JP2008174211A - 車両用操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自励振動を効果的に抑制しつつ、自励振動抑制制御の解除時における転舵の応答遅れを最小限に抑えることができる車両用操舵制御装置を提供する。
【解決手段】 前輪11,11の転舵角に対するステアリングホイール10の操舵角の比であるステアリングギア比を可変する前輪操舵アクチュエータ5と、ステアリングホイール10の操作状態に応じた目標前輪舵角を設定し、その目標前輪舵角に基づいて前輪操舵アクチュエータ5へ供給する電力をPWM制御する電流制御部42と、目標前輪舵角と実転舵角との偏差が所定値以下の場合、デューティ指令値を一定に維持するデューティ指令値補正手段(アクチュエータ自励振動判断部43、デューティ指令補正値演算部44、制御切り替え部45)と、を備える。
【選択図】 図4

Description

本発明は、操向輪の転舵角に対する操作手段の操舵角の比であるステアリングギア比を可変する車両用操舵制御装置の技術分野に属する。
従来の車両用操舵制御装置では、角度サーボ系による自励振動の抑制を図るために、モータの目標指令角と実回転角とが等しくなった場合、モータの端子間を継続的に短絡させてモータを発電モードとする、またはモータに負荷を掛けてモータをロックする自励振動抑制制御を実施している(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−240734号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、車両が旋回中の保舵状態からステアリングの切り増しや切り戻しが行われた場合、通常制御への復帰判断を行っている間、モータ位置は固定されたままであるため、ハンドルの操舵に対する操向輪の転舵の応答遅れが生じるという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、自励振動を効果的に抑制しつつ、自励振動抑制制御の解除時における転舵の応答遅れを最小限に抑えることができる車両用操舵制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、
操向輪の転舵角に対する操舵手段の操舵角の比であるステアリングギア比を可変するギア比可変アクチュエータと、
前記操作手段の操作状態に応じた前記操向輪の目標転舵角を設定し、その目標転舵角に基づいて、前記ギア比アクチュエータへ供給する電力をPWM制御する電流制御手段と、
を備えた車両用操舵制御装置において、
前記目標転舵角と実際の転舵角との偏差が所定値以下の場合、前記PWM制御のデューティ指令値を一定に維持するデューティ指令値補正手段を備えることを特徴とする。
本発明では、旋回保舵中には、デューティ指令値補正手段によりデューティ指令値(デューティ比)が一定に維持される。よって、逆入力負荷により目標転舵角と実転舵角との間に微小な偏差が生じた場合であっても、ギア比可変アクチュエータの追従遅れにより、実転舵角は一定の角度に維持され、自励振動が抑制される。
その後、運転者がステアリングの切り増しや切り戻しを行い、目標転舵角と実転舵角との間の偏差が大きくなった場合、通常制御への復帰判断後、デューティ指令値はデューティ指令値演算手段により演算されたデューティ指令値へと切り替えられる。ここで、従来技術では、復帰判断時間中は実転舵角を固定するのに対し、本発明では、実転舵角を固定せず、デューティ指令値のみを固定しているため、応答性は一定ながらも、実転舵角を目標転舵角に追従させることができ、操舵に対する転舵の遅れを小さく抑えることができる。
この結果、自励振動を効果的に抑制しつつ、自励振動抑制制御の解除時における転舵の応答遅れを最小限に抑えることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車両用操舵制御装置の全体システム図である。
ステアリングホイール(操舵手段)10と前輪(操向輪)11,11を操舵させる前輪操舵機構12とを連結するコラムシャフト13には、操舵角センサ1と前輪操舵アクチュエータ(ギア比可変アクチュエータ)5が設けられている。
前輪操舵アクチュエータ5は、例えば、モータと減速器等により構成され、コラムシャフト13に、減速器を介してモータの出力軸が連結されている。この前輪操舵アクチュエータ5は、コントローラ14からの電流指令値により、コラムシャフト13を介して入力される回転を可変ギア比により減速して前輪操舵機構12のステアリングギアへ出力するもので、これにより、前輪11,11の舵角に対するステアリングホイール10の操舵角の比であるステアリングギア比を、操舵角や車速に応じて可変に制御する。
図2は、コントローラ14の制御ブロック図であり、コントローラ14は、操舵制御コントローラ3と、前輪操舵コントローラ4とから構成される。
操舵制御コントローラ3は、操舵角センサ1からのステアリング操舵角と車速センサ2からの車体速とに基づいて、目標前輪舵角(目標転舵角)を演算する。前輪操舵コントローラ4は、目標前輪舵角に対して実転舵角を一致させるように前輪操舵アクチュエータ5のモータに送る電流を制御する。
操舵制御コントローラ3は、目標出力値生成部31と、目標出力値生成部32とを備えている。
目標出力値生成部31は、操舵角センサ1からのステアリング操舵角と車速センサ2からの車体速に基づいて目標ヨーレートを生成する。生成した目標ヨーレートは、目標出力値生成部32へ出力される。目標出力値生成部32は、車速センサ2からの車体速と目標出力値生成部31からの目標ヨーレートとに基づいて、目標前輪舵角を生成する。
図3は、目標出力値生成部31の制御ブロック図であり、目標出力値生成部31は、車両モデル演算部311と、目標値演算部312とを備えている。車両モデル演算部311は、ステアリング操舵角と車体速とに基づき、2輪モデルを用いて車両パラメータを演算する。演算された車両パラメータは、目標値演算部312へ出力される。目標値演算部312は、操舵角と車体速と車両パラメータとに基づいて、車両の目標ヨーレートを決定する。
図4は、前輪操舵コントローラ4の制御ブロック図であり、前輪操舵コントローラ4は、デューティ指令演算部(デューティ指令値演算手段)41と、電流制御部(電流制御手段)42と、アクチュエータ自励振動判断部43と、デューティ指令補正値演算部44と、制御切り替え部45とを備えている。
デューティ指令演算部41は、目標前輪舵角と実転舵角との偏差に基づいて、前輪操舵アクチュエータ5を駆動するPWM(Pulse Width Modulation)信号のデューティ指令値(デューティ比)を演算する。ここで、実施例1では、前輪11,11の実転舵角として、前輪操舵アクチュエータ5のモータの実回転角を計測しているため、目標前輪舵角と実転舵角との偏差は、目標前輪舵角に対応する前輪操舵アクチュエータ5の回転角指令値と実回転角との偏差を比較することで判定している。
電流制御部42は、制御切り替え部45から出力されたデューティ指令値に基づいて前輪操舵アクチュエータ5へ供給する電力を制御する。
アクチュエータ自励振動判断部43は、運転者が感じると想定される前輪操舵アクチュエータ5の自励振動が発生しているか否かを判断し、運転者が感じるアクチュエータ自励振動が発生していると判断した場合には、制御切り替えフラグ=1を出力し、アクチュエータ自励振動が発生していないと判断した場合には、制御切り替えフラグ=0を出力する。
このアクチュエータ自励振動判断部43は、一定時間内の前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度の符号の反転回数がある値以上である場合に、アクチュエータ自励振動が発生していると判断する。また、運転者がアクチュエータ自励振動を感じるのは、前輪操舵アクチュエータ5への逆入力負荷が一定(車両定常状態)、かつ、ステアリングホイール10を保舵中であるシーンであることから、主に以下のAND条件にて判断を行う。
(1) 目標前輪舵角と実転舵角とがほぼ等しい状態が、一定時間継続した場合
(2) デューティ指令値が所定範囲内にある場合
(3) 前輪操舵アクチュエータ5の回転角指令値の変化率が小さい場合
(4) 操舵角速度が小さい場合
デューティ指令補正値演算部44は、アクチュエータ自励振動を抑制するためのデューティ指令補正値を演算する。デューティ指令補正値は固定値とする。実施例1では、アクチュエータ自励振動を判断している時間中に演算されたデューティ指令値の平均値と固定値とする。
制御切り替え部45は、制御切り替えフラグがゼロとなる通常制御時、デューティ指令演算部41で演算されたデューティ指令値を電流制御部42へ出力する。そして、制御切り替えフラグが1の場合には、デューティ指令補正値演算部44で演算されたデューティ指令補正値をデューティ指令値として電流制御部42へ出力する。これにより、デューティ指令値固定による自励振動抑制制御が実行される。
アクチュエータ自励振動判断部43、デューティ指令補正値演算部44および制御切り替え部45により、目標前輪舵角と実転舵角とが一致した場合、デューティ指令値を一定に維持するデューティ指令値補正手段が構成される。
次に、操舵制御コントローラ3における車両モデル演算、目標ヨーレート生成、目標前輪舵角生成について詳述する。
[車両モデル演算]
車両モデル演算部311では、以下に示す車両モデルを用いて車両パラメータを演算する。
一般に、2輪モデルを仮定すると、車両のヨーレートと横速度は、下記の式(1)で表せる。
Figure 2008174211
ここで、
Figure 2008174211
Figure 2008174211
である。
状態方程式より前輪操舵に対するヨーレートの伝達関数を求めると、下記の式(3)となる。
Figure 2008174211
Figure 2008174211
ヨーレート伝達関数は、式(3)より下記の式(4)と表される。
Figure 2008174211
ここで、
Figure 2008174211
である。
以上から、車両パラメータ
Figure 2008174211
が求められる。
[目標値演算]
目標値演算部312では、車体速V、車両パラメータと後述する目標値パラメータから目標ヨーレートψ'*を求める。
目標ヨー角加速度ψ''*は、式(4)から下記の式(6)により表される。
Figure 2008174211
ここで、目標ヨーレートψ'*のパラメータは、下記の式(11)で表される。
Figure 2008174211
ただし、yrate_gain_map,yrate_omegn_map,yrate_zeta_map,yrate_zero_mapはチューニングパラメータである。
よって、目標ヨーレートは、
φ'*(s)=φ''*(s)/s …(8)
であり、目標前輪舵角θ*は、
φ''*=a11φ'*+a12Vy+bf1θ* …(9)
θ*=(φ''*+a11φ'*+a12Vy)/bf1 …(10)
と求められる。
[自励振動抑制制御処理]
図5は、実施例1の前輪操舵コントローラ4で実行される自励振動抑制制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS1では、アクチュエータ自励振動判断部43において、自励振動抑制制御から通常制御への復帰条件が成立したか否かを判定する。YESの場合にはステップS7へ移行し、NOの場合にはステップS2へ移行する。ここで、通常制御への復帰条件は、後述するステップS6でデューティ指令値を固定したとき、以下の3つの条件のいずれかを満足した場合とする。
(a) 操舵角が所定値a以上変化した場合(aは運転者が操舵していることが示す値とする。)
(b) 目標前輪舵角に応じた回転角指令値が所定値b以上変化した場合(bは運転者の操舵または車速の変化による目標前輪舵角の変化を示す値とする。)
(c) 実回転角が所定値c以上変化した場合(cは路面からの逆入力負荷の変動を示す値とする。)
ステップS2では、アクチュエータ自励振動判断部43において、定常状態であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS3へ移行し、NOの場合には、後述するステップS4の自励振動判定用のカウンタをクリアし、ステップS7へ移行する。ここで、定常状態の判定は、以下の7つの条件を全て満足した場合とする。
(d) PWM制御のゲインが所定値dよりも大きい場合
(e) デューティ比が所定値eよりも小さい場合(高ゲインを判定。)
(f) 回転角指令値が所定値fよりも大きい場合(直進走行時は対象外とする。)
(g) 目標前輪舵角(回転角指令値)と実転舵角(実回転角)との偏差が所定値gよりも小さい場合(ハンチングは偏差が小さい場合に発生するため。)
(h) 操舵角速度が所定値hよりも小さい場合(ハンチングはハンドル保持状態で発生するため。)
(i) 回転角指令値の変化率が所定値iよりも小さい場合(ハンチングは回転角指令値がほぼ一定のとき発生するため。)
(j) 前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度が所定値jよりも小さい場合(ハンチングは実回転角がほぼ一定のとき発生するため。)
ステップS3では、デューティ指令補正値演算部44において、デューティ指令補正値Bを演算し、ステップS4へ移行する。ここで、実施例1では、デューティ指令補正値Bを、自励振動の判定時間(ステップS1の復帰条件判定、ステップS2の定常判定)に算出された回転角指令値の平均値とする。
ステップS4では、アクチュエータ自励振動判断部43において、アクチュエータ自励振動回数をカウントし、ステップS5へ移行する。ここで、実施例1では、前輪操舵アクチュエータ5の回転速度符号の反転数をカウントする。
ステップS5では、アクチュエータ自励振動判断部43において、高周波のアクチュエータ振動である自励振動を検出するために、アクチュエータ自励振動が所定時間k内に所定回数m以上継続しているか否かを判定する。YESの場合にはステップS6へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する。
ステップS6では、制御切り替え部45において、デューティ指令値をステップS3で演算されたデューティ指令補正値に切り替えることで、通常制御から自励振動抑制制御へと切り替え、リターンへ移行する。
ステップS7では、制御切り替え部45において、デューティ指令値をデューティ指令補正値から通常のデューティ指令値へと戻すことで、自励振動抑制制御から通常制御へと復帰させてリターンへ移行する。
次に、作用を説明する。
[自励振動発生のメカニズム]
角度サーボ系を構成する前輪操舵アクチュエータの自励振動は、例えば、定常旋回時等、操舵角および目標前輪舵角が一定の場合、操向輪から前輪操舵アクチュエータへの逆入力トルクが変動したときに発生する。以下にそのメカニズムを説明する。
(1) 前輪操舵アクチュエータの出力軸側(操向輪側から)からの逆入力トルクが変動する。
(2) 前輪操舵アクチュエータの回転角指令値と実回転角との偏差が変化するため、これに応じて生成されるデューティ指令値(デューティ比=偏差×ゲイン)も変動する。
(3) デューティ指令値の変動に伴って逆入力トルクが変動するため、上記の(1)⇔(2)が繰り返され、振動が継続する。
図6は、自励振動発生のメカニズムを示すシミュレーション結果であり、旋回保舵中(図6(a))に逆入力トルクによりアクチュエータの実回転角センサ信号が振動した場合(図6(b))、図6(c)に示すように、偏差に応じてデューティ指令値が大きく変動しているのがわかる。
[従来技術の問題点]
特開2002−240734号公報に記載の車両用の伝達比可変操舵制御装置では、上記自励振動を抑制するために、モータの回転角指令値と実回転角とがほぼ等しくなった場合、モータの端子間を継続的に短絡させて発電モードとしている。また、この従来技術には、発電モードに代えて、モータの負荷を大きくしてロックする方法が開示されている。
ところが、この従来技術では、図7に示すように、旋回中の保舵状態からステアリングの切り増しや切り戻しが行われたとき、通常制御への復帰判断を行っている間(判断時間)、モータ回転角は固定されたままであるため、操舵に対する転舵の応答遅れが大きいという問題があった。
[自励振動抑制作用]
これに対し、実施例1の車両用操舵制御装置では、旋回保舵中に目標前輪舵角と実転舵角とが一致した場合、デューティ指令値(デューティ比)が一定に維持される。すなわち、図5のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れとなり、ステップS6では、デューティ指令値が指令補正値Bに固定される。
ここで、指令補正値Bは、ステップS3において、自励振動の判定時間(ステップS1の復帰条件判定、ステップS2の定常判定)に算出された回転角指令値の平均値としている。すなわち、旋回保舵中のデューティ指令値は、切り増しや切り戻し時のデューティ指令値よりも小さいため、デューティ指令値を直近数回の平均値に固定することで、前輪操舵アクチュエータ5の応答性を、逆入力負荷により生じる微小な偏差に対し実回転角が変更されない程度まで低下させることができる。よって、逆入力負荷により回転角指令値と実回転角との間に微小な偏差が生じた場合であっても、前輪操舵アクチュエータ5の追従遅れにより、実転舵角は一定の角度に維持されるため、自励振動が抑制される。
また、デューティ指令補正値Bを直近過去数回の平均値としたことで、通常制御から自励振動抑制制御への移行時、デューティ指令値の変動が小さく抑えられるため、デューティ指令値の変動に伴う違和感を抑制することができる。
続いて、自励振動抑制制御中、運転者がステアリングの切り増しや切り戻しを行い、回転角指令値と実回転角との間の偏差が大きくなった場合、通常制御への復帰判断後、デューティ指令値は通常制御時のデューティ指令値へと切り替えられる。すなわち、ステップS1による復帰判断またはステップS2による定常判定後、ステップS7へと進み、デューティ指令値が通常制御時のデューティ指令値へと切り替えられる。
ここで、従来技術では、復帰判断中は実転舵角が固定されたままであるのに対し、実施例1では、実転舵角を固定することなくデューティ指令値のみを固定しているため、判断時間の間に回転角指令値が増加した場合、これに追従してゆっくりと実回転角を立ち上げることができ、転舵の応答遅れを小さく抑えることができる(図7参照)。
また、実施例1では、ステップS2の定常判定において、回転角指令値と実回転角とが一致した状態が一定時間継続した場合にのみ、ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進み、デューティ指令値を指令補正値Bに固定するため、意図しない状態でデューティ指令値が固定され、転舵の応答遅れが生じるのを防止することができる。
また、ステップS2では、デューティ指令値が所定値eよりも小さい場合にのみ、ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進み、デューティ指令値を指令補正値Bに固定するため、意図しない状態でデューティ指令値が固定され、転舵の応答遅れが生じるのを防止することができる。すなわち、今回問題としているアクチュエータの自励振動は、アクチュエータ等のフリクションと負荷との大小関係で発生するものであり、アクチュエータへの負荷が過度に小さい、または過度に大きい場合には発生しないため、デューティ指令値(≒アクチュエータ負荷に比例)の範囲を限定している。
さらに、ステップS2では、回転角指令値の変化率が所定値iよりも小さい場合にのみ、ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進み、デューティ指令値を指令補正値Bに固定する。すなわち、回転角指令値が変化する場合は、運転者が感じる自励振動は発生しないため、回転角指令値の変化率が大きい場合には、デューティ指令値を固定しないことで、意図しない状態で、デューティ指令値が固定され、転舵の応答遅れが生じるのを防止することができる。
加えて、ステップS2では、操舵角速度が所定値hよりも小さい場合にのみ、ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進み、デューティ指令値を指令補正値Bに固定する。すなわち、操舵時は運転者が感じる自励振動は発生しないため、操舵角速度が大きい場合には、デューティ指令値を固定しないことで、操舵時においてデューティ指令値が固定され、転舵の応答遅れが生じるのを防止することができる。
以上説明したように、ステップS2の定常判定では、運転者がアクチュエータ自励振動を感じやすい走行シーンにのみ自励振動抑制制御の実施を限定し、作動頻度を下げることで、運転者へ与える違和感を最小限に抑制することができる。
また、実施例1では、ステップS4において、アクチュエータの回転角速度の反転符号が連続して発生する場合にのみ、ステップS5→ステップS6へと進み、デューティ指令値を指令補正値Bに固定する。すなわち、自励振動は高周波のアクチュエータ振動であるため、角速度の符号反転が所定時間k内に所定回数m以上発生しているか否かを検出することで、自励振動を正確に検知することができ、意図しない状態でデューティ指令値が固定され、転舵の応答遅れが生じるのを防止することができる。
実施例1では、ステップS1の復帰判断において、操舵角が所定値a以上変化した場合、回転角指令値が所定値b以上変化した場合、または実回転角が所定値c以上変化した場合のいずれかが成立したとき、ステップS7へと移行し、デューティ指令値の固定を解除して通常制御へと復帰する。これにより、自励振動が発生する状態を脱したことをいち早く検知することができ、自励振動抑制制御から通常制御への移行時における転舵遅れを少なくすることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵制御装置では、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 前輪11,11の転舵角に対するステアリングホイール10の操舵角の比であるステアリングギア比を可変する前輪操舵アクチュエータ5と、ステアリングホイール10の操作状態に応じた目標前輪舵角を設定し、その目標前輪舵角に基づいて前輪操舵アクチュエータ5へ供給する電力をPWM制御する電流制御部42と、目標前輪舵角と実転舵角との偏差が所定値以下の場合、デューティ指令値を一定に維持するデューティ指令値補正手段(アクチュエータ自励振動判断部43、デューティ指令補正値演算部44、制御切り替え部45)と、を備える。これにより、自励振動を効果的に抑制しつつ、自励振動抑制制御の解除時における転舵の応答遅れを最小限に抑えることができる。
(2) デューティ指令値補正手段は、目標前輪舵角と実転舵角との偏差が所定値以下にある状態が一定時間継続した場合、デューティ指令値を一定とするため、意図しない状態でデューティ指令値が固定されることに起因する違和感の発生を防止できる。
(3) デューティ指令値補正手段は、デューティ指令値を、過去に演算された所定回分のデューティ指令値の平均値とするため、通常制御移行時におけるデューティ指令値の変動が小さく抑えられ、運転者に与える違和感を抑制することができる。
(4) デューティ指令値補正手段は、デューティ指令値が所定の範囲内にある場合、デューティ指令値を一定とするため、自励振動が発生しない状況でデューティ指令値が固定されることに起因する違和感の発生を防止できる。
(5) デューティ指令値補正手段は、目標前輪舵角に基づく前輪操舵アクチュエータ5の回転角指令値の変化率が小さい場合、デューティ指令値を一定とするため、運転者が感じることのない振動に対してもデューティ指令値が固定されることに起因する違和感の発生を防止できる。
(6) デューティ指令値補正手段は、操舵角速度が小さい場合、デューティ指令値を一定とするため、操舵中にデューティ指令値が固定されることに起因する違和感の発生を防止できる。
(7) デューティ指令値補正手段は、前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度の符号の反転が連続して発生した場合、デューティ指令値を一定とするため、より正確な自励振動の検知により、意図しない状態でデューティ指令値が固定されることに起因する違和感の発生を防止できる。
(8) デューティ指令値補正手段は、前輪操舵アクチュエータ5の実回転角、前輪操舵アクチュエータ5の回転角指令値または操舵角が変化した場合、デューティ指令値の補正を解除するため、アクチュエータ自励振動が発生する状態を脱したことを、いち早く検知することができ、転舵遅れを少なくすることができる。
(9) デューティ指令値補正手段は、転舵状態(回転角指令値、回転角指令値の変化率、実回転角、回転角速度)と操舵状態(操舵角、操舵角速度)とに基づいて前輪操舵アクチュエータ5に自励振動が発生すると判断した場合、デューティ指令値を一定とするため、転舵状態と操舵状態とからより正確な自励振動の検知が可能であり、意図しない状態でデューティ指令値が固定されることに起因する違和感の発生を防止できる。
実施例2では、自励振動抑制制御から通常制御への復帰条件を実施例1と異ならせた例である。
図8は、実施例2のアクチュエータ自励振動判断部43の制御ブロック図であり、アクチュエータ自励振動判断部43は、自励振動判断部431と、定常状態判断部432と、復帰条件判断部433とを備えている。
自励振動判断部431は、実転舵角(前輪操舵アクチュエータ5のモータの実回転角)に基づき、一定時間内の前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度の符号の反転回数がある値以上である場合に、アクチュエータ自励振動が発生していると判断し、振動判定フラグ=1を出力する。それ以外の場合には、振動判定フラグ=0を出力する。
定常状態判断部432は、自励振動を運転者が感じる状態であるか否かを判断し、自励振動を運転者が感じる状態であると判断した場合には、定常状態フラグ=1を出力し、自励振動を運転者が感じる状態ではないと判断した場合には、定常状態フラグ=0を出力する。
運転者がアクチュエータ自励振動を感じるのは、前輪操舵アクチュエータ5への逆入力負荷が一定(車両定常状態)、かつ、ステアリングホイール10を保舵中であるシーンであることから、主に以下のAND条件にて判断を行う。
(e) デューティ比が所定値eよりも小さい場合
(g) 目標前輪舵角(回転角指令値)と実転舵角(実回転角)との偏差が所定値gよりも小さい状態が一定時間継続した場合
(h) 操舵角速度が所定値hよりも小さい場合
(j) 前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度が所定値jよりも小さい場合
復帰条件判断部433は、以下の3つの条件のOR判定により、自励振動抑制制御から通常制御へと復帰するか否かを判断する。
(α) 自励振動抑制制御中の操舵角が、自励振動抑制制御移行時の操舵角からある範囲以上変化した場合
(β) 自励振動抑制制御中の目標前輪舵角が、自励振動抑制制御移行時の目標前輪舵角からある範囲以上変化した場合
(γ) 自励振動抑制制御中の実転舵角が、自励振動判断中の実転舵角の最大値と最小値との間の範囲から逸脱した場合
ここで、上記(γ)を判定するために、復帰条件判断部433では、前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度の符号の反転が連続して発生したときの実転舵角(前輪操舵アクチュエータ5の回転角)の最大値および最小値を記憶しておく。
なお、条件(γ)において、最大値および最小値は、自励振動抑制制御中の実転舵角が、過去一定時間に検出された実転舵角の中の最大値および最小値を用いてもよい。また、自励振動抑制制御中の実転舵角が、通常制御から自励振動抑制制御へ移行する直前の、前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度の符号が反転したときの2つの値(前輪操舵アクチュエータ5のモータの実回転角を計測するセンサの分解能によって決まる値)を最大値および最小値としてもよい。
また、条件(γ)は、下記の条件(γ)'に置き換えることも可能である。
(γ)' 自励振動抑制制御中の実転舵角が、前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度の符号の反転が連続して発生したときの実転舵角の変化方向と同一方向に変化した場合、あるいは逆方向に所定値(前輪操舵アクチュエータ5のモータの実回転角を計測するセンサの分解能によって決まる2値の幅)以上変化した場合
この場合、復帰条件判断部433では、前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度の符号の反転が連続して発生したときの前輪操舵アクチュエータ5の実転舵角の変化方向を記憶しておく。
アクチュエータ自励振動判断部43は、振動判定フラグ=1、定常判定フラグ=1および復帰判定フラグ=0がすべて成立した場合、制御切り替えフラグ=1を出力し、振動判定フラグ=0、定常判定フラグ=0または復帰判定フラグ=1のいずれか1つが成立した場合、制御切り替えフラグ=0を出力する。
デューティ指令補正値演算部44は、アクチュエータ自励振動を抑制するためにデューティ指令補正値を演算する。デューティ指令補正値は固定値とする。ここで、固定値は、直前(アクチュエータ自励振動を判断している時間中)の平均値としてもよい。これにより、通常制御から自励振動抑制制御への移行時、デューティ指令値の変動が小さく抑えられるため、デューティ指令値の変動に伴う違和感を抑制することができる。
なお、その他の構成は、図1〜図3に示した実施例1の構成と同様であるため、図示ならびに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
[通常制御復帰時における実転舵角変動抑制作用]
実施例2の復帰条件判断部433では、自励振動抑制制御中の実転舵角が、自励振動判断中の実転舵角の最大値と最小値との間の範囲から逸脱した場合、復帰判定フラグ=1を出力し、これにより、制御切り替えフラグ=0となり、通常制御へと復帰する。
ここで、実施例1では、自励振動抑制制御中に前輪操舵アクチュエータ5への入力変化があった場合、通常制御へと復帰しているが、目標前輪舵角と実転舵角との偏差が比較的大きいときにデューティ指令値の固定を解除すると、実転舵角が固定値から目標前輪舵角へと急変するため、運転者に違和感を与える可能性がある(図9)。
これに対し、実施例2の車両用操舵制御装置では、図10に示すように、復帰判定条件として条件(γ)を設定し、自励振動抑制制御中に自励振動判断中の実転舵角の最大値(振動Max)と最小値(振動Min)との間の範囲から逸脱した場合、即座に自励振動抑制制御を解除して通常制御へと復帰する。すなわち、実施例1と比較して、自励振動が発生する状態を脱したことをより早期に判断でき、目標前輪舵角と実転舵角との偏差が大きくなる前に通常制御へと復帰できるため、運転者に与える違和感を小さく抑えることができる。
また、実施例2では、自励振動抑制制御中の実転舵角が、最大値と最小値との間の範囲を変動している場合には、通常制御へと復帰しないため、前輪操舵アクチュエータ5への極微小な入力変化など、通常制御へ復帰すべきでない場合に、意図に反して通常制御へと復帰してしまう現象を防止することができる。
ここで、条件(γ)において、最大値および最小値を、過去一定時間内に検出された実転舵角の最大値および最小値とした場合、自励振動抑制制御中の実転舵角が自励振動判定中に検出された実転舵角の最大値と最小値との間の範囲から逸脱したとき、通常制御へと復帰する。すなわち、自励振動抑制制御中の実転舵角が、自励振動判定中の実転舵角の最大値と最小値との間の範囲を逸脱した場合には、路面からの逆入力負荷によって自励振動が発生する状態から確実に脱していると判断できる。
よって、実転舵角が過去一定時間内に検出された実転舵角の最大値と最小値との間の範囲から逸脱した場合に通常制御へと復帰することで、自励振動が発生する状態から確実に脱した状態で自励振動抑制制御を解除することができ、自励振動が発生しているにもかかわらず、通常制御へと移行するのを回避することができる。
また、最大値および最小値を、自励振動抑制制御中の実転舵角が、通常制御から自励振動抑制制御へ移行する直前の、前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度の符号が反転したときの2つの値(前輪操舵アクチュエータ5のモータの実回転角を計測するセンサの分解能によって決まる値)とした場合、自励振動抑制制御中の実転舵角が自励振動抑制制御開始直前の実転舵角の2値の範囲内から逸脱したとき、通常制御へと復帰する。上述のように、実転舵角が過去一定時間内の最大値と最小値との間の範囲を逸脱した場合に通常制御へと復帰する構成とした場合、自励振動が解消された状態を確実に判定できる一方で、解除タイミングに遅れが生じる可能性がある。
そこで、実転舵角が自励振動抑制制御へ移行する直前の前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度の符号が反転したときの2つの値の範囲から逸脱した場合に通常制御へと復帰することで、早期に通常制御へと復帰することができ、解除時に発生する実転舵角の変動をより小さく抑えることができる。
また、条件(γ)に代えて条件(γ)'を適用した場合には、自励振動抑制制御中の実転舵角が、自励振動抑制制御移行時の実転舵角の変化方向と同一方向に変化したとき、または逆方向に所定値以上変化したとき、通常制御へと復帰する。すなわち、自励振動抑制制御中は、実転舵角の検出値が前輪操舵アクチュエータ5のモータの実回転角を計測するセンサの分解能によって決まる2値の間で振動するため、上記解除条件を用いることで、自励振動が発生する状態を脱したことをより早期に判断でき、目標前輪舵角と実転舵角との偏差が大きくなる前に通常制御へと復帰できるため、運転者に与える違和感を小さく抑えることができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用操舵制御装置では、実施例1の効果(1)〜(9)に加え、以下に列挙する効果が得られる。
(10) デューティ指令値補正手段は、前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度の符号の反転が連続して発生したときの前輪操舵アクチュエータ5の回転角の最大値および最小値を記憶し、自励振動抑制制御中に、前輪操舵アクチュエータ5の実回転角が、最大値と最小値との間の範囲を超えた場合、自励振動抑制制御を解除し、通常制御へと移行する。これにより、自励振動が発生する状態を脱したことをより早期に判断でき、目標前輪舵角と実転舵角との偏差が大きくなる前に通常制御へと復帰できるため、運転者に与える違和感を小さく抑えることができる。
(11) デューティ指令値補正手段は、過去一定時間内に検出された前輪操舵アクチュエータ5の実回転角のうち、最も大きな値を最大値とし、最も小さな値を最小値とする。これにより、自励振動が発生する状態から確実に脱した状態で自励振動抑制制御を解除することができ、自励振動が発生しているにもかかわらず、通常制御へと移行するのを回避することができる。
(12) デューティ指令値補正手段は、自励振動抑制制御へ移行する直前の、前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度の符号が反転したときの2つの値を最大値および最小値とするため、早期に通常制御へと復帰することができ、解除時に発生する実転舵角の変動をより小さく抑えることができる。
(13) デューティ指令値補正手段は、前輪操舵アクチュエータ5の回転角速度の符号の反転が連続して発生したときの前輪操舵アクチュエータ5の回転角の最大値および最小値を記憶し、自励振動抑制制御中に、前輪操舵アクチュエータ5の実回転角が、自励振動抑制制御へ移行する直前の回転方向と同一方向に変化した場合、または逆方向に所定値以上変化した場合、自励振動抑制制御を解除し、通常制御へと移行する。これにより、自励振動が発生する状態を脱したことをより早期に判断でき、目標前輪舵角と実転舵角との偏差が大きくなる前に通常制御へと復帰できるため、運転者に与える違和感を小さく抑えることができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1,2に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、デューティ指令値を固定する指令補正値Bを、直近過去数回のデューティ指令値の平均値とする例を示した。これは、旋回保舵時はデューティ指令値が小さいため、これらの平均値を用いることで、前輪操舵アクチュエータ5の応答性を、逆入力負荷により生じる微小な偏差に対し実回転角が変更されない程度まで低下させることが可能だからである。
言い換えると、指令補正値Bは、前輪操舵アクチュエータ5の応答性を、逆入力負荷により生じる微小な偏差に対し実回転角が変更されない程度まで低下させることができる値であれば、任意の値に設定することができる。
実施例1の車両用操舵制御装置の全体システム図である。 実施例1のコントローラ14の制御ブロック図である。 実施例1の操舵制御コントローラ3の制御ブロック図である。 実施例1の前輪操舵コントローラ4の制御ブロック図である。 実施例1の前輪操舵コントローラ4で実行される自励振動抑制制御処理の流れを示すフローチャートである。 自励振動発生のメカニズムを示すシミュレーション結果である。 実施例1の自励振動抑制作用を示すタイムチャートである。 実施例2のアクチュエータ自励振動判断部43の制御ブロック図である。 通常制御復帰時における実転舵角の変動を示すタイムチャートである。 実施例2の通常制御復帰時における実転舵角変動抑制作用を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 操舵角センサ
2 車速センサ
3 操舵制御コントローラ
4 前輪操舵コントローラ
5 前輪操舵アクチュエータ
10 ステアリングホイール
11,11 前輪
12 前輪操舵機構
13 コラムシャフト
14 コントローラ
31 目標出力値生成部
311 車両モデル演算部
312 目標値演算部
32 目標出力値生成部
41 デューティ指令演算部
42 電流制御部
43 アクチュエータ自励振動判断部
44 デューティ指令補正値演算部
45 制御切り替え部

Claims (13)

  1. 操向輪の転舵角に対する操舵手段の操舵角の比であるステアリングギア比を可変するギア比可変アクチュエータと、
    前記操作手段の操作状態に応じた前記操向輪の目標転舵角を設定し、その目標転舵角に基づいて、前記ギア比アクチュエータへ供給する電力をPWM制御する電流制御手段と、
    を備えた車両用操舵制御装置において、
    前記目標転舵角と実際の転舵角との偏差が所定値以下の場合、前記PWM制御のデューティ指令値を一定に維持するデューティ指令値補正手段を備えることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記デューティ指令値補正手段は、目標転舵角と実転舵角との偏差が所定値以下にある状態が一定時間継続した場合、前記デューティ指令値を一定とすることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記デューティ指令値補正手段は、前記デューティ指令値を、過去に演算された所定回分のデューティ指令値の平均値とすることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記デューティ指令値補正手段は、前記デューティ指令値が所定の範囲内にある場合、デューティ指令値を一定とすることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記デューティ指令値補正手段は、目標転舵角に基づく前記ギア比可変アクチュエータの回転角指令値の変化率が小さい場合、前記デューティ指令値を一定とすることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記デューティ指令値補正手段は、操舵角速度が小さい場合、前記デューティ指令値を一定とすることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記デューティ指令値補正手段は、前記ギア比可変アクチュエータの回転角速度の符号の反転が連続して発生した場合、前記デューティ指令値を一定とすることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記デューティ指令値補正手段は、前記ギア比可変アクチュエータの実回転角、ギア比可変アクチュエータの回転角指令値または操舵角が変化した場合、前記デューティ指令値の補正を解除することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  9. 請求項7に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記デューティ指令値補正手段は、前記ギア比可変アクチュエータの回転角速度の符号の反転が連続して発生したときのギア比可変アクチュエータの回転角の最大値および最小値を記憶し、前記デューティ指令値の補正を実行中に、前記ギア比可変アクチュエータの実回転角が、前記最大値と最小値との間の範囲を超えた場合、前記デューティ指令値の補正を解除することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  10. 請求項9に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記デューティ指令値補正手段は、過去一定時間内に検出された前記ギア比可変アクチュエータの実回転角のうち、最も大きな値を前記最大値とし、最も小さな値を前記最小値とすることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  11. 請求項9に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記デューティ指令値補正手段は、前記デューティ指令値の補正を開始する直前の、前記ギア比可変アクチュエータの回転角速度の符号が反転したときの2つの値を前記最大値および前記最小値とすることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  12. 請求項7に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記デューティ指令値補正手段は、前記ギア比可変アクチュエータの回転角速度の符号の反転が連続して発生したときのギア比可変アクチュエータの回転方向を記憶し、前記デューティ指令値の補正を実行中に、前記ギア比可変アクチュエータの実回転角が、前記回転方向と同一方向に変化した場合、または逆方向に所定値以上変化した場合、前記デューティ指令値の補正を解除することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  13. 操向輪の転舵角に対する操舵手段の操舵角の比であるステアリングギア比を可変するギア比可変アクチュエータと、
    前記操作手段の操作状態に応じた前記操向輪の目標転舵角を設定し、その目標転舵角に基づいて、前記ギア比アクチュエータへ供給する電力をPWM制御する電流制御手段と、
    を備えた車両用操舵制御装置において、
    前記操向輪の転舵状態と前記操作手段の操舵状態とに基づいて前記ギア比可変アクチュエータに自励振動が発生すると判断した場合、前記PWM制御のデューティ指令値を一定に維持するデューティ指令値補正手段を備えることを特徴とする車両用操舵制御装置。
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