JP3172897U - 棒状食品用包装体及びこれを用いた包装棒状食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】迅速かつ衛生的にシート状食品と棒状米飯とを結合させて取り出すことが可能な棒状食品用包装体を提供する。
【解決手段】本考案の棒状食品用包装体2は、本体部21a、本体部前後の一対の突片部21b,21b、及び、一対の突片部21b,21bのうちの一方の突片部21bから他方の突片部21bにわたって設けられる開封手段部22を有する表フィルム21と、表フィルム21の内側に第一裏フィルム部23a及び第二裏フィルム部23bからなって相互に重合部23cを形成する裏フィルム23とを具備し、重合部23cは開封手段部22の位置と対応する位置に設けられる。
【選択図】図1
【解決手段】本考案の棒状食品用包装体2は、本体部21a、本体部前後の一対の突片部21b,21b、及び、一対の突片部21b,21bのうちの一方の突片部21bから他方の突片部21bにわたって設けられる開封手段部22を有する表フィルム21と、表フィルム21の内側に第一裏フィルム部23a及び第二裏フィルム部23bからなって相互に重合部23cを形成する裏フィルム23とを具備し、重合部23cは開封手段部22の位置と対応する位置に設けられる。
【選択図】図1
Description
本考案は、棒状米飯とシート状食品とを隔離して巻装するための包装体であって開封を迅速かつ衛生的に行うことが可能な棒状食品用包装体、及び、これを用いた包装棒状食品に係る。
一般に、焼海苔等のシート状食品と棒状米飯とを隔離して包装した状態から、両者を結合させて取り出すことを可能とする棒状食品用包装体としては、矩形状で長さ方向の中央位置に幅方向に延びる開封手段部が設けられた外側フィルムと、外側フィルムの上縁及び両側縁の上半分の長さにわたってシールされ且つ外側フィルムの長さ方向のほぼ中央の位置から折り返された折り返し部分を有する第一の内側フィルムと、外側フィルムの下縁及び両側縁のほぼ下半分の長さにわたってシールされ且つ自由端が外側フィルムの長さ方向のほぼ中央の位置にある第二内側フィルムと、外側フィルムの両側縁から側方に延出した第一の側部フィルム及び第二側部フィルムからなるものが知られている。この種の包装体としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
また、透明フィルムよりなる横長の表部材の裏側に、同材よりなる裏部材をその一部が連繋された状態に重ねて相互間をシート状食品収納部に形成した手巻き用包装材において、表部材と裏部材の両側縁中央部に突片部を連設するとともに裏部材を上下に二分割する切断テープ又は重ね合わせ部分を設けたことものが知られている。この種の包装体としては、例えば特許文献2に記載のものがある。
また、透明フィルムよりなる横長の表部材の裏側に、同材よりなる裏部材をその一部が連繋された状態に重ねて相互間をシート状食品収納部に形成した手巻き用包装材において、表部材と裏部材の両側縁中央部に突片部を連設するとともに裏部材を上下に二分割する切断テープ又は重ね合わせ部分を設けたことものが知られている。この種の包装体としては、例えば特許文献2に記載のものがある。
文献1に記載の包装体においては、巻装状態において外側フィルムの上縁を該包装体に貼着しておく手段は明示されていないが、外側フィルムに設けられている開封手段部で該外側フィルムを二分したときに、同時に前記外側フィルムの前記上縁が貼着状態から解放されるという構造を持つものではない。したがって、開封時のシート状食品と棒状米飯との結合までに手間が多くなる。また、二分された外側フィルムの一方を引いたときに露出するシート状食品6と棒状米飯までは幾分かの距離があるので、シート状食品の露出部分にまで棒状米飯を回転移動させる作業が必要になる。
また、この種の包装体は外側フィルム(表フィルム)を幅方向にカットする開封手段部の切り口がシート状食品を収納する領域の側縁に設けられている場合が多いが、この切り口から湿気が混入することが懸念される。特に、包装する手巻き寿司の容量が大きい場合には、柔軟な材質であるフィルムは全体で撓む量も大きくなる。撓みがフィルム側縁の開封手段部切り口に生じた場合には湿気が入ることも考えられる。
文献2に記載の包装体においては、フィルムの切断テープ又は開口手段が裏部材に設けられているので、巻装状態においてこれらの開口手段が外側に露出することはない。これらの開口手段を裂いてシート状食品を露出させるには、一旦当該包装体の全体を展開しなければならない。また開口手段を裂くときも、一旦棒状米飯を横に移動させておくといったことも必要になる。
上記のような従来の棒状食品用包装体では、手巻き寿司を食する時は、一方の内側フィルムを引き剥した後、露出したシート状食品の上に棒状米飯を回転移動せしめるという操作を必要とするし、また棒状米飯の移動の際には、棒状米飯に直接手が接触することもあり非衛生的である。
また、この種の包装体は外側フィルム(表フィルム)を幅方向にカットする開封手段部の切り口がシート状食品を収納する領域の側縁に設けられている場合が多いが、この切り口から湿気が混入することが懸念される。特に、包装する手巻き寿司の容量が大きい場合には、柔軟な材質であるフィルムは全体で撓む量も大きくなる。撓みがフィルム側縁の開封手段部切り口に生じた場合には湿気が入ることも考えられる。
文献2に記載の包装体においては、フィルムの切断テープ又は開口手段が裏部材に設けられているので、巻装状態においてこれらの開口手段が外側に露出することはない。これらの開口手段を裂いてシート状食品を露出させるには、一旦当該包装体の全体を展開しなければならない。また開口手段を裂くときも、一旦棒状米飯を横に移動させておくといったことも必要になる。
上記のような従来の棒状食品用包装体では、手巻き寿司を食する時は、一方の内側フィルムを引き剥した後、露出したシート状食品の上に棒状米飯を回転移動せしめるという操作を必要とするし、また棒状米飯の移動の際には、棒状米飯に直接手が接触することもあり非衛生的である。
そこで本考案は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、迅速かつ衛生的にシート状食品と棒状米飯とを結合させて取り出すことが可能な棒状食品用包装体、及び、これを用いた包装棒状食品を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本考案の棒状食品用包装体は、本体部、前記本体部前後の一対の突片部、及び、前記一対の突片部のうちの一方の突片部から他方の突片部にわたって設けられる開封手段部を有する表フィルムと、前記表フィルムの内側に第一裏フィルム部及び第二裏フィルム部からなって相互に重合部を形成する裏フィルムとを具備し、前記重合部は前記開封手段部の位置と対応する位置に設けられることを特徴としている。
この構成によれば、前記第一裏フィルム部と前記第二裏フィルム部によって形成された重合部が、表フィルムの開封手段部と対応する位置にあるので、前記開封手段部で前記表フィルムを破断すると、該破断部分に前記重合部が現れる。そして、破断された前記棒状食品用包装体の一方を横に引くだけで、前記表フィルムは前記破断部分から分離され、前記両裏フィルム部は前記重合部から離間されるので、前記棒状食品用包装体の開封が迅速かつ容易に行われるという効果を奏する。
また、本考案において、前記開封手段部は、前記突片部の領域に開封開始部を有していることがのぞましい。この構成によれば、前記開封開始部は前記本体部の領域には設けられず前記突片部に設けられるので、従来のようにシート状食品を収納する領域の側縁に開封開始部が設けられている場合と比較すると、湿気が前記突片部の前記開封開始部から前記本体部に、つまりシート状食品と接する領域にまで移動することを低減することができるという効果を奏する。
さらに、本考案は、上記の棒状食品用包装体の前記表フィルムと前記裏フィルムとの間に前記シート状食品が介装され、前記裏フィルムの内側に前記棒状米飯が収容されて全体が巻装される包装棒状食品を構成することを特徴とする。
この構成によれば、まず、破断された前記棒状食品用包装体の一方を横に引くだけで、前記シート状食品の半分が露出する。次に露出した前記シート状食品の部分と前記棒状米飯とを結合させて片手で把持すれば、前記棒状食品用包装体の残りの部分を容易に引くことができる。かかる作業は、棒状米飯をシート状食品上で回転移動させたり、棒状米飯に直接手を触れたりする必要がなく衛生的に行うことができる。
また、上述のように、前記開封開始部から湿気が前記包装本体の領域に入り込むことが低減されているので、湿気が前記シート状食品に及ぶことが低減される。これにより、前記シート状食品は乾燥状態や風味がより保たれ、巻癖も保たれるので、開封時に前記シート状食品は前記棒状米飯に自然に巻き付きやすく、前記シート状食品と前記棒状米飯とを即座に結合させて取り出すことが可能になるという効果を奏する。
この構成によれば、まず、破断された前記棒状食品用包装体の一方を横に引くだけで、前記シート状食品の半分が露出する。次に露出した前記シート状食品の部分と前記棒状米飯とを結合させて片手で把持すれば、前記棒状食品用包装体の残りの部分を容易に引くことができる。かかる作業は、棒状米飯をシート状食品上で回転移動させたり、棒状米飯に直接手を触れたりする必要がなく衛生的に行うことができる。
また、上述のように、前記開封開始部から湿気が前記包装本体の領域に入り込むことが低減されているので、湿気が前記シート状食品に及ぶことが低減される。これにより、前記シート状食品は乾燥状態や風味がより保たれ、巻癖も保たれるので、開封時に前記シート状食品は前記棒状米飯に自然に巻き付きやすく、前記シート状食品と前記棒状米飯とを即座に結合させて取り出すことが可能になるという効果を奏する。
本考案によれば、シート状食品と棒状米飯とを隔離して巻装し、迅速に且つ衛生的に前記シート状食品と前記棒状米飯とを結合させて取り出すことが可能な棒状食品用包装体、及び、これを用いた包装棒状食品を提供することが可能になる。
次に、添付図面を参照して本考案に係る棒状食品用包装体2の実施形態について詳細に説明する。図2は、本考案の一の実施形態の分解斜視図である。
棒状食品用包装体2は、表フィルム21とその内側に重なるように配置された二枚の裏フィルム部23a,23bからなる裏フィルム23とを具備する。表フィルム21と裏フィルム23との間は焼海苔等のシート状食品6が介装される部分を含み、裏フィルム23の内側は棒状米飯7が載置される部分を含んでいる。表フィルム21や裏フィルム23は、開封作業時に円滑に滑動するよう、シート状食品6や棒状米飯7に対して滑りのよい材質の樹脂フィルム等であることがのぞましい。
棒状食品用包装体2は、表フィルム21とその内側に重なるように配置された二枚の裏フィルム部23a,23bからなる裏フィルム23とを具備する。表フィルム21と裏フィルム23との間は焼海苔等のシート状食品6が介装される部分を含み、裏フィルム23の内側は棒状米飯7が載置される部分を含んでいる。表フィルム21や裏フィルム23は、開封作業時に円滑に滑動するよう、シート状食品6や棒状米飯7に対して滑りのよい材質の樹脂フィルム等であることがのぞましい。
棒状食品用包装体2の構成に関し、第一の実施形態を以下に説明する。図2に示すように、棒状食品用包装体2は表フィルム21と裏フィルム23とを具備する。表フィルム21は、本体部21aと突片部21bとを具備している。幅方向FWに沿った幅が長さ方向FLに沿った長さよりも小さい長方形の樹脂フィルムの四隅を、それぞれ四角に角取りしたとき、長さ方向FLの前後の両方に凸型に形成される略矩形部分が突片部21bであり、両突片部21b,21bに挟まれる部分が本体部21aである。本体部21aには後述する棒状米飯7の円筒部を包装可能な面積が確保され、両突片部21b,21bには棒状米飯7の両端面を包装可能な面積が確保されている。
表フィルム21には、開封手段部22が設けられている。開封手段部22は、略平行な二本のカットテープで構成され、一方の突片部21bの幅方向FWの中間位置の端部から、本体部21aを通過し、他方の突片部21bの幅方向FWの中間位置の端部にまで長さ方向FLに沿って設けられている。開封手段部22には、どちらか一方の突片部21bの領域且つ本体部21aに近接する位置において、開封開始部22aが跨る態様で設けられている。開封開始部22aをつまんで引いてゆけば、開封手段部22が表フィルム21を破断するようになっている。
裏フィルム23は、第一裏フィルム部23aと第二裏フィルム部23bによって構成される。第一裏フィルム部23aの形状は、表フィルム21を突片部21bの幅方向FWの中間付近から長さ方向FLに分割した形状とほぼ同じである。第二裏フィルム部23bの形状は、第一の実施形態において第一裏フィルム部23aと左右対称となっている。しかし、両裏フィルム部23a,23bの形状は必ずしも左右対称である必要はない。また、両裏フィルム部23a,23bの材質は表フィルム21と同材であってもよいが、滑りを一層よくするためにマットフィルム等を採用してもよい。
両裏フィルム部23a,23bは、表フィルム21にその両側端からはみ出ないように重なる。最初に第一裏フィルム部23aが重なり、次に第二裏フィルム部23bが重なる。図1、図2、及び、図5に示すように、両裏フィルム部23a,23bの向かい合う辺の縁部には、相互に重なり合う程度の余裕が確保されている。したがって、両裏フィルム部23a,23bは表フィルム21に重ねられると、開封手段部22に沿う重合部23cを形成する。重合部23cにおいて第二裏フィルム部23bが第一裏フィルム部23aよりも上に位置している。
また、図1、図5、及び、図7に示すように、表フィルム本体部21aは、第一裏フィルム部23aの側端から延出した部分を有している。この延出部分はリップ部3となる。
両裏フィルム部23a,23bは、表フィルム21にその両側端からはみ出ないように重なる。最初に第一裏フィルム部23aが重なり、次に第二裏フィルム部23bが重なる。図1、図2、及び、図5に示すように、両裏フィルム部23a,23bの向かい合う辺の縁部には、相互に重なり合う程度の余裕が確保されている。したがって、両裏フィルム部23a,23bは表フィルム21に重ねられると、開封手段部22に沿う重合部23cを形成する。重合部23cにおいて第二裏フィルム部23bが第一裏フィルム部23aよりも上に位置している。
また、図1、図5、及び、図7に示すように、表フィルム本体部21aは、第一裏フィルム部23aの側端から延出した部分を有している。この延出部分はリップ部3となる。
表フィルム21と裏フィルム23には適所に熱圧着が施されて相互が接着する。熱圧着部は、図5及び図6に示すように、表フィルム突片部21bの前後端部と裏フィルム23とが接触する部分24、表フィルム本体部21aと第二裏フィルム部23bの側端部とが接触する部分25、並びに、表フィルム本体部21aの表フィルム突片部21bに交わる辺の縁部において裏フィルム23が接触する部分26である。
しかし、熱圧着部24,26は開封手段部22の領域を避けて施されている。また、表フィルム本体部21aのリップ部3付近と第一裏フィルム部23aの側端部は相互に熱圧着されず解放状態となっている。この解放部分はシート状食品取入口4となり、その奥側で表フィルム21と裏フィルム23とによって構成される部分はシート状食品収納部5となる。
しかし、熱圧着部24,26は開封手段部22の領域を避けて施されている。また、表フィルム本体部21aのリップ部3付近と第一裏フィルム部23aの側端部は相互に熱圧着されず解放状態となっている。この解放部分はシート状食品取入口4となり、その奥側で表フィルム21と裏フィルム23とによって構成される部分はシート状食品収納部5となる。
以上のように樹脂フィルムが加工されると、表フィルム本体部21aとそれに向かい合う裏フィルム23の部分は包装本体2aを構成し、表フィルム突片部21bとそれに向かい合う裏フィルム23の部分は包装突片2bを構成する。包装本体2aには棒状米飯7の円筒部を包装可能な面積が確保され、両包装突片2b,2bには棒状米飯7の両端面を包装可能な面積が確保されている。このようにして第一の実施形態に係る棒状食品用包装体2が完成する。
上述の実施形態では、棒状食品用包装体2の構成として、主に表フィルム21、第一裏フィルム部23a、及び、第二裏フィルム部23bというそれぞれ別体のものを組み合わせてなるものを説明した。しかし、一枚の樹脂フィルムを加工して表フィルム21と裏フィルム23とを形成することで棒状食品用包装体2を構成することも可能である。その構成を第二の実施形態として以下に説明する。
図3に示すように、第一の実施形態に係る棒状食品用包装体2の表フィルム21よりもさらに幅方向FWに長い寸法を有する樹脂フィルムが準備される。当該樹脂フィルムの幅方向FWの略中間位置の端部からカットテープ等の開封手段部22が設けられている。開封手段部22は、長さ方向FLに沿う略平行な二本のテープで構成され、樹脂フィルムの他端に達している。開封手段部22には、開封開始部22aが跨る態様で設けられている。
次に、樹脂フィルムに幅方向FWの両端から折り曲げ加工を施し、樹脂フィルムの両端を開封手段部22を中心として重ねることによって重合部23c(図4参照)が形成される。樹脂フィルムは、最初に図3の矢印イに示す方向に折り込まれる部分が第一裏フィルム部23aとなり、次に矢印ロに示す方向に折り込まれる部分が第二裏フィルム部23bとなる。折り込まれた両裏フィルム部23a,23bによって裏フィルム23が構成される。そして裏フィルム23と接し、開封手段部22のある側のフィルムは表フィルム21となる。
表フィルム21から第一裏フィルム部23aに転ずる折り返し部分はいったん切断されて解放状態となる。そして、図4に示すように、この解放部分から第一裏フィルム部23aにかけての所定幅の部分Yは切り取られる。切り取られた当該部分Yの幅に相当する分だけ表フィルム21は残存して第一裏フィルム部23aの端部から延出した状態となる。この延出部分はリップ部3となる。
表フィルム21と裏フィルム23には適所に熱圧着が施され、相互が接着する。熱圧着部は、それぞれ第一の実施形態におけるものと同じ部分に形成される。また、一方の熱圧着部26と、長さ方向FLの他方の熱圧着部26との間には、棒状米飯7の長手寸法よりも幾分か長い距離が確保される。第二の実施形態における熱圧着部25は、一枚の樹脂フィルムが折りたたみ加工された部分なので、熱圧着を施す以前にも連繋している部分である。しかし、この折りたたみ部分にも敢えて熱圧着部25を設けることによって折り目がしっかりと形成されるので、シート状食品収納部5に無駄な空間を生じさせず、包装棒状食品1を巻装したときに良好な状態が保たれる。もちろん、当該折りたたみ部分が形成された後で同部分を切断し、次に熱圧着部25を設けて表フィルム本体部21aと第二裏フィルム部23bとを接着するという工程であってもよい。
また、第二の実施形態においても第一の実施形態と同じくシート状食品取入口4及びシート状食品収納部5が形成される(図1、図4参照)。
また、第二の実施形態においても第一の実施形態と同じくシート状食品取入口4及びシート状食品収納部5が形成される(図1、図4参照)。
図4に示すように、上記のように加工された樹脂フィルムの四隅Zに角取りを施す。角取りにおいて、包装本体2aには熱圧着部26を残し、棒状米飯7を載置する包装本体2aと、包装本体2aから長さ方向FLの前後のどちらにも凸型に形成される略矩形状の包装突片2b,2bが形成されるようにする。包装本体2aには棒状米飯7の円筒部を包装可能な面積が確保され、両包装突片2b,2bには棒状米飯7の両端面を包装可能な面積が確保されている。加えて、包装突片2bの略中央に開封手段部22が位置するようにもされる。
以上の工程で第二の実施形態に係る棒状食品用包装体2は完成するが、このとき既に開封手段部22を跨ぐ態様で設けられていた開封開始部22aは、包装突片2bの領域且つ包装本体2aに近接する部位の開封手段部22に位置するようにされる。
以上の工程で第二の実施形態に係る棒状食品用包装体2は完成するが、このとき既に開封手段部22を跨ぐ態様で設けられていた開封開始部22aは、包装突片2bの領域且つ包装本体2aに近接する部位の開封手段部22に位置するようにされる。
第一及び第二の実施形態において、表フィルム21の開封手段部22には二本のカットテープを用いているが、一本のカットテープ、若しくは、三本以上のカットテープ、又は、二条のミシン目等を採用することもできる。また、表フィルム21の部材として方向性フィルムを用いた場合には開封開始部22aのみを設ければ、表フィルム21の長さ方向FLに沿う破断も可能になる。要は長さ方向FLに沿って表フィルム21を破断することが可能であれば開封手段部22は各様の形態をとることができる。より確実な破断のためには、本実施形態のように適切な間隔を設けた二本のカットテープで開封手段部22を構成することがのぞましい。
開封開始部22aは、両包装突片2b,2bのどちらか一方の側にあればよい。そして開封開始部22aの形状として、図1から図4に示すようなH型切れ目のノッチや、図6に示すようなX型切れ目のノッチを採用することができるが、この他にも、開封手段部22へとつながって表フィルム21の破断を可能にするものであれば、種々の形態をとることができる。
また、開封開始部22aの形成される位置は、第一及び第二の実施形態で述べたような、包装突片2bの領域且つ包装本体2aに近接する位置に限られない。包装突片2bが棒状米飯7の端面を包装したときに、開封開始部22aが棒状米飯7の一端面に表れるような位置であればよい。
また、開封開始部22aの形成される位置は、第一及び第二の実施形態で述べたような、包装突片2bの領域且つ包装本体2aに近接する位置に限られない。包装突片2bが棒状米飯7の端面を包装したときに、開封開始部22aが棒状米飯7の一端面に表れるような位置であればよい。
また、第一及び第二の実施形態において、包装突片2bは包装本体2aから凸型に形成された略矩形状であるが、必ずしも矩形状に限定されるものではなく、包装突片2bと包装本体2aとの境界の仮想線を下底とした台形、又は、楕円形等であってもよい。しかし、加工性を考慮した場合には矩形状がのぞましい。
次に、第一及び第二の実施形態において形成された棒状食品用包装体2に、焼海苔等のシート状食品6と棒状米飯7を組み込んで包装棒状食品1を巻装する工程について説明する。
シート状食品6はシート状食品取入口4から取り入れられ、シート状食品収納部5に収納される(図1参照)。第一裏フィルム部23aは表フィルム21に先に重ねられ、次に第二裏フィルム部23bが重ねられているので、重合部23cにおいて第二裏フィルム部23bが第一裏フィルム部23aよりも上に位置する。したがって、シート状食品6をシート状食品収納部5に取り入れる際に第二裏フィルム部23bが奥側で当たって障害となるといったことは生じない。
シート状食品6がシート状食品収納部5に収納された際に、シート状食品取入口4付近に熱圧着部27(図7参照)や封緘用のテープが設けられてもよい。このようにするとシート状食品6のずれが軽減される。
シート状食品6はシート状食品取入口4から取り入れられ、シート状食品収納部5に収納される(図1参照)。第一裏フィルム部23aは表フィルム21に先に重ねられ、次に第二裏フィルム部23bが重ねられているので、重合部23cにおいて第二裏フィルム部23bが第一裏フィルム部23aよりも上に位置する。したがって、シート状食品6をシート状食品収納部5に取り入れる際に第二裏フィルム部23bが奥側で当たって障害となるといったことは生じない。
シート状食品6がシート状食品収納部5に収納された際に、シート状食品取入口4付近に熱圧着部27(図7参照)や封緘用のテープが設けられてもよい。このようにするとシート状食品6のずれが軽減される。
次に、裏フィルム23の内側に棒状米飯7が載置される。棒状米飯7がまず載置される箇所としては、重合部23cに沿った辺りがのぞましい。シート状食品6と棒状米飯7は裏フィルム23によって隔離されて相互に触れない状態であり、棒状米飯7の湿気がシート状食品6に移ることが防止されている。
図7中の矢印ハに示すように、両包装突片2b,2bを折りたたんで棒状米飯7の両端面を包むと、開封開始部22aが棒状米飯7の一端面に表れる。次に、矢印ニに示すように、包装本体2aを第二裏フィルム部23bの側から棒状米飯7の円筒面に巻き付ける。このとき、包装本体2aは棒状米飯7及び両包装突片2b,2bを一緒に包み込む状態となっている。そして、さらに包装本体2aをリップ部3側に向けて巻いてゆく。
巻装作業に際して、包装本体2aを先に棒状米飯7の円筒面に巻いてから、両包装突片2b,2bを棒状米飯7の両端面に折りたたんでもよい。しかし、作業の簡便さを考慮した場合には、両包装突片2b,2bを最初に棒状米飯7の両端面に折りたたんでから包装本体2aを巻く方がのぞましい。
図7中の矢印ハに示すように、両包装突片2b,2bを折りたたんで棒状米飯7の両端面を包むと、開封開始部22aが棒状米飯7の一端面に表れる。次に、矢印ニに示すように、包装本体2aを第二裏フィルム部23bの側から棒状米飯7の円筒面に巻き付ける。このとき、包装本体2aは棒状米飯7及び両包装突片2b,2bを一緒に包み込む状態となっている。そして、さらに包装本体2aをリップ部3側に向けて巻いてゆく。
巻装作業に際して、包装本体2aを先に棒状米飯7の円筒面に巻いてから、両包装突片2b,2bを棒状米飯7の両端面に折りたたんでもよい。しかし、作業の簡便さを考慮した場合には、両包装突片2b,2bを最初に棒状米飯7の両端面に折りたたんでから包装本体2aを巻く方がのぞましい。
包装本体2aを巻いたあと、部分糊8aが施されたラベル等の貼着片8でリップ部3を包装本体2aに固定する。このとき、リップ部3の端部は開封手段部22の領域にかからない位置で固定されることがのぞましい。また、貼着片8の一方の部分糊8aはリップ部3の表側に接着し、他方の部分糊8aは開封手段部22の領域に接着し、糊の無い中央部分はリップ部8の端部と二本のカットテープのうちのリップ部3に近い方のカットテープに跨っていることがのぞましい。開封手段部22の領域に接着する方の部分糊8aは開封手段部22の領域を跨っていてもよい。
また、貼着片8の開封開始部22aに近い側、即ち、最初に開封手段部22によって破断される予定部分付近に、細かい切り目による複数の貼着片ノッチ8bが設けられる。こうすれば、開封手段部22のカットテープが、貼着片8の破断予定部分のどの部分に到達しても容易に貼着片8を破断してゆくことができる。
貼着片8は、部分糊ラベルの他に、棒状食品用包装体2の一端部を着止しながらも破断手段を介して容易に分断されるものであればその具体的な種類は限定されるものではない。
このように棒状食品用包装体2に対し、表フィルム21と裏フィルム23との間にシート状食品6を介装させ、裏フィルム23の内側に棒状米飯7を収容させて全体を封緘すると、包装棒状食品1が完成する。
また、貼着片8の開封開始部22aに近い側、即ち、最初に開封手段部22によって破断される予定部分付近に、細かい切り目による複数の貼着片ノッチ8bが設けられる。こうすれば、開封手段部22のカットテープが、貼着片8の破断予定部分のどの部分に到達しても容易に貼着片8を破断してゆくことができる。
貼着片8は、部分糊ラベルの他に、棒状食品用包装体2の一端部を着止しながらも破断手段を介して容易に分断されるものであればその具体的な種類は限定されるものではない。
このように棒状食品用包装体2に対し、表フィルム21と裏フィルム23との間にシート状食品6を介装させ、裏フィルム23の内側に棒状米飯7を収容させて全体を封緘すると、包装棒状食品1が完成する。
次に、包装棒状食品1の開封作業について説明する。まず、図8の点線で示すように、開封開始部22aの引き操作を開始すると、開封開始部22aから連続する開封手段部22によって表フィルム21が破断されてゆく。なお、開封手段部22の代わりに二条のミシン目を採用したり、方向性フィルムからなる表フィルムにノッチのみを設けたものを採用した場合には、これらの破断手段によって画定された部分を引き操作して表フィルム21を破断し、貼着片8をも破断させればよい。
開封手段部22をさらに引いてゆくと、図9に示すように、他方の包装突片2bの端部に至るまで表フィルム21の破断作業が行われる。そして開封手段部22を更に引くと一方の包装突片2bが棒状米飯7に触れていた状態から剥離される。このとき、当該一方の包装突片2bが棒状米飯7から剥離されきらない状況であっても開封作業に支障はない。
棒状食品用包装体2はリップ部3の側から解放されてくる。図10に示すように、棒状食品用包装体2の第二裏フィルム部23bの側と棒状米飯7とを片手で把持し、他方の手でリップ部3及び第一裏フィルム部23aを一緒につまんで横に引く。このとき、シート状食品取入口4付近に熱圧着部27が設けられている場合には、リップ部3及び第一裏フィルム部23aを一層引きやすい状態となっている。
リップ部3及び第一裏フィルム部23aを一緒に引いてゆくと、シート状食品6の半分が露出する。露出した半分のシート状食品6は、棒状食品用包装体2の中で乾燥状態が保たれていたので巻癖が付いており、棒状米飯7の円筒面に自然に巻き付きやすい状態となっている。
リップ部3及び第一裏フィルム部23aを一緒に引いてゆくと、シート状食品6の半分が露出する。露出した半分のシート状食品6は、棒状食品用包装体2の中で乾燥状態が保たれていたので巻癖が付いており、棒状米飯7の円筒面に自然に巻き付きやすい状態となっている。
図11に示すように、結合したシート状食品6及び棒状米飯7を片手で把持し、残った棒状食品用包装体2の半分をつまんで横に引いてゆくとシート状食品6の残り半分も露出する。巻癖の付いたシート状食品6は棒状米飯7の円筒面に自然に巻き付きやすい状態となっている。このように包装棒状食品1の開封と、シート状食品6及び棒状米飯7の結合作業はスムーズに行われる。
なお、包装棒状食品1の巻装工程について、第二裏フィルム部23bからリップ部3の側に巻いてゆく上記の巻装方法とは別に、先にリップ部3の側、即ち、第一裏フィルム部23aの側を先に棒状米飯7へ巻き付けて第二裏フィルム部23bの側に巻いてゆくことも可能である。これは特にシート状食品取入口4付近に熱圧着部27などが設けられていない場合に有効である。つまり、リップ部3及びシート状食品取入口4を先に巻き込んで解放状態の部分を固定し、最後に熱圧着部25のある側端部を貼着片8によって包装本体2aに着止すれば、開封の際に先に解放されてくる熱圧着部25をつまむことができる。そうすれば、開封の際に第二裏フィルム部23bと破断された表フィルム21とを共に安定的に引き出すことができる。
以上のように構成された本実施形態の係る包装棒状食品1の作用効果を以下に説明する。
まず、裏フィルム23を構成する第一裏フィルム部23aと第二裏フィルム部23bは、表フィルム21の開封手段部22に沿う重合部23cを形成しているので、開封手段部22で表フィルム21を破断すると、その破断部分に重合部23cが現れる。そして、破断された棒状食品用包装体2の一方を横に引くだけでシート状食品6の半分が即座に露出する。結合したシート状食品6及び棒状米飯7を片手で把持すれば、残った棒状食品用包装体2を引くことも容易になる。かかる作業の際には、棒状米飯7をシート状食品6の上で回転移動させたり、棒状米飯7に直接手を触れる必要がないので、開封作業を衛生的に行うことができる。
まず、裏フィルム23を構成する第一裏フィルム部23aと第二裏フィルム部23bは、表フィルム21の開封手段部22に沿う重合部23cを形成しているので、開封手段部22で表フィルム21を破断すると、その破断部分に重合部23cが現れる。そして、破断された棒状食品用包装体2の一方を横に引くだけでシート状食品6の半分が即座に露出する。結合したシート状食品6及び棒状米飯7を片手で把持すれば、残った棒状食品用包装体2を引くことも容易になる。かかる作業の際には、棒状米飯7をシート状食品6の上で回転移動させたり、棒状米飯7に直接手を触れる必要がないので、開封作業を衛生的に行うことができる。
また、開封開始部22aは表フィルム21の本体部21aにではなく、一方の突片部21bの領域に設けられている。つまり、完成した包装棒状食品1においては、開封開始部22aはシート状食品収納部5の領域にではなく、包装突片2bの領域に設けられている。ここで、熱圧着部26が開封手段部22の領域に施されていないので、包装突片2bの内部とシート状食品収納部5はわずかに連通するが、この連通部分は包装突片2bが棒状米飯7の端面を包むときに折り曲げられて隙間はなくなる。すると、開封開始部22aから湿気が侵入しても、シート状食品収納部5にまでその湿気が及ぶことを避けることができる。これによりシート状食品6は、風味が保たれる同時に巻装時における巻癖を保つこともでき、開封時の棒状米飯7への巻き付けが自然に行われることにつながる。
上述のように、本実施形態の棒状食品用包装体2によれば、棒状米飯7とシート状食品6とを隔離して巻装した包装棒状食品1を構成した場合に、開封作業を迅速・簡便に、かつ、衛生的に行うことが可能になる。
尚、本考案の各部の具体的な構成は、全て本考案の意図する範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
尚、本考案の各部の具体的な構成は、全て本考案の意図する範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
1…包装棒状食品、2…棒状食品用包装体、2a…包装本体、2b…包装突片、21…表フィルム、21a…本体部、21b…突片部、22…開封手段部、22a…開封開始部、23…裏フィルム、23a…第一裏フィルム部、23b…第二裏フィルム部、23c…重合部、24…熱圧着部、25…熱圧着部、26…熱圧着部、3…リップ部、4…シート状食品取入口、5…シート状食品収納部、6…シート状食品、7…棒状米飯、8…貼着片、8a…部分糊、8b…貼着片ノッチ、FL…長さ方向、FW…幅方向、Y…第一裏フィルム部の切り取り部分、Z…角取り部分
Claims (3)
- 本体部、前記本体部前後の一対の突片部、及び、前記一対の突片部のうちの一方の突片部から他方の突片部にわたって設けられる開封手段部を有する表フィルムと、前記表フィルムの内側に第一裏フィルム部及び第二裏フィルム部からなって相互に重合部を形成する裏フィルムとを具備し、前記重合部は前記開封手段部の位置と対応する位置に設けられることを特徴とする棒状食品用包装体。
- 前記開封手段部は、前記突片部の領域に開封開始部を有していることを特徴とする請求項1に記載の棒状食品用包装体。
- 請求項1又は請求項2に記載の棒状食品用包装体と、棒状米飯と、シート状食品とを具備する包装棒状食品であって、前記表フィルムと前記裏フィルムとの間に前記シート状食品が介装され、前記裏フィルムの内側に前記棒状米飯が収容されて全体が巻装されることを特徴とする包装棒状食品。
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