JP2015062408A - 加温販売用容器詰飲料 - Google Patents

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英行 若林
桃子 小谷野
Momoko Koyano
桃子 小谷野
晃 大賀
Akira Oga
晃 大賀
友香里 中村
Yukari Nakamura
友香里 中村
英陽 小田井
Hideharu Odai
英陽 小田井
涼子 佐野
Ryoko Sano
涼子 佐野
麻紀子 中島
Makiko Nakajima
麻紀子 中島
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Abstract

【課題】加温(50〜70℃)状態で販売に供される、加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料において、飲料の香味には極力影響を及ぼすことなく、加温劣化成分の加温劣化を有効に抑制した加温販売用容器詰飲料を提供すること。
【解決手段】加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料において、20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.05MPa以上になるように、該飲料に炭酸ガスを圧入することにより、加温劣化成分の加温劣化を抑制した加温販売用容器詰飲料を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、加温(50〜70℃)状態で、販売に供される加温販売用容器詰飲料、特に、加温に起因して劣化が顕著となる加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料において、加温劣化成分の加温劣化を抑制した加温販売用容器詰飲料に関する。
近年は、消費者の嗜好の多様化から、そのニーズに対応して、飲料においても各種の飲料が提供されている。そのような飲料の中で、ビタミンC(アスコルビン酸)や、レモンフレーバーのような柑橘系フレーバーを含有する各種飲料も主要な位置を占めている。ビタミンCは、その爽やかな酸味のために、飲料に清涼感を与える成分として、また、その優れた抗酸化作用により、飲料自体の抗酸化剤として、或は、その生体への作用により、健康機能成分として、飲料に含有されている。また、柑橘系フレーバーも、飲料に爽やかな柑橘系フレーバーを付与する成分として、多用されている。
これらのビタミンCや、柑橘系フレーバーのような成分は、飲料を構成する成分として、重要な成分であるが、これらの成分は、飲料中の酸化作用等により、劣化が起こり、該成分を含有した容器詰飲料等の含有量を減ずる問題がある。そこで、従来より、これらの成分を含有する飲料において、その成分の劣化を抑制する各種の方法が提案されている。例えば、特開平6−9603号公報には、ビタミンCの劣化を抑制する方法として、ビタミンCにクロロゲン酸を配合する方法が開示されている。しかし、この方法では、クロロゲン酸が渋味を有することもあって、これらの成分の添加量には限度があった。
また、特開2012−170369号公報には、ビタミンC含有飲料において、酸化によるビタミンCの劣化を抑制するために、ビタミンCとともに、L−アスコルビン酸ナトリウムや、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムのようなナトリウム塩、及び、L−アスコルビン酸カルシウムや、塩化カルシウム、乳酸カルシウムのようなカルシウム塩を配合して、飲料中のナトリウム及びカルシウムの含有量を調整し、呈味の改善とともに、ビタミンCの劣化を抑制する方法が開示されている。
更に、特開2003−96486号公報には、柑橘系フレーバーを含む飲料に、茶ポリフェノールを添加して、柑橘系フレーバーの香味劣化を抑制する方法が、特開2007−39610号公報には、レモンフレーバーを含有する飲料に、クエン酸カルシウムを添加して、フレーバー成分の劣化を抑制する方法が開示されている。また、特開2007−319050号公報には、レモンフレーバーを含有した飲料に、アスコルビン酸ナトリウムを添加して、レモンフレーバーの香気の劣化を抑制する方法が、特開2009−165370号公報には、柑橘系フレーバーを付与した無果汁炭酸飲料において、乳酸カルシウム等のカルシウム塩を添加することによって、フレーバーの香気劣化を抑制す方法がそれぞれ記載されている。これらの飲料成分の劣化抑制は、いずれも劣化抑制剤成分の配合によってなされるため、該成分の飲料味覚への影響があって、飲料本来の味覚の保持が難しいという面がある。また、ビタミンCや柑橘系フレーバーは加温に起因して劣化が顕著となる加温劣化成分であるが、これらの劣化抑制方法は、特に、加温販売における対応ということで、なされているものではない。
一方で、近年は飲料において、各種の飲料の提供とともに、その販売形態も、消費者のニーズに対応し、夏場に向けては、冷却、低温での販売が、冬場に向けては、加温、高温での販売が行われている。加温販売用の飲料としては、ブラックコーヒーやミルク入りコーヒーのようなコーヒー入り飲料、緑茶、ウーロン茶、紅茶、麦茶のような茶系飲料、乳飲料、ミルク入りコーヒー、ミルクティーのような乳入り飲料、果汁飲料などのような酸性飲料、ココア飲料、甘酒、スープなど多岐に亘るものが加温販売用の飲料として提供されているが、ビタミンCや柑橘系フレーバーのような加温劣化成分を含有する飲料も加温販売用の飲料として提供されている。
これらの加温販売用飲料においては、加温販売における飲料成分の劣化を抑制するために、それぞれの飲料において、各種の方法が開示されている。例えば、特開平9−94060号公報には、トレハロース及び大豆由来の水溶性多糖類を含有させて、褐変や風味の劣化を防止した加温保存に耐え、品質安定性を備えた酸性乳飲料が、特開2001−158号公報には、キトサン、キトサンオリゴ糖、グルコサミン等を添加して、酸性飲料の加温保存時等のpHの低下を伴う品質劣化を抑制する方法が開示されている。また、特開2005−323530号公報には、水溶性ヘミセルロースtHMペクチンを含有させて、酸性乳飲料における加温保存における乳タンパク質の凝集・沈殿の抑制と乳成分風味の強化を図る方法が、特開2005−198531号公報には、アスコルビン酸によりpHを調整して、長期加温に対して、沈澱の発生や、香味の劣化のない茶飲料が開示されている。
更に、特開2011−72293号公報には、果汁飲料に、ショ糖と高甘味度甘味料を配合して、加温販売における品質の劣化や、色調の変化を抑制する方法が開示されている。これらは、いずれも、加温販売に際しての製品の安定性を保持する点に主眼を置いたものであるが、飲料の成分の劣化のために各種成分を添加することから、飲料成分の劣化の抑制に際し、飲料の味覚への影響は避けられない。また、前記のとおり、ビタミンCや柑橘系フレーバーのような加温劣化成分を含有する飲料においては、その成分の劣化を抑制する方法が開示されているが、飲料の味覚への影響が避けられないというだけではなく、加温販売においては加温に起因する酸化、分解、重合等の劣化原因が加重されることから、該方法を適用しても飲料の加温による劣化を避けることが難しい。したがって、酸性飲料の加温販売に際して、ビタミンCや柑橘、ブドウ、りんごフレーバー等の果実系フレーバー・色素のような加温劣化成分の加温劣化を有効に抑制する方法は見出されていない。
特開平6−9603号公報。 特開2001−158号公報。 特開2003−96486号公報。 特開2005−198531号公報。 特開2005−323530号公報。 特開2007−39610号公報。 特開2007−319050号公報。 特開平9−94060号公報。 特開2009−165370号公報。 特開2011−72293号公報。 特開2012−170369号公報。
本発明の課題は、加温(50〜70℃)状態で販売に供される、ビタミンCや柑橘、ブドウ、りんごフレーバー等の果実系フレーバー・色素のような加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料において、飲料の香味には極力影響を及ぼすことなく、該加温劣化成分の加温劣化を有効に抑制した加温販売用容器詰飲料を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、飲料の香味には極力影響を及ぼすことなく、加温劣化成分の加温劣化を有効に抑制した加温販売用容器詰飲料を提供する方法について鋭意検討する中で、加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料において、該飲料に、炭酸ガスを特定の容器内ガス圧力となるように圧入することにより、加温劣化成分の加温劣化を有効に抑制することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は、加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料において、20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.05MPa以上になるように、該飲料に炭酸ガスが圧入されることを特徴とする、加温劣化成分の加温劣化を抑制した加温販売用容器詰飲料からなる。本発明においては、特定量の炭酸ガスの圧入により、加温劣化成分の加温劣化を抑制するものであるから、飲料の香味には極力影響を及ぼすことなく、加温劣化成分の加温劣化を抑制することができる。本発明において、20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.05〜0.35MPaになるように、該飲料に炭酸ガスを圧入することにより、飲料中の加温劣化成分の加温劣化を有効に抑制することができる。本発明において、加温販売用容器詰飲料に含有される加温劣化成分としては、ビタミンCや柑橘、ブドウ、りんごフレーバー等の果実系フレーバー・色素のような加温劣化成分を挙げることができる。
また、本発明において、加温販売には、通常の、ホットベンダー等において採用されている50〜70℃の温度下での販売を採用することができる。
本発明は、加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料の製造において、20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.05MPa以上になるように、該飲料に炭酸ガスを圧入し、容器詰することを特徴とする、加温劣化成分の加温劣化を抑制した加温販売用容器詰飲料の製造方法の発明を包含する。
更に、本発明は、加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料の製造において、20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.05MPa以上になるように、炭酸ガスを圧入することを特徴とする、加温販売用容器詰飲料の加温販売時の劣化を抑制する方法の発明を包含する。
本発明は、加温(50〜70℃)状態で販売に供される、ビタミンCや柑橘、ブドウ、りんごフレーバー等の果実系フレーバー・色素のような加温に起因して劣化が顕著となる加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料において、該飲料の香味には極力影響を及ぼすことなく、加温劣化成分の加温劣化を有効に抑制した加温販売用容器詰飲料を提供する。
図1は、本発明の実施例における、加温容器詰飲料における柑橘香料劣化抑制(成分分析)の試験において、アルコールなしの加温容器詰飲料について、柑橘香料の主要香気成分シトラールの劣化成分であるクレゾール量を測定した結果を示す図である。 図2は、本発明の実施例における、加温容器詰飲料における柑橘香料劣化抑制(成分分析)の試験において、アルコールありの加温容器詰飲料について、柑橘香料の主要香気成分シトラールの劣化成分であるクレゾール量を測定した結果を示す図である。 図3は、本発明の実施例における、加温容器詰飲料における果汁由来色素成分の劣化抑制の試験において、加温容器詰飲料におけるブドウ由来の色素の劣化について試験した結果を示す図である。
本発明を実施するための実施形態について以下説明する。なお、本発明の技術的範囲は実施形態に限定されるものではない。
本実施形態では、ビタミンCや柑橘、ブドウ、りんごフレーバー等の果実系フレーバー・色素のような加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料において、20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.05MPa以上になるように、該飲料に炭酸ガスが圧入される。この構成により、本実施形態は、加温劣化成分の加温劣化を抑制した加温販売用容器詰飲料を提供する。
本実施形態において、加温劣化成分として、ビタミンCを挙げることができる。ビタミンC含有飲料としては、ビタミンCを添加した各種飲料、及び、果汁のようなビタミンCを含有する各種飲料を挙げることができる。
また、本実施形態において、加温劣化成分として、柑橘、ブドウ、りんごフレーバー等の果実系フレーバーを挙げることができる。また、ブドウ果汁由来色素のような飲料用天然色素のような成分をあげることができる。柑橘系フレーバーを含有する飲料としては、飲料に配合した場合に、レモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ等の柑橘系のフレーバーを付与するフレーバーを含有させた飲料を挙げることができる。これらのフレーバーは、アルデヒド類を有効量含有する柑橘系フレーバーである。柑橘系フレーバーに含有されるアルデヒド類としては、シトラール(ネラール、ゲラニアール)、オクタナール、デカナール、シネンサール、アセトアルデヒド、ノナナール、シトロネラール、ドデカナール、ウンデカナールを挙げることができる。また、本実施形態における柑橘系フレーバーは、アルデヒド類以外の成分を有効量含有する柑橘系フレーバーであってもよい。該成分としては、リモネン、テルペン、脂肪酸(カプリル酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、酪酸等)、ヌートカトン、チオテルピネオール、エチルブチレート、テルピネオール、シネオール、チモール、ヘキサノールを挙げることができる。なお、本実施形態における柑橘系フレーバー・色素は、果汁由来であっても合成されたものであってもよい。
本発明において、加温販売用容器詰飲料としては、酸性飲料或いはアルコール飲料等の加温販売用容器詰飲料を挙げることができる。本実施形態におけるビタミンC及び/又は果実系フレーバー・色素を含有する飲料は、特定炭酸ガス圧で該炭酸ガスを圧入する点を除いて、公知のビタミンC及び/又は果実系フレーバー・色素を含有する飲料と、その組成及び添加成分において変わるところはない。
本実施形態の加温販売用容器詰飲料においては、20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.05MPa以上になるように、該飲料に炭酸ガスが圧入される。この構成により、加温劣化成分の加温劣化を抑制することができる。なお、容器内ガス圧力の上限は特に限定されないが、製造上の観点から、20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.05〜0.35MPaになるように、炭酸ガスが圧入されることが好ましい。特に、20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.05〜0.28MPaになるように、炭酸ガスが圧入されることが好ましい。また、炭酸ガスを含む飲料を高温で飲用に供した場合の炭酸ガスによる開栓時の「噴き」の問題を回避するために、20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.10〜0.25MPaになるように炭酸ガスが圧入されることが好ましい。
炭酸ガスを溶け込ませる際の圧力は適宜設定できる。炭酸ガス圧の測定は、例えば、20℃に調整した試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値をMPaで表わすものとする(農林水産省webページ:http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/kikaku_itiran.html を参照)。具体的には、穿孔圧力計が使用できる容器に入った検体について、検体を時々振りながら20℃の水槽に30分間保った後、穿孔圧力計を取り付け、針を突き刺し軽く振って圧力を読むことにより測定することができる。また、市販の機械式炭酸ガス圧測定器を用いて測定することもできる。例えば、ガスボリューム測定装置(GVA-500B、京都電子工業株式会社製)を用いてもよい。
本実施形態の加温販売用容器詰飲料の製造には、該飲料の製造原料、添加成分、製造方法及び条件については、炭酸ガス圧入の点を除いて、公知の飲料の製造原料、添加成分、製造方法及び条件を適用することができる。なお、炭酸入り飲料の糖度(Brix)は、飲料の炭酸感と調和するためには、0.01〜15.0に調整されていることが好ましい。また、飲料のpHは、特に限定されないが炭酸との相性からは、酸性の範囲、具体的にはpH2.1〜4.3の範囲に調整されることが好ましい。特に、飲料のpHは、pH2.1〜4.0の範囲に調整されることが好ましく、更に、pH2.1〜3.8の範囲に調整されることが好ましい。
本実施形態の加温販売用容器詰飲料の調製において用いられる加温劣化成分としては、上述した柑橘系フレーバー以外のフレーバーを挙げることができる。具体的には、上述したアルデヒド類以外のアルデヒド類を有効量含有するフレーバーであってもよい。該アルデヒド類としては、ベンズアルデヒド、ヘキサナール、ノナジエナール、バニリン類、芳香族アルデヒド(フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール)、メチルブタナール、ノネナール、ペンテナール、ヘプタナール、ヘプタジエナール、オクタジエナール、フェニルアセトアルデヒド、フェニルブテナール、シクロシトラール、サフラナールを挙げることができる。なお、柑橘系フレーバー以外のフレーバーも、上述した柑橘系フレーバーと同様に、果汁由来であっても合成されたものであってもよい。
また、本実施形態の加温販売用容器詰飲料の調製において用いられる加温劣化成分としては、上述したビタミンC以外のビタミン、例えばビタミンE(トコフェロール)を挙げることができる。また、本実施形態の加温販売用容器詰飲料の調整において用いられる加温劣化成分としては、糖類(グルコース、果糖、ショ糖等)、アミノ酸、上述したビタミンC以外の抗酸化剤を挙げることができる。
また、本実施形態の加温販売用容器詰飲料の調製において用いられる加温劣化成分としては、ポリフェノール(アントシアニン、カテキン、ルチン、クルクミン、イソフラボン、クロロゲン酸等)、ペプチド(グルタチオン等)、カロテノイド(フコキサンチン、アスタキサンチン、リコピン等)を挙げることができる。また、本実施形態の加温販売用容器詰飲料の調整において用いられる加温劣化成分としては、辛味成分(ジンゲロール、カプサイシン、ピペリン等)を挙げることができる。
本実施形態において、加温販売用容器詰飲料とは、容器詰飲料を自動販売機のホット販売や、ホットベンダーでの販売に供される密封容器詰飲料をさすものであるが、消費者が購入後、封をしたまま50度以上に温めた後に飲用する密封容器詰飲料をも包含する。
本実施形態を更に、実施例により具体的に説明する。なお、本発明の技術的範囲は実施例の例示に限定されるものではない。
[加温容器詰飲料における柑橘香料劣化抑制]
以下の処方により、容器詰飲料を作製した。
(処方):果糖ぶどう糖液糖(果糖55%)13.35%、クエン酸0.0625%、柑橘香料(レモンを圧搾、蒸留し、回収した香気成分を含むレモンフレーバー)0.10%。
(容器):250ml透明壜。
(pH):2.8
該容器詰飲料の調製に際して、容器詰飲料の容器内ガス圧を、20℃測定時において、表1に示すガス圧に調整した。該容器詰飲料について、5℃または60℃で保管し、3日後の飲料の「劣化臭」についての官能評価を実施した。官能評価は、精通した6人のパネラーにより実施した。該官能評価は、表2の評価基準にしたがって実施した。官能評価の結果を表1に示す。なお、コントロール品として、上記の処方・容器・pHで調製し、成分を劣化させていない容器詰飲料を用いた。
[加温容器詰飲料におけるビタミンC(アスコルビン酸)劣化抑制]
以下の処方により、容器詰飲料を作製した:
(処方):果糖ぶどう糖液糖(果糖55%)13.35%、クエン酸0.0625%、アスコルビン酸0.050%。
(容器):250ml透明壜。
(pH):2.8
該容器詰飲料の調製に際して、容器詰飲料の容器内ガス圧を、20℃測定時において、表3に示すガス圧に調整した。該容器詰飲料について、5℃(表3)又は60℃(表4)で保管し、3日後の飲料の「劣化臭」「外観」についての官能評価を実施した。また60℃保管のサンプルについてはアスコルビン酸量を測定し、添加量を100とした場合の「アスコルビン酸の残存率(%)」を得た。官能評価は、精通した6人のパネラーにより実施した。該官能評価は、表6の評価基準にしたがって実施した。官能評価の結果を表3〜表5に示す。なお、コントロール品として、上記の処方・容器・pHで調製し、成分を劣化させていない容器詰飲料を用いた。
[アルコール入り加温容器詰飲料における柑橘香料劣化抑制]
以下の処方により、容器詰飲料を作製した:
(処方):果糖ぶどう糖液糖(果糖55%)13.35%、クエン酸0.0625%、柑橘香料(レモンを圧搾、蒸留し、回収した香気成分を含むレモンフレーバー)0.10%、原料用アルコール6.3%。
(容器):350ml容アルミ缶。
(pH):2.8
該容器詰飲料の調製に際して、容器詰飲料の容器内ガス圧を、20℃測定時において、表7に示すガス圧に調整した。該容器詰飲料について、5℃または60℃で保管し、3日後の飲料の「劣化臭」についての官能評価を実施した。官能評価は、精通した7人のパネラーにより実施した。該官能評価は、表2の評価基準にしたがって実施した。官能評価の結果を表7に示す。なお、コントロール品として、上記の処方・容器・pHで調製し、成分を劣化させていない容器詰飲料を用いた。
[加温容器詰飲料における柑橘香料劣化抑制(成分分析)]
柑橘香料の主要香気成分シトラールの劣化成分であるクレゾールの量を測定した。サンプルは、アルコールなしは実施例1、アルコールありは実施例3と同様に調整し、ガス圧は(1)0、(2)0.05、(3)0.13、(4)0.22(MPa)とした。
5℃で3日保存したサンプル、60℃で3日保存したサンプル、60℃で14日保存したサンプルそれぞれについて測定を行った。保管後のレモン風味飲料中のクレゾール含有量は、保管後のレモン風味飲料を固相抽出により濃縮した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(アジレント・テクノロジー株式会社製)により測定した。HPLC条件を表8に示す。
結果を、図1(アルコールなし、クレゾール量):表9、及び、図2(アルコールあり、クレゾール量):表10に示す。
[加温容器詰飲料における柑橘系以外の果汁香料劣化抑制]
以下の処方により、容器詰飲料を作製した:
(処方A):果糖ぶどう糖液糖(果糖55%)13.35%、クエン酸0.0625%、ぶどう香料(Ethyl-propinateを含むフレーバー)0.008%、ブリックス7.5。
(容器):250ml透明壜。
(pH):2.8
(処方B):果糖ぶどう糖液糖(果糖55%)13.35%、クエン酸0.0625%、りんご香料(trans-2-hexenalを含むフレーバー)0.005%、ブリックス7.5。
(容器):250ml透明壜。
(pH):2.8
該容器詰飲料の調製に際して、容器詰飲料の容器内ガス圧を、20℃測定時において、表11(ぶどう香料入り清涼飲料)、表12(りんご香料入り清涼飲料)に示すガス圧に調整した。該容器詰飲料について、5℃または60℃で保管し、3日後の飲料の「劣化臭」についての官能評価を実施した。官能評価は、精通した6人のパネラーにより実施した。該官能評価は、表2の評価基準にしたがって実施した。官能評価の結果を表11及び12に示す。なお、コントロール品として、上記の処方・容器・pHで調製し、成分を劣化させていない容器詰飲料を用いた。
[加温容器詰飲料における果汁由来色素成分の劣化抑制]
以下の処方により、容器詰飲料を作製した:
(処方):果糖ぶどう糖液糖(果糖55%)9.4%、クエン酸0.02%、67°Bxレッドグレープ果汁0.8%、ブリックス7.65。
(容器):250ml透明壜。
(pH):3.2
ガス圧は、(1)0.0、(2)0.06、(3)0.10、(4)0.25(Mpa)とした。ブドウ由来の色素の劣化を確認すべく、Labを測定し、色調(赤−緑の軸)であるa値の変化度を確認した。Labの測定はSPECTROPHOTOMETER CM-3500d(MINOLTA社)を用いた。保存は60℃10日、14日で行った。結果を図3に示す。
本発明は、加温(50〜70℃)状態で販売に供される、加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料において、該飲料の香味には極力影響を及ぼすことなく、加温劣化成分の加温劣化を有効に抑制した加温販売用容器詰飲料を提供する。

Claims (7)

  1. 加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料において、20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.05MPa以上になるように、該飲料に炭酸ガスが圧入されたことを特徴とする、加温劣化成分の加温劣化を抑制した加温販売用容器詰飲料。
  2. 20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.05〜0.35MPaになるように、該飲料に炭酸ガスが圧入されたことを特徴とする請求項1に記載の加温販売用容器詰飲料。
  3. 加温劣化成分が、ビタミンC及び/又は果実系フレーバー及び/又は色素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加温販売用容器詰飲料。
  4. 加温販売が、50〜70℃の温度下での販売であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の加温販売用容器詰飲料。
  5. 加温販売用容器詰飲料が、酸性飲料又はアルコール飲料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の加温販売用容器詰飲料。
  6. 加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料の製造において、20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.05MPa以上になるように、該飲料に炭酸ガスを圧入し、容器詰めすることを特徴とする、加温劣化成分の加温劣化を抑制した加温販売用容器詰飲料
    の製造方法。
  7. 加温劣化成分を含有する加温販売用容器詰飲料の製造において、20℃で測定したときの容器内ガス圧力が、0.05MPa以上になるように、該飲料に炭酸ガスを圧入することを特徴とする、加温販売用容器詰飲料の加温販売時の劣化を抑制する方法。
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