JPH11350136A - 真空成膜装置 - Google Patents

真空成膜装置

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JPH11350136A
JPH11350136A JP16394398A JP16394398A JPH11350136A JP H11350136 A JPH11350136 A JP H11350136A JP 16394398 A JP16394398 A JP 16394398A JP 16394398 A JP16394398 A JP 16394398A JP H11350136 A JPH11350136 A JP H11350136A
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JP
Japan
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film
vacuum
chamber
film forming
vacuum chamber
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JP16394398A
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Atsuhiro Abe
淳博 阿部
Yasunori Kin
康憲 金
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置構成の大型化や複雑化を招来せずに、内
部が真空状態となされた真空槽の大気圧による変形によ
ってフィルム体の走行が影響を受けないようにして、成
膜の良好性と、使用及び保守上における作業の容易化、
安全化を図る。 【解決手段】 成膜源物質9及びフィルム体7を収納し
排気装置4により内部が真空状態となされる真空槽1
と、略々同形状の一対のサイドプレートによって支持さ
れ真空槽1内でフィルム体7を走行させるローラ体5,
6とを備えている。各サイドプレートは、真空槽1に対
して独立して配設されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被成膜部材上に種
々の物質の薄膜を形成させる真空成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、被成膜部材上に種々の物質の薄膜
を形成させる真空成膜装置が提案されている。そして、
被成膜部材であるフィルム体の表面部に対して成膜を行
う場合には、図5に示すように、このフィルム体7を走
行操作しつつ、連続して成膜を行う巻取式連続真空成膜
装置が用いられている。
【0003】すなわち、このような真空成膜装置におい
ては、フィルム体7は、真空槽1内に収納され、巻出し
軸5より送り出されて、フィルム体冷却ドラム8に巻回
された後、巻取り軸6によって巻取られる。そして、フ
ィルム体冷却ドラム8に巻回されて走行操作されるフィ
ルム体7に対して、真空槽1内に収納された成膜源物質
9から蒸発やイオンビーム照射などによって遊離した物
質が付着して成膜を行う。
【0004】真空槽1内は、排気装置4によって、略々
真空状態に維持される。
【0005】巻出し軸及び巻取り軸や、その他のフィル
ム体をガイドするためのローラなどは、相対向して対を
なす2枚のサイドプレートの間において、両端側を各サ
イドプレートに支持されて配設されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な真空成膜装置においては、2枚のサイドプレートのう
ちの片側の1枚は、真空槽の筐体、すなわち、真空壁の
一部として兼用されている。そのため、真空槽内が真空
状態となされると、大気圧により僅かながら変形され
る。この変形は、フィルム体をガイドするためのローラ
などの位置に影響を与えることとなる。
【0007】すなわち、真空槽内を大気に開放している
ときにガイドローラ相互間の取付精度が維持されていて
も、真空槽内を真空状態にすると、サイドプレートが大
気圧を直接受けて変形し、ガイドローラ間の取付精度が
悪くなり、フィルム体が走行中に皺を発生する不具合が
生じていた。また、蒸着成膜のように成膜源物質が高温
となる場合には、2枚のサイドプレートが形状の違いに
より熱膨張のしかたが異なるために、フィルム体が走行
中に皺を発生する虞れがあった。
【0008】そして、上述のような巻取り式連続真空成
膜装置において、1台あたりの成膜速度を最大限に上げ
るには、フィルム体冷却ドラムの数を増やし、成膜源物
質も複数設けるという構成が考えられる。しかし、この
ような構成を採ると、装置構成が大型化し、フィルム体
冷却ドラムとフィルム体冷却ドラムとの間にダンサロー
ラと呼ばれるフィルム体のたるみを吸収する装置を追加
する必要が生じて装置構成が複雑になる。このような装
置構成の大型化、複雑化は、装置の製造を困難として装
置を高価なものにし、また、メンテナンスの煩雑化を招
来する。
【0009】また、フィルム体冷却ドラムの個数を増や
すことなく、最大の成膜速度を得るための構成として
は、フィルム体冷却ドラムの直径を大きくし、複数個の
成膜源物質を該フィルム体冷却ドラムを取り囲むように
して複数設ける構成が考えられる。しかし、この場合に
おいて、成膜源物質をフィルム体冷却ドラムの上方側に
設けると、成膜源物質の周辺の付着物が剥離することに
より発生するごみがフィルム体上に落下し、製品の不良
を招いてしまう。したがって、成膜源物質を配設する位
置としては、フィルム体冷却ドラムの下方側、または、
側方ということになる。
【0010】例えば、図5に示す従来の真空成膜装置に
おいては、フィルム体冷却ドラム8からフィルム体7を
巻き取る巻取り軸6が収納される巻取り室3と、成膜源
物質9が収納される成膜室2とは、略々水平方向に並べ
られている。これら成膜室2と巻取り室3とは、隔壁1
2によって隔てられている。フィルム体冷却ドラム8
は、隔壁12に設けられた透孔内に嵌合する状態に配設
されている。そして、真空槽1に対して成膜源物質9な
どを出し入れするための開口部が1箇所(一方向)だけ
である場合には、フィルム体冷却ドラム8の外周面に対
向して成膜源物質9をレイアウトできる角度範囲は、こ
のフィルム体冷却ドラム8の中心軸回りの90°程度の
範囲に限られ、成膜源物質9の個数を充分に増やすこと
ができない。
【0011】また、図6に示すように、巻取り室3と成
膜室2とを鉛直方向に並べ、真空槽1に対して成膜源物
質9などを出し入れする搬送台車を成膜室2の下方に設
けた場合には、成膜源物質9は、フィルム体冷却ドラム
8の外周面に対向した状態で、該フィルム体冷却ドラム
8の軸回りの180°に亘る範囲に配設できる。しか
し、このような構成の真空成膜装置は、真空槽蓋10を
のせた搬送台車11が鉛直方向に移動されるため、装置
全体が、建物の2階建て程度の高さの高い装置となる。
すなわち、この真空成膜装置を建物内に設置した場合に
は、装置の下方部分は建物の1階部分に位置し、装置の
上方部分は建物の2階部分に位置することとなる。した
がって、この真空成膜装置を用いる場合においては、原
反であるフィルム体7を建物の2階まで運び上げる必要
が生じ、また、フィルム体冷却ドラム8や成膜室2の清
掃が困難で危険な作業となる。
【0012】このように、巻取り室3と成膜室2とを鉛
直方向に並べた真空成膜装置では、巻取り室3のフロア
を建物の2階にしたり、あるいは、フィルム体7を巻い
たボビンを高所まで上げることができる大掛かりな搬送
台車が必要となる。したがって、この真空成膜装置にお
いては、設備費用が増大し、また、使用上において危険
な作業が伴う。
【0013】そして、図7及び図8に示すように、成膜
源物質9などを出し入れする搬送台車11の移動方向を
フィルム体冷却ドラム8の軸に対して平行な方向として
構成した場合には、成膜源物質9の周辺から発生するご
みの問題は解決され、成膜源物質9も、フィルム体冷却
ドラム8の軸回りの180°程度に亘る範囲内に配設す
ることができる。しかし、この真空成膜装置において
は、成膜源物質9を真空槽1のサイドプレートの片側を
通して真空槽1内に出し入れするために、サイドプレー
トに大きな透孔を設けるか、サイドプレートを柱で支え
る構造を採らざるを得ない。この場合、フィルム体7の
走行ガイド系の剛性を充分に確保することができず、ロ
ーラなどの位置精度が悪くなる。
【0014】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提
案されるものであって、装置構成の大型化や複雑化を招
来することなく、内部が真空状態となされた真空槽の筐
体の大気圧による変形によって被成膜部材であるフィル
ム体の走行が影響を受けないようになされて良好な成膜
が行え、また、使用及び保守上において煩雑な作業や危
険な作業が必要とされないようになされた真空成膜装置
を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る真空成膜装
置は、成膜源物質及び被成膜部材を収納し排気装置によ
り内部が真空状態となされる真空槽と、略々同形状の一
対のサイドプレートを有して構成され真空槽中に被成膜
部材となるフィルム体を走行させる走行操作機構と、各
サイドプレートを支持するベースプレートとを備えて構
成されている。そして、この真空成膜装置は、上述の課
題を解決するため、各サイドプレート及びベースプレー
トが真空槽に対して独立して配設されたものとなされて
いる。
【0016】また、真空槽には、フィルム体が巻回され
てこのフィルム体を冷却させるフィルム体冷却ドラムを
収納させるとともに、真空槽蓋によって開閉される複数
の開口部を設けることができる。そして、真空槽蓋及び
成膜源物質を支持しフィルム体冷却ドラムの回転軸に対
する直交方向に移動操作可能となされた2台以上の搬送
台車を備えることにより、成膜源物質は、搬送台車が移
動操作されることによる真空槽蓋による開口部の開閉に
伴って、該開口部を介して、真空槽に対して入出され
る。
【0017】そして、真空槽の内部は、フィルム体冷却
ドラムに対してフィルム体を送り出す巻出し軸及び該フ
ィルム体冷却ドラムより該フィルム体を巻取る巻取り軸
を収納した巻出し巻取り室と、成膜源物質を収納しフィ
ルム体冷却ドラムに巻回されたフィルム体に成膜が行わ
れる成膜室とに分割することができる。巻出し巻取り室
を成膜室の上部に位置して設け、巻出し巻取り室及び成
膜室のそれぞれに排気装置を設けることができる。
【0018】さらに、巻出し軸及び巻取り軸は、フィル
ム体が巻回されたボビンが交換可能に取付けられるもの
とし、ボビンを交換するときに真空槽の外方に移動され
ることを可能とすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0020】本発明に係る真空成膜装置は、図1に示す
ように、真空槽1を有して構成される。この真空槽1の
内部は、隔壁12によって、成膜室2と巻取り室3とに
上下に分割されている。成膜室2と巻取り室3の真空度
が大きく異なる場合や、双方の部屋のガス混入が問題で
ある場合には、隔壁を2枚として、これら隔壁間を中間
室13とする。そして、この真空槽1内は、成膜室2,
巻取り室3、中間室13にそれぞれ取付けられた排気装
置4により、大気圧から略々真空状態となるまで排気さ
れる。
【0021】被成膜部材の原反となるフィルム体7は、
プラスチック、紙、金属など、種々の材料により形成さ
れ、ボビン14に巻かれている。このボビン14は、巻
取り室3内に設けられた巻出し軸5に装着される。ま
た、空のボビンが、巻取り室3内に巻出し軸5に平行に
設けられた巻取り軸6に装着される。
【0022】巻出し軸5から巻出されたフィルム体7
は、複数のガイドローラ18によってガイドされ、フィ
ルム体冷却ドラム8に巻き付けられる。このフィルム体
冷却ドラム8は、図示しない冷凍機や水冷によって冷却
されている。このフィルム体冷却ドラム8は、隔壁12
に設けられた透孔を閉塞する状態に配設されており、外
周面部のうち中心軸回りの略々270°に相当する部分
を成膜室2に臨ませ、残りの略々90°に相当する部分
を巻取り室3に臨ませている。フィルム体7は、フィル
ム体冷却ドラム8が、図1中矢印Rで示すように回転操
作されることにより、このフィルム体冷却ドラム8に巻
回された状態で成膜室2内を走行する。フィルム体7
は、成膜室2内を走行中に、成膜をなされる。成膜され
た後のフィルム体7は、巻取り室3に戻り、巻取り軸6
に取付けられた空のボビンに巻き取られる。
【0023】巻出し軸5、巻取り軸6、フィルム体冷却
ドラム8及び複数のガイドローラ18は、図2に示すよ
うに、それぞれ両端側を対をなす2枚のサイドプレート
19,19によって回転可能に支持されている。そし
て、巻出し軸5、巻取り軸6及びフィルム体冷却ドラム
8には、それぞれモータ17が取付られている。これら
モータ17は、図示しない張力検出機構よりの信号に基
づいて駆動され、フィルム体7の張力や速度が一定にな
るように制御しつつこのフィルム体7を走行させる。一
般に、10μm以下の薄いフィルム体を皺を発生させる
ことなく走行させるには、各ローラ間の平行度は、0.
05mm以下の高精度に維持されている必要がある。
【0024】巻出し軸5、巻取り軸6及びフィルム体冷
却ドラム8などを支持するサイドプレート19は、高精
度に平面研削されたベースプレート20上に固定されて
いる。そして、これらサイドプレート19は、これらサ
イドプレート19間に配設された複数の支持棒21と、
ベースプレート20との間に設けられたブラケット22
により、高精度に平行状態に保持されている。
【0025】このベースプレート20は、ベース脚23
の四隅のみで真空槽1の内壁部に接しているため、たと
え真空槽1が真空引きされたときに大気圧によって変形
したとしても、各サイドプレート19間の平行度に影響
を及ぼすことがなく、フィルム体7の走行の精度にも影
響を及ぼさない。
【0026】フィルム体7の交換や、成膜源物質9の補
充、真空槽1の内壁の清掃等、真空槽1内のメンテナン
スをするための真空槽1の開閉は、この真空槽1の両側
に設けられた搬送台車11,11を移動操作することに
より行う。これら搬送台車11,11は、真空槽1を開
閉するための真空槽蓋10をそれぞれ支持しており、こ
れら真空槽蓋10によって真空槽1を両側より挟持する
状態に配設されている。
【0027】そして、真空槽蓋10には、真空槽1の内
方側に向けて複数の成膜源物質9が取付けられている。
これら成膜源物質9は、フィルム体冷却ドラム8の両側
側より支持されているので、このフィルム体冷却ドラム
8の外周面に対向して略々180°の角度範囲に亘っ
て、充分な個数が配設されている。
【0028】なお、これら成膜源物質9は、スパッタカ
ソード、CVDイオンソース、蒸着るつぼ等、真空薄膜
の成膜源物質となるものであればいずれでもよい。ある
いは、グロー放電処理、エッチング処理等の真空フィル
ム体表面改質処理を行うものでもよい。また、複数の成
膜源物質9は互いに同じ種類のものである必要はなく、
例えば、1つめがエッチング、2つめが蒸着成膜、3つ
めがCVD成膜というように、異なるプロセスを1つの
装置で一気に行うように配設することも可能である。な
お、この場合には、各工程を仕切る隔壁24と各隔壁2
4間に対応した排気装置がそれぞれ必要になる。
【0029】成膜源物質9及び真空槽蓋10を支持した
2台の搬送台車11,11は、フィルム体冷却ドラム8
の軸に対して対称に設置されている。これら搬送台車1
1,11は、図示しないモータによって、車輪が駆動さ
れて移動操作され、真空槽1の開閉動作を行う。
【0030】そして、この真空成膜装置においては、図
3及び図4に示すように、フィルム体のボビン14を低
い位置まで下げてこのボビン14の交換作業が安全に短
時間で容易に行えるようにするXY直交型原反リフター
が設けられている。このXY直交型原反リフターは、巻
出し軸5及び巻取り軸6に対応して、一対が設けられて
いる。通常の操業状態では、図4に示すように、フィル
ム体が巻かれたボビン14は、サイドプレートに取付け
られたチャッキング機構27により両端側を固定されて
いる。計2対のチャッキング機構27は、各々エアシリ
ンダ37によって押し引きされ、ボビン14を掴んだ
り、放したりする。チャッキング機構27の一方は、真
空シール28で真空シールされて設けられたチャッキン
グ駆動軸38を通して、外方側にあるモータ17につな
がっており、ボビン14に回転トルクを伝えることがで
きる。
【0031】成膜工程が終わると、真空槽内に大気を導
入し、各搬送台車を移動させて真空槽1を開き、巻出
し、巻取り双方のボビン14を交換する。このとき、チ
ャッキング機構27を開いてボビン14を外すが、その
まま下に落下しないようにボビン受け台26によりボビ
ン14の両端を受け、その重量を支える。
【0032】XY直交型原反リフターにおいては、X軸
(水平軸)固定ベース29が、サイドプレート19に固
定されている。X軸移動ベース30は、図示しない直道
案内によって、X軸固定ベース29に対して、水平方向
にスライドするようになっている。そして、X軸移動ベ
ース30は、巻出し軸側と巻取り軸側とで同期されたX
軸サーボモータ31とX軸送りネジ32によって、任意
の位置に位置決めできる。同様に、Y軸(鉛直軸)固定
ベース33が、X軸移動ベース30に固定されている。
Y軸移動ベース34は、図示しない直道案内によって、
Y軸固定ベース33に対し、鉛直方向にスライドするよ
うになっている。そして、Y軸移動ベース34は、巻出
し軸側と巻取り軸側とで同期されたY軸サーボモータ3
5とY軸送りネジ36によって、任意の位置に移動して
位置決めできる。Y軸移動ベース34の下端には、ボビ
ン受け台26が取付けられている。すなわち、ボビン1
4は、チャッキング機構27を開いたあと、ボビン受け
台26に乗り、X軸方向に移動することで、真空槽1の
外方に移動され、Y軸に沿って下方向に移動される。し
たがって、安全に、かつ、迅速に、次に成膜処理がなさ
れるフィルム体の巻かれたボビン14と交換することが
できる。
【0033】なお、この実施の形態では、巻出し軸側の
XY直交型原反リフターと巻取り軸側のXY直交型原反
リフターとでX軸方向及びY軸方向のスライド移動量を
同期させるために、サーボモータを用いている。しか
し、例えば、ベルトやシャフトで、巻出し軸側のXY直
交型原反リフターと巻取り軸側のXY直交型原反リフタ
ーとの回転部同士をつなげば、1台のモータでX軸方
向、もう1台のモータでY軸方向のスライド動作をさせ
ることができる。また、X軸方向及びY軸方向の直交す
る2方向にスライドさせずとも、ボビン受け台を取付け
たアームを、所定の点を中心に回転させれば、ボビンを
真空槽の外方側に出し、かつ、その高さを下げることも
可能である。
【0034】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る真空成膜装
置においては、被成膜部材となるフィルム体の走行をガ
イドするローラ類を支持する2枚のサイドプレートは、
大気圧による真空槽の変形の影響を受けない。そのた
め、真空槽内を真空状態にしてもローラ間の位置精度が
影響を受けず、フィルム体が走行中に皺を発生するなど
の不都合が生じない。また、蒸着成膜のように成膜源物
質が高温となる場合でも、2枚のサイドプレートの熱膨
張率が同じであるため、ローラ間の位置精度が悪化する
ことがない。
【0035】また、この真空成膜装置では、備えられて
いるフィルム体冷却ドラムが1台であるため、フィルム
体冷却ドラムを2台以上備えている真空成膜装置に比較
して、装置構成が単純であり、メンテナンスが容易とな
っている。
【0036】そして、この真空成膜装置では、1台のフ
ィルム体冷却ドラムについて最大の成膜範囲を確保する
ことができ、成膜源物質を最大数配設することができる
ので、1台のフィルム体冷却ドラムを持つ装置として
は、最大の成膜速度が得られる。成膜源物質は二方向に
別れて、2台の搬送台車に載せられて真空槽外に出され
るため、成膜源物質の回りに障害物がなく、清掃やメン
テナンスが非常に容易となっている。
【0037】また、巻取り室を上方側、成膜室を下方側
として構成した場合には、成膜室内で発生するゴミがフ
ィルム体に巻き込まれることが少なくなり、例えば磁気
テープ等、不純物の混入が製品不良の原因となる場合に
好適である。また、この場合、成膜源物質をフィルム体
冷却ドラムに対して下向きに取り付けることがないの
で、成膜源物質周辺の付着物が剥離することにより発生
するゴミがフィルム体上に落ちることが少なく、製品の
不良率を低くすることができる。
【0038】そして、巻取り室を上方側、成膜室を下方
側として構成した場合においても、この真空成膜装置を
設置する建物を2階建て構造にしたり、大掛かりな搬送
台車を設ける必要がなく、設備費用を安価で済ますこと
を可能とするとともに、フィルム体のボビンの交換など
の作業を安全に容易に行うことができる。
【0039】すなわち、本発明は、装置構成の大型化や
複雑化を招来することなく、内部が真空状態となされた
真空槽の筐体の大気圧による変形によって被成膜部材で
あるフィルム体の走行が影響を受けないようになされて
良好な成膜が行え、また、使用及び保守上において煩雑
な作業や危険な作業が必要とされないようになされた真
空成膜装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空成膜装置の前方より見た構成
を示す縦断面図である。
【図2】上記真空成膜装置の側方より見た構成を示す縦
断面図である。
【図3】上記真空成膜装置の要部のボビン交換時の構成
を示す斜視図である。
【図4】上記真空成膜装置の要部のボビン装着時の構成
を示す図である。
【図5】従来の真空成膜装置であって搬送台車が水平移
動するものの前方より見た構成を示す縦断面図である。
【図6】従来の真空成膜装置であって搬送台車が鉛直移
動するものの前方より見た構成を示す縦断面図である。
【図7】従来の真空成膜装置であって搬送台車が後方に
移動するものの側方より見た構成を示す縦断面図であ
る。
【図8】従来の真空成膜装置であって搬送台車が後方に
移動するものの前方より見た構成を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 真空槽、2 成膜室、3 巻取り室、4 排気装
置、5 巻出し軸、6巻取り軸、7 フィルム体、8
フィルム体冷却ドラム、9 成膜源物質、10真空槽
蓋、11 搬送台車、12 仕切り板、13 中間室、
14 ボビン、17 モータ、18 ガイドローラ、1
9 サイドプレート、20 ベースプレート、21 支
持棒、22 ブラケット、23 ベース足、24 隔
壁、26ボビン受け台、27 チャッキング、28 真
空シール、29 X軸固定ベース、30 X軸移動ベー
ス、31 X軸サーボモータ、32 X軸送りネジ、3
3Y軸固定ベース、34 Y軸移動ベース、35 Y軸
サーボモータ、36 Y軸送りネジ、37 エアシリン
ダ、38 チャッキング駆動軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜源物質及び被成膜部材を収納し、排
    気装置により内部が真空状態となされる真空槽と、 略々同形状の一対のサイドプレートを有して構成され、
    上記真空槽中に被成膜部材となるフィルム体を走行させ
    る走行操作機構と、 上記各サイドプレートを支持するベースプレートとを備
    え、 上記各サイドプレート及びベースプレートは、上記真空
    槽に対して独立して配設されていることを特徴とする真
    空成膜装置。
  2. 【請求項2】 真空槽は、フィルム体が巻回されてこの
    フィルム体を冷却させるフィルム体冷却ドラムを収納す
    るとともに、真空槽蓋によって開閉される複数の開口部
    を有しており、 上記真空槽蓋及び成膜源物質を支持し、フィルム体冷却
    ドラムの回転軸に対する直交方向に移動操作可能となさ
    れた2台以上の搬送台車を備え、 上記成膜源物質は、上記搬送台車が移動操作されること
    による上記真空槽蓋による上記開口部の開閉に伴って、
    該開口部を介して、上記真空槽に対して入出されること
    を特徴とする請求項1記載の真空成膜装置。
  3. 【請求項3】 真空槽の内部は、フィルム体冷却ドラム
    に対してフィルム体を送り出す巻出し軸及び該フィルム
    体冷却ドラムより該フィルム体を巻取る巻取り軸を収納
    した巻出し巻取り室と、成膜源物質を収納しフィルム体
    冷却ドラムに巻回されたフィルム体に成膜が行われる成
    膜室とに分割されており、該巻出し巻取り室が該成膜室
    の上部に位置して設けられ、該巻出し巻取り室及び該成
    膜室のそれぞれに排気装置が設けられていることを特徴
    とする請求項2記載の真空成膜装置。
  4. 【請求項4】 巻出し軸及び巻取り軸は、フィルム体が
    巻回されたボビンが交換可能に取付けられ、ボビンを交
    換するときには、真空槽の外方に移動されることが可能
    となされていることを特徴とする請求項3記載の真空成
    膜装置。
JP16394398A 1998-06-11 1998-06-11 真空成膜装置 Withdrawn JPH11350136A (ja)

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Cited By (9)

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