JP2008095324A - 水平循環式駐車装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】縦移送路リフト設置タイプの水平循環式駐車装置において、駐車空間の小スペース化と入出庫効率の向上との両立を図る。
【解決手段】地下の駐車空間5に循環路Cを設ける。リフト昇降路11を循環路Cを構成する前側横移送路A1右端側の延長線上に対応する右側縦移送路B2と重なるように設ける。リフト昇降路11側の右側縦移送路B2に、補助縦移送装置85を有する補助縦移送路B3を右側縦移送路B2に隣接する2列の前側及び後側横移送路A1,A2を連絡するように並設する。通常運転時には、2列の前側及び後側横移送路A1,A2と2列の左側及び右側縦移送路B1,B2とからなる循環路CでパレットPを水平循環させる一方、昇降リフト出動中には、2列の前側及び後側横移送路A1,A2、左側及び補助縦移送路B1,3からなる補助循環路DでパレットPを水平循環させる。
【選択図】図1
【解決手段】地下の駐車空間5に循環路Cを設ける。リフト昇降路11を循環路Cを構成する前側横移送路A1右端側の延長線上に対応する右側縦移送路B2と重なるように設ける。リフト昇降路11側の右側縦移送路B2に、補助縦移送装置85を有する補助縦移送路B3を右側縦移送路B2に隣接する2列の前側及び後側横移送路A1,A2を連絡するように並設する。通常運転時には、2列の前側及び後側横移送路A1,A2と2列の左側及び右側縦移送路B1,B2とからなる循環路CでパレットPを水平循環させる一方、昇降リフト出動中には、2列の前側及び後側横移送路A1,A2、左側及び補助縦移送路B1,3からなる補助循環路DでパレットPを水平循環させる。
【選択図】図1
Description
この発明は、2列の横移送路と2列の縦移送路とが交互に接続された矩形循環路が地下の駐車空間に設けられ、該循環路でパレットを水平循環させて車両を入出庫するように構成された水平循環式駐車装置に関し、詳しくは、リフト昇降路が一方の横移送路一端側の延長線上に対応する縦移送路と重なるように設置された,いわゆる縦移送路リフト設置タイプの水平循環式駐車装置における入出庫対策に関するものである。
特許文献1には、建物内の駐車空間に矩形循環路を上下2層に設置し、複数枚のパレットを上記循環路を構成する2列の縦移送路の対角位置に空スペースを形成した状態で横移送装置及び縦移送装置の作動により1パレット分ずつ横移送方向と縦移送方向とに交互にピッチ送りして水平循環させ、車両を入出庫部と上記駐車空間との間で昇降リフトにより受け渡して入出庫するように構成された水平循環式駐車装置が開示されている。この特許文献1の水平循環式駐車装置は、リフト昇降路が循環路の外側、つまり一方の横移送路一端側の延長線上に対応する縦移送路の外側にはみ出すように設置された,いわゆる端部リフト独立設置タイプである。
一方、特許文献2には、リフト昇降路が一方の横移送路一端側の延長線上に対応する縦移送路と重なるように設置された,いわゆる縦移送路リフト設置タイプの水平循環式駐車装置が開示されている。
特公昭45−31023号公報(第2頁、第1図)
特許第3079432号公報(第3頁、図1)
一般に、水平循環式駐車装置では、駐車空間を地下に形成しているため、地下掘削費が設置工事費のかなり大きなウエイトを占めている。したがって、地下の駐車空間を可能な限り小さく形成することが経費節減の観点から望まれる。
この観点からすれば、特許文献1のような端部リフト独立設置タイプの水平循環式駐車装置では、上述の如くリフト昇降路が循環路の外側にはみ出しており、しかも、リフト昇降路側方に無駄な空スペースが生じているため、広い駐車空間が必要であり、このことが駐車空間の小スペース化を図る上でネックとなる。
一方、特許文献2のような縦移送路リフト設置タイプの水平循環式駐車装置では、上述の如くリフト昇降路が一方の縦移送路と重なっていて循環路の外側にはみ出しておらず、しかも、駐車空間に無駄な空スペースが生じないため、特許文献1に比べて駐車空間の小スペース化を図ることができる。
しかし、特許文献2では、リフト昇降路が縦移送路の一部を兼ねているため、つまり、パレットが昇降リフト上を通過して循環路を循環する方式であるため、昇降リフトがリフト昇降路を昇降している最中や、あるいは入出庫部に上昇停止していて循環路にいない場合等の出動中には、次の入出庫に備えて対象パレットをリフト昇降路側方で待機させるための準備循環ができず、入出庫待ち時間が長くなって入出庫効率が低下することになる。特に、循環路が上下に複数層設置された多層水平循環式駐車装置では、1台の昇降リフトで各層の循環路に対してパレットの出し入れを行っているため、全ての層でパレットの準備循環ができず、由々しき問題である。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特許文献2のような縦移送路リフト設置タイプの水平循環式駐車装置において、駐車空間の小スペース化と入出庫効率の向上との両立を図ることである。
上記の目的を達成するため、この発明は、パレットの循環経路を必要に応じて切り換えるようにしたことを特徴とする。
具体的には、この発明は、横移送装置を有する2列の横移送路と縦移送装置を有する2列の縦移送路とが交互に接続された矩形循環路を地下の駐車空間に少なくとも1層設けるとともに、リフト昇降路を一方の横移送路一端側の延長線上に対応する縦移送路と重なるようにかつ地上の入出庫部に連通するように設け、上記循環路で長辺側がパレット横移送方向に向くように雄連結器と雌連結器とで連結された複数枚のパレットを縦移送路の対角位置に空スペースを形成した状態で上記横移送装置及び縦移送装置の作動により1パレット分ずつ横移送方向と縦移送方向とに交互にピッチ送りして水平循環させ、上記リフト昇降路を昇降する昇降リフトにより車両を上記入出庫部と上記駐車空間との間で受け渡して入出庫するように構成された水平循環式駐車装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、請求項1に記載の発明は、リフト昇降路側縦移送路には、補助縦移送装置を有する補助縦移送路が上記リフト昇降路側縦移送路に隣接する2列の横移送路を連絡するように並設され、通常運転時には、上記2列の横移送路と2列の縦移送路とからなる上記循環路でパレットを水平循環させる一方、昇降リフト出動中には、上記2列の横移送路、非リフト昇降路側縦移送路及び補助縦移送路からなる補助循環路でパレットを水平循環させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、パレットの一方の長辺側一端には雄連結器が、他方の長辺側で該雄連結器と同じ側の一端には雌連結器が互いに高レベルの同じ高さになるようにそれぞれ設けられているとともに、上記パレットの一方の長辺側他端には雌連結器が、他方の長辺側で該雌連結器と同じ側の他端には雄連結器が互いに低レベルの同じ高さになるようにそれぞれ設けられ、補助循環路を使用する際には、該補助循環路を循環してリフト昇降路側縦移送路上のパレット側方の補助縦移送路に移動してきたパレットの雌連結器及び雄連結器が上記縦移送路上のパレットの雄連結器及び雌連結器と干渉しないように、上記縦移送路上のパレットを縦移送装置の作動により昇降リフト側に僅かに変位させて該パレットの雄連結器及び雌連結器を補助縦移送路上のパレットの雌連結器及び雄連結器から離脱させるように構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、パレットの一方の長辺側一端には雄連結器が、他方の長辺側で該雄連結器と同じ側の一端には雌連結器が互いに高レベルの同じ高さになるようにそれぞれ設けられているとともに、上記パレットの一方の長辺側他端には雌連結器が、他方の長辺側で該雌連結器と同じ側の他端には雄連結器が互いに低レベルの同じ高さになるようにそれぞれ設けられ、リフト昇降路側縦移送路側方には、該縦移送路上のパレットを縦移送路に沿って変位させるパレット変位装置が設けられ、補助循環路を使用する際には、該補助循環路を循環してリフト昇降路側縦移送路上のパレット側方の補助縦移送路に移動してきたパレットの雌連結器及び雄連結器が上記縦移送路上のパレットの雄連結器及び雌連結器と干渉しないように、上記縦移送路上のパレットを上記パレット変位装置の作動により反昇降リフト側に僅かに変位させて該パレットの雄連結器及び雌連結器を補助縦移送路上のパレットの雌連結器及び雄連結器から離脱させるように構成されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、リフト昇降路が循環路の外側にはみ出していない縦移送路リフト設置タイプの水平循環式駐車装置であるので、リフト昇降路が循環路の外側にはみ出している端部リフト独立設置タイプに比べて駐車空間の小スペース化を図ることができる。しかも、昇降リフトがリフト昇降路を昇降している最中や、入出庫部に上昇停止していて循環路にいない場合等の出動中には、昇降リフト側縦移送路を使用せずに、その側方に並設されている補助縦移送路を使用することで、昇降リフトの有無に関わらず、対象パレットを補助循環路で準備循環させて次の入出庫に備えてリフト昇降路側方で待機させることができ、効率良く入出庫を行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、パレットをリフト昇降路側縦移送路上のパレットに邪魔されることなく補助循環路で循環させることができる。また、このことを可能にするために行われる昇降リフト側縦移送路上のパレットの昇降リフト側への僅かな変位動作を上記リフト昇降路側縦移送路の既存の縦移送装置の作動により行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、請求項2と同様に、パレットをリフト昇降路側縦移送路上のパレットに邪魔されることなく補助循環路で循環させることができる。また、パレットが補助縦移送路を移動する際、当該パレットの雌連結器及び雄連結器がリフト昇降路側縦移送路上のパレットの雄連結器及び雌連結器と接触せず、連結器同士の接触音が発生しない。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1〜5はこの発明の一実施形態に係る水平循環式駐車装置1を示す。この水平循環式駐車装置1は建物の躯体3内に設置されている。該躯体3は地下埋設部分3aと地上露出部分3bとからなり、地下埋設部分3aで構成される空間を駐車空間5とし、地上露出部分3bで構成される1階の一部の空間を車両Vが出入りする入出庫部7としている。
上記入出庫部7の側壁7aには、開閉扉9を有する出入り兼用の入出庫口7bが形成されているとともに、入出庫部7の床7cには、パレットPの形状に略対応した矩形昇降口7dが形成されている。上記入出庫部7は、図14に示すように、上記入出庫口7bを介して建物の外の道路Rに通ずるようになっており、入出庫口7b前にはターンテーブルTが設けられている。一方、上記駐車空間5の片隅(図1右上隅)には、リフト昇降路11が上記入出庫部7に昇降口7dを介して連通するように設けられ、昇降リフト13が上記リフト昇降路11を昇降することで上記駐車空間5と入出庫部7とを連絡するようになっている。これより、図1における左方を左、右方を右、上方を前、下方を後とし、左右方向を横移送方向、前後方向を縦移送方向とする。
上記リフト昇降路11には、前後2本の支柱15とこれら支柱15間に橋絡された梁17とからなる昇降路枠体19が立設され、上記支柱15の上端及び下端に設けられたスプロケット21に無端状チェーン23を掛け渡し、該無端状チェーン23を昇降モータ25の駆動によって上下方向に走行させることにより、昇降リフト13をガイドローラ27で案内しながらリフト昇降路11を昇降させるようになっている。図1及び図2中、29はバランスウェイトである。
上記昇降リフト13は前後2本のフォーク31を備え、これらフォーク31間には左右2本の縦行レール33が前後方向に延びるように平行に橋絡され、両縦行レール33の各々の両端には、複数個のころ35aを並べてなるころユニット35と、該ころユニット35を挟むようにその両側に上方突設された横行ガイド36とがそれぞれ設置されている(図5参照)。
上記駐車空間5には、互いに平行な2列の前側横移送路A1及び後側横移送路A2と、互いに平行な2列の左側縦移送路B1及び右側縦移送路B2とを上下3層にそれぞれ有し、これら横移送路A1,A2と縦移送路B1,B2とが交互に接続されて矩形循環路Cが上下3層に形成されている。これら循環路C上には、複数枚のパレットPが長辺側がパレット横移送方向に向くように後述する雄連結器p1-a,p2-aと雌連結器p1-b,p2-bとで連結されて配置され、循環路Cは、各パレットPを左側縦移送路B1及び右側縦移送路B2の対角位置に空スペースを1つずつ形成した状態で1パレット分ずつ横移送方向と縦移送方向とに交互にピッチ送りして水平循環させ、車両Vを上記入出庫部7と上記駐車空間5との間で昇降リフト13により受け渡して入出庫するように構成されている。
上記雄連結器p1-a,p2-a及び雌連結器p1-b,p2-bは、図8及び図10〜12に示すような関係でパレットPに固着されている。つまり、パレットPの一方(右側)の長辺側一端(前端)には上向きの雄連結器p1-aが、他方(左側)の長辺側で該雄連結器p1-aと同じ側の一端(前端)には下向きの雌連結器p1-bが互いに高レベルの同じ高さになるようにそれぞれ固着されているとともに、上記パレットPの一方(右側)の長辺側他端(後端)には上向きの雌連結器p2-bが、他方(左側)の長辺側で該雌連結器p2-bと同じ側の他端(後端)には下向きの雄連結器p2-aが互いに低レベルの同じ高さになるようにそれぞれ固着されている。これにより、隣り合うパレットPは、高レベルにある雄連結器p1-aと雌連結器p1-bとが互いに係合するとともに、低レベルにある雌連結器p2-bと雄連結器p2-aとが互いに係合することで連結される一方、高レベルにある雄連結器p1-aと雌連結器p1-bとが互いに離脱するとともに、低レベルにある雌連結器p2-bと雄連結器p2-aとが互いに離脱することで切り離されるようになっている。この際、前側の連結器p1-a,p1-bと後側の連結器p2-a,p2-bとは、高低差があることで互いに干渉が回避されて係合・離脱を可能にしている。また、昇降リフト13上のパレットPと右側縦移送路B2上の昇降リフト13に隣接するパレットPにおいても、前側の連結器p1-a,p1-bと後側の連結器p2-a,p2-bとが上下方向に係合・離脱するようになっている。さらに、上下3層の循環路CにおけるパレットPは、図9に示すように、雄連結器p1-a,p2-a及び雌連結器p1-b,p2-bの長辺側における取付位置が異なっている。図中、上層の循環路CのパレットPを左端に、中層の循環路CのパレットPを中央に、下層の循環路CのパレットPを右端に示す。これにより、パレットPを昇降リフト13で昇降させる際に、昇降リフト13上のパレットPの雌連結器p1-b及び雄連結器p2-aが各循環路Cの右側縦移送路B2上の昇降リフト13に隣接するパレットPの雄連結器p1-a及び雌連結器p2-bに干渉しないようになっている。
また、上記パレットPの両短辺側裏面には横行案内溝レールp3が固着されているとともに、その内方には4個の縦行車輪p4がパレットPの四隅に略対応するように1個ずつ取り付けられている。また、上記パレットPの左長辺側裏面には横行被動溝部材p5が固着されているとともに、後短辺側には縦行係合部材p6が側方に向かって突設されている。
上記循環路Cは、前側横移送路A1及び後側横移送路A2毎にそれぞれ前後2列に設置された枠組体37に組み込まれている。これら枠組体37は、複数本の支柱39とこれら支柱39間に橋絡された横移送方向に延びる複数本の梁41とで枠組まれている。上記循環路Cに対応する枠組体37の前後2列の梁41には、図4に拡大して示すように、ブラケット43が該梁41に沿ってそれぞれ固着され、該ブラケット43には多数個の横行ローラ45が横移送方向に間隔をあけて並設されている。これら横行ローラ45はパレットPの横行案内溝レールp3に係合してパレットPを支持し、前側横移送路A1及び後側横移送路A2を横移送されるパレットPを転動案内するようになっている。パレットPの横移送は、前側横移送路A1及び後側横移送路A2にそれぞれ設置された横移送装置47により行われる。この横移送装置47は、両端に係合ローラ49aが回転自在に設けられたクランクアーム49を備え、該クランクアーム49には、ウォーム歯車装置51、シャフト53及び減速機55等からなる動力伝達機構57を介して横移送モータ59の回転トルクが伝達され、これにより、上記クランクアーム49が水平面内で半回転することで係合ローラ49aがパレットPの横行被動溝部材p5を往復移動しつつパレットPを押圧し、前側横移送路A1及び後側横移送路A2で複数枚のパレットPを雄連結器p1-a,p2-a及び雌連結器p1-b,p2-bで連結した状態で1パレット分横送りするようになっている。
上記循環路Cの各々の左側縦移送路B1には、上記昇降リフト13上の縦行レール33と同様に、ころユニット35及び横行ガイド36を前後に有する左右2列の縦行レール33が前側横移送路A1及び後側横移送路A2に対応して平行に設置されている。後側横移送路A2側の右側縦移送路B2にも、ころユニット35及び横行ガイド36を前後に有する左右2列の縦行レール33が平行に設置され、上記昇降リフト13上の縦行レール33と縦移送方向に連続している。そして、パレットPは、左側縦移送路B1及び右側縦移送路B2上で縦行車輪p4が縦行レール33を転動して縦移送されるようになっている。つまり、この水平循環式駐車装置1は、リフト昇降路11が前側横移送路A1右端側の延長線上に対応する右側縦移送路B2と重なるように設置された,いわゆる縦移送路リフト設置タイプであり、かつ循環路Cが上下3層の多層水平循環式駐車装置1であるが、これに限らず、単層や2層、あるいは4層以上の場合にも適用できる。
上記循環路Cの後側横移送路A2側の左側縦移送路A1及び右側縦移送路A2には、縦移送装置61がそれぞれ設置されている。これら縦移送装置61は、図6及び図7に示すように、縦移送方向に離間して配設された一対の上側スプロケット63Aを備え、これら上側スプロケット63Aは共に水平面内で鉛直軸65A回りに回転し、上側無端チェーン67Aがこれら上側スプロケット63Aに巻き掛けられている。また、上記一対の上側スプロケット63Aの下方にも、一対の下側スプロケット63Bが縦移送方向に離間して配設され、これら下側スプロケット63Bも共に水平面内で鉛直軸65B回りに回転し、下側無端チェーン67Bがこれら下側スプロケット63Bに巻き掛けられている。反昇降リフト13側の上側スプロケット63A及び下側スプロケット63Bには、減速機・ブレーキ付モータ69の回転トルクが傘歯車71、上側駆動スプロケット73A及び下側駆動スプロケット73B、上側伝動チェーン75A及び下側伝動チェーン75B、上側被動スプロケット77A及び下側被動スプロケット77Bを介して伝達され、上側無端チェーン67A及び下側無端チェーン67Bを同期して水平面内で循環移動させるようにしている。
上記上側無端チェーン67A及び下側無端チェーン67Bには、2本の支持フレーム79がチェーン走行軌跡の中心に対して点対称になるように橋絡され、該各支持フレーム79上端には、パレットPの縦移送時にパレットPの縦行係合部材p6が係合するU字状縦行フック81が上側駆動スプロケット73A及び下側駆動スプロケット73Bよりも上方に突出するように取り付けられている。上側無端チェーン67Aと下側無端チェーン67Bとはチェーンピッチの整数倍のずらし量で縦移送方向へ位置をずらして配置されているとともに、このずらし量と同じ長さだけ上記支持フレーム79が縦移送方向に屈曲されており、支持フレーム79が図6における屈曲形状の姿勢を保ったまま水平循環されることによって、上記縦行フック81がその姿勢を回転することなく水平循環するように構成されている。なお、縦移送装置61はこれに限らず、従来より公知の縦移送機構を用いることができる。後述する補助縦移送装置85も同様である。
上記循環路Cの左側縦移送路A1及び右側縦移送路A2には、パレットPの縦移送時にパレットP裏面の横行被動溝部材p5を通過してパレットPの横ブレを阻止する縦行ガイド83が設置されている。
この発明の特徴として、上記循環路Cのリフト昇降路側縦移送路である右側縦移送路A2には、上記縦移送装置61と同様に構成された補助縦移送装置85を後側横移送路A2側に有する補助縦移送路B3が上記右側縦移送路A2に隣接する2列の前側横移送路A1及び後側横移送路A2を連絡するように並設されている。これら補助縦移送路B3にも、左側縦移送路B1及び横行被動溝部材p5と同様に、ころユニット35及び横行ガイド36を前後に有する左右2列の縦行レール33が前側横移送路A1及び後側横移送路A2に対応して平行に設置されている。
そして、通常運転時には、2列の前側横移送路A1及び後側横移送路A2と2列の左側縦移送路B1及び右側縦移送路B2とからなる循環路CでパレットPを水平循環させる(図10参照)一方、昇降リフト13がリフト昇降路11を昇降している最中や、あるいは入出庫部7に上昇停止していて循環路Cにいない場合等の出動中には、上記2列の前側横移送路A1及び後側横移送路A2、非リフト昇降路側縦移送路である左側縦移送路B1及び補助縦移送路B3からなる補助循環路DでパレットPを水平循環させるようにしている。この補助循環路Dを使用する際には、図13に示すように、該補助循環路Dを循環して右側縦移送路B2上のパレットP側方の補助循環路Dに移動してきたパレットPの雌連結器p2-b及び雄連結器p1-aが上記右側縦移送路B2上のパレットPの雄連結器p2-a及び雌連結器p1-bと干渉しないように、上記右側縦移送路B2上のパレットPを上記縦移送装置61の作動により昇降リフト13側に僅かに変位させて該パレットPの雄連結器p2-a及び雌連結器p1-bを補助循環路D上のパレットPの雌連結器p2-b及び雄連結器p1-aから離脱させるように構成されている。
これにより、パレットPを右側縦移送路B2上のパレットPに邪魔されることなく補助循環路Dで循環させることができる。また、このことを可能にするために行われる右側縦移送路B2上のパレットPの昇降リフト13側への僅かな変位動作を上記右側縦移送路B2の既存の縦移送装置61の作動により行うことができる。なお、再び循環路Cを使用する場合には、上記変位させたパレットPを反昇降リフト13側に僅かに変位させて該パレットPの雄連結器p2-a及び雌連結器p1-bを補助循環路D上のパレットPの雌連結器p2-b及び雄連結器p1-aに係合させればよい。
また、この実施形態に係る水平循環式駐車装置1は、リフト昇降路11が循環路Cの外側にはみ出していない縦移送路リフト設置タイプであるので、リフト昇降路11が循環路Cの外側にはみ出している端部リフト独立設置タイプに比べて駐車空間5の小スペース化を図ることができる。しかも、昇降リフト13がリフト昇降路11を昇降している最中や、入出庫部7に上昇停止していて循環路Cにいない場合等の出動中には、右側縦移送路B2を使用せずに、その側方に並設されている補助循環路Dを使用することで、昇降リフト13の有無に関わらず、対象パレットPを補助循環路Dで準備循環させて次の入出庫に備えてリフト昇降路11側方で待機させることができ、入出庫効率を高めることができる。
次に、この実施形態に係る水平循環式駐車装置1の一使用例を出庫を例に挙げて説明する。本例では、下層の循環路Cからの出庫例である(図14参照)。
まず、昇降リフト13を下層の循環路Cに配置し、下層の循環路Cで複数枚のパレットPを左側及び右側縦移送路B1,B2の対角位置に空スペースを形成した状態で横移送装置47及び縦移送装置61の作動により1パレット分ずつ横移送方向と縦移送方向とに交互にピッチ送りして水平循環させ、対象パレットPを昇降リフト13に搭載する。
次いで、昇降リフト13を入出庫部7に上昇させ、対象パレットPが入出庫部7の床7cとほぼ同じレベルになるように停止させる。入出庫口7bの開閉扉9が開き、利用者が入出庫部7に入って車両Vに乗車し、後退運転で入出庫口7bの外に出てターンテーブルT上で一旦停止し、ターンテーブルTの旋回で車両Vの向きを転換した後、前進運転で道路89に乗り出す。
その後、入出庫口7bの開閉扉9が閉じ、一連の出庫作業を終えると、空パレットPを搭載した昇降リフト13が下層の循環路Cに下降し、下層の循環路Cを作動させて昇降リフト13上の空パレットPを下層の循環路Cに引き込み、次の出庫に備えて待機する。あるいは、入庫車両Vが待機している場合には、昇降リフト13は下降することなく入出庫部7で待機する。
この間、循環路Cで出庫要求があると、各々の循環路Cでは、右側縦移送路B2上のパレットPを当該右側縦移送路B2の既存の縦移送装置61の作動により昇降リフト13側に僅かに変位させ、右側縦移送路B2上のパレットP側方の補助循環路Dに移動してきたパレットPの雌連結器p2-b及び雄連結器p1-aが上記右側縦移送路B2上のパレットPの雄連結器p2-a及び雌連結器p1-bと干渉しないようにする。この状態で、補助縦移送装置85の作動により対象パレットPを補助循環路Dで循環させて昇降リフト13に隣接する前側横移送路A1の右端に移動させて待機する。この循環に際しては、上層の循環路C及び中層の循環路Cの補助循環路Dには空スペースが1つしかないため、1工程ずつの縦・横順次移動を行うことになる。一方、下層の循環路Cの補助縦移送路B3には、1枚のパレットPが搬出されていているため、昇降リフト13に隣接する前側横移送路A1の右端のパレットPが次の出庫要求パレットPでなければ、このパレットPを補助縦移送路B3から外し、つまり、後側横移送路A2右端のパレットPを右側縦移送路B2に移動させ、補助縦移送路B3の対角位置に空スペースを2つ形成した後、通常運転時と同じ縦・横2工程ずつのピッチ送りにより循環させればよい。なお、次の出庫要求パレットPが昇降リフト13に隣接する前側横移送路A1の右端に配置されている場合には、補助縦移送路B3での循環は不要でそのまま待機すればよい。
(変形例)
図15は補助縦移送路B3を使用する場合の変形例である。
図15は補助縦移送路B3を使用する場合の変形例である。
上記実施形態では、この補助循環路Dを使用する際には、右側縦移送路B2上のパレットPを昇降リフト13側に僅かに変位させたが、この変形例では、補助循環路Dを循環して右側縦移送路B2上のパレットP側方の補助循環路Dに移動してきたパレットPの雌連結器p2-b及び雄連結器p1-aが上記右側縦移送路B2上のパレットPの雄連結器p2-a及び雌連結器p1-bと干渉しないように、上記右側縦移送路B2上のパレットPを反昇降リフト13側に僅かに変位させて該パレットPの雄連結器p2-a及び雌連結器p1-bを補助循環路D上のパレットPの雌連結器p2-b及び雄連結器p1-aから離脱させるように構成している。パレットPを反昇降リフト13側に変位させる動作は、右側縦移送路B2の縦移送装置61ではなし得ないため、別途、右側縦移送路B2側方にパレット変位装置87を設置し、このパレット変位装置87の作動により右側縦移送路B2上のパレットPを右側縦移送路B2に沿って反昇降リフト側に僅かに変位させてようにしている。パレット変位装置87として、この変形例では、一対のスプロケット89に巻き掛けたチェーン91にフック93を取り付け、モータ95の駆動により上記チェーン91を走行させてパレットPの裏面に垂設したピンp7に上記フック93を係合させるような構造を採用しているが、これに限らず、横移送装置47のようなクランクアーム機構を採用したり、あるいはパワーシリンダ等によりパレットPの片側を持ち上げて隣接するパレットPとの連結を解除するようにしてもよい。そのほかは上記の実施形態と同様に構成されている。
したがって、この変形例では、上記の実施形態と同様に、パレットPを右側縦移送路B2上のパレットPに邪魔されることなく補助縦移送路B3で循環させることができる。また、パレットPが補助縦移送路B3を移動する際、当該パレットPの雌連結器p2-b及び雄連結器p1-aが右側縦移送路B2上のパレットの雄連結器p2-a及び雌連結器p1-bと接触せず、連結器同士の接触音が発生しないというメリットを有する。
この発明は、2列の横移送路と2列の縦移送路とが交互に接続された矩形循環路が地下の駐車空間に設けられ、該循環路でパレットを水平循環させて車両を入出庫するように構成された水平循環式駐車装置のうち、リフト昇降路が一方の横移送路一端側の延長線上に対応する縦移送路と重なるように設置された,いわゆる縦移送路リフト設置タイプの水平循環式駐車装置として有用である。
1 水平循環式駐車装置
5 駐車空間
7 入出庫部
11 リフト昇降路
13 昇降リフト
47 横移送装置
61 縦移送装置
85 補助縦移送装置
87 パレット変位装置
A1 前側横移送路
A2 後側横移送路
B1 左側縦移送路
B2 右側縦移送路
B3 補助縦移送路
C 循環路
D 補助循環路
P パレット
p1-a,p2-a 雄連結器
p1-b,p2-b 雌連結器
V 車両
5 駐車空間
7 入出庫部
11 リフト昇降路
13 昇降リフト
47 横移送装置
61 縦移送装置
85 補助縦移送装置
87 パレット変位装置
A1 前側横移送路
A2 後側横移送路
B1 左側縦移送路
B2 右側縦移送路
B3 補助縦移送路
C 循環路
D 補助循環路
P パレット
p1-a,p2-a 雄連結器
p1-b,p2-b 雌連結器
V 車両
Claims (3)
- 横移送装置を有する2列の横移送路と縦移送装置を有する2列の縦移送路とが交互に接続された矩形循環路を地下の駐車空間に少なくとも1層設けるとともに、リフト昇降路を一方の横移送路一端側の延長線上に対応する縦移送路と重なるようにかつ地上の入出庫部に連通するように設け、上記循環路で長辺側がパレット横移送方向に向くように雄連結器と雌連結器とで連結された複数枚のパレットを縦移送路の対角位置に空スペースを形成した状態で上記横移送装置及び縦移送装置の作動により1パレット分ずつ横移送方向と縦移送方向とに交互にピッチ送りして水平循環させ、上記リフト昇降路を昇降する昇降リフトにより車両を上記入出庫部と上記駐車空間との間で受け渡して入出庫するように構成された水平循環式駐車装置であって、
リフト昇降路側縦移送路には、補助縦移送装置を有する補助縦移送路が上記リフト昇降路側縦移送路に隣接する2列の横移送路を連絡するように並設され、
通常運転時には、上記2列の横移送路と2列の縦移送路とからなる上記循環路でパレットを水平循環させる一方、昇降リフト出動中には、上記2列の横移送路、非リフト昇降路側縦移送路及び補助縦移送路からなる補助循環路でパレットを水平循環させることを特徴とする水平循環式駐車装置。 - 請求項1に記載の水平循環式駐車装置において、
パレットの一方の長辺側一端には雄連結器が、他方の長辺側で該雄連結器と同じ側の一端には雌連結器が互いに高レベルの同じ高さになるようにそれぞれ設けられているとともに、上記パレットの一方の長辺側他端には雌連結器が、他方の長辺側で該雌連結器と同じ側の他端には雄連結器が互いに低レベルの同じ高さになるようにそれぞれ設けられ、
補助循環路を使用する際には、該補助循環路を循環してリフト昇降路側縦移送路上のパレット側方の補助縦移送路に移動してきたパレットの雌連結器及び雄連結器が上記縦移送路上のパレットの雄連結器及び雌連結器と干渉しないように、上記縦移送路上のパレットを縦移送装置の作動により昇降リフト側に僅かに変位させて該パレットの雄連結器及び雌連結器を補助縦移送路上のパレットの雌連結器及び雄連結器から離脱させるように構成されていることを特徴とする水平循環式駐車装置。 - 請求項1に記載の水平循環式駐車装置において、
パレットの一方の長辺側一端には雄連結器が、他方の長辺側で該雄連結器と同じ側の一端には雌連結器が互いに高レベルの同じ高さになるようにそれぞれ設けられているとともに、上記パレットの一方の長辺側他端には雌連結器が、他方の長辺側で該雌連結器と同じ側の他端には雄連結器が互いに低レベルの同じ高さになるようにそれぞれ設けられ、
リフト昇降路側縦移送路側方には、該縦移送路上のパレットを縦移送路に沿って変位させるパレット変位装置が設けられ、
補助循環路を使用する際には、該補助循環路を循環してリフト昇降路側縦移送路上のパレット側方の補助縦移送路に移動してきたパレットの雌連結器及び雄連結器が上記縦移送路上のパレットの雄連結器及び雌連結器と干渉しないように、上記縦移送路上のパレットを上記パレット変位装置の作動により反昇降リフト側に僅かに変位させて該パレットの雄連結器及び雌連結器を補助縦移送路上のパレットの雌連結器及び雄連結器から離脱させるように構成されていることを特徴とする水平循環式駐車装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006276011A JP2008095324A (ja) | 2006-10-10 | 2006-10-10 | 水平循環式駐車装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006276011A JP2008095324A (ja) | 2006-10-10 | 2006-10-10 | 水平循環式駐車装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008095324A true JP2008095324A (ja) | 2008-04-24 |
Family
ID=39378455
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006276011A Pending JP2008095324A (ja) | 2006-10-10 | 2006-10-10 | 水平循環式駐車装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008095324A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020097874A (ja) * | 2018-12-19 | 2020-06-25 | Ihi運搬機械株式会社 | 機械式駐車装置とその制御方法 |
-
2006
- 2006-10-10 JP JP2006276011A patent/JP2008095324A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020097874A (ja) * | 2018-12-19 | 2020-06-25 | Ihi運搬機械株式会社 | 機械式駐車装置とその制御方法 |
JP7197345B2 (ja) | 2018-12-19 | 2022-12-27 | Ihi運搬機械株式会社 | 機械式駐車装置とその制御方法 |
JP7427751B2 (ja) | 2018-12-19 | 2024-02-05 | Ihi運搬機械株式会社 | 機械式駐車装置とその制御方法 |
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