JP2005335632A - ステアリング制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期的または短期的な車両特性の変化にかかわらず、実際の車両特性に応じた最適なステアリング制御を実現するステアリング制御装置を提供する。
【解決手段】 転舵制御コントローラ5は、運転者操舵角と車速に応じて目標ヨーレート・目標横Gを演算する目標値生成部51と、目標ヨーレートと実ヨーレートとの偏差の蓄積量および目標横Gと実横Gとの偏差の蓄積量とに基づいて、目標ヨーレート・目標横Gを補正し、目標補正ヨーレート・目標補正横Gを演算する目標値補正部52と、目標補正ヨーレート・目標補正横Gに基づいて目標前輪舵角と目標後輪舵角を演算する目標出力値生成部53とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、走行状態に応じてステアリング操舵角に対する操向輪転舵角の伝達特性を可変に制御するステアリング制御装置の技術分野に属する。
従来のステアリング制御は、横加速度(横G)やヨーレートなど、車両挙動の変化を随時ステアリング制御に反映させるフィードバック(F/B)制御を実施している。また、このF/B制御に加えて、運転者による車両の運動特性(例えば、車高、サスペンション減衰力)変更に対応して車両特性の変化を予測するフィードフォワード(F/F)制御を行う車両用操舵制御装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−255140号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、
(イ) F/F制御において、運転者が行ったスイッチ操作以外の車両特性変化、例えば経時変化に伴う特性変化には対応できない。
(ロ) F/B制御において、過渡応答や振動は、ステアリング制御では転舵の遅れや不安定挙動につながるため、好ましくない場合がある。
というように、フィードフォワード(F/F)制御の利点である安定性と、F/B制御の利点である追従性との両立が困難であり、実際の車両特性に応じた最適なステアリング制御が実施できないという問題があった。
上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、長期的または短期的な車両特性の変化にかかわらず、実際の車両特性に応じた最適なステアリング制御を実現するステアリング制御装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、車両状態に応じて目標車両挙動を演算する目標車両挙動演算手段と、目標車両挙動と実車両挙動との偏差に基づいて目標転舵角を演算する目標転舵角演算手段と、転舵機構に対し目標転舵角を得る制御指令を出力する転舵制御手段と、を備えたステアリング制御装置において、
実車両挙動の履歴から目標車両挙動を補正する目標車両挙動補正手段を設け、
前記目標転舵角演算手段は、補正された目標車両挙動に基づいて目標転舵角を演算することを特徴とする。
本発明のステアリング制御装置にあっては、実車両挙動の履歴から目標車両挙動が補正されるため、実車両挙動、すなわち実際の車両特性に応じた目標転舵角が設定でき、長期的または短期的な車両特性の変化に応じた最適なステアリング制御を実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1のステアリング制御装置を適用した車両のシステムブロック図である。
運転者操舵角センサ1は、ステアリングホイール10に設けられ、パルスエンコーダ等を用いて運転者の操舵角を検出する。車速センサ2は、車両の車体速(車速)を検出する。横Gセンサ3は、車両の実横Gを検出する。ヨーレートセンサ4は、車両の実ヨーレートを検出する。
転舵制御コントローラ5は、操舵角、車体速、実横G、実ヨーレートに基づいて、目標前輪舵角(目標前輪転舵角)と目標後輪舵角(目標後輪転舵角)を算出し、目標前輪舵角を前輪転舵コントローラ5に出力するとともに、目標後輪舵角を後輪転舵コントローラ8にそれぞれ出力する。
前輪転舵コントローラ6は、転舵制御コントローラ5から出力された目標前輪舵角と、前輪転舵アクチュエータ7からフィードバックされた実際の前輪転舵角(前輪実舵角)とに基づいて、前輪転舵アクチュエータ7に対し舵角指令値を出力する。
後輪転舵コントローラ8は、転舵制御コントローラ5から出力された目標後輪舵角と、後輪転舵アクチュエータ9からフィードバックされた実際の後輪転舵角(後輪実舵角)とに基づいて、後輪転舵アクチュエータ9に対し舵角指令値を出力する。
前輪転舵アクチュエータ7は、例えば、モータと減速機等により構成され、モータの回転軸がコラムシャフト11に連結されている。この前輪転舵アクチュエータ7は、前輪転舵コントローラ6からの舵角指令値に基づいて、前輪転舵機構12を駆動し、前輪転舵角(前輪舵角)に対するステアリング操舵角の比であるステアリングギア比(操舵角/転舵角)を可変に制御する。
ステアリングギヤ比の特性は、車体速に応じてあらかじめ設定された複数のギヤ比マップを変更することにより行われる。ギヤ比マップは、低〜中速域ではステアリングギヤ比(前輪13,13の転舵角に対するステアリングホイール10の操舵角の比)を小さくして操舵応答をクイックにし、高速域ではステアリングギヤ比を大きくして操舵応答をスローにすることで、低〜中速域における軽く良好な操舵感と、高速域における緩やかで安定感のある操舵感を両立できるように設定されている。
後輪転舵アクチュエータ9は、前輪転舵アクチュエータ7と同様に、モータと減速機等により構成され、モータの回転軸が後輪転舵機構14のラック軸と連結されている。この後輪転舵アクチュエータ8は、転舵制御コントローラ5からの指令信号に基づいて、後輪転舵機構14を駆動制御する。
前輪転舵機構12は、ステアリングホイール10からコラムシャフト11に入力された回転を、ラックアンドピニオンにより車両の横方向運動に変換し、前輪13,13を転舵させる。後輪転舵機構14は、後輪転舵アクチュエータ9の入力を車両横方向運動に変換し、後輪15,15を転舵させる。
図2は、転舵制御コントローラ5のブロック図であり、転舵制御コントローラ5は、目標値生成部(目標車両挙動演算手段)51と目標値補正部(目標車両挙動補正手段)52と目標出力値生成部(目標転舵角演算手段)53とを備えている。
目標値生成部51は、操舵角と車体速から、目標ヨーレートと目標横加速度(目標横G)を生成し、目標値補正部52へ出力する。目標値補正部52は、目標ヨーレート、目標横G、実横Gおよび実ヨーレートから、目標補正ヨーレートと目標補正横Gを算出し、目標出力値生成部53へ出力する。目標出力値生成部53は、目標補正ヨーレートと目標補正横Gから、目標前輪舵角と目標後輪舵角を生成し、目標前輪舵角を前輪転舵コントローラ6へ、目標後輪舵角を後輪転舵コントローラ8へそれぞれ出力する。
図3は、目標値補正部52の詳細を示すブロック図であり、目標値補正部52は、履歴演算部521と、補正値演算部522と、目標値補正演算部523とを備えている。図4に、目標値補正部52の履歴演算部521と補正値演算部522の詳細を示す。
履歴演算部521は、目標値生成部51で生成された目標横Gと目標ヨーレート、および横Gセンサ3で検出された実横Gとヨーレートセンサ4で検出された実ヨーレートの偏差(目標−実挙動)を算出し、車体速を積分することで求めた走行距離に対して、長距離履歴偏差蓄積部5211で距離L間の横G・ヨーレートそれぞれの偏差を、短距離履歴偏差蓄積部5212で距離S間の横G・ヨーレートそれぞれの偏差を蓄積し、その蓄積量を出力する。ここで、長距離とは、例えば、1,000km以上の距離に相当するものとする。
補正値演算部522は、履歴演算部521で出力された長距離と短距離の横Gとヨーレートの履歴偏差蓄積量をもとに、長距離用補正値演算部5221と短距離用補正値演算部5222において、それぞれ目標横G・目標ヨーレートに対して補正する、長距離用目標補正量と、短距離用目標補正量を算出する。
目標値補正演算部523は、目標値生成部51で出力された目標横Gと目標ヨーレートに対して、補正値演算部522で決定された長距離用と短距離用の補正量をそれぞれに加え、目標補正横Gと目標補正ヨーレートを算出する。
図5は、目標出力値生成部53の詳細を示すブロック図であり、目標出力値生成部53は、目標後輪舵角演算部531とと目標前輪舵角演算部532で構成される。目標後輪舵角演算部531は、車両の目標補正ヨーレートと目標補正横Gから目標後輪舵角を決定する。目標前輪舵角演算部532は、車両の目標補正ヨーレートと目標補正横Gから目標前輪舵角を決定する。
次に、作用を説明する。
[目標車両挙動補正制御処理]
図6,7は、転舵制御コントローラ5で実行される目標車両挙動補正制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
まず、図6のステップS1では、イグニッションスイッチがONされ、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、長距離履歴の前回リセットから距離L(例えば、1,000km)走行したかどうかを判定する。YESの場合にはステップS3へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する。
ステップS3では、長距離履歴偏差の蓄積が閾値(長距離用補正閾値)を超えているかどうかを判定する。YESの場合にはステップS4へ移行し、NOの場合にはステップS5へ移行する。
ステップS4では、長距離履歴偏差の蓄積量により、補正量αを決定し、長距離分の補正を開始してステップS6へ移行する。
ステップS5では、前回の長距離用補正量αを維持し、補正量αによる補正を継続し、ステップS6へ移行する。
ステップS6では、長距離履歴偏差の蓄積をリセットし、ステップS7へ移行する。
ステップS7では、ドライバによる長距離履歴偏差のリセット操作があるかどうかを判定する。YESの場合にはステップS8へ移行し、NOの場合にはステップS9へ移行する。
ステップS8では、長距離履歴偏差の蓄積をリセットし、長距離用補正量α=0とし、ステップS9へ移行する。
ステップS9では、車両が走行開始され、図7のステップS10へ移行する。
図7に移り、ステップS10では、横G・ヨーレートの履歴を計測し、履歴の偏差を短距離・長距離にわけて蓄積し、ステップS11へ移行する。
ステップS11では、短距離履歴の前回リセットから距離S(例えば、10〜100km)走行したかどうかを判定する。YESの場合にはステップS12へ移行し、NOの場合にはステップS17へ移行する。
ステップS12では、短距離履歴偏差の蓄積が閾値(短距離用補正閾値)を超えているかどうかを判定する。YESの場合にはステップS13へ移行し、NOの場合にはステップS15へ移行する。
ステップS13では、短距離履歴偏差の蓄積量により、補正量βを決定し、ステップS14へ移行する。
ステップS14では、速度=0、操舵中立付近で補正量をα+βに変更し、ステップS16へ移行する。
ステップS15では、前回の短距離用補正量βを維持し、補正量α+βによる補正を継続し、ステップS16へ移行する。
ステップS16では、短距離履歴偏差の蓄積をリセットし、ステップS17へ移行する。
ステップS17では、走行が継続しているかどうかを判定する。YESの場合にはステップS10へ移行し、NOの場合にはステップS18へ移行する。
ステップS18では、イグニッションスイッチがOFFであるかどうかを判定する。YESの場合にはステップS19へ移行し、NOの場合にはステップS1へ移行する。
ステップS19では、短距離履歴偏差の蓄積をリセットし、短距離用補正量β=0とするとともに、長距離履歴偏差の蓄積と長距離用補正量αを、次回のイグニッションスイッチON時まで保存する処理を実施する。
[目標車両挙動補正制御作動]
長距離履歴の前回リセットから1,000km走行した場合には、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む。ステップS3において、長距離履歴偏差の蓄積が閾値を超えている場合には、ステップS4→ステップS6へと進み、ステップS4において、長距離偏差の蓄積量により、補正量αが決定され、長距離分の補正が開始される。一方、ステップS3において、長距離履歴偏差の蓄積が閾値を超えていない場合には、ステップS5→ステップS6へと進み、ステップS5において、前回の長距離用補正量αを維持し、前回の補正量αによる補正が継続される。
ドライバにより、長距離履歴偏差のリセット操作が行われた場合には、ステップS7→ステップS8へと進み、ステップS8において、長距離履歴偏差の蓄積がリセットされ、長距離用補正量α=0とされる。
走行中、短距離履歴の前回リセットから10km走行した場合には、図7のフローチャートにおいて、ステップS10→ステップS11→ステップS12へと進む。ステップS12において、短距離履歴偏差の蓄積が閾値を超えている場合には、ステップS13→ステップS14→ステップS16へと進み、ステップS13において、短距離履歴偏差の蓄積量により補正量βが決定され、ステップS14において、速度=0、操舵中立位置付近のとき補正量がα+βに変更される。ステップS12において、短距離履歴偏差の蓄積が閾値を超えていない場合には、ステップS15→ステップS16へと進み、ステップS15において、前回の短距離用補正量βを維持し、前回の補正量βによる補正が継続される。
次に、ステップS16において、短距離履歴偏差の履歴がリセットされ、ステップS17において、走行が継続している場合には、ステップS10へと戻り、走行が継続していない場合には、ステップS18→ステップS19へと進み、ステップS19において、短距離履歴偏差の蓄積がリセットされ、短距離用補正量β=0とされ、長距離履歴偏差の蓄積と長距離用補正量αが、次回のイグニッションスイッチON時まで保存する処理が実施される。
[短距離履歴測定と補正]
車両特性に変化があった場合、実際に発生する横Gやヨーレートは、目標とする横Gやヨーレートに対し過不足を生じる。そこで、通常制御状態における目標横G・目標ヨーレートと、実挙動である横G・ヨーレートとの偏差を、長距離と短距離とにわけて蓄積し、偏差が大きい場合には、実挙動を目標値に近づけるよう、ステアリング制御に補正を加える。なお、長距離履歴と短距離履歴による補正は、併用し得るものである。
1.長距離履歴による長距離補正
タイヤ劣化などの車両特性の変化は、長期的に進行・継続するので、そのような車両特性の変化に対しては、ある距離L(例えば、1,000kmごと)における『目標横G(YGref)・目標ヨーレート(Yawref)』と『実横G(YG)・実ヨーレート(Yaw)』の履歴偏差を蓄積した値を用いて補正を行う。補正には下記の式1を用いる。
Figure 2005335632
長距離履歴偏差の蓄積が、下記の式2に示すある閾値(例えば、距離Lの間、常にN%の偏差が蓄積された値)を超えた場合に長距離用補正を行うことを決定し、その履歴偏差の蓄積量によって補正量αを決定する。補正量は、下記の式3の通りである。
Figure 2005335632
Figure 2005335632
補正量は偏差の蓄積量に対し、比較的少ないものとし(A<1)、運転者に制御変更による違和感を与えないようにする。決定された補正量は、通常制御時の目標横G・目標ヨーレートに対し加えられ、目標補正横G・目標補正ヨーレートとして、制御目標の出力値演算に用いられる。
偏差蓄積の閾値判断と制御の変更は、イグニッションON時に行い、走行中には行わない。また、長距離履歴偏差の蓄積は、イグニッションOFF後も保存され、次回走行時に継続して履歴偏差を蓄積する。ただし、タイヤ交換や修理などを行って、車両特性が改善されるとドライバが判断した場合に対応するため、長距離履歴リセットスイッチを設け、スイッチが操作された場合、長距離履歴偏差の蓄積値リセットと、補正量αをゼロにする。
2.短距離補正による短距離補正
乗員や積載物の増減や、天候や気候による路面μの変化など、一時的に車両特性を変化させ、短期間で改善するような変化に対しては、ある距離S(例えば、10〜100kmごと)における『目標横G(YGref)・目標ヨーレート(Yawref)』と『実横G(YG)・実ヨーレート(Yaw)』の履歴偏差を蓄積した値を用いて補正を行う。補正には下記の式4を用いる。
Figure 2005335632
短距離履歴偏差の蓄積が、下記の式5に示すある閾値を超えた場合に補正を行うことを決定し、その履歴偏差の蓄積量によって補正量βを決定する。補正量は、下記の式6の通りである。
Figure 2005335632
Figure 2005335632
短距離補正は、長距離補正よりも大きな偏差が短期間で蓄積されないと、補正を行わないものとする。具体的には、短距離履歴偏差による補正の閾値を、長距離の場合よりも大きくし、単位時間あたりの短距離履歴偏差の蓄積量が、長距離のそれよりも相対的に大きくなければ、補正を行わないようにする(N<M)。蓄積が多く貯まらなければ補正を行わないため、短距離履歴偏差の蓄積による補正量βは長距離履歴による補正量αより大きいものとする(A<B)。決定された補正量は、通常制御時の目標横G・目標ヨーレートに対し加えられ、目標補正横G・目標補正ヨーレートとして、制御目標の出力値演算に用いられる。
制御変更は速度=0、かつ、操舵中立位置付近の場合に行い、イグニッションOFF時には短距離履歴偏差の蓄積および短距離用補正量βをゼロにリセットする。
3.目標値補正演算
1.2で決定されたそれぞれの補正量を、下記の式7,式8のように、目標横G・目標ヨーレートに加え、目標補正横G・目標補正ヨーレートを決定する。
Figure 2005335632
Figure 2005335632
[長距離履歴偏差の蓄積と長距離用補正量αの決定例]
図8は、長距離履歴偏差の蓄積例を示す図である。
時点t11でイグニッションスイッチがONされたとき、長距離履歴の前回リセット時からの走行距離が1,000kmに到達し、かつ、長距離履歴偏差の蓄積が閾値を超えているため、走行開始前に新たな長距離用補正量αが決定されるとともに、長距離履歴偏差がリセットされる。
時点t12でイグニッションスイッチがONされたとき、走行開始前に前回決定された長距離用補正量αに基づいて、長距離分の補正が開始される。
時点t13でイグニッションスイッチがONされたとき、長距離履歴偏差の蓄積が閾値を超えている場合(図の実線)には、時点t11と同様に、新たな長距離用補正量αが決定されるとともに、長距離履歴偏差がリセットされる。一方、長距離履歴偏差の蓄積が閾値を超えていない場合(図の波線)には、前回の長距離用補正量αが維持される。
[短距離履歴偏差の蓄積例と短距離用補正量βの決定例]
図9は、短距離履歴偏差の蓄積例を示す図である。
時点t21では、積載増に伴う一時的車両特性変化が発生する。
時点t22では、短距離履歴の前回リセット時からの走行距離が、例えば10kmに到達し、かつ、短距離履歴偏差の蓄積が閾値を超えているため、走行時に新たな短距離用補正量βが決定されるとともに、短距離履歴の偏差蓄積がリセットされる。
時点t23で、例えば信号待ち等で車両が停車状態となったとき、車速=0、かつ、ステアリング位置が操舵中立位置付近となるため、短距離用補正量β(実際には、長距離用補正量αに短距離用補正量βを加算した値)に基づいて、短距離分の補正が開始される。また、短距離履歴偏差の蓄積がリセットされる。
時点t24では、積載増に伴う一時的車両特性変化の原因が解消される。
時点t25では、時点t22と同様に、短距離履歴の前回リセット時からの走行距離が、例えば10kmに到達し、かつ、短距離履歴偏差の蓄積が閾値を超えているため、走行時に新たな短距離用補正量βが決定されるとともに、短距離履歴の偏差蓄積がリセットされる。
時点t26では、時点t23と同様に、車速=0、かつ、ステアリング位置が操舵中立位置付近となるため、短距離用補正量β(実際には、長距離用補正量αに短距離用補正量βを加算した値)に基づいて、短距離分の補正が開始される。また、短距離履歴偏差の蓄積がリセットされる。
時点t27でイグニッションスイッチがOFFされると、短距離履歴偏差の蓄積がリセットされるとともに、短距離用補正量β=0とされる。
[履歴補正作用]
実施例1のステアリング制御装置では、ヨーレートや横Gなどの車両運動履歴と、通常車両運動の目標値との差が大きくなった場合に、車両特性の変化を判断し、実際の車両運動が目標に近づくよう、ステアリング制御の変更を行う。
長・短距離の2種類の履歴補正を用いることで、一時的な車両特性変化(解消するもの)と、タイヤ摩耗のような長期進行的な車両特性変化(部品交換修理まで継続)に対し、F/F制御におけるステアリング制御を変更する。
図10は、通常のF/F制御における制御特性を示す図である。
車両特性が変化した場合、目標とする横G・ヨーレートを発生させるための転舵制御量も変化させなければならない。図11に示すように、通常のF/F制御では、車両特性が変化しても制御量を変えることはできず、運転者が自分で補正しなければならない。また、F/B制御にみられる過渡応答や振動は、ステアリング制御には好ましくない場合もある。
そこで、走行履歴から車両の状態を判断し、F/F制御の目標値を履歴に応じて補正することにより、実挙動が目標とする横G・ヨーレートに近づくよう、転舵制御量を変更する。これにより、通常制御では足りない制御量を補足することができる。また、過渡応答や振動を伴うことなく、安定したステアリング制御を実施できるため、運転者によるステアリング操作の補正を減らすことができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のステアリング制御装置にあっては、下記の効果が得られる。
(1) 転舵コントローラ5は、車両挙動の履歴である実ヨーレートと目標ヨーレートの履歴に応じて目標ヨーレートと目標横Gを補正するため、実車両挙動、すなわち実際の車両特性に応じた目標前輪舵角および目標後輪舵角を設定でき、車両特性の変化に応じた最適なステアリング制御を実現できる。
(2) 転舵コントローラ5は、実ヨーレートと目標ヨーレートとの偏差の蓄積量に応じて目標ヨーレートを補正するとともに、実横Gと目標横Gとの偏差の蓄積量に応じて目標横Gを補正するため、現在の車両特性により適した目標ヨーレートおよび目標横Gを設定できる。
(3) 転舵コントローラ5は、長距離履歴偏差蓄積量と短距離履歴偏差蓄積量とに基づいて、目標ヨーレートと目標横Gを補正するため、一時的な車両特性変化と経時変化等の長期進行的な車両特性変化の両方に対応したステアリング制御を実施できる。
(4) 転舵コントローラ5は、長距離履歴偏差の蓄積量が閾値を超えたとき、長距離用補正量αを決定し、目標ヨーレートと目標横Gに対し長距離分の補正を実施するため、タイヤ劣化など、長期的に進行する車両特性の変化に適応したステアリング制御を実施できる。
(5) 転舵コントローラ5は、長距離用補正量αによる目標ヨーレートと目標横Gの補正を、イグニッションスイッチON後の車両発進前に実施するため、走行時における目標車両挙動の急変に伴い、運転者が予期せぬ車両挙動が発生するのを防止できる。
(6) 転舵コントローラ5は、短距離履歴偏差の蓄積量が閾値を超えたとき、短距離用補正量βを決定し、目標ヨーレートと目標横Gに対し短距離分の補正を実施するため、乗員や積載物の増減、天候や天気による路面μの変化など、一時的な車両特性の変化に適応したステアリング制御を実施できる。
(7) 転舵コントローラ5は、短距離用補正量βによる目標ヨーレートと目標横Gの補正を、車両停止、かつステアリング操舵位置が中立位置付近のとき実施するため、走行時における目標車両挙動の変化に伴い、運転者が予期せぬ車両挙動が発生するのを防止できる。
(8) 転舵コントローラ5は、イグニッションスイッチがOFFされたとき、短距離用補正量βをゼロとして短距離分の補正をリセットするため、一時的な原因により発生した車両特性変化に対応した補正量βに基づく目標車両挙動の補正が、原因が解消される可能性の高い次回の走行時まで継続されるのを防止できる。
(その他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、前輪転舵機構と後輪転舵機構を有する4輪転舵車両に本発明を適用したが、本発明は、前輪転舵機構のみを用いた車両にも適用できる。
また、長距離履歴のリセット基準として設定した距離L、および短距離履歴のリセット基準として設定した距離Sは、実施例1で示した数値に限定されるものではなく、任意に設定できる。
実施例1のステアリング制御装置を適用した車両のシステムブロック図である。 転舵制御コントローラのブロック図である。 目標値補正部の詳細を示すブロック図である。 目標値補正部の履歴演算部と補正値演算部の詳細を示すブロック図である。 目標出力値生成部の詳細を示すブロック図である。 転舵制御コントローラで実行される目標車両挙動補正制御処理の流れを示すフローチャートである。 転舵制御コントローラで実行される目標車両挙動補正制御処理の流れを示すフローチャートである。 長距離履歴偏差の蓄積例を示す図である。 短距離履歴偏差の蓄積例を示す図である。 実施例1の履歴補正の作用を示す図である。 実施例1の履歴補正の作用を示す図である。
符号の説明
1 運転者操舵角センサ
2 車速センサ
3 横Gセンサ
4 ヨーレートセンサ
5 転舵制御コントローラ
51 目標値生成部
52 目標値補正部
521 履歴演算部
5211 長距離履歴偏差蓄積部
5212 短距離履歴偏差蓄積部
522 補正値演算部
5221 長距離用補正値演算部
5222 短距離用補正値演算部
523 目標値補正演算部
53 目標出力値生成部
531 目標後輪舵角演算部
532 目標前輪舵角演算部
6 前輪転舵コントローラ
7 前輪転舵アクチュエータ
8 後輪転舵コントローラ
9 後輪転舵アクチュエータ
10 ステアリングホイール
11 ステアリングシャフト
12 前輪転舵機構
13 前輪
14 後輪転舵機構
15 後輪

Claims (8)

  1. 車両状態に応じて目標車両挙動を演算する目標車両挙動演算手段と、目標車両挙動と実車両挙動との偏差に基づいて目標転舵角を演算する目標転舵角演算手段と、転舵機構に対し目標転舵角を得る制御指令を出力する転舵制御手段と、を備えたステアリング制御装置において、
    実車両挙動の履歴から目標車両挙動を補正する目標車両挙動補正手段を設け、
    前記目標転舵角演算手段は、補正された目標車両挙動に基づいて目標転舵角を演算することを特徴とするステアリング制御装置。
  2. 請求項1に記載のステアリング制御装置において、
    前記目標車両挙動補正手段は、実車両挙動と目標車両挙動との偏差の蓄積量に基づいて目標車両挙動を補正することを特徴とするステアリング制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のステアリング制御装置において、
    前記目標車両挙動補正手段は、所定の距離以上の長距離走行で蓄積した実車両挙動と目標車両挙動との偏差の蓄積量である長距離偏差蓄積量と、前記所定の距離より短い短距離走行で蓄積した実車両挙動と目標車両挙動との偏差の蓄積量である短距離偏差蓄積量とに基づいて、目標車両挙動を補正することを特徴とするステアリング制御装置。
  4. 請求項3に記載のステアリング制御装置において、
    前記目標車両挙動補正手段は、長距離偏差蓄積量があらかじめ設定された長距離用補正閾値を超えたとき、長距離偏差蓄積量に基づく目標車両挙動の補正を実施することを特徴とするステアリング制御装置。
  5. 請求項4に記載のステアリング制御装置において、
    前記目標車両挙動補正手段は、長距離偏差蓄積量に基づく目標車両挙動の補正を、イグニッションスイッチオン後の車両発進前に実施することを特徴とするステアリング制御装置。
  6. 請求項3に記載のステアリング制御装置において、
    前記目標車両挙動補正手段は、短距離偏差蓄積量があらかじめ設定された短距離用補正閾値を超えたとき、短距離偏差蓄積量に基づく目標車両挙動の補正を実施することを特徴とするステアリング制御装置。
  7. 請求項6に記載のステアリング制御装置において、
    前記目標車両挙動補正手段は、短距離偏差蓄積量に基づく目標車両挙動の補正を、車両停止、かつステアリング操舵位置が中立位置付近のとき実施することを特徴とするステアリング制御装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載のステアリング制御装置において、
    前記目標車両挙動補正手段は、イグニッションスイッチがオフされたとき、短距離偏差蓄積量に基づく目標車両挙動の補正をリセットすることを特徴とするステアリング制御装置。
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