JP2008013849A - 平面基板搬送用搬送ローラを備えた真空コーティング設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は真空チャンバを通して搬送される平面基板用の搬送システムを備えた真空コーティング設備に関する。
【解決手段】搬送システムは平行に配置された複数のシリンダを備える。これらのシリンダの駆動手段として、1つ以上のモータを設置することができ、真空チャンバの内部又は外部に位置される。モータとシリンダとの間の連結はいずれの場合もマグネットカップリングを介して行われる。これにより駆動手段とシリンダとの間には機械結合が確立されないことから、これらは容易に分離可能であり、真空チャンバ内外への移動が可能なスライドイン要素にスパッタカソードと共にシリンダを設置することが可能となる。シリンダ全てに各自の駆動手段を設置しない場合でも、駆動手段と連結させるシリンダはVベルト等を介して他方のシリンダに連結可能である。
【選択図】図1
【解決手段】搬送システムは平行に配置された複数のシリンダを備える。これらのシリンダの駆動手段として、1つ以上のモータを設置することができ、真空チャンバの内部又は外部に位置される。モータとシリンダとの間の連結はいずれの場合もマグネットカップリングを介して行われる。これにより駆動手段とシリンダとの間には機械結合が確立されないことから、これらは容易に分離可能であり、真空チャンバ内外への移動が可能なスライドイン要素にスパッタカソードと共にシリンダを設置することが可能となる。シリンダ全てに各自の駆動手段を設置しない場合でも、駆動手段と連結させるシリンダはVベルト等を介して他方のシリンダに連結可能である。
【選択図】図1
Description
本発明は請求項1又は2の前提項に係る真空コーティング設備に関する。
真空コーティング設備内で基板コーティングを行う場合、粒子はターゲットから叩き出され基板方向に向かって移動し、基板上に堆積される。均一な基板コーティングを得るため、基板とターゲットを互いに相対的に運動させ、好ましくは基板をターゲットを超えて移動させる。
基板は、真空コーティング設備内を特殊な搬送装置を用いて移動される。
大面積で実質的に剛性の基板、例えば建築用ガラスをコーティングする場合には搬送システムを利用することが多く、搬送システムは異なる連続搬送ローラから構成される。これらの搬送ローラは歯付ベルト、チェーン又は歯車を介して互いに連結されており、共通の駆動手段、例えばモータによって駆動される。
軸用の駆動装置はすでに公知であり、チャンバ内に位置される(US2005/0206260A1)。ここでこの軸はマグネットカップリングを介してモータによって作動し、モータはチャンバ外に位置している。
真空コーティング設備における、複数のローラを備えた基板搬送装置もまた公知であり、少なくとも1つのローラが駆動軸として機能する(DE10328273A1)。この装置においては、搬送ローラのみならず駆動手段も全てコーティング設備の真空領域内に設置されている。
最後に、部品搬送システムを備える処理チャンバもまた公知である(GB2171119A)。この搬送システムはマグネットカップリングによって駆動されるシリンダを含む。ここでマグネットカップリングは外部から処理チャンバ内へのトルク伝達のためだけではなく、チャンバ内のリフト上に配置された二対の搬送ローラ間の切り替えにも役立つ。
本発明は真空コーティング設備内に平面基板用の搬送装置を提供する問題に対処するものであり、この搬送装置の真空コーティング設備への装填及び取り外しを多大な困難を伴うことなく実行可能である。
この問題は特許請求項1又は2の特徴部により解決される。
従って、本発明は真空チャンバを通して搬送される平面基板のための搬送システムを備えた真空コーティング設備に関する。この搬送システムは平行に配置された複数のシリンダを備える。これらのシリンダ用の駆動手段として1つ以上のモータを設置してもよく、真空チャンバ内部又は外部に配置される。いずれのケースにおいても、モータとシリンダとの間の連結はマグネットカップリングを介して行われる。これにより駆動手段とシリンダとの間に機械的な連結が不要となることからこれらを容易に分離でき、真空チャンバ内外へと駆動可能なスライドイン要素内にスパッタカソードと共にシリンダを設置することが可能となる。シリンダ全てに各自の駆動手段を設置しない場合でも、駆動手段と連結させるシリンダはVベルト等を介して残りのシリンダに連結可能である。
本発明で得られる利点には、特には、回転式シール要素、例えば回転軸シール又は流体シールが不要であることが含まれる。加えて、漏れの危険性のある部位が回避される。さらに、マグネットカップリングは非接触型であるため損耗及び保守不要である。つまり、回転式フィードスルーよりも費用効率を高く製造することも可能である。これに加え、マグネットカップリングの場合、トルク限界を磁石距離により簡単に設定可能である。
搬送装置が大面積基板、例えばシート又はガラス、特には建築ガラス搬送用の搬送ローラを備えたものである場合、各搬送ローラがマグネットギャップカップリングを各自で含むと特に有利である。回転式の堅牢なカップリングと比較して、マグネットギャップカップリングは真空気密であるという点で特に有利である。この性質が、マグネットギャップカップリングの真空コーティング設備での使用を事実上理想的なものとしている。また、マグネットギャップカップリングはラジアル及びアキシャル型構成で実施可能であるという利点もある。
従って、駆動機構は従来のような真空内だけでなく、大気圧下にも配置することが可能である。
駆動機構を大気圧下に設置可能であることから、数時間にわたる長時間の排気時間が不要となり、保守と修理がより単純になり、製造コストが著しく低下する。駆動機構を大気圧下に設置する場合、これは比較的高価な真空回転式フィードスルーがもう不要となることも意味する。真空回転式フィードスルーは、遥かに費用効率の高いマグネットギャップカップリングに置き換えられる。マグネットギャップカップリングを利用することにより、回転式シール要素、例えば軸又は流体シールを取り付ける必要がなくなり、漏れの生じる可能性のある部位が回避される。
駆動手段、例えば電気モータはマグネットギャップカップリングを介して回転運動を搬送ローラに伝達するため、基板の搬送速度も簡単に設定可能である。一つには、搬送速度は駆動手段それ自体を通して設定可能である。第二に、磁石間の距離を調整することによりトルク限界を得ることができ、磁石の強度もまたトルクへ決定的な影響を与える。
搬送ローラは定期洗浄のために取り外さなくてはならず、本発明の搬送ローラの場合は容易に実現可能である。これは取り外す部分と駆動手段との間が容易に着脱可能だからであり、搬送ローラの取り外しは大きな問題なく完遂することができる。回転式フィードスルーを備えたコーティング装置とは対照的に、再装填も容易に実現可能である。
図1は真空コーティング設備1における真空コーティングチャンバ2の一部の斜視図である。真空コーティングチャンバ2を区切る2つの対向する壁部4、5の小区域が見て取れる。真空コーティングチャンバ2内には搬送装置3が位置しており、平行に延びる複数の搬送ローラ6、7、8、9を備える。これらの搬送ローラ6〜9は真空コーティングチャンバ2の外側に設置された駆動システム10を介して駆動される。この駆動システム10を用いて、搬送ローラ6〜9はその縦軸を中心に回転運動を実行する。搬送ローラ6〜9上にはコーティングを施す基板11が位置する。ここで基板は平面基板、例えば建築用ガラスである。基板11が搬送ローラ6〜9上に直接的に載らないように、搬送ローラ6〜9の外側には例えばゴム系弾性材料を適用可能である。これは基板11への傷防止に役立ち、基板がガラスの場合は特に重要である。
図1に図示されるように、ゴム系弾性材料はリング12〜20の形で搬送ローラ6〜9上に配置し得る。しかしながら、ゴム系弾性材料は異なる形状であってもよく、例えば瘤状で実施してもよい。搬送ローラ6〜9の運動を通して、その上に配置させた基板11も移動する。
各搬送ローラ6〜9を一対のベアリング22−23、24−25、26−27、28−29の間に配置し、搬送ローラ6〜9をその軸を中心に回転させる。しかしながら、一端を固定した搬送ローラも実現可能である。
搬送ローラ6〜9は駆動システム10と連結されており、駆動システムは複数の独立駆動手段、例えばモータ30〜33を含み得る。これらのモータ30〜33は駆動軸40〜43の端部に連結されている。モータ30〜33を用いて、駆動軸40と図1では明瞭でないマグネットカップリング介して搬送ローラ6〜9を独立して駆動することが可能である。
しかしながら、図1の実施態様例においては搬送ローラ6〜9の全てを駆動するには1つのモータ、例えばモータ30で十分であり、これは駆動軸43も歯付ベルト35を介して駆動軸42を駆動し、また駆動軸42は歯付ベルト36を介して駆動軸41を駆動する等の理由からである。駆動軸40〜43は全て歯付ベルト34〜38を介してそれぞれの隣接する駆動軸に連結されているため、1つのモータのみで十分である。
歯付ベルト34〜38を省く場合、各駆動軸40〜43は各自のモータ30〜33を介して駆動可能である。
駆動軸40〜43は壁部4に連結された支持体39〜39’’’上に載置されている。
単一又は複数のモータを用いるかどうかに関係なく、搬送ローラ6〜9を全て均一に回転させることが目標である。
図1では不明瞭であるマグネットカップリングは、実質的には壁部4内に位置している。これらのマグネットカップリングの1つが図2に図示されている。
図2は図1の真空コーティング設備1を方向Aから見た図である。この断面図は、モータ30、駆動軸43、その上に配置されたチェーン又はベルト34、35を備えた駆動システム10の一部を表す。その端部にモータ30がフランジ状に取り付けられている駆動軸43は支持体39と接触している。支持体39は真空コーティングチャンバ2の壁部4と連結されており、駆動軸43とモータ30とを安定及び補強するのに役立つ。モータ30と連結された駆動軸43はロッド状延長部44を有し、この端部には磁石45が配置される。
この磁石45は真空コーティングチャンバ2内に位置されたさらに別の磁石46と対向している。双方の磁石45、46は真空コーティングチャンバ2の壁部4の一部を構成するカップ状上部構造47によって隔てられている。この上部構造47は磁化不能又は非磁性材料を含み、磁石45、46が相互に磁気影響力を及ぼしあえるようになっている。
磁石46はロッド状駆動軸48の一端に取り付けられており、ロッド状軸は搬送ローラ9と連結されている。搬送ローラ9をその上に備えた駆動軸48は2つの対向する、搬送ローラ9を保持するベアリング22、23の間に配置されている。搬送ローラ9は複数のリング18〜20を含み、リングは好ましくはゴム系弾性材料を含み、その上に基板11を載せる。
管状カソード49も図に明示されており、搬送ローラ9より若干下方に配置されている。カソードは2つの隣接する搬送ローラの間に位置されているため、基板11は下方向からコーティングされる。しかしながら、基板11の上方にカソードを適用することで、基板を上方からコーティングすることも可能である。
図2に示されるように、このカソードは円管カソード49であり、真空コーティングチャンバ2の外部に位置する駆動チャンバ50と関連している。この駆動チャンバ50内には駆動手段51が位置し、これを介して円管カソード49は駆動される。円管カソード49はその縦軸を中心としてチャンバ内で回転し、これにより基板11の均一なコーティングが達成される。
この円管カソード49は、例えばDE19651378A1に記載されるように、その上にターゲットが配置された従来の円管カソードである。
円管カソード49はその一端で駆動チャンバ50内の駆動手段51に連結される一方で、もう一方の端部はローラ52上に載置される。次に、この回転ローラ52はベアリング軌道53上に載置される。
スライドイン要素Eを装填する場合、ローラ又はシリンダ52は壁部4に近接して位置される。スライドイン要素を真空チャンバ内に装填する場合、図示してはいないがスライドイン要素Eの別のローラ又はシリンダが壁部5に近接している。図2の描写とは対照的に、ベアリング軌道53は真空チャンバの全幅にわたって延びていることが好ましい。壁部5に直近した位置に、このベアリング軌道53には止めが設けられている。スライドイン要素Eの担持体要素69は実質的に真空チャンバ2の全幅にわたって延びている。担持体要素は足場65も含む。
搬送ローラ6〜9用の駆動システム10側に、真空コーティングチャンバ2は壁部4と、壁部に埋設されたカップ状上部構造47を含む。壁部4に対向する側は2つの壁領域、つまり下部壁領域5と上部壁領域54から成る壁部から構成される。これら2つの壁領域5、54は互いに分離可能であり、真空コーティング設備1が稼働中はフランジ55を介して連結される。真空コーティングチャンバ2は上部開口部56を有し、壁部4、54上に配置された2つのフランジ57、58によって取り囲まれ、かつ蓋部59を用いて閉鎖される。
真空コーティング設備1は、加えて、2つのポンプ62、63を含むポンプシステム61を備える。
このポンプシステム61を用いて、真空コーティングチャンバ2を排気可能である。ポンプシステム61のみならず真空コーティングチャンバ2も水平面64上の複数の台座上に載置されている。これらの台座のうち、台座65、66のみが図2で明示されている。
駆動チャンバ50は、担持体要素69上のフレーム67、68上に配置されている。
駆動チャンバ50のみならず担持体要素69のフレーム67、68もその中でユニットを形成する。駆動チャンバ50には円管カソード49と搬送ローラ9のみならず壁部5も直接連結されている。これら全てがスライドイン要素Eを構成する。このスライドイン要素Eは真空コーティングチャンバ2全体を分解する必要なく、真空コーティングチャンバ1から取り外し可能である(欧州特許出願EP1698715参照)。
従って、搬送ローラ6〜9を迅速かつ利便性よく洗浄可能であり、時間と費用を節約できる。洗浄中、別のスライドイン要素を真空コーティングチャンバ2に差込み搭載可能である。この結果、真空コーティング設備1を迅速に再稼動可能であり、支出が抑えられる。
図2の真空コーティングチャンバには円管カソード49しか図示されていないが、当然ながら平面ターゲットも使用可能である。従って、例えば平面ターゲットを基板11上方に配置してもよく、基板11は記載のやり方でもってターゲットを通過させる。
図3は図2の真空コーティング設備1の右側の部分拡大図である。その端部にモータ30が配置されている、支持体39に取り付けられた駆動軸43を備えた駆動システム10の一部が明白である。
真空コーティングチャンバ2の壁部4の方向に向かって、駆動軸43はロッド状延長部44を有し、その端部には磁石45が位置されており、N極とS極を有する。この磁石45にはさらに別の同様の構造の磁石46が対向している。2つの磁石45、46の間にはカップ状上部構造47が設置されている。磁石45、46、及びカップ状上部構造47は共にいわゆるマグネットギャップカップリング70を構成する。カップ状上部構造47は磁化不能及び非磁性材料を含み、この上部構造47は壁部4に真空気密に埋設されている。
モータ30を介して駆動システム10の駆動軸43が動くと、駆動軸43はA−Aを中心とした運動を実行する。これにより、駆動軸43のロッド状延長部44に位置する磁石45は回転運動を開始する。
上部構造47は磁化不能材料、例えばアルミニウム又は石英を含むため、磁石45の回転運動は磁石46へと伝達される。この磁石46は駆動軸48を介して搬送ローラ9に連結されているため、回転運動は搬送ローラ9にも伝達され、搬送ローラはその縦軸を中心に回転し、またその上の基板11を搬送する。
内在するマグネットギャップカップリング70の1つの利点として、回転式シール要素、例えば軸シール又は流体シールが不要であることが挙げられる。これにより、障害の起きやすいこれらのシール要素を搭載する必要がなくなり、真空コーティングチャンバ2における漏れの原因となる可能性のある部位を回避可能である。
また、マグネットギャップカップリングは製造費用効率が高く、損耗がなく保守が極めて簡易であることから、技術的に非常に複雑で高価な回転フィードスルーを省略可能である。マグネットギャップカップリングは堅牢な回転構造であり、さらに真空気密である。
搬送ローラ6〜9がマグネットギャップカップリング70を介して駆動システム10に連結されている場合、搬送ローラ6〜9は、単に取り外すだけで接触することなく分解可能である。
磁石45、46の距離、又は磁石45、46の磁場強度により、トルク限界は簡単に設定可能である。さらに、構成要素を追加することなく軸オフセットを補正可能である。
図3で明白なように、駆動システム10は真空コーティングチャンバ2の外側に位置する。しかしながら、駆動システム10を真空コーティングチャンバ2の内部に位置させる別形態も考えられる。同様に堅牢性の高い回転構造である単純マグネットカップリングのこの変形バージョンにおいては、カップ状上部構造47は不要となる。
真空コーティングチャンバ2内にマグネットカップリング70を配置させる場合、駆動軸40〜43とベルト34〜38も真空コーティングチャンバ2内に配置可能である。この場合、これらの構造部品は常に真空コーティングチャンバ2内にあることから心ずれが生じない。この場合、ベルト34〜38を備えた駆動軸40〜43は単一の回転フィードスルー又はマグネットカップリングを介して真空コーティングチャンバ2外部に位置するモータによって駆動される。モータも真空コーティングチャンバ2内に設置可能である。
図4a〜4cは、図2に図示の真空コーティング設備1からのスライドイン要素Eの取り外し手順を示す。ポンプシステム61を備えた真空コーティングチャンバ2は底部64上に立つ台座65、66を備える。真空コーティングチャンバ2には、加えて、その長辺にスロット状開口部71が設けられており、真空コーティングチャンバ2の壁部21に嵌めこまれる。この開口部71を通して基板11は真空コーティングチャンバ2に供給され、この方法は真空コーティングチャンバ2で得られる真空にいかなる悪影響も与えない。
図4aにおいて、人物72は矢印74の方向に向かって、つまり駆動チャンバ50の下にフォークリフト台車73を移動させる。
図4bにおいて、フォークリフト台車73は真空コーティング設備2の下に位置しており、これによりスライドイン要素E全体を迅速に持ち上げ、図4cに示されるように真空コーティング設備1から矢印75の方向に取り外すことが可能である。持ち上げるというこの簡単な操作により、図2には示してないが壁部5近傍のローラは止めを越えて持ち上げられ、取り外しが可能となる。これでスライドイン要素Eの一方はフォークリフト台車73に載り、もう一方はローラ52上に載る。このようにして、ローラ52が壁部5近傍の止めに当たるまでスライドイン要素Eを引き抜くことが可能である。このローラ52も止めを越えて移動させるには、フラップブリッジをその水平位置からスライドイン要素Eのその端部を支える垂直位置へと移動させ、そこにローラ52を配置させる。スライドイン要素Eがほぼ引き出されローラが壁部5近傍の止め上に横たわる状態において、図示していないフラップブリッジは担持体要素69、69’上に配置され、垂直状態でスライドイン要素Eの一領域を支持し、この時点ですでに真空チャンバの外側にある。この支持フラップブリッジがなくスライドイン要素Eを取り外すと、カンチレバーが非常に長いことからフレーム68にかかる負荷が高くなりすぎる。
スライドイン要素Eを取り外した後、コーティング処理を短時間たりとも中断する必要なく、別のものと交換可能である。
これでスライドイン要素Eを迅速に洗浄、又はターゲットを円管カソード49から取り外して新しいものと交換可能となる。
あるいは、スライドイン要素Eはローラ又はエアクッション、あるいはレールや同様の装置上を移動させることも可能である。
図5は図4a〜4cに図示の真空コーティング設備1の一部であり、時計方向に90°回転させたものである。明瞭にするため、フォークリフト台車を持った人物は描かれていない。
駆動チャンバ50、77〜79がお互いに規定の距離を置いて隣接して配置され、フレーム67−68、80−92、81−93、82−94を介して2つのベース要素69−69’、86−86’、88−88’、90−90’に連結されている様子が明示されている。各ベース要素は開口部76−76’、87−87’、89−89’、91−91’を有し、フォークリフト台車のフォーク部はこの開口部内に挿入される。各駆動チャンバ50、77〜79はフランジ55、83〜85でもって真空コーティングチャンバ2から外れる。スライドイン要素E〜E’’’は真空コーティング設備1から個別に取り外し及び保守可能である。
図6はフォークリフト台車95を用いて真空コーティング設備から引き出したスライドイン要素E’’’の斜視図である。
スライドイン要素E’’’は2つのベース要素96、96’を備え、フォークリフト台車95のフォーク部はそのベース部に差し込まれた。ベース要素96、96’上にはU型フレーム97が配置され、その上には駆動チャンバ98が位置される。ベース要素96、96’の機能は図2の担持体要素69に対応する。フォークリフト台車95のフォーク部はスライドイン要素Eの2つの下部ベース要素96、96’の間を通る。しかしながら、これらベース要素が例えば下方向に開口したU字型断面形状から成る場合は、フォーク部をこれらベース要素内を通すことも可能である。スライドイン要素E’’’を設備に装填しない場合、ベース要素96、96’は底部から若干浮いている。
スライドイン要素E’’’は複数の搬送ローラ99〜101を含み、ローラには好ましくはゴム系弾性材料を含むリング102〜105が設けられている。搬送ローラ99〜101の下には2つの円管カソード106、107が位置しており、各円管カソード106、107は2つの隣接する搬送ローラ99−100、100−101の間に位置される。
搬送ローラ99〜101は台座の間に配置され、台座108〜110のみを図示している。スライドイン要素E’’’の対向する台座は互いに横木で連結されており、図6では横木111のみが図示されている。
スライドイン要素Eを取り外す場合は、ベルト35〜38を備えた短軸40〜43(図1を参照)と搬送ローラ6〜9そのものとの間が容易に着脱可能な連結である必要がある。この容易に着脱可能な連結は、全ての駆動部品を真空チャンバ内に位置させ、マグネットカップリングを介して駆動し、マグネットカップリングも真空チャンバ内に位置している態様で完遂できる。この態様において、カップ状要素と膜の数は減少するものの、真空チャンバ内の構造要素の数は増加しない。
図7は図6のスライドイン要素E’’’を約180°回転させたあとの斜視図である。搬送ローラ99〜101をそれぞれ1対の台座108−112、109−113、110−114の間に配置させた状態が明白である。読み手の方向を向いて延びる搬送ローラ99〜101の端部には、磁石120〜122が見て取れる。これらの磁石120〜122はそれぞれ真空コーティング設備のマグネットカップリング又はマグネットギャップカップリングの一部品である。
各円管カソード106、107は搬送ローラ99と100、100と101との間の取付台115、116上に配置されており、駆動チャンバ98と連結されている。
横木111、117も明白に描かれており、台座108と112、110と114との間にそれぞれ位置されている。これらの横木111、117はそれぞれ伸長端部111’、117’を含み、その上にローラ118、119が1つずつ配置されている。これらのローラ118、119により、特に真空コーティング設備が図2に示されるようなガイドを含む場合、スライドイン要素E’’’の取り外しと再装填が著しく促進される。
ガイドは補足的にスナップ嵌合機構を含んでいてもよい。ローラ118、119は目的とするガイドに達するとスナップ嵌合する。そこでスライドイン要素E’’’を方向づけ、その磁石120〜122をマグネットカップリング又はマグネットギャップカップリング内に正確に納める。
こうしてマグネットカップリングを利用し、機械的に解体することなく、スライドイン要素E’’’を真空コーティングチャンバ2から取り出し可能である。
本発明の一実施形態が図面に図示されており、さらに詳細に説明する。
搬送装置を備えた真空コーティング設備の一部の斜視図である。
図1の真空コーティング設備を方向Aから見た図である。
図2の真空コーティング設備の拡大部分図である。
〜
図2の真空コーティング設備のスライドイン要素の分離工程を示す図である。
反時計回り方向に90°回転させた後の図4aから4cに図示の真空コーティング設備の一部を示す図である。
スライドイン要素の斜視図である。
180°回転させた後の図5のスライドイン要素の斜視図である。
Claims (14)
- 真空コーティングチャンバ(2)と、
平面基板(11)を搬送するための、真空コーティングチャンバ(2)内部に平行に配置された複数の回転搬送ローラ(6〜9、99〜101)とを備え、
真空コーティング設備(2)の外部に配置された駆動手段(10、30〜33)と、
駆動手段と少なくとも1つの搬送ローラ(6)との間の少なくとも1つのマグネットカップリング(45、46、70)を備えたことを特徴とする真空コーティング設備(1)。 - 真空コーティングチャンバ(2)と、
平面基板(11)を搬送するための、真空コーティングチャンバ(2)内部に平行に配置された複数の回転シリンダ(6〜9、99〜101)とを備え、
真空コーティングチャンバ(2)の内部に配置された駆動手段と、
駆動手段と少なくとも1つの搬送ローラ(6)との間の少なくとも1つのマグネットカップリング(45、46、70)を備えたことを特徴とする真空コーティング設備(1)。 - 少なくとも1つの搬送ローラ(6)がベルト(34〜38)を介して残りの搬送ローラ(7〜9)に連結されていることを特徴とする請求項1又は2記載の真空コーティング設備(1)。
- シリンダ(6〜9)が各自のマグネットカップリング(45、46、70)を介して各自の駆動手段に連結されていることを特徴とする請求項1又は2記載の真空コーティング設備(1)。
- 真空コーティングチャンバ(2)の壁の1つ(4)に磁化不能又は非磁性材料を含むカップ状上部構造(47)が埋設されており、真空コーティングチャンバ(2)内に位置する少なくとも1つの磁石(46)を真空コーティングチャンバ(2)の外側に位置する少なくとも1つの磁石(47)から隔てていることを特徴とする請求項1記載の真空コーティング設備(1)。
- シリンダ(6〜9、99〜101)が少なくとも部分的にゴム系弾性材料(12〜20、102〜105)によって包囲されることを特徴とする請求項1又は2の1つ記載の真空コーティング設備(1)。
- シリンダ(6〜9、99〜101)間にスパッタ電極が配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の真空コーティング設備(1)。
- シリンダ(6〜9、99〜101)と少なくとも1つのマグネットカップリング(45、46、70)が、真空コーティングチャンバ(2)内外への移動が可能なスライドイン要素(E〜E’’’)の一部であることを特徴とする請求項2記載の真空コーティング設備(1)。
- シリンダ(6〜9、99〜101)が、真空コーティングチャンバ(2)内外への移動が可能なスライドイン要素(E〜E’’’)の一部であり、シリンダ(6〜9、99〜101)用の駆動手段(10)が真空コーティングチャンバ(2)の外側に留まることを特徴とする請求項1記載の真空コーティング設備(1)。
- スパッタ電極(49)がスライドイン要素(E〜E’’’)の一部であることを特徴とする請求項7、8及び9記載の真空コーティング設備(1)。
- シリンダ(6〜9、99〜101)が駆動軸(40〜43)を介して、駆動手段への接続を確立するマグネットカップリング(30〜33)へ連結されていることを特徴とする請求項1又は2記載の真空コーティング設備(1)。
- 駆動軸(40〜43)とシリンダ(6〜9、99〜101)との間にマグネットカップリングが設けられていることを特徴とする請求項11記載の真空コーティング設備(1)。
- スライドイン要素(E〜E’’’)が、フォークリフト台車(73)を用いて持ち上げ可能なフレーム(68、69)を含むことを特徴とする請求項8又は9記載の真空コーティング設備(1)。
- スパッタカソード(49)用の駆動手段を含むチャンバ(50)がスライドイン要素(E〜E’’’)の一部であることを特徴とする請求項8又は9記載の真空コーティング設備(1)。
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