JP2008022671A - インバータの制御装置、インバータの制御方法および車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】インバータの低損失化を重視するユーザの要求に対応可能なインバータの制御装置、それを備える車両およびインバータの制御方法を提供する。
【解決手段】モード選択スイッチ40は、運転者の要求走行モードを指示する信号を生成して制御装置30へ出力する。制御装置30は、要求走行モードがインバータ14の低損失化を求める燃費重視モードのとき、交流モータM1のトルクおよび回転数に応じてキャリア周波数を設定するための第1のマップと、要求走行モードがインバータ14の騒音抑制を求める静粛性重視モードのとき、交流モータM1のトルクおよび回転数に応じてキャリア周波数を設定するための第2のマップとを予め有する。第1および第2のマップは、同一のトルクおよび回転数に対して、第1のマップを用いて設定されるキャリア周波数が、第2のマップを用いて設定されるキャリア周波数以下となるように設定される。
【選択図】図1
【解決手段】モード選択スイッチ40は、運転者の要求走行モードを指示する信号を生成して制御装置30へ出力する。制御装置30は、要求走行モードがインバータ14の低損失化を求める燃費重視モードのとき、交流モータM1のトルクおよび回転数に応じてキャリア周波数を設定するための第1のマップと、要求走行モードがインバータ14の騒音抑制を求める静粛性重視モードのとき、交流モータM1のトルクおよび回転数に応じてキャリア周波数を設定するための第2のマップとを予め有する。第1および第2のマップは、同一のトルクおよび回転数に対して、第1のマップを用いて設定されるキャリア周波数が、第2のマップを用いて設定されるキャリア周波数以下となるように設定される。
【選択図】図1
Description
この発明は、インバータの制御装置、インバータの制御方法および車両に関し、特に、インバータに発生する電力損失を低減可能なインバータの制御装置、インバータの制御方法および車両に関する。
通常、電気自動車(EV:Electric Vehicle)やハイブリッド自動車(HV:Hybrid Vehicle)等の車両において、電気エネルギーによる駆動力は、高電圧の電池から供給される直流電力をインバータによって3相交流電力に変換し、これにより3相交流モータを回転させることにより得ている。また、車両の減速時には、逆に3相交流モータの回生発電により得られる回生エネルギーを電池に蓄電することにより、エネルギーを無駄なく利用して走行している。
このようなハイブリッド自動車または電気自動車において、インバータは6個のスイッチング素子(たとえばIGBT(Isolated Gate Bipolar Transistor))を3アームのブリッジ接続にし、これらのIGBTのスイッチング動作により入力された直流電力から3相交流モータを駆動するための交流電力を得ている。
たとえばPWM制御により交流モータを駆動するとき、所定のキャリア周波数のキャリア信号(三角波信号)と電圧指令との比較により生成された信号に応じてIGBTがスイッチング動作を行なう。これにより、交流モータの各相コイルに流れる電流が制御されて交流モータのトルクおよび回転数が制御される。
このとき、キャリア周波数に応じたスイッチング周波数でIGBTがスイッチング動作を行なうことにより、インバータではスイッチング周波数のスイッチング音が発生するため、車両の静粛性を侵す可能性がある。車両の静粛性を保つためには、キャリア周波数を可聴帯域外の高い周波数に設定することが有効である。
その一方で、キャリア周波数を上昇させることによってIGBTで発生するスイッチング損失が増加する。スイッチング損失の増加は、交流モータの駆動効率を低下させて車両の燃費を悪化させる要因となる。
そこで、従来より、インバータの制御装置としては、インバータのキャリア周波数を外部要因に応じて変更可能なものが提案されている(たとえば特許文献1〜5参照)。
たとえば特許文献1は、スイッチング周波数を生成する制御装置と、生成されたスイッチング周波数に基づいてバッテリからの直流電圧を交流電圧に変換してモータを駆動するモータドライバとを備えるバッテリフォークリフトを開示する。
これによれば、制御装置は、モータの回転数、または、バッテリフォークリフトの操縦席で聞こえる騒音の程度に応じて、モータドライバに含まれるインバータのスイッチング周波数を生成する。具体的には、制御装置は、騒音の程度が所定値以上のときには最小値のスイッチング周波数を生成する一方で、騒音の程度が所定値未満のときには可聴周波数を超えるスイッチング周波数を生成する。その結果、インバータのスイッチング音が低減され、操縦者の不快感を低減することができる。
また、特許文献2には、空調機を駆動するインバータのキャリア周波数を、外部要因に基づいて変更するインバータの制御方法が開示される。
これによれば、外部要因としては、空調機の負荷状態、インバータの周囲温度、予め設定された時間帯および外部の制御機器からの指令が挙げられる。一例として、外部の制御機器としての空調機のリモコンに設けられた静音モードを指示するスイッチがオン状態に操作されたときには、キャリア周波数は高周波数に設定される。一方、スイッチがオフ状態に操作されたときには、キャリア周波数は低周波数に設定される。
特開2002−338197号公報
特開2002−272126号公報
特開2002−10668号公報
特開2001−238306号公報
特開2005−278281号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のフォークリフトは、操縦者の不快感の低減を意図したものであるため、操縦席で聞こえる騒音の程度が低い場合に生成されるスイッチング周波数は、可聴帯域外の高い周波数に設定される。そのため、かかる場合にスイッチング損失が増加するのを避けることができない。
同様に、特許文献2に記載のインバータの制御方法においても、静音モードが指示されたことに応じてキャリア周波数を高めることによって、静粛性を求めるユーザの要求に応えることができるが、その一方でスイッチング損失の増加による燃費悪化を抑制することができない。
このようにインバータのキャリア周波数に関して、静粛性と低損失とは互いにトレードオフの関係にある。そして、当該関係において、上記特許文献に記載のインバータの制御装置は、専ら静粛性を優先してキャリア周波数を設定するものであった。
しかしながら、ユーザによっては、静粛性よりも低損失をより強く要求する場合が起こり得る。たとえば電気自動車やハイブリッド自動車においては、車両の静粛性よりもインバータの損失を低減して燃費を向上させたい運転者が少なからず存在する。このような運転者の要求に対して、従来のインバータの制御装置は十分に応えることが困難である。
それゆえ、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、インバータの低損失化を重視するユーザの要求に応えることができるインバータの制御装置および制御方法を提供することである。
この発明の別の目的は、燃費性能を重視する運転者の要求に応えることができる車両を提供することである。
この発明によれば、インバータの制御装置は、スイッチング素子のスイッチング動作により電源と電気負荷との間で電力変換を行なうインバータの制御装置である。インバータの制御装置は、外部から要求されたインバータの運転モードを検出する運転モード検出手段と、検出された運転モードに応じて、インバータのキャリア周波数を設定するキャリア周波数設定手段とを備える。運転モードは、スイッチング動作に伴なうインバータの電力損失を低減するようにインバータを運転する第1の運転モードと、スイッチング動作に伴ない発生するインバータの騒音を抑制するようにインバータを運転する第2の運転モードとのうちの少なくとも1つを含む。キャリア周波数設定手段は、第1の運転モードが検出されたときに電気負荷の出力状態に応じてキャリア周波数を設定するための第1のマップと、第2の運転モードが検出されたときに電気負荷の出力状態に応じてキャリア周波数を設定するための第2のマップとを有する。第1および第2のマップは、同一の出力状態に対して、第1のマップを用いて設定されるキャリア周波数が、第2のマップを用いて設定されるキャリア周波数以下となるように設定される。
上記のインバータの制御装置によれば、インバータの低損失を重視した第1の運転モードおよびインバータの静粛性を重視した第2の運転モードのそれぞれに対応するキャリア周波数設定用のマップを予め有しておくことにより、多様なユーザの要求にも容易に対応することができる。その結果、専ら静粛性を優先してキャリア周波数を設定する従来のインバータの制御方法と比較して、低損失化を求めるユーザの要求に十分応えることができる。
好ましくは、第1のマップは、相対的に高い頻度で要求される電気負荷の出力状態に対するキャリア周波数が、インバータの電力損失が所定値以下となるときのキャリア周波数に設定される。第2のマップは、相対的に高い頻度で要求される電気負荷の出力状態に対するキャリア周波数が、インバータの騒音が所定の音量以下となるときのキャリア周波数に設定される。
上記のインバータの制御装置によれば、第1および第2のマップのそれぞれにおいて、相対的に高い頻度で要求される電気負荷の出力に対応するキャリア周波数を、対応する運転モードに適切な周波数に設定しておくことにより、効率的にユーザの要求に応えることができる。
好ましくは、電気負荷は、インバータによって駆動されるモータである。キャリア周波数設定手段は、第1の運転モードが検出されたとき、第1のマップを用いてモータのトルクおよび回転数に基づいてキャリア周波数を設定する一方で、第2の運転モードが検出されたとき、第2のマップを用いてモータのトルクおよび回転数に基づいてキャリア周波数を設定する。
上記のインバータの制御装置によれば、第1および第2の運転モードのそれぞれに対応するキャリア周波数設定用のマップを予め有しておくことにより、多様なユーザの要求にも容易に対応することができる。
この発明の別の局面によれは、車両は、電源と、スイッチング素子のスイッチング動作により電源からの直流電力を交流電力に変換するインバータと、インバータによって駆動されるモータと、インバータの運転を制御する制御装置とを備える。制御装置は、車両の運転者から要求されたインバータの運転モードを検出する運転モード検出手段と、検出された運転モードに応じて、インバータのキャリア周波数を設定するキャリア周波数設定手段とを含む。運転モードは、スイッチング動作に伴なうインバータの電力損失を低減するようにインバータを運転する第1の運転モードと、スイッチング動作に伴ない発生するインバータの騒音を低減するようにインバータを運転する第2の運転モードとのうちの少なくとも1つを含む。キャリア周波数設定手段は、第1の運転モードが検出されたときにモータのトルクおよび回転数に応じてキャリア周波数を設定するための第1のマップと、第2の運転モードが検出されたときにモータのトルクおよび回転数に応じてキャリア周波数を設定するための第2のマップとを有する。第1および第2のマップは、同一のモータのトルクおよび回転数に対して、第1のマップを用いて設定されるキャリア周波数が、第2のマップを用いて設定されるキャリア周波数以下となるように設定される。
上記の車両によれば、インバータの低損失を重視した第1の運転モードおよびインバータの静粛性を重視した第2の運転モードのそれぞれに対応するキャリア周波数設定用のマップを予め有しておくことにより、車両の静粛性を重視する運転者の要求のみならず、車両の燃費性能を重視する運転者の要求にも十分に応えることが可能となる。
好ましくは、第1のマップは、相対的に高い頻度で要求されるモータのトルクおよび回転数に対するキャリア周波数が、インバータの電力損失が所定値以下となるときのキャリア周波数に設定される。第2のマップは、相対的に高い頻度で要求されるモータのトルクおよび回転数に対するキャリア周波数が、インバータの騒音が所定の音量以下となるときのキャリア周波数に設定される。
上記の車両によれば、第1および第2のマップのそれぞれにおいて、相対的に高い頻度で要求されるモータ出力に対応するキャリア周波数を、対応する運転モードに適切な周波数に設定しておくことにより、効率的にユーザの要求に応えることができる。
好ましくは、車両は、車室内に設けられ、インバータの騒音よりも高い音量の音声を出力可能に構成された音響機器をさらに備える。制御装置は、第1の運転モードが検出されたことに応じて音響機器を起動する音響機器起動手段をさらに含む。
上記のインバータの制御装置によれば、第1の運転モードのときに音響機器を自動的に起動することにより、インバータの騒音を車両の運転者が不快に覚えるのを緩和することができる。
好ましくは、車両は、車室内に設けられ、インバータの騒音よりも高い音量の音声を出力可能に構成された音響機器をさらに備える。運転モードは、音響機器が起動したことに応じて、スイッチング動作に伴なうインバータの電力損失を低減するようにインバータを運転する第3の運転モードをさらに含む。制御装置は、第3の運転モードが検出されたとき、音響機器が起動したことに応じて、第1のマップを用いてモータのトルクおよび回転数に基づいてキャリア周波数を設定する。
上記のインバータの制御装置によれば、第3の運転モードのときには、音響機器の起動に応答して自動的に第1の運転モードに設定することにより、インバータの騒音が運転者に不快を与えない範囲において電力損失の低減を図ることができる。
好ましくは、車両は、車両の運転者の操作に応答して、車両の運転者が要求する運転モードを指定するための操作部をさらに備える。
上記のインバータの制御装置によれば、車両の運転者は要求する走行状態を簡易に指定することができる。
この発明の別の局面によれば、インバータの制御方法は、スイッチング素子のスイッチング動作により電源と電気負荷との間で電力変換を行なうインバータの制御方法である。インバータの制御方法は、外部から要求されたインバータの運転モードを検出する運転モード検出ステップと、検出された運転モードに応じて、インバータのキャリア周波数を設定するキャリア周波数設定ステップとを含む。運転モードは、スイッチング動作に伴なうインバータの電力損失を低減するようにインバータを運転する第1の運転モードと、スイッチング動作に伴ない発生する前記インバータの騒音を抑制するようにインバータを運転する第2の運転モードとのうちの少なくとも1つからなる。キャリア周波数設定ステップは、第1の運転モードが検出されたときに、電気負荷の出力状態に応じてキャリア周波数を設定するための第1のマップを用いてキャリア周波数を設定する第1のサブステップと、第2の運転モードが検出されたときに、電気負荷の出力状態に応じてキャリア周波数を設定するための第2のマップを用いてキャリア周波数を設定する第2のサブステップとを含む。第1および第2のマップは、同一の出力状態に対して、第1のマップを用いて設定されるキャリア周波数が、第2のマップを用いて設定されるキャリア周波数以下となるように設定される。
上記のインバータの制御方法によれば、インバータの低損失を重視した第1の運転モードおよびインバータの静粛性を重視した第2の運転モードのそれぞれに対応するキャリア周波数設定用のマップを予め有しておくことにより、多様なユーザの要求にも容易に対応することができる。その結果、専ら静粛性を優先してキャリア周波数を設定する従来のインバータの制御方法と比較して、低損失化を求めるユーザの要求に十分応えることができる。
この発明によれば、インバータの低損失化を重視するユーザの要求に応えることができる。その結果、インバータを搭載した車両の燃費性能を重視する車両の運転者の要求に応えることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
図1は、この発明の実施の形態によるインバータの制御装置が適用されるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
図1を参照して、モータ駆動装置100は、直流電源Bと、電圧センサ10,13と、電流センサ24と、コンデンサC2と、昇圧コンバータ12と、インバータ14と、制御装置30と、モード選択スイッチ40とを備える。
交流モータM1は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。また、交流モータM1は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえばエンジン始動を行ない得るようなモータである。
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、IGBT素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。
リアクトルL1の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はIGBT素子Q1とIGBT素子Q2との中間点、すなわち、IGBT素子Q1のエミッタとIGBT素子Q2のコレクタとの間に接続される。
IGBT素子Q1,Q2は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。IGBT素子Q1のコレクタは電源ラインに接続され、IGBT素子Q2のエミッタはアースラインに接続される。また、各IGBT素子Q1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側に電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ配されている。
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とからなる。U相アーム15、V相アーム16およびW相アーム17は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
U相アーム15は、直列接続されたIGBT素子Q3,Q4からなる。V相アーム16は、直列接続されたIGBT素子Q5,Q6からなる。W相アーム17は、直列接続されたIGBT素子Q7,Q8からなる。また、各IGBT素子Q3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通に接続されて構成される。U相コイルの他端がIGBT素子Q3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がIGBT素子Q5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がIGBT素子Q7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオンなどの二次電池からなる。他にも、直流電源Bは、燃料電池あるいは電気二重層コンデンサ等の大容量キャパシタであってもよい。電圧センサ10は、直流電源Bから出力される電圧Vbを検出し、検出した電圧Vbを制御装置30へ出力する。
昇圧コンバータ12は、直流電源Bから供給された直流電圧を昇圧してコンデンサC2に供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMCを受けると、信号PWMCによってIGBT素子Q2がオンされた期間に応じて直流電圧を昇圧してコンデンサC2に供給する。
また、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMCを受けると、コンデンサC2を介してインバータ14から供給された直流電圧を降圧して直流電源Bへ供給する。
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12から出力された直流電圧を平滑化し、平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサ13は、コンデンサC2の両端の電圧Vmを検出し、その検出した電圧Vmを制御装置30へ出力する。
インバータ14は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると、制御装置30からの信号PWMIに基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生するように駆動される。
また、インバータ14は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMIに基づいて直流電圧に変換し、変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。
なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合との回生発電を伴なう制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車速を減速(または加速を中止)させることを含む。
電流センサ24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出し、検出したモータ電流MCRTを制御装置30へ出力する。
モード選択スイッチ40は、たとえばモータ駆動装置100を搭載した車両の運転席の近傍に設けられた押しボタン式スイッチからなる。運転者は、モード選択スイッチ40を操作(プッシュ)して、予め設定された走行モードの中から所望の走行モードを選択する。モード選択スイッチ40は、運転者の選択した走行モード(以下、要求走行モードMDとも称する)を指示する信号を生成して制御装置30へ出力する。車両の走行モードについては、後に詳述する。
制御装置30は、外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)からトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNを受け、電圧センサ13から電圧Vmを受け、電流センサ24からモータ電流MCRTを受け、モード選択スイッチ40から要求走行モードMDを受ける。
制御装置30は、電圧Vm、トルク指令値TR、モータ電流MCRTおよびモード選択スイッチ40からの要求走行モードMDに基づいて、後述する方法によりインバータ14が交流モータM1を駆動するときにインバータ14のIGBT素子Q3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMIを生成し、生成した信号PWMIをインバータ14へ出力する。
また、制御装置30は、インバータ14が交流モータM1を駆動するとき、電圧Vb、Vm、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、昇圧コンバータ12のIGBT素子Q1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMCを昇圧コンバータ12へ出力する。
さらに、制御装置30は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、電圧Vm、トルク指令値TR、モータ電流MCRTおよび要求走行モードMDに基づいて、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMIを生成し、生成した信号PWMIをインバータ14へ出力する。この場合、インバータ14のIGBT素子Q3〜Q8は、信号PWMIによってスイッチング制御される。これにより、インバータ14は、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給する。
さらに、制御装置30は、回生制動時、電圧Vb,Vm、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMCを生成し、生成した信号PWMCを昇圧コンバータ12へ出力する。これにより、交流モータM1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
図2は、図1の制御装置30におけるインバータ制御手段のブロック図である。
図2を参照して、制御装置30は、モータ制御用相電圧演算部50と、PWM信号変換部52と、キャリア周波数制御部54とを含む。
図2を参照して、制御装置30は、モータ制御用相電圧演算部50と、PWM信号変換部52と、キャリア周波数制御部54とを含む。
モータ制御用相電圧演算部50は、外部ECUからトルク指令値TRを受け、電圧センサ13から昇圧コンバータ12の出力電圧Vm、すなわち、インバータ14の入力電圧を受け、電流センサ24からモータ電流MCRTを受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部50は、これらの入力信号に基づいて、交流モータM1の各相に印加する電圧を計算し、その計算した結果をPWM信号変換部52へ出力する。
キャリア周波数制御部54は、モード選択スイッチ40から要求走行モードMDを受けると、その要求走行モードMDに応じてPWM信号変換部52において信号PWMIの生成に用いられるキャリア周波数マップを変更するための信号CHGを生成し、その生成した信号CHGをPWM信号変換部52へ出力する。
PWM信号変換部52は、モータ制御用相電圧演算部50から受けた計算結果と、キャリア周波数制御部54からの信号CHGとに基づいて、実際にインバータ14の各IGBT素子Q3〜Q8をオン/オフするための信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ14の各IGBT素子Q3〜Q8へ出力する。
詳細には、PWM信号変換部52は、キャリア信号のキャリア周波数を設定するためのキャリア周波数マップを図示しないROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したキャリア周波数マップを用いてキャリア信号のキャリア周波数を設定する。キャリア周波数マップは、後述するように、交流モータM1の回転数およびトルクに応じたキャリア周波数がマップ化されている。PWM信号変換部52は、ROMから読出したキャリア周波数マップを用いて、交流モータM1のトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてキャリア周波数を設定する。
ここで、PWM信号変換部52は、キャリア周波数制御部54からの信号CHGの論理レベル(「H(論理ハイ)」または「L(論理ロー)」)に応じて、信号PWMIの生成に用いるキャリア周波数のマップを変更する。すなわち、この発明によるインバータの制御装置によれば、PWM信号変換部52は、要求走行モードMDに応じて異なるキャリア周波数マップを用いてキャリア周波数を設定することを特徴的な構成とする。
最初に、運転者によって要求され得る走行モードとしては、車両の静粛性を重視した走行モード(以下、「静粛性重視モード」とも称する)と、車両の燃費向上を重視した走行モード(以下、「燃費重視モード」とも称する)とが含まれる。
静粛性重視モードとは、交流モータM1の駆動時においてインバータ14で発生するスイッチング音を抑制することによって、車室内の静粛性を確保するものである。すなわち、静粛性重視モードは、運転者がインバータ14の騒音に不快を覚え、騒音抑制を求める場合に好適である。
一方、燃費重視モードとは、交流モータM1の駆動時においてインバータ14で発生する電力損失を低減することによって、車両の燃費向上を図るものである。すなわち、燃費重視モードは、運転者がインバータ14の損失増加による燃費悪化を抑えたい場合に好適である。
ここで、上述したように、インバータ14の静粛性と低損失とはトレードオフの関係にあるため、燃費重視モードを選択することによって静粛性が損なわれることになる。しかしながら、例えば運転者がカーオーディオを起動して音声を聴いているときであれば、インバータ14の騒音がカーオーディオの音声に掻き消されて殆ど運転者の耳に届かない場合がある。また、運転者によってはインバータ14の騒音を全く意に介しない場合もある。本願発明によれば、これらの場合において運転者自らが燃費重視モードを選択することによりインバータ14の損失低減を促すことが可能となる。
そして、静粛性重視モードと燃費重視モードとは、運転者によるモード選択スイッチ40の操作に応じて適宜選択される。キャリア周波数制御部54は、要求走行モードMDが静粛性重視モードのとき、Lレベルの信号CHGを生成してPWM信号変換部52へ出力する。一方、要求走行モードMDが燃費重視モードのとき、Hレベルの信号CHGを生成してPWM信号変換部52へ出力する。
次に、要求走行モードMDに応じたキャリア周波数の設定方法について説明する。
静粛性重視モードおよび燃費重視モードの各々におけるキャリア周波数の設定は、図3に示すインバータ14のスイッチング損失およびスイッチング音とキャリア周波数との関係を指標として行なわれる。
静粛性重視モードおよび燃費重視モードの各々におけるキャリア周波数の設定は、図3に示すインバータ14のスイッチング損失およびスイッチング音とキャリア周波数との関係を指標として行なわれる。
図3を参照して、インバータ14のスイッチング音は、キャリア周波数の上昇に伴なって小さくなる傾向を示す。そして、キャリア周波数が人の聴覚における可聴域を越えると、人間の耳ではもはやスイッチング音を聞くことが不可能となる。
一方、インバータ14のスイッチング損失は、キャリア周波数の上昇に伴なって大きくなる傾向を示す。
そして、PWM信号変換部52は、図3の関係に従って、要求走行モードMDが静粛性重視モードのときには、インバータ14のスイッチング音の音量が所定の閾値N_std以下となるようにキャリア周波数を設定する。その一方、要求走行モードMDが燃費重視モードのときには、インバータ14のスイッチング損失が所定値L_std以下となるようにキャリア周波数を設定する。
具体的には、PWM信号変換部52は、キャリア周波数制御部54からの信号CHGがLレベルのとき、静粛性重視モード用に予め設定されたキャリア周波数マップMAP1をROMから読出し、その読出したキャリア周波数マップMAP1を用いて、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてキャリア信号のキャリア周波数を設定する。
図4は、キャリア周波数マップMAP1の一例を示す図である。
図4を参照して、キャリア周波数MAP1において、キャリア周波数は、交流モータM1のトルクおよび回転数に応じて3つの領域に区分される。交流モータM1の回転数が低く、かつ、トルクが大きい領域では、キャリア周波数は最も低い周波数f1に設定される。そして、上記領域に対して回転数が高く、トルクが略同等となる領域では、キャリア周波数は周波数f1よりも高い周波数f2に設定される。さらに、上記2つの領域に対して、より高い回転数をも含む広い回転数域を有し、かつ、トルクが小さくなる領域では、キャリア周波数は最も高い周波数f3に設定される。
図4を参照して、キャリア周波数MAP1において、キャリア周波数は、交流モータM1のトルクおよび回転数に応じて3つの領域に区分される。交流モータM1の回転数が低く、かつ、トルクが大きい領域では、キャリア周波数は最も低い周波数f1に設定される。そして、上記領域に対して回転数が高く、トルクが略同等となる領域では、キャリア周波数は周波数f1よりも高い周波数f2に設定される。さらに、上記2つの領域に対して、より高い回転数をも含む広い回転数域を有し、かつ、トルクが小さくなる領域では、キャリア周波数は最も高い周波数f3に設定される。
具体的には、キャリア周波数f1は、たとえば1.25kHz程度であり、キャリア周波数f2は、たとえば2.5kHz程度であり、キャリア周波数f3はたとえば5.0kHz程度である。
なお、トルクが大きい領域において、回転数の低下に伴なってキャリア周波数を低下させているのは、トルクが大きくなるほどモータ駆動電流が増加して電流損失が大きくなるため、キャリア周波数を低下させることによって電流損失を低減させていることによる。
これに対して、キャリア周波数f3は、図3の関係において、インバータ14で発生するスイッチング音の音量が所定の閾値N_std以下となるときのキャリア周波数に設定される。
さらに、図中の斜線で示した領域RGE1は、モータ駆動装置100が搭載された車両の走行中において交流モータM1が相対的に高い頻度で設定される動作領域に相当する。この動作領域は、モータ駆動装置100が搭載された車両の走行状態(アクセル開度、車速等)のうちの相対的に高い頻度で実行される走行状態から導かれるものであり、図4の場合では、トルクが出力可能な最大トルクよりも小さく、かつ、回転数が低中速回転域となるときの領域となっている。
そして、この領域RGE1におけるキャリア周波数を、スイッチング音を低減可能な周波数f3に設定することによって、インバータ14に発生する騒音を効率的に抑制することができる。
一方、キャリア周波数制御部54からの信号CHGがHレベルのとき、PWM信号変換部52は、燃費重視モード用に予め設定されたキャリア周波数マップMAP2をROMから読出し、その読出したキャリア周波数マップMAP2を用いてキャリア信号のキャリア周波数を設定する。
図5は、キャリア周波数マップMAP2の一例を示す図である。
図5を参照して、キャリア周波数マップMAP2において、キャリア周波数は、交流モータM1のトルクおよび回転数に応じて3つの領域に区分される。交流モータM1の回転数が低く、かつ、トルクが大きい領域では、キャリア周波数は最も低い周波数f1に設定される。そして、上記領域以外の領域であって、回転数が高くなる一部の領域を除いた領域では、キャリア周波数は周波数f1よりも高い周波数f2が設定される。さらに、上記の回転数が高くなる一部の領域では、キャリア周波数は最も高い周波数f3に設定される。
図5を参照して、キャリア周波数マップMAP2において、キャリア周波数は、交流モータM1のトルクおよび回転数に応じて3つの領域に区分される。交流モータM1の回転数が低く、かつ、トルクが大きい領域では、キャリア周波数は最も低い周波数f1に設定される。そして、上記領域以外の領域であって、回転数が高くなる一部の領域を除いた領域では、キャリア周波数は周波数f1よりも高い周波数f2が設定される。さらに、上記の回転数が高くなる一部の領域では、キャリア周波数は最も高い周波数f3に設定される。
具体的には、キャリア周波数f1は、たとえば1.25kHz程度であり、キャリア周波数f2は、たとえば2.5kHz程度であり、キャリア周波数f3はたとえば5.0kHz程度である。このうちのキャリア周波数f2は、図3の関係において、インバータ14のスイッチング損失が所定値L_std以下となるときのキャリア周波数に設定される。
ここで、図3のキャリア周波数マップMAP1と図4のキャリア周波数マップMAP2とを比較して明らかなように、キャリア周波数マップMAP2では、最も高い周波数f3が設定される領域が高回転数域に限定され、かつ、周波数f2が設定される領域がキャリア周波数マップMAP1に対して拡大されていることが分かる。その結果、交流モータM1が相対的に高い頻度で設定される動作領域(図中の領域RGE1)においては、キャリア周波数マップMAP1における当該領域のキャリア周波数f3よりも低い周波数f2のキャリア周波数が設定されることになる。
このような構成とすることにより、要求走行モードMDが燃費重視モードのときには、交流モータM1が図中の領域RGE1内で動作を行なうことによりインバータ14では、キャリア周波数に応じた低いスイッチング周波数のスイッチング音が発生する。そのため、スイッチング音による騒音によって車両の静粛性が低下することとなる。
しかしながら、車両の静粛性が低下する反面、スイッチング周波数の低下に応じてインバータ14に発生するスイッチング損失が低減する。特に、交流モータM1が相対的に高い頻度で設定される動作領域RGE1におけるキャリア周波数を、スイッチング損失が所定値以下となるときの周波数f2に設定することによって、インバータ14に発生する損失を効率的に低減することができる。結果として、交流モータM1の駆動効率が高められ、車両の燃費向上を図ることができる。
なお、キャリア周波数マップMAP2において、高回転数域におけるキャリア周波数を高い周波数f3に保っているのは、回転数が高くなるにつれてインバータ14に高い制御応答性が求められることから、キャリア周波数を高く設定することによってインバータ14の制御応答性を確保していることによる。
以上に述べたように、この発明によるインバータの制御装置によれば、車両の静粛性を求める運転者の要求に応答して、信号PWMの生成に用いるキャリア信号のキャリア周波数を高い周波数に設定する一方で、車両の燃費向上を求める運転者の要求に応答して、キャリア周波数を低い周波数に設定する。
これにより、車両の静粛性を優先してキャリア周波数を設定する従来のインバータの制御装置に対して、設定可能なキャリア周波数の下限値に対する制限が緩和される。そのため、車両の燃費向上を優先する運転者の要求に十分に応えることができる。
再び図2を参照して、PWM信号変換部52は、キャリア周波数制御部54からの信号CHGに応じてキャリア周波数マップMAP1,MAP2のいずれか一方をROMから読出すと、その読出したキャリア周波数マップMAP1(またはMAP2)を用いて、交流モータM1のトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてキャリア周波数を設定する。そして、PWM信号変換部52は、その設定したキャリア周波数のキャリア信号(三角波信号)を生成する。
次に、PWM信号変換部52は、その生成したキャリア信号とモータ制御用相電圧演算部50からの各相(U相、V相およびW相)電圧指令信号とを比較し、キャリア信号と各相電圧指令信号との大小関係に応じて電圧値が変化するパルス状の信号PWMIを生成する。そして、PWM信号変換部52は、その生成した信号PWMIをインバータ14のIGBT素子Q3〜Q8へ出力する。
これにより、各IGBT素子Q3〜Q8は、スイッチング制御され、交流モータM1が指令されたトルクを出力するように交流モータM1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TRに応じたモータトルクが出力される。
図6は、この発明の実施の形態によるキャリア周波数の設定に係る制御のフローチャートである。
図6を参照して、制御装置30のキャリア周波数制御部54は、モード選択スイッチ40からの信号に基づいて運転者の要求走行モードMDを検出する(ステップS01)。そして、キャリア周波数制御部54は、検出された要求走行モードMDが燃費重視モードか否かを判定する(ステップS02)。要求走行モードMDが燃費重視モードであると判定されると、キャリア周波数制御部54は、Hレベルの信号CHGを生成してPWM信号変換部52へ出力する。
PWM信号変換部52は、キャリア周波数制御部54からのHレベルの信号CHGに応答して、ROMから燃費重視用に予め設定されたキャリア周波数マップMAP2を読出す(ステップS03)。そして、PWM信号変換部52は、その読出したキャリア周波数マップMAP2を用いてトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてキャリア周波数を設定する(ステップS05)。
一方、ステップS02において要求走行モードMDが燃費重視モードでない、すなわち、静粛性重視モードであると判定されると、キャリア周波数制御部54は、Lレベルの信号CHGを生成してPWM信号変換部52へ出力する。
PWM信号変換部52は、キャリア周波数制御部54からのLレベルの信号CHGに応答して、ROMから静粛性重視モード用に予め設定されたキャリア周波数マップMAP1を読出す(ステップS04)。そして、PWM信号変換部52は、その読出したキャリア周波数マップMAP1を用いてトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてキャリア周波数を設定する(ステップS05)。
最後に、PWM信号変換部52は、ステップS05において設定したキャリア周波数のキャリア信号を生成すると、その生成したキャリア信号とモータ制御用相電圧演算部50からの各相の電圧指令信号とに基づいて信号PWMIを生成してインバータ14へ出力する。これにより、インバータ14の各IGBT素子Q3〜Q8は、信号PWMIに応じてスイッチング動作を行なう。
このときインバータ14からは、キャリア周波数に応じたスイッチング周波数のスイッチング音が発生するとともに、スイッチング周波数に比例した大きさのスイッチング損失が発生する。この発明の実施の形態によれば、要求走行モードが燃費重視モードのときには、インバータ14からの騒音により車両の静粛性が低下するものの、スイッチング損失が抑制されるため、燃費向上を優先する運転者の要求を満足させることができる。一方、要求走行モードが静粛性重視モードのときには、インバータ14のスイッチング損失が増加するものの、騒音の発生が抑制されるため、車両の静粛性を優先する運転者の要求を満足させることができる。
[変更例1]
図7は、この発明の実施の形態の変更例1に係るインバータの制御装置のブロック図である。なお、図7の制御装置30Aは、図2の制御装置30にカーオーディオ60を制御するためのオーディオ制御部56を付加したものである。
図7は、この発明の実施の形態の変更例1に係るインバータの制御装置のブロック図である。なお、図7の制御装置30Aは、図2の制御装置30にカーオーディオ60を制御するためのオーディオ制御部56を付加したものである。
オーディオ制御部56は、モード選択スイッチ40から要求走行モードMDを受けると、その要求走行モードMDに応じてカーオーディオ60を起動するための信号DRVを生成し、その生成した信号DRVをカーオーディオ60へ出力する。
詳細には、オーディオ制御部56は、要求走行モードMDが燃費重視モードのとき、Hレベルの信号DRVを生成してカーオーディオ60へ出力する。これにより、カーオーディオ60は、運転者の操作の有無に依らず、Hレベルの信号DRVに応答して自動的に起動する。
一方、要求走行モードMDが静粛性重視モードのとき、オーディオ制御部56は、Lレベルの信号DRVを生成してカーオーディオ60へ出力する。このとき、カーオーディオ60は、Lレベルの信号DRVに応答して起動しない。
すなわち、本変更例によるインバータの制御装置は、車両の走行モードに燃費重視モードが選択されたことに応じてカーオーディオ60を自動的に起動することを特徴的な構成とする。このような構成とすることにより、インバータ14が発生する騒音はカーオーディオ60から出力される音声によって掻き消されるため、騒音が運転者の耳に届くのを積極的に防止することができる。
図8は、この発明の実施の形態の変更例によるカーオーディオの起動に係る制御のフローチャートである。なお、図8のフローチャートは、制御装置30Aにおいて、図6のフローチャートで説明したキャリア周波数の設定に係る制御と並行して実行されるものである。
図8を参照して、制御装置30Aのオーディオ制御部56は、モード選択スイッチ40からの信号に基づいて運転者の要求走行モードMDを検出する(ステップS01)。そして、オーディオ制御部56は、検出された要求走行モードMDが燃費重視モードか否かを判定する(ステップS02)。要求走行モードMDが燃費重視モードであると判定されると、オーディオ制御部56は、Hレベルの信号DRVを生成してカーオーディオ60へ出力する(ステップS10)。カーオーディオ60は、Hレベルの信号DRVに応答して、運転者の操作無しでも自動的に起動する。
一方、ステップS02において要求走行モードMDが燃費重視モードでない、すなわち、静粛性重視モードであると判定されると、オーディオ制御部56は、Lレベルの信号DRVを生成してカーオーディオ60へ出力する。カーオーディオ60は、Lレベルの信号に応答して起動しない。
このときインバータ14からは、キャリア周波数に応じたスイッチング周波数のスイッチング音が発生するとともに、スイッチング周波数に比例した大きさのスイッチング損失が発生する。この発明の実施の形態の変更例によれば、要求走行モードが燃費重視モードのときには、インバータ14の騒音が運転者に不快を与えることなく、燃費向上を優先する運転者の要求を満足させることができる。
[変更例2]
図9は、この発明の実施の形態の変更例2に係るインバータの制御装置のブロック図である。
図9は、この発明の実施の形態の変更例2に係るインバータの制御装置のブロック図である。
図9を参照して、制御装置30Bは、モータ制御用相電圧演算部50と、PWM信号変換部52と、キャリア周波数制御部54Bと、オーディオ監視部58とを含む。
モータ制御用相電圧演算部50は、図2の制御装置30において説明したように、外部ECUからトルク指令値TRを受け、電圧センサ13から昇圧コンバータ12の出力電圧Vmを受け、電流センサ24からモータ電流MCRTを受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部50は、これらの入力信号に基づいて、交流モータM1の各相に印加する電圧を計算し、その計算した結果をPWM信号変換部52へ出力する。
キャリア周波数制御部54Bは、モード選択スイッチ40Bから要求走行モードMDを受け、オーディオ監視部58からカーオーディオ60の動作状態を示す信号CAを受ける。キャリア周波数制御部54Bは、後述する方法によって要求走行モードMDおよび信号CAに応じてPWM信号変換部52において信号PWMIの生成に用いられるキャリア周波数マップを変更するための信号CHGを生成し、その生成した信号CHGをPWM信号変換部52へ出力する。
PWM信号変換部52は、モータ制御用相電圧演算部50から受けた計算結果と、キャリア周波数制御部54からの信号CHGとに基づいて、実際にインバータ14の各IGBT素子Q3〜Q8をオン/オフするための信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ14の各IGBT素子Q3〜Q8へ出力する。
ここで、本変更例によるインバータの制御装置では、運転者によって要求され得る走行モードとして、上述した静粛性重視モードおよび燃費重視モードに加えて、インバータ14の発生する騒音が運転者に不快を与えない範囲において、インバータ14のスイッチング損失の低減を図る走行モード(以下、「準燃費重視モード」とも称する)が新たに含まれる。
詳細には、準燃費重視モードは、カーオーディオ60が起動されたことに連動して自動的に静粛性重視モードから燃費重視モードに切換わる走行モードである。本変更例では、インバータ14の発生する騒音を考慮することなくスイッチング損失を低減する燃費重視モードに準ずるものであるいう位置付けから、当該走行モードを準燃費重視モードと称する。
以下に、要求走行モードMDが準燃費重視モードのときのキャリア周波数の設定動作について説明する。
運転者は、モード選択スイッチ40Bを操作して、予め設定されたこれらの3つの走行モードの中から所望の走行モードを選択する。モード選択スイッチ40Bは、要求走行モードMDを指示する信号を生成して制御装置30Bへ出力する。
オーディオ監視部58は、モード選択スイッチ40Bから要求走行モードMDを受けると、要求走行モードMDが準燃費重視モードであるか否かを判定する。そして、要求走行モードMDが準燃費重視モードであると判定されると、オーディオ監視部58は、カーオーディオ60が動作(オン)状態であるか、または非動作(オフ)状態であるかを検出し、その検出した結果を示す信号CAを生成してキャリア周波数制御部54Bへ出力する。具体的には、オーディオ監視部58は、カーオーディオ60がオン状態のとき、Hレベルの信号CAを生成してキャリア周波数制御部54へ出力する。一方、カーオーディオ60がオフ状態のとき、Lレベルの信号CAを生成してキャリア周波数制御部54Bへ出力する。
キャリア周波数制御部54Bは、モード選択スイッチ40Bから要求走行モードMDを受け、オーディオ監視部58から信号CAを受けると、要求走行モードMDが準燃費重視モードであることに応じて、信号CAに基づいてカーオーディオ60がオン状態であるか否かを判定する。そして、カーオーディオ60がオン状態であると判定されたとき、キャリア周波数制御部54Bは、Hレベルの信号CHGを生成してPWM信号変換部52へ出力する。一方、カーオーディオ60がオフ状態であると判定されたとき、キャリア周波数制御部54Bは、Lレベルの信号CHGを生成してPWM信号変換部52へ出力する。
PWM信号変換部52は、信号CHGがHレベルのとき、燃費重視モード用に予め設定されたキャリア周波数マップMAP2を用いて、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてキャリア信号のキャリア周波数を設定する。
一方、信号CHGがLレベルのときには、PWM信号変換部52は、静粛性重視モード用に予め設定されたキャリア周波数マップMAP1を用いて、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてキャリア信号のキャリア周波数を設定する。
すなわち、本変更例によれば、要求走行モードMDが準燃費重視モードのときには、カーオーディオ60がオン状態であることに応答して、自動的に燃費重視モードが設定される。その一方で、カーオーディオ60がオフ状態であることに応答して自動的に静粛性重視モードが設定される。その結果、準燃費重視モードにおいては、インバータ14の発生する騒音が運転者に不快を与えない範囲において、インバータ14のスイッチング損失の低減を図ることができる。
図10は、この発明の実施の形態の変更例2によるキャリア周波数の設定に係る制御のフローチャートである。
図10を参照して、制御装置30Bのキャリア周波数制御部54Bは、モード選択スイッチ40Bからの信号に基づいて運転者の要求走行モードMDを検出する(ステップS01)。そして、キャリア周波数制御部54Bは、検出された要求走行モードMDが燃費重視モードか否かを判定する(ステップS02)。要求走行モードMDが燃費重視モードであると判定されると、キャリア周波数制御部54Bは、Hレベルの信号CHGを生成してPWM信号変換部52へ出力する。
一方、ステップS02において、要求走行モードMDが燃費重視モードでないと判定されると、キャリア周波数制御部54Bは、続いて、要求走行モードMDが準燃費重視モードか否かを判定する(ステップS021)。
そして、ステップS021において要求走行モードMDが準燃費重視モードでない、すなわち、静粛性重視モードであると判定されると、キャリア周波数制御部54Bは、Lレベルの信号CHGを生成してPWM信号変換部52へ出力する。
一方、ステップS021において要求走行モードMDが準燃費重視モードであると判定されると、キャリア周波数制御部54Bは、オーディオ監視部58からの信号CAに基づいてカーオーディオ60がオン状態か否かを判定する(ステップS022)。カーオーディオ60がオン状態と判定されると、キャリア周波数制御部54Bは、Hレベルの信号CHGを生成してPWM信号変換部52へ出力する。
PWM信号変換部52は、キャリア周波数制御部54BからのHレベルの信号CHGに応答して、ROMから燃費重視用に予め設定されたキャリア周波数マップMAP2を読出す(ステップS03)。そして、PWM信号変換部52は、その読出したキャリア周波数マップMAP2を用いてトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてキャリア周波数を設定する(ステップS05)。
一方、ステップS022においてカーオーディオ60がオン状態でない、すなわちオフ状態であると判定されると、キャリア周波数制御部54Bは、Lレベルの信号CHGを生成してPWM信号変換部52へ出力する。
PWM信号変換部52は、キャリア周波数制御部54BからのLレベルの信号CHGに応答して、ROMから静粛性重視モード用に予め設定されたキャリア周波数マップMAP1を読出す(ステップS04)。そして、PWM信号変換部52は、その読出したキャリア周波数マップMAP1を用いてトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてキャリア周波数を設定する(ステップS05)。
最後に、PWM信号変換部52は、ステップS05において設定したキャリア周波数のキャリア信号を生成すると、その生成したキャリア信号とモータ制御用相電圧演算部50からの各相の電圧指令信号とに基づいて信号PWMIを生成してインバータ14へ出力する。これにより、インバータ14の各IGBT素子Q3〜Q8は、信号PWMIに応じてスイッチング動作を行なう。
このときインバータ14からは、キャリア周波数に応じたスイッチング周波数のスイッチング音が発生するとともに、スイッチング周波数に比例した大きさのスイッチング損失が発生する。
本変更例2によれば、要求走行モードが燃費重視モードのときには、インバータ14からの騒音により車両の静粛性が低下するものの、スイッチング損失が抑制されるため、燃費向上を優先する運転者の要求を満足させることができる。一方、要求走行モードが静粛性重視モードのときには、インバータ14のスイッチング損失が増加するものの、騒音の発生が抑制されるため、車両の静粛性を優先する運転者の要求を満足させることができる。さらに、要求走行モードが準燃費重視モードのときには、カーオーディオがオンされたことに応じて自動的に燃費重視モードに設定されることから、インバータ14の騒音が運転者に不快を与えない範囲において、スイッチング損失を低減することができる。
なお、上記の実施の形態においては、インバータのスイッチング素子にIGBTを採用した場合について説明したが、その他のパワー素子、たとえば、NPNトランジスタおよびMOSトランジスタであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、モータを駆動制御するインバータの制御装置およびそれを搭載した車両に適用することができる。
10,13 電圧センサ、12 昇圧コンバータ、14 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、24 電流センサ、30,30A,30B 制御装置、40,40B モード選択スイッチ、50 モータ制御用相電圧演算部、52 PWM信号変換部、54,54B キャリア周波数制御部、56 オーディオ制御部、58 オーディオ監視部、60 カーオーディオ、100 モータ駆動装置、B 直流電源、C2 コンデンサ、D1〜D8 ダイオード、L1 リアクトル、M1 交流モータ、Q1〜Q8 IGBT素子。
Claims (9)
- スイッチング素子のスイッチング動作により電源と電気負荷との間で電力変換を行なうインバータの制御装置であって、
外部から要求された前記インバータの運転モードを検出する運転モード検出手段と、
検出された前記運転モードに応じて、前記インバータのキャリア周波数を設定するキャリア周波数設定手段とを備え、
前記運転モードは、
前記スイッチング動作に伴なう前記インバータの電力損失を低減するように前記インバータを運転する第1の運転モードと、
前記スイッチング動作に伴ない発生する前記インバータの騒音を抑制するように前記インバータを運転する第2の運転モードとのうちの少なくとも1つを含み、
前記キャリア周波数設定手段は、
前記第1の運転モードが検出されたときに前記電気負荷の出力状態に応じて前記キャリア周波数を設定するための第1のマップと、
前記第2の運転モードが検出されたときに前記電気負荷の出力状態に応じて前記キャリア周波数を設定するための第2のマップとを有し、
前記第1および第2のマップは、同一の前記出力状態に対して、前記第1のマップを用いて設定される前記キャリア周波数が、前記第2のマップを用いて設定される前記キャリア周波数以下となるように設定される、インバータの制御装置。 - 前記第1のマップは、相対的に高い頻度で要求される前記電気負荷の出力状態に対する前記キャリア周波数が、前記インバータの電力損失が所定値以下となるときのキャリア周波数に設定され、
前記第2のマップは、相対的に高い頻度で要求される前記電気負荷の出力状態に対する前記キャリア周波数が、前記インバータの騒音が所定の音量以下となるときのキャリア周波数に設定される、請求項1に記載のインバータの制御装置。 - 前記電気負荷は、前記インバータによって駆動されるモータであり、
前記キャリア周波数設定手段は、前記第1の運転モードが検出されたとき、前記第1のマップを用いて前記モータのトルクおよび回転数に基づいて前記キャリア周波数を設定する一方で、前記第2の運転モードが検出されたとき、前記第2のマップを用いて前記モータのトルクおよび回転数に基づいて前記キャリア周波数を設定する、請求項2に記載のインバータの制御装置。 - 電源と、
スイッチング素子のスイッチング動作により前記電源からの直流電力を交流電力に変換するインバータと、
前記インバータによって駆動されるモータと、
前記インバータの運転を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記車両の運転者から要求された前記インバータの運転モードを検出する運転モード検出手段と、
検出された前記運転モードに応じて、前記インバータのキャリア周波数を設定するキャリア周波数設定手段とを含み、
前記運転モードは、
前記スイッチング動作に伴なう前記インバータの電力損失を低減するように前記インバータを運転する第1の運転モードと、
前記スイッチング動作に伴ない発生する前記インバータの騒音を低減するように前記インバータを運転する第2の運転モードとのうちの少なくとも1つを含み、
前記キャリア周波数設定手段は、前記第1の運転モードが検出されたときに前記モータのトルクおよび回転数に応じて前記キャリア周波数を設定するための第1のマップと、
前記第2の運転モードが検出されたときに前記モータのトルクおよび回転数に応じて前記キャリア周波数を設定するための第2のマップとを有し、
前記第1および第2のマップは、同一の前記モータのトルクおよび回転数に対して、前記第1のマップを用いて設定される前記キャリア周波数が、前記第2のマップを用いて設定される前記キャリア周波数以下となるように設定される、車両。 - 前記第1のマップは、相対的に高い頻度で要求される前記モータのトルクおよび回転数に対する前記キャリア周波数が、前記インバータの電力損失が所定値以下となるときのキャリア周波数に設定され、
前記第2のマップは、相対的に高い頻度で要求される前記モータのトルクおよび回転数に対する前記キャリア周波数が、前記インバータの騒音が所定の音量以下となるときのキャリア周波数に設定される、請求項4に記載の車両。 - 車室内に設けられ、前記インバータの騒音よりも高い音量の音声を出力可能に構成された音響機器をさらに備え、
前記制御装置は、前記第1の運転モードが検出されたことに応じて前記音響機器を起動する音響機器起動手段をさらに含む、請求項5に記載の車両。 - 車室内に設けられ、前記インバータの騒音よりも高い音量の音声を出力可能に構成された音響機器をさらに備え、
前記運転モードは、
前記音響機器が起動したことに応じて、前記スイッチング動作に伴なう前記インバータの電力損失を低減するように前記インバータを運転する第3の運転モードをさらに含み、
前記制御装置は、前記第3の運転モードが検出されたとき、前記音響機器が起動したことに応じて、前記第1のマップを用いて前記モータのトルクおよび回転数に基づいて前記キャリア周波数を設定する、請求項5に記載の車両。 - 前記車両の運転者の操作に応答して、前記車両の運転者が要求する前記運転モードを指定するための操作部をさらに備える、請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の車両。
- スイッチング素子のスイッチング動作により電源と電気負荷との間で電力変換を行なうインバータの制御方法であって、
外部から要求された前記インバータの運転モードを検出する運転モード検出ステップと、
検出された前記運転モードに応じて、前記インバータのキャリア周波数を設定するキャリア周波数設定ステップとを含み、
前記運転モードは、
前記スイッチング動作に伴なう前記インバータの電力損失を低減するように前記インバータを運転する第1の運転モードと、
前記スイッチング動作に伴ない発生する前記インバータの騒音を抑制するように前記インバータを運転する第2の運転モードとのうちの少なくとも1つからなり、
前記キャリア周波数設定ステップは、
前記第1の運転モードが検出されたときに、前記電気負荷の出力状態に応じて前記キャリア周波数を設定するための第1のマップを用いて前記キャリア周波数を設定する第1のサブステップと、
前記第2の運転モードが検出されたときに、前記電気負荷の出力状態に応じて前記キャリア周波数を設定するための第2のマップを用いて前記キャリア周波数を設定する第2のサブステップとを含み、
前記第1および第2のマップは、同一の前記出力状態に対して、前記第1のマップを用いて設定される前記キャリア周波数が、前記第2のマップを用いて設定される前記キャリア周波数以下となるように設定される、インバータの制御方法。
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