JP7374429B2 - 食品用包装体 - Google Patents

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Description

本願発明は、例えばおにぎりなどの成型米飯食品の包装体に関し、より詳細には成型米飯食品に対し海苔などのシート状食品を隔離状態で被包しながら包装し、包装の開封および取り去りと同時にシート状食品が成型米飯食品の表面に巻き付けられる作用を生じる包装体において、ワンタッチで大きな開口部を容易に得られることを可能とする易開封手段に関する。
三角形のおにぎりを被包可能な大きさを有するとともに、短手方向に2分割するための帯状の切り取りによるカットテープなどの分断手段を有する長方形の表側フィルムに、短手方向に2分割した一対のフィルム片により表側フィルムを覆うとともに表側フィルムの分断手段に位置する箇所にフィルム片同士の重なり部を設けた裏側フィルムを重ね合わせ、裏側フィルムのフィルム片同士の重なり部を除いた表側フィルムと裏側フィルムの周縁同士を接合することにより内部に海苔等のシート状食品を収容するためのポケット部を構成した食品用包装体が公知である(特許文献1~3)。
この包装体は裏側フィルム側をおにぎり側に接触させておにぎりを包装するものであるが、具体的にはおにぎりの底面を包装体の前後の中央付近に位置させるとともに包装体の後半分でおにぎりの背面を覆った後、前半分で正面を覆う。そして、開封にあたっては表側フィルムに施された分断手段をおにぎりの正面側から引っ張り上げることにより表側フィルムを左右に順次分断する。この場合、裏側フィルムは既に一対のフィルム片により左右に分割されているのであるから、包装体は結局左右に分割されることとなり、左右に引くことによりポケット部に収容されたシート状食品を残して包装体は取り去られ、シート状食品のみがおにぎりの表面に包装されて残ることとなる。
実公平5-36390号公報 実用新案登録第3001212号公報 特許第3061517号公報 特開2002-225917号公報
この場合、最終的には前記したように左右に分割された包装体を左右に引くことによりポケット部に収容されたシート状食品を残して包装体を取り去るわけだが、包装体は中に収容されたシート状食品とともにおにぎりの形状に沿って折られた状態でしっかり密着しているので、購買者にとっては左右に引くことによりシート状食品を破壊するような錯覚を覚えそれを躊躇することがある。
また、同様の理由により注意深く包装体を左右に引かないと、実際にシート状食品を破壊してしまうおそれもある。
本願発明は以上の従来技術の問題点を解消した食品用包装体を提供することを目的としたものであり、短手方向に2分割するための分断手段を有するとともに成型米飯食品を被包可能な大きさを有する略長方形の表側フィルムに、短手方向に2分割した一対のフィルム片により表側フィルムを覆うとともに表側フィルムの分断手段に位置する箇所にフィルム片同士の重なり部を設けた裏側フィルムを重ね合わせ、裏側フィルムのフィルム片同士の重なり部を除いた表側フィルムと裏側フィルムの周縁同士を接合することにより内部にシート状食品を収容するためのポケット部を構成した包装体において、表側フィルムの内側に少なくとも表側フィルムの全幅の4分の1以上の幅を有する広幅の幅方向に引き裂き性を持たせた一軸延伸フィルム製の分断用帯体を固着するとともに、表側フィルムと分断用帯体の始端の左右に一対の切り込みを設け、上記一対の切り込み間の距離は切り込み開始位置に対して切り込み終了位置が広くなるように設定したことを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は前記の食品用包装体において、分断用帯体は表側フィルムの長さ方向中途に達する長さであることを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は前記の食品用包装体において、分断用帯体は表側フィルムの長さ方向全域に達する長さを有し、長さ方向中途において幅方向の切れ目またはミシン目を設けるとともに、上記切れ目またはミシン目の先に長さ方向の切れ目またはミシン目を設けることを特徴とする。
本願発明の食品用包装体によれば、おにぎりの正面側から表側フィルムと分断用帯体の始端の一対の切り込み間の部分を摘んで引っ張り上げることにより表側フィルムを左右に順次分断する。この場合、表側フィルムには引き先の方向性を有する一軸延伸フィルム製の分断用帯体が固着されているので、表側フィルムの引き裂きは分断用帯体に沿って誘導され、予期しない方向に引き裂かれてしまうことが防止される。よって、一対の切り込みの間隔を広くとることにより幅広の引き裂きが実現される作用を生じることとなる。
前記の場合、一対の切り込みの間隔を広くとると、包装にあたっておにぎりの底面を包装体の前後の中央付近に位置させるとともに包装体の後半分でおにぎりの背面を覆った後、前半分で正面を覆い、さらに余剰部分をおにぎりの背面を覆っている包装体の後半分の上に折り返して重ねた際に、切り込みの始端が背面側に回り込んで摘みにくくなってしまうおそれある。
そこで本願発明においては、切り込み間の距離は切り込み開始位置に対して切り込み終了位置が広くなるように設定することにより、切り込み開始位置においては切り込み間の距離を狭くして裏側に回り込んでしまうことを防止している。
また、請求項2記載の発明のように、分断用帯体は表側フィルムの長さ方向中途に達する長さとした場合は、開封時にフィルムが先細りして開封性がよくなる。
前記の場合、実際の製造ラインにおいては連続して繰り出される表側フィルムに対し、分断用帯体を個別に重ねることは困難である。そこで、請求項3記載の発明においては分断用帯体を表側フィルムの長さ方向全域に達する長さとすることにより、分断用帯体を表側フィルムに重ねて連続的に繰り出すことを可能としている。一方、分断用帯体の長さ方向中途において幅方向の切れ目またはミシン目を設けるとともに、上記切れ目またはミシン目の先に長さ方向の切れ目またはミシン目を設けることにより、開封時に上記切れ目またはミシン目により残余の分断用帯体を取り除き、請求項2記載の発明と同じ作用を実現している。
以上のように本願発明の食品用包装体によればワンタッチで大きな開口部を容易に得られるので、これをおにぎりなどの成型米飯食品の包装体として使用した場合は購買者は心理的な抵抗無しにそれを容易に開封することができる。
本願発明の食品用包装体の平面図。 同上、分解状態の斜視図。 同上、包装の過程を示す斜視図。 同上、包装の過程を示す斜視図。 本願発明の食品用包装体を用いて包装したおにぎりの背面図。 同上、正面図。 同上、分断用帯体の異なる実施例を示す平面図。
以下、本願発明の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。図1~7は本願発明を三角おにぎり包装用の包装体に実施した例を示す図であり、図1は食品用包装体、図2はその分解状態を示す。本願発明の包装体Pは表側フィルム1と裏側フィルム4A、4Bを、内部にシート状食品Sを収容するためのポケット部を構成するように重合した構成からなる。表側フィルム1はおにぎりRを被包可能な大きさの長方形からなり、短手方向に2分割するための分断手段を有する。
図中符号2は前記の分断手段を構成する分断用帯体である。この分断用帯体2は流れ方向に直線カット性がある一軸延伸フィルムを用いることにより幅方向に引き裂き性を持たせた帯状のものであり、少なくとも表側フィルム1の全幅の4分の1以上の幅を有する広幅に構成される。分断用帯体2は表側フィルム1の裏面に固着されるとともに、始端において左右一対の切り込み3A、3Aが設けられるとともに、それに対応した表側フィルム1の箇所にも左右一対の切り込み3B、3Bが設けられる。前記の左右一対の切り込み3A、3Aおよび3B、3Bの切り込み間の距離は切り込み開始位置に対して切り込み終了位置が広くなるように設定される。
仮に一対の切り込みの間隔を広くとると、包装にあたっておにぎりの底面を包装体の前後の中央付近に位置させるとともに包装体の後半分でおにぎりの背面を覆った後、前半分で正面を覆い、さらに余剰部分をおにぎりの背面を覆っている包装体の後半分の上に折り返して重ねた際に、切り込みの始端が背面側に回り込んでしまうおそれある。前記構成においては、切り込み開始位置に対して切り込み終了位置が広くなるように切り込み間の距離を設定することにより、切り込み開始位置においては切り込み間の距離を狭くして裏側に回り込んでしまうことを防止している。
前記の分断用帯体2は図7に示すように表側フィルム1の長さ方向中途に達する長さにとどめた場合は、開封開始時は表側フィルムの引き裂きは分断用帯体に沿って誘導されて幅広に開封され、開封がおにぎりの背面側に達した場合は分断用帯体が無くなるのでフィルムが先細りして開封性がよくなる。
前記の場合、長尺フィルムを巻き取った供給ロールからフィルムを連続して繰り出す実際の製造ラインにおいては、連続して繰り出される表側フィルム1に対し、分断用帯体2を個別に重ねることは困難である。そこで、ここでは分断用帯体2を表側フィルム1の長さ方向全域に達する長さとすることにより、分断用帯体を表側フィルムに重ねて連続的に繰り出すことを可能としている。一方、分断用帯体2の長さ方向中途において幅方向の切れ目またはミシン目10を設けるとともに、上記切れ目またはミシン目の先に長さ方向の切れ目またはミシン目11を設けることにより、開封時に上記切れ目またはミシン目により残余の分断用帯体を取り除くようにしている。
図中符号Hは前記の分断用帯体2と表側フィルム1のヒートシール箇所を示す。
裏側フィルム4A、4Bは包装時におにぎりRの表面に接する側のフィルムであり、表側フィルム1を覆う形状に短手方向に2分割した一対のフィルム片4Aおよび4Bにより構成され、これらのフィルム片は表側フィルムの分断手段に位置する箇所において一部分が重なる重なり部を構成する。
表側フィルム1と裏側フィルム4A、4Bは、裏側フィルムのフィルム片同士の重なり部5を除いた周縁四方にヒートシールなどの手段による接合部を設けて重合されることにより内部にシート状食品Sを収容するためのポケット部を構成する。尚、この実施例においてはシート状食品Sとして海苔を想定しているが、シート状食品は海苔に限定されないことは勿論である。
図3~6は本願発明の包装体によるおにぎりの包装の過程を示す図である。先ず、ポケット部にシート状食品Sを収容した包装体の前後の中央付近に三角形のおにぎりRの底部を位置させるとともに包装体の後半分でおにぎりの背面を覆う(図3参照)。次いで、包装体の前半分でおにぎりRの正面を覆うが、この場合、おにぎりは三角形であるのに対し包装体は長方形であるので包装体の左右に包装体の前方の角部を頂点とした一部切り欠き三角部分A、Aが残る。そこで、この三角部分A、AをおにぎりRの背面を覆っている包装体の後半分の上に折り返して重ね、更に包装状態を固定する(図4~図6参照)。
以上の包装体の開封にあたっては表側フィルム1に施された分断手段である分断用帯体2と表側フィルムを、始端の左右一対の切り込み3A、3Aおよび3B、3B間を摘んでおにぎりRの正面側から引っ張り上げることにより表側フィルムは左右に順次分断され、この場合、裏側フィルム4A、4Bは既に一対のフィルム片により左右に分割されているのであるから、包装体は結局左右に分割されることとなる。そこで、先ず分割された一方の包装体を押さえて他方の包装体を引くことにより、シート状食品SがおにぎりRの表面に接触した状態で表れ、今度は表れたシート状食品を押さえて他方の包装体を引くことによりシート状食品の残りの部分がおにぎりの表面に接触した状態で表れ開封が完了する。
P 包装体
R おにぎり
S シート状食品
H ヒートシール箇所
1 表側フィルム
2 分断用帯体
3A 切り込み
3B 切り込み
4A 裏側フィルム
4B 裏側フィルム
10 幅方向の切れ目またはミシン目
11 長さ方向の切れ目またはミシン目

Claims (2)

  1. 短手方向に2分割するための分断手段を有するとともに成型米飯食品を被包可能な大きさを有する略長方形の表側フィルムに、短手方向に2分割した一対のフィルム片により表側フィルムを覆うとともに表側フィルムの分断手段に位置する箇所にフィルム片同士の重なり部を設けた裏側フィルムを重ね合わせ、裏側フィルムのフィルム片同士の重なり部を除いた表側フィルムと裏側フィルムの周縁同士を接合することにより内部にシート状食品を収容するためのポケット部を構成した包装体において、表側フィルムの内側に少なくとも表側フィルムの全幅の4分の1以上の幅を有する広幅の流れ方向に直線カット性がある一軸延伸フィルム製の分断用帯体を固着するとともに、表側フィルムと分断用帯体の始端の左右に一対の切り込みを設け、上記一対の切り込み間の距離は切り込み開始位置に対して切り込み終了位置が広くなるように設定した成型米飯食品用包装体において、
    分断用帯体は表側フィルムの長さ方向中途に達する長さを有するようにしたことを特徴とする成型米飯食品用包装体。
  2. 分断用帯体は表側フィルムの長さ方向全域に達する長さを有し、長さ方向中途において幅方向の切れ目またはミシン目を設けるとともに、上記切れ目またはミシン目の先に長さ方向の切れ目またはミシン目を設けた請求項記載の成型米飯食品用包装体。
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