JP4747359B2 - 新規なn−スルフェニルピロール化合物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なN-スルフェニル置換複素環化合物であるN-スルフェニル置換ピロール化合物およびその製造方法に関するものである。
分子内に窒素−イオウ結合を有するスルフェンアミド化合物は、種々の機能性を持つことが報告されている(非特許文献1)。
たとえば、ゴムの加硫化剤(特許文献1,2)、発芽前処理用除草剤(特許文献3)、殺菌剤(特許文献4)等が知られている。特に、含窒素複素環化合物の窒素上にスルフェニル置換基を有する場合は、殺菌作用を有する化合物として有効であるとされている(特許文献5)。
ところで、新規なN−スルフェニルピロール化合物は、その構造がN−スルフェニル置換複素環化合物比較しても構造が単純で、利用しやすいと考えられるにもかかわらず、従来からあまり知られていない。これらの化合物を得ることは、当該技術の背景を考えると、重要なことである。
従来、N−スルフェニルピロール化合物を製造するには、ピロールとN−スルフェニルフタルイミド化合物やN−スルフェニルスクシンイミド化合物を塩基性条件下で反応させる方法が行われてきた(非特許文献2)。しかしこの方法においては、50%水酸化カリウム水溶液中という高濃度のアルカリ性溶液を用いなければならなかった。また、塩化スルフェニル化合物とピロールをカリウムt−ブトキシド存在下反応させる製造方法も報告されているが(非特許文献3),出発原料となる塩化スルフェニル化合物は、ジスルフィド類に対して、塩素を反応させるという方法を用いなければ製造できない化合物である。しかしながら、塩素は有毒なガスであり、取り扱いに注意をはらうにしても、製造に際しては危険を伴い、そのために製造工程では危険を回避する種々の手段を講ずる必要があった。また、塩素ガスの高い反応性から原料の芳香環に塩素分子が導入されるなど、塩素原子による副反応が起こる場合も考えられる。このようなことから、塩素を用いない製造方法の開発が望まれていた。
N−スルフェニルピロール化合物の製造方法において、塩素を用いない方法としてベンゼンスルフェンアミド化合物と2,5-ジアルコキシテトラヒドロフラン化合物を反応させて目的とするN−スルフェニルピロール化合物を製造する方法が開発されている(特許文献6)。この製造方法によって得られる化合物は、ピロール環に置換基を持たない化合物だけなので、塩素を用いることなく製造できる他のN−スルフェニルピロール化合物の開発が望まれていた。
特開昭64−48831号公報 米国特許第2866777号 特開昭53−31643号公報 特開昭55−51053号公報 米国特許第2888462号 特開2004−196730号公報 L. Craine and M.Raban, Chem. Rev. 89, 689 (1989). H. M. Gilow, Tetrahedron Lett., 27, 4689 (1986). R. Silvestri, E. Pagnozzi, G. Stefancich, and M.Artico, Synthetic Commun., 24, 2685 (1994).
本発明の課題は、新規なN−スルフェニルピロール化合物を提供することである。また、N−スルフェニルピロール化合物を製造するに際し、通常の方法である強塩基反応条件下で反応を行うこと、及び出発原料物質の製造に塩素を用いることなく、工業的に有利な新規な製造方法を提供することである。
本発明者らは、N−スルフェニルピロール化合物の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、スルフェンアミド化合物とγ-ジカルボニル化合物を反応させることにより、N−スルフェニル置換複素環化合物であるN−スルフェニルピロール化合物を高収率で、確実に得られることを新たに見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)下記一般式(A)で表されるN−スルフェニルピロール化合物。
Figure 0004747359
(式中、Arは、フェニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピリミジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基から選ばれる基を表す。これらの基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12の芳香族基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基から選ばれる基または原子を置換基として有していてもよい。
、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。)
(2)下記一般式(A)で表されるN−スルフェニルピロール化合物を製造する方法において、下記一般式(B)で表されるスルフェンアミド化合物に、下記一般式(C)で表されるγ-ジカルボニル化合物を反応させることを特徴とするN−スルフェニルピロール化合物の製造方法。
Figure 0004747359
(式中、Arは、フェニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピリミジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基から選ばれる基を表す。これらの基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12の芳香族基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基から選ばれる基または原子を置換基として有していてもよい。
、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。)
Figure 0004747359
(式中、Arは、フェニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピリミジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基から選ばれる基を表す。これらの基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12の芳香族基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基から選ばれる基または原子を置換基として有していてもよい。)
Figure 0004747359
(式中、R、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、及び炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。)
本発明で得られるN−スルフェニルピロール化合物は、新規物質であり、除草剤や殺菌剤として用いることができる。
本発明のN−スルフェニルピロール化合物の製造方法は、スルフェンアミド化合物とγ-ジカルボニル化合物を反応させる新規な製造方法であり、収率よく、確実に製造することができる。また、この方法は、他の従来方法で用いられる強塩基や塩素を用いることがないので、安全であり、環境にやさしい製造方法である。本発明の方法は、従来知られているこの種の方法と比較して優れた方法である。
本発明の目的化合物であるN−スルフェニルピロール化合物は、以下の一般式(A)により示される化合物である。
Figure 0004747359
(式中、Arは、フェニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピリミジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基から選ばれる基を表す。これらの基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12の芳香族基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基から選ばれる基または原子を置換基として有していてもよい。
、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。)
前記化合物(A)の置換基については以下の通りである。
Arは、フェニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピリミジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基から選ばれる基を表す。これらの基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12の芳香族基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基から選ばれる基または原子を置換基として有していてもよい。
素数1〜12のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニル、ドデシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数1〜12のアルコキシル基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t-ブトキシ、ペンチロキシ、ヘキシロキシ、シクロヘキシロキシル、ヘプチロキシ、オクチロキシ、ノニロキシ、デカニロキシ、ドデシロキシ基等が挙げられる。
炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、シクロプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、ペンチロキシカルボニル、ヘキシロキシカルボニル、シクロヘキシロキシカルボニル、ヘプチロキシカルボニル、オクチロキシカルボニル、ノニロキシカルボニル、デカニロキシカルボニル、ドデシロキシカルボニル基等が挙げられる。
炭素数6〜12の芳香族基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、アニシル基、ナフチル基等が挙げられる。
ハロゲン原子の具体例としては、塩素、フッ素、ヨウ素及び臭素が挙げられる。
、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、及び炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。
アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等が挙げられる。
芳香族基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、アニシル基、ナフチル基等が挙げられ、これらの芳香族基にはアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基等から選ばれる基及び原子から選ばれる置換基により置換されていてもよい。
下記一般式(A)で表されるN−スルフェニルピロール化合物を製造する方法は、以下の通りである。
下記一般式(B)で表されるスルフェンアミド化合物に対し、下記一般式(C)で表されるγ-ジカルボニル化合物を反応させる。
Figure 0004747359
(式中、Arは、フェニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピリミジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基から選ばれる基を表す。これらの基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12の芳香族基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基から選ばれる基または原子を置換基として有していてもよい。
、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。)
Figure 0004747359
(式中、Arは、フェニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピリミジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基から選ばれる基を表す。これらの基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12の芳香族基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基から選ばれる基または原子を置換基として有していてもよい。)
Figure 0004747359
(式中、R、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、及び炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。)
前記化合物(A)及び(B)の置換基は、以下の通りである。
Arは、芳香族基、複素環基を表す。この芳香族基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。この芳香族基は以下の基により置換されていてもよい。この芳香族基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12の芳香族基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基から選ばれる基または原子を置換基として有していてもよい。又、複素環基は、炭素以外に他の窒素、酸素、硫黄原子から選ばれる原子を少なくとも1個以上を含んだ環を形成する基である。複素環化合物の具体例としては、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピリミジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、インドリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンソイソチアゾリル基等が挙げられる。この複素環基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12の芳香族基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基から選ばれる基または原子を置換基として有していてもよい。
炭素数1〜12のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニル、ドデシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数1〜12のアルコキシル基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t-ブトキシ、ペンチロキシ、ヘキシロキシ、シクロヘキシロキシル、ヘプチロキシ、オクチロキシ、ノニロキシ、デカニロキシ、ドデシロキシ基等が挙げられる。
炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、シクロプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、ペンチロキシカルボニル、ヘキシロキシカルボニル、シクロヘキシロキシカルボニル、ヘプチロキシカルボニル、オクチロキシカルボニル、ノニロキシカルボニル、デカニロキシカルボニル、ドデシロキシカルボニル基等が挙げられる。
炭素数6〜12の芳香族基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、アニシル基、ナフチル基等が挙げられる。
ハロゲン原子の具体例としては、塩素、フッ素、ヨウ素及び臭素が挙げられる。
原料物質である前記化合物(B)、(C)は公知物質である。その製造方法の一例を挙げれば、(B)は芳香族チオール化合物のS−アミノ化により、また(C)は2,5-二置換フラン化合物の加水分解あるいは1,4-ジオール化合物の酸化反応により製造することができる。
本発明におけるN−スルフェニルピロール化合物の製造は、酸の存在下実施される。この場合、酸としては、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸等が使用される。
前記のN−スルフェニルピロール化合物の製造方法は、好ましくは反応溶媒の存在下で実施される。
この場合の反応溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール等の無極性有機溶媒中で行われる。また、これらの溶媒は単独または混合溶媒の形で使用される。
前記製造方法における温度は40℃〜150℃付近の温度で行うことができる。この温度範囲未満の反応温度では、反応時間が遅くなる。この温度範囲を超えて高すぎる条件下に反応させると、異常な分解反応や副反応が多くなる。前記温度範囲は70℃〜120℃の範囲であると更に好ましい。
反応時間は反応温度により左右され、一概に定めることはできないが、通常は5分〜5時間で十分である。
本発明で得られるN−スルフェニルピロール化合物の具体例について例示すると、以下の化学式(1)〜(2)で示される化合物を挙げることができる。
これらの化合物は、以下に記載する実施例により得られる化合物である。
Figure 0004747359
本発明で得られる含窒素複素環化合物の窒素上にチオ置換基を有する化合物は、殺菌剤としてとして有効なものであり、その他、ゴムの加硫化剤、発芽前処理用除草剤として有用な化合物である。
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。
本発明で得られる化合物は、この実施例に挙げた化合物に限定されるものではない。
下記実施例によって製造することにより得られるN−スルフェニルピロール化合物は、各種スペクトルと元素分析の結果を主要な判定基準として同定した。
また、製造された化合物(1)〜(2)は、前記で示した化合物(1)〜(2)に対応するもので、その物性値としては、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR,13C−NMR)、赤外吸収スペクトル(IR)の順にそれぞれ記した。
内容積50mlのガラス製容器中に2-スルフェナモイル安息香酸エチル(100mg,0.507mmol),アセトニルアセトン(228mg,2.0mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(30mg,0.16mmol)をトルエン(30ml)に溶解させ、80℃で30分間攪拌した。トリエチルアミンを加えてp-トルエンスルホン酸を中和した後、トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒、塩化メチレン:ヘキサン=2:1)で精製した。この化合物は酢酸エチル−ヘキサンを用いて再結晶を行うことによりさらに精製することができる。目的生成物の構造式は、化合物(1)のN−スルフェニルピロール化合物であることを確認した。
収率 87%。
融点 58.5-59.0 ℃. 1H NMR (CDCl3) δ1.45 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.18 (6H, s), 4.45 (2H, q, J = 7.2 Hz), 5.94 (1H, dd, J= 8.2, 1.2 Hz), 6.01 (2H, s), 7.17 (1H, ddd, J = 7.9, 7.3, 1.2 Hz), 7.35 (1H, ddd, J = 8.2, 7.3, 1.5 Hz), 8.06 (1H, dd, J = 7.9, 1.5 Hz). 13C NMR (CDCl3) δ12.8, 14.3, 61.6, 107.8, 122.2, 123.9, 124.5, 130.8, 133.2, 133.6, 147.5. IR (KBr) νmax 2980, 1689, 1464, 1367, 1280, 1151, 746, 499 cm-1.
元素分析 C15H17NO2Sとしての計算値 C : 65.43 %, H : 6.22 %, N : 5.09 %. 実測値 C : 65.72 %, H : 6.18 %, N : 4.88 %.
内容積50mlのガラス製容器中に2-ニトロベンゼンスルフェンアミド(100mg,0.588mmol),アセトニルアセトン(228mg,2.0mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(30mg,0.16mmol)をトルエン(30ml)に溶解させ、80℃で30分間攪拌した。トリエチルアミンを加えてp-トルエンスルホン酸を中和した後、トルエンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒、塩化メチレン:ヘキサン=2:1)で精製した。この化合物は酢酸エチル−ヘキサンを用いて再結晶を行うことによりさらに精製することができる。目的生成物の構造式は、化合物(2)のN−スルフェニルピロール化合物であることを確認した。
収率 76%。
融点 95.1-96.6 ℃. 1H NMR (CDCl3) δ2.18 (6H, s), 6.03 (2H, s), 6.05 (1H, dd, J = 8.2, 1.2 Hz), 7.30 (1H, ddd, J = 8.2, 7.2, 1.2 Hz), 7.49 (1H, ddd, J = 8.2, 7.2, 1.2 Hz), 8.33 (1H, dd, J = 8.2, 1.2 Hz). 13C NMR(CDCl3) δ12.8, 108.6, 124.0, 125.6, 125.7, 133.0, 135.0, 142.2, 143.5. IR (KBr) νmax 2920, 1593, 1516, 1335, 1233, 1118 cm-1.
元素分析 C12H12N2O2Sとしての計算値 C : 58.05 %, H : 4.87 %, N : 11.28 %. 実測値 C : 58.09 %, H : 4.68 %, N : 10.97 %.

Claims (3)

  1. 下記一般式(A)で表されることを特徴とするN−スルフェニルピロール化合物。
    Figure 0004747359
    (式中、Arは、フェニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピリミジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基から選ばれる基を表す。これらの基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12の芳香族基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基から選ばれる基または原子を置換基として有していてもよい。
    、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。)
  2. 下記一般式(A)で表されるN−スルフェニルピロール化合物を製造する方法において、下記一般式(B)で表されるスルフェンアミド化合物に対し、下記一般式(C)で表されるγ-ジカルボニル化合物を反応させることを特徴とするN−スルフェニルピロール化合物の製造方法。
    Figure 0004747359
    (式中、Arは、フェニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピリミジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基から選ばれる基を表す。これらの基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12の芳香族基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基から選ばれる基または原子を置換基として有していてもよい。
    、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。)
    Figure 0004747359
    (式中、Arは、フェニル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、ピリミジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基から選ばれる基を表す。これらの基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12の芳香族基、ハロゲン原子、ニトロ基、及びシアノ基から選ばれる基または原子を置換基として有していてもよい。)
    Figure 0004747359
    (式中、R、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、及び炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。)
  3. 前記N−スルフェニルピロール化合物の製造方法において、酸性条件下に反応させることを特徴とする請求項2記載のN−スルフェニルピロール化合物の製造方法。
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