線状のシールライン22を形成するように超音波シールされているので、該米飯加工食品Rからの水分が二枚の分離フィルム20a,20b間を介して内フィルム2と外フィルム1との間に入り込むことがなく、シート状食品Sが水分で害されることもない。
また、米飯加工食品Rを包装するとき、或いは、米飯加工食品Rを包装した状態で運搬したり陳列したりするときに、内フィルム2が変形したとしても、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、二枚の分離フィルム20a,20bの一端部及び中間フィルム21が、一端部の折り返しによって形成される稜線Lと前記シールライン22との間で、前記分離方向に対して交差方向に間隔をあけて複数箇所でポイント弱シール23…されているため、当該米飯加工食品用包装材(内フィルム2)の変形に伴う引っ張り力がシールライン22に直接作用せず、分離フィルム20aの一端部が中間フィルム21から無造作に捲り上がってシールライン22で切断されてしまうことが防止される。これにより、分離フィルム20a,20b間の水分の通過を阻止し、シート状食品Sが水分で害されるのを防止することができる。
上記構成の米飯加工食品用包装材は、上述の何れの包装形態であっても、外フィルム1をカットテープ10で幅方向に二分した上で、該外フィルム1(当該米飯加工食品用包装材)を幅方向の両側を離間方向に引っ張ることで、内フィルム2がシールライン22で切断(分断)され、内外ともに幅方向に分離されてシート状食品Sと米飯加工食品Rとが一体的になる。
具体的には、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、分離フィルム20a,20b及び中間フィルム21を接続するシールライン22を超音波シールで形成することで、図3(a)及び図3(b)に示す如く、該シールライン22(実際にはシールライン22に対応する部分)の厚みが周辺よりも薄く形成されるため、内フィルム2に対して幅方向(分離方向)に引っ張り力が作用すると、その力がシールライン22に集中して作用し、内フィルム2(内フィルム2を構成する分離フィルム20a)がシールライン22で切断されることになる。
本実施形態においては、内フィルム2を構成する一方の分離フィルム20aの一端部が折り返されているので、上述の如く、内フィルム2に対して分離方向に引っ張り力を作用させたとき、中間フィルム21と対向する折り返された一端部が稜線L側から順々に中間フィルム21から離間して捲り返され、折り返しによって形成される稜線Lが一方の分離フィルム20aの一端側に移行する。
そうすると、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、一方の分離フィルム20aと中間フィルム21とが弱シールされているため、稜線Lの移行に伴って、該弱シールされた部分23が剥離する。そして、さらに稜線Lが移行し、一方の分離フィルム20aの一端部(折り返された一端部)がシールライン22まで捲り返されると、中間フィルム21から離間しようとする力が薄肉になったシールライン22に対して集中的に作用し、一方の分離フィルム20aが切断されることになる。すなわち、分離フィルム20aの一端部を折り返すことで、開封時における内フィルム2の面方向い沿った引っ張り力をその面に対して交差する方向に作用させることができ、分離フィルム20aを円滑に切断することができる。
そして、上述の如く、超音波シールによってシールライン22が形成される際に、該シールライン22の境界、或いは、該境界近傍において対向する面同士が溶着してしまうことがあるが、中間フィルム21の一方の面(超音波シールされる領域)にイージーピール性が付与されているので、シールライン22で内フィルム2が切断されるに際し、溶着した部分が剥離し易く、対向する面同士の溶着が内フィルム2の分離を阻害するのを防止することができる。特に、イージーピール性が付与された面が、イージーピール性の付与されていない面よりも剥離し易いため、上述の如く、幅方向の引っ張り力が作用すると、イージーピール性を付与した中間フィルム21の一方の面と、これに対向する分離フィルムの一方の面との剥離が優先的になされる結果、引っ張り力がイージーピール性を付与した面と対向する一方の分離フィルム20aにおけるシールライン22に優先的に作用する。その結果、二枚の分離フィルム20a,20bのうちの一方の分離フィルム20aがシールライン22で切断され、外フィルム1及び内フィルム2の両方が幅方向に分離されてシート状食品Sと米飯加工食品Rとが一体的になる。
上記構成の米飯加工食品用包装材における内フィルム2は、当該内フィルム2の連続体からなる長尺な内フィルム用原反を所定長さに切断することで作製されている。なお、外フィルム1もその連続体からなる長尺なフィルム(原反)を切断することで作製されるが、かかる原反は一般的なものである。
そこで、本実施形態に係る内フィルム用原反についてのみ具体的に説明すると、内フィルム用原反は、図6に示す如く、重ね合わされた二枚の長尺フィルム200a,200bと、該二枚の長尺フィルム200a,200bの一端部間に介設された中間長尺フィルム210とを備えている。
前記二枚の長尺フィルム200a,200bのそれぞれは、分離フィルム20a,20bの連続体である。これにより、各長尺フィルム200a,200bは、それぞれPP(ポリプロピレン)フィルムで構成されており、長尺な帯状に形成されている。上記構成の長尺フィルム200a,200bは、長手方向と直交する短手方向の一端が互いに沿うように全体的に重ね合わされている。
前記中間長尺フィルム210は、中間フィルム21の連続体である。これにより、中間長尺フィルム210は、PP(ポリプロピレン)フィルムで構成されており、長尺な帯状に形成されている。該中間長尺フィルム210は、長手方向と直交する短手方向の幅寸法が長尺フィルム200a,200bの幅寸法よりも狭く設定されている。
そして、中間長尺フィルム210は、短手方向の一端が二枚の長尺フィルム200a,200bの一端に沿うように、二枚の長尺フィルム200a,200b間に介設されている。
そして、二枚の長尺フィルム200a,200bの一端部及び中間長尺フィルム210一端部は、長尺方向に延びる直線状のシールライン220を形成するように超音波シールされている。すなわち、二枚の長尺フィルム200a,200bの一端部及び中間長尺フィルム210は、長尺方向で所定長さに切断して内フィルム2になった際の分離方向(長尺フィルム200a,200bの並列方向)に対して交差方向(本実施形態においては直交方向)に真っ直ぐに延びるシールライン220を形成するように超音波シールされている。
このように、超音波シールされることで、二枚の長尺フィルム200a,200b及び中間長尺フィルム210は、シールライン220に対応する部分が周辺の厚みよりも薄くなっている。すなわち、二枚の長尺フィルム200a,200bは、超音波シールによって線状に溶けるため、シールライン220で極薄になり、結果として三枚のフィルム(長尺フィルム、中間長尺フィルム210)の接合されるシールライン220に対応する部分の肉厚が薄くなっている。これにより、長尺な内フィルム用原反を長尺方向で所定長さに切断して内フィルム2にしたときに、分離フィルム20aを切断させることのできるシールライン220(切断線)になるようになっている。
そして、二枚の長尺フィルム200a,200bの一端部及び中間長尺フィルム210において、重ね合わされることで互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性が付与されている。本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、上述の如く、一方の分離フィルム20aの一端部と対向する中間フィルム21の一方の面にイージーピール性を付与するようにしているため、当該内フィルム用原反は、中間長尺フィルム210の一方の長尺フィルム200aと対向する面にイージーピール性が付与されている。
さらに、該内フィルム用原反は、一方の長尺フィルム200aの一端部、他方の長尺フィルム200bの一端部、及び中間長尺フィルム210の一端部のうち、少なくとも一方の長尺フィルム200aの一端部、及び中間長尺フィルム210の一端部が、前記シールライン220よりも短手方向の他端側で連続的又は断続的に弱シールされている。本実施形態では、上記米飯加工食品用包装材に対応して、二枚の長尺フィルム200a,200bの一端部、及び中間長尺フィルム210の一端部が、長尺方向に間隔をあけた複数箇所でポイント弱シール230…されている。
そして、中間長尺フィルム210は、シールライン220よりも短手方向の他端側で他方の長尺フィルム200bに対して連続的又は断続的にシールされて固定されている。本実施形態では、上記米飯加工食品用包装材に対応して、長尺方向に間隔をあけた複数箇所でポイントシール240…されている。
本実施形態に係る内フィルム用原反は、以上の構成からなり、長尺方向で所定長さ(外フィルム1の長手方向に長さに対応した長さ)に切断されることで、図7(a)に示す如く、二枚の長尺フィルム200a,200bが重なり合った(二枚の分離フィルム20a,20bが重なり合った)内フィルム2が作製される。そして、上述のように切断する前、又は、切断後(本実施形態では切断後)に、図7(b)に示す如く、何れか一方の長尺フィルム200aにおけるシールライン220よりも短手方向の他端側を折り返すことで、二枚の長尺フィルム200a,200b(二枚の分離フィルム20a,20b)が並列に配置された内フィルム2となる。
そして、シート状食品Sを介して該内フィルム2と外フィルム1とを重ね合わせ、シート状食品Sを囲むように外フィルム1と内フィルム2とをシールすることで上述した米飯加工食品用包装材が作製される(図1及び図2参照)。
以上のように、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、二枚の分離フィルム20a,20bの一端部及び中間フィルム21が、前記分離方向に対して交差方向に延びる直線状又は非直線状のシールライン22を形成するように超音波シールされているので、米飯加工食品Rからの水分が二枚の分離フィルム20a,20b間を介して内フィルム2と外フィルム1との間に入り込むことがなく、シート状食品Sが水分で害されるのを防止することができる。また、シールライン22を超音波シールで形成することで、内フィルム2(内フィルム2を構成する分離フィルム20a)がシールライン22に沿って切断することができる。その上、中間フィルム21の一方の面にイージーピール性を付与しているので、シールライン22で内フィルム2が切断されるに際し、溶着した部分が剥離し易く、対向する面同士の溶着が内フィルム2の分離を阻害するのを防止することができる。
また、一方の分離フィルム20aの一端部を中間フィルム21側に折り返すようにしているので、一方の分離フィルム20aを円滑に切断することができる。
さらに、一方の分離フィルム20aの折り返された一端部、他方の分離フィルム20bの一端部、及び、中間フィルム21が、該一方の分離フィルム20aの一端部の折り返しによって形成される稜線Lとシールライン22との間で、剥離可能に弱シールされているので、一方の分離フィルム20aの一端部が中間フィルム21から無造作に捲り上がってシールライン22で切断されてしまうことを防止することができる。
また、前記中間フィルム21は、一端側が二枚の分離フィルム20a,20b間に介在するとともに、他端側が一方の分離フィルム20aの一端部の折り返しによって形成される稜線Lよりも外方に延出するように設けられ、該中間フィルム21の他端側が他方の分離フィルム20bに前記分離方向に対して交差方向に連続的又は断続的にシールされて固定されているので、中間フィルム21(他端側)が無造作に折れ曲がってしまう(捲れ上がってしまう)のを防止することができる。
そして、本実施形態に係る内フィルム用原反は、内フィルム2の連続体であるので、所定長さに切断することで、上述の作用及び効果を奏することのできる内フィルム2を作製することができる。
次に、本発明の第二実施形態に係る米飯加工食品用包装材、及び、米飯加工食品用包装材の内フィルム用原反について説明する。
本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、図8及び図9に示す如く、第一実施形態と同様に、幅方向に分割可能に形成される外フィルム1’と、シート状食品Sを介して外フィルム1’に重ね合わされ、外フィルム1’と同方向に分離可能に形成される内フィルム2’とを備え、前記シート状食品Sを囲むように外フィルム1’と内フィルム2’とがシールされている。なお、図8及び図9において、外フィルム1’の外周及び内フィルム2’の外周のハッチングの付された領域がシールされる領域を示している。
前記外フィルム1’は、略長方形状に形成されたフィルムで、長手方向と直交する方向(幅方向)の略中央で長手方向に延びるように、帯状のカットテープ10’が貼着されている。これにより、外フィルム1’は、カットテープ10’を何れか一端側から引っ張ることで、該カットテープ10’に沿って切断され、幅方向に二分割できるようになっている。なお、外フィルム1’は、カットテープ10’によって切断されるため、切断方向性を有しないフィルムであってもよいが、不特定な方向に裂けるのを防止すべく、切断方向性を有するフィルム(延伸フィルム)を採用しても勿論よい。
そして、上述の如く、カットテープ10’を引っ張るに際し、カットテープ10’の端部を把持し易くするために、本実施形態においても、外フィルム1’には、カットテープ10’の両端部の両側に切れ込みが入れられ、該切り込み11’,11’間に把持片12が形成されている。
前記内フィルム2’は、図10(a)及び図10(b)に示す如く、一端部同士が重ね合わされて並列に配設された二枚の分離フィルム20a’,20b’を備えている。すなわち、内フィルム2’は、一端部同士を重ね合わせるようにして二枚の分離フィルム20a’,20b’が並列に配設されることにより、平面視において外フィルム1’と略同一形状をなしている。
本実施形態に係る二枚の分離フィルム20a’,20b’は、それぞれPP(ポリプロピレン)フィルムで構成されている。そして、二枚の分離フィルム20a’,20b’は、何れも長方形状に裁断され、一端部同士を重ね合わせた状態で上述の如く外フィルム1’と同形態になるように形成されている。そして、二枚の分離フィルム20a’,20b’のうち、一方の分離フィルム20a’は、他方の分離フィルム20b’に重ね合わされる短手方向の一端部が該他方の分離フィルム20b’側に折り返されている。
そして、二枚の分離フィルム20a’,20b’の一端部は、内フィルム2’の分離方向(外フィルム1’の分割方向)に対して交差方向に延びる直線状又は非直線状のシールライン22’を形成するように超音波シールされている。本実施形態では、二枚の分離フィルム20a’,20b’の一端部は、内フィルム2’の分離方向に対して直交方向に延びる直線状のシールライン22’を形成するように超音波シールされている。本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、一方の分離フィルム20a’の一端部が折り返されているため、該一方の分離フィルム20a’の折り返された一端部、他方の分離フィルム20b’の他端側から真っ直ぐに延びる一端部が、超音波シールによって溶着されている。このように、超音波シールされることで、二枚の分離フィルム20a’,20b’は、シールライン22’に対応する部分が周辺の厚みよりも薄くなっている。すなわち、内フィルム2は、二枚の分離フィルム20a’,20b’が超音波シールによって線状に溶けるため、シールライン22’で極薄になっている。
そして、二枚の分離フィルム20a’,20b’の一端部において、重ね合わされることで互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性が付与されている。
本実施形態においては、他方の分離フィルム20b’の一方での面であって、一方の分離フィルム20a’側の面(折り返された一端部と対向する面)と対向する面の全面にイージーピール性が付与されている。ここでイージーピール性とは、接続強度を弱めて剥離し易くした性質をいい、例えば、パートコートを施したり、フィルムの表面を粗面にしたりすることで達成することができる。なお、パートコートには加熱されると特有の臭いを発生させるものがあるため、電子レンジ等で加熱される可能性の米飯加工食品R(例えば、おにぎり)を包装する場合、イージーピール性を付与するのに、分離フィルム20a’,20b’の少なくとも何れか一つに、加熱によって臭いや有害物質を発生させることなく剥離性を向上させる特殊コーティングの施されたフィルムが採用されたり、或いは、上述の如く、表面を粗面にしたフィルムが採用されたりする。なお、本実施形態に他方の分離フィルム20b’には、PP(ポリプロピレン)フィルムが採用されており、その一方の面を粗面にしてイージーピール性を付与している。
さらに、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、一方の分離フィルム20a’の折り返された一端部、及び、他方の分離フィルム20b’の一端部が、該一方の分離フィルム20a’の一端部の折り返しによって形成される稜線Lと前記シールライン22’との間で、前記分離方向に対して交差方向に連続的又は断続的に弱シールされ、該弱シールされた部分23’が剥離可能に構成されている。本実施形態においては、二枚の分離フィルム20a’,20b’の一端部が、稜線Lと前記シールライン22’との間で、分離方向に対して交差方向に間隔をあけて複数箇所に(断続的に)部分的な弱シール(ポイント弱シール)23’…が施され、相互に剥離できるようになっている。
本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、シート状食品Sを介して上記構成の外フィルム1’及び内フィルム2’を重ね合わせ、上述の如く、外フィルム1’及び内フィルム2’の周縁部同士をシールすることで作製されている。なお、本実施形態に係る内フィルム2’は、一方の分離フィルム20a’の一方の面(他方の分離フィルム20b’と対向する一端部の一方の面に連続し、折り返されることで他方の分離フィルム20b’と非対向状態にある面)が外フィルム1’(シート状食品S)と対向するように重ね合わされている。また、上述の如く、外フィルム1’の長手方向の両端部には、カットテープ10’の端部の両側に切り込み11’,11’が入れられて把持片12が形成されているため、該把持片12を除いて外フィルム1’と内フィルム2’との周縁部同士をシールされている。
上記構成の米飯加工食品用包装材は、第一実施形態と同様に、内フィルム2’上に米飯加工食品Rを載置して長手方向で二つ折りにし、対向する周縁部同士をシールすることで、米飯加工食品Rを包装するようになっている(図4参照)。なお、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、内フィルム2’上に米飯加工食品Rを載置して長手方向で二つ折りにし、その二つ折りにした部分における米飯加工食品Rと対向しない領域を、米飯加工食品Rに沿わせるように折り曲げた上で当該部分を粘着テープやシール材等の貼着手段で貼着することで、米飯加工食品Rを包装することもできる(図5参照)。
そして、何れの包装形態であっても、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、上述の如く、二枚の分離フィルム20a’,20b’の一端部が、前記分離方向に対して直交方向に延びる直線状のシールライン22’を形成するように超音波シールされているので、該米飯加工食品Rからの水分が二枚の分離フィルム20a’,20b’間を介して内フィルム2’と外フィルム1’との間に入り込むことがなく、シート状食品Sが水分で害されることもない。
また、米飯加工食品Rを包装するとき、或いは、米飯加工食品Rを包装した状態で運搬したり陳列したりするときに、内フィルム2’が変形したとしても、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、一方の分離フィルム20a’の折り返された一端部が、一端部の折り返しによって形成される稜線Lと前記シールライン22’との間で、前記分離方向に対して交差方向に間隔をあけて複数箇所でポイント弱シール23’…されているため、当該米飯加工食品用包装材(内フィルム2’)の変形に伴う引っ張り力がシールライン22’に直接作用せず、分離フィルム10a’の一端部が他方の分離フィルム20b’から無造作に捲り上がってシールライン22’で切断されてしまうことが防止され、シート状食品Sが水分で害されるのを防止することができる。
上記構成の米飯加工食品用包装材は、上述の何れの包装形態であっても、外フィルム1’をカットテープ10’で幅方向に二分した上で、該外フィルム1’(当該米飯加工食品用包装材)を幅方向の両側を離間方向に引っ張ることで、内フィルム2’がシールライン22’で切断(分断)され、内外ともに幅方向に分離されてシート状食品Sと米飯加工食品Rとが一体的になる。
具体的には、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、分離フィルム20a’,20b’を接続するシールライン22’を超音波シールで形成することで、図10(a)及び図10(b)に示す如く、該シールライン22’(実際にはシールライン22’に対応する部分)の厚みが周辺よりも薄く形成されるため、内フィルム2’に対して幅方向(分離方向)に引っ張り力が作用すると、その力がシールライン22’に集中して作用し、内フィルム2’(内フィルム2’を構成する分離フィルム)がシールライン22’で切断されることになる。
本実施形態においては、内フィルム2’を構成する一方の分離フィルム20a’の一端部が折り返されているので、上述の如く、内フィルム2’に対して分離方向に引っ張り力を作用させたとき、他方の分離フィルム20b’と対向する折り返された一端部が稜線L側から他方の分離フィルム20b’に対して離間して順々に捲り返され、折り返しによって形成される稜線Lが一方の分離フィルム20a’の一端側に移行する。
そうすると、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、一方の分離フィルム20a’と他方の分離フィルム20b’とが弱シールされているため、稜線Lの移行に伴って、該弱シールされた部分23’が剥離する。そして、さらに稜線Lが移行し、一方の分離フィルム20a’の一端部(折り返された一端部)がシールライン22’まで捲り返されると、他方の分離フィルム20b’から離間しようとする力が薄肉になったシールライン22’に対して集中的に作用し、一方の分離フィルム20a’が切断されることになる。すなわち、一端部を折り返すことで、開封時における内フィルム2’の面方向に沿った引っ張り力をその面に対して交差する方向に作用させることができ、分離フィルム20a’を円滑に切断することができる。
そして、上述の如く、超音波シールによってシールライン22’が形成される際に、該シールライン22’に境界、或いは、該境界近傍において対向する面同士が溶着してしまうことがあるが、他方の分離フィルム20b’の一方の面(超音波シールされる領域)にイージーピール性が付与されているので、シールライン22’で内フィルム2’が切断されるに際し、溶着してしまった部分が剥離し易く、対向する面同士の溶着が内フィルム2’の分離を阻害するのを防止することができる。
上記構成の米飯加工食品用包装材における内フィルム2’は、当該内フィルム2’の連続体からなる長尺な内フィルム用原反を所定長さに切断することで作製されている。なお、外フィルム1’もこの連続体からなる長尺なフィルム(原反)を切断することで作製されるが、かかる原反は一般的なものである。
そこで、本実施形態に係る内フィルム用原反についてのみ具体的に説明すると、内フィルム用原反は、図11に示す如く、重ね合わされた二枚の長尺フィルム200a’,200b’を備えている。
前記二枚の長尺フィルム200a’,200b’のそれぞれは、分離フィルム20a’,20b’の連続体である。これにより、各長尺フィルム200a’,200b’は、それぞれPP(ポリプロピレン)フィルムで構成されており、長尺な帯状に形成されている。上記構成の長尺フィルム200a’,200b’は、長手方向と直交する短手方向の一端側が互いに沿うように全体的に重ね合わされている。
そして、二枚の長尺フィルム200a’,200b’の一端部は、長尺方向に延びる直線状のシールライン220’を形成するように超音波シールされている。すなわち、二枚の長尺フィルム200a’,200b’の一端部は、長手方向で所定長さに切断して内フィルム2’になった際の分離方向(外フィルム1’の分割方向)に対して交差方向(本実施形態においては直交方向)に真っ直ぐに延びるシールライン220’を形成するように超音波シールされている。
このように、超音波シールされることで、二枚の長尺フィルム200a’,200b’は、シールライン220’に対応する部分が周辺の厚みよりも薄くなっている。すなわち、二枚の長尺フィルム200a’,200b’は、超音波シールによって線状に溶けるため、シールライン220’で極薄になっている。これにより、内フィルム用原反を長尺方向で所定長さに切断して内フィルム2’にしたときに、長尺フィルム200a’,200b’(分離フィルム20a’,20b’)を切断させることのできるシールライン220’(切断線)になるようになっている。
そして、二枚の長尺フィルム200a’,200b’の一端部において、重ね合わされることで互いに対向する面のうち、少なくとも何れか一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性が付与されている。本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、上述の如く、一方の分離フィルム20a’の一端部と対向する他方の分離フィルム20b’の一方の面にイージーピール性を付与するようにしているため、当該内フィルム用原反は、他方の長尺フィルム200b’の一方の長尺フィルム200a’と対向する面にイージーピール性が付与されている。
さらに、該内フィルム用原反は、一方の長尺フィルム200a’の一端部、及び他方の長尺フィルム200b’の一端部が、前記シールライン220’よりも短手方向の他端側で連続的又は断続的に弱シールされている。本実施形態では、上記米飯加工食品用包装材に対応して、長尺方向に間隔をあけた複数箇所でポイント弱シール230’…されている。
本実施形態に係る内フィルム用原反は、以上の構成からなり、長手方向で所定長さ(外フィルム1’の長手方向に長さに対応した長さ)に切断されることで、図12(a)に示す如く、二枚の長尺フィルム200a’,200b’が重なり合った(二枚の分離フィルム20a’,20b’が重なり合った)内フィルム2’が作製される。そして、上述のように切断する前、又は、切断後(本実施形態では切断後)に、図12(b)に示す如く、何れか一方の長尺フィルム200a’におけるシールライン220’よりも短手方向の他端側を折り返すことで、二枚の長尺フィルム200a’,200b’(二枚の分離フィルム20a’,20b’)が並列に配置された内フィルム2’となる。
そして、シート状食品Sを介して該内フィルム2’と外フィルム1’とを重ね合わせ、シート状食品を囲むように外フィルム1’と内フィルム2’とをシールすることで上述した米飯加工食品用包装材が作製される。
以上のように、本実施形態に係る米飯加工食品用包装材は、二枚の分離フィルム20a’,20b’の一端部が、前記分離方向に対して交差方向に延びる直線状又は非直線状のシールライン22’を形成するように超音波シールされているので、米飯加工食品Rからの水分が二枚の分離フィルム20a’,20b’間を介して内フィルム2’と外フィルム1’との間に入り込むことがなく、シート状食品Sが水分で害されるのを防止することができる。また、シールライン22’を超音波シールで形成することで、内フィルム2’(内フィルム2’を構成する分離フィルム20a’)をシールライン22’に沿って切断させることができる。その上、他方の分離フィルム20b’の一方の面にイージーピール性を付与しているので、シールライン22’で内フィルム2’が切断されるに際し、溶着した部分が剥離し易く、対向する面同士の溶着が内フィルム2’の分離を阻害するのを防止することができる。
また、一方の分離フィルム20a’の一端部を他方の分離フィルム20b’側に折り返すようにしているので、一方の分離フィルム20a’を円滑に切断することができる。
さらに、一方の分離フィルム20a’の折り返された一端部、及び他方の分離フィルム20b’の一端部が、該一方の分離フィルム20a’の一端部の折り返しによって形成される稜線Lとシールライン22’との間で、剥離可能に弱シールされているので、一方の分離フィルム20a’の一端部が他方の分離フィルム20b’から無造作に捲り上がってシールライン22’で切断されてしまうのを防止することができる。
そして、本実施形態に係る内フィルム用原反は、内フィルム2’の連続体であるので、所定長さに切断することで、上述の作用及び効果を奏することのできる内フィルム2’を作製することができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記第一実施形態において、二枚の分離フィルム20a,20bと中間フィルム21とを直線状のシールライン22を形成するように超音波シールするようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図13(a)及び図13(b)に示す如く、二枚の分離フィルム20a,20bと中間フィルム21とを鋸刃状のシールライン22bを形成するように超音波シールしたり、図14(a)及び図14(b)に示す如く、二枚の分離フィルム20a,20bと中間フィルム21とを波形状のシールライン22aを形成するように超音波シールしたりしてもよい。すなわち、二枚の分離フィルム20a,20bと中間フィルム21とを非直線状のシールライン22a,22bを形成するように超音波シールするようにしてもよい。この場合において、内フィルム2を作製するための内フィルム用原反は、二枚の長尺フィルム200a,200bと中間長尺フィルム210とが長尺方向に延びる非直線状(波形状又は鋸刃状)のシールライン22によって溶着される。
また、第二実施形態において、二枚の分離フィルム20a’,20b’を直線状のシールライン22’を形成するように超音波シールするようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図15(a)及び図15(b)に示す如く、二枚の分離フィルム20a’,20b’を鋸刃状のシールライン22b’を形成するように超音波シールしたり、図16(a)及び図16(b)に示す如く、二枚の分離フィルム20a’,20b’を波形状のシールライン22a’を形成するように超音波シールしたりしてもよい。すなわち、内フィルム2’が二枚の分離フィルム20a’,20b’で構成される場合についても、該二枚の分離フィルム20a’,20b’を非直線状のシールライン22a’,22b’を形成するように超音波シールするようにしてもよい。この場合において、内フィルム2’を作製するための内フィルム用原反は、二枚の長尺フィルム200a’,200b’が長尺方向に延びる非直線状(波形状又は鋸刃状)のシールライン22’によって溶着される。
上記第一及び第二実施形態において、一方の分離フィルム20a,20a’の一端部を折り返すようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、互いの一端部が重なり合うように真っ直ぐな分離フィルム20a,20b,20a’,20b’を二枚並列に配設するようにしてもよい。このようにしても、内フィルム2,2’に切断線となるシールライン22,22’が形成されるので、分離フィルム20a,20b,20a’,20b’をシールライン22,22’で切断させることができる。
上記第一実施形態において、一方の分離フィルム20aと対向する中間フィルム21の一方の面にイージーピール性を付与するようにしたが、これに限定されるものではなく、内フィルム2を構成するフィルム(分離フィルム20a,20b、中間フィルム21)の積層部分であって、互いに対向する面の少なくとも何れか一面にイージーピール性を付与するようにすればよい。このようにすることで、上述の如く、シールライン22を形成することで溶着した部分を優先的に剥離させることができ、そのイージーピール性の付与された面に隣接する分離フィルム20a,20bをシールライン22で切断させることができる。従って、各面にイージーピール性を付与すれば、一方の分離フィルム20aに限らず、二枚の分離フィルム20a,20bの何れか一方が切断されることになる。
上記第一実施形態において、二枚の分離フィルム20a,20bの一端部及び中間フィルム21をシールライン22と稜線Lとの間で弱シールするようにしたが、これに限定されるものではなく、この弱シールは必要に応じて施せばよい。但し、分離フィルム20aが不用意に切断されるのを防止するには、上記第一実施形態と同様に、一方の分離フィルム20aの一端部及び中間フィルム21をシールライン22と稜線Lとの間に弱シールすることが好ましいことは言うまでもない。シールライン22と稜線Lとの間で弱シールする場合、例えば、二枚のフィルム20a、21(一方の分離フィルム20a、中間フィルム21)をシールライン22と稜線Lとの間で弱シールするようにしてもよい。すなわち、分離フィルム20aの一端部を折り返す場合、少なくとも一方の分離フィルム20aの一端部及び中間フィルム21をシールライン22と稜線Lとの間に弱シールするようにすればよい。
そして、少なくとも一方の分離フィルム20aの一端部及び中間フィルム21をシールライン22と稜線Lとの間に弱シールするに当り、断続的に弱シールしたものに限定されるものではなく、例えば、連続的(線状)に弱シールするようにしてもよい。
また、第二実施形態においても同様に、シールライン22と稜線Lとの間での弱シールは必要に応じて行えばよい。但し、この場合においても、二枚の分離フィルム20a’,20b’の一端部をシールライン22’と稜線Lとの間で連続的又は断続的に弱シールすることが好ましいことは言うまでもない。
第一実施形態において、稜線Lから外方に延出する中間フィルム21の他端側を他方の分離フィルム20bにシールして固定するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、中間フィルム21の他端側を分離フィルム20bに固定することなく重ね合わせた状態にしておいてもよい。但し、開封時の引っ張り力が作用したときに、中間フィルム21が分離フィルム20bから捲り上げられると、その引っ張り力がシールライン22…に効率よく作用しにくくなるので、弱シールされる場合には、中間フィルム21における弱シールされる部分23…よりも短手方向の他端側を、弱シールされない場合には、中間フィルム21におけるシールライン22よりも短手方向の他端側を他方の分離フィルム20bに固定することが好ましい。
そして、上記第一実施形態において、中間フィルム21の他端側が稜線Lよりも外方に延出するように構成したが、これに限定されるものではなく、幅(長手方向に対して直交方向(短手方向)の幅)をできるだけ狭くして、稜線Lから他端側が外方に延出させないように構成してもよい。この場合においても、上述の如く、中間フィルム21の他端側を分離フィルム20bに固定することが好ましいことは言うまでもない。また、中間フィルム21の一端を分離フィルム20a,20bの一端に沿わせたものに限定されるものではなく、中間フィルム21の一端側が分離フィルム20a,20bの一端よりも外側に延出するように配置されても特に問題はない。
上記第一実施形態において、中間フィルム21の一方の面の全面にイージーピール性を付与するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、超音波シールされる領域のみにイージーピール性を付与するようにしてもよい。すなわち、二枚に分離フィルム20a,20bの一端部、及び中間フィルム21の互いに重なり合って対向する面の少なくとも一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性を付与するようにしてもよい。但し、上記第一実施形態のように、超音波シールに加えて分離フィルム10aと中間フィルム21とを弱シールする場合には、その弱シールした部分23…の剥離性を考慮して弱シールする部分23…にもイージーピール性を付与することが好ましいことは言うまでもない。また、上記第二実施形態に係る構成も同様に、二枚に分離フィルム20a’,20b’の一端部の互いに重なり合って対向する面の少なくとも一つの面の少なくとも超音波シールされる領域にイージーピール性を付与するようにしてもよい。
1,1’…外フィルム、2,2’…内フィルム、10,10’…カットテープ、11,11’…切り込み、12,12’…把持片、20a,20a’…分離フィルム、21,21’…中間フィルム、22,22’…シールライン、22a,22b…シールライン、23,23’…ポイント弱シール、24…ポイントシール、200a,200b,200a’,200b’…長尺フィルム、210…中間長尺フィルム、220,220’…シールライン、230,230’…ポイント弱シール、240…ポイントシール、S…シート状食品、R…米飯加工食品