JP2008035753A - 低温及び加温飲用果汁飲料、及びその製造方法 - Google Patents

低温及び加温飲用果汁飲料、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】果汁飲料において、低温(コールド)でも、加温(ホット)でも美味しく飲用することができる、低温及び加温のいずれにおいても嗜好性の高い果汁飲料、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】果汁含量が70重量%〜100重量%のように高果汁を含量する果汁飲料の製造において、果汁飲料原料に、ショ糖、麦芽糖及びブドウ糖からなる糖類の1種又は2種以上を添加して、果汁飲料の糖酸比を15〜50に調整することにより、低温及び加温のいずれにおいても嗜好性の高い果汁飲料を提供する。果汁飲料としては、リンゴ果汁、柑橘系果汁、又はブドウ果汁からなる果汁飲料等を挙げることができる。
【選択図】なし。

Description

本発明は、果汁含量が70重量%〜100重量%のように高果汁を含量する果汁飲料において、低温(コールド)でも、加温(ホット)でも美味しく飲用することができる、低温及び加温のいずれにおいても嗜好性の高い果汁飲料、及びその製造方法に関する。
昨今、果汁飲料は、天然で、嗜好性の高い飲料として、多くのものが愛用されている。果汁飲料は、その嗜好性から、果汁に由来する甘味成分(糖類など)、酸味成分(有機酸、無機酸など)による果汁本来の甘味、酸味を基本に香味が設計されており、現時点では、そのほとんどの高果汁飲料で、加糖されていない。
果汁飲料は、天然志向・自然志向の観点から、果汁の天然の味そのままを保存して、飲用に供することが望まれ、低温(コールド)で飲用されることが通例である。果汁飲料は、多くの場合、加温によって甘味が低下し、酸味度が増し、飲みにくいものとなることから、加温(ホット)で飲用する習慣は少ない。
近年、果汁を含有する飲料の調製に際し、加温や加熱による飲料の味覚の変質を改善しようとする方法も開示されている。例えば、特開2002−119264号公報には、カリンやレモン等の果実成分に、メントールと、酢酸メンチル、乳酸メンチル、蟻酸メンチル及びプロピオン酸メンチル等の有機酸メントールエステルを加えて、加温状態での保存によっても冷涼感が減ずることのない果実飲料を提供することが開示されている。また、特開2005−143461号公報には、果実成分及び甘味を有する基剤に加えて、メントール、メントン、カンファー等の清涼感物質、及び、3−1−メトキシプロパン−1,2−ジオール、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド等の冷感剤物質を添加して、長期加温状態で保存した場合にもさっぱり感の減少が抑制された果汁含有飲料を提供することが開示されている。
更に、特開2005−278605号公報には、柑橘系果汁飲料等の甘味付けにアスパルテームを使用し、かつ、L−ヒスチジン又はその塩類を添加して、加熱殺菌工程を経て果汁飲料を製造することにより、加熱殺菌工程及び保存時に発生する、レトルト臭やイモ臭などの異風味の発現を抑制若しくは防止することが開示されている。しかしながら、これらの開示された方法は、いずれも、甘味付けにアスパルテームを用いたり、冷涼感を付与するために清涼感物質を添加したものであるため、果汁飲料の香味に変更を来たし、果汁の天然の味そのままを保存して、飲用に供することが望まれる果汁飲料において、その本来の香味を保持して、低温(コールド)でも、加温(ホット)でも美味しく飲用することができる、低温及び加温のいずれにおいても嗜好性の高い果汁飲料を提供するということからは満足のいくものではなかった。
特開2002−119264号公報。 特開2005−143461号公報。 特開2005−278605号公報。
本発明の課題は、果汁含量が70重量%〜100重量%のように高果汁を含量する果汁飲料において、低温(コールド)でも、加温(ホット)でも美味しく飲用することができる、低温及び加温のいずれにおいても嗜好性の高い果汁飲料、及びその製造方法を提供することにある。
従来より、果汁含量が70重量%〜100重量%のように高果汁を含量する果汁飲料においては、果汁に由来する甘味成分(糖類など)、酸味成分(有機酸、無機酸など)による果汁本来の甘味、酸味を基本に香味が設計されており、その飲料の調製に際しては、ほとんどの高果汁飲料で、加糖されていないのが普通であり、果汁飲料は、低温(コールド)で提供され、飲用に供されるのが普通である。果汁飲料が、低温(コールド)で飲用に供され、加温(ホット)で飲用に供されない理由は、加温により、甘味と酸味のバランスが崩れ、果汁飲料本来の香味が失われ、酸味が目立ち飲みにくいものとなってしまうのが理由である。
そこで、本発明者は、果汁飲料が加温(ホット)で飲用に供されない理由について、検討した結果、果汁飲料の果汁(飲料)の甘味(糖)の主成分である果糖が、加温により、甘味と酸味のバランスに変更を来たし、酸味が目立ち飲みにくいものとなってしまうのが原因であることを突き止めた。すなわち、果汁(飲料)の甘味(糖)の主成分は、果糖であるが、果糖は糖の中でも最も、甘味の温度依存性が高いといわれ、10℃では甘味度140、60℃で甘味度80となるといったデータもある(該甘味度は、ショ糖の20℃での甘味度を100とした相対甘味度として表される。)。そのため、低温(コールド)時には甘味と酸味のバランスが丁度良かったものが、温度が上昇するにつれ、果糖の甘味度が低下し、通常、加温(ホット)飲用に適するとされる温度である60℃付近では大きく甘味が低下し、甘味と酸味のバランスが崩れ、酸味が目立ち飲みにくいものとなってしまう。ここで、酸味の主成分である有機酸は、温度依存性が無いとされる。例えば、リンゴ果汁では、リンゴの糖分はほとんどが果糖であり、香味への糖の影響が大きい。
そこで、果汁飲料の香味バランスの崩れの防止策について鋭意検討の結果、本発明者は、果汁含量が70重量%〜100重量%のように高果汁を含量する果汁飲料の調製に際して、果汁飲料原料に、ショ糖、麦芽糖及びブドウ糖のような糖類を添加し、果汁飲料の糖酸比を調整することにより、加温による飲料の甘味と酸味のバランスの崩れを防止し、低温(コールド)でも、加温(ホット)でも美味しく飲用できる、低温及び加温のいずれにおいても嗜好性の高い果汁飲料を調製することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。該ショ糖のような糖類は、甘味の温度依存性が無く、加温による果糖の甘味度の低下を補充し、かつ、酸味を調和して、加温による飲料の甘味と酸味のバランスの崩れを防止することができる。
すなわち、本発明は、果汁飲料原料に、ショ糖、麦芽糖及びブドウ糖からなる糖類の1種又は2種以上を添加して、果汁飲料の糖酸比を15〜50に調整し、低温及び加温のいずれにおいても嗜好性の高い果汁飲料を提供することからなる。
ここで、糖酸比は、以下の式で表される:
糖酸比=糖用屈折計示度(°Brix)/酸度(クエン酸酸度)(g/100g as C.A.)
本発明の果汁飲料の製造方法において、添加する糖類がショ糖であり、ショ糖の添加量が果汁飲料に対して0.4重量%〜1.2重量%の範囲で添加されることが好ましい。果汁飲料中の果汁含量は、70〜100重量%であることが好ましく、該果汁飲料としては、リンゴ果汁、柑橘系果汁、又はブドウ果汁からなる果汁飲料を挙げることができる。また、リンゴ、柑橘類、及びブドウの果汁に加えて、パイン、もも、イチゴ、クランベリーなどの果汁を挙げることができ、これらの果汁は、2種類以上を組合わせて用いることもできる。本発明の果汁飲料の製造方法においては、ショ糖、麦芽糖及びブドウ糖のような糖類を用いて、果汁飲料の加温による甘味と酸味のバランスの崩れを防止するものであるため、果汁飲料の本来の香味をそのまま保持することが可能であり、低温及び加温のいずれにおいても嗜好性の高い果汁飲料を提供することができる。
すなわち具体的には本発明は、(1)果汁飲料原料に、ショ糖、麦芽糖及びブドウ糖からなる糖類の1種又は2種以上を添加して、果汁飲料の糖酸比を15〜50に調整することを特徴とする果汁飲料の製造方法や、(2)添加する糖類がショ糖であり、ショ糖の添加量が果汁飲料に対して0.4重量%〜1.2重量%であることを特徴とする前記(1)記載の果汁飲料の製造方法や、(3)果汁飲料中の果汁含量が、70〜100重量%であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の果汁飲料の製造方法や、(4)果汁飲料の果汁が、リンゴ果汁、柑橘系果汁、又はブドウ果汁であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか記載の果汁飲料の製造方法や、(5)前記(1)〜(4)のいずれか記載の果汁飲料の製造方法によって製造される、低温及び加温のいずれにおいても嗜好性の高い果汁飲料からなる。
本発明の果汁飲料の製造方法により、果汁含量が70重量%〜100重量%のように高果汁を含量する果汁飲料において、低温(コールド)でも、加温(ホット)でも美味しく飲用することができる、低温及び加温のいずれにおいても嗜好性の高い果汁飲料を提供することができる。本発明の果汁飲料の製造方法により製造される果汁飲料の調製品は、その飲用に際して、冷却して、低温(コールド)の状態で飲用することにも適し、また、その飲用に際して、加温して、ホットの状態で飲用することにも適する。また、本発明の果汁飲料の調製品は、ホットベンダーのような加温状態で、流通、販売される形態の容器詰め果汁飲料の調製品としても供することができる。
本発明は、果汁飲料中の果汁含量が、70〜100重量%である果汁飲料原料に、ショ糖、麦芽糖及びブドウ糖からなる糖類の1種又は2種以上を添加して、果汁飲料の糖酸比を15〜50に調整し、低温及び加温のいずれにおいても嗜好性の高い果汁飲料を提供することからなる。本発明において、糖類の添加による飲料の糖酸比は、15〜50に調整されるが、15〜45に調整されるのがより好ましい。
本発明において調整される、糖酸比は、以下の式で表される:
[糖酸比=糖用屈折計示度(°Brix)/酸度(クエン酸酸度)(g/100g as C.A.)]
この式で示される糖用屈折計示度及び酸度(クエン酸酸度)の値は、以下のような測定器具により測定される:
[糖用屈折計示度の値]:デジタル屈折計RX-5000α(株式会社アタゴ)にて測定した値。
[酸度(クエン酸酸度)の値]:食品用酸度計AT-400(京都電子工業株式会社)にて測定した値。
本発明において、果汁飲料原料に添加し、糖酸比の調整のために用いられる、糖類としては、温度依存性の低い糖として、ショ糖、麦芽糖及びブドウ糖からなる糖類の1種又は2種以上が用いられるが、特に、温度依存性の低い糖として、ショ糖が好ましい。添加する糖類がショ糖である場合には、ショ糖の添加量が果汁飲料に対して0.4重量%〜1.2重量%の範囲で、添加することができる。本発明の果汁飲料の製造に際して、糖酸比の調整のために、必要により、酸を補充することができる。該酸としては、果汁本来の酸味を呈する酸であればよく、有機酸、無機酸を用いることができる。例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、リン酸を好ましい例として挙げることができるが、クエン酸が最も好ましい例として挙げることができる。果汁飲料のpHは、pH4以下が望ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[試験例1]
(サンプルの調製):
濃縮りんご果汁からなるベース処方へ、ショ糖およびクエン酸を添加することにより糖酸比を調整し、常法にて果汁100%へ還元した100%りんご果汁飲料サンプルを調製した。
<100%りんご果汁飲料(ベース処方)の規格>
糖用屈折計示度:10.0°Brix
酸度(クエン酸酸度):0.24g/100g as C.A.
糖酸比:9
(官能評価方法):
サンプルの液温を、15℃(コールド飲用)、50℃(ホット飲用)に調整し、官能検査にて香味を評価した。パネラーは、4名。結果を、表1に示す。
Figure 2008035753
(結果の評価):
<糖酸比10付近>比較例1〜6:試飲の結果、やはりコールド時に比べ、ホット飲用では酸味が目立つ結果であり、コールド飲用でもショ糖0〜1.2重量%程度では酸味が強く感じられた。ホット飲用では2.0重量%添加することで許容できる香味となった。
<糖酸比20付近>実施例1〜3、比較例7〜9:試飲の確認(糖酸比20付近)の結果、ショ糖の添加効果が確認され、特に1.6〜2.0重量%で確認される。ホット飲用ではやはり、甘味が弱まる傾向である。
<糖酸比30付近>実施例4〜6、比較例10〜12:試飲の確認(糖酸比30付近)の結果、元々コールド飲用では甘味と酸味のバランスの良い糖酸比であり、また、コールド飲用ではショ糖添加率が1.2重量%以上で、甘味が目立つようになる。一方、ホット飲用では、ショ糖の添加によりバランスが改善されていた。
<糖酸比40付近>実施例7〜9、比較例13〜15:試飲の確認(糖酸比40付近)の結果、ショ糖の添加効果が確認され、特に0.4〜1.2重量%でコールド飲用、ホット飲用ともに甘味と酸味のバランスが良かった。ホット飲用ではやはり、甘味が弱まる傾向であるが、甘味が目立つ2.0重量%では逆にホット時はバランスがよくなる。
[試験例2]
(サンプルの調製):
濃縮りんご果汁、濃縮レモン果汁、はちみつ、香料からなるベース処方へ、ショ糖を添加することにより糖酸比を調整し、常法にて果汁100%へ還元した100%果汁飲料サンプルを調製した。
<100%果汁飲料(ベース処方)の規格>
糖用屈折計示度:11.2°Brix
酸度(クエン酸酸度):0.29g/100g as C.A.
糖酸比:39
(官能評価方法)
サンプルの液温を15℃(コールド飲用)、50℃(ホット飲用)に調整し、官能検査にて香味を評価した。パネラーは3名。結果を、表2に示す。
Figure 2008035753
(結果の評価):
試飲の結果、添加率が低い場合、やや酸味が目立ち、また特に、ホット飲用では酸味が目立つ傾向であった。本ベース処方においてはショ糖添加率0.8重量%が妥当であり、それ以上ではやや、甘味が目立つ傾向であった。ショ糖の添加率は、添加前の製品「°Brix」と酸度に依存しており、一概にこの添加率が妥当であるとは言えないが、果汁飲料であればどのような処方においても0.4〜1.2重量%の添加で、際立った効果があるものと期待される。
[試験例3]
(サンプルの調製):
濃縮オレンジ果汁と香料からなるベース処方へ、ショ糖を添加することにより糖酸比を調整し、常法にて果汁100%へ還元した100%オレンジ果汁飲料サンプルを調製した。
<100%オレンジ果汁飲料(ベース処方)の規格>
糖用屈折計示度:12.7°Brix
酸度(クエン酸酸度):0.78g/100g as C.A.
糖酸比:16
(官能評価方法)
サンプルの液温を15℃(コールド飲用)、50℃(ホット飲用)に調整し、官能検査にて香味を評価した。パネラーは3名。結果を、表3に示す。
Figure 2008035753
(結果の評価):
試飲の結果、コールド飲用では、ショ糖を添加率0%でも甘味・酸味のバランスは良好であった。ただし、ホット飲用の場合、やはり酸味が目立ち、結果、0.8重量%程度添加により、ホット飲用時の甘味と酸味のバランスも改善できた。一方で、1.6重量%以上添加すると、コールド飲用でも甘味が目立ち、バランスが崩れることとなった。ショ糖の添加は、コールド飲用時のバランスが取れている飲料においても、添加率を検討することで、ホット飲用でのバランスを大きく改善できるものと考えられる。以上より、コールド飲用時には香味に問題はないが、ホット飲用した場合には酸味が目立つという、従来の果汁飲料が有する課題をショ糖を添加することで改善できることが明らかとなった。
[試験例4]
(サンプルの調製):
濃縮オレンジ果汁、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸、香料からなるベース処方へ、ショ糖を添加することにより糖酸比を調整し、常法にて果汁70%へ還元した70%果汁飲料サンプルを調製した。
<70%オレンジ果汁飲料(ベース処方)の規格>
糖用屈折計示度:12.7°Brix
酸度(クエン酸酸度):0.59g/100g as C.A.
糖酸比:22
(官能評価方法)
サンプルの液温を15℃(コールド飲用)、50℃(ホット飲用)に調整し、官能検査にて香味を評価した。パネラーは3名。結果を、表4に示す。
Figure 2008035753
(結果の評価):
試飲の結果、ショ糖添加率0%でもコールド飲用での甘味・酸味のバランスは悪くなかった。ただし、ホット飲用の場合、酸味が目立ち、結果、0.8%程度添加により、ホット飲用時のバランスも改善できた。一方で、1.6%以上添加すると、コールド時でもバランスが崩れることとなった。ショ糖の添加は、コールド飲用においてはバランスが取れている飲料においても、添加率を検討することで、ホット飲用時のバランスを大きく改善できるものと考えられる。以上より、コールド飲用時には甘味・酸味のバランスが良好であるが、ホット飲用した場合には酸味が目立つという、従来の果汁飲料が有する課題をショ糖を添加することで改善できることが明らかとなった。
[試験例5]
(サンプルの調製):
濃縮りんご果汁、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸、リンゴ酸、香料からなるベース処方へ、ショ糖を添加することにより糖酸比を調整し、常法にて果汁70%へ還元した70%果汁飲料サンプルを調製した。
<70%オレンジ果汁飲料(ベース処方)の規格>
糖用屈折計示度:11.6°Brix
酸度(クエン酸酸度):0.37g/100g as C.A.
糖酸比:31
(官能評価方法)
サンプルの液温を15℃(コールド飲用)、50℃(ホット飲用)に調整し、官能検査にて香味を評価した。パネラーは3名。結果を、表5に示す。
Figure 2008035753
(結果の評価):
試飲の結果、コールド飲用では、ショ糖添加率0%でも甘味・酸味のバランスに問題はなかった。ただし、ホット飲用の場合、酸味が目立つようになり、ショ糖を0.8%程度添加することにより、ホット飲用時のバランスも改善できた。一方で、ショ糖添加率を1.6%以上添加すると、コールド飲用時でもバランスが崩れることとなった。ショ糖の添加は、コールド飲用にて甘味・酸味のバランスが取れている飲料においても、ホット飲用時のバランスを大きく改善でき、コールド飲用、ホット飲用の何れの場合においても優れた香味を有する飲料を得ることができる。

Claims (5)

  1. 果汁飲料原料に、ショ糖、麦芽糖及びブドウ糖からなる糖類の1種又は2種以上を添加して、果汁飲料の糖酸比を15〜50に調整することを特徴とする果汁飲料の製造方法。
  2. 添加する糖類がショ糖であり、ショ糖の添加量が果汁飲料に対して0.4重量%〜1.2重量%であることを特徴とする請求項1記載の果汁飲料の製造方法。
  3. 果汁飲料中の果汁含量が、70〜100重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の果汁飲料の製造方法。
  4. 果汁飲料の果汁が、リンゴ果汁、柑橘系果汁、又はブドウ果汁であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の果汁飲料の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の果汁飲料の製造方法によって製造される、低温及び加温のいずれにおいても嗜好性の高い果汁飲料。
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