JP2001348298A - ビスマス置換型ガーネット厚膜材料及びその製造方法 - Google Patents

ビスマス置換型ガーネット厚膜材料及びその製造方法

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JP2001348298A
JP2001348298A JP2000169309A JP2000169309A JP2001348298A JP 2001348298 A JP2001348298 A JP 2001348298A JP 2000169309 A JP2000169309 A JP 2000169309A JP 2000169309 A JP2000169309 A JP 2000169309A JP 2001348298 A JP2001348298 A JP 2001348298A
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garnet thick
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Tadakuni Sato
忠邦 佐藤
Kazumitsu Endo
和光 遠藤
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Tokin Corp
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Tokin Corp
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Compounds Of Iron (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 TbBi系ガーネットが本質的に持つ波長約
1.6μm以上での光吸収を避けるものであり、GdBi
系ガーネットのファラデー回転能の温度変化率を改善し
たビスマス置換型ガーネット厚膜材料、及びその製造方
法を提供すること。 【解決手段】 ガーネット基板上に、液相成長法により
育成されたGd、Y、Bi、Fe、Alを主成分とするガー
ネット厚膜であって、該ガーネット厚膜の組成が、一般
式、Gd3−x−yBiFe5−zAl12(但
し、0<x≦0.45、0.85≦y≦1.50、0.15
≦z≦0.70)で表され、かつ、該ガーネット厚膜中
に酸化ホウ素(B)及び酸化鉛(PbO)を各々
0〜4.0wt%(但し、0を含まず)含有するビスマス
置換型ガーネット厚膜材料とする。又、大口径が可能な
基板上に前記ガーネット厚膜を育成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファラデー回転効
果を有する光学用ガーネット材料の中で、ビスマス(B
i)置換型ガーネットとその製造方法に関し、詳しく
は、液相成長法(LPE法)にて育成したGdBi系ガー
ネット単結晶厚膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光通信や光情報処理において、フ
ァラデー回転を応用したデバイスが開発、実用化されて
いる。半導体レーザ発振器を使用した光通信装置では、
光ファイバーケーブルやコネクタなどからの反射光がレ
ーザ発振部に戻ると、雑音が増加し、発振が不安定な状
態となる。それゆえ、戻り光を遮断し、安定した発振状
態を確保するために、ファラデー回転を利用した光アイ
ソレータが使用されている。
【0003】大きなファラデー回転を有するBi置換型
希土類ガーネットは、LPE法、フラックス法等で育成
され、近赤外領域でのアイソレータに使用されている。
特に、LPE法で育成されるガーネット厚膜は、生産性
に優れ、現在では、ほとんどこの方法で生産されてい
る。
【0004】現在、光ファイバーケーブルを用いた通信
システムにおいては、波長が1.31μmや1.55μm
の帯域、更には、1.6〜2μmの帯域が利用されてい
る。
【0005】このような帯域で用いられる近赤外用ファ
ラデー回転素子用材料として、LPE法で作製されたT
bBi系ガーネット厚膜とGdBi系(Ga,Al置換)ガー
ネット厚膜が市販されている。
【0006】前者は、45degあたりのファラデー回転
の温度変化率が、約0.04〜0.06 deg(度)/℃と
小さいが、印加磁界強度Hsは、約800〜1200Oe
と高く、強力な永久磁石を必要とし、磁化反転温度は、
約−50℃以下であり、広い温度範囲で使用できる。
【0007】一方、後者は、45degあたりのファラデ
ー回転の温度変化率が、約0.08deg/℃と大きいが、
Hsは、約300Oeと小さく、磁化反転温度は、約−1
0℃と高く、使用温度範囲は生活温度近傍である。従っ
て、市場の要求は、温度特性の良好なTbBi系ガーネッ
ト材が多くなっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、希土類
Bi系ガーネットにおいては、Journal of Applied Phys
ics, vol.38, No.3, pp.1038の”Effect of Impurities
on the Optical Properties of Yttrium Iron Garne
t”と題される文献に示される図では、波長が1.6μm
を越えた領域では、Tbイオンによる吸収スペクトルが
見られ、TbBiガーネット材は、この波長帯域において
は、透過損失の増大を避けることができない。
【0009】一方、GdBi系(Ga,Al置換)ガーネッ
ト厚膜については、その製造条件について、Journal of
Crystal Growth 64(1983),pp.275の”LPE Growth of B
ismuth Substituted Gadolinium Gadolinium Iron Garn
et Layers: Systematizationof Experimental Result”
と題される文献に示されているが、GdBi系(Y,Al
置換)ガーネット厚膜に関する示唆は見られない。
【0010】ここで、光アイソレータは、光の進行方向
に関し、順方向には、より高い透過率を示し、逆方向に
は、より低い透過率を示すことが望ましい。
【0011】そこで、本発明の課題は、TbBi系ガーネ
ットが本質的に持つ波長約1.6μm以上での光吸収を
避けるものであり、GdBi系ガーネットのファラデー回
転能の温度変化率を改善したビスマス置換型ガーネット
厚膜材料及びその製造方法を提供することことにある。
又、市販されている育成基板径が大きい置換型ガドリニ
ウム・ガリウム・ガーネット(SGGG)基板を使用す
ることにより、低コスト化を図ることにある。更には、
約1.5μmを越える波長域で使用されるファラデー回
転素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】GdBi系ガーネットに対
する具体的な特性の要求として、(1)約1.5μmを
越える波長域で高い透過率(低い挿入損失)を示すこ
と、(2)45degあたりのファラデー回転の−20℃
〜+80℃の温度範囲での平均変化率θF/T が市販の
GdBi系ガーネット材(約0.08deg/℃)よりも良好
な値であること、(3)磁化反転温度Tcompが、−20
℃以下である(通常の生活環境温度範囲で使用できる)
こと、(なお、本実施の形態においては、Tcompの測定
が−40℃以下では困難であり、それ以下は、−40℃
以下と示した)、更に、(4)ファラデー回転角が、約
45degとなる厚さにおける挿入損失(I.L.)が0.2d
B以下(通常は0.3dB以下で可)であること、
(5)飽和状態に達するために必要な最小の印加磁界
(所要磁界H)が500Oe以下(小形の永久磁石の
使用が可能になり、安価、小型化に有用)であることが
求められている。これらを本発明におけるガーネット材
料の適合範囲と規定した。
【0013】なお、ファラデー回転素子としては、ファ
ラデー回転能θ(単位厚さあたりのファラデー回転
角)が大きい方が、素子としての膜厚を小さくすること
ができる。LPE法においては、育成膜厚が大となるに
従い、結晶性の劣化、割れ発生の増加等、工業上、不利
益となることが多い。
【0014】従って、ファラデー回転能θは大きく
とれることが望ましい。市販されているGdBi系ガーネ
ット厚膜の波長1.55μmにおけるファラデー回転能
θは、約800deg/cmである。本発明においては、
ファラデー回転能θも同等以上の値が望ましいとし
た。このファラデー回転能θは、単純な要因の変更
によって、容易に変化できるものではなく、種々の溶液
(メルト)組成及び育成条件の適合によって、最適化が
図られ実現できるものである。
【0015】その結果、Gd、Y、Bi、Fe、Al を主
成分とし、B及びPbOを各々0〜4.0 wt%
(但し、0を含まず)含有するガーネット厚膜をLPE
法にて育成すること、該ガーネットをSGGG(置換型
ガドリニウム・ガリウム・ガーネット)基板上に育成す
ること、該ガーネット厚膜を酸素含有量が10〜100
%の雰囲気中で、950〜1140℃の温度で熱処理す
ることにより、上記課題が解決され、本発明をなすに至
ったものである。
【0016】即ち、本発明によれば、ガーネット基板上
に、液相成長法により育成されたGd、Y、Bi、Fe、
Al を主成分とする光学用のガーネット厚膜であって、
該ガーネット厚膜の組成が、一般式、Gd3−x−y
BiFe5−zAl12(但し、0<x≦0.4
5、0.85≦y≦1.50、0.15≦z≦0.70)で
表され、かつ、該ガーネット厚膜中に酸化ホウ素(B
)及び酸化鉛(PbO)を各々0〜4.0wt%(但
し、0を含まず)含有することを特徴とするビスマス置
換型ガーネット厚膜材料が得られる。
【0017】又、本発明によれば、前記ガーネット厚膜
から実質的に成るファラデー回転子が得られる。
【0018】又、本発明によれば、前記ガーネット厚膜
を、置換型ガドリニウム・ガリウム・ガーネット(SG
GG)基板上に育成するビスマス置換型ガーネット厚膜
材料の製造方法が得られる。
【0019】又、本発明によれば、前記ガーネット厚膜
を950〜1140℃の範囲で保持する熱処理を施すビ
スマス置換型ガーネット厚膜材料の製造方法が得られ
る。
【0020】又、本発明によれば、前記熱処理における
雰囲気の酸素含有量が10〜100%の範囲であるビス
マス置換型ガーネット厚膜材料の製造方法が得られる。
【0021】ここで、本発明のガーネット厚膜材料にお
いては、B及びPbOの含有量を各々0〜4.0 w
t%(但し、0を含まず)としたのは、この範囲の含有
量で挿入損失(I.L.)が減少することを見出したためで
ある。なお、B及びPbOの含有による挿入損失
の低減の効果は、ガーネット組成において、結晶構成元
素のイオン状態を調整する効果と推定される。
【0022】ところで、LPE法においては、基板の格
子常数と育成されるガーネット厚膜の格子定数が近似す
ることが望ましい。従って、TbBi系ガーネットにはS
GGG基板(格子定数、約12.496オングストロー
ム)が、GdBi系ガーネットにはNGG基板(格子定
数、約12.509オングストローム)が使用されてい
る。しかしながら、市販されているNGG基板の最大径
は直径2インチである。一方、SGGG基板は直径3イ
ンチのものが市販されている。従って、GdBi系ガーネ
ット厚膜をSGGG基板にて育成することが可能になれ
ば、大幅な低コスト化と生産増が実現できる。
【0023】又、本発明のガーネット厚膜材料を製造す
る方法において、ガーネット厚膜材料を950〜114
0℃の範囲で熱処理するのは、この範囲において、挿入
損失(I.L.)の低減が認められ、950℃未満では、温
度が低いために、組成の均質化が不十分であり、114
0℃を越えると、ガーネットの分解(Biの蒸
発)が生ずるためである。
【0024】なお、熱処理による挿入損失(I.L.)の低
減は、原子の拡散による均質化の向上(結晶格子、イオ
ンバランスのばらつき低減)に起因している。
【0025】又、本発明のガーネット厚膜材料を製造す
る方法において、熱処理における雰囲気の酸素含有量を
10%以上とするのは、これ以上で熱処理することによ
って挿入損失低減などの効果が認められるからであり、
10%未満では、ガーネット中の酸素の欠乏により、挿
入損失(I.L.)が増大するためである。
【0026】なお、本発明のガーネット厚膜材料の主成
分の組成値による特性の変化は、結晶格子における各原
子の置換と磁気スピンに深く関係しており、本発明の組
成領域は光学特性の最適領域となっている。
【0027】このような、光アイソレータなどに用いら
れるファラデー回転子用などのBi置換型ガーネットの
液相成長法(LPE法)は次のようにして行われる。
【0028】白金るつぼ中に、PbO、Bi、B
等をフラックス成分とし、ガーネット成分(Gd
、Y、Fe、Al、等)を約90
0〜1100℃にて溶解し、溶液(メルト)を作製した
後、降温し、過冷却状態(過飽和溶液状態)とする。そ
のメルトにガーネット基板を浸漬し、長時間、回転する
ことによりBi置換型ガーネットの厚膜を育成する。
【0029】このように育成されるBi置換型ガーネッ
トの中でも、GdBi系ガーネットは比較的高いファラデ
ー回転能θを有し、ガーネットへの必要印加磁界が
小さくて済むといった特徴を有している。ここでいう必
要印加磁界(所要磁界Hs)とは、ガーネットの挿入損
失が最小に達するために必要な磁界である。物理的に
は、ガーネットの磁気スピンを一方向に揃えるのに必要
な磁界である。一般に、この印加磁界はガーネット膜の
周辺に配置した永久磁石から供給される構成となってい
る。従って、ガーネット膜の飽和磁化4πMs が低い
と、Hsも低くなり、使用する磁石の特性を低くするこ
とができる。同時に、小型化、軽量化等が可能となり、
工業上、有益となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0031】(第1の実施の形態)高純度の酸化ガドリ
ニウム( Gd)、酸化イットリウム(Y
)、酸化第二鉄(Fe)、酸化アルミニウ
ム(Al)、酸化ビスマス(Bi)、酸化鉛
(PbO)及び酸化ホウ素(B)の粉末を原料と
して使用し、PbO−Bi−B系をフラッ
クスとして、LPE法にて、SGGG基板(格子定数、
約12.496オングストローム)上に、PbOを約0.
5 wt%含有した、主成分比がGd1.40.3Bi1.3
Fe4.4Al0.612で、B を0、1、2、
3、4、5wt%含有する組成のGdBi系ガーネット膜を
厚さ約500μm育成した。
【0032】次に、これらの試料の基板を除去し、両面
を研磨し、波長1.55μmにおけるファラデー回転角
が約45degとなる厚さに調整した。なお、上述した組
成は、これらの試料の両面について、5点ずつEPMA
分析を行い、その平均値として求めたものであり、B
については試料片に対して原子吸光分析法により求
めたものである。
【0033】次に、これらの試料板にSiO膜による
無反射コートを行った後、電磁石を用いて磁界を約0.
5kOeまで印加して、波長1.55μmにおいて、透過
率が飽和に達する最小の印加磁界(所要磁界Hs)と挿
入損失(I.L.)及びファラデー回転能θ及び−20℃
〜+80℃における45degあたりのファラデー回転の
温度変化率θF/T を求めた。
【0034】その結果、全ての試料について、Hsは約
400Oe、θは約1200deg/cm、θF/T は約
0.06deg/℃、Tcompは−40℃以下であった。
【0035】又、挿入損失(I.L.)とB 含有量
との関係は図1に示すとおりであった。
【0036】図1から分かるように、挿入損失(I.L.)
はBの含有により減少するが、4.0wt%を越え
る領域では著しく増加することが分かる。このことによ
り、挿入損失(I.L.)の低減効果は0〜4.0wt%(但
し、0を含まず)の範囲が有用となる。特に、1〜3.
2 wt%の範囲が好ましい。
【0037】(第2の実施の形態)第1の実施の形態と
同様にして、Bを約0.5wt%含有した、主成分
比がGd1.70.2Bi1.1Fe4.6Al0.412
で、PbOを0、1、2、3、4、5wt%含有する組成
のGdBi系ガーネット膜を厚さ約600μm育成した
後、試料を作製し、特性を測定した。
【0038】その結果、全ての試料について、Hsは約
400Oe、θは約1100deg/cm、θF/Tは約
0.06deg/℃、Tcompは−40℃以下であった。
【0039】又、挿入損失(I.L.)とPbO含有量との
関係は図2に示すとおりであった。
【0040】図2から分かるように、PbOの含有によ
り、挿入損失(I.L.)は減少するが、PbOが4.0wt%
を越える領域では著しく増加することが分かる。従っ
て、PbOの含有量は0〜4.0wt%(但し、0を含ま
ず)の範囲が有用といえる。更に、望ましくはPbOの
含有量を0.4〜4.0wt%の範囲とすることにより、挿
入損失(I.L.)を0.08dB以下とすることができ
る。なお、特に1.0〜4.0wt%の範囲が好ましい。
【0041】(第3の実施の形態)第1の実施の形態と
同様にして、主成分比がGd1.10.4Bi1.5Fe
4. Al0.712で、Bを約0.7wt%含有す
るガーネット膜を厚さ約500μm育成した。
【0042】次に、この試料を約50%の酸素濃度雰囲
気中で、950℃、1000℃、1050℃、1100
℃、1130℃、1150℃の各温度で10時間保持
し、熱処理した。
【0043】これらの試料の両面について研磨し、波長
1.55μmにおけるファラデー回転角が約45degとな
る厚さに調整した後、測定した。
【0044】その結果、全ての試料について、Hsは約
300Oe、θは約1400deg/cm、θF/Tは約
0.05deg/℃、Tcompは−40℃以下であった。
【0045】又、挿入損失(I.L.)と熱処理温度との関
係は図3に示すとおりであった。
【0046】図3から、熱処理温度が950〜1140
℃の範囲での熱処理による挿入損失(I.L.)の低減効果
が認められる。従って、950〜1140℃の温度範囲
での熱処理が有用といえる。
【0047】(第4の実施の形態)第1の実施の形態と
同様にして、主成分比がGd2.00.1Bi0.9Fe
4. Al0.212で、Bを約1.5wt%、Pb
Oを約1.5wt%含有するガーネット膜を厚さ約700
μm育成した。
【0048】次に、この試料を1050℃の温度で、雰
囲気の酸素濃度を0、10、20、40、60、80、
100%とし、20時間保持して熱処理した後、試料を
作製し、特性を測定した。
【0049】その結果、全ての試料について、Hsは約
500Oe、θは約900deg/cm、θF/Tは約0.
07deg/℃、Tcompは−40℃以下であった。
【0050】又、挿入損失(I.L.)と熱処理雰囲気の酸
素濃度との関係は図4に示すとおりであった。
【0051】図4から、熱処理雰囲気の酸素濃度が10
〜100%の範囲で、熱処理による挿入損失(I.L.)の
低減効果が認められる。従って、10〜100%の熱処
理雰囲気の酸素濃度が有用といえる。
【0052】(第5の実施の形態)第1の実施の形態と
同様にして、Bを約0.5wt%、PbOを約1wt%
含有した、主成分比がGd1.70.2Bi1.1Fe
5−ZAl12で、z=0.1,0.2,0.3,0.
4,0.5,0.6,0.7のガーネット膜を厚さ約60
0μm育成した後、試料を作製し、特性を測定した。
【0053】その結果、全ての試料について、θは約
1000deg/cm、Tcompは−40℃以下であった。
【0054】θF/T 及びHsとzとの関係を、それぞ
れ、図5(a)と図5(b)に示す。zが0.15〜0.70
の範囲で、Hsが500Oe以下で、θF/Tが0.08de
g/℃以下が得られている。
【0055】(第6の実施の形態)第1の実施の形態と
同様にして、Bを約0.5wt%、PbOを約1wt%
含有した、主成分比がGd1.9−xBi1.1Fe
4.6Al0.412で、x=0,0.1,0.2,0.
3,0.4,0.5のガーネット膜を厚さ約600μm育
成した後、試料を作製し、特性を測定した。
【0056】その結果、全ての試料について、θは約
1100deg/cm、Tcompは−40℃以下であった。
【0057】Hsとxの関係を図6に示す。xが0〜0.
45の範囲で、Hsが500Oe 以下が得られている。
【0058】(第7の実施の形態)第1の実施の形態と
同様にして、Bを約0.5wt%、PbOを約1wt%
含有した、主成分比が(Gd1.70.2)
(3−y)/1.9BiFe4.6Al0. 12で、y
=0.8,0.9,1.0,1.1,1.2,1.3,1.
4,1.5のガーネット膜を厚さ約600μmに育成し
た後、試料を作製し、特性を測定した。
【0059】その結果、全ての試料について、Tcompは
−40℃以下であり、θF/Tは0.06〜0.075deg
/℃であった。
【0060】得られた、θ及びHsとyとの関係を、
それぞれ、図7(a)と図7(b)に示す。yが0.85〜
1.50の範囲で、θが800deg/cm以上であり、
Hsが500Oe 以下となっている。
【0061】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、TbBi系ガーネットが本質的に持つ波長約1.6μ
m以上での吸収を避けるものであって、GdYBi系ガー
ネットのファラデー回転能の温度変化率が改善されたビ
スマス置換型ガーネット厚膜材料及びその製造方法を提
供することができる。
【0062】又、本発明によれば、約1.5μmを越え
る波長域で使用されるファラデー回転素子を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のGdBi系ガーネッ
ト厚膜におけるBの含有量と挿入損失(I.L.)と
の関係を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態のGdBi系ガーネッ
ト厚膜におけるのPbOの含有量と挿入損失(I.L.)と
の関係を示す図。
【図3】本発明の第3の実施の形態のGdBi系ガーネッ
ト厚膜における熱処理温度と挿入損失(I.L.)との関係
を示す図。
【図4】本発明の第4の実施の形態のGdBi系ガーネッ
ト厚膜における熱処理雰囲気の酸素濃度と挿入損失(I.
L.)との関係を示す図。
【図5】本発明の第5の実施の形態のGdBi系ガーネッ
ト厚膜における、光学的及び磁気的特性の組成zへの依
存性を示す図。図5(a)はθF/T とzの関係を示し、
図5(b)はHsとzの関係を示す図。
【図6】本発明の第6の実施の形態のGdBi系ガーネッ
ト厚膜における、組成xとHsとの関係を示す図。
【図7】本発明の第7の実施の形態のGdBi系ガーネッ
ト厚膜における、光学的及び磁気的特性の組成yへの依
存性を示す図。図7(a)はθF/T とyの関係を示し、
図7(b)はHsとzの関係を示す図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガーネット基板上に、液相成長法により
    育成されたGd、Y、Bi、Fe、Alを主成分とするガー
    ネット厚膜であって、該ガーネット厚膜の組成が、一般
    式、Gd3−x−yBiFe5−zAl12(但
    し、0<x≦0.45、0.85≦y≦1.50、0.15
    ≦z≦0.70)で表され、かつ、該ガーネット厚膜中
    に酸化ホウ素(B)及び酸化鉛(PbO)を各々
    0〜4.0wt%(但し、0を含まず)含有することを特
    徴とするビスマス置換型ガーネット厚膜材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガーネット厚膜から実質
    的に成ることを特徴とするファラデー回転子。
  3. 【請求項3】 前記ガーネット厚膜を、置換型ガドリニ
    ウム・ガリウム・ガーネット(SGGG)基板上に育成
    することを特徴とする請求項1記載のビスマス置換型ガ
    ーネット厚膜材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ガーネット厚膜を、950〜114
    0℃の範囲で保持する熱処理を施すことを特徴とする請
    求項1又は3記載のビスマス置換型ガーネット厚膜材料
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記熱処理における雰囲気の酸素含有量
    が10〜100%の範囲であることを特徴とする請求項
    4記載のビスマス置換型ガーネット厚膜材料の製造方
    法。
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