JP2008081295A - 給紙装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】給紙装置内に積載される用紙の最上位部分が用紙搬送方向からみて、後方にずれることがなく、又、用紙の最上位部分の検知を正確に行うことができる給紙装置を提供することを課題とする。
【解決手段】画像形成装置2に備え付けられ、複数の用紙Pを収容するための用紙収容部5を有し、収容された用紙Pの最上位から順次、画像形成装置2に用紙を供給する給紙装置1において、用紙収容部5内に、昇降可能であって用紙を積載するための昇降板10が設けられ、用紙搬送方向における用紙Pの前端が下向きに傾くように、昇降板10を傾ける傾斜機構8を設けるようにすれば、用紙搬送方向における用紙Pの前端が下向きに傾くことで、積載された用紙Pが用紙Pの後端方向にずれてしまうことがなくなる。従って、給紙装置1内に積載された用紙のうち、最上位の用紙Pが正確にピックアップされ、紙詰まり等が生じない。
【選択図】図5

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ等の画像形成装置に用紙を供給する給紙装置に関する。
従来、画像形成装置に用紙を供給するため給紙装置が用いられている。一般に給紙装置は、画像形成装置に備え付けられ、その給紙装置内に積載された用紙を最上部からピックアップローラなどを用いて一枚ずつ用紙を分離し、画像形成装置に用紙を供給する。例えば、その態様として、画像形成装置に対して外付けされる大容量の給紙装置や画像形成装置の本体内に設けられる給紙カセット等が存在する。
又、これら給紙装置において、用紙収容部の内部に昇降自在な昇降板を設けることがあり、比較的大量の用紙を収容する給紙装置で昇降板を用いることが多くみられる。そして、この昇降板に用紙が積載される。昇降板は、給紙動作中においては、積載された用紙の最上位がピックアップローラ等のピックアップ部に当接するように、少しずつ上昇するようになっている。
一方、用紙を補給する際には、昇降板が下降されるようになっている。昇降板は、その下降できる下限まで一気に下降するものも存在するが、昇降板又は積載された用紙の最上位が使用者にとって用紙補給が行いやすい高さとなるようにするため、用紙が補給されるごとに徐々に下降するものも存在する。尚、用紙補給完了後は、ピックアップ部に最上位の用紙を当接させるため、昇降板は上昇する。
このような給紙装置の一例として、特許文献1記載の発明が提案されている。特許文献1には、昇降自在なトレイ底板に積載された用紙の最上位から給紙機構により用紙を送り出す大容量給紙装置において、トレイ底板の先端部に用紙進行方向に向かって上向きの傾斜部を設けた大容量給紙装置が記載されている。このように構成することで、大容量給紙装置と給紙カセットとの互換性を高め、又、ピックアップローラの用紙搬送方向下流側に存在する給紙ローラに用紙を適宜な進入角度で突き当てられるようにして、紙詰まり等を回避しようとしている(請求の範囲、明細書第4頁作用欄、明細書第8頁第15〜20行、図5参照)。
特許第2931086号
特許文献1に記載されているように、従来から一般に、用紙は用紙搬送方向における用紙の先端が上方に向けて傾くか、若しくは少なくとも水平を保つように給紙装置内に積載されていた。これは、特許文献1に記載があるように、用紙の重送等を考慮すれば、用紙先端を上方に向けた方が安定して給紙が行えると考えられてきたためである。
しかし、用紙の先端を持ち上げると、積載された最上位部分の用紙が、後方にずれてしまうことがある。そうすると、最上位の用紙をピックアップ部に確実に当接できないことや、最上位の用紙以外の用紙をピックアップ部に当接させてしまうことになり、正確に用紙を送り出すことができないという問題がある。この問題は、紙詰まり等を引き起こす原因となってしまう。
又、上述したように、用紙を大量に収容できるような給紙装置に設けられた昇降板の昇降を的確に行うためには、積載された用紙の最上位部分の位置を正確に検知することも必要となる。しかし、積載された最上位部分の用紙が後方にずれると、正確にその検知を行えない場合があるという問題もある。
具体的にいうと、ピックアップ部に積載された用紙の最上位を当接させるため昇降板を上昇させる場合、用紙が後方にずれていると、用紙の最上位が誤検知され、最上位の用紙が後方にずれたまま、最上位の用紙以外の用紙をピックアップ部に当接させてしまうことや、昇降板を上昇させすぎてしまうことがあるという問題が生ずる。これは、ピックアップのミスや給紙タイミングの遅れや紙詰まり等の原因となる。
一方で、用紙の補給に従って、既に積載された用紙の最上位が使用者にとって補給しやすい高さとなるように昇降板を徐々に下降させる際には、誤検知により、本来の下降量に達する前に、昇降板が十分下降しきらずに途中で止まってしまう場合があるという問題も生じる。そうすると、使用者にとって用紙の補給作業に不都合が生じてしまう。
ここで、特許文献1記載の発明をみると、特許文献1記載の発明は、トレイ底板の先端部に用紙進行方向に向かって上向きの傾斜部を設けていて、積載された用紙の最上位部分が後方にずれてしまう。又、その発明は、大容量給紙装置と給紙カセットの互換性を高いものとし、又、給紙ローラに用紙を適宜な進入角度で突き当てられるようにすることを目的とするものであって上記の問題を一切考慮していない。従って、特許文献1記載の発明は、上記問題に全く対応できないものである。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、給紙装置内に積載される用紙の最上位部分が用紙搬送方向からみて、後方にずれることがなく、又、用紙の最上位部分の検知を正確に行うことができる給紙装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、画像形成装置に備え付けられ、複数の用紙を収容するため、前記用紙収容部は、底面板及び底面板に対して垂直に設けられた複数の側面板を有する用紙収容部を有し、収容された用紙の最上位から順次、前記画像形成装置に用紙を供給する給紙装置において、前記用紙収容部内に、昇降可能であって用紙を積載するための昇降板が設けられ、用紙搬送方向における用紙の前端が下向きに傾くように、前記昇降板を傾ける傾斜機構を有することとした。
又、請求項2に係る発明は、請求項1記載の給紙装置において、前記用紙収容部は、底面板に対して垂直に設けられ、積載された用紙の用紙搬送方向における前端が接する前壁板を有し、前記前壁板に、積載された最上位部分の用紙の用紙搬送方向における前端が接しているか否か検知するための検知手段を設けることとした。
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の給紙装置において、前記傾斜機構は、用紙搬送方向と平行な方向で対向する側面板の両方に、上下方向にわたって対向して設けられる開口と、用紙搬送方向と平行な方向における前記昇降板の両側面にそれぞれ設けられ、前記開口に嵌め合わされる傾斜保持部材とからなり、前記開口は、昇降板の重心位置よりも、用紙搬送の前後方向における用紙後端側に位置するように設けられていて、前記傾斜保持部材は、前記開口に係合される係合部材と、前記係合部材を支持するとともに昇降板に固着するための取付部材から構成され、前記係合部材の幅が前記開口の幅よりも狭くなるように前記傾斜保持部材が形成されていることとした。
又、請求項4に係る発明は、請求項3記載の給紙装置において、前記係合部材は、垂直に連なって設けられている2つのコロであって、前記コロは、前記昇降板を昇降させるためのワイヤが架けまわされ、前記開口は、前記昇降板の昇降の際のガイドであって、前記傾斜機構は、前記昇降板を昇降させるための昇降機構の一部を構成していることとした。
請求項1記載の発明によれば、用紙搬送における用紙の前端が下向きに傾くことで、積載された用紙に対し、用紙の自重によって、従来のように給紙装置に積載された用紙が用紙の後端方向にずれてしまうことがなくなる。即ち、用紙Pは、常に適正な位置に積載される状態となる。従って、給紙装置内に積載された用紙のうち、最上位の用紙が正確にピックアップされ、紙詰まり等が生じない。
請求項2記載の発明によれば、積載された用紙は、用紙搬送における用紙の前端が下向きに傾き、用紙が後端方向にずれないから、用紙の前端に接するように検知手段を設けると、最上位を用紙の位置を確実に検知することができる。従って、この検知手段による信号に基づいて昇降板の下降を行えば、下降量が足りないことを防ぐことができる。
請求項3記載の発明によれば、昇降板の傾斜角度を一定に保つことができる。従って、用紙収容部に積載されている用紙が揺動せず、用紙が後端方向にずれてしまうことも一層なくなり、紙詰まり等が生じない給紙装置を提供できる。又、昇降板を所定の角度をもって固定することも考えられるが、組立誤差等で適切な位置や傾斜の角度が得られない場合がある。これに対して本発明は、自重で傾斜するので、前記誤差を吸収することが可能である。尚、好適な実施態様の1つである。
請求項4記載の発明によれば、傾斜機構が、昇降板を昇降させるための機構の一部として兼用されているから、昇降板を昇降させるための機構とは別に傾斜機構を設ける必要がなく、給紙装置の構造が簡素化される。従って、コスト、生産性の点で有利となる。
以下、本発明の実施形態について図1〜6を参照しつつ説明する。尚、本実施形態に挙げる給紙装置1は、画像形成装置2に外付けされる給紙装置1であって、数千枚単位で用紙Pを収納できる大容量の給紙装置1について説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
まず、図1乃至3を用いて、本発明の実施形態に係る給紙装置1の概略を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る給紙装置1を画像形成装置2に備え付けた場合の正面図である。図2は、本発明の実施形態に係る給紙装置1を左上面方向からみた斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係る給紙装置1の内部構造を説明するための左正面から見た斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る給紙装置1は、画像形成装置2(複写機)の側面に備え付けられる。尚、その構造の詳細は後述するが、本実施形態における給紙装置1は4千枚程度の用紙Pが収納可能である。給紙装置1内に積載された用紙Pは、1枚ずつ画像形成装置2に向けて送り出され、画像形成装置2はその用紙Pを用いて、画像を形成する。
本実施形態における給紙装置1は、図1に示すように、移動機構として装置下部にスライドレール1a及び脚車1bが設けられていて、図1において白抜矢印で示す方向に移動可能であり、画像形成装置2に対し接離自在となっている。給紙装置1から画像形成装置2に向けての用紙Pの搬送途中でジャム(紙詰まり)が発生した場合、スライドレール1aにより、給紙装置1を画像形成装置2から引き離せば、ジャム処理を容易に行うことができる。
又、給紙装置1の上面には、蓋部1cが設けられている。図1における蓋部1cの左端付近に図1の紙面に対し垂直な方向で支点が設けられており、蓋部1cは、開閉可能となっている。尚、開いた状態の蓋部1cを図1において、破線にて示す。そして、給紙装置1の蓋部1cが開いた状態となれば、給紙装置1の上面が開口した状態となり、使用者は、上面方向から、用紙Pを給紙装置1に補給することができる。
次に、図2及び図3に基づき給紙装置1の構造の概略について説明する。尚、図2では説明の便宜上、蓋部1cを省略して示している。
図2に示すように、本実施形態に係る給紙装置1は、用紙搬送方向(矢印にて図示)から見て平行な方向に、用紙Pの幅方向を位置規制するための2本の幅規制ガイド3a、3b、用紙搬送方向から見て垂直な方向に用紙Pの後端を位置規制するための後端ガイド4a、4b、給紙装置1のハウジング1d内に収容される用紙収容部5(図3参照)、積載された用紙Pを1枚ずつ画像形成装置2に向けて送り出すためのピックアップ部61や用紙Pの積載状況を確認するための各種センサを備えた給紙部6、その他用紙Pを載置するための昇降板10、化粧板11等を備えている。
図2に示すように、前記幅規制ガイド3a、3bは、板状部材を折り曲げて形成されるものであって、垂直方向の断面が略L字状であり、用紙搬送方向から見て平行な方向に用紙Pの位置規制をする。幅規制ガイド3a、3bは、例えば、板金により形成される。尚、幅規制ガイド3a、3bの上端付近には、穴部31が設けられている。更に幅規制ガイド3a、3bの下端部には差込部32が設けられている(図3参照)。これら、穴部31及び差込部32は、幅規制ガイド3a、3bの支持のため設けられているが、この点の詳細は後述する。
又、幅規制ガイド3a、3bは、用紙Pと当接される当接面33の上端部分34に傾斜35を有するように形成されている。この傾斜35を有することにより、用紙補給の際、補給する用紙Pを持つ手を傾斜35にのせ、用紙補給時に手を添えるスペースを確保することができ、給紙装置1に対する用紙補給作業が容易となっている。又、用紙補給の際、使用者が当接面33の上端部分34に手をぶつけても、使用者は負傷し難くなっている。尚、この傾斜35の角度は、適宜設定できる。
更に、前記幅規制ガイド3a、3bには、用紙Pの当接面33、傾斜35、及び幅規制ガイド3a、3bの上端にかけて、用紙Pの挿入方向に沿って2本の突条36が設けられている。当接面33の上端部を直角に形成している場合に比べ、用紙補給の際に、傾斜35部分に補給する用紙Pが載せられた場合、幅規制ガイド3a、3bと用紙Pの摩擦が大きくなる。しかし、1又は複数の突条36を設ければ、このような摩擦による抵抗を大きく軽減することができるようになっている。
前記後端ガイド4a、4bは、用紙搬送方向から見て垂直な方向に用紙Pの後端を位置規制するためのものである。構造としては、後端ガイド4a、4bは、給紙装置1に固定するための係合用部材41と、用紙Pの後端に接して位置規制を行う後端ガイド部材42の2つの部材を接合したものである。
前記係合用部材41には、用紙収容部5の両側面板51の上縁に設けられた係合部52と係合させるため(図3参照)、複数の穴部43が設けられている。又、前記後端ガイド部材42は、2つの部材を組み合わせたものである。具体的には、水平断面がコ字状の2つの部材が組み合わされる。これにより、後端ガイド4a、4bの強度を確保している。そして、後端ガイド部材42と係合用部材41の接合は、リベット、ビス、ネジ、溶接等により行うことができる。
そして、後端ガイド部材42の下端には、差込部44が設けられている(図3参照)。この差込部44と、上述した穴部43は後端ガイド4a、4bの支持のため設けられているが、この点の詳細は後述する。
前記昇降板10は、昇降自在に構成されているが、その駆動の構造の詳細は後述する。この昇降板10に用紙Pを積載し(図2において用紙Pの積載位置を破線にて図示)、用紙Pが少なくなるごとに昇降板10が少しずつ上昇するようになっており、積載された用紙Pのうち、最も上の用紙Pが常にピックアップ部61と当接される。尚、図2では、昇降板10が最も上昇した状態となっている。
本実施形態では、昇降板10は、幅規制ガイド3a、3bを貫通させるため4つの貫通穴12と、後端ガイド4a、4bを貫通させるため6つの貫通穴13が設けられている。このように構成することで、幅規制ガイド3a、3b及び後端ガイド4a、4bが、給紙装置1の下部から上部にわたって積載される用紙Pの位置規制を行えるようになっている。又、貫通穴12、13を複数設けているから、幅規制ガイド3a、3b及び後端ガイド4a、4bの支持位置を差し替えることができる。これにより、例えば、A4、A3、B5、B4のように様々なサイズの用紙Pを給紙装置1内に積載することが可能となる。
尚、化粧板11は、後述する用紙収容部5の係合部52を覆うように設けられており(図3参照)、収容する用紙サイズの変更に伴う幅規制ガイド3a、3b及び後端ガイド4a、4bの差し替え等を考慮して取り外すことが可能となっている。
次に、図3を用いて給紙装置1の内部及び前記用紙収容部5の構造を詳述する。尚、図3では、説明の便宜のため、計4本設けられる用紙Pの位置規制のための部材のうち(図2参照)、幅規制ガイド3bと後端ガイド4bのそれぞれ1本と片方の側面板51(後述)を省略し正面視奥側のみの内部構造を図示しているが、正面視手前側の構成についても同様に説明される。
図3に示すように、本実施形態に係る給紙装置1は、ハウジング1d内に用紙収容部5が配されている。
用紙収容部5は、底面板53と、図3において矢印で示す用紙搬送方向と平行に設けられた側面板51と、用紙排出口56の下部であって、用紙搬送方向において、積載される用紙Pの前端と当接し、用紙搬送方向と垂直な方向に設けられた前壁板54等から構成されている。そして、底面板53に対し、側面板51及び前壁板54は、垂直に立設されている。尚、用紙搬送方向を図3において矢印に示す。
前記底面板53には、幅規制ガイド3a及び後端ガイド4aの下端部に設けられた差込部32、44を差し込むためのスリット55a、55bが複数設けられている。このスリット55a、55bは、用紙Pの各サイズに合わせて設けられている。具体的には、用紙搬送方向と平行な方向に幅規制ガイド3a、3bを差し込むためのスリット55aと、用紙搬送方向と垂直な方向に、後端ガイド4a、4bを差し込むためのスリット55bの2種類のスリット55a、55bが複数設けられる。このスリット55aに幅規制ガイド3a、3bの差込部32を、スリット55bに、後端ガイド4a、4bの差込部44を差し込むことで幅規制ガイド3a、3b及び後端ガイド4a、4bの下端部が支持される。
又、図3に示すように、側面板51の上縁にわたって、幅規制ガイド3a、3bの上端に設けられた穴部31及び後端ガイド4a、4bの係合用部材41と係合させるための係合部52が設けられている。この係合部52と幅規制ガイド3a、3bの穴部31及び後端ガイド4a、4bの係合用部材41の穴部43とが合わされる。係合手段としては、例えば、係合部52を突起として穴部31、43と嵌め合わせるようにしてもよいし、ネジ止めにより係合してもよい。これにより、幅規制ガイド3a、3b及び後端ガイド4a、4bの上端部が支持される。このようにして、幅規制ガイド3a、3b及び後端ガイド4a、4bは、確実に支持され用紙Pの位置規制を行う。
前記前壁板54は、用紙搬送方向における用紙Pの前端が当接される。そして、積載された用紙Pは、前記前壁板54の上端付近から画像形成装置2に向けて排出される。そのため、前壁板54の高さは、側面板51の高さよりも若干低くなっている。この差の部分から用紙Pが搬送される。即ち、用紙排出口56となる。尚、図3では、説明の便宜のため記載を省略しているが、この用紙排出口56の位置に給紙部6が配される。
又、用紙収容部5内には、上述した昇降板10が配されている。尚、図3では、昇降板10に設けられている貫通穴12、13は、使用されている貫通穴12、13以外は図示を省略している。昇降板10に積載された用紙Pは、上述の構成、即ち、幅規制ガイド3a、3b、後端ガイド4a、4b及び用紙収容部5の前壁板54により確実に位置規制され、幅規制ガイド3aと3bの間隔、即ち、用紙Pの幅方向の中心がピックアップ部61と接するように、各サイズの用紙Pが位置規制される。
次に、図4、5に基づき、給紙部6の構成について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る給紙装置1の給紙部6を説明するため給紙装置1を左背面上部からみた拡大斜視図である。図5は、用紙収容部5を給紙装置1の背面側に位置する側面板51からみた側面図である。尚、図4では、説明の便宜のため、手前側に位置する側面板51を省略している。
給紙部6は、用紙搬送方向における用紙Pの前方向であって、給紙装置1の上部に位置するように配置される。言い換えると、用紙収容部5の前壁板54の上部に配置される。給紙部6は、給紙装置1から画像形成装置2に向けて、積載された用紙Pを1枚ずつ送り出すためのものであって、ピックアップ部61、用紙切れ検知センサ62、上限検知センサ63、搬送ローラ対64、65、用紙搬送路66等で構成されている。
まず、給紙装置1に設けられたセンサについてまず説明する。これらのセンサは、用紙の積載状況を検知するためのものである。図4に示すように、図4における左右方向において、ピックアップ部61の右方に2つ設けられたセンサのうち、右方のセンサは用紙切れを検知するため用紙切れ検知センサ62である。この用紙切れ検知センサ62は光センサであって、給紙装置1の底面に向けて光を放つようになっており、又、反射光を検知するための受光部(不図示)を備えている。用紙Pが存在している状態では、放たれた光は用紙Pに反射して受光部で検知される。一方で、用紙切れ検知センサ62の下方の位置において昇降板10は貫通口が設けられていて(不図示)、用紙Pがなくなった場合、用紙Pが積載されている状態では受光していた反射光が検知できない状態となる。この変化により用紙Pがなくなったことを検知する。
一方、図4における左右方向において、ピックアップ部61の右方に2つ設けられたセンサのうち、左方のセンサは、積載された用紙Pの最上位を検知するための上限検知を行う上限検知センサ63である。この上限検知センサ63は光センサであって、その断面が凹状となっている。そして、図4に示すように、この凹部63aにおける光センサの受光状態を変化させるための部材である遮光用部材67がピックアップ部61の上面に覆い被さるように設けられている。
遮光用部材67は、凹部63a内で放たれている光を遮るものである。図4に示すように、遮光用部材67の一端に設けられた差し込み片67aが凹部63aに差し込まれている状態では、凹部63a内で放たれた光がセンサの凹部63a内に設けられている受光用素子に到達しない。又、遮光用部材67は、用紙搬送方向と垂直な方向に支点68で支持されており、上下方向に揺動するようになっている。
ここで、ピックアップ部61は、遮光用部材67と同一の支点68で支持されている。そして、昇降板10が上昇して積載された用紙Pのうち最上位の用紙Pがピックアップ部61に当接し、更に昇降板10が上昇を続けると、ピックアップ部61は上方に持ち上げられる。このピックアップ部61が持ち上げられると、遮光用部材67も同時に持ち上げられる。尚、この揺動方向を図4において破線矢印で示している。
そうすると、上限検知センサ63の凹部63aに差し込まれていた遮光用部材67の差し込み片67aが持ち上げられ、センサの受光状態が変化する。この変化を検知して、積載された用紙Pの最上位を検知する。
ここで、センサ関連において、給紙部6ではなく、前壁板54に設けられている検知手段54aである用紙検知スイッチ54aaについて説明する。
図4に示すように、前記用紙検知スイッチ54aaは、前壁板54の上方であって、前壁板54の幅方向における略中心に設けられる。即ち、給紙部6の下方に設けられる。この用紙検知スイッチ54aaは、積載された最上位部分の用紙Pの用紙搬送方向における前端が前壁部54に接しているか否かを検知するための検知手段54aである。この用紙検知スイッチ54aaは、前壁板54から突出されているアクチュエータ部54abと前壁板54内部に設けられたセンサ部(不図示)とから構成されている。用紙Pの前端が接すると用紙検知スイッチ54aaのアクチュエータ部54abは、前壁板54内部に押し込まれるようになっている。一方、用紙Pの前端が接していない状態では、アクチュエータ部54abが突出するようになっている。センサ部は、アクチュエータ部54abが突出している状態であるか、押し込まれている状態であるかを検知する。センサ部には例えば、光センサを用いることが可能である。
ところで、その昇降板10の詳細な動作、構造は後述するが、用紙補給の際、昇降板10に用紙Pが載置され、若しくは、積載された用紙Pの最上位に更に用紙Pが載置された場合、昇降板10は、所定量下降される。
そして、用紙補給により積載された用紙Pの前端が接して、用紙検知スイッチ54aaのアクチュエータ部54abを押し込む状態となれば、用紙検知スイッチ54aaはオン状態と認識される。昇降板10が下降され、積載された用紙Pの最上位部分の前端がアクチュエータ部54abと接しない状態となって、前壁板54から突出している状態となれば、用紙検知スイッチ54aaはオフ状態と認識される。従って、用紙Pが補給され、用紙検知スイッチ54aaがオン状態となれば、昇降板10を下降させ、オフ状態となれば昇降板10の下降を止めるような昇降板10の制御が行える。即ち、用紙検知スイッチ54aaは、昇降板10の下降量を適切に定めるため用いられる。
尚、上記では、接触型のスイッチを示したが、積載された最上位部分の用紙Pの用紙搬送方向における前端が前壁部54に接しているか否かを検知するため検知手段54aとして、例えば、反射光を検知する等の非接触型のセンサ、スイッチを用いることも可能である。
次に、図5を参照して、給紙装置1の用紙搬送について説明する。尚、図5では、本来不可視の側面板51の奥側の構成を破線で図示している。
図5の右方の上部に示すように、給紙部6には用紙搬送のための構成として、ピックアップ部61、搬送ローラ対64、65、用紙搬送路66等がその内部に設けられる。
前記ピックアップ部61内には、ピックアップローラ69が設けられていて、ピックアップローラ69にカバー61aを被せることでピックアップ部61を構成している。このピックアップローラ69は、積載された用紙Pのうち最上位の用紙Pと当接して、1枚ずつ用紙Pをピックアップし、画像形成装置2に向けて送り出す。又、給紙タイミングは、画像形成装置2から給紙装置1に向けて送信される制御信号で制御される。尚、ピックアップローラ69は、用紙Pをその搬送する方向に向けて駆動機構(不図示)により回転駆動される。
搬送ローラ対64、65は、ピックアップローラ69よりも用紙搬送方向下流側に設けられている。ここで、搬送ローラ対64、65のうち、ピックアップローラ69に近い搬送ローラ対を搬送ローラ対64とし、遠くに位置する搬送ローラ対を搬送ローラ対65としておく。
搬送ローラ対64、65における各ローラは、駆動機構(不図示)により所定の方向に回転駆動されるようになっている。又、搬送ローラ対64、65における各ローラはニップを形成していて、用紙Pはこのニップを通過して搬送される。
尚、例えば、用紙Pの重送を防ぐため、搬送ローラ対64のローラのうち下方のローラ64aを用紙搬送方向とは逆方向に回転させることも可能である。
次に、図5、図6に基づいて、昇降板10を昇降させるための昇降機構7及び傾斜機構8について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る昇降機構7及び傾斜機構8を説明するための拡大図である。
まず、図5に基づき、昇降板10を昇降させるための昇降機構7について説明する。
昇降機構7を構成する要素において、駆動源としてモータMが、駆動を伝達する手段として、ワイヤ70、無端状ベルト71、ウォーム72、ウォームホイール73、ギア74、取り巻きプーリ75、プーリ76、第1コロ77、止着部材78等が設けられる。これらの駆動伝達手段は、第1コロ77を除き、用紙収容部5に設けられている側面板51と給紙装置1のハウジング1dとの間に設けられている。即ち、用紙収容部5に対し、側面板51の外側に設けられている。
前記モータMは、正逆回転自在に制御され、昇降板10の上昇又は下降によってその回転方向が制御される。無端状ベルト71はウォーム72の回転軸72aに駆動を伝達するためのものであり、モータMの回転軸と、ウォーム72の回転軸72aに張架されている。ウォーム72は、ウォームホイール73に駆動を伝達する。ウォームホイール73は、ギア74に駆動を伝達する。ギア74は、巻き取りプーリ75に駆動を伝達する。このようにして、モータMから、巻き取りプーリ75に駆動が伝達される。
図5に示すように、ワイヤ70の一端は、巻き取りプーリ75に接続されていて、他端は、側面板51の上縁付近に設けられた止着部材78と接続されている。そして、ワイヤ70をかけ回す部分として、止着部材78に隣接して設けられたプーリ76と、昇降板10に固着されている第1コロ77がある。そして、ワイヤ70が張られる順番は、巻き取りプーリ75から、プーリ76、第1コロ77、止着部材78の順番になっている。ここで、プーリ76と止着部材78は固定具79に支持又は軸支されていて、側面板51の上方にかつ開口81の上方に固着されている。
尚、昇降板10の昇降をガイドするための開口81が、側面板51の上方から下方にかけて垂直に設けられている。昇降板10に固着されている第1コロ77及び後述する第2コロ82を、この開口81に嵌め込むようになっている。
図5では、不可視となっているが、図5に示す側面板51に対向する側面板51にも、側面板51の外側に、巻き取りプーリ75、プーリ76、第1コロ77及び第2コロ82、止着部材78が設けられている。同様に、対向する側面板51には、開口81が設けられていて、両側面板51において対になってこれらの要素が設けられている。尚、双方の巻き取りプーリ75の駆動軸75aは共通していて(図6参照)、巻き取りプーリ75の駆動軸75aは給紙装置1の底面部において架け渡されており、双方の巻き取りプーリ75は同時に回転されるようになっている。従って、昇降機構7としてのモータM、無端状ベルト71、ウォーム72、ウォームホイール73、ギア74等は、1セットのみ設ければよいものとなっている。
巻き取りプーリ75がワイヤ70を巻き取る方向にモータMが回転し、駆動を伝達すると巻き取りプーリ75がワイヤ70を巻き取るから、かけ回されているワイヤ70の長さが短くなり、昇降板10は、上昇する。一方、下降はこの逆であり、モータMは、上記の反対方向に回転させればよい。
次に、図6に基づき、図5を参照しつつ、昇降機構7及び傾斜機構8の説明を行う。尚、図6では、説明の便宜のため側面板51の記載を省略している。又、昇降板10は、最も最下位の位置まで下降されている状態となっている。
昇降機構7について、モータM、無端状ベルト71、ウォーム72、ウォームホイール73、ギア74は、支持又は軸支されるようにボックスに収められている。このようにすることで、ウォーム72、ウォームホイール73、ギア74の歯面への粉塵の付着が回避され、又、ユニット化により給紙装置1の組立が容易となる。
前記傾斜機構8については、傾斜機構8は、係合部材84aとしての第1コロ77及び第2コロ82と、前記係合部材84aを支持するとともに昇降板10に固着するための取付部材84bから構成される傾斜保持部材83と、側面板51に設けられた開口81から構成されている。
上述したように、側面板51に設けられた開口81は、昇降板10の昇降の際のガイドとしての機能を果たすものであり、第1コロ77には、ワイヤ70がかけ回されるから、傾斜機構8は、昇降機構7の一部を構成している。従って、昇降機構7に加えて、別途傾斜機構8を特別に設ける必要がなく、給紙装置1の構成が簡素化され、コスト面や生産性の点で有利なものとなっている。尚、第1コロ77には、溝77aが設けられていて、この部分にワイヤ70を入れ込むようになっている。
前記係合部材84aとしての第1コロ77及び第2コロ82は、垂直に連なるようにしていずれも1つの取付部材84bに回転可能に軸支されている。そして、その取付部材84bが昇降板10の側面に固着される。そのコロの位置関係は、第1コロ77が上方に位置し、第2コロ82が下方に位置するようになっている。尚、側面板51に対して、第1コロ77及び第2コロ82の回転軸が垂直に嵌め込まれるように取付部材84bは、昇降板10に固着される。
前記開口81は、上述したように、側面板51の上方から下方にかけて設けられている。この開口81に係合部材84aとしての第1コロ77及び第2コロ82が嵌め合わされるようになっている。そして開口81の水平方向における幅Wは、第1コロ77及び第2コロ82の周方向の外径Rよりも、広くなっている(尚、図6に示す第1コロ77及び第2コロ82の外径Rは等しいものとしている)。言い換えると第1コロ77及び第2コロ82の外径Rは、開口81の幅Wよりも短い。この長さの差により、昇降板10が、用紙搬送方向と平行な方向に回転するように傾くようになっている。しかし、第1コロ77の一側面と第2コロ82の第1コロ77の側面とは反対側の一側面が開口81に接することで傾きが規制され、一定以上は傾かないようになっている。
そして開口81は、用紙搬送の前後方向における前記昇降板10の全長Aの中央Cよりも、用紙後端側方向Bに位置するように側面板51に設けられている(図5参照)。ここで、本実施形態では昇降板10の重心位置が中央Cの位置に存在するとする。尚、昇降板10の重心位置は、必ず中央Cに存在するものではなく、昇降板10の形状や、貫通口12、13の存在により、中央Cよりもずれることがある。そのような場合は、ずれた重心位置を基準として開口81を設ける位置を用紙後端側の方向にずらせばよい。
そして、図5に示すように、昇降板10の重心から用紙後端側の方向にずらすような位置に開口81を設ける。このように構成することで、昇降板10に様々なサイズの用紙Pが積載されても、その自重により必ず積載された用紙Pの前端が下向きに傾くようになっている。尚、傾く角度の調整は第1コロ77と第2コロ82の位置や外径Rと開口81の幅Wで調整でき、傾きの角度は適宜設定可能である。例えば、昇降板10を傾けすぎると紙詰まりが生じ易くなりうるので、あまり傾きの角度を大きくしないようにする等の点を考慮する。例えば、1〜5°程度、下向きに傾けるようにすることができる。
尚、開口81は、用紙搬送の前後方向における前記昇降板10の全長Aの中央C(重心位置)及び中央C(重心位置)よりも用紙前端側方向Dに位置するように側面板51に設けることも可能である。その場合、例えば、第2コロ82の中心から第1コロ77の中心に向かう直線の方向が、積載された用紙後端側に傾くように、第1コロ77及び第2コロ82を軸支している取付部材84bの取付角度を調整する等により、昇降板10の用紙前端側が下向きに傾斜するようにすることができる。
又、昇降板10と、幅規制ガイド3a、3b、後端ガイド4a、4bとが干渉すると、昇降板10の動作を妨げるものとなり得る。従って、昇降板10と幅規制ガイド3a、3b及び後端ガイド4a、4bとが干渉しないように、貫通穴12、13の幅は十分に確保されている。
積載された用紙Pの前端が、常に下向きになるようになっているから、積載された用紙Pが後端方向にずれてしまうことがなく、常に適正な位置に積載される状態となる。そして、昇降板10が上昇して最上位の用紙Pが常にピックアップローラ69と当接すると、ピックアップローラ69の位置も適正となる。言い換えると、ピックアップローラ69の位置は、ピックアップされた用紙Pが適切に搬送ローラ対64や用紙搬送路66に送り込まれるような位置となる。従って、給紙における紙詰まり、給紙タイミングのミス等のトラブルを解消できる。又、用紙検知スイッチ54aaにより積載された用紙Pの最上位部分を正確に検知できるから、昇降板10の下降量が足りず、途中で昇降板10の下降が止まってしまい、用紙補給作業に不都合が出ることもなくなる。
尚、念のため述べると、図6では、便宜上一方の側面板51しか図示していないが、傾斜機構8は、用紙収容部5に用紙搬送方向と平行な方向で対向する2枚の側面板51及び昇降板10の両側面に対向して同様に設けられていることを付言しておく。
ここで、用紙補給の際の給紙装置1の動作について説明する。上述したとおり、本実施形態に係る給紙装置1は用紙Pの厚さにもよるが、4千枚程度の用紙Pを収容できる。一般的に、コピー用紙は、500枚を1つの基準として1包とされている。従って、本実施形態に係る給紙装置1は、8包は収容できる。
使用者が用紙Pを補給する際、まず、給紙装置1の上面に設けられている蓋部1cを開ける。そうすると給紙装置1の上面が開口81し、用紙収容部5に用紙Pを補給できる状態となる。ここで、昇降板10は、用紙Pの残量にあわせて、昇降板10を下降させる。具体的には、用紙検知スイッチ54aaがオフ状態となり数秒間経過する間、モータMが回転され、昇降板10の下降量が決まる。尚、用紙検知スイッチ54aaがオフ状態となってから、モータMが回転され続ける時間は、昇降板10の下降を止めようとする高さや用紙検知スイッチ54aaの位置、昇降板10の下降する速度等の要因によって定まるから、適宜設定可能である。従って、用紙検知スイッチ54aaがオフ状態となって、直ちにモータMの回転を止めるようにすることもできる。
ここで、本実施形態における給紙装置1は、大量の用紙を収容できるものであるから、昇降板10を一気に最下限まで下降させると用紙補給作業が困難となる。従って、下降が止まった状態は、積載された用紙P又は昇降板10の高さが使用者にとって用紙Pを載置しやすい高さとなっている状態である。
4千枚もの用紙Pを1回で補給することはできないので、例えば、500枚単位で用紙Pを繰り返し補給する。そこで、本実施形態に係る給紙装置1は、用紙Pが補給されるに従って、昇降板10を一定量下降させる。この下降に伴うモータMの制御にも用紙検知スイッチ54aaが用いられる。この用紙検知スイッチ54aaの検知により、既に積載された用紙Pの最上面が、補給しやすい高さとなるようにモータMの回転が制御される。即ち、用紙検知スイッチ54aaがオン状態ならモータMを駆動させ、オフ状態になって数秒経過してから、モータMの駆動を停止する。そして、許容される最下位に昇降板10が到達するまで用紙Pの補給を繰り返すことが可能である。
そして、使用者が給紙装置1の蓋部1cを閉めると、昇降板10は必要量に応じて上昇する。具体的に言えば、ピックアップ部61に積載された用紙Pの最上位が接するまで、昇降板10は上昇する。この昇降板10の上昇に伴うモータMの制御は上述した上限検知センサ63により行われる。即ち、遮光用部材67の差し込み片67aが遮光している状態ではモータMを駆動し、遮光用部材67が持ち上がり、差し込み片67aが凹部63aから持ち上がり、遮光されない状態となった際にモータMの駆動が止まる。
このようにして、画像形成装置2に備え付けられ、複数の用紙Pを収容するため、底面板53及び底面板53に対して垂直に設けられた複数の側面板51を有する用紙収容部5を有し、収容された用紙の最上位から順次、前記画像形成装置に用紙を供給する給紙装置において、用紙収容部5内に、昇降可能であって用紙を積載するための昇降板10が設けられ、用紙搬送方向における用紙Pの前端が下向きに傾くように、昇降板10を傾ける傾斜機構8を設けるようにすれば、用紙搬送方向における用紙Pの前端が下向きに傾くことで、積載された用紙Pに対し、用紙Pの自重によって、従来のように給紙装置1に積載された用紙Pが用紙Pの後端方向にずれてしまうことがなくなり、常に適正な位置に積載される状態となる。従って、給紙装置1内に積載された用紙のうち、最上位の用紙Pが正確にピックアップされるとともに、紙詰まり等が生じない。
又、前記用紙収容部5は、底面板53に対して垂直に設けられ、積載された用紙の用紙搬送方向における前端が接する前壁板54を有し、前記前壁板54に、積載された最上位部分の用紙Pの用紙搬送方向における前端が接しているか否か検知するための検知手段54aとして用紙検知スイッチ54aaを設けるようにすれば、積載された用紙Pは、用紙搬送における用紙Pの前端が下向きに傾き、用紙Pが後端方向にずれないから、用紙Pの最上位部分の位置を確実に検知することができる。従って、この用紙検知スイッチ54aaによる信号に基づいて昇降板10の下降を行えば、下降量が足りないことを防ぐことができる。
又、前記傾斜機構8は、用紙搬送方向と平行な方向で対向する側面板51の両方に、上下方向にわたって対向して設けられる開口81と、用紙搬送方向と平行な方向における前記昇降板10の両側面にそれぞれ設けられ、前記開口81に係合される傾斜保持部材83とからなり、前記開口81は、昇降板10の重心位置(本実施形態では中央Cと仮定)よりも、用紙搬送の前後方向における用紙後端側に位置するように設けられていて、前記傾斜保持部材83は、前記開口に嵌め合わされる係合部材84a(第1コロ77及び第2コロ82)と、前記係合部材84aを支持するとともに昇降板10に固着するための取付部材84bから構成され、前記係合部材84aの幅が前記開口の幅Wよりも狭くなるように前記傾斜保持部材が形成されるようにすれば、昇降板10の傾斜角度を一定に保つことができる。従って、用紙収容部5に積載されている用紙Pが揺動せず、用紙Pが後端方向にずれてしまうことも一層なくなり、紙詰まり等が生じない給紙装置1を提供できる。又、昇降板10を所定の角度をもって固定的することも考えられるが、組立誤差等で適切の位置、傾斜の角度が得られない場合がある。これに対して本発明は、自重で傾斜するので、前記誤差を吸収することが可能である。尚、好適な実施態様の1つである。
又、係合部材84aは、垂直に連なって設けられている2つのコロ、即ち第1コロ77及び第2コロ82であって、第1コロ77は、昇降板10を昇降させるためのワイヤ70が架けまわされ、開口81は、昇降板10の昇降の際のガイドであって、傾斜機構8は、昇降板10を昇降させるための昇降機構7の一部を構成するようにすれば、傾斜機構8が、昇降機構7の一部として兼用されているから、昇降板10を昇降させるための機構とは別に、特別に傾斜機構8を設ける必要がなく、給紙装置1の構造が簡素化される。従って、コスト、生産性の点で有利となる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。例えば昇降機構7としてワイヤ70を用いるものを示したが、昇降機構7として機能するものであれば他の構成でも構わない。
本発明は、画像形成装置に対し用紙を供給する給紙装置に利用可能である。
本発明の実施形態に係る給紙装置を画像形成装置に備え付けた場合の正面図である。 本発明の実施形態に係る給紙装置を左上面方向からみた斜視図である。 本発明の実施形態に係る給紙装置の内部構造を説明するための左正面から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る給紙装置の給紙部を説明するため給紙装置を左背面上部からみた拡大斜視図である。 用紙収容部を給紙装置の背面側に位置する側面板からみた側面図である。 図6は、本発明の実施形態に係る昇降機構及び傾斜機構を説明するための拡大図である。
符号の説明
1 給紙装置
2 画像形成装置
5 用紙収容部
7 昇降機構
8 傾斜機構
10 昇降板
51 側面板
53 底面板
54a 検知手段
54aa 用紙検知スイッチ
70 ワイヤ
77 第1コロ
81 開口
82 第2コロ
83 傾斜保持部材
84a 係合部材
84b 取付部材
P 用紙

Claims (4)

  1. 画像形成装置に備え付けられ、複数の用紙を収容するため、前記用紙収容部は、底面板及び底面板に対して垂直に設けられた複数の側面板を有する用紙収容部を有し、収容された用紙の最上位から順次、前記画像形成装置に用紙を供給する給紙装置において、
    前記用紙収容部内に、昇降可能であって用紙を積載するための昇降板が設けられ、
    用紙搬送方向における用紙の前端が下向きに傾くように、前記昇降板を傾ける傾斜機構を有していることを特徴とする給紙装置。
  2. 前記用紙収容部は、底面板に対して垂直に設けられ、積載された用紙の用紙搬送方向における前端が接する前壁板を有し、
    前記前壁板に、積載された最上位部分の用紙の用紙搬送方向における前端が接しているか否か検知するための検知手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  3. 前記傾斜機構は、用紙搬送方向と平行な方向で対向する側面板の両方に、上下方向にわたって対向して設けられる開口と、
    用紙搬送方向と平行な方向における前記昇降板の両側面にそれぞれ設けられ、前記開口に嵌め合わされる傾斜保持部材とからなり、
    前記開口は、昇降板の重心位置よりも、用紙搬送の前後方向における用紙後端側に位置するように設けられていて、
    前記傾斜保持部材は、前記開口に係合される係合部材と、前記係合部材を支持するとともに昇降板に固着するための取付部材から構成され、前記係合部材の幅が前記開口の幅よりも狭くなるように前記傾斜保持部材が形成されていることを特徴とする請求項1及び2記載の給紙装置。
  4. 前記係合部材は、垂直に連なって設けられている2つのコロであって、
    前記コロは、前記昇降板を昇降させるためのワイヤが架けまわされ、
    前記開口は、前記昇降板の昇降の際のガイドであって、
    前記傾斜機構は、前記昇降板を昇降させるための昇降機構の一部を構成していることを特徴とする請求項3記載の給紙装置。
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