JP2008040171A - セルフクリーニング効果を有する反射防止膜を設けた光学素子及びその製造方法 - Google Patents

セルフクリーニング効果を有する反射防止膜を設けた光学素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 付着した汚れを、膜に触れずに分解・除去することができるセルフクリーニング効果を有する低屈折率の防曇性反射防止膜を設けた光学素子を提供する。
【解決手段】 基体表面に反射防止膜を有する光学素子であって、前記反射防止膜が少なくとも1層のナノポーラスシリカ膜を有し、前記ナノポーラスシリカ膜が有機修飾シリカと光触媒作用を有する金属酸化物とからなる光学素子及びその製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光触媒作用によるセルフクリーニング効果により、膜に付着した汚れを分解できるナノポーラスシリカ膜を有する光学素子及びその製造方法に関する。
光ピックアップ装置、半導体装置、内視鏡等の高い分解能を必要とする光学系には、大きな開口数(NA)の対物レンズが使用されており、波長405 nmのレーザー光で使用する光ピックアップ装置には、NA0.85を有する対物レンズが用いられている。NA0.85を有する対物レンズは、例えば図3に示すような形状であり、レーザー光は第一の面11側から対物レンズの中心に垂直に入射し第二の面12側に通過する。この様な大きな開口数を有するレンズでは、レンズ周辺部における入射角は非常に大きくなり、図3に示す例ではレンズの有効径E内における光の最大入射角度は65°である。対物レンズは照射された光を効率的に透過させるのが望ましいが、入射角度が大きくなるに従って反射光量も多くなってしまう。図4に示す、屈折率1.72のガラスにおける反射率の入射角度依存性の関係から見積もると、図3に示す形状のレンズの第一の面11最大入射角度(65°)においては、照射された光のうち15.5%は反射されてしまう。
反射光量を減少させて照射光を効率よく透過させるために、光ピックアップ装置や半導体装置の対物レンズの表面には反射防止膜がコーティングされている。単層の反射防止膜は、反射防止膜表面での反射光と、レンズ表面での反射光との光路差が波長の1/2の奇数倍となってこれらの光が干渉により打ち消し合う厚さに設計される。単層の反射防止膜の屈折率は、基材より小さく、かつ空気等の入射媒質より大きく設計するのが好ましい。屈折率1.5程度のガラスからなるレンズの反射防止膜は、1.2〜1.25の屈折率を有する物質を用いるのが理想的である。しかし、このような理想的な屈折率を有する物質は無いので、屈折率1.38のMgF2が反射防止膜材料として汎用されている。
光ピックアップ装置は車載されることも多く、温度や湿度の変化が比較的大きい場所で使用される。そのため、温度や湿度の変化によって曇りが発生し、読み取り不良が起こってしまうという問題がある。また内視鏡の対物レンズにおいても、体内に入れると曇り易く、観察が阻害されてしまうという問題がある。対物レンズの表面にコートしたMgF2からなる反射防止膜に、防曇性能を付加する検討がなされてきた。
特開平11-77876号(特許文献1)は、基材の表面に形成された、多孔質MgF2膜からなる防曇性被覆を記載している。特許文献1に記載の防曇性被覆は1.30以下の屈折率を有し、多孔質であるために僅かに防曇効果を示す。しかし、多孔質MgF2膜の防曇効果は光ピックアップ装置や内視鏡等に用いるには不十分であり、また多孔質MgF2膜の表面は非常に脆く、耐擦傷性に著しく劣るため実用に耐えないという問題がある。
特開平8-259270号(特許文献2)は、酸化ケイ素を主として含み、その表面をシランカップリング剤で処理した後、側鎖又は疎水性基中間部に反応性基を持つ反応性界面活性剤を反応させた物質をコーティングした防曇性能を有する光学物品を記載している。また特開平9-113704号(特許文献3)は、無機アルコキシドの加水分解物をポリアクリル酸類の存在下で重縮合反応させて得られる組成物からなる防曇性反射防止膜を記載している。特許文献2に記載の光学物品や、特許文献3に記載の防曇性反射防止膜は、表面に親水性の有機基を有しているため高い防曇性を示す。しかし、これらの反射防止膜に用いる物質は、屈折率1.5程度のガラスからなるレンズ用としては屈折率が大きすぎるため、十分な反射防止特性が得られない。
特開2001-172089号(特許文献4)は、4官能性アルコキシシランと、1から3官能性アルコキシシランと、2から4官能性アルコキシチタンとを界面活性剤の存在下で重縮合させることにより得られるシリカ−チタニア多孔質体を開示している。特許文献4に記載のシリカ−チタニア多孔質体は、アルコキシシランとアルコキシチタンを界面活性剤の存在下で重縮合し得られたゾルを基体上に塗布後、焼成し界面活性剤を除去することによりナノサイズの細孔が形成されてなる。この多孔質体は防曇性を有し光触媒作用が期待できるため反射防止膜として適していると予測されるが、界面活性剤の除去のために充分な加熱が必要であり、使用できる基材に制限がある。また焼成後に界面活性剤が残存し膜にヘイズが生じるという問題がある。
特開2006-11175号(特許文献5)は、スプリングバック現象によって形成した有機修飾シリカエアロゲル層からなる反射防止膜を開示している。前記有機修飾シリカエアロゲル層は大きな空隙率のため低い屈折率を有し反射防止膜に好適であり、かつ優れた疎水性により汚れが浸透しにくいといった特徴を有している。しかし、前記有機修飾シリカエアロゲル層は、その高い空隙率のため膜が非常に脆弱で靭性が低く耐擦傷性に劣るため、付着した汚れを強く拭き取ると傷がつきやすいという問題がある。
特開平11-77876号公報 特開平8-259270号公報 特開平9-113704号 特開2001-172089号 特開2006-11175号公報
従って、本発明の目的は、付着した汚れを膜に触れずに分解することができるセルフクリーニング効果を有するナノポーラスシリカ膜を反射防止層として設けた光学素子を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、アルコキシシランと光触媒作用を有する金属酸化物の前駆体である金属アルコキシドの混合物を加水分解及び重縮合し、生成するゾル及び/又は湿潤ゲル分散物を疎水化剤で修飾し、得られた有機修飾したゾル及び/又は湿潤ゲル分散物を基体上に塗工し加熱処理して得られるナノポーラスシリカ膜が、撥水効果と光触媒作用によるセルフクリーニング効果を有することを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の光学素子は、基体表面に反射防止膜を有し、前記反射防止膜が少なくとも1層のナノポーラスシリカ膜を有し、前記ナノポーラスシリカ膜が有機修飾シリカと光触媒作用を有する金属酸化物とからなることを特徴とする。
前記有機修飾シリカと前記光触媒作用を有する金属酸化物は、ケイ素原子−酸素原子−金属原子の結合を形成しているのが好ましい。前記光触媒作用を有する金属酸化物は、TiO2、ZnO、WO3、ZrO2、Nb2O5及びSrTiO3からなる群から選ばれた少なくとも1種であるのが好ましい。
前記有機修飾シリカはアルコキシシランを疎水化剤により修飾して得られたものであるのが好ましい。
前記ナノポーラスシリカ膜の屈折率は1.3以下であるのが好ましい。前記ナノポーラスシリカ膜は撥水効果と、光触媒作用によるセルフクリーニング効果を有するのが好ましい。
本発明の光学素子の製造方法は、ナノポーラスシリカ膜を有する反射防止膜を基体表面に形成することを特徴とし、(a)アルコキシシラン及び金属アルコキシドの加水分解物を重縮合する工程、(b)得られた重縮合物からなるゾル及び/又は湿潤ゲル分散物を疎水化剤により有機修飾する工程、(c)有機修飾したゾル及び/又は湿潤ゲル分散物を超音波処理により分散する工程、(d)超音波処理したゾル及び/又は湿潤ゲル分散物を基体上に塗工する工程、及び(e)塗工膜を加熱処理する工程を有する。
本発明の光学素子の製造方法において、前記加水分解物の重縮合により、ケイ素原子−酸素原子−金属原子の結合を形成するのが好ましい。
本発明の光学素子の製造方法において、前記金属アルコキシドは光触媒作用を有する金属酸化物の前駆体であり、前記金属酸化物は、TiO2、ZnO、WO3、ZrO2、Nb2O5及びSrTiO3からなる群から選ばれた少なくとも1種であるのが好ましい。
本発明の光学素子の製造方法において、前記疎水化剤は前記ゾル及び/又は湿潤ゲル分散物のシラノール基を修飾する化合物であるのが好ましく、特にシリル化剤であるのが好ましい。
本発明の光学素子の製造方法において、前記アルコキシシラン及び前記金属アルコキシドの加水分解物を、酸系触媒を用いて重縮合した後、塩基系触媒を用いて重縮合し、前記重縮合物を得るのが好ましい。
本発明の光学素子の製造方法において、前記重縮合に用いる溶媒は、炭素数1〜6のアルコールを含有するのが好ましく、特にメタノール、エタノール、n-プロパノール及びイソプロパノールからなる群から選ばれた少なくとも1種であるのが好ましい。
本発明の光学素子の製造方法は、前記有機修飾したゾル及び/又は湿潤ゲル分散物を超音波処理により粒径が10〜200 nmの微粒子に分散する工程を有するのが好ましい。超音波処理による分散工程の前に、前記有機修飾したゾル及び/又は湿潤ゲル分散物の分散媒を、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン及びメチルエチルケトンからなる群から選ばれた少なくとも1種に置換するのが好ましい。
本発明の光学素子の製造方法において、前記加熱処理を150〜300℃の温度で行うのが好ましい。
本発明の光学素子の反射防止膜は、優れた反射防止効果及び防曇性を有すると共に、光学素子表面に付着した汚れをセルフクリーニング効果により分解することがでるため、本発明の光学素子は光ピックアップや内視鏡の対物レンズに好適である。
[1] 反射防止膜を有する光学素子
(1) 光学素子の構成
図1(a)に本発明の光学素子の一例を示す。図1(a)に示す光学素子は、凸状の第一の面11及び凹状の第二の面12を有するレンズ1と、第一の面11に成膜された反射防止膜2とからなる。図中の反射防止膜2は実際より厚く描かれている。図1(a)に示す例では第一の面11にのみ反射防止膜2が成膜されているが、本発明はこれに限定されず、さらにレンズ1の第二の面12に反射防止膜(図には記載されていない)が成膜されていてもよい。また例えば、レンズ1の球面収差を補正するため、第一の面11及び/又は第二の面12に輪帯を設けた、回折構造を有する光学素子に反射防止膜を形成しても良い。
(2)基体
本発明の光学素子に用いる基体は、60°〜75°の最大基板傾斜角度θmaxを有するレンズ1であるのが好ましい。レンズ1上の任意の点tにおける基板傾斜角度θは、図2に示すように、第一の面11の中心110に接する面Foと、第一の面11上の任意の点tに接する面Fとのなす角度であり、最大基板傾斜角度θmaxは有効径E内部の基板傾斜角度θの最大値である。また本発明の光学素子に用いる基体は、図1(b)に示すように、有効径E内であって基板傾斜角度θが50°以上の部分の投影面積Sが、有効径E内部の投影面積の10%以上であるレンズであるのが好ましい。このようなレンズ1は、光ピックアップ装置等の対物レンズに好適である。
本発明の光学素子の基体は、屈折率は1.45〜1.85のレンズであるのが好ましい。屈折率1.45未満であると開口数NAを高くするのが困難であり、屈折率1.85超の材料は一般に紫外〜青色域の波長の光を吸収するので、特に405 nm光用途では硝材として適しない。屈折率1.45〜1.85の物質の例としては、BK7、LAK14、LASF016等の光学ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英、青板ガラス、白板ガラス、PMMA樹脂、PC樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらの基体に後述のナノポーラスシリカ膜を形成し、本発明の光学素子を作製することができる。
(3) 反射防止膜
反射防止膜2は、光触媒作用を有する金属酸化物及び有機修飾シリカからなる、少なくとも1層のナノポーラスシリカ膜を有する。図1に示す例では、反射防止膜2は単層であるのでナノポーラスシリカ膜のみからなっているが、本発明はこれに限定されず、複数のナノポーラスシリカ膜を有しても良いし、ナノポーラスシリカ膜以外の膜を有してもよい。反射防止膜2が多層構成である場合、最表面はナノポーラスシリカ膜であるのが好ましい。ナノポーラスシリカ膜を表面に設けることにより、入射媒質と反射防止膜2との屈折率差が小さくなって優れた反射防止効果を示す上に、防曇効果及び光触媒によるセルフクリーニング効果を効率よく得ることができる。
(4) 光触媒作用を有する金属酸化物
光触媒作用とは、触媒に光(紫外線)が当たることにより生じた正孔(h+)と電子(e-)の酸化及び還元により水酸ラジカル(・OH)と活性酸素(O2 -)が発生し、この水酸ラジカルと活性酸素が有機物等を分解する作用である。反射防止膜2が光触媒作用を有する金属酸化物を含有することにより、光学素子表面の汚れを減少させ、汚れを拭き取らずに除去する効果(セルフクリーニング効果)が得られる。光触媒作用を有する金属酸化物として、TiO2、ZnO、WO3、ZrO2、Nb2O5、SrTiO3等が用いられ、特にTiO2が好ましく用いられる。これらの金属酸化物は、単独又は組み合わせて用いることができる。これらの金属酸化物は、その金属原子がナノポーラスシリカ膜のケイ素原子と酸素を介して結合していることが好ましい。
(5) 有機修飾シリカ
反射防止膜2は有機修飾シリカを含有する。有機修飾シリカは、ナノポーラスシリカ表面を疎水化剤により修飾したもので、その高い疎水性により高い経時保存性を示す。疎水化剤は疎水化基をシリカ表面に結合させるための化合物であり、疎水化基としてはメチル基、エチル基、フェニル基、シリル基等の有機基が好ましい。
(6) 反射防止膜の物性
反射防止膜2の好ましい物理膜厚は、レンズ1の屈折率や使用する光の波長によって最適化されるが、光ピックアップ装置の対物レンズの場合、15〜500 nmであり、より好ましくは100〜350 nmである。
基板傾斜角度θが50°以上のレンズ1周辺部の点Xにおける反射防止膜2の物理膜厚DXと、レンズ1の中心における反射防止膜2の物理膜厚D0との比DX/D0は、(cosθX)0.7〜(cos(sin-1(sin(θX/nd))))-1であるのが好ましい(ただし、θXは点Xにおける基板傾斜角度、ndは反射防止膜の屈折率である)。反射防止膜2は、レンズ1中心から周辺部にかけて物理膜厚を徐々に小さくなるように設計することにより、良好な反射防止効果を示すことができる。
反射防止膜2の屈折率は1.05〜1.3であるのが好ましい。屈折率は反射防止膜2の空隙率に依存し、屈折率1.05未満にするには空隙率を90%超にする必要がある。この様な高い空隙率を有する低屈折率の反射防止膜は、機械的強度が低すぎるため好ましくない。屈折率1.3超であると、優れた反射防止効果を示さない。
[2] 反射防止膜の製造方法
レンズ1の表面にナノポーラスシリカ膜のみからなる反射防止膜2を形成する場合を例にとって、光学素子の製造方法を説明する。反射防止膜を形成するナノポーラスシリカ膜は、アルコキシシラン等のシリカ骨格形成化合物とアルコキシチタン等の光触媒を有する金属酸化物の前駆体とを、加水分解及び重縮合させることにより生成する、シリカゾル及び/又は湿潤ゲル分散物をレンズ等の基体表面に塗工し乾燥後、加熱処理することにより得られる。
(1) ゾル及び/又は湿潤ゲル分散物の調製
(a) シリカ骨格形成化合物
シリカ骨格形成化合物としては、アルコキシシラン及び/又はシルセスキオキサンを用いるのが好ましい。これらのシラン化合物の加水分解及び重縮合により、シリカゾル及び/又はシリカ湿潤ゲル分散物が生成する。
アルコキシシランはモノマーでも、オリゴマーでも良い。アルコキシシランモノマーはアルコキシル基を3つ以上有するのが好ましい。アルコキシル基を3つ以上有するアルコキシシランをシリカ骨格形成化合物とすることにより、優れた均一性を有する反射防止膜が得られる。アルコキシシランモノマーの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等が挙げられる。アルコキシシランオリゴマーとしては、上述のモノマーの加水分解及び重縮合により得られる重縮合物が好ましい。
シルセスキオキサンをシリカ骨格形成化合物とした場合も、優れた均一性を有する反射防止膜が得られる。シルセスキオキサンは一般式RSiO1.5(ただしRは有機官能基を示す。)により表され、ネットワーク状ポリシロキサンの総称である。Rとしては、例えばアルキル基(直鎖でも分岐鎖でも良く、炭素数1〜6である。)、フェニル基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)が挙げられる。シルセスキオキサンはラダー型、籠型等種々の構造を有することが知られている。また優れた耐候性、透明性及び硬度を有しており、シリカ骨格形成化合物として好適である。
(b) 光触媒作用を有する金属酸化物の前駆体
光触媒作用を有する金属酸化物は、金属アルコキシド等の金属酸化物の前駆体をシリカ骨格形成化合物と混合し、加水分解及び重縮合することによりナノポーラスシリカ膜中に含有させるのが好ましい。金属アルコキシド等の化合物とシリカ骨格形成化合物とを重縮合することにより、ケイ素原子−酸素原子−金属原子の結合を形成する。金属アルコキシドとしては、2〜4官能性の化合物が使用できるが、4官能性の化合物が高反応性であるため好ましい。
本発明で用いられる金属アルコキシドとしては、アルコキシチタン(例えばテトライソプロポキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソブトキシチタン)、アルコキシ亜鉛(例えばジエトキシ亜鉛、ジ-t-ブトキシ亜鉛)、アルコキシジルコニウム(例えばテトライソプロポキシジルコニウム、テトラ-tert-ブトキシジルコニウム、テトラ-n-ブトキシジルコニウム)、アルコキシタングステン(例えばペンタエトキシタングステン)、アルコキシニオブ(例えばペンタエトキシニオブ)、アルコキシストロンチウム(例えばジイソプロポキシストロンチウム)等が挙げられる。特に好ましいのはアルコキシチタンである。
光触媒作用を有する金属酸化物の含有率は、シリカ骨格形成化合物の酸化物及び光触媒作用を有する金属酸化物の総量に対して40%(モル比)以下になるように調整されることが好ましい。40%(モル比)を越えて金属アルコキシドの酸化物が存在すると、屈折率とヘイズが高くなる。さらに好ましい金属アルコキシドの酸化物含有率は、10〜30%(モル比)である。
(c) 溶媒
シリカ骨格形成化合物と金属アルコキシドの加水分解及び重縮合に用いる溶媒は、水及びアルコールの混合溶媒が好ましい。アルコールとしては炭素数1〜6のアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、n-プロパノール、及びイソプロパノールが特に好ましく、メタノールが最も好ましい。水/アルコールのモル比は0.01〜2であるのが好ましく、0.1〜2であるのがより好ましい。水/アルコールのモル比が2超であると、加水分解反応が速く進行し過ぎてしまうため好ましくない。0.01未満であると、アルコキシシラン、シルセスキオキサン、金属アルコキシド等の加水分解が十分に起こらない。溶媒/金属アルコキシド等のモル比を変化させることにより、金属アルコキシド等の重縮合物の重合度を調節することができる。溶媒/金属アルコキシド等のモル比は3〜500が好ましく、3〜100がより好ましい。モル比が3未満では重合度が高くなり過ぎて、500超では重合度が低くなり過ぎるため好ましくない。
(d) 触媒
アルコキシシランと光触媒作用を有する金属酸化物の前駆体である金属アルコキシドの混合物に、加水分解反応及び重縮合反応を促進するため触媒を添加する。触媒として酸系触媒及び/又は塩基系触媒を用いることができる。酸系触媒は、加水分解反応及び金属アルコキシド等が重縮合しオリゴマーが形成される反応を主に促進する。塩基系触媒は、オリゴマー同士がさらに重縮合し架橋度を増加させる反応を主に促進する。酸系触媒としては、塩酸、硝酸及び酢酸が好ましい。塩基系触媒としては、アンモニア、アミン化合物、NaOH及びKOHが好ましい。アミン化合物としては、アルコールアミン、アルキルアミン(メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、n-ブチルアミン、n-プロピルアミン等)が好ましい。触媒/金属アルコキシド等のモル比は1×10-4〜3×10-2が好ましく、3×10-4〜1×10-2がより好ましい。モル比が1×10-4未満では金属アルコキシド等の加水分解反応が十分に起こらず、3×10-2超では触媒効果が飽和してしまう。
(e) エージング
アルコキシシランと光触媒作用を有する金属酸化物の前駆体である金属アルコキシドの混合物をエージングすることにより、加水分解及び重縮合が進行し、酸化ケイ素等(酸化ケイ素及び金属酸化物)を含有するゾル及び/又は湿潤ゲル分散物の生成が進む。ゾルは酸化ケイ素等からなるコロイド粒子が分散状態になっているもので、湿潤ゲル分散物はゾル状のコロイド粒子が凝集したクラスターが分散しているものである。エージングはアルコキシシランと光触媒作用を有する金属酸化物の前駆体である金属アルコキシドの混合物を25〜60℃で24〜168時間、静置して又はゆっくり撹拌しながら行うのが好ましい。
(2) 分散媒の置換
酸化ケイ素等を含有するゾル及び/又は湿潤ゲル分散物、又は有機修飾した酸化ケイ素等を含有するゾル及び/又は湿潤ゲル分散物の分散安定性を向上させるため分散媒を置換するのが好ましい。適当な分散媒に置換することにより、分散安定性を向上させたり、前述のエージングの進行や後述の疎水化剤による有機修飾反応の速度を促進又は遅延させたりできる。また、表面張力及び/又は固相−液相の接触角の調節、膜形成時の分散媒蒸発速度の調節が可能である。湿潤ゲル分散物の分散媒は、置換すべき分散媒によって湿潤ゲルを繰り返し洗浄することによって置換できる。
置換する分散媒としては、水、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、トルエン、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル及びこれらの混合物が好ましい。
より好ましいのはケトン系溶媒である。後述する超音波処理工程までにケトン系溶媒に置換することにより、良好な分散性の有機修飾シリカ含有ゾルが得られる。ケトン系溶媒は、シリカ及び有機修飾シリカに対して高い親和性を有するため、分散物を安定化させる効果が大きい。ケトン系溶媒への置換は、有機修飾反応の前でも後でも良いが、有機修飾反応の前に置換するのが有機修飾剤の反応性を失活させない観点からも好ましい。
ケトン系溶媒としては、60℃以上の沸点を有するものがより好ましい。沸点が60℃未満では、後述する超音波処理の工程で揮発してしまうため好ましくない。例えばアセトンを分散媒として用いると、超音波分散中にアセトンが大量に揮発し、分散液の濃度が大きく変動してしまう。また成膜工程においても揮発速度が速すぎるため、十分な成膜時間が得られない。
ケトン系溶媒のうち、特に好ましいのはカルボニル基の両側に異なる置換基を有する非対称なケトンである。非対称ケトンは大きな極性を有するため、シリカ及び有機修飾シリカに対して特に優れた親和性を示す。置換基はアルキル基又はアリール基が好ましい。特に好ましい置換基は、炭素数1〜5のアルキル基である。好ましい非対称ケトン系溶媒としては、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等がある。
(3) 有機修飾反応
酸化ケイ素等を含有するゾル及び/又は湿潤ゲル分散物に疎水化剤の溶液を混合し、酸化ケイ素及び/又は金属酸化物の末端にある水酸基等の親水性基を疎水性の有機基に置換することにより、有機修飾したゾル及び/又は湿潤ゲル分散物が得られる。
好ましい疎水化剤は下記式(1)〜(6) :
MpSiClq ・・・(1)
M3SiNHSiM3 ・・・(2)
MpSi(OH)q ・・・(3)
M3SiOSiM3 ・・・(4)
MpSi(OM)q ・・・(5)
MpSi(OCOCH3)q ・・・(6)
(各式において、pは1〜3の整数であり、qはq=4−p を満たす整数であり、Mは水素、置換又は無置換の炭素数1〜18のアルキル基、もしくは置換又は無置換の炭素数6〜18のアリール基である。)のいずれかにより表されるシリル化剤、又はそれらの混合物である。
疎水化剤の具体例としては、トリエチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、アセトキシトリメチルシラン、アセトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、2-トリメチルシロキシペント-2-エン-4-オン、n-(トリメチルシリル)アセトアミド、2-(トリメチルシリル)酢酸、n-(トリメチルシリル)イミダゾール、トリメチルシリルプロピオレート、ノナメチルトリシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリフェニルシラノール、t-ブチルジメチルシラノール及びジフェニルシランジオールが挙げられる。本発明に用いられる疎水化剤は、これらの化合物に限定されない。
疎水化剤溶液の溶媒はヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘプタン等の炭化水素類、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物が好ましい。
疎水化剤の種類や濃度にもよるが、有機修飾反応は10〜40℃で十分攪拌しながら進行させるのが好ましい。10℃未満では反応が進行しにくく、40℃超では疎水化剤が酸化ケイ素又は金属酸化物以外の物質とも反応してしまうため好ましくない。例えば、トリエチルクロロシランのヘキサン溶液を疎水化剤として使用した場合、10〜40℃で10〜40時間程度攪拌しながら反応させると、シラノール基が十分にシリル修飾される。修飾率は全水酸基の10〜30%(モル比)であるのが好ましい。この有機修飾反応で疎水性の有機基を導入することにより、優れた防曇効果を得ることができる。
(4) 超音波処理
有機修飾したゾル及び/又は湿潤ゲル分散物中におけるゾル成分の含有比率を増加させて塗工に好適な状態にするため、ゾル状及び/又はゲル状の有機修飾シリカを超音波処理することが好ましい。ゲル状の有機修飾シリカの場合、超音波処理により電気的な力又はファンデルワールス力によって凝集していた湿潤ゲル分散物が再分散されると考えられる。
超音波処理には、超音波振動子を利用した分散装置を使用することができる。照射する超音波は、10〜30 kHzの周波数で300〜900 Wの出力が好ましい。処理時間は5〜120分間が好ましい。超音波処理により、ゾル及び/又は湿潤ゲル分散物のクラスターが細かく粉砕され、凝集が少なく単分散に近いコロイド状態になる。5分未満の分散時間ではコロイド粒子が十分に分散されない。120分超の時間分散してもコロイド粒子の分散性は飽和しており状態はほとんど変わらない。
有機修飾シリカ粒子を含有するゾルが単分散に近い状態であると有機修飾ナノポーラスシリカ膜の空隙率は小さくなり、大きく凝集した状態であると空隙率は大きくなる。従って、超音波処理の時間を変更することにより有機修飾ナノポーラスシリカ膜の空隙率を調節することができる。例えば、超音波処理の時間を5〜120分間で変化させたゾルをディップコートすると、空隙率90〜25%の有機修飾ナノポーラスシリカ膜を得ることができる。
超音波処理による分散性を高めるため、又は後述の塗布に最適な物性にするために、分散媒を追加して有機修飾シリカ粒子を含有するゾルの濃度や流動性を調節することが好ましい。超音波処理の前、超音波処理の途中、又は後で分散媒を添加することができる。分散媒に対する有機修飾シリカの質量比は0.1〜20%が好ましい。分散液中の有機修飾シリカの濃度は、0.1〜20質量%であることが均一な薄層を形成する上で好ましい。
分散液中の有機修飾シリカの粒径は10〜200 nmであるのが好ましい。200 nmを超えると、実質的に平滑な表面を有するナノポーラスシリカ膜を形成しにくい。10 nmより小さいと製造時の安定性に欠ける。
(5) 塗工
有機修飾シリカ粒子を含有するゾル及び/又は湿潤ゲル分散物を塗工することにより、基体表面に有機修飾ナノポーラスシリカ膜を設ける。塗工は、スプレーコート法、スピンコート法、ディップコート法、フローコート法、バーコート法等の方法で行うことができる。塗工した有機修飾シリカ粒子を含有するゾル及び/又は湿潤ゲル分散物は、分散媒が揮発することにより有機修飾ナノポーラスシリカ膜となる。有機修飾ナノポーラスシリカ膜の空隙率は、分散媒が揮発している間は毛管圧によって生じるゲルの収縮のために小さくなるが、揮発し終わるとスプリングバック現象によって回復する。このため有機修飾ナノポーラスシリカ膜の空隙率は、乾燥前のゲルネットワークの空隙率とほぼ同じで大きな値を示す。シリカゲルネットワークの収縮及びスプリングバック現象については、米国特許5,948,482号に詳細に記載されている。
(6) 加熱処理
有機修飾ナノポーラスシリカ膜は、加熱処理を行うことで膜中の溶媒や表面の水酸基等が除去され、シリカ粒子間の結合が強くなり耐擦傷性が向上する。加熱処理温度は150〜300℃が好ましい。加熱処理温度が300℃超であると、修飾した有機基が分解し充分な撥水効果が得られない。加熱処理温度が150℃以下であると、充分な膜強度の向上効果が得られない。また、加熱処理温度を基体のガラス転移温度より高くすると、基体が変形してしまうので、基体のガラス転移温度より100℃以上低くするのが好ましい。加熱処理時間は、加熱処理温度やナノポーラスシリカ膜の厚さ等にもよるが、10分〜4時間が好ましい。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
(1)有機修飾シリカ−チタニア含有湿潤ゲル分散物の調製
テトラメトキシシラン三量体11.0gと、テトライソプロポキシチタン2.8gとを均一に混合した後、0.1N塩酸0.4gを添加し3時間撹拌した。次にメタノール68gと0.05Nアンモニア水6.4gとを添加し1時間撹拌した後、120時間静置して湿潤ゲル分散物を得た。この湿潤ゲル分散物にエタノールを加え振とうし、デカンテーションすることにより分散媒をエタノールに置換した。その後、メチルイソブチルケトンを加えて振とうし、デカンテーションすることによりエタノール分散媒をメチルイソブチルケトンに置換した。得られたシリカ−チタニア湿潤ゲル分散物に、トリメチルクロロシランのメチルイソブチルケトン溶液(濃度5体積%)を加え、30時間撹拌して酸化ケイ素及び酸化チタン末端を有機修飾した。得られた有機修飾シリカ−チタニア湿潤ゲル分散物をメチルイソブチルケトンで洗浄後、1質量%に濃度調製し、超音波処理(20 kHz、500 W、120分間)を行い、有機修飾シリカ−チタニア含有湿潤ゲル分散物を得た。
(2)チタニア含有有機修飾ナノポーラスシリカ膜の成膜
実施例1の(1)で得られた有機修飾シリカ−チタニア含有湿潤ゲル分散物を、BK7ガラスからなる対物レンズ1(両面非球面レンズ、屈折率n=1.53、ガラス転移温度Tg=553℃)の第一の面11に、回転速度 2500 rpmでスピンコートし、室温で乾燥させ、チタニア含有有機修飾ナノポーラスシリカ膜を得た。乾燥中にゲルの収縮及びスプリングバックが起こったと考えられる。得られたチタニア含有有機修飾ナノポーラスシリカ膜を300℃で2時間加熱処理し、物理膜厚 d=129 nm、屈折率n=1.22のチタニア含有有機修飾ナノポーラスシリカ膜からなる反射防止膜を有する光学素子を得た。
実施例2
BK7ガラスからなる対物レンズ1の代わりに、LAK14ガラスからなる対物レンズ1(両面非球面レンズ、屈折率n=1.70、ガラス転移温度Tg=668℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、物理膜厚 d=130 nm、屈折率n=1.22のチタニア含有有機修飾ナノポーラスシリカ膜からなる反射防止膜を有する光学素子を得た。
実施例3
テトラメトキシシラン三量体の代わりに、テトラエトキシシランを同重量で使用した以外は実施例1と同様にして、物理膜厚 d=128 nm、屈折率 n=1.23のチタニア含有有機修飾ナノポーラスシリカ膜からなる反射防止膜を有する光学素子を得た。
実施例4
テトライソプロポキシチタンの代わりに、テトライソブトキシチタンを同重量で使用した以外は実施例1と同様にして、物理膜厚 d=132 nm、屈折率 n=1.23のチタニア含有有機修飾ナノポーラスシリカ膜からなる反射防止膜を有する光学素子を得た。
実施例5
メチルイソブチルケトンの代わりにヘキサンを使用し、さらにトリメチルクロロシランのメチルイソブチルケトン溶液(濃度5体積%)の代わりに、ジエチルジクロロシランのヘキサン溶液(濃度5体積%)を使用して、超音波処理(20 kHz、500 W)の時間を240分間にした以外は実施例1と同様にして、物理膜厚 d=130 nm、屈折率 n=1.22のチタニア含有有機修飾ナノポーラスシリカ膜からなる反射防止膜を有する光学素子を得た。
実施例6
LAK14ガラスからなる対物レンズ1(両面非球面レンズ、屈折率n=1.70、ガラス転移温度Tg = 668℃)の第一の面11に、電子ビーム式の真空蒸着装置を用いて、厚さ163 nmとなるようにMgF2(屈折率n=1.38)を蒸着した。MgF2層の上に実施例1と同様にして、物理膜厚 d=248 nm、屈折率 n=1.22のチタニア含有有機修飾ナノポーラスシリカ膜を形成した。得られた反射防止膜の層構成を表1に示す。
Figure 2008040171
注:層No.は、レンズ側から順にNo.1, No.2とする。
実施例7
表2に示す物理膜厚になるように、電子ビーム式の真空蒸着装置を用いて、LAK14ガラスからなる対物レンズ1(両面非球面レンズ、屈折率n=1.70、ガラス転移温度Tg = 668℃)の第一の面11に、Al2O3層、SiO2層及びMgF2層を順に形成した。MgF2層の上に実施例1と同様にして、物理膜厚 d=285nm、屈折率 n=1.22のチタニア含有有機修飾ナノポーラスシリカ膜を形成した。
Figure 2008040171
注:層No.は、レンズ側から順にNo.1〜4とする。
比較例1
(1)有機修飾シリカ含有湿潤ゲル分散物の調製
テトラエトキシシラン5.21 gとエタノール4.38 gとを均一に混合した後、0.01N塩酸0.4 gを添加し90分間撹拌した。次にエタノール44.35 gと0.02Nアンモニア水0.5 gとを添加し、46時間撹拌した後60℃に昇温し、さらに46時間熟成して湿潤状態のシリカゲルを得た。この湿潤ゲル分散物の溶媒をデカンテーションによって除去した後、素早くエタノールを加えて振とうし、デカンテーションすることによりシリカ湿潤ゲル分散物の分散媒をエタノールに置換した。その後、ヘキサンを加えて振とうし、デカンテーションすることによりエタノール分散媒をヘキサンに置換した。
得られた湿潤ゲル状態のシリカにテトラメチルクロロシランのヘキサン溶液(濃度5体積%)を加え、30時間撹拌して酸化ケイ素末端を有機修飾した。得られた有機修飾シリカ湿潤ゲル分散物をヘキサンで洗浄後、1質量%に濃度調整し、超音波処理(20 kHz、500 W、120分間)を行い、有機修飾シリカ含有湿潤ゲル分散物を得た。
(2)有機修飾ナノポーラスシリカ膜成膜
比較例1の(1)で得られた有機修飾シリカ含有湿潤ゲル分散物を、LAK14ガラスからなる対物レンズ1(両面非球面レンズ、屈折率n=1.70、ガラス転移温度Tg = 668℃)の第一の面11に、スピンコートし、室温で乾燥させ有機修飾ナノポーラスシリカ膜を得た。乾燥中に、ゲルの収縮及びスプリングバックが起こり、空隙率は41%の多孔質となった。得られた有機修飾ナノポーラスシリカ膜を150℃で2時間加熱処理し、有機修飾ナノポーラスシリカ膜を有する光学素子を得た。有機修飾ナノポーラスシリカ膜の物理膜厚は104 nmであり、屈折率は1.25であった。
比較例2
電子ビーム式の真空蒸着装置を用いて、BK7ガラスからなる対物レンズ1(両面非球面レンズ、屈折率n=1.53、ガラス転移温度Tg=553)の第一の面11に、物理膜厚114 nmとなるようにMgF2(屈折率n=1.38)を蒸着した以外比較例1と同様にして、MgF2緻密膜を有する光学素子を作製した。
比較例3
LAK14ガラスからなる対物レンズ1(両面非球面レンズ、屈折率n=1.70、ガラス転移温度Tg = 668℃)の第一の面11に、MgF2(屈折率n=1.38)を物理膜厚132 nmとなるように蒸着し、MgF2からなる緻密膜を有する光学素子を得た。
実施例1〜7及び比較例1〜3の光学素子の光透過率、防汚性、防曇性及び接触角を、下記に示す方法で評価した。また参考例1としてLAK14ガラスレンズ、参考例2としてBK7ガラスレンズの光透過率等を同様に測定した。結果を表3に示す。
(1) 光透過性
各光学素子の第一の面11側から、空気中で波長405 nmのレーザー光を照射し、光透過率(%)を測定した。
(2) 防汚性
各光学素子をオレイン酸のメタノール溶液(10質量%)に1分間浸漬し、40℃で乾燥させオレイン酸を光学素子表面に付着させた。次に各光学素子の第一の面11側から波長405 nmのレーザー光を出力10mWで6時間照射し、光学素子の第一の面11側に付着したオレイン酸の光照射による分解量をIRで定量し、防汚性を評価した。
○・・・75%以上が分解
△・・・10%以上75%未満が分解
×・・・10%未満が分解
(3) 防曇性
各光学素子の第一の面11側に呼気を吹きかけ、曇りの発生状況を観察し、以下の基準で評価した。
◎・・・全く曇らない。
○・・・曇りは発生するが、瞬時に消える。
△・・・曇りが発生し、しばらく消えない。
×・・・防曇性が全く認められない。
(4)接触角
各光学素子の第一面11側の水に対する接触角を測定した。測定には、接触角計S-150(協和界面科学株式会社製)を用いた。さらに波長405 nmのレーザー光を各光学素子に出力10 mWで6時間照射した後の接触角も測定した。
Figure 2008040171
本発明の実施例1〜7の光学素子は優れた光透過性、防汚性及び防曇性を示した。酸化チタンを含有していないナノポーラスシリカ膜を有する比較例1の光学素子は、防曇性には優れていたが防汚性に劣っていた。MgF2緻密膜からなる反射防止膜を有する比較例2及び3の光学素子は、防汚性及び防曇性共に劣っていた。また、本発明の実施例1〜7の光学素子はレーザー光照射前には撥水効果を有し、照射後は光触媒作用による親水性を示したのに対し、酸化チタンを有しない比較例1〜3ではレーザー光照射前後での接触角の変化は極めて小さいものであった。
本発明の光学素子の一例を示す図であり、(a) は縦断面を示し、(b) は上面を示す。 図1に示す光学素子の部分拡大断面図である。 光ピックアップ装置の対物レンズの一例を示す断面図である。 レンズの光線入射角と反射率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1・・・レンズ
11・・・第一の面
12・・・第二の面
110・・・第一の面の中心
2・・・反射防止膜
Fo・・・第一の面の中心に接する面
t・・・第一の面の任意の点
F・・・第一の面の任意の点に接する面
D0・・・レンズの中心における反射防止膜の物理膜厚
X・・・レンズ周辺部の点
DX・・・レンズ周辺部の点Xにおける反射防止膜の物理膜厚
E・・・レンズの有効径
θ・・・基板傾斜角度
θmax・・・最大基板傾斜角度
S・・・基板傾斜角度が50°以上の部分の投影面積

Claims (17)

  1. 基体表面に反射防止膜を有する光学素子であって、前記反射防止膜が少なくとも1層のナノポーラスシリカ膜を有し、前記ナノポーラスシリカ膜が有機修飾シリカと光触媒作用を有する金属酸化物とからなることを特徴とする光学素子。
  2. 請求項1に記載の光学素子において、前記有機修飾シリカと前記光触媒作用を有する金属酸化物は、ケイ素原子−酸素原子−金属原子の結合を形成していることを特徴とする光学素子。
  3. 請求項1又は2に記載の光学素子において、前記光触媒作用を有する金属酸化物は、TiO2、ZnO、WO3、ZrO2、Nb2O5及びSrTiO3からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする光学素子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子において、前記有機修飾シリカはアルコキシシランの加水分解物の重縮合物を疎水化剤により修飾して得られたものであることを特徴とする光学素子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子において、前記ナノポーラスシリカ膜の屈折率は1.3以下であることを特徴とする光学素子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子において、前記ナノポーラスシリカ膜は撥水効果と、光触媒作用によるセルフクリーニング効果を有することを特徴とする光学素子。
  7. ナノポーラスシリカ膜を有する反射防止膜を基体表面に有する光学素子を製造する方法であって、(a)アルコキシシラン及び金属アルコキシドの加水分解物を重縮合する工程、(b)得られた重縮合物からなるゾル及び/又は湿潤ゲル分散物を疎水化剤により有機修飾する工程、(c)有機修飾したゾル及び/又は湿潤ゲル分散物を超音波処理により分散する工程、(d)超音波処理したゾル及び/又は湿潤ゲル分散物を基体上に塗工する工程、及び(e)塗工膜を加熱処理する工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
  8. 請求項7に記載の光学素子の製造方法において、前記加水分解物の重縮合により、ケイ素原子−酸素原子−金属原子の結合を形成することを特徴とする光学素子の製造方法。
  9. 請求項8に記載の光学素子の製造方法において、前記金属アルコキシドは光触媒作用を有する金属酸化物の前駆体であり、前記金属酸化物は、TiO2、ZnO、WO3、ZrO2、Nb2O5及びSrTiO3からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする光学素子の製造方法。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の光学素子の製造方法において、前記疎水化剤はシラノール基を修飾する化合物であることを特徴とする光学素子の製造方法。
  11. 請求項7〜10のいずれかに記載の光学素子の製造方法において、前記疎水化剤はシリル化剤であることを特徴とする光学素子の製造方法。
  12. 請求項7〜11のいずれかに記載の光学素子の製造方法において、前記アルコキシシラン及び前記金属アルコキシドの加水分解物を、酸系触媒を用いて重縮合した後、塩基系触媒を用いて重縮合し、前記重縮合物を得ることを特徴とする光学素子の製造方法。
  13. 請求項7〜12のいずれかに記載の光学素子の製造方法において、前記重縮合に用いる溶媒は、炭素数1〜6のアルコールを含有することを特徴とする光学素子の製造方法。
  14. 請求項13に記載の光学素子の製造方法において、前記溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール及びイソプロパノールからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする光学素子の製造方法。
  15. 請求項7〜14のいずれかに記載の光学素子の製造方法において、前記有機修飾したゾル及び/又は湿潤ゲル分散物を前記超音波処理により粒径が10〜200 nmの微粒子に分散する工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
  16. 請求項15に記載の光学素子の製造方法において、前記超音波処理による分散工程の前に、前記有機修飾したゾル及び/又は湿潤ゲル分散物の分散媒を、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン及びメチルエチルケトンからなる群から選ばれた少なくとも1種に置換することを特徴とする光学素子の製造方法。
  17. 請求項7〜16のいずれかに記載の光学素子の製造方法において、前記加熱処理を150〜300℃の温度で行うことを特徴とする光学素子の製造方法。
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