JP6284324B2 - エレベータ式駐車装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両を立体的に格納するエレベータ式駐車装置に関する。
立体駐車装置は、スペースの少ない土地に多数の車両を効率よく駐車できる駐車設備として住宅密集地等において広く利用されており、利用する土地の広狭や経済性などを考慮した種々の構造のものが提供されている。この立体駐車装置の機種の一つとして、上下多段に配置された複数の駐車室に沿ってエレベータを昇降させ、各駐車室とエレベータとの間で車両を受け渡しするエレベータ式駐車装置がある。
このエレベータ式駐車装置には、パレット上に車両を搭載してエレベータで搬送し、このパレットごと車両を駐車室との間で受け渡しするパレット方式と、このようなパレットを用いることなく車両のみを受け渡しするパレットレス方式とがある。パレット方式は、駐車室とエレベータの昇降機との間でパレットないし車両を横行駆動する駆動装置を昇降機に備えており、このために各駐車室の構造が簡素であって、装置全体の設備費を安価にできる。その一方、パレット方式は、入庫に際しては空のパレットを引き出すために昇降機を当該駐車室まで移動させる必要があり、また、出庫に際しては空となったパレットを当該駐車室まで移送する必要があるため、入出庫に際して時間を要するという短所がある。
パレットを用いないパレットレス方式のエレベータ式駐車装置は、車両を搭載する部分を櫛歯とした装置が従来より多数採用されており、この装置は概略以下のように構成されている。まず、車両を搭載してエレベータの昇降路を上下に移動する昇降機は、車両を搭載する部分が櫛歯で形成されている。昇降路に沿って複数階に設けられた各駐車室には、昇降路内へ水平移動自在に格納トレイを備えており、この格納トレイは各駐車室に備えた横行駆動装置により駆動されて駐車室内と昇降路との間を移動する。格納トレイの車両を搭載する部分は、昇降機の櫛歯と互い違いに配置された櫛歯で形成されており、昇降路内で格納トレイと昇降機とが上下に交差して通り抜けることで車両が相互に受け渡される。
このようなパレットレス方式のエレベータ式駐車装置は、入出庫に要する時間は比較的短いものの、上記したように各駐車室には格納トレイを駆動する横行駆動装置を設ける必要があり、車両の収容台数を多く設定する毎に製作コストや電気工事費等の生産コストが高くなるとともに、メンテナンスが繁雑であるという短所がある。このような課題を解決する従来技術として、特許文献1に記載の技術が提案されている。
特許文献1に記載の駐車装置は、概略以下のように構成されている。駐車棚(駐車室)内には、鉛直面内で矩形状に旋回するように無端チェーンを掛け回し、駆動モータにより旋回駆動される。無端チェーンには、係合部材が取り付けられており、この係合部材は当該駐車棚の車両搭載架台(格納トレイ)と、直上階の駐車棚の車両搭載架台とに係合するようになっている。無端チェーンを駆動すると、無端チェーンの旋回方向により当該階又は直上階の車両搭載架台が選択的に昇降路方向へ搬送される。このときに車両搭載架台は、昇降路の中央位置まで搬送されず、わずかに駐車棚側に戻った位置にとどまる。次に、エレベータには、鉛直面内で略く字形状の横行ガイド部材を備えており、エレベータの昇降にともなってこの横行ガイド部材が車両搭載架台の係合部材に係合するとともに、車両搭載架台を昇降路の中央位置まで引き出す。
特開2007−224644号公報
上記特許文献1に記載された駐車装置は、上下2カ所の駐車棚(駐車室)に付き1台の横行駆動装置を設ければよいので、従来の駐車装置に比して生産コストを低減できるものの、依然として複数の横行駆動装置を必要とすることから、車両の収容台数を多く設定する毎に生産コストが高くなるとともに、メンテナンスも繁雑になってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、各駐車室に備える格納トレイを横行させる横行駆動装置の数を減少させ、これによって設備費を低減するとともにメンテナンスが容易となるエレベータ式駐車装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明は、上下方向に貫通する空間を有する昇降路と、該昇降路に沿って上下多段に設けられた駐車室と、該駐車室に横行自在に配置され、車両の搭載部を櫛歯状に形成された格納トレイと、車両の搭載部を前記格納トレイの櫛歯と交互になるように櫛歯状に形成し、前記昇降路を昇降するケージと、該ケージの前方及び後方の位置で前記昇降路を昇降する横行装置と、前記ケージを昇降させるケージ駆動装置と、前記横行装置を昇降させる昇降駆動装置と、を備え、該横行装置には、前記格納トレイを横行自在に支持する横行レールと、前記格納トレイを前記駐車室と前記横行レール上との間で横行させる横行駆動装置と、を備え、前記ケージ駆動装置と前記昇降駆動装置が独立して駆動し、前記ケージと前記横行装置を別々に昇降させるように構成されているエレベータ式駐車装置としたことを特徴としている。
本発明によれば、横行レールと横行駆動装置を備えた横行装置を昇降させて、該当する駐車室との間で収納パレットの受け渡しを行うようにしたことにより、各駐車室毎に横行駆動装置を設ける必要が無く、設備に要する費用を低減することができ、また横行駆動装置等のメンテナンスも容易になる。
エレベータ式駐車装置の概略を示す正面図 エレベータ式駐車装置の概略を示す平面図 横行駆動装置及び格納トレイの動作を模式的に示した説明図 エレベータ式駐車装置の出庫時動作説明図 エレベータ式駐車装置の入庫時動作説明図
以下、本発明の具体的な実施の形態を図面を参照して説明する。図1及び図2は、エレベータ式駐車装置の概略を示す正面図及び平面図である。尚、以降の説明においては、特に説明の無いかぎり、駐車する車両の前後方向を装置の前後方向とし、車両の左右方向を装置の左右方向として説明する。
エレベータ式駐車装置10の内部には、中央を上下に貫通する昇降路11が形成されており、この昇降路11を昇降可能にケージ12を設けている。昇降路11の四隅には、ケージ12を案内するガイドレール13が立設されており、ケージ12はこれに沿って垂直方向へ昇降する。昇降路11の両側方には、複数の駐車室14が上下多段に形成されており、各駐車室14には、それぞれ車両16を搭載して格納するための格納トレイ15を備えている。
格納トレイ15は、前端部と後端部において水平に延びる横フレーム25と、両横フレーム25の中央部間を連結する縦フレーム26とを有しており、この縦フレーム26の前部および後部には、両側方に向けて櫛歯状のトレイフォーク27が形成されている。各駐車室14には、横フレーム25の下方位置に複数の横行ローラー21を配置して備えており、これにより格納トレイ15は駐車室14内で横行自在に支持されている。
前記ケージ12は左右一対で構成されており、左右各々の両端部で前後方向へ延びるサイドフレーム17と、これらのサイドフレーム17の内側に櫛歯状に一体形成されて車両16の各前後車輪を支持するケージフォーク18とを備えている。このケージフォーク18の櫛歯と前記格納トレイ15に形成されたトレイフォーク27の櫛歯とは、平面視において重なり合ったときに互い違いとなるように形成されており、互いに上下方向へすれ違うことが可能となっている。前記各サイドフレーム17の前後端部は、垂直方向に張架された四本の索条20に連結されており、この索条20を昇降路11の上部に備えたケージ駆動装置38によって同期して駆動することにより、ケージ12が昇降路11内を昇降移動する。また、各サイドフレーム17の前後端部には、それぞれガイドローラー19を回転自在に軸支し、このガイドローラー19がガイドレール13に案内されてケージ12が昇降路11内を昇降する。
ケージ12の前方と後方の位置には、横行装置22が配設されている。この横行装置22は、横行ローラー21を複数備えた横行レール23と、駐車室14に備えた格納トレイ15を横行駆動する横行駆動装置24とを備えており、横行駆動装置24を動作させることにより、駐車室14と横行装置22上との間で格納トレイ15の受け渡しが行われる。横行装置22は、垂直方向に張架されたチェーン28に連結されており、このチェーン28を昇降路11の上部に備えた昇降駆動装置29によって駆動することにより、横行装置22が昇降路11内を昇降移動する。
横行駆動装置24は、横行レール23の両側端部の上方に回転自在に備えたスプロケット30、31と、一のスプロケット30を回転駆動する駆動機36と、両スプロケット30、31間に無端状に巻き掛けたチェーン32と、このチェーン32の外周に取り付けた押送ロッド33とを備えている。押送ロッド33はL字形状に形成された部材であり、チェーン32に固着した位置から外周方向へ突出するとともに、先端部を昇降路11内側方向へ突出させて、ここに押送ローラー34を備えている。一方、格納トレイ15の横フレーム25の昇降路11側には、上方に突出した係合部35を備えている。この係合部35には、上端が開口して下方へ延びた溝が形成されており、この溝に上記押送ローラー34が係合する。
図3は、横行駆動装置24及び格納トレイ15の動作を模式的に示した説明図である。図3(a)において、点線で示した押送ロッド33が直立した状態から、駆動機36によりスプロケット30を回転させてチェーン32を反時計方向に循環移動させると、押送ロッド33が水平となった位置で押送ローラー34が係合部35の溝に係合する。引き続きチェーン32が循環移動すると、図3(b)に示すように押送ローラー34が係合部35の溝内を下降し、これにともなって格納トレイ15が横行装置22側へ引き寄せられる。次いで、チェーン32の移動とともに押送ロッド33が進行すると、格納トレイ15が横行レール23に乗り移り、図3(c)に示すように、格納トレイ15全体が横行レール23上に乗り移ると横行駆動装置24が停止する。格納トレイ15を横行レール23上から駐車室14に移動させる場合には、上記の動作と反対の動作を行う。
以上の構成により、まず、エレベータ式駐車装置10に格納した車両16を出庫させる場合を図4により説明する。まず、エレベータ式駐車装置10の操作盤により出庫する車両16を指定すると、図4(a)に示すように、横行装置22は該当する車両16の駐車室14まで昇降路11を移動して停止し、この後、押送駆動装置24が動作して車両16を搭載した格納トレイ15を横行レール23上へ移動させる。これと並行してケージ12も当該駐車室14付近まで移動するが、この際にケージ12は横行装置22よりも下方に位置するようになっている。
図4(b)に示すように、ケージ12の移動が完了するとケージ12が上昇し、格納トレイ15を通り抜けると同時に車両16が格納トレイ15からケージ12へと受け渡され、その後ケージ12は、横行装置22から若干上昇した位置で一旦停止する。次に図4(c)に示すように、横行装置22の横行駆動装置24が動作して、横行レール23上の格納トレイ15を駐車室14側へ移動させる。格納トレイ15が完全に駐車室14に格納されると、ケージ12が入出庫階37まで降下して停止し、運転者が車両16に乗り込んで出庫する。
次に、図5によって車両16を入庫する場合を説明する。エレベータ式駐車装置10の入出庫階37には、ケージ12が予め待機しており、入庫する車両16は自走によりケージ12上に乗り込み搭載される。次いで、ケージ12は上昇して車両16を格納する駐車室14からやや上昇した位置で停止する。これと並行して横行装置22も当該駐車室14へと移動した後、横行駆動装置24が動作して駐車室14内の空の格納トレイ15を横行レール23上へ移動させる(図5(a))。つづいて、ケージ12が下降してケージ12上の車両16が格納トレイ15へ受け渡される(図5(b))。次に、横行装置22の横行駆動装置24が動作して、格納トレイ15を駐車室14へ移動させ、車両16が駐車室14内に格納される(図5(c))。
以上説明したように、本発明のエレベータ式駐車装置10は、昇降路11の前方と後方に横行装置22を昇降自在に備え、この横行装置22には、格納トレイ15を支持する横行レール23と、格納トレイ15を駐車室14と横行レール23との間で移動させる横行駆動装置24とを備えた。そして、この横行装置22を該当する駐車室14へ移動させて格納トレイ15の出し入れを行うようにしたので、格納トレイ15を横行させる駆動装置を各駐車室14毎に設ける必要がない。
10 エレベータ式駐車装置
11 昇降路
12 ケージ
13 ガイドレール
14 駐車室
15 格納トレイ
16 車両
17 サイドフレーム
18 ケージフォーク
19 ガイドローラー
20 索条
21 横行ローラー
22 横行装置
23 横行レール
24 横行駆動装置
25 横フレーム
26 縦フレーム
27 トレイフォーク
28 チェーン
29 昇降駆動装置
30 スプロケット
31 スプロケット
32 チェーン
33 押送ロッド
34 押送ローラー
35 係合部
36 駆動機
37 入出庫階
38 ケージ駆動装置

Claims (1)

  1. 上下方向に貫通する空間を有する昇降路と、該昇降路に沿って上下多段に設けられた駐車室と、該駐車室に横行自在に配置され、車両の搭載部を櫛歯状に形成された格納トレイと、車両の搭載部を前記格納トレイの櫛歯と交互になるように櫛歯状に形成し、前記昇降路を昇降するケージと、該ケージの前方及び後方の位置で前記昇降路を昇降する横行装置と、前記ケージを昇降させるケージ駆動装置と、前記横行装置を昇降させる昇降駆動装置と、を備え、
    該横行装置には、前記格納トレイを横行自在に支持する横行レールと、前記格納トレイを前記駐車室と前記横行レール上との間で横行させる横行駆動装置と、を備え
    前記ケージ駆動装置と前記昇降駆動装置が独立して駆動し、前記ケージと前記横行装置を別々に昇降させるように構成されていることを特徴とするエレベータ式駐車装置。
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