JPH11277618A - 液晶樹脂のブロー成形法 - Google Patents

液晶樹脂のブロー成形法

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JPH11277618A
JPH11277618A JP8104098A JP8104098A JPH11277618A JP H11277618 A JPH11277618 A JP H11277618A JP 8104098 A JP8104098 A JP 8104098A JP 8104098 A JP8104098 A JP 8104098A JP H11277618 A JPH11277618 A JP H11277618A
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JP
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liquid crystal
temperature
blow molding
crystal resin
polymer
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JP8104098A
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English (en)
Inventor
Kenji Hijikata
健二 土方
Ayako Uda
亜矢子 右田
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Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
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Publication date
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶樹脂の優れた特性を活かしながら、尚且
つ、溶融張力の必要とされる加工性を得て、液晶樹脂の
ブロー成形を可能にする。 【解決手段】 ポリマーの全構成ユニットの50モル%以
上がヒドロキシ安息香酸残基である液晶樹脂を、予めそ
の融点(Tm)以下の温度で少なくとも1時間熱処理し、
次いで(Tm+20℃)以下の温度でブロー成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶樹脂のブロー成
形法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】液晶性
ポリエステルに代表される液晶樹脂は、優れた耐熱性、
機械強度、寸法安定性、及び低気体透過性をもつことが
知られており、溶融粘性が低いこともあって、射出成形
分野では加工性に優れ、広い分野で利用されている。と
ころが、液晶樹脂は、その液晶性を利用している故に、
溶融粘度は極めて低く、反面溶融張力が必要とされるブ
ロー成形や延伸を必要とするフィルム等の加工には不向
きとされ、その加工は極めて限定された方法によらざる
を得ず、一般的な手法では加工が極めて困難であった。
例えば、従来よりポリオレフィンで挟んで延伸フィルム
を得たり、金属と複合化させたラミネートフィルムを得
たりする方法をとらざるを得なかった。特に中空部品や
容器類等有用な部品を効率的に得られるブロー成形の分
野では、液晶樹脂は溶融粘度が低く、溶融張力が小さい
ために、パリソンがドローダウンしてしまい成形加工が
出来なかった。ブロー成形を可能とするためには、パリ
ソンのドローダウンや、ブロー時の成形品の破れや偏肉
を防止するために、一般に樹脂の伸長粘度又は溶融張力
を上げることが必要条件とされている。即ち、溶融張力
を増大させるにはポリマー骨格に剛直性を阻害させるよ
うなモノマーを導入しなくてはならず、加工性を持たせ
るほどの溶融張力を得るには液晶性が阻害されてしま
い、液晶性であるが故の優れた特性を失ってしまうとい
う問題があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、液晶樹脂
の優れた特性を活かしながら、尚且つ、溶融張力の必要
とされる加工性を得るという相矛盾する課題を解決すべ
く、鋭意検討を重ねた結果、特定の液晶樹脂を選択使用
し、且つ予め特定温度範囲で熱処理しておけば、特定温
度範囲であれば好適にブロー成形可能であることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。即ち本発明
は、ポリマーの全構成ユニットの50モル%以上がヒドロ
キシ安息香酸残基である液晶樹脂を、予めその融点(T
m)以下の温度で少なくとも1時間熱処理し、次いで(T
m+20℃)以下の温度でブロー成形することを特徴とす
る、液晶樹脂のブロー成形法である。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶樹脂のブロー
成形法を構成する要件について説明する。先ず、本発明
における予め行う熱処理について説明する。本発明でブ
ロー成形加工前に予め行う熱処理の温度は、液晶樹脂で
は結晶から液晶相への転移点であるいわゆる融点に相当
するTm以下の温度であり、厳密にはDSC 測定機の降温時
での結晶化温度以下の温度である。しかしながら、液晶
性であるが故のピークの判定が困難な場合も想定される
時は、顕微鏡でのクロスニコル下での相判定を合わせ持
ってすれば良い。予め行う熱処理の温度は、Tm以下の温
度であれば良いが、経済効率を考え、なるべく高い温度
の方が好ましく、具体的には(Tm−80℃)以上が好まし
く、更に好ましくは特定骨格の樹脂の性質上、(Tm−50
℃)以上が好ましい。また、熱処理の時間は少なくとも
1時間であり、1〜3時間が適当である。3時間を越え
て熱処理しても効果が飽和する。熱処理は、通常、窒素
気流下、若しくは乾燥空気下での加熱状態を保てれば良
く、機器の種類は問わない。このような熱処理により、
溶融状態での微結晶が発生する。一般的には、フィルム
において、径が1〜10μm の微結晶を、(Tm+20℃)以
下の温度におけるクロスニコル下の顕微鏡視野内に0.05
%以上存在することが確認できる。微結晶の存在とブロ
ー成形性及び樹脂組成は密接な関係を持っている。即
ち、ブロー成形に必要とされるような溶融粘性は通常は
分子鎖を分岐させることで発現させるのが一般的である
が、その場合多官能基を含むコモノマーと分岐度を制御
させる煩雑な工程を経る必要がある。本発明は微結晶を
発現させることで、分子鎖を分岐すると同じ機能を持た
せることができ、且つ液晶性に由来する樹脂本来の溶融
時の低粘性を保持できる。また、本発明は幅広く液晶性
樹脂骨格を持つものに対し有効である。尚、本発明の熱
処理条件は、処理された液晶樹脂が実質的に分子量の増
加を伴わないことで、固相重合とは明らかに区別され
る。分子量が増加しないことは、一般的な評価方法であ
る極限粘度が増加しないことで確認できる。また、間接
的には、縮合離脱物をトラップし、酢酸成分が、溶融重
合時に発生した残留微量分以外は実質的に含まれていな
いことで確認できる。
【0005】次に、ブロー成形について説明する。ブロ
ー成形の加工温度は(Tm+20℃)以下の温度であること
が必要である。予め行う熱処理が完璧なほど、加工温度
は高くしても良いが、熱処理のばらつきを考慮すると、
いわゆるTm以下の温度が好適である。Tm以上とTm未満で
は明らかに成形加工性に差があり、Tm未満では加工可能
ではあるが、ドローダウンがやや大きくなる。型内での
転写性、外観性状を考慮すると、Tm以上の温度でブロー
成形を行うのが望ましい。ブロー成形の加工温度の下限
は(Tm−20℃)程度である。好ましい温度範囲は、Tm〜
(Tm+20℃)である。
【0006】これらは部品の大きさや形状の複雑さ等で
使い分けが可能である。ブロー成形機でいう加工温度は
シリンダー温度、ダイ温度をいうが、いずれも本温度範
囲が必要である。
【0007】本発明に用いる液晶樹脂は、ポリマーの全
構成ユニットの50モル%以上がヒドロキシ安息香酸残基
よりなるポリエステルが好ましい。また、ポリエステル
単独でも良いが、ポリマー骨格中にアミド結合を導入し
たポリエステルアミドも同様に好ましい例である。アミ
ド結合は上述のヒドロキシ安息香酸残基の限定に加え、
更に全結合単位の内、アミド結合を2乃至15モル%含む
ものが好ましい。効果の発現が強化される範囲であり、
それ以上では液晶性に由来する諸特性を阻害する。本発
明でいう液晶樹脂は以下 (1)〜(6) までの構成で示され
る。 (1)-OC-Ar1-O- (2)-OC-Ar2-COO-Ar3-O- (3)-[OC-Ar2-COO-(CH2)nO]l- (4)-OC-Ar2-CONH-Ar4-NH- (5)-OC-Ar2-CONH-Ar4-O- (6)-NH-Ar4-CO- (ここでAr1 は1,4 −フェニレン、又は1,4 −フェニレ
ン、2,6 −ナフタレン、4,4'−ビフェニレンから選ばれ
た2種以上。Ar2 は、1,3 −フェニレン、1,4 −フェニ
レン、4,4'−ビフェニレン、2,6 −ナフタレンより選ば
れた1種若しくは2種以上。Ar3 は、1,3 −フェニレ
ン、1,4 −フェニレン、2,6 −ナフタレン、パラ位でつ
ながるフェニレン数2以上の化合物の残基、又はパラ位
のフェニレン間を-O- 、-CH2- 、-CO-、-S- 、-SO-、-S
O2- 、-CH3CCH3- 、-CF3CCF3- 、及び-O-(CH2)m-O-{m
=2〜6}により結合された化合物から選ばれた1種若
しくは2種以上。Ar4 は、1,3 −フェニレン、1,4 −フ
ェニレン、4,4'−ビフェニレン、2,6 −ナフタレン、パ
ラ位でつながるフェニレン数2以上の化合物の残基、又
はパラ位のフェニレン間を-O- 、-CH2- 、-CO-、-S- 、
-SO-、-SO2- 、-CH3CCH3- 、及び-O-(CH2)m-O-{m =2
〜6}より選ばれた1種若しくは2種以上。l は数平均
値として2〜200 から選ばれ、n は2〜6より選ばれ
る。) (1)〜(4) の構成成分の内、(1) は全構成単位のうちの5
0%以上であり、(1)単独でも良い。(2) 及び(3) は各々
が0乃至50%であり、(4) 、(5) 及び(6) は各々が0乃
至30%である。(4) 、(5) 及び(6) で示されるアミド結
合は全結合単位の0乃至15%が好ましい。
【0008】上記 (1)〜(6) の構成単位を具現化するに
は、通常のエステル若しくはアミド形成能を有する種々
の化合物が使用される。以下に本発明を構成する液晶ポ
リエステル若しくはポリエステルアミドを形成するため
に必要な原料化合物について、順を追って詳しく説明す
る。ヒドロキシカルボン酸成分(1) において、Ar1 は1,
4 −フェニレン、又は1,4−フェニレン、2,6 −ナフタ
レン、4,4'−ビフェニレンから選ばれた2種以上であ
る。このヒドロキシカルボン酸成分(1) の量は、全構成
単位に対して50%以上であり、好ましくは60%以上であ
る。ヒドロキシカルボン酸成分の内、特に1,4−フェニ
レンが好ましく、(1) 成分単独の場合はヒドロキシカル
ボン酸成分の60%が1,4 −フェニレンであることが好ま
しい。(1) 成分単独でない場合は、1,4−フェニレン1
種のみの方が好ましい。1,4 −フェニレンで表される成
分はヒドロキシ安息香酸残基に等しい。この(1) 成分は
50%を切ると、熱処理による加工性が発現せず、パリソ
ンのドローダウンを起こし好ましくない。又、ヒドロキ
シカルボン酸成分(1) は分子量調整剤として、5%以下
の少量のジカルボン酸、ジオール、ジアミン若しくは単
官能基を有するエステル又はアミド結合生成可能な化合
物を含んでも良い。
【0009】アリレート成分(2) は、ジカルボン酸及び
ジオールからなり、ジカルボン酸成分Ar2 は、1,3 −フ
ェニレン、1,4 −フェニレン、4,4'−ビフェニレン、2,
6 −ナフタレンより選ばれた1種若しくは2種以上であ
る。ジオール成分であるAr3は、1,3 −フェニレン、1,4
−フェニレン、2,6 −ナフタレン、パラ位でつながる
フェニレン数2以上の化合物(例えば4,4'−ビフェニレ
ン等)の残基から、又はパラ位のフェニレン間を-O-
(例えば4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル)、-C
H2- (例えば4,4 −ジヒドロキシジフェニルメタン)、
-CO-(例えば4,4'−ジヒドロキシジフェニルケトン)、
-S- (例えば4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド)、-SO-(例えば4,4'−ジヒドロキシジフェニルスル
フォン)、-SO2- (例えば4,4'−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホノキサイド)、-CH3CCH3- (例えば4,4'−イソ
プロピリデンジフェノール、-CF3CCF3- (例えば4,4'−
ヘキサフロロイソプロピリデンジフェノール)、及び-O
-(CH2)m-O- {m =2〜6}(例えば4,4'−(エチレン
ジオキシ)ジフェノール)により結合された化合物から
選ばれた1種若しくは2種以上である。そしてジカルボ
ン酸及びジオールの各々の量は実質的に等量であり、そ
の合計量は全構成単位に対して50%を越えない量であ
り、(1) 成分との兼ね合いで必要量が決定され、本成分
は用いなくても良い。尚、以上のジカルボン酸及びジオ
ール単位をポリマー中に導入するために、ジカルボン酸
やジオール以外のエステル形成性誘導体を用いることが
出来る。
【0010】次にポリエステル成分(3) において、ジカ
ルボン酸成分Ar2 は、1,3 −フェニレン、1,4 −フェニ
レン、4,4'−ビフェニレン、2,6 −ナフタレンより選ば
れた1種若しくは2種以上であり、n は2乃至6(好ま
しくは2)であり、具体的にはポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられ、このポ
リエステル成分(3) の量は全構成成分に対し、50%を超
えない量であり、好ましくは0乃至15%である。15%を
越えると耐熱性が低下する等好ましくない。次に繰り返
し単位l は数平均値として2乃至 200から選ばれ、形態
はペレットやリサイクル粉砕品等を用いることが出来
る。これらのポリエステルは業界周知の一般的方法によ
って製造することが出来る。
【0011】(4) 、(5) 、(6) で表されるアミド成分に
おいて、ジカルボン酸成分Ar2 は、1,3 −フェニレン、
1,4 −フェニレン、4,4'−ビフェニレン、2,6 −ナフタ
レンより選ばれた1種若しくは2種以上であり、アミノ
基を有するAr4 は1,3 −フェニレン、1,4 −フェニレ
ン、4,4'−ビフェニレン、2,6 −ナフタレン、パラ位で
つながるフェニレン数2以上の化合物の残基、又はパラ
位のフェニレン間を-CO-、-CH2- 、-CO-、-S- 、-SO-、
-SO2- 、-CH3CCH3- 、及び-O-(CH2)m-O-{m =2〜6}
より選ばれた1種若しくは2種以上である。より具体的
にはパラキシリレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニ
ル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、パラアミノフェ
ノール、パラアミノ安息香酸等のモノマーによる残基が
好ましい。アミド成分は0乃至30%が好ましい。更に好
ましくは3乃至20%である。結合単位では全結合単位に
対しアミド結合が2乃至15%が好ましい範囲である。ア
ミド成分は用いなくても良いが、本範囲の適量を用いる
ことで熱処理による加工性の発現が更に強化される。
【0012】本発明の液晶ポリエステル若しくは液晶ポ
リエステルアミドは、直接重合法やエステル交換法を用
いて重合され、重合に際しては、通常、溶媒重合法や溶
融重合法、スラリー重合法等が用いられる。これらの重
合法に際しては種々の触媒を用いることが出来、代表的
なものは、ジアルキル錫酸化物、ジアリール錫酸化物、
二酸化チタン、アルコキシチタン珪酸塩類、チタンアル
コラート類、カルボン酸のアルカリ及びアルカリ土類金
属塩類、BF3 の如きルイス酸塩等が挙げられる。触媒の
使用量は、一般的にはモノマー全重量に対して、約 0.0
01乃至1重量%が好ましい。これらの重合法により製造
されたポリマーは、更に減圧又は不活性ガス中で加熱す
る固相重合との差により分子量の増加を計ることが出来
る。
【0013】本発明でいう液晶樹脂、即ち溶融時に光学
的異方性を示すことと同義であり、極めて低い気体透過
性や寸法安定性、耐薬品性等の優れた特性は液晶樹脂故
に発現する性質であり、本発明で不可欠な要素である。
溶融時に異方性を示す性質は、直交偏光子を利用した通
常の偏光検査方法により確認することが出来る。より具
体的な溶融異方性の確認は、オリンパス社製偏光顕微鏡
を使用し、リンカム社製ホットステージに載せた試料を
溶融し、窒素雰囲気下で 150倍の倍率で観察することに
より実施出来る。前述のポリマーは、光学的に異方性で
あり、直交偏光子間に挿入したとき光を透過させる。試
料が光学的に異方性であると、例えば溶融静止状態であ
っても偏光は透過する。
【0014】次に本発明の液晶樹脂には、使用目的に応
じて各種の繊維状、粉粒状、板状の無機及び有機の充填
剤を配合することが出来る。繊維状充填剤としては、ガ
ラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シ
リカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊
維、窒化硅素繊維、ホウ素繊維、チタン酸カリ繊維、更
にステンレス繊維、アルミニウム、チタン、銅、真鍮
等、金属繊維状物等の無機質繊維状物質が挙げられる。
尚、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂等の高
融点有機質繊維状物質も使用出来る。粉粒状充填剤とし
ては、カーボンブラック、黒鉛、シリカ、石英粉末、ガ
ラスビーズ、ミルドガラスファイバー、ガラスバルー
ン、ガラス粉、硅酸カルシウム、カオリン、タルク、ク
レー、珪藻土、ウォラストナイトの如き硅素酸塩酸化
酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、アルミ
ナの如き金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム
の如き金属の硫酸塩、その他フェライト、炭化硅素、窒
化硅素、窒化ホウ素、各種金属粉末等が挙げられる。
又、板状充填剤としては、マイカ、ガラスフレーク、各
種の金属箔等が挙げられる。有機充填剤の例を示せば、
芳香族ポリエステル繊維、他の液晶性ポリマー繊維、芳
香族ポリアミド繊維、ポリイミド繊維等の耐熱性高強度
合成繊維である。これらの無機及び有機充填剤は1種又
は2種以上併用出来る。無機充填剤の配合量は、組成物
全量に対して、1乃至80重量%である。これらの充填剤
の使用に当たっては、必要ならば集束剤又は表面処理剤
を使用することが望ましい。
【0015】更に本発明の液晶樹脂には本発明の企図す
る目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂を補助的に
添加しても良い。この場合に使用する熱可塑性樹脂の例
を示すと、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等の芳香族ポリエステル、ポリアセター
ル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ABS 、ポリフェニレンオキシド、ポリフ
ェニレンスルフィド、フッ素樹脂等を挙げることが出来
る。又、これらの熱可塑性樹脂は2種以上混合して使用
することが出来る。
【0016】また、熱可塑性ポリマーに通常用いられる
酸化防止剤(例えばトリデシルフォスファイト等のリン
化合物、又は商品名イルガノックス1010等のヒンダード
フェノールを含む化合物等)、滑剤(例えばステアリル
アルコール、ポリエチレンワックス等)、難燃剤(例え
ば臭素化ビスフェノールA等のハロゲン化合物や、有機
リン化合物からなるポリマーや、三酸化アンチモン等の
アンチモン化合物等)等の業界周知の添加物の使用は目
的に応じて選択使用が可能である。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、液晶樹脂を簡易にブロ
ー成形加工することが可能であり、これにより得られる
成形部品は優れた耐熱性、機械強度、寸法安定性、及び
低気体透過性をもち、各種の容器、パイプや中空部品に
好適である。
【0018】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、
実施例で行った特性評価の方法は以下の通りである。 (1) 液晶性ポリエステル樹脂の融点 JIS K7121 に基づき、得られた液晶性樹脂ペレットを、
示差熱分析法(DSC )により昇温温度10℃/min で測定
した。 (2) ドローダウン傾向 ブロー成形機(プラコー社製S-45ND)からパリソンの長
さが120mm に達するまで押し出して、10秒後のパリソン
長を測定し、 130mm以内を(微)、 130〜150mm を
(小)、150mm 以上を(大)とした。又、パリソンが自
重により切断落下したものを(DD)とした。尚、樹脂の
吐出速度は500g/min.である。 (3) 成形品の外観性状(斑点、表面荒れ) 目視により、成形品表面の斑点、表面荒れについて評価
し、優、良、可、不良にランク付けした。 (4) 酸素透過率 ブロー成形部品を切り出し、JIS K7126 に基づき測定を
行った。 (5) 微結晶の確認 クロスニコル下のリンカム社製加熱顕微鏡を用い、倍率
200 倍でTm+20℃において、径が1〜10μm の微結晶の
存在を確認した。写真撮影による視野内の0.05%以上を
○、以下を×とした。
【0019】製造例1(ポリマーA の合成) ヒドロキシ安息香酸 345重量部、ヒドロキシナフトエ酸
175重量部、酢酸カリウム0.02重量部、無水酢酸 350重
量部を各々攪拌機及び留出管を備えた反応機に仕込み、
十分に窒素置換した後、常圧下で 150℃まで温度を上
げ、攪拌を開始した。 150℃で30分攪拌し、更に徐々に
温度を上昇させ、副生する酢酸を留去した。温度が 300
℃に達したところで、徐々に反応器中を減圧させ5torr
の圧力で1時間攪拌を続け、固有粘度 7.0の液晶ポリマ
ーA を得た。続いて該ポリマーをペレット化した。
【0020】製造例2(ポリマーB の合成) ヒドロキシ安息香酸 280重量部、ヒドロキシナフトエ酸
25重量部、ジヒドロキシビフェニル 110重量部、テレフ
タル酸 100重量部、酢酸カリウム0.02重量部、無水酢酸
350重量部を各々攪拌機及び留出管を備えた反応機に仕
込み、十分に窒素置換した後、常圧下で 150℃まで温度
を上げ、攪拌を開始した。 150℃で30分攪拌し、更に徐
々に温度を上昇させ、副生する酢酸を留去した。温度が
370℃に達したところで、徐々に反応器中を減圧させ5
torrの圧力で1時間攪拌を続け、固有粘度 6.2の液晶ポ
リマーB を得た。続いて該ポリマーをペレット化した。
【0021】製造例3(ポリマーC の合成) ヒドロキシ安息香酸 285重量部、ヒドロキシナフトエ酸
30重量部、ジヒドロキシビフェニル80重量部、アミノフ
ェノール25重量部、テレフタル酸 100重量部、酢酸カリ
ウム0.02重量部、無水酢酸 350重量部を各々攪拌機及び
留出管を備えた反応機に仕込み、十分に窒素置換した
後、常圧下で 150℃まで温度を上げ、攪拌を開始した。
150℃で30分攪拌し、更に徐々に温度を上昇させ、副生
する酢酸を留去した。温度が 360℃に達したところで、
徐々に反応器中を減圧させ5torrの圧力で1時間攪拌を
続け、固有粘度 6.5の液晶ポリマーC を得た。続いて該
ポリマーをペレット化した。
【0022】製造例4(ポリマーD の合成) ヒドロキシ安息香酸 200重量部、ヒドロキシナフトエ酸
80重量部、ハイドロキノン95重量部、テレフタル酸 100
重量部、イソフタル酸45重量部、酢酸カリウム0.02重量
部、無水酢酸 350重量部を各々攪拌機及び留出管を備え
た反応機に仕込み、十分に窒素置換した後、常圧下で 1
50℃まで温度を上げ、攪拌を開始した。150 ℃で30分攪
拌し、更に徐々に温度を上昇させ、副生する酢酸を留去
した。温度が 340℃に達したところで、徐々に反応器中
を減圧させ5torrの圧力で1時間攪拌を続け、固有粘度
6.0の液晶ポリマーD を得た。続いて該ポリマーをペレ
ット化した。
【0023】実施例1〜3 上記製造例1により得られたポリマーA に対し、各々真
空乾燥機にて表1に示す温度・時間の熱処理を行い、次
いで表1に示す温度でブロー成形を行い、前記特性を評
価した。結果を表1に示す。
【0024】比較例1〜5 上記製造例1により得られたポリマーA に対し、各々真
空乾燥機にて表1に示す温度・時間の熱処理を行い、次
いで表1に示す温度でブロー成形を行い、前記特性を評
価した。結果を表1に示す。
【0025】比較例6 上記製造例1により得られたポリマーA に対し、熱処理
を行うことなく表1に示す温度でブロー成形を行い、前
記特性を評価した。結果を表1に示す。
【0026】実施例4、比較例7 上記製造例2により得られたポリマーB に対し、各々真
空乾燥機にて表1に示す温度・時間の熱処理を行い、次
いで表1に示す温度でブロー成形を行い、前記特性を評
価した。結果を表1に示す。
【0027】実施例5、比較例8 上記製造例3により得られたポリマーC に対し、各々真
空乾燥機にて表1に示す温度・時間の熱処理を行い、次
いで表1に示す温度でブロー成形を行い、前記特性を評
価した。結果を表1に示す。
【0028】比較例9〜10 上記製造例4により得られたポリマーD に対し、各々真
空乾燥機にて表1に示す温度・時間の熱処理を行い、次
いで表1に示す温度でブロー成形を行い、前記特性を評
価した。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】* ヒドロキシ安息香酸残基 ** cm3mm/m2.d.MPa ×10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーの全構成ユニットの50モル%以
    上がヒドロキシ安息香酸残基である液晶樹脂を、予めそ
    の融点(Tm)以下の温度で少なくとも1時間熱処理し、
    次いで(Tm+20℃)以下の温度でブロー成形することを
    特徴とする、液晶樹脂のブロー成形法。
  2. 【請求項2】 予め行う熱処理が、(Tm−80℃)以上で
    且つTm以下の温度範囲で行われる請求項1記載の液晶樹
    脂のブロー成形法。
  3. 【請求項3】 成形加工温度がTm以下の温度である請求
    項1又は2記載の液晶樹脂のブロー成形法。
  4. 【請求項4】 液晶樹脂が、ポリマーの全構成ユニット
    の50モル%以上がヒドロキシ安息香酸残基であり、且つ
    全結合単位の内、アミド結合を2乃至15モル%含む液晶
    ポリエステルアミドである請求項1〜3の何れか1項記
    載の液晶樹脂のブロー成形法。
  5. 【請求項5】 予め行う熱処理により、径が1〜10μm
    の微結晶を、(Tm+20℃)以下の温度におけるクロスニ
    コル下の顕微鏡視野内に0.05%以上存在せしめた液晶樹
    脂をブロー成形に供する請求項1〜4の何れか1項記載
    の液晶樹脂のブロー成形法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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