JP2008080600A - インクジェット記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐傷性に優れ、且つぎらつきを抑え、顔料インクを用いた場合の白地部と黒地部との間の光沢差を減らすことのできるインクジェット記録媒体の製造方法。
【解決手段】支持体上にインク吸収層を形成する工程を少なくとも有するインクジェット記録媒体の製造方法であって、前記インク吸収層が、気相法シリカと数平均粒子径の異なる分散度が0.2以下の少なくとも2種類のマット剤とを含むことを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録媒体の製造方法に関する。
インクジェット記録方式に使用される記録媒体として、紙などの支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク吸収層を設けてなる記録媒体が知られている。
例えば、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いた記録媒体が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、アルミナやアルミナ水和物を用いた記録媒体が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
上記したような気相法シリカ、アルミナあるいはアルミナ水和物は、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢と高いインク吸収性が得られるという特長がある。しかしその反面、超微粒子であるが故にインク吸収層表面に傷が発生しやすいという問題、及び高光沢であるがために傷が目立ちやすいという問題がある。
一方、インクジェット記録媒体の支持体としては、従来、紙が一般的に用いられており、紙自体にインク吸収層としての役割を持たせていた。近年、フォトライクの記録シートが要望される中、紙支持体を用いた記録シートは、光沢、質感、耐水性、印字後のコックリング(皺あるいは波打ち)等の問題があり、耐水性加工された紙支持体、例えば、紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂ラミネート紙(ポリオレフィン樹脂被覆紙)、プラスチックフィルム等が用いられるようになってきた。しかしながら、これらの耐水性支持体は、紙支持体と違ってインク吸収層を設けた表面の平滑性が高いために、裏面と重ねた場合に擦れによるインク吸収層面に傷が発生しやすいという問題及び、プリント時に重送が起こりやすいという問題がある。また、耐水性支持体それ自体はインク吸収能力が無いためにインク吸収層のインク吸収容量を大きくしなければならず、そのためには空隙率の高い無機微粒子層を厚く塗布する必要がある。空隙率を高くするためには無機微粒子に対する有機バインダーの比率を小さくしなければならず、有機バインダー量減によってインク吸収層の皮膜が脆弱になり、益々傷が発生しやすくなる。この現象は特に平均一次粒子径が50nm以下の超微粒子である、気相法シリカ、アルミナ及びアルミナ水和物を用いたときに顕著になる。
上記したような問題を解消する技術として例えば、上層にコロイダルシリカを含有する層(光沢発現層)を設けることが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、光沢発現層を上層に単に設けるだけでは、光沢、インク吸収性及び耐傷性を同時に充分に満足させることはできなかった。
さらに、耐傷性を改良する目的でマット剤を用いた発明が開示されている(例えば、特許文献5)。
特開昭64−11877号公報 特開平11−34481号公報 特開平6−199034号公報 特開平6−183131号公報 特開平11−321080号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、耐傷性に優れ、且つぎらつきを抑え、顔料インクを用いた場合の白地部と黒地部との間の光沢差を減らすことのできるインクジェット記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
<1> 支持体上にインク吸収層を形成する工程を少なくとも有するインクジェット記録媒体の製造方法であって、前記インク吸収層が、気相法シリカと数平均粒子径の異なる分散度が0.2以下の少なくとも2種類のマット剤とを含むことを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法である。
<2> 支持体上にインク吸収層と光沢発現層とを形成する工程を少なくとも有するインクジェット記録媒体の製造方法であって、前記インク吸収層が気相法シリカを含み、前記光沢発現層がコロイダルシリカを含み、前記インク吸収層又は前記光沢発現層のいずれかが数平均粒子径の異なる分散度が0.2以下の少なくとも2種類のマット剤を含むことを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法である。
<3> 前記インク吸収層の形成された側の表面におけるJIS B0601によるカットオフ値0.05〜0.5mmで測定したときのRaが0.1μm未満であり、カットオフ値1〜3mmで測定したときのRaが0.40μm未満であり、JIS Z8741の60°光沢度が50以上であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のインクジェット記録媒体の製造方法である。
<4> 前記マット剤のうち、最大の数平均粒子径(Da)を示すマット剤Aと最小の数平均粒子径(Db)を示すマット剤BとがDa/Db>1.5を満たすことを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体の製造方法である。
<5> 前記マット剤の数平均粒子径が1〜25μmであることを特徴とする<1>乃至<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体の製造方法である。
本発明によれば、耐傷性に優れ、且つぎらつきを抑え、顔料インクを用いた場合の白地部と黒地部との間の光沢差を減らすことのできるインクジェット記録媒体の製造方法が提供される。
以下、本発明のインクジェット記録媒体の製造方法について詳細に説明する。
本発明の第一のインクジェット記録媒体の製造方法は、支持体上にインク吸収層を形成する工程を少なくとも有するインクジェット記録媒体の製造方法であって、前記インク吸収層が、気相法シリカと数平均粒子径の異なる分散度が0.2以下の少なくとも2種類のマット剤とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の第二のインクジェット記録媒体の製造方法は、支持体上にインク吸収層と光沢発現層とを形成する工程を少なくとも有するインクジェット記録媒体の製造方法であって、前記インク吸収層が気相法シリカを含み、前記光沢発現層がコロイダルシリカを含み、前記インク吸収層又は前記光沢発現層のいずれかが数平均粒子径の異なる分散度が0.2以下の少なくとも2種類のマット剤を含むことを特徴とするものである。
第一のインクジェット記録媒体の製造方法により製造されるインクジェット記録媒体は、インク吸収層に数平均粒子径の異なる分散度が0.2以下の少なくとも2種類のマット剤を含むため、表面の光沢感に優れる。
また、第二のインクジェット記録媒体の製造方法により製造されるインクジェット記録媒体は、インク吸収層又は光沢発現層のいずれかに数平均粒子径の異なる分散度が0.2以下の少なくとも2種類のマット剤を含むため、表面の光沢感に優れると共に耐傷性にも優れる。
第一及び第二のインクジェット記録媒体の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」と称することがある。)により製造されるインクジェット記録媒体は、インク吸収層の形成された側の表面におけるJIS B0601によるカットオフ値0.05〜0.5mmで測定したときのRaが0.1μm未満であり、カットオフ値1〜3mmで測定したときのRaが0.40μm未満であり、JIS Z8741の60°光沢度が50以上であってもよい。本発明の製造方法によれば、表面が上記特定のRa値を示す場合においても光沢感を保持できる。表面のRa値が上記特定の範囲外である場合には耐傷性の問題は生じにくいものである。
カットオフ値0.05〜0.5mm及び1〜3mmにおけるRa値がそれぞれ、印画面に写りこんだ像のボケ、歪みに大きく影響することを我々は既に確認しており、カットオフ値0.05〜0.5mm,1〜3mmのRaはそれぞれ0.1μm、0.40μm以上になると印画面に映りこんだ像のボケ、歪みが大きくなり、写真画質を大きく損ねるため、カットオフ値0.05〜0.5mm及び1〜3mmのRaを各々0.1及び0.40μm未満とした。
さらに、本発明の製造方法により製造されるインクジェット記録媒体は下記理由から顔料インクを用いた場合の白地部と黒地部との間の光沢差を減らすことができる。
通常、顔料インクを光沢紙に印画すると印画部の光沢が低下して、非印画部との光沢差が大きく、写真画質として問題が生じる。しかし、単分散のマット剤を加えることにより、白地部の光沢を適度に減少させ、かつ、黒地の光沢は、マット剤無添加の受像紙とほとんど変わらないので、白地部、黒地部の光沢差を抑えることが可能となり、写真画質を維持することが可能である。
本発明に係るインクジェット記録媒体の構成は特に限定されるものではないが、支持体上にインク吸収層と光沢発現層とがこの順に設けられていることが好ましい。また、必要に応じてその他の層が形成されていてもよい。本発明に係るインクジェット記録媒体が光沢発現層を有する場合には、光沢発現層は最外層として設けられることが好ましく、支持体上にインク吸収層と最外層である光沢発現層とがこの順に且つインク吸収層と光沢発現層とが接するように設けられることがさらに好ましい。
本発明に係るインクジェット記録媒体は、気相法シリカを含むインク吸収層を備える。該インク吸収層は気相法シリカ以外の他の無機微粒子を含んでいてもよい。該他の無機微粒子としては、例えば、アルミナ又はアルミナ水和物が好ましい。気相法シリカ及び必要に応じて用いられる気相法シリカ以外の他の無機微粒子の合計量は、インク吸収層を構成する全固形分に対して50質量%以上含有されることが好ましく、さらに好ましくは60質量%、特に好ましくは65質量%以上である。本発明において、インク吸収層に含有される気相法シリカ及び必要に応じて用いられる気相法シリカ以外の他の無機微粒子の合計量(インク吸収層が2層以上の場合はその合計の量)は、10〜50g/mが好ましく、15〜40g/mの範囲がより好ましい。
気相法シリカ以外の他の無機微粒子を併用する場合、気相法シリカと該他の無機微粒子との含有比(質量基準)は、95:5〜20:80が好ましく、90:10〜50:50がさらに好ましい。
本発明において、インク吸収層は1層構成であっても複数層の構成であってもよい。1層構成の場合、例えば気相法シリカを単独に含有する態様、あるいは気相法シリカ及び気相法シリカ以外の他の無機微粒子を併用する態様があり、いずれも採用することができる。インク吸収層が複数層構成の場合は、例えば気相法シリカのみで複数層を構成する態様、異なる種類を別々の層に含有する態様等があるが、具体的には、気相法シリカ含有層とアルミナあるいはアルミナ水和物を含有する層との2層構成、または粒子径が異なる気相法シリカを別々の層に含有する態様等が挙げられる。
本発明に用いられる気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、トクヤマ(株)からQSタイプとして市販されており入手することができる。
気相法シリカの平均一次粒子径は、5〜50nmが好ましく、より高い光沢を得るためには、5〜20nmでかつBET法による比表面積が90〜400m/gのものを用いるのが好ましい。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
本発明に用いられるアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で50〜300nm程度まで粉砕したものが好ましく使用出来る。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、Al・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。
アルミナ水和物の一次粒子の平均粒径は、5〜50nmが好ましく、より高い光沢を得るためには、5〜20nmでかつ平均アスペクト比(平均厚さに対する平均粒径の比)が2以上の平板状の粒子を用いるのが好ましい。
本発明において、インク吸収層には皮膜としての特性を維持するために有機バインダーを含有するのが好ましい。有機バインダーとしては、各種水溶性ポリマーあるいはポリマーラテックスが好ましく用いられる。水溶性ポリマーとしては、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系等やそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい有機バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
また有機バインダーとして用いられるポリマーラテックスとしては、例えば、アクリル系ラテックスとしては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基等のアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル類、アクリルニトリル、アクリルアミド、アクリル酸及びメタクリル酸等の単独重合体または共重合体、あるいは上記モノマーと、スチレンスルホン酸やビニルスルホン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、ビニルメチルエーテル、酢酸ビニル、スチレン、ジビニルベンゼン等との共重合体が挙げられる。オレフィン系ラテックスとしては、ビニルモノマーとジオレフィン類のコポリマーからなるポリマーが好ましく、ビニルモノマーとしてはスチレン、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等が好ましく用いられ、ジオレフィン類としてはブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
本発明のインク吸収層には有機バインダーを無機微粒子に対して5〜35質量%の範囲で用いるのが好ましく、特に10〜30質量%の範囲で用いるのが好ましい。
本発明において、インク吸収層は、カチオン性化合物を含有するのが好ましい。インク吸収層にカチオン性化合物を含有することによって、インク吸収層のひび割れの防止及び耐水性の向上が図られる。更に、このカチオン性化合物を含有するインク吸収層の上にコロイダルシリカとカチオン性化合物を含有する層を設けることによって、耐傷性、耐水性、インク吸収性が更に向上し、加えて2つの層の界面における凝集が防止され、その結果塗布ムラや光沢ムラが解消する。
本発明に用いられるカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーあるいは水溶性の多価金属化合物が好ましく用いられる。これらのカチオン性化合物及び水溶性の多価金属化合物は、単独あるいは併用することができる。
本発明に用いられるカチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、あるいは1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号公報等に記載されたカチオン性ポリマーが挙げられる。本発明に用いられるカチオン性ポリマーの重量平均分子量は10万以下が好ましく、より好ましくは5万以下であり、下限は2千程度である。
これらのカチオン性ポリマーの使用量は無機微粒子に対して1〜10質重量%の範囲が好ましい。
上記水溶性の多価金属化合物における多価金属としては、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、チタン、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンが挙げられ、これらの金属の水溶性塩として用いることができる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、塩化チタン、硫酸チタン、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。これらの中でも特に、アルミニウムあるいは周期表IVa族元素(ジルコニウム、チタン)の水溶性塩が好ましい。本発明において、水溶性とは常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを意味する。
上記以外の水溶性アルミニウム化合物として、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例えば[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6−n ・・式1
[Al(OH)AlCl ・・式2
Al(OH)Cl(3n−m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。これらの塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物は、特公平3−24907、同平3−42591号公報にも記載されている。
本発明において、上記した水溶性の多価金属化合物のインク吸収層中の含有量は、0.1g/m〜10g/m、好ましくは0.2g/m〜5g/mである。
本発明において、インク吸収層に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは有機バインダーに対して10〜50質量%の範囲で用いることができる。
本発明において、インク吸収層には、有機バインダーとともに硬膜剤を含有するのが好ましい。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。硬膜剤の添加量はインク吸収層を構成する有機バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
インク吸収層には、更に着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。また、インク吸収層の塗布液のpHは、3.3〜6.0の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。このインク吸収層塗布液のpHと、コロイダルシリカを含有する層の塗布液のpH3.3〜6とを組み合わせることによって、更にインク吸収性、光沢性、及び均一な塗布面が得られる。
本発明において、インク吸収層の膜厚は5〜50μmが好ましく、15〜40μmがさらに好ましい。ここで、インク吸収層が複数存在する場合にはインク吸収層の膜厚とは複数のインク吸収層の膜厚の合計をいう。
第二のインクジェット記録媒体の製造方法により製造されたインクジェット記録媒体は、コロイダルシリカを含む光沢発現層を備える。光沢発現層は、最表面の層(最外層)であることが好ましい。
本発明に用いられるコロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる二酸化珪素をコロイド状に水中に分散させたものであり、平均一次粒径が数nm〜100nm程度の湿式法合成シリカである。コロイダルシリカとしては、日産化学工業(株)社からスノーテックスST−20、ST−30、ST−40、ST−C、ST−N、ST−20L、ST−O、ST−OL、ST−S、ST−XS、ST−XL、ST−YL、ST−ZL、ST−OZL、ST−AK等が、市販されている。
本発明に用いられるコロイダルシリカは、インク吸収性及び光沢の観点から平均一次粒子径が30nm〜100nmの範囲のものが好ましい。更に平均一次粒子径の異なる2種類以上のコロイダルシリカを併用することが好ましい。この場合、平均一次粒子径が30nm以上〜60nm未満のコロイダルシリカと平均一次粒子径が60nm以上〜100nm以下のコロイダルシリカを組み合わせて用いるのがより好ましく、コロイダルシリカの合計量に対する平均一次粒子径が30nm以上〜60nm未満のコロイダルシリカの比は、60質量%以上が好ましい。
上記のコロイダルシリカの粒子形状としては、球状、鎖状(数珠状)等があるが、耐傷性及び光沢性の点で球状のコロイダルシリカが好ましい。また、上記のコロイダルシリカは、アニオン性、ノニオン性、カチオン性があるが、光沢発現層の塗布液の安定性、特にポリビニルアルコールを有機バインダーとして含有する塗布液の安定性(塗布液の経時によるコロイダルシリカの凝集や分離)の点でアニオン性が好ましい。
光沢発現層におけるコロイダルシリカの固形分塗布量は、0.1〜8.0g/mが好ましく、0.3〜5.0g/mの範囲がより好ましい。これによって、インク吸収性を低下させずに、光沢性及び耐傷性の一段の改良が図られる。
本発明において、光沢発現層はカチオン性化合物を含有してもよい。カチオン性化合物としてはカチオン性ポリマーあるいは水溶性多価金属化合物が好ましく用いられる。これらのカチオン性ポリマー及び水溶性多価金属化合物の詳細は、前述のインク吸収層での説明と同じである。本発明において、光沢発現層に用いられるカチオン性化合物としてはカチオン性ポリマーが好ましい。
上記カチオン性化合物の添加量は、コロイダルシリカに対して0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜8.0質量%の範囲がより好ましい。
光沢発現層には、更に有機バインダーを含有するのが好ましい。有機バインダーはコロイダルシリカに対して10質量%以下で用いるのが好ましく、下限は0.5質量%程度である。より好ましくは、1〜7質量%の範囲で有機バインダーを用いる。有機バインダーをこの範囲で含有させることによってインク吸収性を低下させずに耐傷性を更に向上させる。
上記有機バインダーとしては、インク吸収層に用いられる前述した有機バインダーを挙げることができる。これらの中でも特に好ましい有機バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
光沢発現層には、有機バインダーとともに硬膜剤を用いることができる。硬膜剤としては、前述したインク吸収層に用いられる硬膜剤を挙げることができる。これらの硬膜剤の中でも特に、ほう酸あるいはほう酸塩が好ましく用いられる。光沢発現層には、他に界面活性剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等を含有することができる。
本発明において、光沢発現層の膜厚は0.01〜5μmが好ましく、0.02〜1μmがさらに好ましい。
第一のインクジェット記録媒体の製造方法により製造されたインクジェット記録媒体のインク吸収層には、及び、第二のインクジェット記録媒体の製造方法により製造されたインクジェット記録媒体のインク吸収層又は光沢発現層のいずれかには、数平均粒子径の異なる分散度が0.2以下の少なくとも2種類のマット剤が含有される。
第二のインクジェット記録媒体の製造方法により製造されたインクジェット記録媒体においては、少なくとも2種類のマット剤は、インク吸収層又は光沢発現層のいずれかに含まれていればよいが、インク吸収層よりも上層側に位置する光沢発現層に含有されることが好ましい。
なお、本発明で言う分散度とは、マット剤のコールターカウンターによる粒度分布測定により得られる球相当粒子直径から、(ΣNV/ΣNV)(但し、ここでVは個々の粒子の直径を表し、Nは粒径がVである個数を表す)を基準に算出された標準偏差及び平均粒径から、標準偏差/平均粒径の比で表される値を示す。本発明においては、光沢を損なわないためにマット剤の分散度は0.2以下であることが必要である。分散度は小さければ小さい程好ましく、分散度の下限はその定義からゼロである。
マット剤は、水不溶性の有機又は無機の粒子であり、例えば、酸化チタン、シリカ粒子、ガラス粉、硫酸バリウム、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート共重合体などの粒子であり、分散度が0.2以下のものであればいかなるものも本発明で使用できる。
なお、マット剤として用いる粒子は、凝集体ではなく単一粒子として分散されるものが好ましい。
本発明においては、マット剤のうち、最大の数平均粒子径(Da)を示すマット剤Aと最小の数平均粒子径(Db)を示すマット剤BとがDa/Db>1.5を満たすことが好ましい。
Da/Db>1.5を満たすことにより、十分な耐傷性効果を得ることができる。Da/Dbは2.0以上であることがさらに好ましい。
マット剤として上記マット剤A及びマット剤Bの二種類を併用する場合、マット剤Aとマット剤Bとの混合比(質量基準)は、95:5〜10:90が好ましく、90:10〜30:70がさらに好ましい。
本発明においては、マット剤の数平均粒子径が1〜25μmであることが好ましい。マット剤の数平均粒子径が1μm以上であれば十分な耐傷性効果を得ることができる。また、25μm以下であれば十分な光沢を維持することができる。
マット剤Aの数平均粒子径は12〜25μmが好ましく、15〜22μmがより好ましい。マット剤Bの数平均粒子径は1〜15μmが好ましく、2〜12μmがより好ましい。
なお、数平均粒子径はコールターカウンターによる測定値を用いて表す。
マット剤の塗布量は、0.001〜10g/mが好ましく、0.005〜5g/mがより好ましい。ここで、マット剤の塗布量とは、複数のマット剤の合計量についての塗布量をいう。
第一のインクジェット記録媒体の製造方法はインク吸収層を形成する工程を少なくとも有し、第二のインクジェット記録媒体の製造方法ではインク吸収層と光沢発現層とを形成する工程を少なくとも有する。インク吸収層は支持体上に気相法シリカを含有するインク吸収層の塗布液を塗布、乾燥することにより形成することができる。光沢発現層は支持体上にコロイダルシリカを含有する光沢発現層の塗布液を塗布、乾燥することにより形成することができる。
第一のインクジェット記録媒体の製造方法においては、インク吸収層の塗布は、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等を用いて行うことができる。
第二のインクジェット記録媒体の製造方法においては、インク吸収層及び光沢発現層の塗布方法は、1層ずつ塗布する逐次塗布方法(例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等)、あるいは多層同時重層塗布方法(例えば、スライドビードコーターやスライドカーテンコーター等)のいずれの方法であってもよいが、多層同時重層塗布方法が好ましく用いられる。
従来、インク吸収層と光沢発現層は逐次塗布(例えば、インク吸収層を塗布乾燥後に光沢発現層を塗布乾燥する方法)するのが一般的であったが、光沢発現層におけるコロイダルシリカの塗布量が固形分で8g/m以下の場合、更には5g/m以下の場合に逐次塗布すると、光沢発現層の光沢性及び耐傷性の効果が十分に発揮されないということが分かった。これは、塗布乾燥された気相法シリカを含有するインク吸収層の上に、比較的薄層の光沢発現層を塗布した場合、インク吸収層中の空隙に光沢発現層の塗布液が一部浸透し、均一な光沢発現層が得られないためと考えられている。また、インク吸収層中の空隙に存在する空気が上層の光沢発現層の塗布液中に拡散して泡となって、クレーター状の塗布欠陥(クレーター状ハジキ)を発生させることも、光沢発現層の均一塗布の障害になっていた。
また、更に、インク吸収層の無機微粒子として気相法シリカを用いた場合、インク吸収層を一旦塗布乾燥した後、光沢発現層を塗布した場合、インク吸収層が再度湿潤状態となって乾燥する過程で、インク吸収層に微小なひび割れを生じさせる場合がある。
比較的薄層の光沢発現層をインク吸収層の塗布乾燥後に逐次塗布する場合の課題は、インク吸収層と光沢発現層を同時重層塗布することによって解消する。本発明において、光沢発現層の薄層塗布は、インク吸収性の点で好ましい。コロイダルシリカは、他の無機微粒子、例えば、本発明のインク吸収層に用いられる気相法シリカ、アルミナやアルミナ水和物に比べインク吸収性に劣るために、上層に光沢発現層を設ける場合は薄層の方が好ましい。その反面、コロイダルシリカは光沢及び耐傷性に優れており、均一な塗布面が形成できれば薄層であっても充分に高い光沢性及び耐傷性の効果が得られる。従って、インク吸収性、光沢、及び耐傷性を同時に高いレベル満足させるためには、薄層の光沢発現層をインク吸収層と同時重層塗布するのが極めて好ましいと言える。
多層同時重層塗布は、スライドビードコーターやスライドカーテンコーターのようなコーターを用いて、インク吸収層及び光沢発現層の複数の塗布液を積層状態で支持体に塗布する。インク吸収層と光沢発現層の塗布液が積層した状態において、2つの層の界面で凝集が起こりやすいという問題が新たに発生した。この問題は、光沢発現層にカチオン性化合物を含有させ、かつ塗布液のpHを3.3〜6.0の範囲に、好ましくは3.5〜5.5の範囲に調整することによって解消される。
光沢発現層の好ましい構成は前述した通りであるが、該層の塗布液におけるコロイダルシリカの濃度は、3〜25質量%程度が適当であり、より好ましくは5〜15質量%である。光沢発現層塗布液の湿分塗布量は、10〜50g/m程度が好ましく、10〜30g/mがより好ましい。
インク吸収層の構成についても前述したとおりであるが、インク吸収層の塗布液における無機微粒子(気相法シリカ及び必要に応じて用いられる気相法シリカ以外の他の無機微粒子の合計)の濃度は、5〜20質量%程度が好ましい。インク吸収層は、複数層の場合でも、いずれの層も上記範囲の無機微粒子の濃度であることが好ましい。インク吸収層塗布液の湿分塗布量は、単一層の場合でも複数層の場合でも、合計で100〜300g/m程度が適当である。インク吸収層の塗布液のpHは、3.3〜6の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。この範囲のpHに調整することによって、インク吸収性が向上し、更に光沢発現層との界面での凝集がより抑制される。
本発明で使用される支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、紙の少なくとも片面にポリオレフィン樹脂等の疎水性樹脂をラミネートしたポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持体が好ましい。これらの耐水性支持体の厚みは50〜300μm、好ましくは80〜260μmのものが用いられる。
本発明に好ましく用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体(以降、ポリオレフィン樹脂被覆紙と称す)について詳細に説明する。本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。平滑性の良好な小さいRaを有する支持体の製造方法としては以下の技術が挙げられる。
長波長領域(カットオフ値 1mm以上)のRaを小さく方法は、パルプの配合技術(熱を掛けて柔らかくなりやすい配合パルプを使用する等)、及び、抄造条件(キャレンダー圧力、温度の最適化、ジェットワイヤー比の最適化等)の組み合わせが挙げられる。使用されるパルプの制限は特にはないが、目的に応じて、例えば、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック材料性の合成パルプ、または天然パルプと合成パルプの混合物でも良い。
原紙の平面性、及び寸法安定性を十分なレベルまで向上させるためには、広葉樹パルプが好ましく、針葉樹パルプでも良い。広葉樹パルプの中では、例えば、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹サルファイトパルプ(LBSP)等が挙げられるが、これらの中でも広葉樹クラフトパルプが好ましい。
前記、広葉樹パルプの含有量としては、特に制限はないが、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、75%以上が更に好ましい。
また、原紙を機械的に平滑にする方法として、特開200−54279 (0024)〜(0034)に示してあるプレスドライ処理、カレンダー処理を行う方法がありこれらの方法で平滑化処理をすることが好ましい。
また、特開2004−216667の(0023)に定義されているジェットワイヤー比を最適化することでも平滑性は大きく向上するが、最適な範囲は、0.95〜1.05付近であり、目的に応じて、この範囲で抄紙をすることが好ましい。
短波長領域(カットオフ値 0.5mm以下)のRaを小さくする方法は、ポリオレフィン樹脂層の厚さを30g/m以上にすることが効果が大きい。好ましくは35g/m以上であることが好ましい。
基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、基紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/mが好ましい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その少なくとも片面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。インク吸収性からは基紙のインク吸収層を設ける面(基紙の表面)に樹脂を被覆しないほうが好ましく、反対面(基紙の裏面)にはカール防止の点からは樹脂層を設けたほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、裏面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に片面5〜50μmの厚みに片面または表裏両面に樹脂コーティングされる。片面だけを樹脂被覆する場合には、得られるインクジェット記録媒体のカール性からはポリオレフィン樹脂被覆層の厚みは5〜25μm程度が好ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂被覆紙の表のインク吸収層が塗設される面は、基紙面のままでもよいが、光沢、平滑性からはポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリングロールはポリオレフィン樹脂コーティング層の表面形状の形成に使用され、樹脂層の表面はクーリングロール表面の形状により鏡面、微粗面、またはパターン化された絹目状やマット状等に型付け加工することができる。
本発明のポリオレフィン樹脂被覆紙の裏のインク吸収層の塗設される面は、表面を樹脂被覆する場合には基紙面のままでも良いが、カール性や印字画像の向上からは主としてポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際プリンターでの搬送性、印字画像からはクーリングロールはJIS−B−0601に規定されるRaが0.8〜5μmになるようにクーリングロール表面の形状により微粗面、またはパターン化された、例えば絹目状やマット状等に型付け加工することが好ましい。また、受像紙の走行性の観点から、ポリマーラテックスやシリカ、アルミナ等の無機微粒子が裏面に塗布されていることが好ましい。
基紙の裏面や表面にポリオレフィン樹脂被覆層を設ける方法は、加熱溶融樹脂を押し出して塗設する以外に電子線硬化樹脂を塗設後、電子線を照射する方法や、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの塗液を塗設後乾燥し、表面平滑化処理を施す方法等が有る。いずれも凹凸を有する熱ロール等での型付けを行うことで本発明に適応可能なポリオレフィン樹脂被覆紙が得られる。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙の表面には下引き層を設けても良い。この下引き層は、インク吸収層が塗設される前に、予め耐水性支持体の表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/mが好ましく、20〜300mg/mがより好ましい。更に、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。また、樹脂被覆紙に下引き層を塗布する前には、コロナ放電することが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
−支持体の作製−
広葉樹クラフトパルプ(LBKP)75部とアカシア材クラフトパルプ(LBKP)25部とをそれぞれ、ダブルディスクリファイナーにより叩解し、カナディアンフリーネス(カナダ標準濾水度)330mlのパルプスラリーを得た。
次いで、得られたパルプスラリーに対パルプあたり、カチオン性澱粉(CATO304L、日本NSC(株)製)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(ポリアクロンST−13、星光化学(株)製)0.15%、アニオン性ケテンダイマー(サイズパインK、荒川化学(株)製)0.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、及びポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(アラフィックス 100、荒川化学(株)製)0.32%を加えると共に、その後更に消泡剤0.12%を加えた。
上記のように調整されたパルプスラリーを長網抄紙機により、ジェットワイヤー比1.03で抄紙を行なった後、脱水し、脱水後の湿紙を、前記プレスドライ処理として特開2005−54279の図1に示すプレスドライ装置(VALMET製 Static Condebelt)を用いて乾燥し、乾燥後の水分量が7.0%の原紙を作成した。前記プレスドライ処理は、原紙のインク吸収層を設ける面側(表面)に接する上部プレートの温度を150℃に調整し、原紙のインク吸収層を設けない面側(裏面)に接する下部プレートの温度を85℃に調整し、プレス圧力0.4MPa、乾燥時間1秒で行なった。
その後、前記プレスドライ処理した原紙をソフトカレンダー装置を用いて、インク吸収層を設ける面側(表面)に表面温度250℃の金属ロール、反対面の樹脂ロールの表面温度を40℃にして、カレンダー処理を行い秤量200g/mで厚さ190μmの原紙を抄造し、基紙を得た。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ40μmとなるようにコーティングし、マット面からなるポリエチレン樹脂層を形成した(以下、このポリエチレン樹脂層側を「裏面」と称する。)。この裏面側のポリエチレン樹脂層の表面に、更にコロナ放電処理を施した後、酸化アルミニウム(帯電防止剤;アルミナゾル100、日産化学工業(株)製)と二酸化ケイ素(スノーテックスO、日産化学工業(株)製)とを1:2の質量比で水に分散した分散液を乾燥質量が0.2g/mとなるように塗布した。
更に、ポリエチレン樹脂層の設けられていないフェルト面側(表面)に、コロナ放電処理を施した後、溶融押出機を用いてアナターゼ型二酸化チタン10%、微量の群青(東京インキ製)、及び蛍光増白剤(Whiteflour PSN conc、(株)日本化学工業所製)0.08%(対ポリエチレン)を含む、MFR(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを厚み40μmとなるように押出し、弾性ロールと冷却ロールとの間のニップ圧力が3.5MPaとなるようにして、基紙の表面側に高光沢なポリエチレン樹脂層を形成し(以下、この高光沢な面を「オモテ面」と称する。)、支持体とした。
なお、弾性ロールを構成する弾性体は、材質がエチレンプロピレンゴムであり、硬度がJIS K−6301で表される値で80であり、肉厚が25mmであるものを用いた。また、該弾性ロールのロール表面の粗度はJIS B−0601で表される値で0.3Sである。
上記支持体のオモテ面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/mとなるように塗布乾燥して支持体を作成した。尚、部とは、固形分の質量部を表す。
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
得られた支持体の下引き層を設けた面に下記組成のインク吸収層塗布液、及び光沢発現層塗布液をスライドビードコーターで同時重層塗布した。インク吸収層塗布液における気相法シリカの濃度は9質量%になるように調製した。インク吸収層塗布液の湿分塗布量は200g/mである(気相法シリカの固形分塗布量は18g/m)。光沢発現層塗布液におけるコロイダルシリカの濃度は8質量%になるように調製した。光沢発現層塗布液の湿分塗布量は12.5g/mである(コロイダルシリカの固形分塗布量は1g/m)。
<インク吸収層塗布液>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m/g)
3,6−ジチオ−1,8−オクタンジオール 3部
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
(商品名:ヒ゜ュラケムWT、(株)理研ク゛リーン製)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
塗布液のpHを4.0に調製した。
<光沢発現層塗布液>
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性の球状コロイタ゛ルシリカ;日産化学工業(株)社製のスノーテックスST−OL40、 平均一次粒径40〜50nm)
カチオン性ポリマー;ポリフィックス601 1部
(昭和高分子社性、特殊変性ポリアミン)
ポリビニルアルコール 4部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
マット剤A 4部
(PMMA粒子、綜研化学社製、数平均粒子径20μm、分散度0.10)
マット剤B 20部
(PMMA粒子、綜研化学社製、数平均粒子径10μm、分散度0.10)
上記の光沢発現層塗布液は以下のようにして作製した。まずコロイダルシリカの濃度が10質量%になるように水を加えてコロイダルシリカ水溶液を調製し、このコロイダルシリカ水溶液を高速回転ディスパーで高速撹拌しながら、マット剤、ポリフィックス601(10質量%溶液)を添加し更に10分間高速撹拌した後、ポリビニルアルコール、界面活性剤を順に加えることにより塗布液を作製した。この塗布液のpHは3.0であった。
上記のインク吸収層塗布液と光沢発現層塗布液とをそれぞれ同時重層塗布して、実施例1に係るインクジェット記録媒体を作製した。この記録媒体についてRa値、耐傷性、白地光沢度、印画(黒色)後光沢度及びぎらつきについて以下の方法でそれぞれ評価した。その結果を表1に示す。
(実施例2乃至10及び比較例1乃至7)
表1に記載のマット剤A及びBを用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製し、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。なお、実施例2乃至10及び比較例1乃至7で用いられたマット剤はいずれも綜研化学社製である。
(実施例11)
フェルト面側の低密度ポリエチレンの厚みを25μにしたこと以外は実施例1と同じにしてインクジェット記録媒体を作製し、実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
(実施例12乃至21及び比較例8乃至14)
実施例1に係るインク吸収層塗布液に、表2に記載のマット剤を添加した塗布液を用い、光沢発現層塗布液を塗布しない以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製し、実施例1と同様にして評価した。その結果を表2に示す。なお、実施例12乃至21及び比較例8乃至12で用いられたマット剤はいずれも綜研化学社製である。また、比較例13,14で用いられたマット剤は積水化成品工業株式会社製である。
<Ra値の測定>
3次元表面構造解析顕微鏡(ZYGO New View 5000、ZYGO(株)製)を用いて、下記の測定条件及び解析条件のもと、カットオフ0.05mm〜0.5mmの条件にてRa値(中心面平均粗さ)を測定した。
〈測定条件及び解析条件〉
・測定長さ :X方向10mm、Y方向10mm
・対物レンズ:2.5倍
・バンドパスフィルター:0.05mm〜0.5mm
表面形状測定装置ナノメトロ110F(黒田精工(株)製)を用いて、下記の測定条件及び解析条件のもと、カットオフ1mm〜3mmの条件にてRa値(中心面平均粗さ)を測定した。
〈測定条件及び解析条件〉
・走査方向 :サンプルのMD方向
・測定長さ :X方向50mm、Y方向30mm
・測定ピッチ:X方向0.01mm、Y方向1.0mm
・走査速度 :2mm/sec
・バンドパスフィルター:1mm〜3mm
<白地光沢度>
JIS Z8741に記載されている方法で測定された60°鏡面光沢度を白地光沢度とした。
<印刷後光沢度>
セイコーエプソン社の顔料プリンタV630でブラック顔料の最大吐出量でベタ印刷を行い、形成されたベタ画像についてJIS Z8741に記載されている方法で測定された60°鏡面光沢度を印刷後光沢度とした。
<ぎらつき>
セイコーエプソン社の顔料プリンタV630で23℃/60%の雰囲気で(最大濃度で)シアン印刷を行い、23℃/60%環境下で一日放置後のぎらつき具合(蛍光灯下で青色が赤色に変化する具合)を下記基準に基づき評価した。
× ; 赤色が非常に強く見える。
△ ; 僅かに赤色が見える。
○ ; 赤色が全く見えない。
<耐傷性>
印刷後光沢度またはぎらつき評価の際の表面についた搬送時の擦り傷を目視により調べた。擦り傷の程度は以下の基準で評価した。
◎:擦り傷がまったくない
○:1〜2本の弱い擦り傷が認められる
△:全面に弱い筋があるがプリント品質はあまり劣化しない
×:全面に強い擦り傷があり、プリント品質を大きく劣化
Figure 2008080600
Figure 2008080600
表1及び2中、MBX20は架橋アクリル系微粒子のことである。
表1及び表2から以下のことがわかる。
分散度が0.2以下の粒子径が異なる少なくとも2種類の有機微粒子を混ぜることにより、耐傷性、印画前後の光沢度、ぎらつきを両立できる。

Claims (5)

  1. 支持体上にインク吸収層を形成する工程を少なくとも有するインクジェット記録媒体の製造方法であって、
    前記インク吸収層が、気相法シリカと数平均粒子径の異なる分散度が0.2以下の少なくとも2種類のマット剤とを含むことを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
  2. 支持体上にインク吸収層と光沢発現層とを形成する工程を少なくとも有するインクジェット記録媒体の製造方法であって、
    前記インク吸収層が気相法シリカを含み、前記光沢発現層がコロイダルシリカを含み、前記インク吸収層又は前記光沢発現層のいずれかが数平均粒子径の異なる分散度が0.2以下の少なくとも2種類のマット剤を含むことを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
  3. 前記インク吸収層の形成された側の表面におけるJIS B0601によるカットオフ値0.05〜0.5mmで測定したときのRaが0.1μm未満であり、カットオフ値1〜3mmで測定したときのRaが0.40μm未満であり、JIS Z8741の60°光沢度が50以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  4. 前記マット剤のうち、最大の数平均粒子径(Da)を示すマット剤Aと最小の数平均粒子径(Db)を示すマット剤BとがDa/Db>1.5を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  5. 前記マット剤の数平均粒子径が1〜25μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
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