JP2008047931A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、COP構造を採用することなしにセル面積の縮小と強誘電体キャパシタ面積の増加を実現することを最も主要な特徴とする。
【解決手段】シリコン半導体基板11の表面領域に拡散領域15Bを形成する工程と、全面に層間絶縁膜16、39を堆積する第1の工程とこの工程で堆積された層間絶縁膜中に配線38、41を形成する第2の工程とを少なくとも2回繰り返して多層配線を形成する工程と、層間絶縁膜に開口部42を形成して拡散領域15Bの表面を露出させる工程と、開口部内に下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25を順次堆積して強誘電体キャパシタを形成する工程とを具備する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、強誘電体キャパシタを有する半導体装置の製造方法に関する。
強誘電体は、印加電界と電気分極量との関係がヒステリシス特性を有し、強誘電体の両端間の印加電圧を零に戻しても分極が残る。即ち、強誘電体は、電界が印加された時に一旦発生した電気分極は電界が印加されなくなっても残留し、上記電界とは反対方向の向きに、ある程度以上の強さの電界が印加された時に分極の向きが反転する特性を有している。
このような強誘電体の不揮発性特性に着目して、強誘電体の分極の方向として情報を蓄積する強誘電体キャパシタ(Ferro electric Capacitor)を用いた不揮発性半導体メモリ(FRAM)が注目されている。
また、1つのトランジスタに1つの強誘電体キャパシタを並列接続したメモリセルを複数個直列接続することによって、メモリセル1個あたりのセル面積を削減したCFRAM(Chain FRAM)が例えば非特許文献1、2などによって知られている。
ところで、従来のFRAMのメモリセルは、例えば図14に示すような断面構造を有している。半導体基板81の表面領域にはトランジスタのソース、ドレインとなる一対の拡散領域82、82が形成されており、この両拡散領域相互間の基板上にはゲート絶縁膜を介してゲート電極83が形成されている。さらに全面に層間絶縁膜84が堆積され、この層間絶縁膜84に対して上記一対の拡散領域82、82のいずれか一方の表面が露出するようにコンタクトホール85が形成されている。そして、上記コンタクトホール85内には金属や多結晶シリコンなどの導電体材料からなるプラグ86が埋め込まれている。また、このプラグ86上には、下部電極87、強誘電体膜88及び上部電極89からなる強誘電体キャパシタが形成されている。
上記のようなメモリセル構造はCOP(capacitor on plug)構造と称され、コンタクトホール85に埋め込まれるプラグ86としては一般にW(tungsten)プラグが採用される。
しかし、Wプラグを用いたCOP構造の場合、最適なバリアメタルが存在していない。このバリアメタルは、強誘電体キャパシタの下部電極87とWプラグ86との間に設けられ、Wプラグ86の酸化を抑制する目的で設けられる。
このため、強誘電体キャパシタ直下のプラグ材料としては、比較的酸化などの問題の少ない多結晶シリコンプラグを用いる例がある。
ところで、SRAMやフラッシュメモリなどが同一基板に形成される混載FRAMにおいて、周辺デバイスではWプラグ等低抵抗なプラグ材料を用いることが好ましいので、周辺デバイスではWプラグ、FRAMでは多結晶シリコンプラグと、プラグ材料を異ならせる必要がある。しかし、このようにすると製造工程が複雑化してしまう。
また、従来のFRAMでは、拡散領域に接続されたプラグ上に強誘電体キャパシタが平面的に配置形成されているので、大きなキャパシタ容量を得るためには強誘電体キャパシタ面積を広げる必要があり、これによってセル面積が増加するという問題がある。
"High-Density Chain Ferro electric Random Access Memory (CFRAM)", VLSI Circuit Symposium 1997 p83-84 "A Sub-40ns Random-Access Chain FRAM Architecture with 7ns Cell-Plate-Line Drive", ISSCC Tech. Digest Papers, pp.102-103, Feb 1999
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、COP構造を採用することなしにセル面積の縮小と強誘電体キャパシタ面積の増加を実現できる半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明の半導体装置の製造方法は、シリコン半導体基板の表面領域に拡散領域を形成する工程と、全面に層間絶縁膜を堆積する第1の工程とこの工程で堆積された層間絶縁膜中に配線を形成する第2の工程とを少なくとも2回繰り返して多層配線を形成する工程と、前記層間絶縁膜に開口部を形成して前記拡散領域の表面を露出させる工程と、前記開口部内に第1の電極、強誘電体膜及び第2の電極を順次堆積して強誘電体キャパシタを形成する工程とを具備したことを特徴とする。
本発明によれば、COP構造を採用することなしにセル面積の縮小と強誘電体キャパシタ面積の増加を実現できる半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明の半導体装置の製造方法を、強誘電体キャパシタを有するFRAMセルの製造に実施した本発明の第1の実施の形態に係る方法を説明する。
図1(a)〜図1(d)及び図2(a)〜図2(c)は、この第1の実施の形態の方法によって製造されるFRAMセルの断面構造を工程順に示している。
図1(a)に示すように、シリコン半導体基板11の表面領域に、素子分離を行うためのSTI(Shallow Trench Isolation)領域12を形成し、基板11上にはゲート絶縁膜13を介してゲート電極14を形成し、基板11の表面領域にはトランジスタのソース、ドレインとなる拡散領域15A、15Bを含む複数の拡散領域15を互いに分離して形成する。
次に、図1(b)に示すように、全面に層間絶縁膜16を堆積した後、所定のパターンを有するマスクを用いたPEP(写真蝕刻プロセス)により、この層間絶縁膜16に対して、前記複数の拡散領域15のうちの1つの拡散領域15Aが露出するようなコンタクトホール17を開口し、続いて全面にバリアメタル例えばTiN膜18を堆積し、さらにCVD法よってWを堆積した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)によって平坦化を行って、コンタクトホール17内にWプラグ19を形成する。なお、上記コンタクトホール17の開口径は例えば0.4μmである。
次に、図1(c)に示すように、層間絶縁膜16上にシリコン窒化膜20を堆積する。ただし、この後に形成される強誘電体キャパシタの強誘電体膜及び下部電極の構造及び種類によっては、このシリコン窒化膜20の堆積を省略することができる。
次に、図1(d)に示すように、所定のパターンを有するマスクを用いたPEPにより、シリコン窒化膜20及び層間絶縁膜16を順次除去して、前記複数の拡散領域15のうち上記とは異なる拡散領域15Bが露出するようなホール21を開口する。ここで、このホール21の開口径は例えば0.6μmである。従って、ホール21の開口径は、前記コンタクトホール17の開口径以上にされている。
次に、図2(a)に示すように、上記ホール21の内部を含む全面に、CVD法等により、バリアメタル22、下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25を順次堆積する。上記バリアメタル22としては例えばTixAlyzが用いられるが、その他に例えばTixNy,Ti/TixAlyNz,Ti/TixNy,WxNyを代表とするTi系の膜もしくは積層膜で構成することもできる。また、このバリアメタル22の膜厚は例えば0.05μmである。下部電極23としては例えば1層のIrOx膜が用いられるが、その他にRu,Ti,Al,Pt,Sr,Re,Mg,La及びCaのうち少なくともいずれか1つの金属を含む1層の膜あるいは異なる金属を含む複数層の膜で構成することができる。また、この下部電極23の膜厚は例えば0.05μmである。上記強誘電体膜24としては例えばSBTが用いられるが、その他にPZT,BTや層状ペロブスカイト構造のSTB,BTOで構成することもできる。また、この強誘電体膜24の膜厚は例えば0.15μmである。さらに、上部電極25として、下部電極23と同様に例えば1層のIrOx膜が用いられるが、その他にRu,Ti,Al,Pt,Sr,Re,Mg,La及びCaのうち少なくともいずれか1つの金属を含む1層の膜あるいは異なる金属を含む複数層の膜で構成することができる。また、この上部電極25の膜厚は例えば0.05μmである。
従って、バリアメタル22、下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25を上記のような各膜厚で堆積することにより、図示するように、バリアメタル22、下部電極23、強誘電体膜24それぞれの断面形状は凹形状となり、上部電極25の断面形状は凹形状の強誘電体膜24の凹部を埋めるような断面形状となる。これによりホール21内がほぼ完全に埋め込まれる。また、必要に応じて上部電極25上にバリアメタルを形成してもよい。
次に、図2(b)に示すように、CMPによる研磨またはRIEによるエッチングバック法を用いて、シリコン窒化膜20が露出するまで全面を研磨することにより、バリアメタル22、下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25をホール21内にのみ残す。これにより、ホール21内に下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25からなる強誘電体キャパシタが形成される。そして、強誘電体キャパシタの下部電極23は、バリアメタル22を介してトランジスタのソースまたはドレインである拡散領域15Bと電気的に接続されている。
次に、図2(c)に示すように、全面に層間絶縁膜26を堆積し、続いて、所定のパターンを有するマスクを用いたドライエッチング法により配線溝27、28を形成し、続いて強誘電体キャパシタ上に形成された上記配線溝27内に上部電極25に通じるコンタクトホール29を形成し、この後、600℃の酸素アニールを行ってキャパシタの特性改善を行い、さらに上記配線溝28内にWプラグ19に通じるコンタクトホール30を形成し、その後、バリアメタルとして例えばTiN膜(図示せず)をスパッタリング法で配線溝27、28内及びコンタクトホール29、30内に堆積し、さらにAlのスパッタリング、リフロー法及びCMPにより、コンタクトホール29、30内にAlプラグ31、32を、配線溝27、28内にAl配線33、34をそれぞれ形成する。なお、場合によっては、上記Alプラグ31、32の代わりにWプラグを使用することもある。なお、図2(c)では、Alプラグ31が上部電極25にのみ接続されている状態を示しているが、コンタクトホール29の寸法が大きい場合には、図3に示すようにAlプラグ31を強誘電体膜24上に延在するように形成してもよい。なお、図3ではコンタクトホール29、30の開口径が異なる場合を示しているが、これは同じ開口径であってもよい。
このようにして製造されたFRAMセルでは、スイッチング用のトランジスタのソース、またはドレインとなる拡散領域15Bに対して強誘電体キャパシタの下部電極23を接続する場合に、従来のようなプラグを用いる必要がなく、下部電極23はバリアメタル22を介して拡散領域15Bに電気的に接続される。
ここで、Wや多結晶シリコンよりも酸化が生じにくいシリコンからなる拡散領域15Bの表面がバリアメタル22を介して強誘電体キャパシタの下部電極23に接しているので、強誘電体膜24の形成時に拡散領域15B表面の酸化が抑制できる。
この結果、従来のように、周辺デバイスではWプラグ、FRAMでは多結晶シリコンプラグというようにプラグ材料を異ならせる必要がなくなり、これによって製造工程の簡略化を図ることができる。
しかも、強誘電体キャパシタをホール21内に形成し、下部電極23及び強誘電体膜24それぞれの断面形状を凹形状にしたことにより、強誘電体キャパシタはホール21の側壁及び底面に沿って3次元的に延長される。このため、より小さな面積で大きなキャパシタ面積を確保することができ、セル面積の縮小と強誘電体キャパシタ面積の増加を実現することができる。
なお、上記実施の形態では、強誘電体キャパシタを形成する前に、層間絶縁膜16にコンタクトホール17を開口し、このコンタクトホール17内にWプラグ19を形成する場合について説明した。しかし、Wプラグ19を形成しない場合には強誘電体キャパシタを形成した後、コンタクトホール30を形成する際に、このコンタクトホール30を層間絶縁膜16及び26を通過するように形成した後、このコンタクトホール30を埋めるようにAlプラグ32を形成するようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態の方法について、図4(a)〜(c)の断面図を参照して説明する。
この第2の実施の形態に係る方法において、前記図1(a)から(d)までの工程は先の第1の実施の形態の場合と同じなのでその説明は省略する。次に、ホール21内にバリアメタル22、下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25を堆積するが、その際に、図4(a)に示すようにホール21を完全に埋めず、ホール21内で上部電極25の断面形状が他のバリアメタル22、下部電極23及び強誘電体膜24それぞれと同様に凹形状となるように堆積する。このような埋め込み形状を得るためには、例えばホール21の開口幅を第1の実施の形態の場合よりも広くするか、あるいはバリアメタル22、下部電極23及び強誘電体膜24からなる積層膜全体の膜厚を第1の実施の形態の場合よりも薄くすることにより達成される。
この後は、図4(b)に示すように、CMPにより、シリコン窒化膜20が露出するまで全面を研磨することにより、バリアメタル22、下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25をホール21内にのみ残す。これにより、ホール21内に下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25からなる強誘電体キャパシタが形成される。強誘電体キャパシタの下部電極23は、バリアメタル22を介してトランジスタのソースまたはドレインである拡散領域15Bと電気的に接続されている。
次に、図4(c)に示すように、全面に層間絶縁膜26を堆積し、続いて、所定のパターンを有するマスクを用いたドライエッチング法により配線溝27、28を形成し、続いて強誘電体キャパシタ上に形成された上記配線溝27内に上部電極25に通じるコンタクトホール29を形成し、この後、600℃の酸素アニールを行ってキャパシタの特性改善を行い、さらに上記配線溝28内にWプラグ19に通じるコンタクトホール30を形成し、その後、バリアメタルとして例えばTiN膜(図示せず)をスパッタリング法で配線溝27、28内及びコンタクトホール29、30内に堆積し、さらにAlのスパッタリング、リフロー法及びCMPにより、コンタクトホール29、30内にAlプラグ31、32を、配線溝27、28内にAl配線33、34をそれぞれ形成する。なお、場合によっては、上記Alプラグ31、32の代わりにWプラグを使用することもある。
この実施の形態の場合にも、第1の実施の形態と同様、従来のように、周辺デバイスではWプラグ、FRAMでは多結晶シリコンプラグというようにプラグ材料を異ならせる必要がなくなり、これによって製造工程の簡略化を図ることができると共に、強誘電体キャパシタはホール21の側壁及び底面に沿って3次元的に延長されるため、より小さな面積で大きなキャパシタ面積を確保することができ、セル面積の縮小と強誘電体キャパシタ面積の増加を実現することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態の方法について、図5の断面図を参照して説明する。
この第3の実施の形態による方法では、前記図1(a)から図1(d)の工程と、前記図4(a)の工程までは先の第1、第2の実施の形態と同じなので、その説明は省略する。
先の第2の実施の形態では、図4(a)に示す工程の次に、CMPにより、シリコン窒化膜20が露出するまで全面を研磨していた。しかし、この第3の実施の形態の方法では、図5に示すように、所定のパターンを有するマスクを用いたPEPによりバリアメタル22、下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25をドライエッチング法によりパターニングし、これら4層の膜からなる積層構造がホール21周辺の層間絶縁膜26上まで延在するように、具体的には、図示するように強誘電体キャパシタが接続されている拡散領域15Bを有するトランジスタのゲート電極上まで延在するように積層構造を残している。
この後は、全面に層間絶縁膜26を堆積し、続いて、所定のパターンを有するマスクを用いたドライエッチング法により配線溝27、28を形成し、続いて強誘電体キャパシタ上に形成された上記配線溝27内に上部電極25に通じるコンタクトホール35を形成し、この後、600℃の酸素アニールを行ってキャパシタの特性改善を行い、さらに上記配線溝28内にWプラグ19に通じるコンタクトホール30を形成し、その後、バリアメタルとして例えばTiN膜(図示せず)をスパッタリング法で配線溝27、28内及びコンタクトホール35、30内に堆積し、さらにAlのスパッタリング、リフロー法及びCMPにより、コンタクトホール35、30内にAlプラグ36、32を、配線溝27、28内にAl配線33、34をそれぞれ形成する。なお、場合によっては、上記Alプラグ36、32の代わりにWプラグを使用することもある。
この第3の実施の形態の場合にも、先の第1及び第2の実施の形態の場合と同様の効果が得られる他に、強誘電体キャパシタがホール21周辺の層間絶縁膜26上まで延在するように形成されるので、キャパシタ面積をさらに広くすることができると共に、上部電極25に対してコンタクトホール33を開口する際の形成マージンを高めることができるという効果も得られる。
図6は、上記第3の実施の形態の方法の変形例による一部の工程の断面図である。図5の場合には、コンタクトホール35を、層間絶縁膜26上に位置する上部電極25の一部が露出するように開口し、Alプラグ36を形成していた。これに対し、この変形例による方法では、断面形状が凹形状を有する上部電極25の凹部の位置にコンタクトホール35を開口し、このコンタクトホール35を埋めるようにAlプラグ36を形成している。
図7は、本発明の第4の実施の形態による方法の最終工程付近におけるFRAMセルの断面構造を示している。
上記第1ないし第3の各実施の形態及び変形例の方法では、層間絶縁膜16にコンタクトホール17を開口し、このコンタクトホール17を埋めるようにWプラグ19を形成し、このWプラグ19に接続されるAlプラグ32及びAl配線34を形成する場合について説明したが、この第4の実施の形態では、層間絶縁膜を複数層形成し、各層間絶縁膜内にそれぞれ配線層を形成して配線を多層化するようにしたものである。
すなわち、先の1層目の層間絶縁膜16にWプラグ37及びこのWプラグ37に接続された例えばAl配線38を形成した後、その上に新たに層間絶縁膜39を堆積する。続いて、この層間絶縁膜39に、上記Al配線38に接続されたWプラグ40及びこのWプラグ40に接続された例えばAl配線41を形成する。
上記Wプラグ49とAl配線41を形成した後は層間絶縁膜39上にシリコン窒化膜20を堆積する。そして、この後に、所定のパターンを有するマスクを用いたPEPにより、シリコン窒化膜20、層間絶縁膜39及び層間絶縁膜16に対してホール42を開口し、前記拡散領域15Bを露出させる。続いて、全面にバリアメタル22、下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25を堆積する。この場合、前記図4(a)と同様に、ホール42を完全に埋めず、ホール42内で上部電極25の断面形状が他のバリアメタル22、下部電極23及び強誘電体膜24それぞれと同様に凹形状となるように堆積する。
このような埋め込み形状を得るためには、例えばホール42の開口幅を広くするか、あるいはバリアメタル22、下部電極23及び強誘電体膜24からなる積層膜全体の膜厚を薄くすることにより達成される。
続いて、所定のパターンを有するマスクを用いたPEPにより、バリアメタル22、下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25からなる積層膜をドライエッチング法によりパターニングする。このパターニングの際に、本例ではバリアメタル22、下部電極23及び強誘電体膜24からなる積層膜がホール42周辺の層間絶縁膜39上まで延在するように、具体的には、図示するように強誘電体キャパシタが接続される拡散領域15Bを有するトランジスタのゲート電極上まで延在するように積層構造を残す。
この後は、全面に層間絶縁膜26を堆積し、続いて、所定のパターンを有するマスクを用いたドライエッチング法により配線溝27、28を形成し、続いて強誘電体キャパシタ上に形成された上記配線溝27内に上部電極25に通じるコンタクトホール35を形成し、この後、600℃の酸素アニールを行ってキャパシタの特性改善を行い、さらに上記配線溝28内にAl配線41に通じるコンタクトホール30を形成し、その後、バリアメタルとして例えばTiN膜(図示せず)をスパッタリング法で配線溝27、28内及びコンタクトホール35、30内に堆積し、さらにAlのスパッタリング、リフロー法及びCMPにより、コンタクトホール35、30内にAlプラグ36、32を、配線溝27、28内にAl配線33、34をそれぞれ形成する。なお、場合によっては、上記Alプラグ36、32の代わりにWプラグを使用することもある。
このように本実施の形態では、層間絶縁膜内に多層配線を形成する場合に、多層配線を形成した後に、強誘電体キャパシタを構成するバリアメタル22、下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25の堆積及びパターニングを行って強誘電体キャパシタを形成するようにしている。このため、多層配線を形成する際のプロセスダメージが強誘電体キャパシタに加わらないようにできるという効果がさらに得られる。
図8は、上記第4の実施の形態の方法の変形例による最終工程付近のFRAMセルの断面構造を示している。図7の場合には、強誘電体キャパシタが接続される拡散領域15Bを有するトランジスタのゲート電極上まで延在するように、バリアメタル22、下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25からなる積層膜を残していた。これに対し、この変形例の場合には、CMPによって積層膜をホール42内部にのみ残すようにしている。
さらに図7の場合には、コンタクトホール35を層間絶縁膜26上に位置する上部電極25の一部が露出するように開口し、Alプラグ36を形成していた。これに対し、この変形例による方法では、断面形状が凹形状を有する上部電極25の凹部の位置にコンタクトホール35を開口し、このコンタクトホール35を埋めるようにAlプラグ36を形成している。
図9は、本発明の第5の実施の形態の方法における断面図を示している。
この第5の実施の形態の方法は、先の第4の実施の形態の方法と同様に、層間絶縁膜内に多層配線を形成するようにしたものであるが、第4の実施の形態とは以下の点で異なっている。すなわち、層間絶縁膜39及び層間絶縁膜16に対してホール42を開口した後にバリアメタル22、下部電極23、強誘電体膜24及び上部電極25を堆積する際に、前記第1の実施の形態による方法の場合と同様に、ホール42を完全に埋めるようにしている。
この後は、図4(c)の工程の場合と同様に、全面に層間絶縁膜26を堆積し、続いて、所定のパターンを有するマスクを用いたドライエッチング法により配線溝27、28を形成し、続いて強誘電体キャパシタ上に形成された上記配線溝27内に上部電極25に通じるコンタクトホール35を形成し、この後、600℃の酸素アニールを行ってキャパシタの特性改善を行い、さらに上記配線溝28内にAl配線41に通じるコンタクトホール30を形成し、その後、バリアメタルとして例えばTiN膜(図示せず)をスパッタリング法で配線溝27、28内及びコンタクトホール35、30内に堆積し、さらにAlのスパッタリング、リフロー法及びCMPにより、コンタクトホール35、30内にAlプラグ36、32を、配線溝27、28内にAl配線33、34をそれぞれ形成する。なお、場合によっては、上記Alプラグ36、32の代わりにWプラグを使用することもある。
この第5の実施の形態の方法においても、多層配線を形成する際のプロセスダメージが強誘電体キャパシタに加わらないようにできるという効果がさらに得られる。
次に、本発明をCFRAMに実施した場合の種々の実施の形態について説明する。
図10(a)、(b)は本発明をCFRAMの製造方法に実施した、本発明の第6の実施の形態による方法の一部の工程を示す断面図である。
まず、図10(a)に示すようにシリコン半導体基板51上にゲート絶縁膜52を介して複数のゲート電極53を形成し、基板51の表面領域にトランジスタのソース、ドレインとなる3つの拡散領域54A、54B、54Cを含む複数の拡散領域を互いに分離して形成する。ここで、3つの拡散領域のうち、拡散領域54Aと54Bの平面積が広く、拡散領域54Cの平面積が狭くなるように形成する。
ここで、図中の複数のトランジスタは、隣接するトランジスタで拡散領域を共有する状態で直列接続されている。
続いて、全面に層間絶縁膜55及びシリコン窒化膜56を堆積した後、所定のパターンを有するマスクを用いたPEPにより層間絶縁膜55及びシリコン窒化膜56をエッチングして、拡散領域54Aが露出するような2つのホール57A、57Bを開口し、かつ拡散領域54Bが露出するような2つのホール57C、57Dを開口する。
次に、上記ホール57A、57B、57C、57Dの内部を含む全面に、CVD法等により、バリアメタル58、下部電極59、強誘電体膜60及び上部電極61を順次堆積する。バリアメタル58としては例えばTixAlyzが用いられるが、その他に例えばTixNy,Ti/TixAlyNz,Ti/TixNy,WxNyを代表とするTiの膜もしくは積層膜で構成することもできる。下部電極59としては例えば1層のIrOx膜が用いられるが、その他にRu,Ti,Al,Pt,Sr,Re,Mg,La及びCaのうち少なくともいずれか1つの金属を含む1層の膜あるいは異なる金属を含む複数層の膜で構成することができる。強誘電体膜60としては例えばSBTが用いられるが、その他にPZT,BTや層状ペロブスカイト構造のSTB,BTOで構成することもできる。さらに、上部電極61として、下部電極58と同様に例えば1層のIrOx膜が用いられるが、その他にRu,Ti,Al,Pt,Sr,Re,Mg,La及びCaのうち少なくともいずれか1つの金属を含む1層の膜あるいは異なる金属を含む複数層の膜で構成することができる。
また、これらバリアメタル58、下部電極59、強誘電体膜60及び上部電極61を堆積する際に、図10(b)に示すように、各コンタクトホール内においてこれら各層の断面形状がそれぞれ凹形状となるように堆積する。また、必要に応じて上部電極61上にバリアメタルを形成してもよい。
続いて、CMPによる研磨またはRIEによるエッチングバック法により、シリコン窒化膜56が露出するまで全面を研磨することにより、バリアメタル58、下部電極59、強誘電体膜60及び上部電極61をホール57A、57B、57C、57D内にのみ残す。これにより、拡散領域54A上に形成された2つのホール57A、57B内及び拡散領域54B上に形成された2つのホール57C、57D内には、下部電極59、強誘電体膜60及び上部電極61からなる強誘電体キャパシタ62A、62B、62C、62Dが形成される。
この後は、全面に層間絶縁膜63を堆積し、先に説明したようにPEP、Alのスパッタリング法、リフロー及びCMP等を用いて、強誘電体キャパシタ62Aの上部電極と電気的に接続されたAlプラグ64A、強誘電体キャパシタ62Bの上部電極と電気的に接続されたAlプラグ64B、拡散領域54Cと電気的に接続されたAlプラグ64C、強誘電体キャパシタ62Cの上部電極と電気的に接続されたAlプラグ64D、強誘電体キャパシタ62Dの上部電極と電気的に接続されたAlプラグ64E、プラグ64Aと接続されたAl配線65A、プラグ64Bと64C及び64D相互を接続するAl配線65B、プラグ64Eと接続されたAl配線65Cを形成する。
ここで、拡散領域54A、54Cをソース、ドレインとして有するトランジスタのソース、ドレイン間には、プラグ64B及び64Cと配線65Bとを介して強誘電体キャパシタ62Bが並列接続され、拡散領域54C、54Bをソース、ドレインとして有するトランジスタのソース、ドレイン間には、プラグ64C及び64Dと配線65Bとを介して強誘電体キャパシタ62Cが並列接続される。さらに一部のみ図示しているが、拡散領域54Aをソース、ドレインの一方として有するトランジスタのソース、ドレイン間には、プラグ64Aと配線65Aとを介して強誘電体キャパシタ62Aが並列接続され、拡散領域54Bをソース、ドレインの一方として有するトランジスタのソース、ドレイン間には、プラグ64Eと配線65Cとを介して強誘電体キャパシタ62Dが並列接続されている。
先に説明したように、CFRAMでは1つのトランジスタに1つの強誘電体キャパシタを並列接続したメモリセルが複数個直列接続されており、図10(b)に示すものは正にこのような構造になっている。
図11及び図12は、本発明の第7、第8の実施の形態によるCFRAMのセル構造を示す断面図である。この両実施の形態のCFRAMは、上記第6の実施の形態のCFRAMに対し、前記第4の実施の形態の場合と同様に、層間絶縁膜内に多層配線を形成するようにしたものである。なお、図11及び図12において、66は2層目の層間絶縁膜、67及び68はこの2層目の層間絶縁膜66に形成されたAlプラグ及びAl配線、69は3層目の層間絶縁膜である。
また、図11に示す第7の実施の形態によるCFRAMは、バリアメタル58、下部電極59、強誘電体膜60及び上部電極61からなる各強誘電体キャパシタのバリアメタル58、下部電極59、強誘電体膜60及び上部電極61の断面形状がそれぞれ凹部形状を有しており、上部電極61の凹部を埋めるように前記プラグ64A、64B、64D及び64Eが形成されている例であり、図12に示す第8の実施の形態によるCFRAMは、バリアメタル58、下部電極59、強誘電体膜60及び上部電極61からなる各強誘電体キャパシタのバリアメタル58、下部電極59及び強誘電体膜60の断面形状がそれぞれ凹部形状を有しており、上部電極61は強誘電体膜60の凹部を埋めるような断面形状で形成され、かつ前記Alプラグ64A、64B、64D及び64Eが各上部電極61上に形成されている例である。
図13は、図11及びは図12のCFRAMのパターン平面図であり、直列接続された2ブロック分のCFRAMセルを示している。なお、図13中、バリアメタル58は図示を省略している。
図10(b)、図11及び図12に示すような構造のCFRAMセルは、拡散領域54A、54C上の層間絶縁膜に開口されたホール57A、57B、57C、57D内に強誘電体キャパシタが形成され、Wや多結晶シリコンよりも酸化が生じにくいシリコンからなる拡散領域の表面がバリアメタル58を介して強誘電体キャパシタの下部電極59に接しているので、強誘電体膜の形成時に拡散領域表面の酸化が抑制できる。
また、強誘電体キャパシタは各コンタクトホールの側壁及び底面に沿って3次元的に延長される。このため、より小さな面積で大きなキャパシタ面積を確保することができ、セル面積の縮小と強誘電体キャパシタ面積の増加を実現することができる。
本発明の第1の実施の形態の方法によって製造されるFRAMセルの断面構造を工程順に示す図。 図1に続く工程の断面図。 本発明の第1の実施の形態の変形例によるFRAMセルの断面構造を示す図。 本発明の第2の実施の形態の方法によって製造されるFRAMセルの断面構造を工程順に示す図。 本発明の第3の実施の形態の方法によって製造されるFRAMセルの最終工程付近の断面構造を示す図。 上記第3の実施の形態の方法の変形例による一部の工程の断面図。 本発明の第4の実施の形態による方法の最終工程付近におけるFRAMセルの断面構造を示す図。 上記第4の実施の形態の方法の変形例による最終工程付近のFRAMセルの断面構造を示す図。 本発明の第5の実施の形態の方法における断面図。 本発明をCFRAMの製造方法に実施した本発明の第6の実施の形態による方法の一部の工程を示す断面図。 本発明の第7の実施の形態によるCFRAMのセル構造を示す断面図。 本発明の第8の実施の形態によるCFRAMのセル構造を示す断面図。 図11及び図12のCFRAMの平面図。 従来のFRAMのメモリセルの断面構造を示す図。
符号の説明
11…シリコン半導体基板、12…STI(Shallow Trench Isolation)領域、13…ゲート絶縁膜、14…ゲート電極、15、15A、15B…拡散領域、16…層間絶縁膜、17…コンタクトホール、18…TiN膜、19…Wプラグ、20…シリコン窒化膜、21…ホール、22…バリアメタル、23…下部電極、24…強誘電体膜、25…上部電極、26…層間絶縁膜、27、28…配線溝、29、30…コンタクトホール、31、32…Alプラグ、33、34…Al配線、35…コンタクトホール、36…Alプラグ、37…Wプラグ、38…Al配線、39…層間絶縁膜、40…Wプラグ、41…Al配線、42…ホール、51…シリコン半導体基板、52…ゲート絶縁膜、53…ゲート電極、54A、54B、54C…拡散領域、55…層間絶縁膜、56…シリコン窒化膜、57A、57B、57C、57D…ホール、58…バリアメタル、59…下部電極、60…強誘電体膜、61…上部電極、62A、62B、62C、62D…強誘電体キャパシタ、63…層間絶縁膜、64A、64B、64C、64D、64E…Alプラグ、65A、65B、65C…Al配線、66…層間絶縁膜、67…Wプラグ、68…Al配線、69…層間絶縁膜。

Claims (1)

  1. シリコン半導体基板の表面領域に拡散領域を形成する工程と、
    全面に層間絶縁膜を堆積する第1の工程とこの工程で堆積された層間絶縁膜中に配線を形成する第2の工程とを少なくとも2回繰り返して多層配線を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜に開口部を形成して前記拡散領域の表面を露出させる工程と、
    前記開口部内に第1の電極、強誘電体膜及び第2の電極を順次堆積して強誘電体キャパシタを形成する工程と
    を具備したことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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