JP2007113681A - 緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

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正裕 川瀬
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Abstract

【課題】 ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても車両における乗り心地を向上することができる緩衝器のバルブ構造を提供することである。
【解決手段】 ポート2が形成されるバルブディスク1と、バルブディスク1の軸心部から立ち上がる軸部材4と、内周側に上記軸部材4が挿通されるととともに上記バルブディスク1に積層されポート2を閉塞する環状のリーフバルブ10と、リーフバルブ10に積層されリーフバルブ10の撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材11と、ポート2を閉塞する方向にバルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10を附勢する附勢手段15とを備えた緩衝器のバルブ構造において、少なくとも内部の圧力によってバルブ抑え部材11に附勢手段の附勢力に対向する方向の推力を与える圧力室16と、ポート2内圧を圧力室16に導く通路とを設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、緩衝器のバルブ構造の改良に関する。
従来、この種緩衝器のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用の緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に環状のリーフバルブを積層し、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、特に、リーフバルブの内周を固定支持し外周側を撓ませることによりポートをリーフバルブで開閉する上記緩衝器のバルブ構造では、ピストン速度が中高速領域における減衰力が大きくなりすぎ車両における乗り心地を損なう場合があり、これを解消するため、図4に示すように、リーフバルブLの内周側を固定的に支持せずに、リーフバルブLの内周をピストンロッドRもしくはピストンPをピストンロッドRに固定する筒状のピストンナットNの外周に摺接させ、スプリングSでメインバルブMを介してリーフバルブLの背面を附勢した緩衝器のバルブ構造が提案されるに至っており、図示したところでは、緩衝器の伸側減衰バルブに具現化されている(たとえば、特許文献1参照)。
このバルブ構造にあっては、図示するところではピストンPが上方へ移動する際のピストン速度が低速領域にあるときにはリーフバルブLの外周側がリーフバルブLに積層したメインバルブMの当接部位を支点として撓むので、図5に示すように、内周が固定的に支持されるバルブ構造と略同様の減衰特性を発揮し、ピストン速度が中高速領域に達すると、ポートPoを通過する作動油の圧力がリーフバルブLに作用し、スプリングSの附勢力に抗してリーフバルブLがメインバルブMとともにピストンPから軸方向にリフトして後退するので、内周が固定的に支持される緩衝器のバルブ構造に比較して流路面積が大きくなり、減衰力が過大となること抑制して、車両における乗り心地を向上することができる。
特開2004−190716号公報(図1)
しかしながら、上述のような提案のバルブ構造にあっては、車両における乗り心地を向上できる点で有用な技術ではあるが、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
というのは、たとえば、上記ピストンPが上方に移動するときのピストン速度が高速領域に達すると、従来の緩衝器のバルブ構造では、ピストン速度に応じてリーフバルブLがピストンPから軸方向に後退してリフトするのみで、減衰係数は大きくならない。
したがって、ピストン速度が高速領域に達する場合の減衰力が不足気味となり、振動抑制が充分に行われず、車両における乗り心地を悪化させてしまうことになる。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても車両における乗り心地を向上することができる緩衝器のバルブ構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、ポートが形成されるバルブディスクと、バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、内周側に上記軸部材が挿通されるととともに上記バルブディスクに積層されポートを閉塞する環状のリーフバルブと、内周側に上記軸部材が挿通されるとともにリーフバルブに積層されリーフバルブの撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材と、ポートを閉塞する方向にバルブ抑え部材を介してリーフバルブを附勢する附勢手段とを備えた緩衝器のバルブ構造において、少なくとも内部の圧力によってバルブ抑え部材に附勢手段の附勢力に対向する方向の推力を与える圧力室と、ポート内圧を圧力室に導く通路とを設けた。
本発明の緩衝器のバルブ構造によれば、ピストン速度が高速領域に達すると、減衰係数を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、ピストン速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、ピストン速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
以下、本発明のバルブ構造を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の一部における縦断面図である。図2は、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。図3は、他の実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器のピストン部の一部における縦断面図である。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部の伸側減衰バルブとして具現化されており、ポート2が形成されるバルブディスクたるピストン1と、ピストン1の軸心部から立ち上がる軸部材たるピストンナット4およびスペーサ6と、内周側に上記ピストンナット4が挿通されるととともにピストン1に積層されポート2を閉塞する環状のリーフバルブ10と、リーフバルブ10に積層されリーフバルブ10の撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材11と、ポート2を閉塞する方向にバルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10を附勢する附勢手段たるコイルスプリング15と、内部の圧力によってバルブ抑え部材11に附勢手段の附勢力に対向する方向の推力を与える圧力室16と、ポート2の内圧を圧力室16に導く通路17とを備えて構成されている。
他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド5と、ピストンロッド5の端部に設けた上記ピストン1と、シリンダ40内にピストン1で区画した上室41と下室42と、シリンダ40の下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド5の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないエア室あるいはリザーバとを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。
そして、上記バルブ構造は、シリンダ40に対してピストン1が図1中上方に移動するときに、上室41内の圧力が上昇して上室41から下室42へポート2を介して作動油が移動するときに、その作動油の移動にリーフバルブ10で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。
以下、バルブ構造について詳しく説明すると、バルブディスクたるピストン1は、有底筒状に形成され、底部1aの軸心部に緩衝器のピストンロッド5が挿通される挿通孔1bと、ポート2と、ポート2に連通する窓3と、ポート2の出口端となる窓3の外周側に形成された弁座1cと、を備えて構成されている。なお、このピストン1には、緩衝器が収縮するときに下室42から上室41へと向かう作動油の流れを許容する圧側のポート1dが底部1aの伸側のポート2より外周側に設けられている。
このピストン1の挿通孔1b内には上述のようにピストンロッド5が挿通され、ピストンロッド5の先端部はピストン1の図1中下方側に突出させてある。なお、図示はしないが、ピストンロッド5の先端部の外径は、図4に示した従来の緩衝器のピストンロッドRと同様に、図示しない上方側の外径より小径に設定され、上方側と先端部との外径が異なる部分に図示しない段部が形成されている。
つづいて、軸部材の一部をなすピストンナット4は、筒部4aと、図1中下端外周から延設される鍔4bと、を備えて構成され、筒部4aの下端外周は小径とされて小径部4cが形成されている。
そして、上記ピストンロッド5の先端部を圧側のリーフバルブ(符示せず)、バルブストッパ等(符示せず)とともにピストン1の挿通孔1bに挿入するとともに、軸部材の一部をなす筒状のスペーサ6をピストン1の図1中下方からピストンロッド5に装着し、さらに、このスペーサ6の図1中下方からピストンナット4をピストンロッド5の先端に設けた螺子部5aに螺着することによって、ピストン1は、ピストンロッド5の段部と、スペーサ6を介してピストンナット4の上端と、で挟持されてピストンロッド5に固定されている。
なお、ピストン1の底部1aに設けた挿通孔1bにおける下端開口部が拡径されて、段部が形成され、この段部にスペーサ6の図1中上端の挿入が可能なようになっており、また、この挿通孔1bの拡径部1eとポート2とを連通する連通孔1fが設けられている。
そして、上記したスペーサ6は、筒状であって、その外周には、軸方向に沿う切欠6aが設けられており、この切欠6aは、ピストン1の拡径部1e内に挿入した状態で、上記連通孔1fに連通され、この連通孔1fを介してポート2内に連通されている。
さらに、スペーサ6の外径は、図示したところでは、ピストンナット4の筒部4aの小径部4c以外の部位の外径と同径され、スペーサ6とピストンナット4とで軸部材が形成されるとともに、ピストンナット4の小径部4cが軸部材の側部に設けられる凹部とされている。したがって、この実施の形態の場合、凹部は、軸部材の円周方向に沿う環状溝状とされるとともに、上記切欠6aにポート2に連通されている。
なお、上述のように、ピストン1を有底筒状の形状とすることによって、図示しないピストン1の上端からピストンナット4の下端までの長さを小さくすることができ、ピストン部を小型化することができるが、ピストン1の形状はこれに限定されない。
また、ピストン1の底部1aには、上記スペーサ6の外周に摺接するリーフバルブ10より小径であって環状の間座7が複数積層され、この間座7の下方から同じくスペーサ6の外周に摺接するリーフバルブ10が積層され、さらに、このリーフバルブ10の下方からリーフバルブ10より小径であってスペーサ6の外周に摺接する環状の間座8が複数積層されるとともに、またさらに、この間座8の下方から同じくスペーサ6の外周に摺接するバルブ抑え部材11が積層されている。
なお、リーフバルブ10は、環状に形成されこの図1中上面を弁座1cに当接させて、ピストン1のポート2を閉塞することができるようになっている。
そして、図1中一番最下方に積層されるバルブ抑え部材11は、筒部11bと、筒部11bの上方側外周から延設される鍔11aと、筒部11bの内周側下端から内方に延設されるフランジ部11cとを備えており、フランジ部11cの内周は、ピストンナット4の小径部4cの外周に摺接させてある。すなわち、上記したバルブ抑え部材11のフランジ部11cは、軸部材の凹部内に摺動自在に挿入される凸部とされており、この凸部となるフランジ部11cとスペーサ6と小径部4cとで形成される凹部とで、圧力室16が区画されている。
そして、バルブ抑え部材11の筒部11bの内周は、スペーサ6の外周に摺接させてあり、切欠6aとバルブ抑え部材11の内周とで作られる流路と連通孔1fとで通路17が形成され、上記圧力室16は、この通路17にてポート2に連通されている。なお、通路17は、一つだけでなく、切欠6aを複数設けるようにして複数とされてもよい。
そして、上述のように、通路17の一部を切欠6aとバルブ抑え部材11の内周とで形成するようにしたので、通路17をスペーサ6の肉厚内部に設けるような微細な加工を強いられることがないので、通路17の加工が非常に簡易となる。
なお、上記したところでは、圧力室16は、上記の如くに区画されているが、この圧力室16を環状としない場合、たとえば、凹部をピストンナット4の軸方向に沿う縦溝とし、バルブ抑え部材11に該縦溝内に挿入される凸部を設けて圧力室を区画する場合に比較して、凹部を環状溝状としおよび凸部をフランジ部11cとして圧力室16の形状を環状とすることにより、スペーサ6とピストンナット4の円周方向の位置合わせを要せずに、通路17で圧力室16をポート2内に連通することが可能であり、組付加工が容易となる。
また、上記鍔11aとピストンナット4の鍔4bとの間には、附勢手段たるコイルスプリング15が介装され、このコイルスプリング15で上記リーフバルブ10を弁座1c側に押し付けている。
すなわち、コイルスプリング15の附勢力を上記バルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10の内周側に作用させて、コイルスプリング15でポート2を閉塞する方向にリーフバルブ10を附勢している。
したがって、リーフバルブ10は、ピストン1が図1中上方に移動して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなると、上記附勢力に抗してコイルスプリング15を圧縮してリーフバルブ10の全体がピストン1から軸方向に後退、つまり、図1中下方にリフトするようになっている。
なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの下端までの軸方向長さよりも、間座7全体の軸方向の厚みを短く設定してあり、内周側に附勢力が作用しているリーフバルブ10に初期撓みを与えている。
この初期撓みの撓み量の設定によって、リーフバルブ10が弁座1cから離れてポート2を開放する時の開弁圧を調節することができ、この初期撓みの撓み量は、間座7の全体の厚みで変更可能であるとともに、緩衝器が適用される車両に最適となるように設定されている。なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの下端までの軸方向長さによっては、間座7を省略することも可能である。
また、ピストン1が下方に移動してポート2を通過する作動油の圧力を受けてリーフバルブ10の外周が撓み、ピストン速度の上昇に伴ってその撓み量も増加するが、リーフバルブ10の撓みが大きくなるとリーフバルブ10の外周側がバルブ抑え部材11に当接してそれ以上のリーフバルブ10の撓みが規制され、このリーフバルブ10の撓み量は、リーフバルブ10とバルブ抑え部材11との間に介装される間座8の全体における軸方向厚みの設定によって調節することができるようになっている。なお、バルブ抑え部材11の図1中内周側上部に間座8と同様の機能を果たす凸部を設けておけば、間座8を省略することも可能である。
さらに、上記したところでは、附勢手段をコイルスプリング15としているが、リーフバルブ10に所定の附勢力を作用させればよいので、これを例えば、皿バネやリーフスプリングとしたり、ゴム等の弾性体としたりしてもよい。
また、リーフバルブ10の枚数は、本バルブ構造で実現する減衰特性によって任意とされてよく、たとえば、複数枚でも差し支えなく、また、リーフバルブ10の外径についても、それぞれを任意に設定することができる。
つづいて、バルブ構造の作用について説明すると、上述したように、ピストン1がシリンダ40に対して図1中上方側に移動すると、上室41内の圧力が高まり、上室41内の作動油はポート2を通過して下室42内に移動しようとする。
そして、ピストン速度が低速領域にあり、リーフバルブ10をコイルスプリング15の附勢力に抗してピストン1から後退させてリフトさせることができず、リーフバルブ10はコイルスプリング15によって附勢されてポート2を閉塞するように押し付けられているので、リーフバルブ10の外周縁が間座8の外周縁を支点として撓んで、リーフバルブ10が弁座1cから離座してできるリーフバルブ10と弁座1cと間の隙間を作動油が通過する。この場合、ポート2内の圧力はリーフバルブ10に作用するとともに、圧力室16内にも通路17を介して導かれ、圧力室16はバルブ抑え部材11にピストン1から後退させる方向の推力を与える、すなわち、コイルスプリング15の附勢力に対向する方向に抗する方向に推力を与えるが、コイルスプリング15の附勢力が勝っており、リーフバルブ10の外周縁が間座8の外周縁を支点として撓むことになる。
このときの減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)は、図2に示すが如くとなり、この低速領域では、減衰係数は比較的大きいものとなる。
他方、ピストン1の速度が中速領域に達して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が所定値以上となると、作動油のリーフバルブ10を図1中下方へ押し下げる力が大きくなるとともに、圧力室16内の圧力も高くなってバルブ抑え部材11に与える推力が大きくなり、該力および推力がコイルスプリング15の附勢力に打ち勝って、リーフバルブ10の全体をピストン1から軸方向に後退させる、すなわち、図1中下方へ移動させることになる。
このとき、リーフバルブ10の全体がピストン1の底部1aから離れ、弁座1cとリーフバルブ10との間の隙間は、ピストン速度が低速領域にあるときよりも大きく、また、ピストン速度に比例して隙間が大きくなることから、ピストン速度が中速領域にあるときの減衰特性は、図2に示すが如くとなり、ピストン速度の増加に対して比例はするものの低速領域より減衰係数は低くなり、減衰特性の傾きが小さくなる。
そして、ピストン速度が高速領域に達すると、作動油のリーフバルブ10を図1中下方へ押し下げる力は大きくなるが、通路17を通過する作動油の流速が早くなり動圧低下によって圧力室16内の圧力はピストン速度が高くなればなるほど低くなることになる。すると、ピストン速度が高速領域にある場合における作動油がリーフバルブ10を後退させる力および圧力室16の推力の合力のピストン速度に対する増加割合は、ピストン速度が中速領域にあるときのピストン速度に対する上記合力の増加割合より小さくなる。
すなわち、ピストン速度が中側領域にある場合におけるリーフバルブ10のピストン1からの後退量のピストン速度に対する増加割合は、ピストン速度が高速領域にある場合におけるリーフバルブ10のピストン1からの後退量のピストン速度に対する増加割合より小さくなる。
つまり、ピストン速度が高速領域にあるときは、ピストン速度が高くなるにつれて弁座1cとリーフバルブ10との間の隙間が大きくなりづらくなることになり、ピストン速度が高速領域にあるときの減衰特性は、図2に示すように、中速領域より減衰係数は大きくなるので、傾きが大きくなる。
したがって、本実施の形態における緩衝器のバルブ構造にあっては、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰係数を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、ピストン速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、ピストン速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
なお、通路17の通路面積および長さについては、減衰係数が大きくなるピストン速度の中速領域と高速領域との境を1m/s以上となるように設定するとよい。そうすることで、ピストン速度が中速領域にあるときには、減衰係数を比較的小さく保っておくことができるので、減衰力が大きくなり過ぎることがなく、車両における乗り心地を確保することができる。
また、上記減衰係数が大きくなるピストン速度の中速領域と高速領域との境を1m/s以上であって2m/s以下に設定することで、緩衝器が適用される実車に好適となり、実用性が向上することになる。
つづいて、他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造について説明する。この他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図3に示すように、スペーサ6の切欠6aの一部の深さを浅くしてある点で、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造と異なるのみである。したがって、他の構成については、図1に示したものと同様であり、本実施の形態の説明に際し、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造と同様の構成部材については同じ符号を付するものとして、その詳細な説明を省略することとし、異なる部分のみを詳細に説明する。
上述のように、この他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造にあっては、図3に示すように、スペーサ6の切欠6aの一部の深さが浅くなっている。そして、この切欠6aとバルブ抑え部材11の筒部11bの内周とで、通路17の一部が形成されるのは、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造と同様であるが、この他の実施の形態の場合、上記した切欠6aの浅くなっている部位とバルブ抑え部材11の筒部11bの内周とで通路17にオリフィス18が形成されている点で、一実施の形態と異なる。
なお、この切欠6aの浅くなっている部位は、バルブ抑え部材11が軸部材の一部をなすスペーサ6に対して軸方向に移動しても、筒部11bの内周に対向しつづけるような位置に形成されている。したがって、バルブ抑え部材11の軸方向に移動によって、オリフィス18が機能しえなくなることがない。
さらに、切欠6aの一部を浅くすることによってオリフィス18を形成するようにしているので、バルブ抑え部材11がスペーサ6に対して円周方向に回転しても、オリフィスとしても機能を発揮しえなくなることがなく、また、スペーサ6に対してバルブ抑え部材11を円周方向に位置決める必要がなく、組付加工が容易となる。
そして、この他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造にあっては、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造と同様に、圧力室16内にポート2内の圧力が上記通路17によって導かれることになるが、その圧力の伝達はピストン1の上下方向の振動周波数に依存した一次遅れとなる。
すなわち、ピストン1の上下方向の振動周波数が高周波数になればなるほど、圧力室16の内圧の上昇が遅れて、バルブ抑え部材11を後退させる推力もピストン1の振動に対して遅れることになる。したがって、ピストン1の振動周波数が高周波数になればなるほど、圧力室16がバルブ抑え部材11に与える推力は抑制される。
そして、上記したピストン1の振動周波数が高周波数となる場合には、ストローク長が限られ車両の車体と車軸間に介装される懸架バネと並列される使用状態となる実際の緩衝器にあっては、ピストン速度が高速領域となることから、この他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造にあっても、ピストン速度が中側領域にある場合におけるリーフバルブ10のピストン1からの後退量のピストン速度に対する増加割合は、ピストン速度が高速領域にある場合におけるリーフバルブ10のピストン1からの後退量のピストン速度に対する増加割合より小さくなる。
つまり、ピストン速度が高速領域にあるときは、ピストン速度が高くなるにつれて弁座1cとリーフバルブ10との間の隙間が大きくなりづらくなることになり、ピストン速度が高速領域にあるときの減衰特性は、図2に示すように、中速領域より減衰係数は大きくなるので、傾きが大きくなる。
したがって、他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造にあっても、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰係数を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、ピストン速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、ピストン速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
なお、上記した各実施の形態では、ピストン1をピストンナット4で固定しているが、ピストン1をピストンロッド5に別の手段で固定することができる場合には、コイルスプリング15の図1中下端を支承する部材を設けておけば、ピストンロッド5を軸部材として凹部を設けておき、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11をピストンロッド5の外周に直接摺接させておくようにしてもよく、さらに、ピストン1に挿通孔1aを設けてピストンロッド5の先端部を挿入するようにして、ピストンロッド5を突出させているが、バルブディスクたるピストン1と一体あるいは別体な軸部材をピストン1の軸心部に設けるようにしてもよい。
また、通路17は、上記した各実施の形態ではスペーサ6に設けた切欠6a、バルブ抑え部材11の内周および連通孔1fとで構成してあるが、ピストンロッド5の内部に通路の一部を形成して、このピストンロッド5の内部の通路をそれぞれポート2および軸部材の凹部に連通するようにしてもよい。
以上でバルブ構造の一実施の形態についての説明を終えるが、本発明のバルブ構造が緩衝器のピストン部の圧側減衰バルブに具現化することも、また、ベースバルブ部に具現化することも可能であり、およそ減衰力を発生する減衰力発生要素として機能する緩衝器のバルブに適用することが可能なことは勿論である。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の一部における縦断面図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。 他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の一部における縦断面図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。
符号の説明
1 バルブディスクたるピストン
1a 底部
1b 挿通孔
1c 弁座
1d,2 ポート
1e 拡径部
1f 連通孔
3 窓
4 軸部材たるピストンナット
4a,11b 筒部
4b,11a 鍔
4c 小径部
4d 段部
5 ピストンロッド
5a 螺子部
6 スペーサ
6a 切欠
7,8 間座
10 リーフバルブ
11 バルブ抑え部材
11c フランジ部
15 附勢手段たるコイルスプリング
16 圧力室
17 通路
18 オリフィス
40 シリンダ
41 上室
42 下室

Claims (6)

  1. ポートが形成されるバルブディスクと、バルブディスクの軸心部から立ち上がる軸部材と、内周側に上記軸部材が挿通されるととともに上記バルブディスクに積層されポートを閉塞する環状のリーフバルブと、内周側に上記軸部材が挿通されるとともにリーフバルブに積層されリーフバルブの撓み量を規制する環状のバルブ抑え部材と、ポートを閉塞する方向にバルブ抑え部材を介してリーフバルブを附勢する附勢手段とを備えた緩衝器のバルブ構造において、少なくとも内部の圧力によってバルブ抑え部材に附勢手段の附勢力に対向する方向の推力を与える圧力室と、ポート内圧を圧力室に導く通路とを設けたことを特徴とする緩衝器のバルブ構造。
  2. 圧力室は、軸部材の側部に設けた凹部と、バルブ抑え部材の内周側に設けた軸部材の凹部内に摺動自在に挿入される凸部とで区画されていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
  3. 凹部は軸部材の側部に設けた環状溝であって、凸部はバルブ抑え部材の内周側に設けた環状のフランジ部であることを特徴とする請求項2に記載の緩衝器のバルブ構造。
  4. ポート内圧を圧力室に導く通路の途中にオリフィスを設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の緩衝器のバルブ構造。
  5. ポート内圧を圧力室に導く通路の一部は、軸部材の外周に形成され凹部に連通される切欠と、バルブ抑え部材の内周とで形成されることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の緩衝器のバルブ構造。
  6. オリフィスは、切欠の一部の深さを浅くすることで形成されることを特徴とする請求項5に記載の緩衝器のバルブ構造。
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