JP2008051256A - 緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても車両における乗り心地を向上することができる緩衝器のバルブ構造を提供することである。
【解決手段】ポート2が形成されるバルブディスク1と、バルブディスク1の軸心部から立ち上がる軸部材4と、内周側に上記軸部材4が挿通されるととともに上記バルブディスク1に積層されポート2を閉塞する環状のリーフバルブ10と、リーフバルブ10に積層されリーフバルブ10の撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材11と、バルブ抑え部材11を介してポート2を閉塞する方向にリーフバルブ10を附勢する弾性体15とを備えた緩衝器のバルブ構造において、リーフバルブ10の外周が撓んでバルブ抑え部材11に当接するまでは、弾性体15は圧縮を開始しないようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、緩衝器のバルブ構造の改良に関する。
従来、この種緩衝器のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用の緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に環状のリーフバルブを積層し、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、特に、リーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりポートをリーフバルブで開閉する上記緩衝器のバルブ構造では、ピストン速度が中高速領域における減衰力が図3に示すように、リーフバルブLの内周側を固定的に支持せずに、リーフバルブLの内周をピストンロッドRもしくはピストンPをピストンロッドRに固定する筒状のピストンナットNの外周に摺接させ、スプリングSでメインバルブMを介してリーフバルブLの背面を附勢した緩衝器のバルブ構造が提案されるに至っており、図示したところでは、緩衝器の伸側減衰バルブに具現化されている(たとえば、特許文献1参照)。
このバルブ構造を適用した緩衝器にあっては、図示するところではピストンPが上方へ移動する際のピストン速度が低速領域にあるときにはリーフバルブLの外周側がリーフバルブLに積層したメインバルブMの当接部位を支点として撓むので、図4に示すように、内周が固定的に支持されるバルブ構造と略同様の減衰特性を発揮し、ピストン速度が中高速領域に達すると、ポートPoを通過する作動油の圧力がリーフバルブLに作用し、スプリングSの附勢力に抗してリーフバルブLがメインバルブMとともにピストンPから軸方向にリフトして後退するので、内周が固定的に支持される緩衝器のバルブ構造に比較して流路面積が大きくなり、減衰力が過大となることを抑制して、車両における乗り心地を向上することができる。
特開平9−291961号公報(図1)
しかしながら、上述のような提案のバルブ構造にあっては、車両における乗り心地を向上できる点で有用な技術ではあるが、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
というのは、たとえば、上記ピストンPが上方に移動するときのピストン速度が高速領域に達すると、従来の緩衝器のバルブ構造では、ピストン速度に応じてリーフバルブLがピストンPから軸方向に後退してリフトするのみで、減衰係数は大きくならない。
したがって、ピストン速度が高速領域に達する場合の減衰力が不足気味となり、振動抑制が充分に行われず、車両における乗り心地を悪化させてしまうことになる。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても車両における乗り心地を向上することができる緩衝器のバルブ構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、ポートが形成されるバルブディスクと、バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、内周側に上記軸部材が挿通されるととともに上記バルブディスクに積層されポートを閉塞する環状のリーフバルブと、リーフバルブに積層されリーフバルブの撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材と、バルブ抑え部材を介してポートを閉塞する方向にリーフバルブを附勢する弾性体とを備えた緩衝器のバルブ構造において、リーフバルブの外周が撓んでバルブ抑え部材に当接するまでは、弾性体は圧縮を開始しないことを特徴とする。
本発明の緩衝器のバルブ構造によれば、ピストン速度が中速領域にある場合には、減衰力を低く抑えつつ、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
また、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、ピストン速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、ピストン速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
さらに、ピストン速度が高々速領域では、減衰力の傾きを再度小さくすることができるので、ピストン速度が高速領域を超える高々速領域で減衰力が過大となりすぎて車両における乗り心地を悪化させてしまうことや緩衝器内が異常高圧となってしまうことがない。
以下、本発明のバルブ構造を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。図2は、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部の伸側減衰バルブとして具現化されており、ポート2が形成されるバルブディスクたるピストン1と、ピストン1の軸心部から立ち上がる軸部材たるピストンナット4と、内周側に上記ピストンナット4が挿通されるととともにピストン1に積層されポート2を閉塞する環状のリーフバルブ10と、リーフバルブ10に積層されリーフバルブ10の撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材11と、ポート2を閉塞する方向にバルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10を附勢する弾性体たるコイルスプリング15とを備えて構成されている。
他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド5と、ピストンロッド5の端部に設けた上記ピストン1と、シリンダ40内にピストン1で隔成される2つの圧力室たる上室41と下室42と、シリンダ40の下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド5の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。
そして、上記バルブ構造にあっては、シリンダ40に対してピストン1が図1中上方に移動するときに、上室41内の圧力が上昇して上室41から下室42へポート2を介して作動油が移動するときに、その作動油の移動にリーフバルブ10で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。
以下、バルブ構造について詳しく説明すると、バルブディスクたるピストン1は、有底筒状に形成され、底部1aの軸心部に設けられ緩衝器のピストンロッド5が挿通される挿通孔1bと、ポート2と、ポート2に連通する窓3と、ポート2の出口端となる窓3の外周側に形成されピストン1の底部1aよりリーフバルブ10側に突出する環状の弁座1cと、外周側に延設される筒部1fを備えて構成されている。
なお、このピストン1には、緩衝器が収縮するときに下室42から上室41へと向かう作動油の流れを許容する圧側のポート1dが底部1aの伸側のポート2より外周側に設けられている。
このピストン1の挿通孔1b内には上述のようにピストンロッド5が挿通され、ピストンロッド5の先端部はピストン1の図1中下方側に突出させてある。なお、ピストンロッド5の先端5aの外径は、先端5aより図1中上方側の外径より小径に設定され、上方側と先端部との外径が異なる部分に段部5bが形成されている。
つづいて、ピストンロッド5の先端5aにはピストンナット4が螺着され、このピストンナット4は、筒部4aと、図1中下端外周から延設される鍔4bとを備えて構成され、筒部4aの上端外周は小径とされて小径部4cが形成されている。
そして、上記ピストンロッド5の先端5aを、バルブストッパ102、間座101、圧側のリーフバルブ100およびピストン1の順に、これらの内周に挿入し、ピストン1の図1中下方からピストンナット4をピストンロッド5の先端に設けた螺子部5cに螺着することによって、上記各部材はピストンロッド5の段部5bとピストンナット4の上端とで挟持されてピストンロッド5に固定される。
なお、ピストン1の底部1aに設けた挿通孔1bにおける下端開口部が拡径されて拡径部1eが設けられて段部が形成され、この段部に筒部4aにおける小径部4cの図1中上端の挿入が可能なようになっている。
そして、ピストン1の底部1aには、上記ピストンナット4の筒部4aにおける小径部4cの外周に摺接するリーフバルブ10より小径であって環状の間座7が複数積層され、この間座7の下方から小径部4cの外周に摺接するリーフバルブ10が積層され、さらに、このリーフバルブ10の下方からリーフバルブ10より小径であって小径部4cの外周に摺接する環状の間座8が複数積層されるとともに、またさらに、この間座8の下方から同じく小径部4cの外周に摺接するバルブ抑え部材11が積層されている。
なお、リーフバルブ10は、環状に形成されたリーフを複数枚積層して積層リーフバルブとして構成されており、この図1中上面を弁座1cに当接させて、ピストン1のポート2を閉塞することができるようになっている。なお、詳しくは図示しないが、弁座1cに着座するリーフの外周に設けた切欠あるいは弁座1cに打刻されて形成される周知の固定オリフィスが設けられている。この実施の形態においては、リーフバルブ10は、積層リーフバルブとして構成されているが、上記リーフの枚数は、本バルブ構造で実現する減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)によって任意とされてよく、緩衝器に発生させる減衰特性によって複数枚とされても一枚のみでも差し支えなく、また、緩衝器に発生させ減衰特性によって各リーフの外径を異なるように設定することができる。
ちなみに、拡径部1eを設けることによって、ピストンナット4をピストン1に対して半径方向に位置決めることができ、上記したリーフバルブ10、間座7、8、バルブ抑え部材11をピストンナット4に組み付けた後にこれら部材をピストン1とともにいっぺんにピストンロッド5の先端5aに取付けることが可能となって製造上便利であるが、拡径部1eを省略するとしても差し支えない。
また、上述のように、ピストン1を有底筒状の形状とすることによって、リーフバルブ等のバルブ構造を構成する部材をピストン1内に収納することが可能となって、ピストン1の図1中上端からピストンナット4の図1中下端までの長さを短くすることができ、ピストン部を小型化することができる。
さらに、図1中一番最下方に積層されるバルブ抑え部材11は、内周側が上記したピストンナット4の小径部4cの外周に摺接し、外径がリーフバルブ10の外径と略同径に設定される環状本体11aと、環状本体11aの図1中下端から下方に垂下され同じく内周側が小径部4cの外周に摺接する筒部11bとを備えて構成されている。
また、上記環状本体11aとピストンナット4の鍔4bとの間には、弾性体たるコイルスプリング15が介装され、このコイルスプリング15でバルブ抑え部材11を介して上記リーフバルブ10を弁座1c側に押し付けている。
このコイルスプリング15は、バルブ抑え部材11とピストンナット4の鍔4bとの間に予め圧縮されて介装されることによって所定の初期荷重が与えられている。
なお、バルブ抑え部材11における筒部11bを省略することも可能であるが、上記筒部11bは、コイルスプリング15をセンタリングする機能を発揮し、このセンタリング機能によってコイルスプリング15の附勢力をバルブ抑え部材11に偏りなく作用させることができるので、設けておくことが望ましい。
そして、上記構成によって、コイルスプリング15の附勢力を上記バルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10の内周側に作用させて、コイルスプリング15でポート2を閉塞する方向にリーフバルブ10を附勢している。
したがって、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11は、ピストン1が図1中上方に移動して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなると、上記附勢力に抗してコイルスプリング15を圧縮してリーフバルブ10の全体がピストン1から軸方向に後退、つまり、図1中下方にリフトするようになっている。
なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの先端までの軸方向長さよりも、間座7全体の軸方向の厚みを短く設定してあり、内周側に附勢力が作用しているリーフバルブ10に初期撓みを与えている。
この初期撓みの撓み量の設定によって、リーフバルブ10が弁座1cから離れてポート2を開放する時の開弁圧を調節することができ、この初期撓みの撓み量は、間座7の全体の厚みで変更可能であるとともに、緩衝器が適用される車両に最適となるように設定されている。なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの下端までの軸方向長さによっては、間座7を省略することも可能である。
また、ピストン1が上方に移動してポート2を通過する作動油の圧力を受けてリーフバルブ10の外周が撓み、ピストン速度の上昇に伴ってその撓み量も増加するが、リーフバルブ10の撓みが大きくなるとリーフバルブ10の外周側がバルブ抑え部材11の環状本体11aに当接してそれ以上のリーフバルブ10の撓みが規制され、このリーフバルブ10の撓み量は、リーフバルブ10とバルブ抑え部材11との間に介装される間座8の全体における軸方向厚みの設定によって調節することができるようになっている。なお、バルブ抑え部材11の図1中内周側上部に間座8と同様の機能を果たす凸部を設けておけば、間座8を省略することも可能である。
さらに、上記したところでは、弾性体をコイルスプリング15としているが、リーフバルブ10に所定の附勢力を作用させればよいので、これを例えば、皿バネやリーフスプリングとしたり、ゴムとしたりしてもよい。
つづいて、上記したように構成される一実施の形態における緩衝器のバルブ構造の作用について説明する。上述したように、ピストン1がシリンダ40に対して図1中上方側に移動すると、上室41内の圧力が高まり、上室41内の作動油は、圧側のリーフバルブ100に設けた孔100aおよびポート2を通過して下室42内に移動しようとする。
そして、ピストン速度が低速領域にある場合、リーフバルブ10はコイルスプリング15によって附勢されてポート2を閉塞するように押し付けられ、間座8の外周縁を支点として撓むリーフバルブ10の撓み量も僅かで、作動油は、主として上述のリーフバルブ10の弁座1cに着座するリーフの外周に設けた切欠あるいは弁座1cに打刻によって形成される固定オリフィスを通過する。
なお、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差圧はリーフバルブ10とバルブ抑え部材11をピストン1から後退させるように作用してバルブ抑え部材11を後退させる推力を与えるが、この推力は、ピストン速度が低速領域にある場合、上記差圧が小さくコイルスプリング15に与えられている所定の初期荷重を超えないので、コイルスプリング15は圧縮されず、バルブ抑え部材11はそのままの位置を維持し、リーフバルブ10のみが僅かに撓むことになる。
このときリーフバルブ10と弁座1cとの間に生じる環状隙間は非常に僅かで作動油は、固定オリフィスを通過するので、減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)は、図2に示すが如く、この低速領域では、傾きが大きくなり、低速領域においても充分な減衰力を発生することができる。
他方、ピストン1の速度が中速領域に達して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなり、作動油のリーフバルブ10を図1中下方へ押し下げる力が大きくなる。すると、リーフバルブ10の外周縁は、間座8の外周縁を支点として撓んで、リーフバルブ10が弁座1cから離座してできるリーフバルブ10と弁座1cと間の隙間は、ピストン速度が低速領域にある場合よりも大きくなる。
そして、ピストン速度の上昇に伴って、リーフバルブ10の撓み量も大きくなり、最終的には、リーフバルブ10は、その外周縁がバルブ抑え部材11の図1中上端に当接するまで撓むことになる。
上室41内の圧力と下室42内の圧力との差圧はリーフバルブ10とバルブ抑え部材11をピストン1から後退させるように作用してバルブ抑え部材11を後退させる推力を与えるが、このピストン速度が中速領域にある場合にあっても、コイルスプリング15に与えられている所定の初期荷重のほうが上記推力より大きくなるように設定されており、コイルスプリング15は圧縮されず、バルブ抑え部材11はそのままの位置を維持し、リーフバルブ10のみが撓むことになる。
したがって、リーフバルブ10と弁座1cとの間に生じる環状隙間はピストン速度に比例して大きくなり、このピストン速度が中速領域にある場合、リーフバルブ10はバルブ抑え部材11に当接するまで撓むように設定してあるので、減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)は、図2に示すが如く、この中速領域では、傾きが低速領域より小さくなり、中速領域における減衰力が大きくなりすぎることが防止されることになる。
さらに、ピストン1の速度が高速領域に達して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差がますます大きくなり、作動油のリーフバルブ10を図1中下方へ押し下げる力が大きくなる。そして、リーフバルブ10は、中速領域を脱して高速領域に達すると、バルブ抑え部材11の上端に当接するまで撓んで、その状態に維持される。
ピストン1の速度が高速領域にある場合、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差圧はリーフバルブ10とバルブ抑え部材11をピストン1から後退させるように作用してバルブ抑え部材11を後退させる推力を与えるが、コイルスプリング15に与えられている所定の初期荷重は、ピストン1の速度が高速領域にある場合にバルブ抑え部材11に作用する推力より大きくなるように設定されているので、バルブ抑え部材11はそのままの位置を維持し、リーフバルブ10は、バルブ抑え部材11の上端に当接した状態に維持される。
したがって、リーフバルブ10と弁座1cとの間に生じる環状隙間は、高速領域にある場合、ピストン速度が増加しても変化せず、減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)は、図2に示すが如く、この中速領域にある場合よりも傾きが大きくなり、高速領域における減衰係数は大きくなる。
つづき、ピストン1の速度が高々速領域に達して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差がますます大きくなり、作動油のリーフバルブ10を図1中下方へ押し下げる力がさらに大きくなる。
そして、ピストン1の速度が高々速領域にある場合、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差圧はリーフバルブ10とバルブ抑え部材11をピストン1から後退させるように作用してバルブ抑え部材11を後退させる推力がコイルスプリング15に与えられている所定の初期荷重を上回って、コイルスプリング15の附勢力に打ち勝って、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11をピストン1から軸方向に後退させる、すなわち、図1中下方へ移動させることになる。
したがって、リーフバルブ10と弁座1cとの間に生じる環状隙間は、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11がリフトすることによって、ピストン速度に比例して大きくなり、このピストン速度が高々速領域にある場合、減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)は、図2に示すが如く、傾きが高速領域より小さくなり、高々速領域における減衰力が大きくなりすぎることが防止されることになる。
このように、リーフバルブ10の外周が撓んでバルブ抑え部材11に当接するまでは、弾性体たるコイルスプリング15が圧縮を開始しないようにしたので、本実施の形態に緩衝器のバルブ構造にあっては、図2に示すように、減衰特性を、ピストン速度が低速領域では、減衰力の傾きを大きくし、ピストン速度が中速領域では、減衰力の傾きを小さくし、ピストン速度が高速領域では、減衰力の傾きを大きくし、ピストン速度が高々速領域では、減衰力の傾きを再度小さくすることができる。
そして、リーフバルブ10の外周が撓んでバルブ抑え部材11に当接するまでは、弾性体たるコイルスプリング15が圧縮を開始しないように設定するには、上述のように、弾性体たるコイルスプリング15の所定の初期荷重を、リーフバルブ10の外周を撓ませてバルブ抑え部材11に当接させえる最低圧力、すなわち、ピストン速度が中速領域と高速領域の境にあるときの圧力によって、バルブ抑え部材11にピストン1から後退させるよう作用する推力より大きく設定すればよい。
このように、本実施の形態の緩衝器のバルブ構造にあっては、ピストン速度が中速領域にある場合には、減衰力を低く抑えつつ、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
ピストン速度が中速領域から高速領域に変化しても、減衰力はピストン速度に比例的に増大することになるので、急激に減衰力が変化してしまうことがなく、車両搭乗者に急激な減衰力変化による違和感を抱かせたり、ショックを感じさせたりすることが無い。
さらに、ピストン速度が高々速領域では、減衰力の傾きを再度小さくすることができるので、ピストン速度が高速領域を超える高々速領域で減衰力が過大となりすぎて車両における乗り心地を悪化させてしまうことや緩衝器内が異常高圧となってしまうことがない。
また、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、ピストン速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、ピストン速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
なお、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11を基本的には、ピストンナット4の筒部4aに摺接させているが、筒部4aをピストンナット4から分離して独立した部材としてもよいことは勿論であり、ピストン1をピストンロッド5に別の手段で固定することができる場合には、コイルスプリング15の図1中下端を支承する部材を設けておけば、ピストンロッド5を軸部材として、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11をピストンロッド5の外周に直接摺接させておくようにしてもよく、さらに、ピストン1に挿通孔1aを設けてピストンロッド5の先端部を挿入するようにして、ピストンロッド5を突出させているが、バルブディスクたるピストン1と一体あるいは別体な軸部材をピストン1の軸心部に設けるようにしてもよい。
以上でバルブ構造の一実施の形態についての説明を終えるが、本発明のバルブ構造が緩衝器のピストン部の圧側減衰バルブに具現化することも、また、ベースバルブ部に具現化することも可能であり、およそ減衰力を発生する減衰力発生要素として機能する緩衝器のバルブに適用することが可能なことは勿論である。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。
符号の説明
1 バルブディスクたるピストン
1a 底部
1b 挿通孔
1c 弁座
1d,2 ポート
1e 拡径部
1f,4a,11b 筒部
3 窓
4 軸部材たるピストンナット
4b 鍔
4c 小径部
5 ピストンロッド
5a ピストンロッドの先端
5b 段部
5c 螺子部
7,8,101 間座
10 リーフバルブ
11 バルブ抑え部材
11a 環状本体
15 弾性体たるコイルスプリング
40 シリンダ
41 上室
42 下室
100 圧側のリーフバルブ
102 バルブストッパ
100a 孔

Claims (3)

  1. ポートが形成されるバルブディスクと、バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、内周側に上記軸部材が挿通されるととともに上記バルブディスクに積層されポートを閉塞する環状のリーフバルブと、リーフバルブに積層されリーフバルブの撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材と、バルブ抑え部材を介してポートを閉塞する方向にリーフバルブを附勢する弾性体とを備えた緩衝器のバルブ構造において、リーフバルブの外周が撓んでバルブ抑え部材に当接するまでは、弾性体は圧縮を開始しないことを特徴とする緩衝器のバルブ構造。
  2. 弾性体は、バルブ抑え部材と軸部材との間に予め圧縮されて介装されることによって初期荷重が与えられ、初期荷重は、リーフバルブの外周を撓ませてバルブ抑え部材に当接させえる最低圧力によってバルブ抑え部材にピストンから後退させるよう作用する推力より大きく設定されることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
  3. バルブディスクは軸心部にピストンロッドが挿通されるピストンであって、軸部材は筒状に形成されるとともにピストンロッドの先端に螺着されてピストンをピストンロッドに固定するピストンナットであることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器のバルブ構造。
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