JP6388259B2 - 車両用挙動制御装置 - Google Patents

車両用挙動制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6388259B2
JP6388259B2 JP2016129582A JP2016129582A JP6388259B2 JP 6388259 B2 JP6388259 B2 JP 6388259B2 JP 2016129582 A JP2016129582 A JP 2016129582A JP 2016129582 A JP2016129582 A JP 2016129582A JP 6388259 B2 JP6388259 B2 JP 6388259B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
steering
torque
assist torque
target assist
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016129582A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018001886A (ja
Inventor
真一郎 山下
真一郎 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2016129582A priority Critical patent/JP6388259B2/ja
Publication of JP2018001886A publication Critical patent/JP2018001886A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6388259B2 publication Critical patent/JP6388259B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Description

本発明は、車両用挙動制御装置に係わり、特に、前輪が操舵される車両の挙動を制御する車両用挙動制御装置に関する。
従来、スリップ等により車両の挙動が不安定になった場合に安全方向に車両の挙動を制御するもの(横滑り防止装置等)が知られている。具体的には、車両のコーナリング時等に、車両にアンダーステアやオーバーステアの挙動が生じたことを検出し、それらを抑制するように車輪に適切な減速度を付与するようにしたものが知られている。
一方、上述したような車両の挙動が不安定になるような走行状態における安全性向上のための制御とは異なり、日常運転領域から稼動するハンドル操作に連係した加減速を自動的に行い、限界運転領域で横滑りを低減させるようにした車両運動制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5193885号明細書
しかしながら、上記の特許文献1に記載された車両運動制御装置を搭載した車両においては、加減速制御の作動時と非作動時との間で操舵時の前輪荷重が異なり、前輪の接地面に発生する横力が異なるので、路面から前輪を介してコラムシャフトに伝わる反力トルクが車速や舵角に応じて変化するときの特性も加減速制御の作動時と非作動時との間で異なる。したがって、ドライバが同じようにステアリングホイールの操作を行おうとしても、加減速制御の作動時と非作動時との間でステアリングホイールを操作するときの反力(ステアリングの重さ)が異なり、違和感を覚えることになる。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、車両姿勢の安定感や乗り心地が向上するように車両の挙動を制御しつつ、挙動制御の作動時と非作動時との間で、ステアリングホイールを操作するときに違和感が生じることを抑制できる、車両用挙動制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の車両用挙動制御装置は、前輪が操舵される車両の挙動を制御する車両用挙動制御装置において、車両の操舵速度を取得する操舵速度取得手段と、操舵速度が0より大きい所定の閾値以上になったとき、車両の駆動力を低減させ、その後に操舵速度が所定の閾値以下になったとき、車両の駆動力の低減を終了する駆動力低減手段と、前輪とステアリングホイールとを連結するコラムシャフトにアシストトルクを付与するモータと、運転者によるステアリングホイールの操舵に応じた目標アシストトルクを設定する目標アシストトルク設定手段と、駆動力低減手段が車両の駆動力を低減させた場合には、その後車両の駆動力の低減終了した後において、駆動力低減手段が車両の駆動力を低減させなかった場合よりも目標アシストトルクを減少させる目標アシストトルク減少手段と、目標アシストトルク設定手段と目標アシストトルク減少手段とにより設定された目標アシストトルクを出力するようにモータを制御するアシスト制御手段と、を有することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、目標アシストトルク設定手段は、運転者によるステアリングホイールの操舵に応じた目標アシストトルクを設定し、目標アシストトルク減少手段は、駆動力低減手段が所定の閾値以上の操舵速度に応じてエンジンの出力トルクを低減させた場合には、その後車両の駆動力の低減終了した後において、駆動力低減手段が車両の駆動力を低減させなかった場合よりも目標アシストトルクを減少させるので、駆動力低減手段が切り込み操舵時の操舵速度に応じてエンジンの出力トルクを低減させたことにより、出力トルクの低減制御を行わない場合よりもその後の操舵保持時や切り戻し操舵時に路面から前輪を介してコラムシャフトに伝わる反力トルクが小さくなった場合でも、目標アシストトルクを減少させることにより、ステアリングの重さが軽くなり過ぎることを抑制でき、これにより、車両姿勢の安定感や乗り心地が向上するようにエンジンの出力トルクを制御しつつ、エンジンの出力トルク制御の作動時と非作動時との間で、ステアリングホイールを操作するときに違和感が生じることを抑制できる。
また、本発明において、好ましくは、目標アシストトルク設定手段は、車速が大きいほど目標アシストトルクが減少するように目標アシストトルクを設定し、目標アシストトルク減少手段は、車速が大きいほど目標アシストトルクの減少量を小さくする。
このように構成された本発明においては、目標アシストトルク設定手段は、車速が大きいほど目標アシストトルクが減少するように目標アシストトルクを設定する一方、目標アシストトルク減少手段は、車速が大きいほど、エンジンの出力トルク低減後に操舵速度が閾値未満になっている場合において目標アシストトルクを減少させるときの減少量を小さくするので、車速が相対的に小さいことにより目標アシストトルクが相対的に大きく設定される状況で駆動力低減手段がエンジンの出力トルクを低減させたことにより、操舵保持時や切り戻し操舵時にコラムシャフトに伝わる反力トルクが小さくなった場合でも、車速の低減に応じて目標アシストトルクの減少量を大きくすることにより、ステアリングの重さが軽くなる傾向が助長されることを抑制でき、これにより、エンジンの出力トルク制御の作動時と非作動時との間で、ステアリングホイールを操作するときに違和感が生じることを確実に抑制できる。
本発明による車両用挙動制御装置によれば、車両姿勢の安定感や乗り心地が向上するように車両の挙動を制御しつつ、挙動制御の作動時と非作動時との間で、ステアリングホイールを操作するときに違和感が生じることを抑制できる。
本発明の実施形態による車両用挙動制御装置を搭載した車両の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による車両用挙動制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態によるEPASを示す概略斜視図である。 本発明の実施形態による車両用挙動制御装置がエンジンを制御するエンジン制御処理のフローチャートである。 本発明の実施形態による車両用挙動制御装置がトルク低減量を決定するトルク低減量決定処理のフローチャートである。 本発明の実施形態による車両用挙動制御装置が決定する目標付加減速度と操舵速度との関係を示したマップである。 本発明の実施形態による車両用挙動制御装置を搭載した車両が旋回を行う場合における、エンジン制御に関するパラメータの時間変化を示したタイムチャートであり、図7(a)は右旋回を行う車両を概略的に示す平面図、図7(b)は右旋回を行う車両の操舵角の変化を示す線図、図7(c)は右旋回を行う車両の操舵速度の変化を示す線図、図7(d)は操舵速度に基づき設定されたトルク低減フラグの値を示す線図、図7(e)は操舵速度及びトルク低減フラグに基づき決定された付加減速度の変化を示す線図、図7(f)は付加減速度に基づいて決定されたトルク低減量の変化を示す線図、図7(g)は基本目標トルクとトルク低減量とに基づき決定された最終目標トルクの変化を示す線図である。 本発明の実施形態による車両用挙動制御装置を搭載した車両と搭載していない車両のそれぞれに旋回走行を行わせたときの車両挙動を示す線図であり、図8(a)は車両の操舵角の変化を示す線図、図8(b)は車両の操舵速度の変化を示す線図、図8(c)は操舵速度及びトルク低減フラグに基づき決定された付加減速度の変化を示す線図、図8(d)は前輪に発生する横力の変化を示す線図、図8(e)は路面から前輪を介してコラムシャフトに伝わる反力トルクの変化を示す線図である。 本発明の実施形態による車両用挙動制御装置が目標アシストトルクを決定するアシストトルク決定処理のフローチャートである。 本発明の実施形態による車両用挙動制御装置が目標アシストトルクを設定するときに参照する増幅率マップである。 本発明の実施形態による車両用挙動制御装置が目標アシストトルクを補正するときに参照する補正係数マップである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置を説明する。
まず、図1により、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置を搭載した車両について説明する。図1は、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置を搭載した車両の全体構成を示すブロック図である。
図1において、符号1は、本実施形態による車両用挙動制御装置を搭載した車両を示す。車両1の車体前部には、駆動輪(図1の例では左右の前輪2)を駆動するエンジン4が搭載されている。エンジン4は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃エンジンである。
また、車両1は、ステアリングホイール6の操舵を電動モータによりアシストするEPAS(Electric Power Assisted Steering)8を備えている。EPAS8は、ステアリングホイール6の回転角度(操舵角)をPCM(Power-train Control Module)14に出力する。
また、車両1は、アクセルペダルの開度(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ10、及び、車速を検出する車速センサ12を有する。これらの各センサは、それぞれの検出値をPCM14に出力する。
次に、図2により、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置の電気的構成を説明する。図2は、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態によるPCM14は、上述したセンサ8〜12の検出信号の他、エンジン4の運転状態を検出する各種センサが出力した検出信号に基づいて、エンジン4の各部(例えば、スロットルバルブ、ターボ過給機、可変バルブ機構、点火装置、燃料噴射弁、EGR装置等)に対する制御を行うべく、制御信号を出力する。
PCM14は、アクセルペダルの操作を含む車両1の運転状態に基づき基本目標トルクを決定する基本目標トルク決定部16と、ステアリングホイール6の操舵速度に基づき車両1に減速度を付加するためのトルク低減量を決定するトルク低減量決定部18と、基本目標トルクとトルク低減量とに基づき最終目標トルクを決定する最終目標トルク決定部20と、最終目標トルクを出力させるようにエンジン4を制御するエンジン制御部22とを有する。
これらのPCM14の各構成要素は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
詳細は後述するが、PCM14は本発明における車両用挙動制御装置の一部に相当し、操舵速度取得手段、駆動力低減手段として機能する。
次に、図2及び図3により本発明の実施形態によるEPAS8について説明する。図3は、本発明の実施形態によるEPAS8を示す概略斜視図である。
図3に示すように、ステアリングホイール6は、コラムシャフト24の上端に連結されており、ステアリングホイール6を操作する操舵力がコラムシャフト24に伝達されるようになっている。コラムシャフト24の下端には、リンク機構を介してタイロッド26が連結されており、タイロッド26の両端に前輪2(転舵輪)が取り付けられている。
コラムシャフト24には、減速機構を介してモータ28が連結されている。このモータ28は、コラムシャフト24にアシストトルクを付与する。
ステアリングホイール6には、ステアリングホイール6の操舵角を検出する操舵角センサ30が設けられている。コラムシャフト24には、コラムシャフト24に作用している操舵トルクを検出するトルクセンサ32が設けられている。モータ28には、モータ28の回転角を検出するモータ角センサ34が設けられている。これらの操舵角センサ30、トルクセンサ32、及びモータ角センサ34から出力される信号は、アシスト制御部36に入力される。アシスト制御部36は、操舵角センサ30、トルクセンサ32、及びモータ角センサ34から入力される信号に基づき、モータ28を制御する。また、アシスト制御部36は、操舵角センサ30の検出値をPCM14に出力すると共に、PCM14からエンジン4の制御に関する情報を取得する。
詳細は後述するが、アシスト制御部36は本発明における車両用挙動制御装置の一部に相当し、目標アシストトルク設定手段、目標アシストトルク減少手段、アシスト制御手段として機能する。
次に、図4乃至図6により、車両用挙動制御装置が行うエンジン制御処理について説明する。
図4は、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置がエンジン4を制御するエンジン制御処理のフローチャートであり、図5は、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置がトルク低減量を決定するトルク低減量決定処理のフローチャートであり、図6は、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置が決定する目標付加減速度と操舵速度との関係を示したマップである。
図4のエンジン制御処理は、車両1のイグニッションがオンにされ、車両用挙動制御装置に電源が投入された場合に起動され、繰り返し実行される。
エンジン制御処理が開始されると、図4に示すように、ステップS1において、PCM14は車両1の運転状態に関する各種情報を取得する。具体的には、PCM14は、操舵角センサ30が検出した操舵角、アクセル開度センサ10が検出したアクセル開度、車速センサ12が検出した車速、車両1の変速機に現在設定されているギヤ段等を含む、上述した各種センサが出力した検出信号を運転状態に関する情報として取得する。
次に、ステップS2において、PCM14の基本目標トルク決定部16は、ステップS1において取得されたアクセルペダルの操作を含む車両1の運転状態に基づき、目標加速度を設定する。具体的には、基本目標トルク決定部16は、種々の車速及び種々のギヤ段について規定された加速度特性マップ(予め作成されてメモリなどに記憶されている)の中から、現在の車速及びギヤ段に対応する加速度特性マップを選択し、選択した加速度特性マップを参照して現在のアクセル開度に対応する目標加速度を決定する。
次に、ステップS3において、基本目標トルク決定部16は、ステップS2において決定した目標加速度を実現するためのエンジン4の基本目標トルクを決定する。この場合、基本目標トルク決定部16は、現在の車速、ギヤ段、路面勾配、路面μなどに基づき、エンジン4が出力可能なトルクの範囲内で、基本目標トルクを決定する。
また、ステップS2及びS3の処理と並行して、ステップS4において、トルク低減量決定部18は、ステアリング操作に基づき車両1に減速度を付加するためのトルク低減量を決定するトルク低減量決定処理を実行する。このトルク低減量決定処理について、図5を参照して説明する。
図5に示すように、トルク低減量決定処理が開始されると、ステップS21において、トルク低減量決定部18は、ステップS1において取得した操舵角に基づき操舵速度を算出する。
次に、ステップS22において、トルク低減量決定部18は、操舵速度が所定の閾値TS1より大きいか否かを判定する。
その結果、操舵速度が閾値TS1より大きい場合、ステップS23に進み、トルク低減量決定部18は、車両1に減速度を付加するためにエンジン4の出力トルクを低減させる条件が満たされているか否かを示すトルク低減フラグを、トルクを低減させる条件が満たされている状態を示すTrue(真値)に設定する。
次に、ステップS24において、トルク低減量決定部18は、操舵速度に基づき目標付加減速度を取得する。この目標付加減速度は、ドライバの意図した車両挙動を正確に実現するために、ステアリング操作に応じて車両1に付加すべき減速度である。
具体的には、トルク低減量決定部18は、図6のマップに示した目標付加減速度と操舵速度との関係に基づき、ステップS21において算出した操舵速度に対応する目標付加減速度を取得する。
図6における横軸は操舵速度を示し、縦軸は目標付加減速度を示す。図6に示すように、操舵速度が閾値TS1以下である場合、対応する目標付加減速度は0である。即ち、操舵速度が閾値TS1以下である場合、PCM14は、ステアリング操作に基づき車両1に減速度を付加するための制御(具体的にはエンジン4の出力トルクの低減)を停止する。
一方、操舵速度が閾値TS1を超えている場合には、操舵速度が増大するに従って、この操舵速度に対応する目標付加減速度は、所定の上限値Dmaxに漸近する。即ち、操舵速度が増大するほど目標付加減速度は増大し、且つ、その増大量の増加割合は小さくなる。この上限値Dmaxは、ステアリング操作に応じて車両1に減速度を付加しても、制御介入があったとドライバが感じない程度の減速度に設定される(例えば0.5m/s2≒0.05G)。
さらに、操舵速度が閾値TS1よりも大きい閾値TS2以上の場合には、目標付加減速度は上限値Dmaxに維持される。
次に、ステップS25において、トルク低減量決定部18は、付加減速度の変化率が閾値Rmax(例えば0.5m/s3)以下となる範囲で今回の処理における付加減速度を決定する。
具体的には、トルク低減量決定部18は、前回の処理において決定した付加減速度から今回の処理のステップS24において取得した目標付加減速度への変化率がRmax以下である場合、ステップS24において取得した目標付加減速度を今回の処理における付加減速度として決定する。
一方、前回の処理において決定した付加減速度から今回の処理のステップS24において取得した目標付加減速度への変化率がRmaxより大きい場合、トルク低減量決定部18は、前回の処理において決定した付加減速度から今回の処理時まで変化率Rmaxにより変化させた値を今回の処理における付加減速度として決定する。
次に、ステップS26において、トルク低減量決定部18は、ステップS25において決定した今回の付加減速度に基づき、トルク低減量を決定する。具体的には、トルク低減量決定部18は、今回の付加減速度を実現するために必要となるトルク低減量を、ステップS1において取得された現在の車速、ギヤ段、路面勾配等に基づき決定する。
また、ステップS22において、操舵速度が閾値TS1より大きくない(閾値TS1以下である)場合、ステップS27に進み、トルク低減量決定部18は、車両1に減速度を付加するためにエンジン4の出力トルクを低減させる条件が満たされているか否かを示すトルク低減フラグを、トルクを低減させる条件が満たされていない状態を示すFalse(偽値)に設定する。
ステップS26又はS27の後、トルク低減量決定部18はトルク低減量決定処理を終了し、メインルーチンに戻る。
図4に戻り、ステップS2及びS3の処理及びステップS4のトルク低減量決定処理を行った後、ステップS5において、最終目標トルク決定部20は、ステップS3において決定した基本目標トルクから、ステップS4のトルク低減量決定処理において決定したトルク低減量を減算することにより、最終目標トルクを決定する。
次に、ステップS6において、エンジン制御部22は、ステップS5において設定した最終目標トルクを出力させるようにエンジン4を制御する。具体的には、エンジン制御部22は、ステップS5において設定した最終目標トルクと、エンジン回転数とに基づき、最終目標トルクを実現するために必要となる各種状態量(例えば、空気充填量、燃料噴射量、吸気温度、酸素濃度等)を決定し、それらの状態量に基づき、エンジン4の各構成要素のそれぞれを駆動する各アクチュエータを制御する。この場合、エンジン制御部22は、状態量に応じた制限値や制限範囲を設定し、状態値が制限値や制限範囲による制限を遵守するような各アクチュエータの制御量を設定して制御を実行する。
ステップS6の後、PCM14は、エンジン制御処理を終了する。
次に、図7により、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置のエンジン制御の例を説明する。図7は、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置を搭載した車両1が旋回を行う場合における、エンジン制御に関するパラメータの時間変化を示したタイムチャートである。
図7(a)は、右旋回を行う車両1を概略的に示す平面図である。この図7(a)に示すように、車両1は、位置Aから右旋回を開始し、位置Bから位置Cまで操舵角一定で右旋回を継続する。
図7(b)は、図7(a)に示したように右旋回を行う車両1の操舵角の変化を示す線図である。図7(b)における横軸は時間を示し、縦軸は操舵角を示す。
この図7(b)に示すように、位置Aにおいて右向きの操舵が開始され、ステアリングの切り足し操作が行われることにより右向きの操舵角が徐々に増大し、位置Bにおいて右向きの操舵角が最大となる。その後、位置Cまで操舵角が一定に保たれる(操舵保持)。
図7(c)は、図7(b)に示したように右旋回を行う車両1の操舵速度の変化を示す線図である。図7(b)における横軸は時間を示し、縦軸は操舵速度を示す。
車両1の操舵速度は、車両1の操舵角の時間微分により表される。即ち、図7(c)に示すように、位置Aにおいて右向きの操舵が開始された場合、右向きの操舵速度が生じ、位置Aと位置Bとの間において操舵速度がほぼ一定に保たれる。その後、右向きの操舵速度は減少し、位置Bにおいて右向きの操舵角が最大になると、操舵速度は0になる。更に、位置Bから位置Cまで右向きの操舵角が保持される間、操舵速度は0のままである。
図7(d)は、操舵速度に基づき設定されたトルク低減フラグの真偽値を示す線図である。図7(d)における横軸は時間を示し、縦軸はトルク低減フラグの真偽値を示す。
図7(d)に示すように、位置Aにおいて右向きの操舵が開始される前においては、トルク低減フラグはFalseに設定されている。そして、位置Aにおいて右向きの操舵が開始されると、操舵速度が閾値TS1を超えたときにトルク低減フラグはFalseからTrueに変化する。その後、位置Bに接近するにつれて操舵速度が低下し、閾値TS1以下になると、トルク低減フラグはTrueからFalseに変化する。
図7(e)は、操舵速度及びトルク低減フラグに基づき決定された付加減速度の変化を示す線図である。図7(e)における横軸は時間を示し、縦軸は付加減速度を示す。
図5を参照して説明したように、トルク低減量決定部18は、ステップS22において操舵速度が閾値TS1より大きい場合(すなわちトルク低減フラグがTrueである場合)、ステップS24において操舵速度に基づき目標付加減速度を取得する。続いて、ステップS25において、トルク低減量決定部18は、付加減速度の増大率が閾値Rmax以下となる範囲で各処理サイクルにおける付加減速度を決定する。
図7(e)に示すように、付加減速度は、トルク低減フラグがFalseからTrueに切り替わったときから増大し始め、位置Aと位置Bとの間においてほぼ一定に保たれ、その後操舵速度の減少に応じて減少し、トルク低減フラグがTrueからFalseに切り替わったときに0になる。
図7(f)は、図7(e)に示した付加減速度に基づき決定されたトルク低減量の変化を示す線図である。図7(f)における横軸は時間を示し、縦軸はトルク低減量を示す。
上述したように、トルク低減量決定部18は、付加減速度を実現するために必要となるトルク低減量を、現在の車速、ギヤ段、路面勾配等のパラメータに基づき決定する。従って、これらのパラメータが一定である場合、トルク低減量は、図7(e)に示した付加減速度の変化と同様に変化するように決定される。
図7(g)は基本目標トルクとトルク低減量とに基づき決定された最終目標トルクの変化を示す線図である。図7(g)における横軸は時間を示し、縦軸はトルクを示す。また、図7(g)における破線は基本目標トルクを示し、実線は最終目標トルクを示す。
図4を参照して説明したように、最終目標トルク決定部20は、ステップS3において決定した基本目標トルクから、ステップS4のトルク低減量決定処理において決定したトルク低減量を減算することにより、最終目標トルクを決定する。
すなわち、図7(g)に示すように、位置Aと位置Bとの間においてトルク低減フラグがTrueに設定されている間、最終目標トルクが基本目標トルクからトルク低減量の分だけ低減され、そのトルク低減に応じた減速度が車両1に生じるので、前輪2への荷重移動が生じる。その結果、前輪2と路面との間の摩擦力が増加し、前輪2のコーナリングフォースが増大する。
ここで、図8により、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置により操舵速度に応じてエンジン4の出力トルクを低減させる制御を行う場合と、出力トルクの低減制御を行わない場合との間の、ステアリングホイール6の操作感の違いについて説明する。
本発明者らは、車両用挙動制御装置により出力トルクの低減制御を行う場合と行わない場合とで、ステアリングホイール6の操作感がどのように異なるのかを評価するために、直進状態から旋回状態を経て再び直進状態に至る単一コーナーを走行するときの車両挙動に関わる各種パラメータを、車両用挙動制御装置により出力トルクの低減制御を行う場合と行わない場合とのそれぞれについてシミュレーションにより算出した。
図8(a)は車両の操舵角の変化を示す線図、図8(b)は車両の操舵速度の変化を示す線図、図8(c)は操舵速度及びトルク低減フラグに基づき決定された付加減速度の変化を示す線図を示す線図、図8(d)は前輪2に発生する横力の変化を示す線図、図8(e)は路面から前輪を介してコラムシャフトに伝わる反力トルクの変化を示す線図である。
図8(a)〜(c)、(e)において、実線は車両用挙動制御装置により出力トルクの低減制御を行う場合を示し、破線は出力トルクの低減制御を行わない場合を示している。また、図8(d)において、実線は車両用挙動制御装置により出力トルクの低減制御を行う場合において旋回外側の前輪2に発生する横力の変化を示し、破線は出力トルクの低減制御を行わない場合において旋回外側の前輪2に発生する横力の変化を示し、一点鎖線は出力トルクの低減制御を行う場合において旋回内側の前輪2に発生する横力の変化を示し、二点鎖線は出力トルクの低減制御を行わない場合において旋回内側の前輪2に発生する横力の変化を示している。
図8(a)及び(b)に示すように、操舵角が増大する切り込み操舵時において、車両がコーナーに進入して操舵角が増大し始めるのとほぼ同時に操舵速度が増大する。続いて、操舵角が最大値に近づく(すなわち車両がコーナーにおける曲率半径の最小点に近づく)につれて操舵速度は0に向かって減少する。上述したように、操舵速度が発生している間はトルク低減フラグがTrueに設定されており、操舵速度に応じて出力トルクが低減されるので、図8(c)に実線で示すように減速度が発生する。なお、図8(c)においては、駆動トルクの低減による車両の減速を相殺するために、操舵角が減少する切り戻し操作時において車両の加速が行われている。
図8(c)に示したように、切り込み操舵時において操舵速度に応じた出力トルクの低減により車両に減速度が発生すると、その減速度に応じて車両の後部から前部への荷重移動が生じ、前輪2の垂直荷重が増大する。前輪2の垂直荷重が増大すると、前輪2の接地面における摩擦力が増大するので、前輪2の接地面において発生する横力が増大する。すなわち、図8(d)に示すように、出力トルクの低減制御を行わない場合と比較して、前輪2に発生する横力が大きくなる。
路面から前輪2を介してコラムシャフト24に伝わる反力トルクの大きさは、前輪2のスリップ角が比較的小さいタイヤ線形領域においては、前輪2に発生する横力に比例することが知られている。したがって、切り込み操舵時において操舵速度に応じた出力トルクの低減により車両に減速度が発生すると、前輪2に発生する横力が大きくなり、図8(e)に示すように、横力の増大に応じてコラムシャフト24に伝わる反力トルクが大きくなる。すなわち、車両用挙動制御装置により出力トルクの低減制御を行う場合には、出力トルクの低減制御を行わない場合よりも切り込み操舵時におけるステアリングの重さが重くなるので、違和感が生じる。
また、図8(a)及び(b)に示すように、操舵角が保持される操舵保持時、及び、操舵角が減少する切り戻し操舵時においては、操舵速度は0又は負の値となる。このとき、トルク低減フラグはFalseに設定されており、操舵速度に応じた出力トルクの低減制御は行われない。
したがって、操舵保持時や切り戻し操舵時に前輪2に発生する横力は、切り込み操舵時に出力トルクの低減制御を行ったときのように増大しない。また、切り込み操舵時に出力トルクの低減制御を行ったことにより、操舵保持時や切り戻し操舵時における車速は切り込み操舵時と比較して低下するので、車両を旋回させるために前輪2に要求される横力が低下する。その結果、図8(e)に示すように、操舵保持時や切り戻し操舵時にコラムシャフト24に伝わる反力トルクは、切り込み操舵時に出力トルクの低減制御を行わなかった場合と比べて小さくなる。すなわち、車両用挙動制御装置により出力トルクの低減制御を行う場合には、出力トルクの低減制御を行わない場合よりも操舵保持時や切り戻し操舵時におけるステアリングの重さが軽くなるので、違和感が生じる。
また、上述したように、車両用挙動制御装置により出力トルクの低減制御を行う場合には、出力トルクの低減制御を行わない場合と比較して、切り込み操舵時におけるステアリングの重さが重くなる一方、操舵保持時や切り戻し操舵時におけるステアリングの重さは軽くなるので、切り込み操舵から切り戻し操舵に至る過程においてステアリングの重さの特性が変化することになり、違和感が生じる。
そこで以下に説明するように、本実施形態の車両用挙動制御装置は、出力トルクの低減制御を行う場合にコラムシャフト24に付与されるアシストトルクを補正することにより、ステアリングホイール6を操作するときに違和感が生じることを抑制するようにしている。
次に、図9乃至図11により、車両用挙動制御装置が行うアシストトルク決定処理について説明する。
図9は、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置が目標アシストトルクを決定するアシストトルク決定処理のフローチャートであり、図10は、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置が目標アシストトルクを設定するときに参照する増幅率マップであり、図11は、本発明の実施形態による車両用挙動制御装置が目標アシストトルクを補正するときに参照する補正係数マップである。
図9のアシストトルク決定処理は、車両1のイグニッションがオンにされ、車両用挙動制御装置に電源が投入された場合に起動され、繰り返し実行される。
アシストトルク決定処理が開始されると、図9に示すように、ステップS31において、アシスト制御部36は、トルクセンサ32によって検出された操舵トルクτ及び車速センサ12によって検出された車速Vを読み込む。
次に、ステップS32において、アシスト制御部36は、図10(a)に示す増幅率マップを参照し、ステップS31において読み込んだ車速Vに対応する増幅率勾配Kを取得する。
図10に示した増幅率マップは、入力である操舵トルクと、出力である増幅率(アシストトルク(モータ28の出力トルク)を操舵トルクにより除算して得られる)との入出力特性を示すものであり、車速毎に予め作成される。具体的には、横軸に操舵トルクが定義され、縦軸に増幅率が定義される。図10では、車速が10km/h、30km/h、80km/h、150km/hの場合の入出力特性が作成されている。操舵トルクが大きいほど、また車速が低いほど、大きな増幅率が設定される(すなわちアシストトルクが大きくなる)。
増幅率を操舵トルクに対してプロットすると、原点(0,0)を通る直線が得られる。すなわち、操舵トルクと増幅率とはリニアな関係にある。この直線の勾配(増幅率を操舵トルクで除算して得られる値)に対応する値を増幅率勾配Kとする。アシスト制御部36は、増幅率マップに設定された各増幅率勾配Kを読み込み、ステップS31において読み込んだ車速Vに対応する増幅率勾配Kを内挿等により算出する。
次に、ステップS33において、アシスト制御部36は、操舵角センサ30によって検出された操舵角の変化に基づき、操舵角が増大する切り込み操舵中であるか否かを判定する。
その結果、切り込み操舵中である場合、ステップS34に進み、アシスト制御部36は、トルク低減量決定部18によりトルク低減フラグがTrueに設定されているか否かを判定する。
その結果、トルク低減フラグがTrueに設定されていない場合(トルク低減フラグがFalseに設定されている場合)、すなわち切り込み操舵中ではあるが操舵速度が閾値TS1以下であること等によりエンジン4の出力トルクの低減制御が行われていない場合、ステップS35に進み、アシスト制御部36は、ステップS32において取得した増幅率勾配Kをそのまま用いて目標アシストトルクを算出する。具体的には、増幅率=増幅率勾配K×操舵トルクτであり、目標アシストトルク=増幅率×操舵トルクτであるので、目標アシストトルク=K×τ2により算出される。
一方、ステップS34において、トルク低減フラグがTrueに設定されている場合、すなわち切り込み操舵中においてエンジン制御部22によりエンジン4の出力トルクの低減制御が行われている場合、ステップS36に進み、アシスト制御部36は、図11(a)に示す切り込み操舵時用の補正係数マップを参照し、ステップS31において読み込んだ車速Vに対応する切り込み操舵時における目標アシストトルクの補正係数Aを取得する。
図11(a)に示した補正係数マップは、車速Vと切り込み操舵時における目標アシストトルクの補正係数Aとの関係を示すものである。図11(a)に示すように、補正係数Aは正値であり、車速が高いほど補正係数Aが大きくなるように設定されている。
次に、ステップS37において、アシスト制御部36は、ステップS32において取得した増幅率勾配Kを、ステップS36において取得した切り込み操舵時の補正係数Aにより補正し、補正後の増幅率勾配を用いて目標アシストトルクを算出する。具体的には、アシスト制御部36は、ステップS32において取得した増幅率勾配Kに切り込み操舵時の補正係数Aを加算した値を補正後の増幅率勾配とする。この場合、増幅率=増幅率勾配(K+A)×操舵トルクτであり、目標アシストトルク=増幅率×操舵トルクτであるので、目標アシストトルク=(K+A)×τ2となる。
図10(b)は、切り込み操舵時の補正係数Aにより増幅率勾配Kを補正した場合の増幅率マップである。この図10(b)においては、増幅率勾配が図10(a)の場合(補正係数Aにより補正をしていない場合)と比較して大きくなっている。また、上述したように車速が高いほど補正係数Aが大きくなるので、車速の変化に応じた増幅率の変化幅が図10(a)の場合と比較して狭くなっている。すなわち、切り込み操舵時の補正係数Aにより増幅率勾配Kを補正した場合における、車速の増大に応じた目標アシストトルクの低下量が、補正をしない場合における車速の増大に応じた目標アシストトルクの低下量よりも小さくなる。
また、ステップS33において、操舵角が増大する切り込み操舵中ではない(操舵保持中又は切り戻し操舵中である)場合、ステップS38に進み、アシスト制御部36は、直前の切り込み操舵中にトルク低減フラグがTrueに設定されたか否かを判定する。
例えば、アシスト制御部36は、直前の切り込み操舵中にトルク低減フラグがTrueに設定されたか否かを表すトルク低減制御実施フラグを参照して判定を行う。このトルク低減制御実施フラグは、切り込み操舵中にトルク低減フラグがTureに設定されたときにTrueに設定され、引き続き切り戻し操舵が行われた後に再び切り込み操舵が開始されたときにFalseにリセットされる。
その結果、直前の切り込み操舵中にトルク低減フラグがTrueに設定されていない場合、すなわち直前の切り込み操舵中にエンジン4の出力トルクの低減制御が行われていない場合、ステップS35に進み、アシスト制御部36は、ステップS32において取得した増幅率勾配Kをそのまま用いて目標アシストトルクを算出する。すなわち、目標アシストトルク=K×τ2である。
一方、直前の切り込み操舵中にトルク低減フラグがTrueに設定されていた場合、ステップS39に進み、アシスト制御部36は、図11(b)に示す切り戻し操舵時用の補正係数マップを参照し、ステップS31において読み込んだ車速Vに対応する切り戻し操舵時における補正係数Bを取得する。
図11(b)に示した補正係数マップは、車速Vと切り戻し操舵時における目標アシストトルクの補正係数Bとの関係を示すものである。図11(b)に示すように、補正係数Bは負値であり、車速が高いほど補正係数Bの絶対値が小さくなるように設定されている。
次に、ステップS40において、アシスト制御部36は、ステップS32において取得した増幅率勾配Kを、ステップS39において取得した切り戻し操舵時の補正係数Bにより補正し、補正後の増幅率勾配を用いて目標アシストトルクを算出する。具体的には、アシスト制御部36は、ステップS32において取得した増幅率勾配Kに切り戻し操舵時の補正係数Bを加算した値を補正後の増幅率勾配とする。この場合、増幅率=増幅率勾配(K+B)×操舵トルクτであり、目標アシストトルク=増幅率×操舵トルクτであるので、目標アシストトルク=(K+B)×τ2となる。
図10(c)は、切り戻し操舵時の補正係数Bにより増幅率勾配Kを補正した場合の増幅率マップである。この図10(c)においては、増幅率勾配が図10(a)の場合(補正係数Bにより補正をしていない場合)と比較して小さくなっている。また、上述したように車速が高いほど補正係数Bの絶対値が小さくなるので、車速の変化に応じた増幅率の変化幅が図10(a)の場合と比較して狭くなっている。すなわち、切り込み操舵時の補正係数Bにより増幅率勾配Kを補正した場合における、車速の増大に応じた目標アシストトルクの低下量が、補正をしない場合における車速の増大に応じた目標アシストトルクの低下量よりも小さくなる。
ステップS35、S37又はS40の後、アシスト制御部36は処理を終了する。
次に、本発明の実施形態のさらなる変形例を説明する。
上述した実施形態においては、トルク低減量決定部18は、操舵速度に基づき目標付加減速度を取得し、この目標付加減速度に基づいてトルク低減量を決定すると説明したが、アクセルペダルの操作以外の車両1の運転状態(操舵角、横加速度、ヨーレート、スリップ率等)に基づきトルク低減量を決定するようにしてもよい。
例えば、トルク低減量決定部18は、加速度センサから入力された横加速度や、横加速度を時間微分することにより得られる横ジャークに基づき目標付加減速度を取得して、トルク低減量を決定するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、車両用挙動制御装置を搭載した車両1は、駆動輪を駆動するエンジン4を搭載すると説明したが、バッテリやキャパシタから供給された電力により駆動輪を駆動するモータを搭載した車両についても、本発明による車両用挙動制御装置を適用することができる。この場合、PCM14は、車両1の操舵速度に応じてモータのトルクを低減させる制御を行う。
次に、上述した本発明の実施形態及び本発明の実施形態の変形例による車両用挙動制御装置の効果を説明する。
まず、アシスト制御部36は、運転者によるステアリングホイール6の操舵に応じた目標アシストトルクを設定すると共に、PCM14が操舵速度に応じてエンジン4の出力トルクを低減させている場合に目標アシストトルクを増大させるので、PCM14が切り込み操舵時の操舵速度に応じてエンジン4の出力トルクを低減させたことにより、出力トルクの低減制御を行わない場合よりも切り込み操舵時に路面から前輪2を介してコラムシャフト24に伝わる反力トルクが大きくなった場合でも、目標アシストトルクを増大させることにより、ステアリングの重さが重くなり過ぎることを抑制でき、これにより、車両姿勢の安定感や乗り心地が向上するようにエンジン4の出力トルクを制御しつつ、エンジン4の出力トルク制御の作動時と非作動時との間で、ステアリングホイール6を操作するときに違和感が生じることを抑制できる。
特に、アシスト制御部36は、車速が大きいほど目標アシストトルクが減少するように目標アシストトルクを設定する一方、車速が大きいほど、PCM14が操舵速度に応じてエンジン4の出力トルクを低減させている場合に目標アシストトルクを増大させるときの増大量を大きくするので、車速が相対的に大きいことにより目標アシストトルクが相対的に小さく設定される状況において、PCM14がエンジン4の出力トルクを低減させたことにより切り込み操舵時にコラムシャフト24に伝わる反力トルクが大きくなった場合でも、車速の増大に応じて目標アシストトルクの増大量を大きくすることにより、ステアリングの重さが重くなる傾向が助長されることを抑制でき、これにより、エンジン4の出力トルク制御の作動時と非作動時との間で、ステアリングホイール6を操作するときに違和感が生じることを確実に抑制できる。
また、アシスト制御部36は、運転者によるステアリングホイール6の操舵に応じた目標アシストトルクを設定すると共に、PCM14がTS1以上の操舵速度に応じてエンジン4の出力トルクを低減させた後、操舵速度がTS1未満になっている場合、目標アシストトルクを減少させるので、PCM14が切り込み操舵時の操舵速度に応じてエンジン4の出力トルクを低減させたことにより、出力トルクの低減制御を行わない場合よりもその後の操舵保持時や切り戻し操舵時に路面から前輪2を介してコラムシャフト24に伝わる反力トルクが小さくなった場合でも、目標アシストトルクを減少させることにより、ステアリングの重さが軽くなり過ぎることを抑制でき、これにより、車両姿勢の安定感や乗り心地が向上するようにエンジン4の出力トルクを制御しつつ、エンジン4の出力トルク制御の作動時と非作動時との間で、ステアリングホイール6を操作するときに違和感が生じることを抑制できる。
特に、アシスト制御部36は、車速が大きいほど目標アシストトルクが減少するように目標アシストトルクを設定する一方、車速が大きいほど、エンジン4の出力トルク低減後に操舵速度がTS1未満になっている場合において目標アシストトルクを減少させるときの減少量を小さくするので、車速が相対的に小さいことにより目標アシストトルクが相対的に大きく設定される状況でPCM14がエンジン4の出力トルクを低減させたことにより、操舵保持時や切り戻し操舵時にコラムシャフト24に伝わる反力トルクが小さくなった場合でも、車速の低減に応じて目標アシストトルクの減少量を大きくすることにより、ステアリングの重さが軽くなる傾向が助長されることを抑制でき、これにより、エンジン4の出力トルク制御の作動時と非作動時との間で、ステアリングホイール6を操作するときに違和感が生じることを確実に抑制できる。
1 車両
2 前輪
4 エンジン
6 ステアリングホイール
8 EPAS
10 アクセル開度センサ
12 車速センサ
14 PCM
16 基本目標トルク決定部
18 トルク低減量決定部
20 最終目標トルク決定部
22 エンジン制御部
24 コラムシャフト
28 モータ
30 操舵角センサ
36 アシスト制御部

Claims (3)

  1. 前輪が操舵される車両の挙動を制御する車両用挙動制御装置において、
    上記車両の操舵速度を取得する操舵速度取得手段と、
    上記操舵速度が0より大きい所定の閾値以上になったとき、上記車両の駆動力を低減させ、その後に上記操舵速度が上記所定の閾値以下になったとき、上記車両の駆動力の低減を終了する駆動力低減手段と、
    上記前輪とステアリングホイールとを連結するコラムシャフトにアシストトルクを付与するモータと、
    運転者による上記ステアリングホイールの操舵に応じた目標アシストトルクを設定する目標アシストトルク設定手段と、
    上記駆動力低減手段が上記車両の駆動力を低減させた場合には、その後上記車両の駆動力の低減終了した後において、上記駆動力低減手段が上記車両の駆動力を低減させなかった場合よりも上記目標アシストトルクを減少させる目標アシストトルク減少手段と、
    上記目標アシストトルク設定手段と上記目標アシストトルク減少手段とにより設定されたアシストトルクを出力するように上記モータを制御するアシスト制御手段と、を有することを特徴とする車両用挙動制御装置。
  2. 上記目標アシストトルク設定手段は、車速が大きいほど上記目標アシストトルクが減少するように上記目標アシストトルクを設定し、
    上記目標アシストトルク減少手段は、車速が大きいほど上記目標アシストトルクの減少量を小さくする、請求項1に記載の車両用挙動制御装置。
  3. 前輪が操舵される車両の挙動を制御する車両用挙動制御装置において、
    上記車両の操舵速度を取得する操舵速度取得手段と、
    上記操舵速度が0より大きい所定の閾値以上になったとき、上記車両の駆動力を低減させ、その後に、運転者によりステアリングホイールの操舵保持又は切り戻し操舵が行われたとき、上記車両の駆動力の低減を終了する駆動力低減手段と、
    上記前輪と上記ステアリングホイールとを連結するコラムシャフトにアシストトルクを付与するモータと、
    運転者による上記ステアリングホイールの操舵に応じた目標アシストトルクを設定する目標アシストトルク設定手段と、
    上記駆動力低減手段が上記車両の駆動力を低減させた場合には、その後上記車両の駆動力の低減を終了した後において、上記駆動力低減手段が上記車両の駆動力を低減させなかった場合よりも上記目標アシストトルクを減少させる目標アシストトルク減少手段と、
    上記目標アシストトルク設定手段と上記目標アシストトルク減少手段とにより設定されたアシストトルクを出力するように上記モータを制御するアシスト制御手段と、を有することを特徴とする車両用挙動制御装置。
JP2016129582A 2016-06-30 2016-06-30 車両用挙動制御装置 Active JP6388259B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016129582A JP6388259B2 (ja) 2016-06-30 2016-06-30 車両用挙動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016129582A JP6388259B2 (ja) 2016-06-30 2016-06-30 車両用挙動制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018001886A JP2018001886A (ja) 2018-01-11
JP6388259B2 true JP6388259B2 (ja) 2018-09-12

Family

ID=60945243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016129582A Active JP6388259B2 (ja) 2016-06-30 2016-06-30 車両用挙動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6388259B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019146291A (ja) * 2018-02-16 2019-08-29 マツダ株式会社 車両の制御方法、車両システム及び車両の制御装置
JP6970384B2 (ja) * 2018-03-28 2021-11-24 マツダ株式会社 車両の制御装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4353058B2 (ja) * 2004-10-12 2009-10-28 トヨタ自動車株式会社 電動式パワーステアリング装置用制御装置
JP2007038941A (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Nissan Motor Co Ltd 車両用パワーステアリング装置
JP5011706B2 (ja) * 2005-11-01 2012-08-29 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置
JP2011057215A (ja) * 2010-10-01 2011-03-24 Mitsubishi Electric Corp 車両制御装置
JP5664448B2 (ja) * 2011-05-11 2015-02-04 トヨタ自動車株式会社 電動パワーステアリング装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018001886A (ja) 2018-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6194940B2 (ja) 車両用挙動制御装置
JP6222621B2 (ja) 車両用挙動制御装置
JP6198181B2 (ja) 車両用挙動制御装置
JP6252993B2 (ja) 車両用挙動制御装置
JP6213904B1 (ja) 車両用挙動制御装置
CN108778878B (zh) 车辆用举动控制装置
JP6202478B1 (ja) 車両用挙動制御装置
US10246084B2 (en) Vehicle behavior control device
CN108883762B (zh) 车辆用举动控制装置
JP6270251B1 (ja) 車両用挙動制御装置
JP6202480B1 (ja) 車両用挙動制御装置
JP6252992B2 (ja) 車両用挙動制御装置
JP6388259B2 (ja) 車両用挙動制御装置
JP6388258B2 (ja) 車両用挙動制御装置
JP6536663B2 (ja) 車両の制御装置
JPWO2019026380A1 (ja) 車両の制御装置
JP6988557B2 (ja) 車両の制御方法、車両システム及び車両の制御装置
JP6683186B2 (ja) 車両の制御装置
JP2019093846A (ja) 車両の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180723

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6388259

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180805