JP2008049722A - 車両の制御量設定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両が長期にわたって使用されても、車両の運動制御を好適に実行させることができる車両の制御量設定装置を提供する。
【解決手段】制御量設定装置11を構成するECU16は、車両状態を数値的に表す車両状態値としてヨーレート偏差を検出する。また、ECU16は、車両の走行距離を車両特性値として読み出し、該走行距離が走行距離閾値よりも大きいか否かを判定する。そして、走行距離が走行距離閾値以下である場合、ECU16は、車両特性が未だ変化していないものと判断し、走行距離を加味することなく、ヨーレート偏差のみに基づき制御量を設定する。一方、走行距離が走行距離閾値よりも大きい場合、ECU16は、車両特性が変化してしまったものと判断し、ヨーレート偏差と走行距離とに基づき制御量を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に設けられたセンサからの入力信号に基づき車両状態を推定し、該車両状態に応じた運動制御を車両に実行させるための制御量を設定する車両の制御量設定装置に関する。
従来、この種の制御量設定装置として、例えば特許文献1に記載の装置(以下、「従来装置」という。)が提案されている。この従来装置では、まず、各種センサ(車体速度センサや操舵角センサなど)からの入力信号に基づき検出した目標ヨーレートと、ヨーレートセンサからの入力信号に基づき検出した実際のヨーレートとの偏差を車両状態値として算出するようになっている。そして、算出された偏差(車両状態値)の絶対値が予め設定された閾値よりも大きい場合に、従来装置では、車両がアンダステア状態であると判断し、該アンダステア状態を回避するための挙動制御(運動制御)を車両に実行させるようになっている。
特開2000−43615号公報(請求項1)
ところで、車両には、多数の部品(以下、「車両部品」という。)が使用されており、これら各車両部品の多くは、通常、車両が長期にわたって使用されることにより摩耗や摩滅する。そのため、車両特性が変化してしまうことがある。したがって、従来装置では、車両が長期にわたって使用された場合における車両の運動制御に改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両が長期にわたって使用されても、車両の運動制御を好適に実行させることができる車両の制御量設定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、車両の制御量設定装置にかかる請求項1に記載の発明は、車両に設けられたセンサ(SE2,SE3,SE4,SE5,SE6,SE7,SE8,SE9)から信号を入力し、該入力した入力信号に基づき車両状態を数値的に表す車両状態値(YRD、RRE,RRT)を取得する車両状態値取得手段(S23,S34,S41、S53,S62,S71,S72,S80)と、車両の車両特性の変化を数値的に表す車両特性値(MR)を取得する車両特性値取得手段(S12,S52)と、前記車両状態値(YRD、RRE,RRT)と前記車両特性値(MR)とに基づいて前記車両で実行される運動制御の制御量(CQ)を設定する設定手段(S24,S35,S43,S44、S63,S73,S82,S83)とを備えたことを要旨とする。
上記構成では、車両状態に応じた運動制御を車両に実行させるための制御量は、センサからの入力信号に基づいた演算結果から推定される車両状態値と、車両の車両特性の変化を数値的に表す車両特性値とに基づいて設定される。そのため、車両を構成する部品(車両部品)が摩耗・摩滅して車両特性が車両設計時とは変わってしまったとしても、そのときの車両特性(車両特性値)に対応した制御量が設定される。したがって、車両が長期にわたって使用されても、車両の運動制御を好適に実行させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制御量設定装置において、前記設定手段(S24,S35,S43,S44、S63,S73,S82,S83)は、前記車両特性値取得手段(S12,S52)によって取得された前記車両特性値(MR)が予め設定された車両特性閾値(KMR)以下である場合、前記車両状態値(YRD、RRE,RRT)のみに基づいて前記制御量(CQ)を設定することを要旨とする。
上記構成では、車両特性値が車両特性閾値以下である場合、車両に運動制御を実行させるための制御量は、車両特性値を加味することなく、車両状態値のみに基づいて設定される。一方、車両特性値が車両特性閾値よりも大きい場合、制御量は、車両状態値に車両特性値を加味して設定される。したがって、車両特性値が車両特性閾値以下であるか否かに依らず一律に車両特性値を加味した制御量を設定する場合と異なり、制御量設定装置自体の制御負荷が低減される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両の制御量設定装置において、前記車両特性値取得手段(S12,S52)は、車両の走行距離(MR)を前記車両特性値として取得することを要旨とする。
一般に、車両では、該車両の走行距離の計測が行われている。本発明では、その走行距離を車両特性値として取得することにより、車両特性の変化具合を推定している。したがって、車両特性の変化具合を推定するための手段を車両に新たに設ける場合と異なり、車両の部品点数の増加が抑制される。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の車両の制御量設定装置において、前記設定手段(S24,S35,S43,S44、S63,S73,S82,S83)は、前記センサから入力した入力信号、及び前記制御量(CQ)のうち少なくとも一つを、前記車両特性値取得手段(S12,S52)によって取得された前記車両特性値(MR)に基づいて補正することを要旨とする。
上記構成では、車両状態に応じた運動制御を車両に実行させるための制御量は、車両特性値に応じて、センサからの入力信号を補正すること、及び、制御量を直接補正することのうち少なくとも一つを実行することにより設定することが可能である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両の制御量設定装置において、前記車両特性値取得手段(S12,S52)は、車両のメンテナンスが実行された場合に、該メンテナンス実行後における車両特性の変化を車両特性値(MR)として演算することを要旨とする。
上記構成では、車両がメンテナンスされた場合、車両特性値は、メンテナンスが実行されたことを加味した値として演算により検出される。そのため、車両のメンテナンスが実行された場合においても、そのときの車両特性に適した制御量が設定される。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両の制御量設定装置において、車両のヨーレート(YR)を演算するヨーレート演算手段(S13)と、車両のステアリング(24)の操舵角(θ)を演算する操舵角演算手段(S14)と、車両の車体速度(VS)を演算するための車体速度演算手段(S11)と、前記操舵角演算手段(S14)によって演算された操舵角(θ)と前記車体速度演算手段(S11)によって演算された車体速度(VS)とに基づいて目標ヨーレート(YRT)を演算する目標ヨーレート演算手段(S22,S33,S40)と、前記ヨーレート演算手段(S13)によって演算されたヨーレート(YR)と前記目標ヨーレート演算手段(S22,S33,S40)によって演算された目標ヨーレート(YRT)との偏差(YRD)を演算する偏差演算手段(S23,S34,S41)とをさらに備え、前記車両状態値取得手段(S23,S34,S41)は、前記偏差演算手段(S23,S34,S41)によって演算された偏差(YRD)を前記車両状態値として取得することを要旨とする。
上記構成では、車両のヨーレート(以下、「実ヨーレート」という。)と、目標ヨーレートとを演算からそれぞれ検出し、目標ヨーレートと実ヨーレートとの偏差を演算により検出している。そして、検出された偏差を車両状態値として取得し、該偏差と車両特性値に応じた制御量が設定される。そのため、車両の旋回時に、適切な運動制御を実行させることが可能になる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の車両の制御量設定装置において、前記目標ヨーレート演算手段(S22)は、前記車両特性値取得手段(S12)によって取得された前記車両特性値(MR)が予め設定された車両特性閾値(KMR)よりも大きい場合、前記操舵角演算手段(S14)によって演算された操舵角(θ)を、補正前の操舵角(θ1)と補正後の操舵角(θ2)との対応関係に基づいて補正し、該補正された操舵角(θ2)と前記車体速度演算手段(S11)によって演算された車体速度(VS)とに基づいて目標ヨーレート(YRT)を演算することを要旨とする。
上記構成では、車両特性値が車両特性閾値よりも大きい場合には、操舵角演算手段によって演算された操舵角が補正され、該補正された操舵角と車体速度とに基づいて目標ヨーレートが演算により検出される。そして、この目標ヨーレートと実ヨーレートとから偏差が検出され、該偏差に対応した制御量が設定される。したがって、操舵角を補正することにより、適切な制御量を設定することが可能になる。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の車両の制御量設定装置において、前記目標ヨーレート演算手段(S33)は、前記操舵角演算手段(S14)によって演算された操舵角(θ)と、前記車体速度演算手段(S11)によって演算された車体速度(VS)と、スタビリティファクタ(A)とを用いて演算することにより前記目標ヨーレート(YRT)を演算するようになっており、前記目標ヨーレート演算手段(S33)は、前記車両特性値取得手段(S12)によって取得された前記車両特性値(MR)が予め設定された車両特性閾値(KMR)よりも大きい場合、前記車両特性値(MR)が前記車両特性閾値(KMR)以下である場合に比して大きな値のスタビリティファクタ(A)を用いて、前記目標ヨーレート(YRT)を演算することを要旨とする。
上記構成では、車両特性値が車両特性閾値よりも大きい場合には、目標ヨーレートを演算により検出するときに用いられるスタビリティファクタが、車両特性値が車両特性閾値以下であるときよりも大きな値に設定される。すなわち、スタビリティファクタを変更することにより、補正された目標ヨーレートが検出され、該目標ヨーレートに基づいた偏差が検出される。そして、この偏差に対応した制御量が設定される。したがって、スタビリティファクタを変更することにより、適切な制御量を設定することが可能になる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両の制御量設定装置において、車両のロールレート(RRT)を演算するロールレート演算手段(S53)と、車両の横方向加速度(YG)を演算する横方向加速度演算手段(S54)と、該横方向加速度演算手段(S54)によって演算された前記横方向加速度(YG)に基づき車両のロール角度(RRE)を検出するロール角度検出手段(S62,S71,S72,S80)とをさらに備え、前記車両状態値取得手段(S53,S62,S71,S72,S80)は、前記ロールレート演算手段(S53)によって演算された前記ロールレート(RRT)、及び、前記ロール角度検出手段(S63,S71,S72,S80)によって演算された前記ロール角度(RRE)を前記車両状態値として取得することを要旨とする。
上記構成では、車両のロールレート(以下、「実ロールレート」という。)と、ロール角度とを演算からそれぞれ検出し、ロール角度と実ロールレートとを車両状態値として取得する。そして、この車両状態値(ロール角度及び実ロールレート)と車両特性値とに応じた制御量が設定される。そのため、車両の旋回時に、車両の横転を回避するような運動制御を適切に実行させることが可能になる。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の車両の制御量設定装置において、前記ロール角度検出手段(S62)は、前記車両特性値取得手段(S52)によって取得された前記車両特性値(MR)が予め設定された車両特性閾値(KMR)よりも大きい場合、前記横方向加速度演算手段(S54)によって演算された前記横方向加速度(YG)を、補正前の横方向加速度(YG1)と補正後の横方向加速度(YG2)との対応関係に基づいて補正し、該補正された横方向加速度(YG)に基づき前記ロール角度(RRE)を検出することを要旨とする。
上記構成では、車両特性値が車両特性閾値よりも大きい場合には、横方向加速手段によって演算された横方向加速度が補正され、該補正された横方向加速度に基づいてロール角度が演算により検出される。そして、このロール角度と実ロールレートとに対応した制御量が設定される。したがって、横方向加速度を補正することにより、適切な制御量を設定することが可能になる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の車両の制御量設定装置を具体化した第1の実施形態を図1〜図5に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。また、特に説明がない限り、以下の記載における左右方向は、車両進行方向における左右方向と一致するものとする。
図1に示すように、本実施形態における車両の制御量設定装置11は、複数(本実施形態では4つ)ある車輪(右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RL)のうち、前輪FR,FLが駆動輪として機能する車両(いわゆる前輪駆動車)に搭載されている。この車両は、駆動源となるエンジン12で発生した駆動力を前輪FR,FLに伝達する駆動力伝達機構13と、前輪FR,FLを転舵輪(操舵輪)として転舵させるための前輪転舵機構14と、各車輪FL,FR,RL,RRに制動力を付与するための制動力付与機構15とを備えている。また、この車両は、上記各機構13,14,15を車両の走行状態に応じて適宜に制御するための電子制御装置(以下、「ECU」という。)16を備え、該ECU16が、制御量設定装置11を構成している。なお、エンジン12は、車両の運転者によるアクセルペダル17の踏込み操作に対応した駆動力を発生させる。
駆動力伝達機構13には、エンジン12の出力軸に接続されたトランスミッション18と、このトランスミッション18から伝達された駆動力を適宜配分して前輪FL,FRに伝達する前輪用ディファレンシャルギヤ19とが設けられている。また、エンジン12から外部に向けて延設された吸気管20内の吸気通路20aには、その開口断面積を可変させるスロットル弁21が設けられると共に、吸気管20外には、スロットル弁21の開度を制御するためのスロットル弁アクチュエータ(例えばDCモータ)22が設けられている。また、エンジン12の吸気ポート(図示略)近傍には、燃料を噴射するインジェクタを有する燃料噴射装置23が設けられている。なお、アクセルペダル17の近傍には、運転者によるアクセルペダル17の踏込み量(開度)を検出するためのアクセル開度センサSE1が設けられている。
前輪転舵機構14には、ステアリングホイール24と、ステアリングホイール24が固定されたステアリングシャフト25と、ステアリングシャフト25に連結された転舵アクチュエータ26とが設けられている。また、前輪転舵機構14には、転舵アクチュエータ26により車両の左右方向に移動自在なタイロッドと、このタイロッドの移動により前輪FL,FRを転舵させるリンクとを含んだリンク機構部27とが設けられている。さらに、前輪転舵機構14には、ステアリングホイール24の操舵角を検出するための操舵角センサSE2が設けられている。
制動力付与機構15には、マスタシリンダ及びブースタを有する液圧発生装置(図示略)と、液圧回路を有する液圧制御装置(図示略)とが設けられている。液圧発生装置には、ブレーキペダル28が設けられ、このブレーキペダル28が車両の運転者によって踏込み操作されたことに基づき、液圧発生装置のマスタシリンダ及びブースタが駆動するようになっている。また、液圧発生装置には、ECU16に電気的に接続されたブレーキスイッチSW1が設けられ、該ブレーキスイッチSW1からは、ブレーキペダル28の操作状況に応じた信号がECU16に出力されている。
液圧制御装置の液圧回路は、各車輪FR,FL,RR,RLに対応して設けられたホイールシリンダ29a,29b,29c,29dに接続されている。具体的には、液圧回路は、右前輪用経路30aを介して右前輪用のホイールシリンダ29aに接続されると共に、左前輪用経路30bを介して左前輪用のホイールシリンダ29bに接続されている。また、液圧回路は、右後輪用経路30cを介して右後輪用のホイールシリンダ29cに接続されると共に、左後輪用経路30dを介して左後輪用のホイールシリンダ29dに接続されている。そして、液圧発生装置内で発生したブレーキ液圧が、液圧回路の各経路30a〜30dを介して各ホイールシリンダ29a〜29d内に各別に供給されるようになっている。
ECU16は、CPU40、ROM41、RAM42、及びEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)43などを備えたデジタルコンピュータと、各装置を駆動させるための駆動回路(図示略)とを主体として構成されている。ROM41には、駆動力伝達機構13、前輪転舵機構14及び制動力付与機構15(液圧制御装置)を制御するための各種の制御プログラム、各種のマップ(図2及び図3に示すマップなど)、及び各種閾値(後述する走行距離閾値など)が記憶されている。また、RAM42及びEEPROM43には、車両の駆動中に適宜書き換えられる各種の情報がそれぞれ記憶されるようになっている。
また、ECU16の入力側インターフェース(図示略)には、上記ブレーキスイッチSW1、アクセル開度センサSE1、操舵角センサSE2、及び各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度を検出するための車輪速度センサSE3,SE4,SE5,SE6が接続されている。また、入力側インターフェースには、実際に車両に働くヨーレート(Yaw Rate)を検出するためのヨーレートセンサSE7、実際に車両に働くロールレート(Roll Rate)を検出するためのロールレートセンサSE8、及び実際に車両に働く横方向加速度(いわゆる「横G」)を検出するための横GセンサSE9がそれぞれ接続されている。
一方、ECU16の出力側インターフェース(図示略)には、駆動力伝達機構13、前輪転舵機構14及び制動力付与機構15の駆動装置(モータなど)が接続されている。そして、ECU16は、上記スイッチSW1及び各種のセンサSE1〜SE9からの入力信号に基づき、駆動力伝達機構13、前輪転舵機構14及び制動力付与機構15の駆動装置(モータなど)の動作を個別に制御するようになっている。
次に、ROM41に記憶されるマップについて図2及び図3に基づき説明する。
図2に示すマップは、車両が長期にわたって使用されたことにより車両を構成する部品(以下、「車両部品」)が摩耗・摩滅した場合に、操舵角センサSE2からの入力信号に基づきECU16が演算により検出した操舵角を補正するためのマップであって、補正前の操舵角と補正後の操舵角との対応関係を示すものである。補正後の操舵角の絶対値は、補正前の操舵角の絶対値に比して小さくなるように設定される。すなわち、補正前の操舵角が「θ1」であった場合、補正後の操舵角は、絶対値が「θ1」の絶対値よりも小さい「θ2」に設定されるようになっている。なお、本実施形態では、ステアリングホイール24が右側に操舵された場合、操舵角センサSE2からは、演算により検出される操舵角が正の値となるような信号が出力される一方、ステアリングホイール24が左側に操舵された場合、操舵角センサSE2からは、演算により検出される操舵角が負の値となるような信号が出力されるようになっている。
また、図3に示すマップは、後述するヨーレート偏差YRDと、該ヨーレート偏差YRD(車両状態)に応じた挙動制御(運動制御)を車両に実行させるための制御量CQとの関係を示すものである。すなわち、ヨーレート偏差YRDが第2のヨーレート偏差YRD2(<0(零))から第1のヨーレート偏差YRD1(>0(零))までの値である場合、制御量CQは、「0(零)」に設定されている。その一方で、ヨーレート偏差YRDが第1のヨーレート偏差YRD1よりも大きく且つ第3のヨーレート偏差YRD3(>YRD1)以下である場合、制御量CQは、ヨーレート偏差YRDが大きくなる程、その値が大きくなるように設定されている。また、ヨーレート偏差YRDが第3のヨーレート偏差YRD3よりも大きい場合、制御量CQは、ヨーレート偏差YRDの大きさに依らず、その値が一定となるように設定されている。
ヨーレート偏差YRDが第2のヨーレート偏差YRD2よりも小さく且つ第4のヨーレート偏差YRD4(<YRD2)以上である場合、制御量CQは、ヨーレート偏差YRDの絶対値が大きくなる程、その絶対値が大きくなるように設定されている。また、ヨーレート偏差YRDが第4のヨーレート偏差YRD4よりも小さい場合、制御量CQは、ヨーレート偏差YRDの大きさに依らず、その値が一定となるように設定されている。したがって、本実施形態では、ROM41を備えたECU16が、制御量CQをヨーレート偏差YRDに対応付けた状態で記憶する制御量記憶手段として機能するようになっている。
次に、本実施形態のECU16が実行する各制御処理ルーチンのうち、制御量補正処理ルーチンについて図4に基づき以下説明する。
さて、ECU16は、所定周期毎(例えば、「0.01」秒毎)に制御量補正処理ルーチンを実行する。そして、この制御量補正処理ルーチンにおいて、ECU16は、EEPROM43の所定領域に記憶されている車両の走行距離MRを車両特性値として読み出す(ステップS10)。続いて、ECU16は、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度センサSE3〜SE6からの入力信号に基づき車体速度VSを演算により検出する(ステップS11)。すなわち、ECU16は、駆動輪である前輪FR,FL用の各車輪速度センサSE3,SE4からの入力信号に基づいた演算により前輪FR,FLの車輪速度をそれぞれ検出し、該前輪FR,FLの車輪速度のうち大きい方の値を車体速度VSに設定する。この点で、本実施形態では、ECU16が、車体速度演算手段としても機能する。
そして、ECU16は、ステップS11にて検出された車体速度VSと制御量補正処理ルーチンが前回実行されたときからの経過時間(「0.01」秒)とに基づき、走行距離MRを更新し、更新した走行距離MRをEEPROM43の所定領域に記憶させる(ステップS12)。この点で、本実施形態では、ECU16が、車両特性値取得手段としても機能する。続いて、ECU16は、ヨーレートセンサSE7からの入力信号に基づき、実際に車両に働くヨーレート(以下。「実ヨーレート」という。)YRを演算により検出する(ステップS13)。この点で、本実施形態では、ECU16が、ヨーレート演算手段としても機能する。
続いて、ECU16は、操舵角センサSE2からの入力信号に基づき操舵角θを演算により検出する(ステップS14)。この点で、本実施形態では、ECU16が、操舵角演算手段としても機能する。そして、ECU16は、図5に詳述する制御量設定処理を実行し(ステップS15)、その後、制御量補正処理ルーチンを終了する。
次に、上記制御量補正処理ルーチンのステップS15で実行される制御量設定処理(制御量補正設定ルーチン)について図5に示すフローチャートに基づき以下説明する。
さて、制御量設定処理ルーチンにおいて、ECU16は、EEPROM43の所定領域から読み出した走行距離(ステップS12にて更新された走行距離)MRが予め設定された走行距離閾値(例えば、「10万」キロメータ)KMRよりも大きいか否かを判定する(ステップS20)。この走行距離閾値は、車両の車両特性の変化具合を判断するためのものであって、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。すなわち、本実施形態では、ECU16は、車両特性の変化を数値化した車両特性値として走行距離MRを取得し、該走行距離(車両特性値)MRが走行距離閾値(車両特性閾値)KMRよりも大きいか否かを判定する。
ステップS20の判定結果が否定判定(MR≦KMR)である場合、ECU16は、車両部品の摩耗や摩滅に起因した車両特性の変化がまだ表れていないと判断し、その処理を後述するステップS22に移行する。一方、ステップS20の判定結果が肯定判定(MR>KMR)である場合、ECU16は、車両部品の摩耗や摩滅に起因して車両特性が変化してしまったと判断し、上記ステップS14にて検出した操舵角θを、図2に示すマップに基づき補正する(ステップS21)。すなわち、ECU16は、ステップS14にて検出した補正前の操舵角θ(=θ1)を、図2に示すマップに基づいて「θ2(<θ1)」に補正する。そして、ECU16は、その処理をステップS22に移行する。
ステップS22において、ECU16は、車体速度VS及び操舵角θなどに基づき目標ヨーレートYRTを演算により検出する。具体的には、ECU16は、以下に示す条件式(イ)から目標ヨーレートYRTを演算により検出する。
YRT=(VS×θ)/(L×(A×VS+1))…(イ)
ただし、YRT…目標ヨーレート、VS…車体速度、θ…操舵角、A…スタビリティファクタ(定数)、L…ホイールベース長(前輪と後輪との間の距離)
すなわち、ECU16は、ステップS11にて検出した車体速度VS、及びステップS14又はステップS21にて検出した操舵角θを条件式(イ)に代入することにより、目標ヨーレートYRTを検出する。この点で、本実施形態では、ECU16が、車体速度VS、操舵角θ、スタビリティファクタA及びホイールベース長Lを用いて目標ヨーレートYRTを演算する目標ヨーレート演算手段としても機能する。
そして、ECU16は、ステップS22にて検出された目標ヨーレートYRTから上記ステップS13にて検出された実ヨーレートYRを減算することにより、推定される車両状態を数値的に表す車両状態値としてのヨーレート偏差YRD(=YRT―YR)を取得する(ステップS23)。この点で、本実施形態では、ECU16が、車両状態値取得手段及び偏差演算手段としても機能する。続いて、ECU16は、図3に示すマップに基づいて、ステップS23にて検出したヨーレート偏差YRDに対応した制御量CQを読み出すことにより設定する(ステップS24)。すなわち、ECU16は、走行距離MRが走行距離閾値KMRよりも大きい場合には、走行距離MRが走行距離閾値KMR以下である場合とは異なるように、車両特性値としての走行距離MRを加味して制御量CQを設定する。したがって、この点で、本実施形態では、ECU16が、設定手段としても機能する。
そして、ECU16は、ステップS24にて設定した制御量CQを出力し、該制御量CQに応じた運動制御を実行させる(ステップS25)。すなわち、ECU16は、スロットル弁21の開度が制御量CQに応じた開度となるようにスロットル弁アクチュエータ22を制御する。その後、ECU16は、制御量設定処理ルーチンを終了する。
したがって、本実施形態では、車両の走行距離(車両特性値)MRに基づいて操舵角θが補正され、該操舵角θに基づいて目標ヨーレートYRTやヨーレート偏差YRDが演算により検出される。そして、このヨーレート偏差YRDに対応した制御量CQが設定される。すなわち、この制御量CQは、操舵角センサSE2からの入力信号に基づいて検出された操舵角θを走行距離(車両特性値)MRに基づいて補正することにより設定される。
さて、走行距離MRが長くなっていくと、それに応じて車両部品が徐々に摩耗・摩滅していく。そして、走行距離MRが走行距離閾値KMRよりも大きくなってしまった場合、車両部品の摩耗や摩滅に起因した車両特性が変化が顕著に表れてしまうことがある。例えば、図6に示すように、ステアリングホイール24の操舵角θ(=θ1)に対応する転舵輪である前輪FR,FLの車軸角度rが、車両設計時では「r1」(>「0(零)」)であったのに対し、車両部品(転舵アクチュエータ26など)が摩耗・摩滅してしまうと「r2」(<r1)になる。その結果、操舵角θが「θ1」となるようにステアリングホイール24が操舵された場合において、車両設計時における車両の実際の旋回半径よりも、車両特性の変化後の実際の旋回半径のほうが大きくなってしまう。
そのため、従来のように車両特性の変化を全く考慮しない場合には、操舵角θ(=θ1)に対応するヨーレートYRが車両設計時と車両特性の変化時とでは異なってしまう。その結果、目標ヨーレートYRTが同じ値である場合においても、車両設計時と車両特性の変化時とでは、ヨーレート偏差YRDが異なった値に設定され、該ヨーレート偏差YRDに対応する制御量CQもまた異なった量に設定される。したがって、本来は運動制御が必要ないにも関わらず、設定された制御量CQの絶対値が「0(零)」よりも大きいことにより運動制御が実行されたり、設定された制御量CQの絶対値が必要以上に大きな値になったことにより、必要以上に大きな運動制御が実行されたりすることがある。
しかし、本実施形態では、車両特性が変化したと判断された場合、操舵角センサSE2からの入力信号に基づき検出された操舵角θ(=θ1)が補正され、該補正された操舵角θ(=θ2)に基づいてヨーレート偏差YRDが演算により検出される。そして、このヨーレート偏差YRDに対応した制御量CQが設定される。このように、車両特性の変化が考慮されているため、実際に運動制御が必要ないときには、制御量CQが「0(零)」に設定されることにより運動制御の実行が回避される。また、運動制御の実行が必要な場合であっても、適切な制御量CQに設定されるため、好適な運動制御が実行される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)運動制御を車両に実行させるための制御量CQは、操舵角センサSE2、車輪速度センサSE3〜SE6及びヨーレートセンサSE7からの入力信号に基づいた演算結果から推定されるヨーレート偏差(車両状態値)YRDと、車両特性の変化を数値的に表す走行距離(車両特性値)MRとに基づいて設定される。そのため、車両を構成する車両部品の摩耗・摩滅に起因して車両特性が車両設計時とは変わってしまったとしても、そのときの走行距離MRに対応した制御量CQが設定される。したがって、車両が長期にわたって使用されても、車両の運動制御を好適に実行させることができる。
(2)走行距離(車両特性値)MRが走行距離閾値KMRよりも大きい場合、制御量CQは、走行距離MRを加味した値に設定される。一方、走行距離MRが走行距離閾値(車両特性閾値)KMR以下である場合、制御量CQは、走行距離MRが走行距離閾値KMRよりも大きい場合とは異なり、走行距離MRを加味することなくヨーレート偏差YRD(車両状態値)のみに基づいて設定される。したがって、走行距離MRが走行距離閾値KMRよりも大きいか否かに依らず走行距離MRを加味した制御量CQを設定する場合とは異なり、制御量設定装置11(ECU16)自体の制御負荷を低減できる。
(3)一般に、車両では、該車両の走行距離MRの計測が行われている。本実施形態では、その走行距離MRを車両特性値として取得することにより、車両特性の変化具合を推定している。したがって、車両特性の変化具合を推定するための手段を車両に新たに設ける場合と異なり、車両の部品点数の増加を抑制できる。
(4)制御量CQは、走行距離(車両特性値)MRに応じて、操舵角センサSE2からの入力信号に基づき検出された操舵角θの補正を実行することにより設定されている。すなわち、実際の前輪FR,FLの転舵角(車軸角度r)に対応した目標ヨーレートYRTが演算により検出され、該目標ヨーレートYRTと実ヨーレートYRとからヨーレート偏差YRDが演算される。したがって、実際の車両状態に対して適切な制御量CQを設定できる。
(5)車両の実ヨーレートYRと、目標ヨーレートYRTとを演算からそれぞれ検出し、目標ヨーレートYRTと実ヨーレートYRとのヨーレート偏差YRDを演算により検出している。そして、検出されたヨーレート偏差YRDと走行距離(車両特性値)MRに応じた制御量CQが設定される。そのため、車両の旋回時に、適切な運動制御を実行させることができる。
(6)目標ヨーレートYRTと実ヨーレートYRとのヨーレート偏差YRDに対応した制御量CQをECU16のROM(制御量記憶手段)41から読み出すことにより、車両状態に応じた運動制御を車両に実行させるための制御量CQが設定される。すなわち、ECU(設定手段)16が制御量CQを設定するために、関係式を用いて演算処理を行う必要もない。したがって、ECU16の処理負担を良好に低減できる。
(7)車両の走行距離(車両特性値)MRが走行距離閾値(車両特性閾値)KMRよりも大きい場合には、ステップS14にて検出された操舵角θ(=θ1)が補正され、該補正された操舵角θ(=θ2)と車体速度VSとに基づいて目標ヨーレートYRTが演算により検出される。そして、この目標ヨーレートYRTと実ヨーレートYRとからヨーレート偏差YRDが検出され、該ヨーレート偏差YRDに対応した制御量CQが設定される。したがって、操舵角θを補正することにより、適切な制御量CQを設定することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図7に従って説明する。なお、第2の実施形態は、制御量設定処理が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
上記制御量補正処理ルーチンのステップS15で実行される制御量設定処理(制御量設定処理ルーチン)について図7に示すフローチャートに基づき以下説明する。
さて、制御量設定処理ルーチンにおいて、ECU16は、EEPROM43の所定領域から読み出した走行距離MRが走行距離閾値KMRよりも大きいか否かを判定する(ステップS30)。この判定結果が否定判定(MR≦KMR)である場合、ECU16は、車両部品の摩耗・摩滅に起因した車両特性の変化が表れていないと判断し、スタビリティファクタAを「A1」に設定し(ステップS31)、その処理を後述するステップS33に移行する。なお、「A1」という値は、車両特性がまだ変化していないときに対応する値(例えば、「0.0002」)であって、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。
一方、ステップS30の判定結果が肯定判定(MR>KMR)である場合、ECU16は、車両部品の摩耗・摩滅に起因して車両特性が変化してしまったと判断し、スタビリティファクタAを「A1」よりも大きい「A2」に設定し(ステップS32)、その処理を後述するステップS33に移行する。なお、「A2」という値は、車両特性が変化してしまったときに対応する値(例えば、「0.0004」)であって、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。
ステップS33において、ECU16は、上記条件式(イ)を用いて、車体速度VS及び操舵角θなどに基づき目標ヨーレートYRTを演算により検出する。すなわち、本実施形態では、ステップS31が実行された場合にはスタビリティファクタAとして「A1」が条件式(イ)に代入される一方、ステップS32が実行された場合にはスタビリティファクタAとして「A2」が条件式(イ)に代入される。そして、ECU16は、ステップS33にて検出された目標ヨーレートYRTから上記ステップS13にて検出された実ヨーレートYRを減算することにより、ヨーレート偏差YRD(=YRT―YR)を検出する(ステップS34)。続いて、ECU16は、図3に示すマップに基づいて、ステップS34にて検出したヨーレート偏差YRDに対応した制御量CQを読み出すことにより設定する(ステップS35)。そして、ECU16は、ステップS35にて設定した制御量CQを出力し、該制御量CQに応じた運動制御を実行させる(ステップS36)。その後、ECU16は、制御量設定処理ルーチンを終了する。
したがって、本実施形態では、車両特性が変化する前と車両特性が変化した後では、目標ヨーレートYRTを演算により検出するために用いられるスタビリティファクタAの値を変更し、目標ヨーレートYRTを演算により検出している。そして、この目標ヨーレートYRTに基づいてヨーレート偏差YRDが検出され、該ヨーレート偏差YRDに対応した制御量CQが設定される。すなわち、この制御量CQは、車両状態を推定するための演算に用いられる定数であるスタビリティファクタAを走行距離(車両特性値)MRに基づいて変更することにより設定される。
本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(3)、(5)、(6)と同等の効果に加え、さらに以下に示す効果を得ることができる。
(8)制御量CQは、走行距離(車両特性値)MRに応じて、車両状態を推定するための演算に用いられる定数であるスタビリティファクタAを変更することにより設定されている。そのため、操舵角θが同一値であっても、車両設計時と車両特性の変化後とでは、条件式(イ)に基づき検出される目標ヨーレートYRTが異なった値になる。すなわち、車両特性が変化した場合には、その変化具合に対応した目標ヨーレートYRTが検出され、該目標ヨーレートYRTとヨーレートYRとのヨーレート偏差YRDが演算により検出される。そして、このヨーレート偏差YRDに基づいた制御量CQが設定される。したがって、実際の車両状態に対して適切な制御量CQを設定できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図8及び図9に従って説明する。なお、第3の実施形態は、制御量設定処理が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態のECU16のROM41には、図8に示すマップが上述した図3に示すマップとは別に記憶されている。この図8に示すマップは、車両部品の摩耗・摩滅に起因して車両特性が変化してしまったと判断された場合に使用されるマップであって、ヨーレート偏差(車両状態値)YRDと、該ヨーレート偏差YRDに応じた運動制御を車両に実行させるための制御量CQとの対応関係を示すものである。すなわち、ヨーレート偏差YRDが第2のヨーレート偏差YRD6(<YRD2)から第1のヨーレート偏差YRD5(>YRD1)までの値である場合、制御量CQは、「0(零)」に設定されている。その一方で、ヨーレート偏差YRDが第1のヨーレート偏差YRD5よりも大きく且つ第3のヨーレート偏差YRD7(>YRD3)以下である場合、制御量CQは、ヨーレート偏差YRDが大きくなる程、その値が大きくなるように設定されている。また、ヨーレート偏差YRDが第3のヨーレート偏差YRD7よりも大きい場合、制御量CQは、ヨーレート偏差YRDの大きさに依らず、その値が一定となるように設定されている。
ヨーレート偏差YRDが第2のヨーレート偏差YRD6よりも小さく且つ第4のヨーレート偏差YRD8(<YRD4)以上である場合、制御量CQは、ヨーレート偏差YRDの絶対値が大きくなる程、その絶対値が大きくなるように設定されている。また、ヨーレート偏差YRDが第4のヨーレート偏差YRD8よりも小さい場合、制御量CQは、ヨーレート偏差YRDの大きさに依らず、その値が一定となるように設定されている。
なお、本実施形態では、図3に示すマップのことを、車両特性が変化していない場合に使用されるマップであることから、変化前用マップという一方、図8に示すマップのことを、車両特性が変化してしまった場合に使用されるマップであることから、変化時用マップというものとする。
次に、上記制御量補正処理ルーチンのステップS15で実行される制御量設定処理(制御量設定処理ルーチン)について図9に示すフローチャートに基づき以下説明する。
さて、制御量設定処理ルーチンにおいて、ECU16は、上記条件式(イ)を用いて、車体速度VS及び操舵角θなどに基づき目標ヨーレートYRTを演算により検出する(ステップS40)。そして、ECU16は、ステップS40にて検出された目標ヨーレートYRTから上記ステップS13にて検出された実ヨーレートYRを減算することにより、ヨーレート偏差YRD(=YRT―YR)を取得する(ステップS41)。続いて、ECU16は、EEPROM43の所定領域から読み出した走行距離MRが走行距離閾値KMRよりも大きいか否かを判定する(ステップS42)。
この判定結果が否定判定(MR≦KMR)である場合、ECU16は、車両特性がまだ変化していないと判断し、図3に示す変化前用マップを用いてヨーレート偏差YRDに対応した制御量CQを設定し(ステップS43)、その処理を後述するステップS45に移行する。一方、ステップS42の判定結果が肯定判定(MR>KMR)である場合、ECU16は、車両特性が変化してしまったと判断し、図8に示す変化時用マップを用いてヨーレート偏差YRDに対応した制御量CQを設定し(ステップS44)、その処理を後述するステップS45に移行する。
そして、ステップS45において、ECU16は、ステップS43又はステップS44にて設定した制御量CQを出力し、該制御量CQに応じた運動制御を実行させる。その後、ECU16は、制御量設定処理ルーチンを終了する。
したがって、本実施形態では、車両特性が変化する前と車両特性が変化した後では、制御量CQを設定するために使用するマップが変更される。そして、走行距離(車両特性値)MRに対応したマップから、ヨーレート偏差YRDに対応した制御量CQが設定される。すなわち、この制御量CQは、ヨーレート偏差YRDに対応した制御量CQを、車両特性の変化具合に応じて直接補正することにより設定される。
本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(3)、(5)、(6)と同等の効果に加え、さらに以下に示す効果を得ることができる。
(8)制御量CQは、走行距離(車両特性値)MRに応じた、ヨーレート偏差YRDと制御量CQとの関係を示すマップを使用することにより設定されている。したがって、実際の車両状態に対して適切な制御量CQを設定できる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を図10〜図15に従って説明する。なお、第4の実施形態は、車両のロールレートとロール角度とに基づいた運動制御を実行させるための制御量を設定する点が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態のECU16のROM41には、図10、図11及び図12に示すマップが記憶されている。この図10に示すマップは、車両部品の摩耗・摩滅に起因して車両特性が変化した場合に、横GセンサSE9からの入力信号に基づきECU16が演算により検出した横方向加速度YGを補正するためのマップであって、補正前の横方向加速度YGと補正後の横方向加速度YGとの対応関係を示すものである。補正後の横方向加速度YGは、補正前の横方向加速度YGの絶対値に比して大きくなるように設定される。すなわち、補正前の横方向加速度YGが「YG1」であった場合、補正後の横方向加速度YGは、その絶対値が「YG1」の絶対値よりも小さい「YG2」に設定されるようになっている。なお、本実施形態では、ステアリングホイール24が右側に操舵された場合、横GセンサSE9からは、演算により検出される横方向加速度YGが正の値となるような信号が出力される。その一方で、ステアリングホイール24が左側に操舵された場合、横GセンサSE9からは、演算により検出される横方向加速度YGが負の値となるような信号が出力されるようになっている。
次に、図11に示すマップは、車両の横方向加速度YGと、該横方向加速度YGに対応したロール角度RREとの対応関係を示すものである。このマップにおいて、横方向加速度YGとロール角度RREとは、比例関係にある。すなわち、横方向加速度YGが大きい程、ロール角度RREは、その値が大きくなるように設定される。したがって、本実施形態では、ROM41を備えたECU16が、ロール角度RREを横方向加速度YGに対応付けた状態で記憶するロール角度記憶手段としても機能するようになっている。
次に、図12に示すマップは、車両の横方向加速度YGと、後述するロール角度RREとの関係から制御量CQを設定するためのものである。図12のマップにおける第1閾値線L1は、実ロールレートRRTとロール角度RREとの対応関係を示すものであって、実ロールレートRRTが「RRT1(>0(零))」よりも大きいときに、ロール角度RREが「RRE1(>0(零))」となる点を含むように設定されている。また、第1閾値線L1は、実ロールレートRRTが「RRT1」以下であるときに、実ロールレートRRTが小さくなるに連れて、ロール角度RREが大きくなるように設定されている。
また、図12のマップにおける第2閾値線L2は、実ロールレートRRTとロール角度RREとの対応関係を示すものであって、実ロールレートRRTが「RRT2(<0(零))」よりも小さいときに、ロール角度RREが「RRE2(<0(零))」となる点を含むように設定されている。また、第2閾値線L2は、実ロールレートRRTが「RRT2」以上であるときに、実ロールレートRRTが大きくなるに連れて、ロール角度RREが小さくなるように設定されている。
そして、車両の状態が各閾値線L1,L2よりも矢印方向側の状態である場合(即ち、実ロールレートRRT及びロール角度RREの値がそれぞれ大きい場合)には、実ロールレートRRTとロール角度RREとに応じた制御量CQの絶対値が「0(零)」よりも大きくなるように設定される。また、制御量CQは、矢印方向に向けて次第に、その絶対値が大きくなるように設定される。その一方で、車両の状態が各閾値線L1,L2よりも反矢印方向側の状態である場合には、制御量CQが「0(零)」に設定される。
次に、本実施形態のECU16が実行する各制御処理ルーチンのうち、制御量補正処理ルーチンについて図13に基づき以下説明する。
さて、ECU16は、所定周期毎(例えば、「0.01」秒毎)に制御量補正処理ルーチンを実行する。そして、この制御量補正処理ルーチンにおいて、ECU16は、EEPROM43の所定領域に記憶されている車両の走行距離MRを読み出す(ステップS50)。続いて、ECU16は、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度センサSE3〜SE6からの入力信号に基づき車体速度VSを演算により検出する(ステップS51)。そして、ECU16は、ステップS51にて検出された車体速度VSと制御量補正処理ルーチンが前回実行されたときからの経過時間(「0.01」秒)とに基づき、走行距離MRを更新し、更新した走行距離MRをEEPROM43の所定領域に記憶させる(ステップS52)。
続いて、ECU16は、ロールレートセンサSE8からの入力信号に基づき車両のロールレート(以下、「実ロールレート」という。)RRTを演算により検出する(ステップS53)。この点で、本実施形態では、ECU16が、ロールレート演算手段としても機能する。そして、ECU16は、横GセンサSE9からの入力信号に基づき車両の横方向加速度YGを演算により検出する(ステップS54)。この点で、本実施形態では、ECU16が、横方向加速度演算手段としても機能する。続いて、ECU16は、図14に詳述する制御量設定処理を実行し(ステップS55)、その後、制御量補正処理ルーチンを終了する。
次に、上記制御量補正処理ルーチンのステップS55で実行される制御量設定処理(制御量設定処理ルーチン)について図14に示すフローチャートに基づき以下説明する。
さて、制御量設定処理ルーチンにおいて、ECU16は、EEPROM43の所定領域から読み出した走行距離MRが予め設定された走行距離閾値KMRよりも大きいか否かを判定する(ステップS60)。この判定結果が否定判定(MR≦KMR)である場合、ECU16は、その処理を後述するステップS62に移行する。一方、ステップS60の判定結果が肯定判定である場合、ECU16は、図10に示すマップを用いて、ステップS54にて検出された横方向加速度YGを補正し(ステップS61)、その処理を後述するステップS62に移行する。
ステップS62において、ECU16は、図11に示すマップを用いて、横方向加速度YGに対応したロール角度RREを読み出すことにより検出する。この点で、本実施形態では、ECU16が、ロール角度検出手段としても機能すると共に、車両状態値取得手段としても機能する。続いて、ECU16は、図12に示すマップを用いて、実ロールレートRRT及びロール角度RREに対応した制御量CQを読み出すことにより設定する(ステップS63)。そして、ECU16は、ステップS63にて設定された制御量CQを出力し、該制御量CQに応じた運動制御を実行させる(ステップS64)。すなわち、ECU16は、スロットル弁21の開度を制御量CQに応じた開度となるようにスロットル弁アクチュエータ22を制御することにより、車両の横転の回避を図るべく運動制御を実行させる。その後、ECU16は、制御量設定処理ルーチンを終了する。 したがって、本実施形態では、車両の走行距離(車両特性値)MRに基づいて横方向加速度YGが補正され、該横方向加速度YGに基づいたロール角度RREが検出される。そして、このロール角度RREと実ロールレートRRTに対応した制御量CQが設定される。すなわち、この制御量CQは、横GセンサSE9からの入力信号に基づいて検出された横方向加速度YGを走行距離MRに基づいて補正することにより設定される。
さて、走行距離MRが走行距離閾値KMRよりも大きくなってしまった場合、車両部品の摩耗・摩滅に起因して車両特性の変化が顕著に表れてしまうことがある。例えば、図15に示すように、車両の横方向加速度YG(=YG3)に対応するロール角度RREが、車両設計時では「RRE3」(>「0(零)」)であったのに対し、車両部品(サスペンションなど)が摩耗・摩滅して車両特性が変化してしまうと「RRE4」(>RRE3)になる。
すなわち、従来のように車両特性の変化を全く考慮しない場合には、実ロールレートRRTが同じ値である場合においても、車両特性の変化時では、ロール角度RREは、その絶対値が車両設計時に比して大きくなるように設定される。そのため、設定された制御量CQの絶対値が不足し、十分な運動制御が実行されないことがある。
しかし、本実施形態では、車両部品の摩耗・摩滅に起因して車両特性が変化したと判断された場合、車両の横方向加速度YG(=YG1)が補正され、該補正された横方向加速度YG(=YG2)に対応したロール角度RREが設定される。そして、このロール角度RREと実ロールレートRRTとの関係に基づいた制御量CQが設定される。このように、車両特性の変化が考慮されているため、適切な制御量CQに設定される結果、好適な運動制御が実行される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(10)運動制御を車両に実行させるための制御量CQは、ロールレートセンサSE8及び横GセンサSE9からの入力信号に基づいた演算結果から推定される車両状態値(ロール角度RRE及び実ロールレートRRT)と、車両部品の摩耗・摩滅に起因した車両特性の変化具合を数値的に表す走行距離(車両特性値)MRとに基づいて設定される。そのため、車両特性が車両設計時とは変わってしまったとしても、そのときの走行距離MRに対応した制御量CQが設定される。したがって、車両が長期にわたって使用されても、車両の運動制御を好適に実行させることができる。
(11)制御量CQは、走行距離(車両特性値)MRに応じて、横GセンサSE9からの入力信号に基づき検出された横方向加速度YGを補正することにより設定されている。すなわち、実際の車両の横方向加速度YGに対応したロール角度RREが演算により検出され、該ロール角度RREと実ロールレートRRTとから制御量CQが演算される。したがって、実際の車両状態に対して適切な制御量CQを設定できる。
(12)車両の実ロールレートRRTとロール角度RREとをそれぞれ検出し、該検出した車両の実ロールレートRRTとロール角度RREとに応じた制御量CQが設定される。そのため、車両の旋回時に、車両の横転を回避すべく適切な運動制御を実行させることができる。
(13)横方向加速度YGに対応したロール角度RREをECU16のROM(ロール角度記憶手段)41から読み出すことにより、ロール角度RREが検出される。すなわち、ECU(ロール角度検出手段)16が制御量CQを設定するために、関係式を用いて演算処理を行う必要もない。したがって、ECU16の処理負担を良好に低減できる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を図16及び図17に従って説明する。なお、第5の実施形態は、制御量設定処理が第4の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第4の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第4の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態のECU16のROM41には、図16に示すマップが上述した図11に示すマップとは別に記憶されている。この図16に示すマップは、車両部品の摩耗・摩滅に起因して車両特性が変化してしまったと判断された場合に使用されるマップであって、車両の横方向加速度YGとロール角度RREとの対応関係を示すものである。このマップにおいて、横方向加速度YGとロール角度RREとは、比例関係にある。すなわち、横方向加速度YGが大きい程、ロール角度RREは、その値が大きくなるように設定される。また、ある値の横方向加速度YGに対応するロール角度RREの絶対値は、図16に示すマップを用いて検出した方が、図11に示すマップを用いて検出するよりも大きくなるようになっている。
なお、本実施形態では、図11に示すマップのことを、車両特性が変化していない場合に使用されるマップであることから、変化前用マップという一方、図16に示すマップのことを、車両特性が変化してしまった場合に使用されるマップであることから、変化時用マップというものとする。
次に、上記制御量補正処理ルーチンのステップS55で実行される制御量設定処理(制御量設定処理ルーチン)について図17に示すフローチャートに基づき以下説明する。
さて、制御量設定処理ルーチンにおいて、ECU16は、EEPROM43の所定領域から読み出した走行距離MRが走行距離閾値KMRよりも大きいか否かを判定する(ステップS70)。この判定結果が否定判定(MR≦KMR)である場合、ECU16は、車両特性がまだ変化していないと判断し、図11に示す変化前用マップを用いて、上記ステップS54にて検出した横方向加速度YGに対応したロール角度RREを読み出すことにより検出する(ステップS71)。その後、ECU16は、その処理を後述するステップS73に移行する。
一方、ステップS70の判定結果が(MR>KMR)である場合、ECU16は、車両特性が変化してしまったと判断し、図16に示す変化時用マップを用いて、上記ステップS54にて検出した横方向加速度YGに対応したロール角度RREを読み出すことにより検出する(ステップS72)。その後、ECU16は、その処理を後述するステップS73に移行する。
そして、ステップS73において、ECU16は、図12に示すマップを用いて、実ロールレートRRT及びロール角度RREに対応した制御量CQを読み出すことにより設定する。そして、ECU16は、ステップS73にて設定された制御量CQを出力し、該制御量CQに応じた運動制御を実行させる(ステップS74)。その後、ECU16は、制御量設定処理ルーチンを終了する。
したがって、本実施形態では、横方向加速度YGに基づいたロール角度RREが、車両の走行距離(車両特性値)MRに基づいて補正され、該補正されたロール角度RREと実ロールレートRRTとに対応した制御量CQが設定される。すなわち、この制御量CQは、ロール角度RREを走行距離(車両特性値)MRに基づいて補正することにより設定される。
本実施形態では、上記各実施形態の効果(2)、(3)、(9)、(11)、(12)と同等の効果に加え、さらに以下に示す効果を得ることができる。
(14)制御量CQは、走行距離(車両特性値)MRに応じた、横方向加速度YGとロール角度RREとの関係を示すマップを使用することにより設定されている。したがって、実際の車両状態に対して適切な制御量CQを設定できる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態を図18及び図19に従って説明する。なお、第6の実施形態は、制御量設定処理が第4の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第4の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第4の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態のECU16のROM41には、図18に示すマップが上述した図12に示すマップとは別に記憶されている。この図18に示すマップは、車両部品の摩耗・摩滅に起因して車両特性が変化してしまったと判断された場合に使用されるマップであって、車両の実ロールレートRRTとロール角度RREとの関係から制御量CQを設定するためのものである。図18のマップにおける第1閾値線L3は、実ロールレートRRTとロール角度RREとの対応関係を示すものであって、実ロールレートRRTが「RRT3(<RRT1)」よりも大きいときに、ロール角度RREが「RRE1」となる点を含むように設定されている。また、第1閾値線L3は、実ロールレートRRTが「RRT3」以下であるときに、実ロールレートRRTが小さくなるに連れて、ロール角度RREが大きくなるように設定されている。
また、図18のマップにおける第2閾値線L4は、実ロールレートRRTとロール角度RREとの対応関係を示すものであって、実ロールレートRRTが「RRT4(>RRT2)」よりも小さいときに、ロール角度RREが「RRE2」となる点を含むように設定されている。また、第2閾値線L4は、実ロールレートRRTが「RRT4」以上であるときに、実ロールレートRRTが大きくなるに連れて、ロール角度RREが小さくなるように設定されている。
そして、車両の状態が各閾値線L3,L4よりも矢印方向側の状態である場合には、実ロールレートRRTとロール角度RREとに応じた制御量CQの絶対値が「0(零)」よりも大きくなるように設定される。また、制御量CQは、矢印方向に向けて次第に、その絶対値が大きくなるように設定される。その一方で、車両状態が各閾値線L3,L4よりも反矢印方向側の状態である場合には、制御量CQが「0(零)」に設定される。
なお、本実施形態では、図12に示すマップのことを、車両特性が変化していない場合に使用されるマップであることから、変化前用マップという一方、図18に示すマップのことを、車両特性が変化してしまった場合に使用されるマップであることから、変化時用マップというものとする。
次に、上記制御量補正処理ルーチンのステップS55で実行される制御量設定処理(制御量設定処理ルーチン)について図19に示すフローチャートに基づき以下説明する。
さて、制御量設定処理ルーチンにおいて、ECU16は、図11に示すマップを用いて、上記ステップS54にて検出した横方向加速度YGに対応したロール角度RREを読み出すことにより検出する(ステップS80)。続いて、ECU16は、EEPROM43の所定領域から読み出した走行距離MRが走行距離閾値KMRよりも大きいか否かを判定する(ステップS81)。この判定結果が否定判定(MR≦KMR)である場合、ECU16は、車両特性がまだ変化していないと判断し、図12に示す変化前用マップを用いて、実ロールレートRRT及びロール角度RREに対応した制御量CQを読み出すことにより設定する(ステップS82)。そして、ECU16は、その処理を後述するステップS84に移行する。
一方、ステップS81の判定結果が(MR>KMR)である場合、ECU16は、車両特性が変化してしまったと判断し、図18に示す変化時用マップを用いて、実ロールレートRRT及びロール角度RREに対応した制御量CQを読み出すことにより設定する(ステップS83)。そして、ECU16は、その処理を後述するステップS84に移行する。
ステップS84において、ECU16は、ステップS82又はステップS83にて設定された制御量CQを出力し、該制御量CQに応じた運動制御を実行させる。その後、ECU16は、制御量設定処理ルーチンを終了する。
したがって、本実施形態では、車両特性が変化する前と車両特性が変化した後では、制御量CQを設定するために使用するマップが変更される。そして、走行距離(車両特性値)MRに対応したマップから、ロール角度RREと実ロールレートRRTとに対応した制御量CQが設定される。すなわち、この制御量CQは、ロール角度RREと実ロールレートRRTとに対応した制御量を、車両特性の変化具合に応じて直接補正することにより設定される。
本実施形態では、上記各実施形態の効果(2)、(3)、(9)、(12)、(13)と同等の効果に加え、さらに以下に示す効果を得ることができる。
(15)制御量CQは、走行距離(車両特性値)MRに応じた、制御量CQを設定するためのマップ(変化前用マップ又は変化時用マップ)を使用することにより設定されている。したがって、実際の車両状態に対して適切な制御量CQを設定できる。
なお、各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第4〜第6の実施形態において、ROM41には、横方向加速度YGとロール角度RREとの関係を示すマップを記憶させるのではなく、横方向加速度YGとロール角度RREとの関係式を記憶させ、この関係式に基づきロール角度RREを設定するようにしてもよい。
・第4〜第6の実施形態において、横方向加速度YG、ロール角度RRE及び制御量のうち少なくとも一つを、走行距離MRに基づいて補正するようにしてもよい。例えば、走行距離MRに基づいて横方向加速度YGを補正すると共に、該横方向加速度YGに対応したロール角度RREを、走行距離MRに基づいて補正し、該補正されたロール角度RREと実ロールレートRRTとから制御量CQを設定するようにしてもよい。
・第1〜第3の実施形態において、ROM41には、ヨーレート偏差YRDと制御量CQとの関係を示すマップを記憶させるのではなく、ヨーレート偏差YRDと制御量CQとの関係式を記憶させ、この関係式に基づき制御量CQを設定するようにしてもよい。
・第1〜第3の実施形態において、操舵角θ、スタビリティファクタA及び制御量CQのうち少なくとも一つを、走行距離MRに基づいて補正するようにしてもよい。例えば、走行距離MRに基づいて操舵角θを補正すると共に、上記条件式(イ)に代入されるスタビリティファクタAを走行距離MRに基づいて変更することにより、目標ヨーレートYRTを検出する。そして、この目標ヨーレートYRTと実ヨーレートYRとからヨーレート偏差YRDを検出し、該ヨーレート偏差YRDに対応した制御量CQを設定するようにしてもよい。
・各実施形態において、摩耗・摩滅した車両部品がメンテナンス(交換など)された場合、車両特性値(走行距離MR)を、メンテナンス実行後における車両特性の変化具合に応じた値に設定するようにしてもよい。例えば、メンテナンスを実行した場合に、EEPROM43の所定領域に記憶されている走行距離MRを、車両特性に応じた値(例えば、「0(零)」)に設定するようにしてもよい。また、制御量設定処理を実行する前に走行距離MRからオフセット値(例えば、メンテナンス実行時の走行距離)を減算し、その減算された値に基づいて制御量設定処理を実行するようにしてもよい。このように構成すると、車両がメンテナンスされた場合、車両特性値(走行距離MR)は、メンテナンスが実行されたことを加味した値として検出される。そのため、車両のメンテナンスが実行された場合においても、車両特性に適した制御量CQを設定できる。
・各実施形態において、車両特性の変化を数値的に表した車両特性値として、走行距離MRではなく、車両設計時からの経過時間(経過年数)であってもよい。この場合、ECU16内にて時間を計測できるようにタイマ(RTC(Real Time Clock)など)を設けることが望ましい。また、車両に設けられたセンサからの入力信号の大きさの変化によって、車両特性の変化具合を推定するようにしてもよい。ただし、この場合、予め定めされた車両の状態のときの入力信号の大きさを車両特性値として取得することが望ましい。
・各実施形態において、走行距離閾値KMRを複数設けてもよい。このように構成した場合、走行距離MRが第1の走行距離閾値(<後述する第2の走行距離閾値)よりも大きくなったときには、当該走行距離MRに基づいて制御量CQを設定することが望ましい。また、走行距離MRが第2の走行距離閾値よりも大きくなった場合、当該走行距離MRに基づいて制御量CQを設定することが望ましい。
・各実施形態において、走行距離閾値KMRを設けなくてもよい。すなわち、走行距離MRの値が大きくなるに連れて、制御量CQの補正量が大きくなるようにしてもよい。
・各実施形態において、車両状態に応じた運動制御を車両に実行させるための制御量CQは、スロットル弁21の開度を調整するための制御量ではなく、エンジン12への燃料の噴射量を調整するための制御量であってよい。また、制御量CQは、各車輪FR,FL,RR,FLへの制動力の大きさを調整するための制御量であってもよい。
・各実施形態において、制御量設定装置11を搭載する車両は、後輪駆動車であってもよいし、四輪駆動車であってもよい。
第1の実施形態の制御量設定装置が搭載された車両のブロック図。 第1の実施形態における補正前の操舵角と補正後の操舵角との関係を示すマップ。 第1の実施形態におけるヨーレート偏差と制御量との関係を示すマップ。 第1の実施形態における制御量補正処理ルーチンを示すフローチャート。 第1の実施形態における制御量設定処理ルーチンを示すフローチャート。 操舵角と車軸角度との対応関係が車両特性の変化前後で変化した様子を示すグラフ。 第2の実施形態における制御量設定処理ルーチンを示すフローチャート。 第3の実施形態における車両特性の変化後のヨーレート偏差と制御量との関係を示すマップ。 第3の実施形態における制御量設定処理ルーチンを示すフローチャート。 第4の実施形態における補正前の横方向加速度と補正後の横方向加速度との関係を示すマップ。 第4の実施形態における横方向加速度とロール角度との関係を示すマップ。 第4の実施形態におけるロール角度と実ロールレートとから制御量を設定するためのマップ。 第4の実施形態における制御量補正処理ルーチンを示すフローチャート。 第4の実施形態における制御量設定処理ルーチンを示すフローチャート。 横方向加速度とロール角度との対応関係が車両特性の変化前後で変化した様子を示すグラフ。 第5の実施形態における車両特性の変化後の横方向加速度とロール角度との関係を示すマップ。 第5の実施形態における制御量設定処理ルーチンを示すフローチャート。 第6の実施形態における車両特性の変化後のロール角度と実ロールレートとから制御量を設定するためのマップ。 第6の実施形態における制御量設定処理ルーチンを示すフローチャート。
符号の説明
11…制御量設定装置、16…ECU(車両状態値取得手段、設定手段、ヨーレート演算手段、操舵角演算手段、車体速度演算手段、目標ヨーレート演算手段、偏差演算手段、ロールレート演算手段、横方向加速度演算手段、ロール角度検出手段)、24…ステアリングホイール、A…スタビリティファクタ、CQ…制御量、KMR…走行距離閾値(車両特性閾値)、MR…走行距離(車両特性値)、RRE…ロール角度(車両状態値)、RRT…実ロールレート(車両状態値)、SE1…アクセル開度センサ、SE2…操舵角センサ、SE3〜SE6…車輪速度センサ、SE7…ヨーレートセンサ、SE8…ロールレートセンサ、SE9…横Gセンサ、VS…車体速度、YR…実ヨーレート、YRD…ヨーレート偏差(車両状態値)、YRT…目標ヨーレート、YG…横方向加速度、θ…操舵角。

Claims (10)

  1. 車両に設けられたセンサ(SE2,SE3,SE4,SE5,SE6,SE7,SE8,SE9)から信号を入力し、該入力した入力信号に基づき車両状態を数値的に表す車両状態値(YRD、RRE,RRT)を取得する車両状態値取得手段(S23,S34,S41、S53,S62,S71,S72,S80)と、
    車両の車両特性の変化を数値的に表す車両特性値(MR)を取得する車両特性値取得手段(S12,S52)と、
    前記車両状態値(YRD、RRE,RRT)と前記車両特性値(MR)とに基づいて前記車両で実行される運動制御の制御量(CQ)を設定する設定手段(S24,S35,S43,S44、S63,S73,S82,S83)と
    を備えた車両の制御量設定装置。
  2. 前記設定手段(S24,S35,S43,S44、S63,S73,S82,S83)は、前記車両特性値取得手段(S12,S52)によって取得された前記車両特性値(MR)が予め設定された車両特性閾値(KMR)以下である場合、前記車両状態値(YRD、RRE,RRT)のみに基づいて前記制御量(CQ)を設定する請求項1に記載の車両の制御量設定装置。
  3. 前記車両特性値取得手段(S12,S52)は、車両の走行距離(MR)を前記車両特性値として取得する請求項1又は請求項2に記載の車両の制御量設定装置。
  4. 前記設定手段(S24,S35,S43,S44、S63,S73,S82,S83)は、前記センサから入力した入力信号、及び前記制御量(CQ)のうち少なくとも一つを、前記車両特性値取得手段(S12,S52)によって取得された前記車両特性値(MR)に基づいて補正する請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の車両の制御量設定装置。
  5. 前記車両特性値取得手段(S12,S52)は、車両のメンテナンスが実行された場合に、該メンテナンス実行後における車両特性の変化を車両特性値(MR)として演算する請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両の制御量設定装置。
  6. 車両のヨーレート(YR)を演算するヨーレート演算手段(S13)と、
    車両のステアリング(24)の操舵角(θ)を演算する操舵角演算手段(S14)と、
    車両の車体速度(VS)を演算するための車体速度演算手段(S11)と、
    前記操舵角演算手段(S14)によって演算された操舵角(θ)と前記車体速度演算手段(S11)によって演算された車体速度(VS)とに基づいて目標ヨーレート(YRT)を演算する目標ヨーレート演算手段(S22,S33,S40)と、
    前記ヨーレート演算手段(S13)によって演算されたヨーレート(YR)と前記目標ヨーレート演算手段(S22,S33,S40)によって演算された目標ヨーレート(YRT)との偏差(YRD)を演算する偏差演算手段(S23,S34,S41)と
    をさらに備え、
    前記車両状態値取得手段(S23,S34,S41)は、前記偏差演算手段(S23,S34,S41)によって演算された偏差(YRD)を前記車両状態値として取得する請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両の制御量設定装置。
  7. 前記目標ヨーレート演算手段(S22)は、前記車両特性値取得手段(S12)によって取得された前記車両特性値(MR)が予め設定された車両特性閾値(KMR)よりも大きい場合、前記操舵角演算手段(S14)によって演算された操舵角(θ)を、補正前の操舵角(θ1)と補正後の操舵角(θ2)との対応関係に基づいて補正し、該補正された操舵角(θ2)と前記車体速度演算手段(S11)によって演算された車体速度(VS)とに基づいて目標ヨーレート(YRT)を演算する請求項6に記載の車両の制御量設定装置。
  8. 前記目標ヨーレート演算手段(S33)は、前記操舵角演算手段(S14)によって演算された操舵角(θ)と、前記車体速度演算手段(S11)によって演算された車体速度(VS)と、スタビリティファクタ(A)とを用いて演算することにより前記目標ヨーレート(YRT)を演算するようになっており、
    前記目標ヨーレート演算手段(S33)は、前記車両特性値取得手段(S12)によって取得された前記車両特性値(MR)が予め設定された車両特性閾値(KMR)よりも大きい場合、前記車両特性値(MR)が前記車両特性閾値(KMR)以下である場合に比して大きな値のスタビリティファクタ(A)を用いて、前記目標ヨーレート(YRT)を演算する請求項6又は請求項7に記載の車両の制御量設定装置。
  9. 車両のロールレート(RRT)を演算するロールレート演算手段(S53)と、
    車両の横方向加速度(YG)を演算する横方向加速度演算手段(S54)と、
    該横方向加速度演算手段(S54)によって演算された前記横方向加速度(YG)に基づき車両のロール角度(RRE)を検出するロール角度検出手段(S62,S71,S72,S80)と
    をさらに備え、
    前記車両状態値取得手段(S53,S62,S71,S72,S80)は、前記ロールレート演算手段(S53)によって演算された前記ロールレート(RRT)、及び、前記ロール角度検出手段(S63,S71,S72,S80)によって演算された前記ロール角度(RRE)を前記車両状態値として取得する請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の車両の制御量設定装置。
  10. 前記ロール角度検出手段(S62)は、前記車両特性値取得手段(S52)によって取得された前記車両特性値(MR)が予め設定された車両特性閾値(KMR)よりも大きい場合、前記横方向加速度演算手段(S54)によって演算された前記横方向加速度(YG)を、補正前の横方向加速度(YG1)と補正後の横方向加速度(YG2)との対応関係に基づいて補正し、該補正された横方向加速度(YG)に基づき前記ロール角度(RRE)を検出する請求項9に記載の車両の制御量設定装置。
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