JP2008087996A - 単結晶引上装置及び単結晶の製造方法 - Google Patents

単結晶引上装置及び単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】チョクラルスキー法によってルツボからシリコン単結晶を引上げる単結晶引上装置において、育成する単結晶が大口径であっても、単結晶中のカーボン濃度を低減することのできる単結晶引上装置及び単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】ルツボ3の上方からルツボ内に不活性ガスを供給するガス供給手段13、14、17と、ルツボ内を通過した不活性ガスを炉体外に排気する排気手段18、19と、単結晶Cの周囲を包囲するよう上部と下部が開口形成され、単結晶Cに対する輻射熱を遮蔽する輻射シールド6とを備え、輻射シールド6は、ルツボ3との間に隙間Lを形成すると共に、隙間Lの最小寸法がルツボ内の溶融液面面積の10%以上35%以下となるよう配置され、ガス供給手段13、14、17によりルツボ3内に供給された不活性ガスは、隙間Lを経由して排気手段18、19により排気される。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)によって単結晶を育成しながら引上げる単結晶引上装置及び単結晶の製造方法に関する。
シリコン単結晶の育成に関し、CZ法が広く用いられている。この方法は、ルツボ内に収容されたシリコンの溶融液の表面に種結晶を接触させ、ルツボを回転させるとともに、この種結晶を反対方向に回転させながら上方へ引上げることによって、種結晶の下端に単結晶を形成していくものである。
図4に示すように、従来のCZ法を用いた引上げ法は、先ず、石英ガラスルツボ51に原料シリコンを装填し、カーボンヒータ52により加熱してシリコン融液Mとする。しかる後、引上げ用のワイヤ50に取り付けられた種結晶Pをシリコン融液Mに接触させてシリコン結晶Cを引上げる。
一般に、引上げ開始に先立ち、シリコン融液Mの温度が安定した後、図5に示すように、種結晶Pをシリコン融液Mに接触させて種結晶Pの先端部を溶解するネッキングを行う。ネッキングとは、種結晶Pとシリコン融液Mとの接触で発生するサーマルショックによりシリコン単結晶に生じる転位を除去するための不可欠の工程である。このネッキングによりネック部P1が形成される。また、このネック部P1は、一般的に、直径が3〜4mmで、その長さが30〜40mm以上必要とされている。
また、引上げ開始後の工程としては、ネッキング終了後、直胴部直径にまで結晶を広げるクラウン工程、製品となる単結晶を育成する直胴工程、直胴工程後の単結晶直径を徐々に小さくするテール工程が行われる。
尚、炉内においては、溶融液Mから発生したSiOガス等を排気するため、ルツボ51の上方から不活性ガスG(例えばArガス)がルツボ内に供給され、溶融液面上を通ってルツボ下方の排気口54から排気されるようになされている。
ところで近年においては、チャージ量増大に伴いルツボ51等のホットゾーン構造が大型化している。このため、従来行なわれていた10mbar(約7.5torr)程度の炉内圧下での操業から、100〜300mbar(約75〜約225torr)という高めの炉内圧下での操業が主流となっている。
ところが、炉内圧が高くなると、溶融中にカーボンヒータ52等から発生したCOガスが溶融液Mに混入して結晶中に取り込まれやすくなり、結晶中のカーボン濃度が高くなるという問題があった。
このような問題を解決するため、特許文献1には、溶融中の炉内圧を5〜60mbar(約3.75〜約40torr)と低く制御することにより溶融液MへのCOガスの混入を防ぎ、シリコン単結晶中のカーボン濃度を低減する方法が開示されている。
特許第2635456号公報
前記特許文献1に開示の方法によれば、その実施例に記載の通り、直径6インチ(152.4mm)程度の単結晶育成に対してはカーボン濃度を低減することができる。
しかしながら、より大口径の単結晶を育成する場合、炉内圧が低い状態で大量の原料シリコンを溶融するには、カーボンヒータ52による加熱力を増大させねばならず、その結果、炉体内にはカーボンヒータ52等のカーボン部材からCOガスが大量に発生し、単結晶のカーボン濃度に影響を及ぼすという問題があった。
即ち、育成する単結晶が大口径であれば、原料シリコン溶融から単結晶引上げまでの操業時間が長くなる。このため、溶融液Mは長時間COガスに曝されることになり、炉内圧が低く制御されても、COガスが溶融液に混入し、結果的に育成した単結晶中のカーボン濃度が高くなるという課題があった。
特に、ルツボ内のガス流路形成においては、従来は図4に示すように不活性ガスGの乱流が発生しやすく、炉内で発生したCOガスが、乱流に巻き込まれて溶融液面上で滞り、COガスが溶融液により混入し易くなるという技術的課題があった。
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、チョクラルスキー法によってルツボからシリコン単結晶を引上げる単結晶引上装置において、育成する単結晶が大口径であっても、単結晶中のカーボン濃度を低減することのできる単結晶引上装置及び単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係る単結晶引上装置は、炉体内のルツボで原料シリコンを溶融し、チョクラルスキー法によって前記ルツボから単結晶を引上げる単結晶引上装置において、前記ルツボの上方から前記ルツボ内に不活性ガスを供給するガス供給手段と、前記ルツボ内を通過した前記不活性ガスを前記炉体外に排気する排気手段と、前記ルツボの上方において前記単結晶の周囲を包囲するよう上部と下部が開口形成され、前記単結晶に対する輻射熱を遮蔽する輻射シールドとを備え、前記輻射シールドは、前記ルツボとの間に隙間を形成すると共に、該隙間の最小寸法が前記ルツボ内の溶融液面面積の10%以上35%以下となるよう配置され、前記ガス供給手段により前記ルツボ内に供給された前記不活性ガスは、前記隙間を経由して前記排気手段により排気されることに特徴を有する。
尚、前記輻射シールドの外周面には環状突起部が形成され、前記環状突起部と前記ルツボ内周面とにより前記隙間が形成されていることが好ましい。
或いは、前記輻射シールドの外周面は前記ルツボの内周面に平行に形成され、前記輻射シールドの外周面と前記ルツボの内周面とにより前記隙間が形成されている構成としてもよい。
このようにガス流路に所定寸法の隙間が設けられることによって、カーボンヒータから発生したCOガスのルツボ内への流れ込みを防止することができる。
また、前記隙間によって、ルツボを通過するガス流が整流されるため、ルツボ内の乱流発生が抑制され、ルツボ上方からルツボ内に入り込んだCOガスや溶融液から発生したSiOガスが滞ることなく、それらをルツボから排気することができる。
したがって、育成する単結晶が大口径であっても、単結晶中のカーボン濃度を低減することができ、有転位化の発生を抑制することができる。
また、前記した課題を解決するために、本発明に係る単結晶引上方法は、前記いずれかに記載の単結晶引上装置を用い、前記ルツボから単結晶を引上げる単結晶の製造方法において、炉内圧をA(torr)とし、炉体内に導入する前記不活性ガスの流量をB(L/min)とすると、1000(torr・L/min)≦A・B≦10000(torr・L/min)の条件を満たして前記原料シリコンを溶融するステップと、5000(torr・L/min)≦A・B≦20000(torr・L/min)の条件を満たして単結晶を引上げるステップとを実行することに特徴を有する。
このように、炉内圧及びArガスの流量を制御することにより、よりCOガスの溶融液への混入を抑制することができ、単結晶中のカーボン濃度を効果的に低減することができる。
本発明によれば、チョクラルスキー法によってルツボからシリコン単結晶を引上げる単結晶引上装置において、育成する単結晶が大口径であっても、単結晶中のカーボン濃度を低減することのできる単結晶引上装置及び単結晶の製造方法を得ることができる。
以下、本発明に係る単結晶引上装置の実施の形態について図面に基づき説明する。図1は本発明に係る単結晶引上装置1の全体構成を示すブロック図である。
この単結晶引上装置1は、円筒形状のメインチャンバ2aの上にプルチャンバ2bを重ねて形成された炉体2と、炉体2内に設けられたルツボ3と、ルツボ3に装填された半導体原料(原料シリコン)Mを溶融するカーボンヒータ4とを有している。尚、ルツボ3は二重構造であり、内側が石英ガラスルツボ3a、外側が黒鉛ルツボ3bで構成されている。
また、炉体2の上方には、単結晶Cを引上げる引上げ機構5が設けられ、この引上げ機構5は、モータ駆動される巻取り機構5aと、この巻取り機構5aに巻き上げられる引上げワイヤ5bとにより構成される。そして、ワイヤ5bの先端に種結晶Pが取り付けられ、単結晶Cを育成しながら引上げるようになされている。
また、図1に示すようにプルチャンバ2bの上部には、不活性ガスであるArガスGを炉体2内に供給するためのガス供給口13が設けられている。
このガス供給口13には、バルブ14を介してArガス供給源17が接続されており、バルブ14が開かれるとArガスGがプルチャンバ2b上部からルツボ3内に供給されるようになされている。即ち、ガス供給口13とバルブ14とArガス源17とによりガス供給手段が構成されている。
また、メインチャンバ2aの底面には、複数の排気口18が設けられ、この排気口18には排気手段としての排気ポンプ19が接続されている。即ち、排気口18と排気ポンプ19とにより排気手段が構成されている。
この構成において、排気ポンプ19が駆動し、前記バルブ14が開かれることにより、ガス供給口13からArガスGが炉体2内に供給され、ガス流を形成して排気口18から排気されるようになされている。
尚、ガス供給口13からのガス流量の調整は、バルブ14の開閉度及び排気ポンプ19の吸引強度を制御することによってなされる。
また、メインチャンバ2a内において、ルツボ3の上方且つ近傍には、単結晶Cの周囲を包囲するよう上部と下部が開口形成され、育成中の単結晶Cにカーボンヒータ4等からの余計な輻射熱を与えないようにするための輻射シールド6が設けられている。
輻射シールド6の外周面には水平方向に突出した環状突起部6aが形成されており、これにより石英ガラスルツボ3aの内周面との間に隙間Lが形成されている。この隙間Lの最小寸法は、溶融液Mの液面面積の10%以上35%以下となるよう設定される。
即ち、図2の拡大図に示すように、ルツボ3内に上方から供給されたArガスGは隙間Lを通ってルツボ外に排気されるが、このようにガス流路に隙間が設けられることによって、カーボンヒータ4から発生したCOガスのルツボ3内への流れ込みが防止される。
また、隙間Lによってルツボ3を通過するガス流が整流されるためルツボ3内の乱流発生が抑制され、ルツボ3上方からルツボ内に入り込んだCOガスが滞ることなくルツボ3から排気されるようになされている。
また、図1に示すように単結晶引上装置1は、シリコン融液Mの温度を制御するヒータ4の供給電力量を制御するヒータ制御部9と、石英ガラスルツボ3を回転させるモータ10と、モータ10の回転数を制御するモータ制御部10aとを備えている。さらには、石英ガラスルツボ3の高さを制御する昇降装置11と、昇降装置11を制御する昇降装置制御部11aと、成長結晶の引上げ速度と回転数を制御するワイヤリール回転装置制御部12とを備えている。これら各制御部9、10a、11a、12と前記バルブ14及び排気ポンプ19はコンピュータ8の演算制御装置8bに接続されている。
続いて、このような単結晶引上装置1を用いた単結晶Cの製造方法について説明する。尚、単結晶引上装置1においては、120〜400kgの原料シリコンから直径200〜300mmのシリコン単結晶を育成するものとする。
原料シリコンの溶融工程においては、最初にルツボ3に原料シリコンが装填されると共に、演算制御装置8bの指令によりバルブ14が開かれ、排気ポンプ16が駆動されて、炉体2内にArガスGの流路が形成される。
ここで、原料シリコン溶融時における炉内圧は、溶融液MへのCOガスの混入を抑制するため10torr以上80torr以下と低めに設定され、炉内に導入されるArガスの流量が100L/min以上200L/min以下となるよう制御される。
さらに好ましくは、炉内圧をA(torr)とし、炉体内に導入する前記不活性ガスの流量をB(L/min)とすると、
1000(torr・L/min)≦A・B≦10000(torr・L/min)
の条件を満たして原料シリコンを溶融するよう制御される。
尚、溶融中の炉内圧は、低いほど溶融液MへのCOガスの混入が抑制されるため、単結晶中のカーボン濃度を低くできるが、10torrから80torrとされるのは、炉内圧が低すぎると石英ガラスルツボ3a内面の荒れが大きくなり、単結晶が有転位化し易くなるためである。
次いで、コンピュータ8の記憶装置8aに記憶されたプログラムに基づき、先ず、演算制御装置8bの指令によりヒータ制御部9を作動させてヒータ4を加熱し、ルツボ3の原料シリコンの溶融作業が開始される。
シリコン溶融液Mが生成されると、単結晶引上げ作業が開始される。
ここで先ず、炉内圧は単結晶中の酸素濃度を制御するのに適した圧として30torr以上190torr以下とされ、炉内に導入されるArガスの流量が50L/min以上150L/min以下となるよう制御される。
さらに好ましくは、炉内圧をA(torr)とし、炉体内に導入する前記不活性ガスの流量をB(L/min)とすると、
5000(torr・L/min)≦A・B≦20000(torr・L/min)
の条件を満たして単結晶を引上げるよう制御がなされる。
尚、ArガスGの流量が多いほどガスの整流性が増し、単結晶中のカーボン濃度を低減するのに効果的であるが、コスト低減のためには上限150L/minが好ましい。
前記のように炉内圧及びArガスGの流路が形成されると、演算制御装置8bの指令によりモータ制御部10aと、昇降装置制御部11aと、ワイヤリール回転装置制御部12とが作動し、石英ガラスルツボ3が回転すると共に、巻取り機構5aが作動してワイヤ5bが降ろされる。そして、ワイヤ5bに取付けられた種結晶Pがシリコン融液Mに接触され、種結晶Pの先端部を溶解するネッキングが行われてネック部P1が形成される。
しかる後、演算制御装置8bの指令によりヒータ4への供給電力や、単結晶引上げ速度(通常、毎分数ミリの速度)などをパラメータとして引上げ条件が調整され、クラウン工程、直胴工程、テール部工程等の単結晶引上工程が順に行われる。
尚、この単結晶引上工程においてArガスGの流路は、図2に示すように形成される。
即ち、ガス供給口13から導入されたArガスGは炉内で発生したCOガスと共に輻射シールド6の上方からルツボ3内に導入されてシリコン溶融液Mの液面上を通過し、その後、溶融液Mから発生するSiOガスを伴い隙間Lを通過してルツボ3外へ導出される。
ここで、ガス流路に隙間Lが設けられることにより、カーボンヒータ4から発生したCOガスのルツボ3内への流れ込みが防止される。
また、隙間Lによってルツボ3を通過するガス流が整流されてルツボ3内の乱流発生が抑制され、ルツボ3上方からルツボ内に入り込んだCOガス及び溶融液Mから発生したSiOガスが滞ることなくルツボ3から排気される。
したがって、COガスの溶融液Mへの混入が抑制され、結晶中のカーボン濃度が低減されると共に、SiOガスの炉体内側面への結露、固体化が抑制され、単結晶育成中の有転位化が防止される。
尚、ルツボ3外に導出されたArガスG等のガスは、ルツボ3底部に設けられた排気口18から排気される。
以上のように本発明に係る実施の形態によれば、輻射シールド6の外周面に水平方向に突出した環状突起部6aが形成され、これにより石英ガラスルツボ3aの内周面との間に隙間Lが形成される。尚、この隙間Lの最小寸法は、溶融液面面積の10%以上35%以下に制御される。
即ち、ルツボ3内に上方から供給されたArガスGは隙間Lを通ってルツボ外に排気されるが、このようにガス流路に隙間Lが設けられることによって、カーボンヒータ4から発生したCOガスのルツボ3内への流れ込みを防止することができる。
また、隙間Lによってルツボ3を通過するガス流が整流されるためルツボ3内の乱流発生が抑制され、ルツボ3上方からルツボ内に入り込んだCOガスや溶融液Mから発生したSiOガスが滞ることなく、それらをルツボ3から排気することができる。
したがって、本発明の単結晶引上装置によれば、大口径の単結晶を育成する場合であっても、単結晶中のカーボン濃度を低減することができ、また、有転位化の発生を抑制することができる。
尚、前記実施の形態においては、図1、図2に示したように、すり鉢型の輻射シールド6の外周面に環状突起部6aが形成され、これにより石英ガラスルツボ3aの内周面との間に隙間Lが形成される構造としたが、本発明の単結晶引上装置1においては、これに限定されるものではない。
即ち、輻射シールドとルツボ3との間に隙間Lが形成されると共に、隙間Lの最小寸法が溶融液Mの液面面積の10%以上35%以下に設定され、且つ、ルツボ3内に上方から供給されたArガスGが前記隙間Lから排気される構造であればよい。
この構成を満たすものとして、例えば、図3に示すように輻射シールド6に換え、周側面が溶融液面に対し垂直に形成された輻射シールド20(ストレート型と呼ぶ)を用いてもよい。この輻射シールド20を用いた場合、図示するように、その外周面がルツボ3の内周面に略平行に形成され、且つルツボ3の内周面との間に隙間Lが形成された構造となされる。
即ち、この構成により、カーボンヒータ4から発生したCOガスのルツボ3内への流れ込みを防止することができ、ルツボ3内の乱流発生が抑制され、ルツボ3上方からルツボ内に入り込んだCOガスや溶融液Mから発生したSiOガスが滞ることなく、それらをルツボ3から排気することができる。
続いて、本発明に係る単結晶引上装置及び単結晶の製造方法について、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、前記実施の形態に示した構成の単結晶引上装置を用い、実際に実験を行うことにより、その効果を検証した。
〔実施例1〕
実施例1では、直径24インチの石英ガラスルツボに150kgの原料シリコンを充填し、直径200mmの単結晶の引上げを行ない、固化率90%位置での結晶中のカーボン濃度を測定した。
原料シリコン溶融時においては、炉内圧を20torrから60torrまで徐々に上昇させると共に、Arガス流量を180L/minから100L/minまで徐々に減少させた。
一方、単結晶引上げ時においては、炉内圧を60torrから120torrまで徐々に上昇させると共に、Arガス流量を100L/minから60L/minまで徐々に減少させた。
また、輻射シールドの環状突起部と石英ガラスルツボ内周面との間の隙間の最小寸法が、溶融液面の10%、30%、50%、70%の夫々の場合について実験を行なった。
この実施例1の結果を図6のグラフに示す。このグラフに示すように、固化率90%でのカーボン濃度は、前記隙間が10%、30%の場合、0.2×1016atoms/cm3となり、低い値が得られた。また、35%の場合においても炭素濃度が0.25×1016atoms/cm3と充分に低い値に抑えることができた。
一方、隙間が50%の場合、0.4×1016atoms/cm3となり、隙間が70%の場合、0.7×1016atoms/cm3となり、高めのカーボン濃度となった。
また、操業面では、隙間が10%、30%の場合、シリコン単結晶の有転位化が発生せず、良好であった。隙間が50%、70%では、夫々シリコン単結晶育成中に1回の有転位化が生じたが、その後、結晶を溶融液に戻し、再溶融すると有転位化せずに引上げることができた。
〔実施例2〕
実施例2では、直径32インチの石英ガラスルツボに350kgの原料シリコンを充填し、直径300mmの単結晶の引上げを行ない、固化率90%位置での結晶中のカーボン濃度を測定した。尚、輻射シールドとして、本実施の形態において図3に示したストレート型のものを使用した。
原料シリコン溶融時においては、炉内圧を10torrから60torrまで徐々に上昇させると共に、Arガス流量を200L/minから140L/minまで徐々に減少させた。尚、このとき、炉内圧をA(torr)とし、炉体内に導入する前記不活性ガスの流量をB(L/min)とすると、1000(torr・L/min)≦A・B≦10000(torr・L/min)の条件を満たすよう制御を行った。
一方、単結晶引上げ時においては、炉内圧を60torrから160torrまで徐々に上昇させると共に、Arガス流量を140L/minから110L/minまで徐々に減少させた。尚、このとき、炉内圧をA(torr)とし、炉体内に導入する前記不活性ガスの流量をB(L/min)とすると、5000(torr・L/min)≦A・B≦20000(torr・L/min)の条件を満たすよう制御を行った。
また、輻射シールドの外周面と石英ガラスルツボ内周面との間の隙間の最小寸法が、溶融液面の35%の場合について実験を行なった。
この実施例2の結果、固化率90%での結晶中のカーボン濃度は、0.2×1016atoms/cm3となり、低い値が得られた。
また、操業面では、有転位化が発生することなくシリコン単結晶を引上げることができた。
〔比較例1〕
比較例1では、石英ガラスルツボに120〜400kgの原料シリコンを充填し、直胴部直径200〜300mmの単結晶の引上げを行ない、固化率90%位置での結晶中のカーボン濃度を測定した。
尚、輻射シールドとして、すり鉢型の従来の型のものを使用した。この輻射シールドとルツボ内周面との間の距離寸法は、溶融液面面積の50〜70%であった。
また、原料シリコン溶融時においては、炉内圧を4〜45torrとし、単結晶引上げ時においては、炉内圧を75torr以上に設定した。
この比較例1の結果、固化率90%での結晶中のカーボン濃度は、0.7〜2.0×1016atoms/cm3となり、高いカーボン濃度となった。
以上の実施例の実験結果から、本発明の単結晶引上装置を用いて、炉内圧をA(torr)とし、炉体内に導入する前記不活性ガスの流量をB(L/min)とすると、1000(torr・L/min)≦A・B≦10000(torr・L/min)の条件を満たして原料シリコンを溶融し、5000(torr・L/min)≦A・B≦20000(torr・L/min)の条件を満たして単結晶を引上げることにより、結晶中のカーボン濃度を低減し、且つ有転位化の発生を抑制することができることを確認した。
本発明は、チョクラルスキー法によって単結晶を引上げる単結晶引上装置に関するものであり、半導体製造業界等において好適に用いられる。
図1は、本発明に係る単結晶引上装置の構成を模式的に示すブロック図である。 図2は、図1の単結晶引上装置の炉体内の不活性ガスのガス流を示す図である。 図3は、図1の単結晶引上装置が備える輻射シールドの他の形態を示す図である。 図4は、従来のCZ法を用いた引上げ法を説明するための図である。 図5は、従来のCZ法を用いた引上げ法においてネック部の形成を説明するための図である。 図6は、実施例の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 単結晶引上装置
2 炉体
2a メインチャンバ
2b プルチャンバ
3 ルツボ
4 ヒータ
5 引上げ機構
6 輻射シールド
6a 環状突起部
8 コンピュータ
8a 記憶装置
8b 演算記憶装置
13 ガス供給口(ガス供給手段)
14 バルブ(ガス供給手段)
17 Arガス供給源(ガス供給手段)
18 排気口
19 排気ポンプ(排気手段)
C 単結晶
G Arガス(不活性ガス)
M 原料シリコン、シリコン融液
P 種結晶
P1 ネック部

Claims (4)

  1. 炉体内のルツボで原料シリコンを溶融し、チョクラルスキー法によって前記ルツボから単結晶を引上げる単結晶引上装置において、
    前記ルツボの上方から前記ルツボ内に不活性ガスを供給するガス供給手段と、前記ルツボ内を通過した前記不活性ガスを前記炉体外に排気する排気手段と、前記ルツボの上方において前記単結晶の周囲を包囲するよう上部と下部が開口形成され、前記単結晶に対する輻射熱を遮蔽する輻射シールドとを備え、
    前記輻射シールドは、前記ルツボとの間に隙間を形成すると共に、該隙間の最小寸法が前記ルツボ内の溶融液面面積の10%以上35%以下となるよう配置され、前記ガス供給手段により前記ルツボ内に供給された前記不活性ガスは、前記隙間を経由して前記排気手段により排気されることを特徴とする単結晶引上装置。
  2. 前記輻射シールドの外周面には環状突起部が形成され、
    前記環状突起部と前記ルツボ内周面とにより前記隙間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載された単結晶引上装置。
  3. 前記輻射シールドの外周面は前記ルツボの内周面に平行に形成され、
    前記輻射シールドの外周面と前記ルツボの内周面とにより前記隙間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載された単結晶引上装置。
  4. 前記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の単結晶引上装置を用い、前記ルツボから単結晶を引上げる単結晶の製造方法において、
    炉内圧をA(torr)とし、炉体内に導入する前記不活性ガスの流量をB(L/min)とすると、
    1000(torr・L/min)≦A・B≦10000(torr・L/min)
    の条件を満たして前記原料シリコンを溶融するステップと、
    5000(torr・L/min)≦A・B≦20000(torr・L/min)
    の条件を満たして単結晶を引上げるステップとを実行することを特徴とする単結晶の製造方法。
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