JP2008081421A - イソチアゾロピリジン−3−オン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
これらのうち塩化(2−クロロチオ)ニコチニル化合物を用いる方法では、原料の塩化(2−クロロチオ)ニコチニル化合物を合成する際に塩素ガスを用いなければならず、その製造工程では塩素ガスは使用するために、取り扱いに困難さを有しており、できれば使用したしたくない反応とされる。さらに、塩素ガスが高い反応性を有しているため、ピリジン環への塩素化反応が副反応として起こるため、最終目的物が塩素化物との混合物となり、これを防ぐ意味でもピリジン環に置換基が必要となってくる。又、酸化反応を利用する反応の場合には、硫黄原子など部位が酸化される可能性がある。又、オキサジリジン化合物を用いる反応においては、原料化合物であるオキサジリジンを製造することができないので、工業的な方法として確立することはできない。2−メルカプトニコチノニトリルと硫酸を反応させる方法では、濃硫酸中で100℃に加熱するという過酷な反応条件を克服する必要がある。2−メルカプトニコチン酸とアジド化合物を反応させる方法では、アジド化合物は爆発性を有するため、反応に際して危険を伴うことが指摘されている。
下記一般式(A)で表されるイソチアゾロピリジン-3-オン化合物を製造する方法において、下記一般式(B)で表されるN−スルフェニルベンゾトリアゾール化合物に対して下記一般式(C)で表されるアミン化合物を反応させた後、塩基で処理することを特徴とするイソチアゾロピリジン-3-オン化合物の製造方法。
本発明の方法によれば、N−スルフェニルベンゾトリアゾール化合物に、アミン化合物を反応させた後に、塩基により処理すると、収率よく、目的とするイソチアゾロピリジン−3−オン化合物を合成することができる。従来のイソチアゾロピリジン−3−オン化合物を製造する場合には、塩素ガスを使用して製造した塩化スルフェニル化合物を反応中間物質として用いる。本発明の方法は、従来の製法と対比すると、製造過程には塩素を用いていないので、塩素を用いることにより引き起こされる危険性がなく、副反応も無い。したがって、従来知られている製造方法として比較して優れた方法である。
また、置換基R2は、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、置換もしくは非置換の芳香族基から選ばれる基を表す。
前記式中、R1の炭素数3〜8の環状のアルキル基の具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等が挙げられる。
前記式中、R1の炭素数1〜8のアルコキシル基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチロキシ、ヘキシロキシ、シクロヘキシロキシル基等が挙げられる。
前記式中、R1の炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、シクロプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチロキシカルボニル、ヘキシロキシカルボニル、シクロヘキシロキシルカルボニル基等が挙げられる。
前記式中、R1のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
前記式中のR2の鎖状アルキル基は炭素数1から8であり、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、t−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、t−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、t−オクチル基等が挙げられる。
同じく、R2の環状のアルキル基は炭素数3〜8であり、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基を挙げることができる。
前記式中、R2のアラルキル基は炭素数7から12であり、具体的には、ベンジル、フェネチル基等が挙げられる。
前記式中、R2の芳香族基は炭素数6〜12であり、具体的には、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、アニシル、クロロフェニル基を挙げることができる。
下記一般式(B)で表されるN−スルフェニルベンゾトリアゾール化合物に対し、下記一般式(C)で表されるアミン化合物を反応させ,その後塩基を反応させる。
前記式中、R3の炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル基等が挙げられる。
前記式中、R4の炭素数1〜8の鎖状のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル基等が挙げられる。
前記式中、R4の炭素数3〜8の環状のアルキル基の具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等が挙げられる。
前記式中、R4の炭素数1〜8のアルコキシル基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチロキシ、ヘキシロキシ、シクロヘキシロキシル基等が挙げられる。
前記式中、R4の炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、シクロプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチロキシカルボニル、ヘキシロキシカルボニル、シクロヘキシロキシルカルボニル基等が挙げられる。
前記式中、R4のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
反応時間は、反応温度の種類により左右され、一概に定めることはできないが、通常は2〜12時間である。その後、塩基を加えてさらに2〜12時間の反応を行う。
(B)の製法の一例を挙げれば、2−スルフェナモイルニコチン酸エステル化合物とベンゾトリアゾール化合物を反応させる製造方法を挙げることができる。
(C)は市販の化合物を用いることができる。
以下に述べる実施例は本発明の理解を容易にするために代表的な化合物の一例をあげたものであり、本発明はこれに限定されるものではない。下記実施例に記載されているイソチアゾロピリジン-3-オン化合物は、構造決定に際しては、各種スペクトルと元素分析の結果により同定した。
また、製造された化合物(1)〜(3)は、前記で示した化合物(1)〜(3)に対応するもので、その物性値としては、融点、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR,13C−NMR)、赤外吸収スペクトル(IR)の順にそれぞれ記した。
目的生成物の構造式は、化合物(1)のイソチアゾロピリジン-3-オン化合物であることを以下の結果から確認した。
融点:89.7−90.8℃。
1H-NMR(CDCl3)δ5.03 (2H, s), 7.33-7.37 (6H, m), 8.30 (1H, dd, J=7.9, 1.5 Hz), 8.73 (1H, dd, J=4.9, 1.8 Hz); 13C-NMR (CDCl3)δ47.4, 119.2, 120.6, 128.4, 128.9, 134.8, 135.6, 153.6, 162.3, 163.6; IR (KBr)νmax 1659, 1585, 1397, 1321, 1190, 758, 702 cm-1.
C13H10N2OSとしての元素分析値(%)
測定値:C, 64.39; H, 4.08; N, 11.69.
計算値:C, 64.44; H, 4.16; N, 11.56.
目的生成物の構造式は、化合物(2)のイソチアゾロピリジン-3-オン化合物であることを以下の結果から確認した。
融点:94.6−95.3℃。
1H-NMR(CDCl3)δ3.09 (2H, t, J=7.5 Hz), 4.16 (2H, t, J=7.5 Hz), 7.23-7.32 (5H, m), 7.35 (1H, dd, J=7.9, 5.0 Hz), 8.27 (1H, dd, J=7.9, 1.7 Hz), 8.74 (1H, dd, J=5.0, 1.7 Hz); 13C-NMR (CDCl3)δ35.5, 45.2, 119.3, 120.6, 126.9, 128.7, 128.8, 134.7, 137.4, 153.5, 162.2, 163.5; IR (KBr)νmax 1656, 1585, 1396, 1188, 754, 700, 502 cm-1.
C14H12N2OSとしての元素分析値(%)
測定値:C, 65.65; H, 4.62; N, 10.93.
計算値:C, 65.60; H, 4.72; N, 10.93.
目的生成物の構造式は、化合物(3)のイソチアゾロピリジン-3-オン化合物であることを以下の結果から確認した。
融点:89.7−90.8℃(文献値68−69℃)。
1H-NMR(CDCl3)δ0.98 (3H, t, J=7.5 Hz), 1.43 (2H, sextet, J=7.5 Hz), 1.78 (2H, quintet, J=7.5 Hz), 3.93 (2H, t, J=7.5 Hz), 7.36 (1H, dd, J=7.8, 4.7 Hz), 8.28 (1H, dd, J=7.8, 1.8 Hz), 8.75 (1H, dd, J=4.7, 1.8 Hz); 13C-NMR (CDCl3)δ13.8, 20.0, 31.7, 43.8, 119.8, 120.9, 135.0, 153.7, 162.4, 163.9; IR (KBr)νmax 1651, 1560, 1393, 1348, 1303, 1238, 759, 542 cm-1.
Claims (3)
- 下記一般式(A)で表されるイソチアゾロピリジン-3-オン化合物を製造する方法において、下記一般式(B)で表されるN−スルフェニルベンゾトリアゾール化合物に下記一般式(C)で表されるアミン化合物を反応させた後、塩基で処理することを特徴とするイソチアゾロピリジン-3-オン化合物の製造方法。
- 請求項1における反応をワンポットで行うことを特徴とするイソチアゾロピリジン-3-オン化合物の製造方法。
- 請求項1記載の塩基としてアルコールのアルカリ金属塩を用いることを特徴とするイソチアゾロピリジン-3-オン化合物の製造方法。
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