JP2008094961A - ベンゾオキサジン樹脂組成物 - Google Patents

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宏明 坂田
Shiro Honda
史郎 本田
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Abstract

【課題】
本発明は、硬化性に優れ、プリプレグとした際の取り扱い性に優れたベンゾオキサジン樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、下記[A]〜[D]からなるベンゾオキサジン樹脂組成物ならびに、炭素繊維に含浸したプリプレグ、該プリプレグを硬化させてなる繊維強化複合材料もしくは、ベンゾオキサジン樹脂組成物を炭素繊維基材に直接含浸、硬化させてなる繊維強化複合材料である。
[A]分子中に式(I)で表されるベンゾオキサジン環を有する化合物
【化1】
Figure 2008094961

[B]エポキシ樹脂
[C]芳香族アミン硬化剤
[D]プロトン酸のエステル
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性に優れたベンゾオキサジン樹脂組成物に関するものである。また、航空機用途、船舶用途、スポーツ用途、その他一般産業用途に好適な繊維強化複合材料を得るためのプリプレグ、およびそれから得られる繊維強化複合材料に関するものである。
各種繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化複合材料は、その優れた力学物性から、航空機、船舶、自動車、スポーツ用品やその他一般産業用途などに広く使われている。近年、その使用実績を積むに従い、繊維強化複合材料の適用範囲はますます拡がっている。
現在使用されている複合材料を代替する場合、現状よりも軽量化を進めるためにより高い機械物性が要求される一方、難燃性や耐雷性などの新たな特性が要求されている。特に鉄道車両や航空機の内装材、一般産業用途では、火災発生の際に一酸化炭素などの有毒ガスの発生などの危険性があるため、難燃性・不燃性の材料が要望されている。
ベンゾオキサジン環を有する化合物(以後、ベンゾオキサジン樹脂という)は、フェノール類とアミン類から合成され、硬化後の構造が、難燃性の高いフェノール樹脂と類似した構造であるために、難燃性が期待されている樹脂である。しかしながら、ベンゾオキサジン樹脂は、一般に硬化性が低いため、単体では200℃で3時間といった高温長時間の硬化が必要である。また、ベンゾオキサジン樹脂は、炭素繊維と組み合わせてプリプレグとした際に、粘度が高いためにタック、ドレープ性が悪いといった欠点を有している。
ベンゾオキサジン樹脂の低い硬化性を改善するために、ベンゾオキサジン樹脂と、ノボラック化合物、カチオン重合開始剤の組み合わせが開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、かかる文献には、繊維強化複合材料用途としての記載はなく、開示されている組成物では、反応性は十分に高いが潜在性に欠けるため、室温でも反応が進行するために、プリプレグに使用した場合に劣化が速いという欠点や、また、プリプレグに用いた場合に、タックやドレープ性に欠けるという問題があった。
ベンゾオキサジン樹脂組成物を用いたプリプレグの取り扱い性を改善する方法として、エポキシ樹脂とベンゾオキサジン樹脂の組み合わせが開示されている(特許文献2参照)。この例においては、取り扱い性は向上するが、180℃といった高温で硬化させているとおり、150℃といったより低温で硬化させるには時間がかかりすぎるなど、硬化性の点で不十分であった。
特開2002−128987号公報 特開2001―310957号公報
本発明は、硬化性に優れ、しかも、プリプレグとした際の取り扱い性に優れたベンゾオキサジン樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成せんとするものであって、下記の構成を有する。
[A]〜[D]を含むベンゾオキサジン樹脂組成物。
[A]分子中に式(I)で表されるベンゾオキサジン環を有する化合物
Figure 2008094961
(式中、Rは、炭素数1〜12の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、フェニル基又は炭素数1〜12の鎖状アルキル基若しくはハロゲンで置換されたフェニル基である。また、式中の芳香環の酸素原子が結合している炭素原子のオルト位とパラ位の少なくとも一方の炭素原子には水素が結合している官能基である)
[B]エポキシ樹脂
[C]芳香族アミン硬化剤
[D]プロトン酸のエステル
また、本発明のプリプレグは、本発明のベンゾオキサジン樹脂組成物と強化繊維を組み合わせてなる。
また、本発明の繊維強化複合材料は、強化繊維と本発明のベンゾオキサジン樹脂組成物を組み合わせたプリプレグを硬化してなる、または本発明のベンゾオキサジン樹脂組成物を強化繊維基材に直接含浸、硬化させてなる。
本発明のベンゾオキサジン樹脂組成物は150℃における硬化性に優れ、またプリプレグとした際の取り扱い性に優れる。
本発明における[A]成分は、式(I)で表されるベンゾオキサジン環を有する化合物(以後、ベンゾオキサジン樹脂という)である。
Figure 2008094961
(式中、Rは、炭素数1〜12の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、フェニル基、又は炭素数1〜12の鎖状アルキル基若しくはハロゲンで置換されたフェニル基である。また、式中の芳香環の酸素原子が結合している炭素原子のオルト位とパラ位の少なくとも一方の炭素原子には水素が結合している)
のうち、炭素数1〜12の鎖状アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられ、炭素数3〜8の環状アルキル基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。また、フェニル基、又は炭素数1〜12の鎖状アルキル基若しくはハロゲンで置換されたフェニル基としては、フェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、o−エチルフェニル基、m−エチルフェニル基、p−エチルフェニル基、o−t−ブチルフェニル基、m−t−ブチルフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、o−クロロフェニル基、o−ブロモフェニル基などを好ましく挙げることができる。これらの中でも、良好な取り扱い性を与えることから、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、o−メチルフェニル基がさらに好ましい。
本発明において、ベンゾオキサジン樹脂としては、例えば次構造式(II)〜(XIII)で表されるものが好ましく用いられる。
Figure 2008094961
Figure 2008094961
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Figure 2008094961
Figure 2008094961
Figure 2008094961
[A]成分のベンゾオキサジン樹脂は、モノマーのみからなるものでも良いし、数分子が重合してオリゴマー状態となっていても良い。また、異なる構造を有するベンゾオキサジン樹脂を同時に用いても良い。ベンゾオキサジン環は、開環重合することにより、フェノール樹脂と同様の骨格をつくるために、難燃性に優れる。また、その緻密な構造から、低吸水率や、高弾性率といった優れた機械特性が得られる。
本発明における[B]成分は、エポキシ樹脂であり、ベンゾオキサジン樹脂組成物の粘度をコントロールし、また、[C]成分、[D]成分との反応によりベンゾオキサジン樹脂組成物の硬化性を高める成分である。
具体的には、アミン類、フェノール類、カルボン酸、分子内不飽和炭素などの化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好ましい。
アミン類を前駆体とするグリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、キシレンジアミンのグリシジル化合物、トリグリシジルアミノフェノールや、グリシジルアニリンのそれぞれの位置異性体やアルキル基やハロゲンでの置換体が挙げられる。以下、市販品を例示する場合、液状のものには、後述の動的粘弾性測定装置により得られる25℃における複素粘弾性率η*を粘度として記載している。
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンの市販品としては、“スミエポキシ(登録商標。以下同じ)”ELM434(住友化学(株)製)や、“アラルダイト(登録商標、以下同じ)”MY720、“アラルダイト”MY721、“アラルダイト”MY9512、“アラルダイト”MY9612、“アラルダイト”MY9634、“アラルダイト”MY9663(以上ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、“jER(登録商標、以下同じ)”604(ジャパンエポキシレジン社製)などが挙げられる。
キシレンジアミンのグリシジル化合物の市販品としては“TETRAD(登録商標)”−X(粘度:2000mPa・s)(三菱瓦斯化学(株)製)が挙げられる。
トリグリシジルアミノフェノールの市販品としては“jER”630(粘度:750mPa・s)(ジャパンエポキシレジン社製)、“アラルダイト”MY0500(粘度:3500mPa・s)、MY0510(粘度:600mPa・s)(以上ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、ELM100(粘度:16000mPa・s)(住友化学製)などが挙げられる。
グリシジルアニリン類の市販品としては、GAN(粘度:120mPa・s)、GOT(粘度:60mPa・s)(以上日本化薬(株)製)などが挙げられる。
フェノールを前駆体とするグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジフェニルフルオレン型エポキシ樹脂やそれぞれの各種異性体やアルキル、ハロゲン置換体などが挙げられる。また、フェノールを前駆体とするエポキシ樹脂をウレタンやイソシアネートで変性したエポキシ樹脂なども、このタイプに含まれる。
液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、“jER”825(粘度:5000mPa・s)、“jER”826(粘度:8000mPa・s)、“jER”827(粘度:10000mPa・s)、“jER”828(粘度:13000mPa・s)、(以上ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン(登録商標、以下同じ)”850(粘度:13000mPa・s)(大日本インキ化学工業(株)製)、“エポトート”(登録商標、以下同じ)YD−128(粘度:13000mPa・s)(東都化成(株)製)、DER−331(粘度:13000mPa・s)、DER−332(粘度:5000mPa・s)(ダウケミカル社製)などが挙げられる。
固形もしくは半固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、“jER”834、“jER”1001、“jER”1002、“jER”1003、“jER”1004、“jER”1004AF、“jER”1007、“jER”1009(以上ジャパンエポキシレジン(株)製)が挙げられる。
液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては“jER”806(粘度:2000mPa・s)、“jER”807(粘度:3500mPa・s)、“jER”1750(粘度:1300mPa・s)、“jER”(以上ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン”830(粘度:3500mPa・s)(大日本インキ化学工業(株)製)、“エポトート”YD−170(粘度:3500mPa・s)、“エポトート”YD−175(粘度:3500mPa・s)、(以上、東都化成(株)製)などが挙げられる。
固形のビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、4004P、“jER”4007P、“jER”4009P(以上ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エポトート”YDF2001、“エポトート”YDF2004(以上東都化成(株)製)などが挙げられる。
ビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、EXA−1515(大日本インキ化学工業(株)製)などがあげられる。
ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、“jER”YX4000H、“jER”YX4000、“jER”YL6616(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、NC−3000(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては“jER”152、“jER”154(以上ジャパンエポキシレジン社製)、“エピクロン”N−740、“エピクロン”N−770、“エピクロン”N−775(以上、大日本インキ化学工業(株)製)などが挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、“エピクロン”N−660、“エピクロン”N−665、“エピクロン”N−670、“エピクロン”N−673、“エピクロン”N−695(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−104S(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
レゾルシノール型エポキシ樹脂の市販品としては、“デナコール(登録商標、以下同じ)”EX−201(粘度:250mPa・s)(ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられる。
ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、“エピクロン”HP4032(大日本インキ化学工業(株)製)、NC−7000、NC−7300(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂の市販品としてはTMH−574(住友化学(株)製)などが挙げられる。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては“エピクロン”HP7200、“エピクロン”HP7200L、“エピクロン”HP7200H(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、“Tactix(登録商標)”558(ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、XD−1000−1L、XD−1000−2L(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
ウレタンおよびイソシアネート変性エポキシ樹脂の市販品としては、オキサゾリドン環を有するAER4152(旭化成エポキシ(株)製)やACR1348(旭電化(株)製)などが挙げられる。
カルボン酸を前駆体とするエポキシ樹脂としては、フタル酸のグリシジル化合物や、ヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸のグリシジル化合物やそれぞれの各種異性体が挙げられる。
フタル酸ジグリシジルエステルの市販品としては“エポミック(登録商標、以下同じ)”R508(粘度:4000mPa・s)(三井化学(株)製)、“デナコール”EX−721(粘度:980mPa・s)(ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられる。
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルの市販品としては“エポミック”R540(粘度:350mPa・s)(三井化学(株)製)、AK−601(粘度:300mPa・s)(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
ダイマー酸ジグリシジルエステルの市販品としては、“jER”871(粘度:650mPa・s)(ジャパンエポキシレジン(株)製)や、“エポトート”YD−171(粘度:650mPa・s)(東都化成(株)製)などが挙げられる。
分子内不飽和炭素を前駆体とするエポキシ樹脂としては、例えば脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。(3’,4’−エポキシシクロヘキサン)メチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートとしては、“セロキサイド(登録商標、以下同じ)”2021P(粘度:250mPa・s)(ダイセル化学工業(株)製)やCY179(粘度:400mPa・s)(ハンツマン・アドバンスドマテリアル社製)が挙げられる。(3’,4’−エポキシシクロヘキサン)オクチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートとしては、 “セロキサイド”2081(粘度:100mPa・s)(ダイセル化学工業(株)製)、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタンとしては、“セロキサイド”3000(粘度:20mPa・s)(ダイセル化学工業(株)製)、などが挙げられる。
成分[B]の配合量としては、ベンゾオキサジン樹脂100重量部に対して、10〜100重量部配合することが好ましい。より好ましくは、50〜100重量部配合することが好ましい。
エポキシ樹脂としては、25℃で液状のエポキシ樹脂と固形のエポキシ樹脂を混合して用いることが好ましい。タックやドレープ性の観点から、25℃で液状エポキシ樹脂が全エポキシ100重量%中に10〜50重量%含まれていることが好ましい。より好ましくは、20〜40重量%である。液状エポキシ樹脂としては、25℃における粘度が低ければ低いほどタックやドレープ性の観点から良いが、エポキシ樹脂の市販品として得られる下限である5mPa・s以上20000mPa・s以下であることが好ましい。20000mPa・sを超えると、タックやドレープ性が低下することがある。より好ましくは、5mPa・s以上15000mPa・s以下であることが好ましい。
固形のエポキシ樹脂としては、芳香族含有量の高いエポキシ樹脂が難燃性を高めるために好ましく用いられる。具体的には、ビフェニル骨格をもつエポキシ樹脂や、ナフタレン骨格をもつエポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂があげられる。
本発明における[C]成分は、芳香族アミン硬化剤である、主にエポキシ樹脂と反応することで、発熱し樹脂組成物の内温を高めることで、ベンゾオキサジン環の開環に必要なエネルギーを供給するために必要な成分である。また、[C]成分の一部も、ベンゾオキサジン環が開環し重合する際に、その骨格中に取り込まれ、均一な硬化物が得られる。
こういった芳香族アミン硬化剤としては、ジエチルトルエンジアミンや、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、メタキシレンジアミンやこれらの各種誘導体などが挙げられる。これらの硬化剤は単独もしくは2種類以上を併用することができる。中でも、組成物により耐熱性を与える面からジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンが望ましい。
[C]成分の配合量は、[B]成分のエポキシ樹脂の種類、量に依存し、[B]成分のエポキシ樹脂の活性水素当量1当量に対して、アミンの活性水素当量が0.5〜1.5当量であることが好ましい。より好ましくは、0.6〜1.2当量である。0.5当量未満であると、エポキシ樹脂の硬化反応が進まないために、樹脂組成物全体の硬化度が不足することがある。また、1.5当量を超えると、硬化物のガラス転移温度といった機械物性が低下することがある。
本発明における[D]成分は、プロトン酸のエステルであり、熱による分解反応で発生するプロトン酸が、[A]成分のベンゾオキサジン樹脂のベンゾオキサジン環の開環反応と、[B]成分のエポキシ樹脂と[C]成分の芳香族アミンの硬化反応との両方を促進する。つまり、[D]成分を配合することで、本発明のベンゾオキサジン樹脂組成物は、従来の組成物に比較しての低温での硬化が可能になったのである。一方で、[D]成分は室温ではエステル化されている状態なので、反応促進効果が弱く、本発明の樹脂組成物は25℃での粘度安定性に優れている。
プロトン酸のエステルとしては、カルボン酸エステル、スルホン酸エステルがあげられる。発生するプロトン酸の硬化促進能が高く、より低温、短時間で硬化物が得られることからスルホン酸エステルが好ましい。スルホン酸エステルとしては、硫酸エステル、トルエンスルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステルが挙げられる。なかでも室温での粘度安定性の観点から、トルエンスルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステルが好ましく用いられる。トルエンスルホン酸のエステルとしては、トルエンスルホン酸メチル、トルエンスルホン酸エチル、トルエンスルホン酸n―プロピルなどが挙げられる。
また、本発明のベンゾオキサジン樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、ナノカーボンや無機充填剤、難燃剤、離型剤などを添加しても良い。ナノカーボンとしては、カーボンナノチューブ、フラーレンやそれぞれの誘導体が挙げられる。無機充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛等が挙げられる。難燃剤としては、赤燐、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホルフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、レゾルシノールビスフェニルホスフェート、ビスフェノールAビスジフェニルホスフェートなどのリン酸エステルや、ホウ酸エステルなどが挙げられる。離型剤としては、シリコンオイル、ステアリン酸エステル、カルナウバワックスなどが挙げられる。
本発明のベンゾオキサジン樹脂組成物の混練方法は、特に限定されない。一般的にベンゾオキサジン樹脂組成物の調製に使用される方法を用いてもよい。例えば、ニーダーやプラネタリーミキサー、2軸押出機などが用いられる。難燃剤や無機充填剤などの粒子成分を用いる場合は、粒子の分散性の点から、予めホモミキサー、3本ロール、ボールミル、ビーズミルおよび超音波などで、粒子をベンゾオキサジン樹脂組成物中に配合する液状樹脂成分に拡散させておくことが好ましい。また、マトリックス樹脂との混合時や、粒子の予備拡散時等には、必要に応じて加熱・冷却したり、加圧・減圧しても良い。保存安定性の観点から、混練後は、速やかに冷蔵・冷凍庫で保管することが好ましい。
本発明のベンゾオキサジン樹脂組成物の粘度としては、タックやドレープ性の観点から、50℃において、10〜3000mPa・sであることが好ましい。より好ましくは、10〜2500mPa・sであり、最も好ましくは、100〜2000mPa・sである。10mPa・s未満であると、ベンゾオキサジン樹脂組成物の沈み込みによるタックの経時変化が大きくなることがある。また、3000mPa・sを超えると、タックが弱くなり、また、ドレープ性も低下することがある。
本発明の繊維強化複合材料において用いる強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等が好ましい。これらの繊維を2種以上混合して用いても構わないが、より軽量で、より耐久性の高い成形品を得るために、炭素繊維や黒鉛繊維を用いるのが良い。本発明においては、用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維や黒鉛繊維を用いることが可能であるが、耐衝撃性に優れ、高い剛性および機械強度を有する複合材料を得られることから、ストランド引張試験における引張弾性率が150〜650GPaであることが好ましく、より好ましくは200〜550GPaであり、さらに好ましくは230〜500GPaである。なお、ストランド引張試験とは、束状の炭素繊維に下記組成の樹脂を含浸させ、130℃の温度で35分間硬化させた後、JIS R7601(1986)に基づいて行う試験をいう。
*樹脂組成
・3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクロヘキシル−カルボキシレート(例えば、ERL−4221、ユニオンカーバイド社製):100重量部
・3フッ化ホウ素モノエチルアミン(例えば、ステラケミファ株式会社製):3重量部
・アセトン(例えば、和光純薬工業株式会社製):4重量部
強化繊維の形態は特に限定されるものではなく、たとえば、一方向に引き揃えた長繊維、トウ、織物、マット、ニット、組み紐、10mm未満の長さにチョップした短繊維などが用いられる。ここでいう、長繊維とは実質的に10mm以上連続な単繊維もしくは繊維束のことをさす。また、短繊維とは10mm未満の長さに切断された繊維束である。また、特に、比強度、比弾性率が高いことを要求される用途には強化繊維束が単一方向に引き揃えられた配列が最も適しているが、取り扱いの容易なクロス(織物)状の配列も本発明には適している。
本発明のプリプレグは、前記本発明のベンゾオキサジン樹脂組成物を繊維機材に含浸させてなるものである。含浸させる方法としてはベンゾオキサジン樹脂組成物をメチルエチルケトン、メタノール等の溶媒に溶解して低粘度化し、含浸させるウェット法と、加熱により低粘度化し、含浸させるホットメルト法(ドライ法)等を挙げることができる。
ウェット法は、強化繊維をベンゾオキサジン樹脂組成物の溶液に浸漬した後、引き上げ、オーブン等を用いて溶媒を蒸発させる方法であり、ホットメルト法は、加熱により低粘度化したベンゾオキサジン樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる方法、又は一旦ベンゾオキサジン樹脂組成物を離型紙等の上にコーティングしたフィルムを作製しておき、次いで強化繊維の両側又は片側から前記フィルムを重ね、加熱加圧することにより強化繊維に樹脂を含浸させる方法である。ホットメルト法によれば、プリプレグ中に残留する溶媒が実質上皆無となるため好ましい。
プリプレグは、単位面積あたりの強化繊維量が70〜2000g/mであることが好ましい。かかる強化繊維量が70g/m未満では、繊維強化複合材料成形の際に所定の厚みを得るために積層枚数を多くする必要があり、作業が繁雑となることがある。一方で、強化繊維量が2000g/mを超えると、プリプレグのドレープ性が悪くなる傾向にある。また、繊維重量含有率は、好ましくは30〜90重量%であり、より好ましくは35〜85重量%であり、更に好ましくは40〜80重量%である。繊維重量含有率が30重量%未満では、樹脂の量が多すぎて、比強度と比弾性率に優れる繊維強化複合材料の利点が得られなかったり、繊維強化複合材料の成形の際、硬化時の発熱量が大きくなりすぎることがある。また、繊維重量含有率が90重量%を超えると、樹脂の含浸不良が生じ、得られる複合材料はボイドの多いものとなる恐れがある。
得られたプリプレグを積層後、積層物に圧力を付与しながら樹脂を加熱硬化させる方法等により、本発明による繊維強化複合材料が作製される。
ここで熱及び圧力を付与する方法には、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法等が採用される。
ラッピングテープ法は、マンドレル等の芯金にプリプレグを捲回して、繊維強化複合材料製の管状体を成形する方法であり、ゴルフシャフト、釣り竿等の棒状体を作製する際に好適な方法である。より具体的には、マンドレルにプリプレグを捲回し、プリプレグの固定及び圧力付与のため、プリプレグの外側に熱可塑性フィルムからなるラッピングテープを捲回し、オーブン中で樹脂を加熱硬化させた後、芯金を抜き取って管状体を得る方法である。
また、内圧成型法は、熱可塑性樹脂製のチューブ等の内圧付与体にプリプレグを捲回したプリフォームを金型中にセットし、次いで内圧付与体に高圧の気体を導入して圧力を付与すると同時に金型を加熱せしめ、成形する方法である。本方法は、ゴルフシャフト、バッド、テニスやバドミントン等のラケットの如き複雑な形状物を成形する際に好ましく用いられる。
本発明の繊維強化複合材料は、基材に直接、樹脂組成物を含浸させ硬化させることによっても得られる。例えば、強化繊維基材を型内に配置し、その後、本発明のベンゾオキサジン樹脂組成物を流し込み含浸させ硬化させる方法や、強化繊維基材および本発明のベンゾオキサジン樹脂組成物からなるフィルムを積層し、該積層体を加熱・加圧する方法によっても製造できる。ベンゾオキサジン樹脂組成物からなるフィルムとは、予め離型紙や離型フィルム上に所定量のベンゾオキサジン樹脂組成物を均一な厚みで塗布したものを指す。ここで強化繊維基材としては、一方向に引き揃えた長繊維、二方向織物、不織布、マット、ニット、組み紐などが挙げられる。積層とは、単に繊維基材を重ね合わせる場合のみならず、各種型やコア材に貼り付けてプリフォームする場合も含むものである。コア材としては、フォームコアやハニカムコアなどが好ましく用いられる。フォームコアとしては、ウレタンやポリイミドが好ましく用いられる。ハニカムコアとしてはアルミコアやガラスコア、アラミドコアなどが好ましく用いられる。
本発明の繊維強化複合材料は、難燃性にすぐれ、また、層間剪断強度などの機械物性にも優れるために、高い難燃性や機械物性が必要な鉄道車両、航空機、建築部材や、その他一般産業用途に好適に用いられる。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。各種物性の測定は次の方法によった。なお、これらの物性は、昇温測定などの断りのない限り、温度23℃、相対湿度50%の環境で測定した。
(1)ベンゾオキサジン樹脂組成物の調合
各実施例、比較例について、表1に示す割合で原料を混合した。実施例1の場合、[B]成分を混合し、150℃まで昇温させ、固形分を完全に溶解させたのち、100℃まで降温し、[A]成分を混合し完全に溶解するまで撹拌した。溶解を確認後、70℃まで降温し、[C]成分を加え均一になるように撹拌した。最後に[D]成分を加え、5分撹拌し、5℃に設定した冷蔵庫内で急冷し樹脂組成物を得た。実施例2〜5、比較例1〜4も、配合成分を表1の通り変更した以外は、同様に樹脂組成物を作製した。
なお、ここで用いた原料は以下に示す通りである。
<ベンゾオキサジン樹脂>
F−a(ビスフェノールF―アニリン型、四国化成(株)製)
P−d(フェノール−ジアミノジフェニルメタン型、四国化成(株)製)
P−a(フェノール−アニリン型、四国化成(株)製)
<エポキシ樹脂>
・“jER”807(ビスフェノールF型エポキシ樹脂,粘度:3500mP・s,ジャパンエポキシレジン(株)製)
・NC−3000(ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂,固形,日本化薬(株)製)
・ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,半固形,住友化学(株)製)
<芳香族アミン>
“スミキュア(登録商標)”S(4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、住友化学(株)製)
3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、三井化学ファイン(株)製)
<プロトン酸エステル>
トルエンスルホン酸メチル(東京化成(株)製)
トルエンスルホン酸エチル(東京化成(株)製)
<その他の成分>
トルエンスルホン酸(東京化成(株)製)
2E4MZ(2−エチル−4−メチルイミダゾール、四国化成(株)製)
(2)未硬化樹脂の粘度測定
ベンゾオキサジン樹脂組成物の未硬化物の50℃における粘度は、動的粘弾性測定装置(レオメーターRDA2:レオメトリック社製)を用い、直径40mmのパラレルプレートを用い、昇温速度2℃/minで単純昇温し、周波数0.5Hz、Gap 1mmで測定を行った。
(3)ゲルタイム測定
上記(1)で調合した樹脂組成物から2cmをサンプルとして準備し、樹脂の硬化を追跡するためにキュラストメータV型(日合商事(株)製)を用いてゲルタイムを測定した。測定開始後、トルクが0.001N・mに達した時間をゲルタイムとした。
(4)硬化物のガラス転移温度
硬化物のガラス転移温度の測定については示差熱量計(DSC)を用いて、JIS K7121(1987)に基づいてもとめた中間点温度をガラス転移温度とした。測定数はn--=2とし、平均値を算出した。
(5)樹脂硬化物の曲げ弾性率
上記(1)で調合した樹脂組成物を80℃の温度に加熱して、2mm厚の“テフロン(登録商標)”製スペーサーにより2mm厚に設定したモールドに注入し、150℃の温度のオーブン中で2時間硬化して、厚さ2mmの樹脂硬化物の板を作製した。次に、得られた樹脂硬化物の板から、幅10mm、長さ60mmの試験片を切り出し、スパン間32mmの3点曲げを測定し、JIS K7171(1994)に従い曲げ弾性率を求めた。測定数はn--=5とし、平均値を算出した。
(6)樹脂硬化物の反応率・残存発熱量の測定
上記(1)で調製したベンゾオキサジン樹脂組成物を5mg秤量し、示差熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の単純昇温で、0〜350℃まで昇温し、発熱カーブを求めた。発熱カーブより、ベンゾオキサジン樹脂組成物の総発熱量Qを求めた。
上記(5)で得たベンゾオキサジン樹脂組成物の硬化物を5mg削りとり、示差熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の単純昇温、0〜350℃まで昇温した。残存発熱を示す発熱ピークが存在する場合は、ピーク面積から、その発熱量Qを求めた。残存発熱がみられない場合は、Q=0とした。
ここで、反応率(%)は、
(Q−Q)/Q×100
で求められる。反応率が60%以下の場合は、「未硬化」とする。
(7)プリプレグの作製
プリプレグは以下のようにして作製した。未硬化の樹脂組成物をナイフコーターを用いて、単位面積あたりの重量52g/mで離型紙上にフィルム化し、樹脂フィルムとした。この樹脂フィルムを用いて、繊維の長手方向を一方向に引き揃えた長繊維の炭素繊維(単位面積あたりの繊維重量190g/m)の両面から加熱加圧含浸し、一方向プリプレグを得た。
(8)タック・ドレープ
上記(7)で作製したプリプレグのタックを触感法で判定した。プリプレグ表面から離型紙を引き剥がした直後に、指でプリプレグを押さえタックの程良いものを○、やや強すぎる若しくはやや弱いものを△、タックが強すぎて指から剥がれないものや全くタックが無く指につかないものを×とした。測定数はn--=2とし、結果が異なる場合は、悪い評価を採用した。
ドレープ性の評価は、プリプレグの曲げ弾性率測定により行った。曲げ弾性率の測定方法としては、JIS K7074(1988)に準じて行った。サンプルは、プリプレグを繊維方向に85mm、幅方向15mmの長さにカットして作製した。測定装置として、インストロン4201型万能試験機(インストロン・ジャパン(株)製)を使用して、以下の条件で測定した。測定は、プリプレグ表面から離型紙を引き剥がした直後に行った。
負荷速度:5mm/分
支点間距離:40mm
圧子径:4mm
なお、ドレープ性は、得られた弾性率の逆数を指標として用い、測定数はn--=5とし、平均値を算出した。平均値が、0.05以上0.085以下を○、0.01以上0.05未満若しくは0.085より大きく、0.1以下を△、0.01未満もしくは0.1より大きいものを×と判定した。
(9)層間剪断試験
上記(7)の一方向プリプレグの繊維方向が同じ方向になるように、また硬化後の積層板の厚みが約2mmになるように積層し、オートクレーブ中で150℃、内圧588kPaで2時間加熱加圧して硬化し、一方向繊維強化複合材料を成形した。かかる一方向繊維強化複合材料を、幅10mm、長さ15mmでカットし、試験片を得た。この試験片をJIS K7078(1991)に記載の方法に従って、層間剪断強度の測定を行った。測定数はn--=5とし、平均値を算出した。
(10)難燃試験
上記(7)の一方向プリプレグの繊維方向が同じ方向になるように、また硬化後の積層板の厚みが約0.2mmになるように積層し、オートクレーブ中で150℃、内圧588kPaで2時間加熱加圧して硬化成形し、繊維強化複合材料を得た。
UL94規格に基づき、垂直燃焼試験により難燃性を評価した。成形した繊維強化複合材料から幅12.7±0.1mm、長さ127±1mmの試験片5本を切り出した。バーナーの炎の高さを19mmに調整し、垂直に保持した試験片中央下端を炎に10秒間さらした後、炎から離し燃焼時間を記録した。消炎後は、ただちにバーナー炎を更に10秒間当てて炎から離し燃焼時間を計測した。有炎滴下物(ドリップ)がなく、1回目、2回目とも消火までの時間が10秒以内、かつ5本の試験片に10回接炎した後の燃焼時間の合計が50秒以内ならばV−0、燃焼時間が30秒以内かつ5本の試験片に10回接炎した後の燃焼時間の合計が250秒以内であればV−1と判定した。また、V−1と同じ燃焼時間でも有炎滴下物がある場合はV−2、燃焼時間がそれより長い場合、あるいは試験片保持部まで燃焼した場合はV−outと判定した。
以上の測定の結果を表1に示す。
実施例1〜5と比較例1との比較から(C)成分の有無により、ゲルタイムが短縮し、プリプレグとした際のドレープ性、繊維強化複合材料とした際の層間剪断強度や難燃性が向上していることがわかる。
実施例1〜5と比較例2との比較から(B)成分の有無により、プリプレグとした際のタック・ドレープ性、繊維強化複合材料とした際の層間剪断強度に優れていることが分かる。
実施例1〜5と比較例3、4との比較から(D)成分にプロトン酸エステルを用いることで、プロトン酸やイミダゾール類と比較してプリプレグとした際のタック・ドレープ性、繊維強化複合材料とした際の層間剪断強度や難燃性に優れていることが分かる。
Figure 2008094961

Claims (5)

  1. [A]〜[D]を含むベンゾオキサジン樹脂組成物。
    [A]分子中に式(I)で表されるベンゾオキサジン環を有する化合物
    Figure 2008094961
    (式中、Rは、炭素数1〜12の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、フェニル基、又は炭素数1〜12の鎖状アルキル基若しくはハロゲンで置換されたフェニル基である。また、式中の芳香環の酸素原子が結合している炭素原子のオルト位とパラ位の少なくとも一方の炭素原子には水素が結合している官能基である)
    [B]エポキシ樹脂
    [C]芳香族アミン硬化剤
    [D]プロトン酸のエステル
  2. [D]プロトン酸のエステルが、カルボン酸エステルまたはスルホン酸エステルである請求項1記載のベンゾオキサジン樹脂組成物。
  3. [B]のエポキシ樹脂が、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂およびフェノールアラルキル型エポキシ樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種類のエポキシ樹脂である請求項1に記載のベンゾオキサジン樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のベンゾオキサジン樹脂組成物を強化繊維基材に含浸してなるプリプレグ。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のベンゾオキサジン樹脂組成物の硬化物と繊維強化基材からなる繊維強化複合材料。
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