JP2008021517A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極でのコバルト使用を減少ないしは回避してコストを低減でき、高温特性が良好な非水電解質二次電池を提供すること。
【解決手段】正極と、負極と、電解液を備えた非水電解質二次電池である。正極は、少なくともニッケルを含有するリチウム遷移金属複合酸化物を含み、電解液は、少なくともLiN(SO構造を持つ1種以上のリチウムイミド電解質を含有する。
リチウムイミド電解質の含有量が、0.005〜2mol/lである。正極のリチウム遷移金属複合酸化物中のニッケルの割合は、全遷移金属量を100%としたとき、原子量基準で6%以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池に係り、更に詳細には、正極でのコバルト使用を減少ないしは回避でき、高温特性も良好な非水電解質二次電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR(Videotape Recorder;ビデオテープレコーダ),携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。それに伴い、これらの電子機器の電源として、軽量で高エネルギー密度を得ることができる二次電池の開発が進められている。高エネルギー密度を得ることができる二次電池としては、例えばリチウムイオン二次電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。
実願平2−44055号公報
しかしながら、最近では、パソコンの高性能CPUの発熱が大きくなってきたことにより、50℃程度の高温状況下において電池が充放電されることが多くなり、それによる電池特性の低下が問題となってきた。よって、室温環境下のみならず、50℃程度の高温環境下においても優れたサイクル特性を得ることができる電池の開発が望まれている。
また最近では、環境問題の点から、自動車についても電気自動車やハイブリット自動車が注目されている。これらに使用する電池についても、軽量で高エネルギー密度を得ることができるリチウムイオン二次電池が注目されている。
しかしながら、自動車用の電池になると大きい電池になるが、現在、正極にはLiCoOが採用されているので、レアメタルであるコバルトを大量に使う必要がある。ここで、正極に使われる代表的な金属に関する世界の可採埋蔵量は、マンガンが50億トン、ニッケルが1億2000万トン、コバルトが1000万トンであり、コバルトがいかに少ないかがわかる。よって、正極にコバルトを使用すると、コストが大きくかかり、実用化の問題点になるので、電池特性とコストが両立できる開発が望まれていた。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、正極でのコバルト使用を減少ないしは回避してコストを低減でき、高温特性が良好な非水電解質二次電池を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、正極に所定のリチウム遷移金属複合酸化物を用い、電解質に所定のリチウムイミド電解質を用いることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の非水電解質二次電池は、正極と、負極と、電解液を備えた非水電解質二次電池において、
上記正極電極は、少なくともニッケルを含有するリチウム遷移金属複合酸化物を含み、
上記電解液は、少なくともLiN(SO構造を持つ1種以上のリチウムイミド電解質を含有することを特徴とする。
また、本発明の非水電解質二次電池の好適形態は、上記リチウムイミド電解質の少なくとも1種が、次式(1)
Figure 2008021517
(式中のXは1〜8の整数を示す)で表される環状イミド塩であることを特徴とする。
本発明によれば、正極に所定のリチウム遷移金属複合酸化物を用い、電解質に所定のリチウムイミド電解質を用いることとしたため、正極でのコバルト使用を減少ないしは回避してコストを低減でき、高温特性が良好な非水電解質二次電池を提供することができる。
以下、本発明の非水電解質二次電池について詳細に説明する。なお、本明細書において、濃度、含有量、添加量及び充填量などについての「%」は、特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明の非水電解質二次電池では、正極電極に少なくともニッケルを含有するリチウム遷移金属複合酸化物を用い、且つ電解液に少なくともLiN(SO構造を持つ1種以上のリチウムイミド電解質を用いる。
ここで、電解液中の上記リチウムイミド電解質は、正極又は負極の表面に形成される被膜の高温における安定性を向上させる機能を果たす。この一方、イミド塩を用いると、電池外装材や電池内部に使用されている金属が金属溶解を起こし易くなり、不良の原因となるとされている。しかし、かかる金属溶解が生ずるのは電池が高い電位になるときである。
よって、本発明においては、充電時に高い電位になり難い正極活物質であるニッケルを含有するリチウム遷移金属複合酸化物を併用し、イミド塩を使用しても不良率を上げることなく、高温特性に優れた電池特性と低コスト性の両立を実現し得るものであり、この技術は将来の電気自動車社会に極めて有用であると考えられる。
以下、本発明の非水電解質二次電池の実施形態につき、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の非水電解質二次電池の一実施形態の断面構造を示すものである。この二次電池は、負極の容量が、電極反応物質であるリチウム(Li)の吸蔵及び放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池である。
また、この二次電池はいわゆる円筒型といわれるものであり、図1において、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、一対の帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して積層し巻回された巻回電極体20を有している。
電池缶11は、ニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、電解液が注入され、セパレータ23に含浸されている。また、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15及び熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。
電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡又は外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。
熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には、例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。
正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図2は、図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して示すものである。
正極21は、例えば対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。正極集電体21Aは、例えばアルミニウム箔などの金属箔により構成されている。
そして、金属の溶解を防ぐ為に、図3や図4に示すように、正極活物質層21Bの塗り際に保護テープ37を貼る。
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵及び放出可能な正極材料のいずれか1種又は2種以上を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電材及びポリフッ化ビニリデンなどの結着材を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵及び放出可能な正極材料としては、例えば、硫化チタン(TiS),硫化モリブデン(MoS),セレン化ニオブ(NbSe)及び酸化バナジウム(V)などのリチウムを含有しないカルコゲン化物や、リチウムを含有するリチウム含有化合物が挙げられる。
これらの中でも、リチウム含有化合物は、高電圧及び高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、又はリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が挙げられ、特にコバルト(Co),ニッケル及びマンガン(Mn)のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。より高い電圧を得ることができるからである。
その化学式は、例えば、LixMIO又はLiMIIPO(式中、MI及びMIIは1種類以上の遷移金属元素を表す。x及びyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。)で表される。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNi1−zCo(z<1))、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi(1−v−W)CoMn(v+w<1))、及びスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)などが挙げられる。
リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO)やリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1−uMnPO(u<1))が挙げられる。
なお、本発明では、上述の正極活物質として、ニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物を必須成分としている。
かかるニッケルを含有するリチウム遷移金属複合酸化物におけるニッケルの含有量は、使用する電解液量などに応じて適宜変更することができるが、全遷移金属量を100%としたときに、原子量基準で6%以上、即ち6at%以上であることが好ましい。
6at%未満では、高温サイクル特性低下や不良率増加を招くことがある。
一方、負極22は、例えば、正極21と同様に、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。負極集電体22Aは、例えば、銅(Cu)箔などの金属箔により構成されている。
この負極材料には、炭素材としての黒鉛や難黒鉛化炭素などがある。また、この負極材料を構成する金属元素又は半金属元素としては、例えばリチウムと合金を形成可能な金属元素又は半金属元素が挙げられる。
具体的には、マグネシウム(Mg),ホウ素(B),アルミニウム,ガリウム(Ga),インジウム(In),ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge),スズ(Sn),鉛(Pb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛(Zn),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),パラジウム(Pd)及び白金(Pt)などが挙げられる。このうち特に好ましいのは、ケイ素又はスズである。リチウムを吸蔵及び放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
このような負極材料としては、例えば、スズを第1の構成元素とし、スズに加えて第2の構成元素と第3の構成元素とを含むものが好ましい。
第2の構成元素には、コバルト,鉄,マグネシウム,チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン,ニッケル,銅,亜鉛,ガリウム,ジルコニウム,ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),銀,インジウム,セリウム(Ce),ハフニウム,タンタル(Ta),タングステン(W),ビスマス、ケイ素又これらの任意の組合せがある。
第3の構成元素は、ホウ素,炭素(C),アルミニウム、リン(P)又はこれらの組合せである。第2の元素及び第3の元素を含めることにより、サイクル特性を向上させることができる。
これらの中でも、この負極材料としては、スズと、コバルトと、炭素とを構成元素として含み、炭素の含有量が9.9%以上29.7%以下であり、かつスズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合Co/(Sn+Co)が30%以上70%以下であるSnCoC含有材料が好ましい。このような組成範囲において高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるからである。
このSnCoC含有材料は、必要に応じて更に他の構成元素を含んでいてもよい。
他の構成元素としては、例えば、ケイ素,鉄,ニッケル,クロム,インジウム,ニオブ,ゲルマニウム,チタン,モリブデン,アルミニウム,リン,ガリウム及びビスマスが好ましく、これらの2種以上を含んでいてもよい。容量又はサイクル特性を更に向上させることができるからである。
なお、このSnCoC含有材料は、スズと、コバルトと、炭素とを含む相を有しており、この相は結晶性が低いか又は非晶質な構造を有していることが好ましい。
また、このSnCoC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素又は半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下はスズなどが凝集又は結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集あるいは結晶化を抑制することができるからである。
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えばX線光電子分光法(X−ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)が挙げられる。
XPSでは、炭素の1s軌道(C1s)のピークは、グラファイトであれば、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば炭素が金属元素又は半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは、284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、SnCoC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、SnCoC含有材料に含まれる炭素の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素又は半金属元素と結合している。
なお、XPS測定では、スペクトルのエネルギー軸の補正に、例えばC1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPS測定では、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、SnCoC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
なお、本実施の形態では、正極活物質とリチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料との量を調整することにより、正極活物質による充電容量よりも、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料による充電容量の方が大きくなるようにし、完全充電時においても負極22にリチウム金属が析出しないようになっている。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレン又はポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、又はセラミック製の多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
セパレータ23に含浸された電解液は、溶媒(非水溶媒)と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。
非水溶媒としては、炭酸エステルなどの非水溶媒が挙げられる。非水溶媒は、例えば、大気圧(1.01325×10Pa)において沸点が150℃より高い高沸点溶媒と、沸点が150℃以下である低沸点溶媒とに分けられるが、これらを混合して用いた方が高いイオン伝導性を得ることができるので好ましい。
高沸点溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、ビニルエチレンカーボネートなどの環式炭酸エステル、γ−ブチロラクトン又はγ−バレロラクトンなどのラクトン、2−メチル−1−ピロリドンなどのラクタム、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの環式カルバミン酸エステル、及びテトラメチレンスルホンなどの環式スルホンが挙げられる。
低沸点溶媒としては、例えば、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル及び炭酸メチルプロピルなどの鎖式炭酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、イソ酪酸メチル及びトリメチル酢酸メチルなどの鎖式カルボン酸エステル、ピナコリンなどのケトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン及び1,4−ジオキサンなどのエーテル、N,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジメチルアセトアミドなどの鎖式アミド、並びにN,N−ジメチルカルバミン酸メチルやN,N−ジエチルカルバミン酸メチルなどの鎖式カルバミン酸エステルが挙げられる。溶媒としてはこれらのいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
高沸点溶媒としては、ビニレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを用いるようにすればより好ましい。負極22における電解液の分解反応を抑制することができ、サイクル特性を向上させることができるからである。
ビニレンカーボネートの添加量は、0.01%以上20%以上とすることが好ましく、また、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンは0.1%以上80%以下とすることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池において、電解質塩には、少なくともLiN(SO構造を持つ1種以上のリチウムイミド電解質が含まれる。
かかるリチウムイミド電解質としては、特に次の(1)式
Figure 2008021517
(式中のXは1〜8の整数を示す)で表される環状イミド塩、又は次の(2)式
Figure 2008021517
(式中のmとnは同一でも異なっていてもよく、1〜4の整数を示す)で表されるイミド塩を好適に用いることができる。
なお、(1)式で表される環状イミド塩の具体例には、以下に示す(3)〜(8)式で表されるものがある。
Figure 2008021517
Figure 2008021517
Figure 2008021517
Figure 2008021517
Figure 2008021517
Figure 2008021517
一方、(2)式で表されるイミド塩の具体例には、以下に示す(9)〜(12)式で表されるものがある。
Figure 2008021517
Figure 2008021517
Figure 2008021517
Figure 2008021517
上述のようなイミド塩を電解質塩として用いることにより、正極21又は負極22の表面に高温においても安定した被膜を形成することができ、高温における電解液の分解反応を抑制することができる。
なお、かかるイミド塩は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
このようなイミド塩、特に(1)式や(2)式で表されるイミド塩の電解液における含有量は、0.005mol/l以上2mol/l以下の範囲内とすることが好ましい。
0.005mol/l未満では電解液の分解を抑制する効果が低く、2mol/lを超えると電解液の粘度が高くなり、イオン伝導性が低下してしまうことがある。
また、電解質塩は、上述のようなイミド塩のみにより構成するようにしてもよいが、他の1種又は2種以上のリチウム塩と混合して用いてもよい。
他のリチウム塩としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、メタンスルホン酸リチウム(CHSOLi)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(LiBr)、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C)、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CFSO)、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiB(CO4))、及びリチウムジフルオロ(オキサレート)ボレート(LiBC)などが挙げられる。中でも、六フッ化リン酸リチウムを混合すれば、より高い特性を得ることができるので好ましい。
上述のようなリチウムイオン二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極集電体21Aに正極活物質層21Bを形成し正極21を作製する。正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質の粉末と導電材と結着材とを混合して正極合剤を調製した後、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとし、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型することにより形成する。
そして、図3又は図4のように正極活物質層21Bの塗り際に保護テープ37を貼る。
次いで、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。続いて、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21及び負極22を一対の絶縁板12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。
正極21及び負極22を電池缶11の内部に収納した後、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。その後、電池缶11の開口端部に電池蓋14,安全弁機構15及び熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1,2に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極22に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極22からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極21に吸蔵される。その際、電解液にはイミド塩が含まれているので、正極21又は負極22の表面に高温においても安定な被膜が形成され、高温における電解液の分解反応が抑制される。
このように本実施の形態によれば、電解液にイミド塩を含むようにしたので、正極21又は負極22の表面に高温においても安定な被膜を形成することができる。よって、高温における電解液の化学的安定性を向上させることができ、高温サイクル特性などの高温特性を向上させることができる。
また、正極に分極の小さいニッケルを含む複合酸化物を使用したことで、製造中に生じた金属がニッケルを含む複合酸化物を用いた正極電極中に入り込んでも正極電位が高くなりにくいため、製造中に生じた金属が溶けにくく、不良品にならない。
特に、電解液におけるイミド塩の含有量を0.005mol/l以上2mol/l以下の範囲内とすれば、又は、電解液に更に六フッ化リン酸リチウムを含有するようにすれば、より高い特性を得ることができる。
また、負極22に、スズに加えて、上述した第2の構成元素と第3の構成元素とを含む負極材料を用いるように、中でも、スズと、コバルトと、炭素とを構成元素として含み、これらの含有量が上述した範囲内のSnCoC含有材料を用いるようにすれば、より高い特性を得ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1−1)
下記の操作により、図1,図2に示した円筒型の二次電池を作製した。
正極活物質には平均粒子径が20μmであるLiNi0.8Co0.2AlO粉末50質量部と、平均粒子径が10μmであるLiNi0.34Co0.33Mn0.33粉末20質量部と平均粒子径が10μmであるLiCoO粉末30質量部とを混合したものを用い、この混合物91質量部と、導電材としての人造黒鉛(ロンザ製;KS−15)6質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。続いて、この正極合剤スラリーを厚み20μmの正極集電体21Aの両面に均一に塗布して乾燥させた。
その後、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、図3、図4のように正極活物質層21Bの塗り際に保護テープ37を貼り、正極21を作製した。その後、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
負極活物質としてはJFEスチール製黒鉛材(KMFC:Kawasaki Mesophase Fine Carbon)を用いた。
負極22は、得られた負極活物質粉末94質量部と、導電材として昭和電工製VGCFを1質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン5質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて、負極集電体22Aに塗布して負極活物質層22Bを形成することにより作製した。続いて、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を抵抗溶接機を用いて取り付けた。
正極21及び負極22をそれぞれ作製した後、厚み16μmのポリエチレン製のセパレータ23を用意し、負極22,セパレータ23,正極21,セパレータ23の順に積層してこの積層体を渦巻状に多数回巻回し、粘着テープを用いて巻き終わり部分を固定して巻回電極体20を作製した。
巻回電極体20を作製した後、巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回電極体20をニッケルめっきした鉄製の電池缶11の内部に収納した。その後、電池缶11の内部に電解液を減圧方式により注入して、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
また、実施例1−1で用いた電解液の溶媒は、炭酸エチレン30%と、炭酸プロピレン5%、ビニレンカーボネート(炭酸ビニレン)1%、炭酸エチルメチル4%、炭酸ジメチル60%とを混合して調製した。
電解液の電解質塩としては、表1に示すように、上記(3)式に示す環状イミド塩を0.5mol/lと、六フッ化リン酸リチウム0.5mol/lとを混合して用いた。活物質の含有量など電池の仕様を表1に示す。
(実施例1−2〜1−8、比較例1−1、1−2)
正極活物質に平均粒子径が20μmであるLiNi0.8Co0.2AlO粉末と、平均粒子径が10μmであるLiNi0.34Co0.33Mn0.33粉末と平均粒子径が10μmであるLiCoO粉末と平均粒子径が20μmであるLiMn粉末とを表1に示すように混合して用いた。電解液は実施例1−1と同様のものを用いた。活物質の含有量など電池の仕様を表1に示す。
Figure 2008021517
(実施例2−1〜2−6,比較例2−1)
また、実施例2で用いた電解液の溶媒は、炭酸エチレン30%と、炭酸プロピレン5%、ビニレンカーボネート(炭酸ビニレン)1%、炭酸エチルメチル4%、炭酸ジメチル60%とを混合して調製した。
電解液の電解質塩には表1に示すような組成で上記(3)式の環状イミド塩と、六フッ化リン酸リチウムとを混合して用い、正極は実施例1−1と同様のものを用いた。活物質の含有量など電池の仕様を表2に示す。
Figure 2008021517
(実施例3−1〜3−9)
また、実施例3−1〜3−9で用いた電解液の溶媒は、炭酸エチレン30%と、炭酸プロピレン5%、ビニレンカーボネート(炭酸ビニレン)1%、炭酸エチルメチル4%、炭酸ジメチル60%とを混合して調製した。
電解液の電解質塩には表3に示すように上記(4)式〜(12)式のイミド塩と、六フッ化リン酸リチウムとを混合し、正極は実施例1−1と同様のものを用いた。活物質の含有量など電池の仕様を表3に示す。
Figure 2008021517
(比較例3−1〜3−9)
比較例3−1〜3−9は実施例3−1〜3−9で用いた電解液を用い、電解液の電解質塩には表1に示すように上記(4)式〜(12)式のイミド塩と、六フッ化リン酸リチウムとを混合し、正極は比較例1−1と同様のものを用いた。活物質の含有量など電池の仕様を表4に示す。
Figure 2008021517
(実施例4−1〜4−24,比較例4−22〜4−24、実施例5−1〜5−3、実施例6−1〜6−2)
負極活物質はメカノケミカル反応を利用して合成し、その組成は、実施例4−1〜4−24の表5に示したように変化させ、比較例4−22〜4−24の表6に示したように変化させた。
具体的には、第2の構成元素をコバルト,鉄,マグネシウム,チタン,バナジウム,クロム,マンガン,ニッケル,銅,亜鉛,ガリウム,ジルコニウム,ニオブ,モリブデン,銀,インジウム,セリウム,ハフニウム,タンタル,タングステン、ケイ素又はビスマスと変化させ、第3の構成元素は炭素とした。
実施例5−1〜5−3では、表7に示すように第2の構成元素はコバルトとし、第3の構成元素をホウ素,アルミニウム又はリンと変化させた。実施例6−1〜6−2では、表8に示すように第2の構成元素をコバルト、第3の構成元素を炭素とし、炭素量を変化させた。
得られた負極活物質粉末について組成分析を行った。炭素の含有量は、炭素・硫黄分析装置により測定し、他の元素の含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光分析により測定した。得られた結果を表5〜10の負極活物質の欄に括弧書きで示す。なお、括弧内においてスラッシュで区切って示した数字は、上に記した元素の分析から得られた含有量(質量%)を第1の元素(Sn)−第2の元素−第3の元素の順に対応して表している。
負極22は、得られた負極活物質粉末80質量部と、導電材として人造黒鉛(ロンザ製;KS−15)14質量部及びアセチレンブラック1質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン5質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて、負極集電体22Aに塗布して負極活物質層22Bを形成することにより作製した。続いて、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。
表5と表7の正極は実施例1−1と同じで、表6の正極はLiCoO95質量部と、LiCoO粉末5質量部とを混合し、この混合物91質量部と、導電材として人造黒鉛(ロンザ製KS−15)6質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。
続いて、この正極合剤スラリーを厚み20μmの正極集電体21Aの両面に均一に塗布して乾燥させた。その後、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、図3、図4のように正極活物質層21Bの塗り際に保護テープ37を貼り、正極21を作製した。その後、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
正極21及び負極22をそれぞれ作製した後、厚み20μmのポリエチレン製のセパレータ23を用意し、負極22,セパレータ23,正極21,セパレータ23の順に積層してこの積層体を渦巻状に多数回巻回し、粘着テープを用いて巻き終わり部分を固定して巻回電極体20を作製した。
巻回電極体20を作製した後、巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回電極体20をニッケルめっきした鉄製の電池缶11の内部に収納した。その後、電池缶11の内部に電解液を減圧方式により注入して、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
また、実施例4,5,6で用いた電解液の溶媒は、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン20%と、炭酸エチレン20%と、炭酸ジメチル60%とを混合して調製した。電解液の電解質塩には上記(3)式の環状イミド塩0.5mol/lと、六フッ化リン酸リチウム0.5mol/lとを混合して用いた。それらの結果を表5,6,7,8に示す。
Figure 2008021517
Figure 2008021517
Figure 2008021517
Figure 2008021517
(実施例7−1、比較例7−1)
実施例7−1では、算術平均粗さRaが0.5μm、厚みが35μmの電解銅箔よりなる負極集電体22Aにケイ素を電子ビーム蒸着法により堆積させて負極活物質層22Bを形成した後、これを加熱真空乾燥させて負極22を作製した。続いて、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。
次いで、正極活物質は平均粒子径が20μmであるLiNi0.8Co0.2AlO粉末50質量部と、平均粒子径が10μmであるLiNi0.34Co0.33Mn0.33粉末20質量部と平均粒子径が10μmであるLiCoO粉末30質量部とを混合したものを用い、この混合物91質量部と、導電材として人造黒鉛(ロンザ製 KS−15)6質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。続いて、この正極合剤スラリーを厚み20μmの正極集電体21Aの両面に均一に塗布して乾燥させた。その後、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、図3、図4のように正極活物質層21Bの塗り際に保護テープ37を貼り、正極21を作製した。その後、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
正極21及び負極22をそれぞれ作製したのち、厚み23μmのポリエチレン製のセパレータ23を用意し、負極22,セパレータ23,正極21,セパレータ23の順に積層してこの積層体を渦巻状に多数回巻回し、粘着テープを用いて巻き終わり部分を固定して巻回電極体20を作製した。
巻回電極体20を作製した後、巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回電極体20をニッケルめっきした鉄製の電池缶11の内部に収納した。その後、電池缶11の内部に電解液を減圧方式により注入して、直径18mm、高さ65mmの円筒型の二次電池を作製した。
また、実施例7で用いた電解液の溶媒は、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン20%と、炭酸エチレン20%と、炭酸ジメチル60%とを混合して調製した。電解液の電解質塩には上記(3)式の環状イミド塩0.5mol/lと、六フッ化リン酸リチウム0.5mol/lとを混合して用いた。活物質の含有量など電池の仕様を表9に示す。
Figure 2008021517
(比較例7−1)
正極活物質は平均粒子径が10μmであるLiCoO粉末100質量部を用いる以外、実施例7−1と同様にした。活物質の含有量など電池の仕様を表10に示す。
Figure 2008021517
[性能評価]
(不良率)
以上のようにして作製した実施例及び比較例の二次電池について、25℃において、それぞれ0.5Cの定電流定電圧充電を上限電圧4.2Vまで行った後、0.5Cで2.5Vまで放電し、更に3Cの定電流定電圧充電を上限電圧4.2Vまで行った後、2週間後の電池の開回路電位(OCV)が4.1V未満のものを不良とし、4.1V以上のものを良品とした。なお、1Cとは1時間で放電終了となる電流値のことで、例えば、0.5Cとは2時間で放電終了となる電流値になる。
不良率は次のように求めた。得られた結果を表1〜10に併記する。
不良率=開回路電位が4.1V未満の電池数÷電池試作数×100(%)
(サイクル特性)
また、上記実施例及び比較例の二次電池について、50℃におけるサイクル特性を測定した。それらの結果を表1〜10に併記する。
なお、サイクル特性は、50℃において、それぞれ3Cの定電流定電圧充電を上限電圧4.2Vまで行った後、1Cの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行うという充放電を150サイクル行い、1サイクル目の放電容量を100とした場合の150サイクル目の放電容量維持率(%)を求めた。
表1〜10に示したように、イミド塩を使用したものは高温サイクル特性が向上する。特に(3)式の環状イミド塩を使用したものが優れている。しかしながら、正極活物質にニッケルを含有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いない比較例では不良率が上がり、生産性が大幅に低下することがわかった。
電解液におけるイミド塩の含有量は0.005mol/l以上2mol/l以下の範囲内とすることが好ましく、更に好ましくは0.02mol/l以上1mol/l以下である。また、正極電極のリチウム遷移金属複合酸化物中のニッケルの割合は、全遷移金属を100%とした時、ニッケルの割合は原子量比で6%以上含まれていることが好ましく、更に好ましくは33%以上である。
正極活物質にニッケルを含有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いると不良率が低下すること、即ち良品率が多くなる理由を調査するために、実施例1−1と比較例1−1の電池の23℃環境下での3Cの定電流定電圧充電を上限電圧4.2Vまで行った3極電池の充電カーブを実施例1−1は図5、比較例1−1は図6に示した。
この結果、3Cという大きい電流で充電すると比較例1−1は実施例1−1に比べて、正極電位がかなり高くなっていることがわかった。
また、電池外装缶、電池部材に使用されるニッケル材やアルミ材と電解液の反応性を調査した。その方法として、3極セルを用い、サイクリックボルタンメトリーを測定した。用いた装置は、北斗電工株式会社製の電気化学測定システムHZ−3000である。
測定環境温度は25℃で行い、走査速度は0.5mV/秒で行なった。3極セルは、参照極にリチウム箔を用い、対極にリチウム箔を用い、作用極にニッケル又はアルミ、電解液にはプロピレンカーボネートに各電解質(LiPF6,(12)式のLiN(CFSO)を0.6mol/l溶解させたものを用いてサイクリックボルタンメトリーを測定した。作用極にニッケルを用いた場合を図7、作用極にアルミを用いた場合を図8に示す。
イミド塩は図7、図8からわかるように、電池外装材や電池内部に使用されている金属が金属溶解を引き起こし易く、不良の原因となる。しかし、溶解するのは高い電位になる時である。よって、図5のように充電時に高い電位になりにくい正極活物質であるニッケルを含有するリチウム遷移金属複合酸化物を使用して、イミド塩を使用しても不良率を上げることなく、高温特性に優れた電池を提供することが可能となる。
以上、本発明を好適な実施形態及び実施例により詳細に説明したが、本発明はこれら実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態又は実施例では、円筒型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明はコイン型、ボタン型、角型及びラミネートを電池外装に用いたシート型などの他の形状を有する二次電池、又は積層構造などの他の構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。また、本発明は、二次電池に限らず、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。
本発明の非水電解質二次電池の一実施形態を示す断面図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の部分拡大断面図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の部分拡大断面図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の部分拡大断面図である。 実施例1−1の3極電池を用いた3C電流での充電曲線図である。 比較例1−1の3極電池を用いた3C電流での充電曲線図である。 作用極にニッケルを用いた各電解液のサイクリックボルタモグラムである。 作用極にアルミを用いた各電解液のサイクリックボルタモグラムである。
符号の説明
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20…巻回電極体、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…セパレータ、24…センターピン、25…正極リード、26…負極リード、37…保護テープ

Claims (5)

  1. 正極と、負極と、電解液を備えた非水電解質二次電池において、
    上記正極は、少なくともニッケルを含有するリチウム遷移金属複合酸化物を含み、
    上記電解液は、少なくともLiN(SO構造を持つ1種以上のリチウムイミド電解質を含有することを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 上記リチウムイミド電解質の含有量が、0.005〜2mol/lであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 上記リチウムイミド電解質の少なくとも1種が、次式(1)
    Figure 2008021517
    (式中のXは1〜8の整数を示す)で表される環状イミド塩であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  4. 上記電解液が、六フッ化リン酸リチウムを更に含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 上記正極のリチウム遷移金属複合酸化物中のニッケルの割合は、全遷移金属量を100%としたとき、原子量基準で6%以上であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
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