JP2008088387A - 全芳香族ポリエステル - Google Patents
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Abstract
【課題】体積膨張率が小さく、優れた高寸法安定性を持ち、且つ耐熱性に優れていることから、多層フィルムもしくは多層シート、多層ブロー成形品等に特に好適に用いられる全芳香族ポリエステルを提供する。
【解決手段】4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヒドロキノンから導入される構成単位を特定比率で含む溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポリエステル。
【選択図】なし
【解決手段】4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヒドロキノンから導入される構成単位を特定比率で含む溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポリエステル。
【選択図】なし
Description
本発明は、フィルム、ブロー成形品等に好適に用いられる全芳香族ポリエステルに関する。更に詳しくは、体積膨張率が小さく、優れた高寸法安定性を持ち、且つ耐熱性に優れていることから、多層フィルムもしくは多層シート、多層ブロー成形品等に特に好適に用いられる全芳香族ポリエステルに関するものである。
液晶性ポリマーは、優れた流動性、機械強度、耐熱性、耐薬品性、電気的性質をバランス良く有するため、高機能エンジニアリングプラスチックスとして好適に広く利用されているが、その大部分は専ら射出成形により得られるものであった。
一方、近年の著しい産業の発展に伴い、かかる液晶性ポリマーの用途も多岐にわたり一層高度化、特殊化する傾向にあり、溶融延伸加工及びブロー成形等により効率良く経済的に成形加工して、液晶性ポリマーの寸法安定性、吸湿性及び電気特性等の優れた物性を保持したフィルムもしくはシート、中空成形品、繊維等を得ることが期待されてきている。近年、電気・電子材料分野において、液晶性ポリマーフィルムは電子回路基板用途に使用されているが、信号の高速化、パターンの高密度化や高多層化が必要になってきており、より高い高周波特性、厚さ精度、耐熱性、加工時の寸法安定性を持ち、且つ多層化が求められている。例えば、電子回路基板に液晶性ポリマーフィルムと金属の多層体を使用する場合、液晶性ポリマーフィルムと金属の熱膨張率が異なったり、フィルム自体の強度が弱いと、多層体が破損するという問題があった。
既存の液晶性ポリマーフィルムでは、寸法安定性と強度を兼ね備えていないため、液晶性ポリマーフィルムと金属の多層化は困難である。特許文献1では熱による体積膨張率が小さい液晶性ポリマーフィルムが提案されているが、その効果は十分とは言えない。
また、寸法安定性と強度を兼備させるため、液晶性ポリマーに各種フィラーを添加する方法等が考えられているが、フィルム加工性が悪くなるため、電子回路基板用途に対する材料としては不十分である。
特開2004−244452号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、体積膨張率が小さく、優れた高寸法安定性を持ち、且つ耐熱性に優れていることから、多層フィルムもしくは多層シート、多層ブロー成形品等に特に好適に用いられる全芳香族ポリエステルを提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成し、良好な電気的物性を維持しつつ、体積膨張率が小さく、高寸法安定性、優れた耐熱性を有する全芳香族ポリエステルの提供について鋭意研究した結果、原料モノマーとして特定の3種を選択して、その特定量を組み合わせることが上記目的達成のために有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、構成成分として下記一般式(I),(II),(III)で表される構成単位を含み、全構成単位100モル%に対して(I)の構成単位が66〜75モル%、(II)の構成単位が12.5〜17.0モル%、(III)の構成単位が12.5〜17.0モル%であることを特徴とする溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポリエステルである。
(ここで、Ar1 は1,4−フェニレン、Ar2 は2,6−ナフタレン、Ar3 は1,4−フェニレンである。)
本発明で得られる特定の構成単位よりなる溶融時に異方性を示す全芳香族ポリエステル及びその組成物は、溶融延伸加工及びブロー成形が容易であり、効率良く経済的に加工して液晶性ポリエステルの優れた物性を保持したフィルムもしくはシート、繊維及びブロー成形品とすることが可能である。
また、体積膨張率が小さく、寸法安定性に優れているという特徴から、他のポリマー及び金属とから形成される多層フィルムもしくは多層シート、他のポリマーとから形成される多層ブロー成形品に特に好適に用いられる。ここで使用される他のポリマーは特に制限されないが、ポリオレフィン、特に高密度ポリエチレンが好適である。
上記(I)〜(III)の構成単位を具現化するには通常のエステル形成能を有する種々の化合物が使用される。以下に本発明を構成する全芳香族ポリエステルを形成するために必要な原料化合物について順を追って詳しく説明する。
構成単位(I)は、4−ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体から導入される。
構成単位(II)は、2,6−ナフタレンジカルボン酸及びその誘導体から導入される。
構成単位(III)は、ヒドロキノン及びその誘導体から導入される。
構成単位(III)は、Ar3 が1,4−フェニレンであることが必要であり、例えば4,4’−ビフェニル等では融点が著しく高くなり好ましくない。
本発明において、各構成単位の共重合比率は、本発明所期の目的である、耐熱性を良好に保ちつつ、体積膨張率が小さく、優れた寸法安定性を発現するために重要である。そのため、本発明では、上記構成単位(I)〜(III)を含み、全構成単位100モル%に対して(I)の構成単位が66〜75モル%(好ましくは68〜72モル%)、(II)の構成単位が12.5〜17.0モル%(好ましくは14〜16モル%)、(III)の構成単位が12.5〜17.0モル%(好ましくは14〜16モル%)であることが必要である。
(I)の構成単位が66モル%未満では、目的とする寸法安定性(体積膨張率)に悪影響を与えるため好ましくない。また、75モル%より多くなると融点が著しく高くなり、場合によっては製造時にポリマーがリアクター内で固化し、所望の分子量のポリマーを製造することができなくなるため好ましくない。
また、(II)の構成単位が12.5モル%未満では、融点が著しく高くなり、場合によっては製造時にポリマーがリアクター内で固化し、所望の分子量のポリマーを製造することができなくなるため好ましくない。また、17.0モル%より多くなると目的とする寸法安定性(体積膨張率)に悪影響を与えるため好ましくない。
また、(III)の構成単位が12.5モル%未満では、融点が著しく高くなり、場合によっては製造時にポリマーがリアクター内で固化し、所望の分子量のポリマーを製造することができなくなるため好ましくない。また、17.0モル%より多くなると目的とする寸法安定性(体積膨張率)に悪影響を与えるため好ましくない。
尚、本発明の全芳香族ポリエステルには、本発明の目的を阻害しない範囲で少量の公知の他の構成単位を導入することもできるが、これらの構成単位は事実上含まれないことが好ましい。
本発明の全芳香族ポリエステルは、直接重合法やエステル交換法を用いて重合され、重合に際しては、溶融重合法、溶液重合法、スラリー重合法等が用いられる。
本発明では、重合に際し、重合モノマーに対するアシル化剤や、酸塩化物誘導体として末端を活性化したモノマーを使用できる。アシル化剤としては、無水酢酸等の酸無水物等が挙げられ、使用量は、重合制御の観点から、水酸基の合計当量の1.01〜1.10倍が好ましく、さらに好ましくは1.02〜1.05倍である。
これらの重合に際しては種々の触媒の使用が可能であり、代表的なものはジアルキル錫酸化物、ジアリール錫酸化物、二酸化チタン、アルコキシチタンけい酸塩類、チタンアルコラート類、カルボン酸のアルカリ及びアルカリ土類金属塩類、BF3 の如きルイス酸塩等が挙げられる。触媒の使用量は一般にはモノマーの全重量に基いて約 0.001乃至1重量%、特に約0.003 乃至 0.2重量%が好ましい。
また、溶液重合又はスラリー重合を行う場合、溶媒としては流動パラフィン、高耐熱性合成油、不活性鉱物油等が用いられる。
反応条件としては、反応温度200 〜380 ℃、最終到達圧力0.1 〜760 Torr(即ち、13〜101,080 Pa)である。特に溶融反応では、反応温度260 〜380 ℃、好ましくは300 〜360 ℃、最終到達圧力1〜100 Torr(即ち、133 〜13,300 Pa )、好ましくは1〜50 Torr (即ち、133 〜6,670 Pa)である。
溶融重合は、反応系内が所定温度に達した後、減圧を開始して所定の減圧度にして行う。撹拌機のトルクが所定値に達した後、不活性ガスを導入し、減圧状態から常圧を経て、所定の加圧状態にして反応系からポリマーを排出する。
溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマーであることは、本発明において熱安定性と易加工性を併せ持つ上で不可欠な要素である。上記構成単位からなる全芳香族ポリエステルは、構成成分およびポリマー中のシーケンス分布によっては、異方性溶融相を形成しないものも存在するが、本発明に係わるポリマーは溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポリエステルに限られる。
溶融異方性の性質は直交偏光子を利用した慣用の偏光検査方法により確認することができる。より具体的には溶融異方性の確認はオリンパス社製偏光顕微鏡を使用しリンカム社製ホットステージにのせた試料を溶融し、窒素雰囲気下で150 倍の倍率で観察することにより実施できる。上記ポリマーは光学的に異方性であり、直交偏光子間に挿入したとき光を透過させる。試料が光学的に異方性であると、例えば溶融静止液状態であっても偏光は透過する。
本発明の全芳香族ポリエステルは、融点より10℃以上高い温度で、剪断速度 1000sec-1における溶融粘度が1×106 Pa・s 以下であることが好ましい。更に好ましくは1×103 Pa・s 以下である。これらの溶融粘度は液晶性を具備することで概ね実現される。
本発明の全芳香族ポリエステルは、溶融押出成形、インフレーション成形などによりフィルムとすることができる。
溶融押出成形は、全芳香族ポリエステルを押出機で溶融混練し、Tダイのスリット部より溶融押出しされた溶融体を延伸する成形法であり、延伸および配向フィルムを得ることができる。
フィルム製膜時の押出機の設定は、全芳香族ポリエステルの骨格組成比により適宜設定することができる。押出機のシリンダー温度は300〜380℃が好ましく、320〜370℃がより好ましい。この範囲以外の温度においては、全芳香族ポリエステルが熱分解したり、フィルム製膜が困難となる傾向にある。使用されるスリット間隔は、0.1〜1.0mmが好ましい。スリット間隔が1.0mmより大きい場合は、配向ムラ等が発生し、フィルムの形状が悪くなる傾向にある。
一軸配向フィルムのドリフト比(Tダイスリットの断面積をMD方向のフィルム断面積で除した値)は2.0〜30の範囲が好ましい。ドリフト比が2.0未満であると、フィルム強度不足となる傾向にあり、ドリフト比が30を超えると、フィルムの平滑性が不十分となる傾向にある。
二軸延伸フィルムは、Tダイから押出した溶融体シートを長手方向(MD)および長手方向と垂直方向(横手方向(TD))の両方向に同時に延伸する方法、またはTダイから押出した溶融体シートをMD方向に延伸し、ついでTD方向に延伸する方法により得ることができる。MD方向及びTD方向の延伸倍率は1.0以上が好ましく、1.5〜20がより好ましい。延伸倍率が前記の範囲外であると、力学的バランスおよび均一な厚みのフィルムを得るのが困難な傾向にある。
インフレーション成形は、全芳香族ポリエステルを押出機で溶融混練し、円形状リングダイから溶融押出された円筒状シートの内側から不活性ガスを吹き込む成形法であり、延伸および配向フィルムを得ることができる。
フィルム製膜時の押出機の設定は、全芳香族ポリエステルの骨格組成比により適宜設定することができる。押出機のシリンダー温度は300〜380℃が好ましく、320〜370℃がより好ましい。この範囲以外の温度においては、全芳香族ポリエステルが熱分解したり、フィルム製膜が困難となる傾向にある。使用されるリング状スリット間隔は、0.1〜3.0mmが好ましく、0.2〜1.5mmがより好ましい。インフレーション成形では、Tダイ法におけるMD方向及びTD方向の延伸倍率に相当するものとして、ドロー比及びブロー比が用いられる。ドロー比はMD方向の延伸倍率に相当し、1.5〜40が好ましく、ブロー比はTD方向の延伸倍率に相当し、2.0〜10が好ましい。インフレーション製膜時の設定条件が前記の範囲外であると、力学的バランスおよび均一な厚みのフィルムを得るのが困難な傾向にある。
本発明により得られる全芳香族ポリエステルフィルムの厚みは、製膜性、機械特性及び加工性の観点から1〜500μmが好ましく、5〜300μmがより好ましい。
本発明により得られる全芳香族ポリエステルフィルムは、その表面に金属層を積層して金属積層体とすることができ、また全芳香族ポリエステルフィルムと金属層との二層以上の多層積層体とすることもできる。また、強度や密着性向上のために、必要に応じて金属積層体の熱処理を行ってもよい。
使用される金属としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウムなどが挙げられ、プリント配線板用途には銅が好ましく、コンデンサー用途にはアルミニウムが好ましい。
次に本発明の全芳香族ポリエステルは使用目的に応じて、フィルム加工性に影響を与えない範囲で各種の繊維状、粉粒状、板状の無機及び有機の充填剤を配合することができる。
繊維状充填剤としてはガラス繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、ウォラストナイトの如き珪酸塩の繊維、硫酸マグネシウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、更にステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無機質繊維状物質が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤はガラス繊維である。尚、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機質繊維状物質も使用することが出来る。
一方、粉粒状充填剤としてはカーボンブラック、黒鉛、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバー、ガラスバルーン、ガラス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、クレー、硅藻土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他フェライト、炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げられる。
又、板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、タルク、各種の金属箔等が挙げられる。
有機充填剤の例を示せば芳香族ポリエステル繊維、液晶性ポリマー繊維、芳香族ポリアミド、ポリイミド繊維等の耐熱性高強度合成繊維等である。
これらの無機及び有機充填剤は一種又は二種以上併用することが出来る。繊維状充填剤と粒状又は板状充填剤との併用は特に機械的強度と寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好ましい組み合わせである。無機充填剤の配合量は、全芳香族ポリエステル100重量部に対し、120重量部以下、好ましくは20〜80重量部である。
これらの充填剤の使用にあたっては必要ならば収束剤又は表面処理剤を使用することができる。
また、本発明の全芳香族ポリエステルには、本発明の企図する目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂を更に補助的に添加してもよい。
この場合に使用する熱可塑性樹脂の例を示すと、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ジカルボン酸とジオール等からなる芳香族ポリエステル、ポリアセタール(ホモ又はコポリマー)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ABS、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、フッ素樹脂等を挙げることができる。またこれらの熱可塑性樹脂は2種以上混合して使用することができる。
以下に実施例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中の物性測定の方法は以下の通りである。
[融点]
示差走査熱量分析装置(パーキンエルマー社製DSC7)にて、20℃/分の昇温条件で測定した。
[溶融粘度]
測定温度360℃、剪断速度1000sec-1の条件で、内径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いて東洋精機製キャピログラフで測定した。
[体積膨張率]
(株)リガク製TMA8310装置にて、10℃/分の昇温条件でフィルム平面のMD方向及びTD方向、フィルム厚みのZD方向の50−100℃における線膨張率の平均値を算出し、3方向の線膨張率の総和を体積膨張率とした。
[融点]
示差走査熱量分析装置(パーキンエルマー社製DSC7)にて、20℃/分の昇温条件で測定した。
[溶融粘度]
測定温度360℃、剪断速度1000sec-1の条件で、内径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いて東洋精機製キャピログラフで測定した。
[体積膨張率]
(株)リガク製TMA8310装置にて、10℃/分の昇温条件でフィルム平面のMD方向及びTD方向、フィルム厚みのZD方向の50−100℃における線膨張率の平均値を算出し、3方向の線膨張率の総和を体積膨張率とした。
実施例1
攪拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、金属触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
攪拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、金属触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
(I)4−ヒドロキシ安息香酸227.3g(70モル%)
(II)2,6−ナフタレンジカルボン酸76.2g(15モル%)
(III)ヒドロキノン38.8g(15モル%)
酢酸カリウム触媒22.5mg(金属カリウムとして30重量ppm(対ポリマー合計重量))
無水酢酸244.8g
原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に360℃まで5時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(即ち1330Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出した。
(II)2,6−ナフタレンジカルボン酸76.2g(15モル%)
(III)ヒドロキノン38.8g(15モル%)
酢酸カリウム触媒22.5mg(金属カリウムとして30重量ppm(対ポリマー合計重量))
無水酢酸244.8g
原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に360℃まで5時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(即ち1330Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出した。
次いで、ホットプレスにて、フィルムの厚みが0.05mmになるように温度・圧力を調節してフィルムを作製し、体積膨張率を測定した。
比較例1〜3
原料モノマーの種類、仕込み量を表1に示す通りとした以外は、実施例1と同様にして重合を行った。これらの結果を表1に示す。尚、比較例3については、製造時にポリマーがリアクター内で固化し、所望の分子量のポリマーを製造することができなかった。
原料モノマーの種類、仕込み量を表1に示す通りとした以外は、実施例1と同様にして重合を行った。これらの結果を表1に示す。尚、比較例3については、製造時にポリマーがリアクター内で固化し、所望の分子量のポリマーを製造することができなかった。
比較例4
攪拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、金属触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
攪拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、金属触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸193.2g(60モル%)
2,6−ナフタレンジカルボン酸74.0g(20モル%)
4,4’−ジヒドロキシビフェニル63.7g(20モル%)
酢酸カリウム触媒22.5mg(金属カリウムとして30重量ppm(対ポリマー合計重量))
無水酢酸178.1g
原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に350℃まで5時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(即ち1330Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出した。
2,6−ナフタレンジカルボン酸74.0g(20モル%)
4,4’−ジヒドロキシビフェニル63.7g(20モル%)
酢酸カリウム触媒22.5mg(金属カリウムとして30重量ppm(対ポリマー合計重量))
無水酢酸178.1g
原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に350℃まで5時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(即ち1330Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出した。
次いで、ホットプレスにて、フィルムの厚みが0.05mmになるように温度・圧力を調節してフィルムを作製し、体積膨張率を測定した。
この結果を表1に示す。
この結果を表1に示す。
(表の註)
HBA;4−ヒドロキシ安息香酸
NDA;2,6−ナフタレンジカルボン酸
HQ;ヒドロキノン
HNA;6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
BP;4,4’−ジヒドロキシビフェニル
HBA;4−ヒドロキシ安息香酸
NDA;2,6−ナフタレンジカルボン酸
HQ;ヒドロキノン
HNA;6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
BP;4,4’−ジヒドロキシビフェニル
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