JP2008074703A - ビスマス置換型ガーネット厚膜材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】約1.6μm以上の波長帯域における本質的な吸収を示すTbBi系ガーネット厚膜の代替材料として、Tbイオンによる吸収スペクトルの影響があらわれる1.5μm以上の波長帯域において、改善された挿入損失とθf/Tをもつガーネット厚膜材料、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】LPE法によるビスマス置換型ガーネット厚膜材料であって、NGGを基板とし、化学式が、Gd3−x−y−zYxYbyBizFe5−aAlaO12、ただしx=0〜0.2,y=0〜0.2で、かつxおよびyが同時には0ではなく、さらに、z=0.8〜1.4,a=0.2〜0.7で示される組成を有し、0〜3.7重量%のB2O3を含有し、950〜1130℃の温度範囲、酸素濃度が5%以上の雰囲気中で保持する熱処理を行う。
【選択図】図1
【解決手段】LPE法によるビスマス置換型ガーネット厚膜材料であって、NGGを基板とし、化学式が、Gd3−x−y−zYxYbyBizFe5−aAlaO12、ただしx=0〜0.2,y=0〜0.2で、かつxおよびyが同時には0ではなく、さらに、z=0.8〜1.4,a=0.2〜0.7で示される組成を有し、0〜3.7重量%のB2O3を含有し、950〜1130℃の温度範囲、酸素濃度が5%以上の雰囲気中で保持する熱処理を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、ファラデー回転効果を有する光学用ガーネット材料の中で、ビスマス置換型ガーネット厚膜材料と、その製造方法に関し、とくに液相エピタキシャルによって育成した(Gd,Y,Yb,Bi)3(Fe,Al)5O12系ガーネット(以下、GdYYbBi系ガーネットという)単結晶厚膜材料およびその製造方法に関する。
従来、光通信においては、ファラデー回転を応用したデバイスが開発、実用化されている。半導体レーザを使用した光通信では、光ファイバケーブルやコネクタなどからの反射光が半導体レーザに戻ると発振が不安定となったり、ノイズの原因となる。それゆえ、半導体レーザへの戻り光を遮断し、安定した発振状態を確保するために光アイソレータが使用されている。
大きなファラデー回転角を有するビスマス置換型希土類鉄ガーネット(以下、Bi系ガーネットという)は、液相エピタキシャル法(以下LPE法という)、フラックス法等で育成され、近赤外線領域でのアイソレータに使用されている。とくに,LPE法は生産性に優れ、それゆえ、現在実用に供されているガーネット厚膜は、ほとんどこの方法で生産されている。
現在、ファイバケーブルを用いた長距離の通信には、波長が1.31μmと1.55μmの帯域が使用されている。また、光通信網の監視等には、約1.6〜2μmの範囲にある波長が使用される。
従来、近赤外線用ファラデー回転素子材料として,LPE法で作製されたTbBi系ガーネット厚膜とGdBi系(Ga,Al置換)ガーネット厚膜が実用に供されてきた。TbBi系ガーネット厚膜は、ファラデー回転角θf(以下単にθfという)の温度係数θf/T(以下単にθf/Tという)が約0.04〜0.06deg(度)/℃と比較的小さいが、飽和磁界Hsは約800〜1200Oeと高いため、強力な永久磁石を必要とする。TbBiガーネット厚膜は、また、磁化反転温度が約−50℃以下であり、広い温度範囲で使用できる。
他方、GdBi系(Ga,Al置換)ガーネット厚膜は、θf/Tは約0.08deg/℃と比較的大きいが、飽和磁界Hsは約300Oeと低い。また、磁化反転温度が約−10℃と高い。したがって、市場の要求は、温度特性が良好なTbBi系ガーネット厚膜に多く集まっている。
しかしながら、TbBi系ガーネットに関して、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Jounal of Applied Physics)第38巻、第3号,1038頁には、波長が1.6μmを越えた領域ではTbイオンに関係した吸収スペクトルが示されている。このため、TbBi系ガーネット厚膜はこの波長帯域においては、光吸収によって実用的機能を失う可能性も推定される。
本発明の課題は、したがって、約1.6μm以上の波長帯域における本質的な吸収を示すTbBi系ガーネット厚膜の代替材料として、Tbイオンによる吸収スペクトルの影響があらわれる1.5μm以上の波長帯域において、改善された挿入損失とθf/Tをもつガーネット厚膜材料、およびその製造方法を提供することにある。
これにもとづいて、本発明では、さらに具体的に、ガーネット厚膜材料に対する特性をつぎのとおり設定した。
(1)約1.6μmを越える波長帯域でも高い透過率(低い挿入損失)を示すこと。
(2)θfが45度となる厚さにおける挿入損失が、0.2dB以下であること。
(3)θf/Tが、従来のGdBi系ガーネット厚膜材料の特性(約0.08deg/℃)よりも低いこと。
(4)室温における飽和磁化4πMsが500G以下であること。
(5)磁化反転温度Tcompが、0℃以下であること。
本発明は、ガーネット基板上に、液相エピタキシャル成長法により育成した、Gd,Y,Yb,Bi,Fe,Alを主成分とする単結晶厚膜からなるビスマス置換型ガーネット厚膜材料であって、Y,およびYbのうち少なくとも1種類を含み、化学式が、Gd3−x−y−zYxYbyBizFe5−aAlaO12、ただしx=0〜0.2,y=0〜0.2で、かつxおよびyが同時には0ではなく、さらに、z=0.8〜1.4,a=0.2〜0.7で示される組成を有するビスマス置換型ガーネット厚膜材料を提供する。
本発明によるビスマス置換型ガーネット厚膜材料は、前記ビスマス置換型ガーネット厚膜材料に、0〜3.7重量%のB2O3が含有されたことが特徴である。
本発明によれば、ビスマス置換型ガーネット厚膜材料は、NGG基板上に育成される。
また、本発明によれば、前記単結晶厚膜を、950〜1130℃の温度範囲で保持する熱処理を行うことによって、ファラデー回転素子として良好な特性を有するビスマス置換型ガーネット厚膜材料が得られる。
さらに、本発明によれば、前記単結晶厚膜を、酸素濃度が5%以上の雰囲気中で保持する熱処理を行うことによって、前記課題を解決するビスマス置換型ガーネット厚膜材料が得られる。
本発明において、B2O3の含有濃度を0〜3.7重量%とした理由は、この濃度範囲で挿入損失が低いことを見出したことによる。
本発明において、ビスマス置換型ガーネット厚膜材料を、NGG基板上に育成する理由は、LPE法においてよく用いられるSGGG基板に対比して、NGGの格子定数が大きく、かつ、ビスマス置換型ガーネット厚膜材料との適合性がよいからである。NGG基板を用いると、LPE法によって育成されたガーネット厚膜が500μm以上の厚さとなっても、割れが生じる割合は低い。
本発明において、ビスマス置換型ガーネット厚膜材料を対象とした理由は、1.6μm以上の波長帯域で、GdYYbBi系(Ga,Al置換)ガーネット厚膜の吸収スペクトルが存在しないと見られるからである。
また、本発明において、単結晶厚膜の熱処理温度範囲を950〜1130℃としたのは、950℃未満の温度では結晶中の原子の均質化が十分でなく、挿入損失の低減は認められず、1130℃を越える温度では、GdYYbBi系ガーネット厚膜材料で、とくにBi2O3の蒸発による分解のために、挿入損失が増大するからである。
本発明において、単結晶厚膜の熱処理を、5%以上の酸素濃度の雰囲気中としたのは、5%以上の酸素濃度の雰囲気中での熱処理によって、ビスマス置換型ガーネット厚膜材料の挿入損失が、熱処理前(非処理)よりも減少したこと、および、5%未満の酸素濃度では挿入損失が増加したことにもとづく。
なお、ビスマス置換型ガーネット厚膜の特性の変化は、結晶を構成する各イオンの磁気モーメント等に起因する。
以上、説明したように、本発明によれば、約1.6μm以上の波長帯域における本質的な吸収を示すTbBi系ガーネット厚膜の代替材料として、1.5μm以上の波長帯域において、改善された挿入損失とθf/Tをもつガーネット厚膜材料が得られる。
以下、に本発明の実施の形態について説明する。
ビスマス置換型ガーネット厚膜は、以下に述べるようにLPE法によって育成される。まず、白金るつぼの中で、フラックス成分としてのPbO,Bi2O3,B2O3等、ガーネット成分としてGd2O3,Y2O3,Yb2O3,Fe2O3,Al2O3等を、約900〜1100℃の温度で溶解して溶液を作製した後、降温し過冷却状態(過飽和溶液状態)とする。その溶液にガーネット基板を浸漬し、一定時間回転することにより、ビスマス置換型ガーネット厚膜を育成する。
Bi系ガーネット厚膜の中でもGdBiY系ガーネット厚膜は、比較的高いファラデー回転能を有し、飽和磁界Hsが比較的低いという特徴がある。一般に、Bi系ガーネット厚膜をファラデー回転子として使う場合には、飽和磁界Hsまたはこれを越える印加磁界は、その周辺に配置した永久磁石によって供給される。Bi系ガーネット厚膜の飽和磁化4πMsが低いと飽和磁界Hsが低く、使用する永久磁石を小型にでき、あるいは永久磁石の特性の自由度を広げるため、工業上有用である。
以下に、実施例をもとにして、さらに本発明を説明する。
(実施例1)
高純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化イッテルビウム(Yb2O3)、酸化第二鉄(Fe2O3)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化鉛(PbO)および酸化ホウ素(B2O3)の粉末を使用した。これらの粉末を使って、PbO−Bi2O3−B2O3系をフラックスとするLPE法によって、NGG〔化学式Nd3Ga5O12、格子定数12.509〕基板上に、Gd1.8Bi1.2Fe4.7Al0.3O12,Gd1.6Y0.1Bi1.3Fe4.5Al0.5O12,およびGd1.4Yb0.2Bi1.4Fe4.3Al0.7O12で示される組成のGdYYbBi系ガーネット単結晶厚膜を厚さ約700μm育成した。
高純度の酸化ガドリニウム(Gd2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化イッテルビウム(Yb2O3)、酸化第二鉄(Fe2O3)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化鉛(PbO)および酸化ホウ素(B2O3)の粉末を使用した。これらの粉末を使って、PbO−Bi2O3−B2O3系をフラックスとするLPE法によって、NGG〔化学式Nd3Ga5O12、格子定数12.509〕基板上に、Gd1.8Bi1.2Fe4.7Al0.3O12,Gd1.6Y0.1Bi1.3Fe4.5Al0.5O12,およびGd1.4Yb0.2Bi1.4Fe4.3Al0.7O12で示される組成のGdYYbBi系ガーネット単結晶厚膜を厚さ約700μm育成した。
比較のために、酸化テルビウム(Tb2O3)等の粉末を使用し、LPE法によって、同様に、SGGG〔化学式(GdCa)3(GaMgZr)5O12、格子定数12.496〕基板上に、Tb2.0Bi1.0Fe5O12なる組成のTbBi系ガーネット単結晶厚膜を、厚さ約700μm育成した。
つぎに、これらのガーネット単結晶厚膜から基板を除去し、両面を鏡面研磨し、厚さ約600μmとした。図1は、LPE法によって育成したこれらGdYYbBi系ガーネット単結晶厚膜、およびTbBi系ガーネット単結晶厚膜について、透過率の波長依存性を示す図である。図1から明らかなように、約1.2〜2.2μmの波長範囲で、GdYYbBi系ガーネット単結晶厚膜は、高い透過率をもっている。
他方、TbBi系ガーネット単結晶厚膜が高い透過率を示す波長範囲は約1.2〜1.5μmにすぎない。この結果から、1.5μm以上の波長帯域においては、GdYYbBi系ガーネット単結晶厚膜が有用である。なお、これらのガーネット厚膜材料組成は、EPMA分析によって、予め確認した。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、NGG基板上に、それぞれ、Gd2.0Bi1.0Fe4.7Al0.3O12、Gd1.7Y0.1Bi1.2Fe4.5Al0.5O12、およびGd1.5Yb0.2Bi1.3Fe4.4Al0.6O12の化学式で表され、B2O3が0,0.05,1.0,1.5,2.0,2.5,3.0,3.5,および4.0wt%含むガーネット厚膜を、厚さ約600〜800μm育成した。
実施例1と同様の方法で、NGG基板上に、それぞれ、Gd2.0Bi1.0Fe4.7Al0.3O12、Gd1.7Y0.1Bi1.2Fe4.5Al0.5O12、およびGd1.5Yb0.2Bi1.3Fe4.4Al0.6O12の化学式で表され、B2O3が0,0.05,1.0,1.5,2.0,2.5,3.0,3.5,および4.0wt%含むガーネット厚膜を、厚さ約600〜800μm育成した。
実施例1と同様の方法で基板を除去し、波長1.62μmにおいてファラデー回転角が約45度となるように厚さを調整し、両面にSiO2反射防止膜をつけた。これらのガーネット厚膜材料について、波長1.62μmにおける、600Oeの印加磁界のもとでの挿入損失、ファラデー回転能、および室温付近におけるθf/Tを求めた。また、振動型磁力計(VSM)を用いて、飽和磁化も測定した。
これらの試料の飽和磁化(4πMs)は、約300〜450G(ガウス)、ファラデー回転能は約950〜1250deg/cm、θf/Tは約0.05〜0.07deg/℃であった。
図2は、本実施例におけるGdYYbBi系ガーネット厚膜材料について、挿入損失に対する、B2O3の含有濃度依存性を示す図である。図2から、B2O3の含有濃度0〜3.7wt%の範囲で、挿入損失の低減効果があることがわかる。
(実施例3)
実施例2と同様の方法で、NGG基板上に、B2O3を約0.5wt%含有する、Gd1.7Bi1.3Fe4.6Al0.4O12、Gd1.4Y0.2Bi1.4Fe4.3Al0.7O12、およびGd1.7Yb0.1Bi1.2Fe4.6Al0.4O12の化学式で表されるガーネット単結晶厚膜を、厚さ約500〜800μm育成した。
実施例2と同様の方法で、NGG基板上に、B2O3を約0.5wt%含有する、Gd1.7Bi1.3Fe4.6Al0.4O12、Gd1.4Y0.2Bi1.4Fe4.3Al0.7O12、およびGd1.7Yb0.1Bi1.2Fe4.6Al0.4O12の化学式で表されるガーネット単結晶厚膜を、厚さ約500〜800μm育成した。
つぎに、実施例2と同様に、これらのガーネット単結晶厚膜から基板を除去し、酸素濃度40%の雰囲気中で、950℃、1000℃、1100℃、1130℃、および1150℃の各温度で、20時間保持する熱処理を行った。その後、波長1.62μmにおいてファラデー回転角が約45度となるように厚さを調整し、両面にSiO2反射防止膜を付け、各特性を測定した。
これらのガーネット単結晶厚膜の飽和磁化(4πMs)は、約250〜450G、ファラデー回転能は約1000〜1300deg/cm、θf/T は約0.05〜0.07deg/℃であった。
図3は、本実施例におけるGdYYbBi系ガーネット厚膜材料について、挿入損失と熱処理温度との関係を示す図である。図3から、950〜1130℃の温度範囲では、熱処理によって、挿入損失が、熱処理前(非処理)よりも減少し、それ以上の温度では、挿入損失は急激に増加することがわかる。
(実施例4)
実施例2と同様の方法で、NGG基板上に、B2O3を約0.5wt%含有する、Gd2.2Bi0.8Fe4.8Al0.2O12、Gd1.5Y0.2Bi1.3Fe4.4Al0.6O12、およびGd1.8Yb0.1Bi1.1Fe4.5Al0.5O12の化学式で表されるガーネット単結晶厚膜を、厚さ約600〜900μm育成した。
実施例2と同様の方法で、NGG基板上に、B2O3を約0.5wt%含有する、Gd2.2Bi0.8Fe4.8Al0.2O12、Gd1.5Y0.2Bi1.3Fe4.4Al0.6O12、およびGd1.8Yb0.1Bi1.1Fe4.5Al0.5O12の化学式で表されるガーネット単結晶厚膜を、厚さ約600〜900μm育成した。
つぎに、実施例2と同様に、これらのガーネット単結晶厚膜から基板を除去し、温度1050℃で、酸素濃度が0,10,20,40,60,80,および100%の雰囲気中で、10時間保持する熱処理を行った。その後、波長1.62μmにおいてファラデー回転角が約45度となるように厚さを調整し、両面にSiO2反射防止膜を付け、各特性を測定した。
これらの試料の飽和磁化(4πMs)は、約250〜450G、ファラデー回転能は約700〜1200deg/cm、θf/Tは約0.05〜0.07deg/℃であった。
図4は、本実施例におけるGdYYbBi系ガーネット厚膜材料について、挿入損失と熱処理時の酸素濃度との関係を示す図である。図4から、酸素濃度が5%以上では、熱処理によって、挿入損失が、熱処理前(非処理)よりも減少することがわかる。これらの結果から、GdYYbBi系ガーネット厚膜には、酸素濃度5%以上の雰囲気中での熱処理が有用であるといえる。
さらに、前述した実施例1〜実施例4で対象としたすべてのGdYYbBi系ガーネット厚膜材料について、磁化反転温度Tcompは、すべて−40℃以下であった。
なお、実施例1〜実施例4では、YとYbとをともに含むガーネット厚膜材料を扱っていない。しかし、YとYbは互いに類似した化学的、物理的性質を有し、また、ガーネット厚膜材料においても、互いに置換し、かつ類似した特性を示す。これらの事実から、YとYbとをともに含むガーネット厚膜材料においても、実施例1〜実施例4に記述した事項が肯定されることは容易に推定されるところである。
Claims (5)
- ガーネット基板上に、液相エピタキシャル成長法により育成した、Gd,Bi,Fe,Alを主成分とする単結晶厚膜からなるビスマス置換型ガーネット厚膜材料であって、化学式が、Gd3−x−y−zYxYbyBizFe5−aAlaO12、ただしx=0〜0.2,y=0〜0.2で、かつxおよびyが同時には0ではなく、さらに、z=0.8〜1.4,a=0.2〜0.7で示される組成を有することを特徴とするビスマス置換型ガーネット厚膜材料。
- 請求項1記載のビスマス置換型ガーネット厚膜材料に、B2O3が0〜3.7重量%含有されたことを特徴とするビスマス置換型ガーネット厚膜材料。
- 前記単結晶厚膜を、950〜1130℃の温度範囲で保持する熱処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載のビスマス置換型ガーネット厚膜材料の製造方法。
- 前記単結晶厚膜からなるビスマス置換型ガーネット厚膜材料をNGG基板上に育成することを特徴とする請求項1記載ないし請求項3のいずれか記載のビスマス置換型ガーネット厚膜材料の製造方法。
- 前記単結晶厚膜を、酸素濃度が5%以上の雰囲気中で保持する熱処理を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか記載のビスマス置換型ガーネット厚膜材料の製造方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110215 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110920 |