JP2008045119A - エレクトロニクス材料製造工程用薬剤 - Google Patents

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Kazumichi Suzuki
一充 鈴木
Satoru Yamakawa
悟 山川
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Abstract

【課題】 アルカリ金属原子含量および未反応の活性水素原子含有化合物含量が少ない、リンス性に優れたポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤を含有してなるエレクトロニクス材料製造工程用薬剤を提供する。
【解決手段】 活性水素原子含有化合物(a)に一般式(1)で示される第4級アンモニウム水酸化物(b)を触媒としてアルキレンオキシド(c)を付加して得られるポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤(Z)を含有してなるエレクトロニクス材料製造工程用薬剤である。
【化5】
Figure 2008045119

式中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜18の炭化水素基を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は特定の製造方法によって得られた非イオン性界面活性剤を含むエレクトロニクス材料製造工程用薬剤、特に洗浄剤に関する。
近年、エレクトロニクス材料の製造工程においては、超LSIなどに代表される微細加工技術の進歩につれて、基板上に残存する微量の不純物(金属や金属などの無機物およびレジスト樹脂などの有機物のパーティクル、洗浄剤中の不純物)がデバイスの性能や歩留まりに大きく影響するため、不純物の管理が極めて重要になっており高度な洗浄技術の確立が急務となっている。また、レジストなどの現像においても不純物の管理が重要になってきている。
これらのエレクトロニクス材料製造工程用薬剤、特に洗浄剤や現像液に用いられる界面活性剤としては、分子構造に金属を含まないことから非イオン性界面活性剤、特にポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤が好んで使用されてきた。しかし、エレクトロニクス材料製造工程薬剤に使用される従来のこれらの非イオン性界面活性剤はアルカリ金属を触媒残渣として含むものであるため、そのまま使用すると基板表面にこれらのアルカリ金属イオンが残存しやすく、残存する金属イオンを除去するために長時間のリンス工程が必要になるといった問題や、非イオン性界面活性剤の原料である微量の活性水素含有化合物が基板上に残存し、洗浄後の基板の信頼性を損なうといった問題があった。
アルカリ金属イオンが残存するという問題の対策として、ポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤中から金属を精製・除去する方法が提案されてきた。金属除去の方法としては、非金属有機塩基水溶液や有機酸水溶液と混合し、液相分離する方法(例えば特許文献1、特許文献2)や、イオン交換樹脂と機能性フィルターを用いる方法(特許文献3)が報告されている。しかし液相分離する方法では、振とう後、分離するまでに長時間必要であること、塩基や酸を用いて生成するため精製後の廃液処理コストがかかるといった問題があった。
さらに、ポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤は、通常、アルキレンオキシドの付加モル数に分布を持っており、それらは溶解度などの物理的性状がことなっているため、精製前後で組成および物理的性状が変化してしまうという問題があった。また、イオン交換樹脂や機能性フィルターを用いて金属を除去する方法では、十分に金属含量を除去することができないこと、また高価なイオン交換樹脂やフィルターを使用するコスト上の問題や、再生して繰り返し用するための洗浄や、定期的なフィルターの交換といった煩雑な工程が必要になり生産性に問題があるといった問題があった。
特開平11−256185号公報 特開2001−48977号公報 特開2005−213200号公報
また比較的疎水性の高い活性水素原子含有化合物とアルカリ金属触媒を用いた方法では、反応後に原料として用いた活性水素原子含有化合物が残存し易いため、得られた非イオン性界面活性剤を含むエレクトロニクス材料製造工程用薬剤を特に洗浄剤として使用した場合、洗浄後の基板上に未反応アルコール等の活性水素原子含有化合物が多く残存し易く、信頼性に悪影響を及ぼすという問題があった。
従って、本発明の目的とするところは、アルカリ金属原子含量および未反応の活性水素
原子含有化合物含量が少なく、リンス性に優れたポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤を含有してなるエレクトロニクス材料製造工程用薬剤を提供することである。
本発明者等は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、活性水素原子含有化合物(a)に一般式(1)で示される第4級アンモニウム水酸化物(b)を触媒としてアルキレンオキシド(c)を付加する工程を含む製造方法で得られるポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤(Z)を含有してなるエレクトロニクス材料製造工程用薬剤であって、該(Z)の重量に基づく未反応の活性水素原子含有化合物(a)の残存量が1.0重量%以下であるエレクトロニクス材料製造工程用薬剤;活性水素原子含有化合物(a)に一般式(1)で示される第4級アンモニウム水酸化物(b)を触媒としてアルキレンオキシド(c)を付加する工程を含む製造方法で得られ、未反応の活性水素原子含有化合物(a)の残存量が1.0重量%以下であるポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤(Z)の製造方法であって、アルキレンオキサイド(c)を付加する工程の温度が95℃〜130℃であり、その後120℃〜180℃で減圧下に加熱して第4級アンモニウム水酸化物(b)を分解及び除去する工程を含む、エレクトロニクス材料製造工程用薬剤に使用されるポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤(Z)の製造方法;並びに、該エレクトロニクス材料製造工程用薬剤を用いて、超音波洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、ブラシ洗浄、浸漬洗浄、浸漬揺動洗浄および枚葉式洗浄からなる群より選ばれる少なくとも1種の洗浄方法によって洗浄する工程を含むエレクトロニクス材料の製造方法;である。
Figure 2008045119
式中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜18の炭化水素基を表す。
本発明のポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤を含有してなるエレクトロニクス材料製造工程用薬剤は、アルカリ金属原子および疎水性の活性水素原子含有化合物含量が少ないため、リンス性に優れるといった特徴を有する。
本発明におけるポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤(Z)は、活性水素原子含有化合物(a)に第4級アンモニウム水酸化物(b)を触媒としてアルキレンオキシドを付加する工程を含む製造方法で得られる。
(Z)中の未反応の活性水素原子含有化合物(a)の残存量は、リンス性の観点から少ないほど好ましく、該(Z)の重量に基づいて、通常1.0重量%以下、デバイスの信頼性の観点から、好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.1%以下(以下において、特に限定しない限り%は重量%を表す)、特に好ましくは500ppm以下、とりわけ好ましくは300ppm以下である。
本発明においては、触媒として第4級アンモニウム水酸化物(b)を使用するために、(a)に対するアルキレンオキシド(c)の反応性が高くなり、アルカリ金属触媒を使用した場合に比較して(a)の残存量が少なくなる傾向にある。
(a)の含有量が1.0%を以下であると、リンス後の基板表面に(a)が残存しにくく、デバイスの信頼性に悪影響を及ぼすといった問題が発生しにくい。
特に(a)のうちで疎水性が強いもの、例えば炭素数5〜18の飽和脂肪族炭化水素系
1価アルコール、炭素数6〜24のフェノール性水酸基含有化合物、およびアルキル基の炭素数6〜20のモノもしくはジアルキルアミンは、(Z)の重量に基づいて、好ましくは0.5%以下であり、デバイスの信頼性の観点から、さらに好ましくは0.05%以下、特に好ましくは300ppm以下、とりわけ好ましくは200ppm以下である。
活性水素原子含有化合物(a)は、好ましくは1〜10個の活性水素原子を含有する化合物であり、より好ましくは1〜6個の活性水素を含有する化合物であり、特に好ましくは1〜3個の活性水素を含有する化合物である。
活性水素原子含有化合物(a)としては、水(a1)、アルコール(a2)、フェノール性水酸基含有化合物(a3)、1級もしくは2級アミノ基含有化合物(a4)、カルボキシル基含有化合物(a5)、チオール基含有化合物(a6)、リン酸化合物(a7)および繰り返し単位を有する数平均分子量1,000以下のポリオールオリゴマー(a8)などが挙げられる。
アルコール(a2)としては、1価アルコール、2価アルコールおよび3〜8価アルコールが挙げられる。
1価アルコールとしては;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリルアルコールおよびステアリルアルコール等の炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐の飽和脂肪族炭化水素系1価アルコール;アリルアルコール、メタリルアルコールおよびオレイルアルコール等の炭素数3〜22の直鎖もしくは分岐の不飽和脂肪族炭化水素系1価アルコール;並びに、エチレングリコールモノブチルエーテル、およびジエチレングリコールモノラウリルエーテル等のグリコールモノアルキルエーテル;などが挙げられる。
2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼンおよび2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
3〜8価アルコールとしては、グリセリンおよびトリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトースおよびショ糖等の4〜8価のアルコール等が挙げられる。
フェノール性水酸基含有化合物(a3)としては、炭素数6〜50のフェノール性水酸基含有化合物が挙げられ、例えばフェノール、クレゾールおよびクミルフェノール等の1価のフェノール;ピロガロール、カテコール、ヒドロキノンおよびノボラック等の2〜10価の多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等のビスフェノール類が挙げられる。
1級もしくは2級アミノ基含有化合物(a4)のうちの1級アミノ基含有化合物としては、少なくとも1個の1級アミノ基を有する化合物が挙げられ、例えば、アンモニア;アルキル基の炭素数1〜20のモノアルキルアミン(モノブチルアミン、モノオクチルアミンおよびモノドデシルアミン等)およびアニリン等のモノアミン;エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよびジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;ピペラジンおよびN−アミノエチルピペラジン等の複素環式ポリアミン;ジシ
クロヘキシルメタンジアミンおよびイソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジフェニルエーテルジアミンおよびポリフェニルメタンポリアミン等の芳香族ポリアミン;モノエタノールアミンなどのモノアルカノールアミン;ジカルボン酸と過剰のポリアミン類との縮合により得られるポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリアミン;ヒドラジン類(ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド類(コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジッド、イソフタル酸ジヒドラジッドおよびテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン類(ブチルグアニジンおよび1−シアノグアニジン等);ジシアンジアミド等;並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
2級アミノ基含有化合物としては、1級アミノ基を含有せず1個以上の2級アミノ基を有する化合物が挙げられ、例えば、アルキル基の炭素数1〜20のジアルキルアミン(ジブチルアミン、ジオクチルアミンおよびジドデシルアミンなど)およびジエタノールアミンなどのジアルカノールアミンが挙げられる。
カルボキシル基含有化合物(a5)としては;炭素数1〜22のカルボン酸、例えば蟻酸、酢酸、コハク酸およびアジピン酸等の脂肪族カルボン酸、並びに安息香酸、フタル酸、テレフタル酸およびトリメリット酸等の芳香族カルボン酸;並びに、アクリル酸の(共)重合物等のポリカルボン酸重合体(カルボキシル基の数2〜100);等が挙げられる。
チオール基含有化合物(a6)としては、炭素数2〜22の1〜8価のチオールが挙げられる。具体的にはエタンチオール、プロパンチオール、エチレンジチオール、プロピレンジチオール、1,3−ブチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1、6−ヘキサンジチオールおよび3−メチルペンタンジチオール等が挙げられる。
リン酸化合物(a7)としては燐酸、亜燐酸およびホスホン酸等が挙げられる。
繰り返し単位を有する数平均分子量1,000以下のポリオールオリゴマー(a8)としては、ポリブタジエンポリオール、ひまし油系ポリオール、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体、およびポリビニルアルコール等の多官能(例えば水酸基の数2〜50)ポリオール等が挙げられる。
活性水素原子含有化合物(a)のうち好ましいのは、洗浄力の観点から、アルコール(a2)、フェノール性水酸基含有化合物(a3)並びに1級および2級アミノ基含有化合物(a4)であり、より好ましいのは、1価および2価のアルコール、炭素数6〜50のフェノール性水酸基含有化合物、並びにアルキル基の炭素数1〜20のモノアルキルアミンおよびジアルキルアミンであり、特に好ましいのは、洗浄力の観点から炭素数5〜18の飽和脂肪族炭化水素系1価アルコール、炭素数6〜24のフェノール性水酸基含有化合物、およびアルキル基の炭素数6〜20のモノもしくはジアルキルアミンであり、最も好ましいのは、炭素数8〜10の飽和脂肪族炭化水素系1価アルコール、炭素数6〜18のフェノール性水酸基含有化合物、およびアルキル基の炭素数8〜18のモノアルキルアミンである。
アルキレンオキシドを付加する工程における触媒としては、一般式(1)で示される第4級アンモニウム水酸化物(b)が使用される。
Figure 2008045119
式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ炭素数1〜18の炭化水素基を表す。
炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基および炭素数7〜18のアリールアルキル基が挙げられる。
炭素数1〜18のアルキル基としては、直鎖もしくは分岐のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルおよびオクタデシル基などが挙げられる。
炭素数2〜18のアルケニル基としては、ビニル、アリル、メタリル、プロペニル、辺手ニル、オクテニル、ドデセニルおよびオクタデセニル基などが挙げられる。
炭素数6〜24のアリール基としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチルおよびメチルナフチルなどが挙げられる。
炭素数7〜24のアリールアルキル基としては、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、7−フェニルヘプチル、8−フェニルオクチル、10−フェニルデシル、12−フェニルドデシル、ナフチルメチルおよびナフチルエチルなどが挙げられる。
1〜R4のうちで好ましいのは、炭素数1〜18のアルキル基、さらに好ましいのは炭素数1〜8、特に1〜4のアルキル基、とりわけメチル基である。
1〜R4のいずれもが炭素数1〜4のアルキル基であると、後述のように、アルキレンオキシド付加する工程の後に第4級アンモニウム水酸化物(b)を加熱して分解・除去する工程を行う場合に、分解・除去し易いので好ましい。
活性水素含有化合物(a)に付加させるアルキレンオキシド(c)としては、炭素数2〜12のアルキレンオキシド、例えば、エチレンオキシド(以下EOと略称する)、1,2−プロピレンオキシド(以下POと略称する)、1,2−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、シクロヘキシレンオキシド、シクロヘキシルエチレンオキシド、スチレンオキシド、1,2−ヘキシレンオキシド、1,2−ドデセンオキシド、1,2−ラウリレンオキシド、及びこれらのハロ置換体(エピクロルヒドリン等)、ジオキサン、オキセタン、ジメチルオキセタン、テトラヒドロフラン並びに3―メチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。(c)は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち洗浄力の観点から好ましいのは、EO、PO、BO及びTHFであり、より好ましいのはEOおよびPO、並びにこれらの併用である。
本発明におけるポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤のうち、好ましいのは活性水素原子含有化合物(a)が、炭素数5〜18の飽和脂肪族炭化水素系1価アルコール、炭素数6〜24のフェノール性水酸基含有化合物、およびアルキル基の炭素数6〜20のモノもしくはジアルキルアミンであり、アルキレンオキシド(c)がエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキシドである非イオン性界面活性剤である。
本発明の非イオン性界面活性剤(Z)の製造方法は、活性水素原子含有化合物(a)に一般式(1)で示される第4級アンモニウム水酸化物(b)を触媒としてアルキレンオキシド(c)を付加する工程を必須とする。
活性水素原子含有化合物(a)に対するアルキレンオキシド(c)の仕込みモル比は、(a)の種類と(c)の種類によって種々選択されるが、(Z)が界面活性を示し、優れた洗浄性を有するという観点から、好ましくは(a)1モルに対し(c)4〜16モル、さらに好ましくは5〜15モルである。
また、(a)の活性水素原子1当量当たりの(c)の仕込み当量比は、上記と同様の観点から、好ましくは(a)の活性水素原子1当量に対して(c)が4〜16当量、さらに好ましくは5〜12当量である。
第4級アンモニウム水酸化物(b)の使用量は、得られる(Z)に対して好ましくは0.01〜1.0重量%であり、より好ましくは0.05〜0.2重量%である。
(c)を付加させる際の反応温度は、反応が完結するまで触媒の大部分が分解されないような温度で行われ、好ましくは95℃〜130℃であり、より好ましくは98℃〜120℃であり、特に好ましくは100〜110℃である。反応圧力は好ましくは−0.1〜0.5MPaである。反応時間は好ましくは2〜15時間であり、より好ましくは3〜10時間である。第4級アンモニウム水酸化物(b)を触媒に用いた場合、従来の製法であるアルカリ金属水酸化物を触媒として用いた場合に比べ、比較的低温で反応が進行するため反応時に起こる副反応が少ないといった特長がある。
本発明における(Z)の製造方法は、アルキレンオキシド(c)を付加する工程の後に、さらに触媒として使用した第4級アンモニウム水酸化物(b)を分解および除去する工程を含むことが好ましい。
分解の温度は、触媒が速やかに分解される温度で行われ、好ましくは120℃〜180℃であり、より好ましくは130℃〜170℃である。120℃未満では触媒の分解が遅いため留去に時間がかかり、180℃以上では着色や臭気などが問題となる。分解のための加熱時間は、通常1〜24時間、好ましくは2〜12時間である。
留去による除去は常圧もしくは減圧で行われるが、減圧下で行うのが好ましい。
第4級アンモニウム水酸化物(b)が分解および除去された(Z)は、アルカリ性である(b)を含有しないので中性であり、金属に対する腐食性などが無く、アルミや樹脂などアルカリ性で容易に腐食する材料が表面にあるエレクトロニクス材料製造工程用薬剤に用いる場合に好ましい。
本発明の(Z)中の第4級アンモニウム水酸化物(b)の残存量は、リンス性の観点から、(Z)の重量に基づいて、500ppm以下が好ましく、より好ましくは200ppm、特に好ましくは100ppm以下である。
(b)の残存量の測定方法としては、公知の方法、例えばイオンクロマト法が利用できる。
本発明における非イオン性界面活性剤(Z)は、従来のアルカリ金属水酸化物などのアルカリ金属化合物を使用しないので、生成物中には実質的にアルカリ金属原子を含有しない。
ただし、活性水素原子含有化合物(a)および/または第4級アンモニウム水酸化物(b)のそれぞれの製造工程において、微量のアルカリ金属原子が混入または残存する場合があるので、(Z)中に微量のアルカリ金属原子を含むこともあり、リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属原子の総含有量は、(Z)の重量に基づいて、通常5ppm以下であり、デバイスの信頼性の観点から、好ましくは3ppm以下、より好ましくは1ppm以下、特に好ましくは0.3ppm以下である。これらのアルカリ金属の総含有量が5ppmを越えると、リンス後の基板表面にこれらのアルカリ金属が残存し、デバイスの信頼性に悪影響を及ぼすといった問題がある。なお、金属含量の測定方法としては、公知の方法、例えば原子吸光法、ICP法、ICP質量分析法が利用できる。
また本発明における非イオン性界面活性剤(Z)は、上記金属以外のその他の金属含量も少ない方がより好ましい。その他の金属としては、Al、Ca、Cu、Fe、Mg、Mn、Ni、CrおよびZnなどが挙げられる。その他の金属の含有量としては、(Z)の重量に基づいて、それぞれ10ppm以下が好ましく、より好ましくは1ppm以下、特に好ましくは0.1ppm以下である。これらの金属含量の測定方法としては、上述した方法が使用できる。
本発明の(Z)の曇点は、洗浄力の観点から、2重量%濃度において、10℃以上が好ましく、より好ましくは20〜90℃、特に好ましくは40〜70℃である。
本発明のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤は、非イオン性界面活性剤(Z)そのものであってもよいが、さらに(Z)の他に、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を含有していてもよい。
本発明のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤は、該薬剤の重量中に少なくとも0.1重量%、好ましくは0.2〜50重量%、さらに好ましくは0.2〜30重量%の上記の非イオン性界面活性剤を含有する。
本発明のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤としては、洗浄剤、現像液、剥離液、メッキ液、研磨剤および粘着材などが挙げられる。これらの中で特に洗浄剤として好適に用いることができる。
本発明のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤に含まれる、その他の成分(X)としては、水(X1)、水溶性有機溶剤(X2)、(Z)以外の界面活性剤(X3)、アルカリ成分(X4)、酸化防止剤(X5)、キレート剤(X6)、防錆剤(X7)、pH調整剤(X8)、緩衝剤(X9)、消泡剤(X10)および還元剤(X11)などが挙げられる。
水(X1)としては、水道水、工業用水、地下水、蒸留水、イオン交換水及び超純水などが挙げられる。これらのうち、イオン交換水または超純水が好ましい。
水溶性有機溶剤(X2)としては、20℃における水に対する溶解度(g/100gH2O)が3以上、好ましくは10以上の有機溶剤が挙げられる。
例えば、スルホキシド(ジメチルスルホキシド、スルホランなど)、スルホン(ジメチルスルホンなど);アミド(N,N−ジメチルホルムアミドなど)、ラクタム(N−メチル−2−ピロリドンなど)、ラクトン(β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトンなど)、アルコール(メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ルなど)、グリコールおよびグリコールエーテル(エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、オキサゾリジノン(N−メチル−2−オキサゾリジノンなど)、ニトリル(アセトニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリルなど)、カーボネート(エチレンカーボネート、プロピオンカーボネートなど)、ケトン(アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなど)および環状エーテル(テトラヒドロフランなど)などが挙げられる。
(Z)以外の界面活性剤(X3)としては、アニオン性界面活性剤(スルホン酸系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸系界面活性剤およびポリカルボン酸型界面活性剤など)、カチオン界面活性剤(アミン系界面活性剤および4級アンモニウム塩型界面活性剤など)および両性界面活性剤(アミノ酸型およびベタイン型界面活性剤など)が挙げられる。
これらのうち、パーティクル洗浄性の観点から好ましいのはアニオン性界面活性剤である。なお、アニオン性界面活性剤の対カチオンは金属イオンではなくアミン塩が好ましい。
アルカリ成分(X4)としては、第4級アンモニウム水酸化物(例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド)などが挙げられる。
酸化防止剤(X5)としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系化合物およびリン系酸化防止剤などが挙げられる。
キレート剤(X6)としては、アミノポリカルボン酸塩{エチレンジアミンテトラ酢酸塩(EDTA)およびヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩(HEDTA)、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸塩(DHEDDA)、ニトリロ酸酢酸塩(NTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸塩(HIDA)等}、その他カルボン酸塩(マレイン酸誘導体、シュウ酸塩等)、有機カルボン酸(塩)ポリマー{アクリル酸重合体および共重合体等}等が挙げられる。
防錆剤(X7)としては、ベンゾトリアゾール、炭素数2〜10の炭化水素基を有するベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、炭素数2〜20炭化水素基を有するイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールなどの含窒素有機防錆剤;ドデセニルコハク酸ハーフエステル、オクタデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸アミドなどのアルキルまたはアルケニルコハク酸;ソルビタンモノオレエート、グリセリンモノオレエートなどの多価アルコール部分エステル等を挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
pH調整剤(X8)としては、塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸ならびにモノエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、アンモニアなどの水溶性アミン等、金属イオンなどの不純物を実質的に含まないものが挙げられる。
緩衝剤(X9)としては、緩衝作用を有する有機酸または無機酸および/またはそれらの塩を用いることができる。有機酸としては、酢酸、ギ酸、グルコン酸、グリコール酸、酒石酸などを挙げることができ、無機酸としては、例えばリン酸、ホウ酸などを挙げることができる。また、これらの酸の塩としては、アミン塩などが挙げられる。
消泡剤(X10)としては、シリコーン消泡剤{ジメチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテルシリコーンなどを構成成分とする消泡剤など}などが挙げられる。
還元剤(X11)としては、亜硫酸塩(例えば、亜硫酸アンモニウムなど)、チオ硫酸塩(例えば、チオ硫酸アンモニウムなど)、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなど)、リン系還元剤(例えば、トリス-2-カルボキシエチルホスフィンなど)、その他の有機系還元剤(例えば、ギ酸、シュウ酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、没食子酸、ヒドロキシルアミン、カテコール、ピロガロール、ハイドロキノン、メトール、アミドール、ヒドラジンなど)およびそれらの誘導体などがあげられる。
エレクトロニクス材料製造工程用薬剤に含まれる、その他の成分(X)の含有量の好ましい範囲は以下の通りである。
水(X1)は好ましくは0〜90重量%、さらに好ましくは20〜85重量%、特に好ましくは50〜80重量%である。
水溶性有機溶剤(X2)は、0〜90重量%、である。
(Z)以外の界面活性剤(X3)は0〜30重量%、さらに好ましくは0.0001〜20重量% である。
アルカリ成分(X4)は0〜10が好ましく、より好ましくは0.5〜5である。
酸化防止剤(X5)、キレート剤(X6)、防錆剤(X7)、pH調整剤(X8)、緩衝剤(X9)、消泡剤(x10)および還元剤(X11)は0〜10重量%、好ましくは0.001〜8重量%である。
これらその他の成分(X)は、それぞれ単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本発明のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤が使用される工程は、特に各種の電子材料・電子部品などの洗浄、例えば半導体素子、シリコンウェハ、カラーフィルター、電子デバイス用基板(液晶パネル、プラズマディスプレイ、有機EL、リアプロジェクションTVなどのフラットパネルディスプレイ、光・磁気ディスク、CCD)、光学レンズ、プリント配線基板、光通信用ケーブル、LED、太陽電池用基板などの電子材料および電子部品を製造する工程中、洗浄工程において洗浄剤として特に好適に使用することができる。なかでも、液晶パネル用基板、磁気ディスクまたは半導体素子の製造の洗浄工程用洗浄剤として使用することが好ましい。
洗浄剤の洗浄対象物(汚れ)は、油分、指紋、樹脂、有機パーティクルなどの有機物、無機パーティクル(ガラス粉、砥粒、セラミック粉、金属粉など)などの無機物が挙げられる。
本発明のエレクトロニクス材料の製造方法は、上記のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤を用いて、超音波洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、ブラシ洗浄、浸漬洗浄、浸漬揺動洗浄および枚葉式洗浄からなる群より選ばれる少なくとも1種の洗浄方法によって洗浄する工程を含むエレクトロニクス材料の製造方法である。
特に、超音波洗浄と他の洗浄方法とを組み合わせることによって、さらに洗浄効果を発揮することができる。
また、本発明のエレクトロニクス材料の製造方法は、エレクトロニクス材料が液晶パネル用基板、磁気ディスク基板または半導体素子であるとさらに効果的に洗浄効果が発揮できる。
本発明のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤は、必要によりさらに水で希釈して使用してもよい。その際に使用する水としては、上記に例示した水と同様のものが利用できるが、好ましくはイオン交換水、超純水である。特に本発明のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤を洗浄工程に使用する場合、非イオン性界面活性剤(Z)の濃度が0.01〜5重量%になるようにイオン交換水または超純水で希釈して使用することが好ましい。
[実施例]
以下、実施例および製造例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
なお、金属含量については、ICP発光分光分析装置(株式会社リガク製、CIROS−125)(検出限界は、各元素ともに0.01ppm)を用いて測定した。
活性水素原子含有化合物含量については、ガスクロマトグラフィー(島津製作所社製、GC−14B)を用いて下記の測定条件で測定した。また第4級アンモニウム水酸化物の残存量については、下記のイオンクロマトグラフィーで測定した。
<ガスクロマトグラフィー測定条件>
検出器: FID
カラム: ガラスカラム(内径=約3mm、長さ=約2m)
カラム充填剤: シリコンGE SE−30 5%
カラム温度: 90℃から280℃まで昇温。昇温速度=4℃/分
注入口温度: 210℃
検出器温度: 230℃
試料溶液: 50%アセトン溶液
注入量: 1μL
キャリアガス、流量: 窒素、5L/min
検量線の作成: 反応に使用した活性水素原子含有化合物を用いて、アセトンで各濃度(100、1,000、20,000ppm)に調整し、標品として用いた。得られた各濃度とピークエリアの関係から検量線を作成した。なお、活性水素原子含有化合物含量は次式により算出した。
活性水素原子含有化合物(a)の含量(ppm)=検量線から求めた非イオン性界面活性剤中の(a)の含量(ppm)×2
<イオンクロマトグラフィー測定条件>
装置
メーカー: (株)島津製作所製
検出器: CDD−6A
ポンプ: LP−6A
カラム: Shim-pack IC-C1
カラムオーブン: HIC-6A
データ処理装置: C-R4A
測定条件
カラム: Shim-pack IC-C1
移動相: 5.0mM 硝酸
移動相流量: 1.5ml/min
カラム温度: 40℃
試料注入量: 20μl
製造例1
撹拌装置、温度制御装置付きの容積1リットルのステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコールを200g(1.1モル)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの25%水溶液を10g(2.6モル%)を仕込み、100℃、4kPa以下の減圧下で30分間脱水した。EO430g(9.8モル)を、反応温度100℃を保持制御しながら、3時間かけて滴下した後、100℃で3時間熟成し、粗生成物を得た。残存するテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを分解および除去するために、この粗生成物を2.6kPa以下の減圧下に、150℃で2時間保持制御して、本発明における非イオン性界面活性剤であるラウリルアルコールEO9モル付加物(Z−1)630gを得た。得られた(Z−1)のアルカリ金属含量、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド含量およびラウリルアルコールの含有量を測定した結果を表1に示す。なお、(Z−1)の曇点は64℃であった。
製造例2
撹拌装置、温度制御装置付きの容積1リットルのステンレス製オートクレーブに、ステアリルアルコール216g(0.8モル)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドの20%水溶液15g(2.0モル%)を仕込み、100℃、4kPa以下で水を減圧留去した。EO480g(10.9モル)と、PO90g(1.6モル)を混合し、反応温度100℃を保持制御しながら、3時間かけて滴下した後、100℃で4時間熟成し、
粗生成物を得た。残存するテトラエチルアンモニウムヒドロキシドを分解および除去するために、この粗生成物を2.6kPa以下の減圧下、160℃で3時間保持制御して、本発明における非イオン性界面活性剤であるステアリルアルコールEO13.6モル・PO2モルのランダム付加物(Z−2)780gを得た。得られた(Z−2)のアルカリ金属含量、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド含量およびステアリルアルコールの含有量を測定した結果を表1に示す。なお、曇点は85℃であった。
製造例3
撹拌装置、温度制御装置付きの容積1リットルのステンレス製オートクレーブに、ラウリルアミンを185g(1.0モル)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの25%水溶液を3.6g(1.0モル%)を仕込み、100℃、4kPa以下の減圧下で30分間脱水した。EO264g(6.0モル)を、反応温度100℃を保持制御しながら、3時間かけて滴下した後、100℃で3時間熟成し、粗生成物を得た。残存するテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを分解および除去するために、この粗生成物を2.6kPa以下の減圧下、150℃で2時間保持制御して、本発明における非イオン性界面活性剤であるラウリルアミンEO6モル付加物(Z−3)445gを得た。得られた(Z−3)のアルカリ金属含量、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド含量およびラウリルアミンの含有量を測定した結果を表1に示す。なお、曇点は67℃であった。
製造例4
撹拌装置、温度制御装置付きの容積1リットルのステンレス製オートクレーブに、クミルフェノールを212g(1.0モル)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの25%水溶液を2.9g(0.8モル%)を仕込み、100℃、4kPa以下の減圧下で30分間脱水した。EO352g(8.0モル)を、反応温度100℃を保持制御しながら、3時間かけて滴下した後、100℃で3時間熟成し、粗生成物を得た。残存するテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを分解および除去するために、この粗生成物を2.6kPa以下の減圧下、150℃で2時間保持制御して、本発明における非イオン性界面活性剤であるクミルフェノールEO8モル付加物(Z−4)560gを得た。得られた(Z−4)のアルカリ金属含量、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド含量およびのクミルフェノール含有量を測定した結果を表1に示す。なお、曇点は44℃であった。
比較製造例1
撹拌装置、温度制御装置付きの容積1リットルのステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコールを200g(1.1モル)、水酸化カリウム0.5g(0.8モル%)を仕込み、100℃、30mmHg以下の減圧下で30分間脱水した。EO430g(9.8モル)を、反応温度160℃を保持制御しながら、3時間かけて滴下した後、160℃で2時間熟成し、粗生成物を得た。この粗生成物を約80℃まで冷却し、超純水6g、キョーワード600(アルカリ性成分の吸着処理剤:協和化学工業社製)6gを加えて75〜85℃で30分間撹拌した後、減圧濾過および脱水を行い、比較の非イオン性界面活性剤であるラウリルアルコールEO9モル付加物(ZH−1)620gを得た。得られた(ZH−1)のアルカリ金属含量およびラウリルアルコールの含有量を測定した結果を表1に示す。なお、曇点は64℃であった。
比較製造例2
垂直に立てた直径3cm、長さ50cmのクロマトグラフ用ガラス製カラムに陽イオン交換樹脂「アンバーライトIR−120B(H)」(オルガノ株式会社製)を充填し、比較例1と同様の操作をして得た粗生成物600gを10mL/分となるように調整しながら通液し、比較の非イオン性界面活性剤であるクミルフェノールEO9モル付加物(ZH−2)590gを得た。得られた(ZH−2)のアルカリ金属含量およびクミルフェノールの含有量を測定した結果を表1に示す。なお、曇点は64℃であった。
Figure 2008045119
実施例1〜4、比較例1〜2
製造例1〜4、比較製造例1〜2で得られた非イオン性界面活性剤を、純分が0.5%となる様に超純水で希釈、調整した。これら得られた界面活性剤水溶液を洗浄剤として用いて、以下のリンス性試験を行った。結果を表2に示す。
<リンス性試験>
各洗浄剤100gを100mlのガラス製ビーカーに秤取り、温調が可能な超音波洗浄機(シャープ社製、UT−305HS)で液温を40℃に温調し、さらに超音波(周波数35kHz、出力300W)をかけ10分間脱気した後に、約2cm角の大きさにカットしたシリコンウエハを投入し10分間超音波(周波数35kHz、出力300W)洗浄した。洗浄後、ピンセットで基板を取り出し、500mlの超純水中に10秒間静かに浸漬、取り出しリンスした。リンス後、窒素ブローにより基板を乾燥し、フーリエ変換赤外分光光度計(サーモエレクトロン株式会社製、Nicolet 6700)を用いて、2800〜3200cm-1の範囲に現れるC−H伸縮振動に由来するピークを測定した。
Figure 2008045119
○:ピークは観察されず。
×:ピークが観察された。
表1より、本発明の洗浄剤は、アルカリ金属含有量が極めて少ないため、洗浄後に基板表面にこれらの金属が残存する恐れがないことがわかった。また、本発明の洗浄剤は、疎水性の高い活性水素原子含有化合物をほとんど含まないため、リンス後の基板上に有機物が残存することがなく、極めて清浄な基板を得ることができるといった効果を有することがわかった。
本発明のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤は、洗浄後にデバイスの信頼性に悪影響を及ぼすアルカリ金属や有機物の残存が無いため、電子材料・電子部品用途に好適に使用できる。また工業的に簡便な方法で製造することができるため、安価に提供することができる。

Claims (11)

  1. 活性水素原子含有化合物(a)に一般式(1)で示される第4級アンモニウム水酸化物(b)を触媒としてアルキレンオキシド(c)を付加する工程を含む製造方法で得られるポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤(Z)を含有してなるエレクトロニクス材料製造工程用薬剤であって、該(Z)の重量に基づく未反応の活性水素原子含有化合物(a)の残存量が1.0重量%以下であるエレクトロニクス材料製造工程用薬剤。
    Figure 2008045119
    〔式中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜18の炭化水素基を表す。〕
  2. アルキレンオキサイド(c)を付加する工程の温度が95℃〜130℃である請求項1記載のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤。
  3. アルキレンオキサイド(c)を付加する工程の後、120℃〜180℃で減圧下に加熱して第4級アンモニウム水酸化物(b)を分解及び除去する工程を含む請求項1又は2記載のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤。
  4. 該(Z)の重量に基づく第4級アンモニウム水酸化物(b)の残存量が、500ppm以下である請求項3記載のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤。
  5. 該(Z)の重量に基づくアルカリ金属原子の含有量が3ppm以下である請求項1〜4のいずれか記載のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤。
  6. 活性水素原子含有化合物(a)が、水、アルコール、フェノール性水酸基含有化合物、1もしくは2級アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、チオール基含有化合物、リン酸化合物および繰り返し単位を有する数平均分子量1,000以下のポリオールオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜5のいずれか記載のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤。
  7. 活性水素原子含有化合物(a)が、炭素数8〜10の飽和脂肪族炭化水素系1価アルコール、炭素数6〜18のフェノール性水酸基含有化合物、およびアルキル基の炭素数8〜18のモノアルキルアミンである請求項1〜6のいずれか記載のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤。
  8. 活性水素原子含有化合物(a)に一般式(1)で示される第4級アンモニウム水酸化物(b)を触媒としてアルキレンオキシド(c)を付加する工程を含む製造方法で得られ、未反応の活性水素原子含有化合物(a)の残存量が1.0重量%以下であるポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤(Z)の製造方法であって、アルキレンオキサイド(c)を付加する工程の温度が95℃〜130℃であり、その後120℃〜180℃で減圧下に加熱して第4級アンモニウム水酸化物(b)を分解及び除去する工程を含む、エレクトロニクス材料製造工程用薬剤に使用されるポリアルキレングリコール付加型非イオン性界面活性剤(Z)の製造方法。
    Figure 2008045119
    〔式中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜18の炭化水素基を表す。〕
  9. エレクトロニクス材料製造工程用洗浄剤である請求項1〜7のいずれか記載のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤。
  10. 請求項9記載のエレクトロニクス材料製造工程用薬剤を用いて、超音波洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、ブラシ洗浄、浸漬洗浄、浸漬揺動洗浄および枚葉式洗浄からなる群より選ばれる少なくとも1種の洗浄方法によって洗浄する工程を含むエレクトロニクス材料の製造方法。
  11. エレクトロニクス材料が液晶パネル用基板、磁気ディスク用基板または半導体素子である請求項10記載の製造方法。
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