以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図8に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う装飾ランプ(発光演出装置)16が設けられている。外枠11の下部(パチンコ機10の下部)には、各種音声(効果音)を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ(音声演出装置)17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器(可変表示部)20を備えた表示手段としての表示装置(表示演出装置)21が配設されている。前記表示装置21では、可変表示器20の変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。また、可変表示器20の表示領域Hには、図3に示すように、特別図柄表示領域H1と普通図柄表示領域H2が設けられている。特別図柄表示領域H1では、表示演出に関連して、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す)を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する特別図柄組み合わせゲーム(以下、「特図ゲーム」と示す)が行われるようになっている。本実施形態では、特図ゲームで3列の特図による組み合わせを導出し、該組み合わせを構成する各列の特図の種類を1,2,3,4,5,6,7,8の8種類の数字としている。また、普通図柄表示領域H2では、表示演出に関連して、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する普通図柄組み合わせゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われるようになっている。本実施形態では、普図ゲームで2列の普図による組み合わせを導出し、該組み合わせを構成する各列の普図の種類を、当り図柄「7」と外れ図柄「−(バー)」の2種類としている。
そして、遊技者は、特別図柄表示領域H1で行われる特図ゲームにおいて、最終的に表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。前記特別図柄表示領域H1に停止表示(以下、「停止」と示す)された全列の特図が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([111]、[777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの組み合わせとなる。大当りの組み合わせで停止した場合、遊技者には、大当り状態が付与される。また、特別図柄表示領域H1に停止した全列の特図が異なる種類の場合又は1列の特図がリーチを形成する特図とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([234][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10は、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に特図が一旦停止表示(以下、「一旦停止」と示す)されるようになっている。そして、一旦停止された左特図と右特図が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動表示中を示す)からリーチを認識できる。
また、遊技者は、普通図柄表示領域H2で行われる普図ゲームにおいて、最終的に停止した図柄組み合わせから当り又ははずれを認識できる。前記普通図柄表示領域H2に停止した全列の普図が当り図柄の場合には、その図柄組み合わせ([77])から当りを認識できる。当りの組み合わせで停止した場合、遊技者には、当り状態が付与される。また、普通図柄表示領域H2に停止した全列の普図が当り図柄でない場合には、その図柄組み合わせ([7−][−7][−−])からはずれを認識できる。
また、表示装置21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う開閉羽根22を備えた始動入賞手段としての始動入賞口23が配設されている。始動入賞口23の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図2に示す)が設けられている。始動入賞口23は、遊技球の入賞検知を契機に、特図ゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口23の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた大入賞口25が配設されている。大入賞口25は、特図ゲームによって導出され、最終的に停止した図柄組み合わせが大当りの組み合わせになったことに関連して大入賞口扉24が開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。そして、大当り状態が付与されると、大入賞口扉24の開閉動作によって大入賞口25が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
前記大入賞口25の開放及び閉鎖は、所定の継続条件の成立(1ラウンド中に特定入賞(V入賞)が有る)によって、予め定めた規定ラウンド数(例えば15ラウンド)だけ繰り返し行われるようになっている。なお、「1ラウンド」は、大入賞口25が開放されてから再び閉鎖される迄である。従って、大当り状態が付与されると、最初にオープニング演出が行われ、該オープニング演出の終了後、各ラウンドの遊技が行われる。そして、最終ラウンドの遊技が終了すると、エンディング演出が行われ、該エンディング演出の終了後、大当り状態中に保留されていた特図ゲームがあれば、該特図ゲームが開始する。
また、始動入賞口23の左方には、始動入賞ゲート26が配設されている。始動入賞ゲート26の奥方には、入賞した遊技球を通過検知するゲートセンサSE2(図2に示す)が設けられている。始動入賞ゲート26は、遊技球の入賞検知を契機に、普図ゲームの始動条件を付与し得る。前記始動入賞口23は、普図ゲームによって導出され、最終的に停止した図柄組み合わせが当り図柄「7」の組み合わせになったことに関連して開閉羽根22が開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。そして、開閉羽根22の開動作によって始動入賞口23が開放されると、当該始動入賞口23の入り口が拡大され、遊技球が入賞し易い状態となる。一方で、開閉羽根22の閉動作によって始動入賞口23が閉鎖されると、当該始動入賞口23の入り口が縮小され、遊技球が入賞し難い状態となる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(確変)機能を備えている。確率変動機能は、大当りの組み合わせが予め定めた確変図柄による組み合わせであることを条件に、大当り状態終了後に、次回の大当り状態開始時まで大当りの抽選確率が通常確率(例えば356.3分の1)から高確率(例えば62.8分の1)に変動する確率変動状態を遊技者に付与する機能である。本実施形態では、確変図柄を1,3,5,7の4種類の特図と定めている。一方で、大当りの組み合わせが予め定めた非確変図柄による組み合わせである場合、大当り状態が付与され、大当り状態終了後、大当りの抽選確率が変動せずに通常確率を維持するようになっている。本実施形態では、非確変図柄を2,4,6,8の4種類の特図と定めている。「確変」とは「確率変動」の略である。
また、本実施形態のパチンコ機10は、時間短縮(時短)機能を備えている。時間短縮機能は、開閉羽根22を開動作させるか否か(始動入賞口23に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出する時間が短縮された時間短縮状態を遊技者に付与する機能である。即ち、時間短縮状態が付与されると、1回の普図ゲームの時間(普図が変動を開始してから停止する迄の時間)が、例えば、30秒(時間短縮状態が付与されていないとき)から2秒(時間短縮状態が付与されているとき)に短縮される。この時間短縮状態は、全ての通常の大当りによって付与された大当り状態終了後、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが終了する迄、又は前記所定回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。「時短」とは「時間短縮」の略である。
そして、始動入賞口23の開閉羽根22は、前記確率変動状態又は時間短縮状態が付与されている場合と、これらの状態が付与されていない場合(以下、「通常状態」と示す)では、当り状態が付与された際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。即ち、開閉羽根22は、通常状態中よりも確率変動状態中又は時間短縮状態中の方が、遊技者にとって有利に動作するように構成されている。具体的に例示すれば、通常状態において、開閉羽根22は、始動入賞口23を0.3秒間、開放させる開閉動作を1回行うようになっている。一方で、確率変動状態中又は時間短縮状態中において、開閉羽根22は、始動入賞口23を1.6秒間、開放させる開閉動作を3回行うようになっている。
次に、パチンコ機10の制御構成を図2に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板(主制御部)27が装着されている。主制御基板27は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御コマンドを演算処理する。そして、主制御基板27は、制御コマンドを所定の制御信号として出力する。また、機裏側には、可変表示器20(特別図柄表示領域H1、普通図柄表示領域H2)を制御する表示制御手段としての表示制御基板(表示制御部)28、装飾ランプ16を制御するランプ制御基板(発光制御部)29、及びスピーカ17を制御する音声制御基板(音声制御部)30が装着されている。前記各制御基板28〜30は、主制御基板27が出力した各種の制御信号(制御コマンド)を入力し、該制御信号に基づいて遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)の制御を実行する。本実施形態において、主制御基板27は、遊技機全体を制御するメイン制御手段として機能するように構成されている。また、本実施形態において、表示制御基板28、ランプ制御基板29及び音声制御基板30は、前述のように制御対象が各別に定められており、該制御対象を専門的に制御することから、メイン制御手段である主制御基板27に対し、サブ制御手段(図2に破線で囲む)として機能するように構成されている。
以下、主制御基板27及び表示制御基板28について、その具体的な構成を図2に基づき説明する。
主制御基板27は、メインCPU27aを備えており、該メインCPU27aにはROM27b及びRAM27cが接続されている。メインCPU27aは、大当りの抽選に用いる大当り判定用乱数や当りの抽選に用いる当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値をRAM27cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。ROM27bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラムや、複数種類の演出パターンが記憶されている。RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(各種乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
前記演出パターンは、特図ゲーム、普図ゲーム、及び大当り状態中において行われる遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。前記ROM27bには、特図ゲーム用の演出パターン(以下、「特図演出パターン」と示す)及び普図ゲーム用の演出パターン(以下、「普図演出パターン」と示す)が記憶されている。また、ROM27bには、大当り状態中のオープニング演出用の演出パターン、エンディング演出用の演出パターン、及び各ラウンド演出用の演出パターンが記憶されている。前記特図演出パターンと普図演出パターンについては、該演出パターン毎に、特図又は普図の変動開始(特図ゲーム又は普図ゲームの開始)から全列の特図又は普図が停止(特図ゲーム又は普図ゲームが終了)する迄の演出時間(変動時間)が定められている。そして、ROM27bには、特図演出パターンが大当り演出(特図ゲームが、最終的に大当りの組み合わせで停止するように展開される演出)用と、はずれ演出(特図ゲームが、最終的にはずれの組み合わせで停止するように展開される演出)用に分類されて記憶されている。また、ROM27bには、演出時間が異なる2種類の普図演出パターンが記憶されている。具体的には、演出時間T1(例えば30秒)が対応付けられた普図演出パターンと、演出時間T2(<T1,例えば2秒)が対応付けられた普図演出パターンが記憶されている。
そして、メインCPU27aは、始動入賞口23及び始動口センサSE1によって構成される入賞検出手段が出力する始動入賞信号を入力し、特図ゲームに関連する各種処理(大当り判定、停止図柄(特図)、演出パターンの決定など)を実行する。
メインCPU27aは、前記始動入賞信号を入力すると、大当り判定用乱数の値をRAM27cから読み出し、RAM27cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU27aは、特図ゲームの開始直前に、RAM27cに格納されている前記大当り判定用乱数の値とROM27bに記憶されている大当り判定値を比較して大当り判定を行う。大当り判定の結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値が一致)の場合、メインCPU27aは、大当りを決定する。本実施形態では、大当り判定用乱数の取り得る数値を0〜1068(全1069通りの整数)としている。そして、メインCPU27aは、大当り確率を通常確率(低確率)とする場合、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から予め定めた3個の大当り判定値を用いて、大当り確率を1069分の3(=356.3分の1)として大当り判定を行う。一方、メインCPU27aは、大当り確率を高確率とする場合、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から予め定めた17個の大当り判定値を用いて、大当り確率を1069分の17(=62.8分の1)として大当り判定を行う。
大当りの決定がなされると、メインCPU27aは、可変表示器20(特別図柄表示領域H1)に最終的に停止させる図柄(停止図柄左、中、右)を、全列が同一種類の特図となるように決定する。この決定した停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右が、可変表示器20(特別図柄表示領域H1)において左特図、中特図、右特図として最終的に導出される。そして、メインCPU27aが、各停止図柄を全て1,3,5又は7に決定すると、可変表示器20(特別図柄表示領域H1)には、確変の大当りとなる大当りの組み合わせ[111][333][555][777]の何れかが停止する。また、メインCPU27aが、各停止図柄を全て2,4,6又は8に決定すると、可変表示器20(特別図柄表示領域H1)には、通常の大当りとなる大当りの組み合わせ[222][444][666][888]の何れかが停止する。本実施形態においてメインCPU27aは、大当りの決定がなされた場合に決定した特図(停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右)から、大当りの抽選確率を変動させるか否か(高確率に変動させるか否か)を判定する。また、メインCPU27aは、大当りの決定がなされると、大当り演出用の特図演出パターンの中から1つの特図演出パターンを決定する。
一方、前記大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値が不一致)の場合、メインCPU27aは、はずれを決定する。はずれの決定がなされると、メインCPU27aは、可変表示器20(特別図柄表示領域H1)に最終的に停止させる図柄(停止図柄左、中、右)を、全列が同一種類の特図とならないように決定する。また、メインCPU27aは、はずれの決定がなされると、はずれ演出用の特図演出パターンの中から1つの特図演出パターンを決定する。
前記停止図柄(特図)及び特図演出パターンを決定したメインCPU27aは、表示制御基板28のサブCPU28aに対して、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU27aは、最初に特図演出パターンを指定すると共に特図の変動開始を指示する特図演出パターン指定コマンド(変動開始信号)を出力する。次に、メインCPU27aは、停止図柄左を指定する左特図指定コマンド、停止図柄中を指定する中特図指定コマンド及び停止図柄右を指定する右特図指定コマンドを、左特図指定コマンド→右特図指定コマンド→中特図指定コマンドの順に出力する。その後に、メインCPU27aは、指定した特図演出パターンに定められている演出時間の経過時に、各列の特図の停止を指示する全特図停止コマンド(変動停止信号)を出力する。なお、メインCPU27aは、特図演出パターン指定コマンドを、ランプ制御基板29及び音声制御基板30の各サブCPUにも出力する。
また、メインCPU27aは、始動入賞ゲート26及びゲートセンサSE2によって構成される入賞検出手段が出力するゲート入賞信号を入力し、普図ゲームに関連する各種処理(当り判定、停止図柄(普図)、演出パターンの決定など)を実行する。
メインCPU27aは、前記ゲート信号を入力すると、当り判定用乱数の値をRAM27cから読み出し、RAM27cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU27aは、普図ゲームの開始直前に、RAM27cに格納されている前記当り判定用乱数の値とROM27bに記憶されている当り判定値を比較して当り判定を行う。当り判定の結果が肯定(当り判定用乱数の値と当り判定値が一致)の場合、メインCPU27aは、当りを決定する。一方で、当り判定の結果が否定(当り判定用乱数の値と当り判定値が不一致)の場合、メインCPU27aは、はずれを決定する。本実施形態では、当り判定用乱数の取り得る数値を、0〜22(全23通りの整数)としている。そして、メインCPU27aは、当り判定用乱数の取り得る数値の中から予め定めた20個の当り判定値を用いて、当りの抽選確率を23分の20として当り判定を行う。
当りの決定がなされると、メインCPU27aは、可変表示器20(普通図柄表示領域H2)に最終的に停止させる図柄(停止図柄左,右)を決定する。本実施形態では、当りの組み合わせが1種類であるため、メインCPU27aは、停止図柄左と停止図柄右を「7」に決定する。一方、はずれの決定がなされると、メインCPU27aは、可変表示器20(普通図柄表示領域H2)に最終的に停止させる図柄(停止図柄左、右)を、全列が当り図柄「7」とならないように決定する。そして、停止図柄右と停止図柄左を決定したメインCPU27aは、2種類の普図演出パターンの中から1つの普図演出パターンを決定する。具体的には、メインCPU27aは、通常状態中(確率変動状態又は時間短縮状態が付与されていない)であれば演出時間T1が対応付けられた普図演出パターンを決定し、確率変動状態中又は時間短縮状態中であれば演出時間T2(<T1)が対応付けられた普図演出パターンを決定する。
前記停止図柄(普図)及び普図演出パターンを決定したメインCPU27aは、表示制御基板28のサブCPU28aに対して、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU27aは、最初に普図演出パターンを指定すると共に普図の変動開始を指示する普図演出パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU27aは、停止図柄左を指定する左普図指定コマンド、停止図柄右を指定する右普図指定コマンドを、左普図指定コマンド→右普図指定コマンドの順に出力する。その後に、メインCPU27aは、指定した普図演出パターンに定められている演出時間の経過時に、各列の普図の停止を指示する全普図停止コマンドを出力する。
また、メインCPU27aは、大当りを決定した場合、決定した特図演出パターンに基づく特図ゲームの終了後(大当りの組み合わせを停止させた後)、大当りの遊技に移行する。そして、メインCPU27aは、表示制御基板28のサブCPU28aに対して所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU27aは、最初に、オープニング演出用の演出パターンを指定するオープニング指定コマンドを出力する。本実施形態において、オープニング指定コマンドは、遊技状態として大当り状態を示す遊技状態指定信号となる。次に、メインCPU27aは、各ラウンドの遊技が開始するタイミングで、各ラウンド演出用の演出パターンを指定するラウンド指定コマンドを順次出力する。その後に、メインCPU27aは、最終ラウンドの終了時に、エンディング演出用の演出パターンを指定するエンディング指定コマンドを出力する。なお、メインCPU27aは、オープニング指定コマンド、ラウンド指定コマンド、及びエンディング指定コマンドを、ランプ制御基板29及び音声制御基板30の各サブCPUにも出力する。
また、メインCPU27aは、大当り状態が終了(エンディング演出が終了)すると、高確率指定コマンド又は時短作動指定コマンドの何れかを表示制御基板28のサブCPU28aに出力する。前記高確率指定コマンドは、確変の大当りが生起された場合に出力され、確率変動状態が開始したことを指示している。本実施形態において、高確率指定コマンドは、遊技状態として確率変動状態を示す遊技状態指定信号となる。前記時短作動指定コマンドは、通常の大当りが生起された場合に出力され、時間短縮状態が開始したことを指示している。本実施形態において、時短作動指定コマンドは、遊技状態として時間短縮状態を示す遊技状態指定信号となる。また、メインCPU27aは、時短作動指定コマンドを出力した場合、特図ゲームが行われた回数(又は特図演出パターン指定コマンドを出力した回数)を計数する。そして、メインCPU27aは、前記回数が所定回数(例えば100回)に達すると、前記所定回数目の特図ゲームの終了後、時短終了指定コマンドを表示制御基板28のサブCPU28aに出力する。前記時短終了指定コマンドは、時間短縮状態が終了したことを指示している。本実施形態において、時短終了指定コマンドは、遊技状態として通常状態を示す遊技状態指定信号となる。
次に、表示制御基板28について説明する。
前記表示制御基板28は、サブCPU28aを備えており、該サブCPU28aにはROM28b及びRAM28cが接続されている。ROM28bには、複数種類の表示演出用の演出実行データや、各種の画像情報(特図又は普図の画像、背景画像、文字画像、登場キャラクタの画像など)が記憶されている。RAM28cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。前記表示演出用の演出実行データは、サブCPU28aが、可変表示器20(特別図柄表示領域H1、普通図柄表示領域H2)の表示内容(特図又は普図の変動、キャラクタの動作、背景、表示される文字など)を制御するための情報である。そして、ROM28bには、1つの演出パターンに対して1つの表示演出用の演出実行データが対応付けられて記憶されている。従って、サブCPU28aは、前記各演出パターン指定コマンドを入力すると、指定された演出パターンに対応する表示演出用の演出実行データをROM28bから読み出し、該演出実行データに基づき可変表示器20(特別図柄表示領域H1、普通図柄表示領域H2)の表示内容を制御する。この制御により、可変表示器20では、表示演出が行われる。
そして、本実施形態のパチンコ機10は、通常状態、確率変動状態、時間短縮状態のうち、確率変動状態中及び時間短縮状態中において、その遊技状態(特図ゲームが行われている状況)を遊技者に報知するように構成されている。以下、確率変動状態であること及び時間短縮状態であることを遊技者に報知するための構成及び処理について詳しく説明する。
表示制御基板28のROM28bには、遊技状態情報としての文字情報INaの画像及び文字情報INbの画像が記憶されている。前記文字情報INaは、確率変動状態を示すように「確変中」の文字によって構成されており(図3(b))、現在の大当り抽選確率(高確率)に応じた確率状態情報(確率変動状態情報)となる。前記文字情報INbは、時間短縮状態を示すように「時短中」の文字によって構成されており(図3(c))、時間短縮状態情報となる。そして、表示制御基板28のサブCPU28aは、図4に示す表示開始処理及び図5に示す表示開始後処理に基づき、前記文字情報INa又は文字情報INbを可変表示器20(特別図柄表示領域H1)に表示させる表示制御を行う。より詳しくは、サブCPU28aは、前記表示開始処理(図4)において、主制御基板27のメインCPU27aが出力した制御コマンドから遊技状態(通常状態か、確率変動状態か、時間短縮状態か、大当り状態か)を認識(判定)し、該遊技状態に応じて前記表示制御を開始又は終了する。そして、前記表示制御を開始した場合、サブCPU28aは、表示開始後処理(図5)において、メインCPU27aが出力した制御コマンドに応じて文字情報INa又は文字情報INbの表示態様(表示状態とするか、非表示状態とするか)を制御する。
最初に、図4に基づき表示開始処理を説明する。
サブCPU28aは、高確率指定コマンド(KS)又は時短作動指定コマンド(ZS)を入力したか否かを判定する(ステップS10)。この判定結果が肯定(入力した)の場合、サブCPU28aは、入力した制御コマンド(高確率指定コマンド又は時短作動指定コマンド)から遊技状態を認識する。より詳しくは、サブCPU28aは、高確率指定コマンドを入力した場合には遊技状態が確率変動状態であることを認識し、時短作動指定コマンドを入力した場合には遊技状態が時間短縮状態であることを認識する。そして、サブCPU28aは、遊技状態に応じて文字情報INa又は文字情報INbを可変表示器20の特別図柄表示領域H1に表示させるように表示制御を開始する(ステップS11)。即ち、確率変動状態であれば文字情報INaを表示させる表示制御を開始し、時間短縮状態であれば文字情報INbを表示させる表示制御を開始する。また、ステップS11においてサブCPU28aは、可変表示器20(特別図柄表示領域H1)の背景色を、通常状態のときの背景色(例えば青)から代えるように表示制御を行う。具体的には、高確率指定コマンドを入力した場合には、確率変動状態のときの背景色(例えば赤)に代えるように表示制御を行い、時短作動指定コマンドを入力した場合には、時間短縮状態のときの背景色(例えば紫)に代えるように表示制御を行う。
そして、前記文字情報INa,INbを表示させる表示制御は、図6(a)に示すように行われる。前記サブCPU28aは、高確率指定コマンド(KS)又は時短作動指定コマンド(ZS)を入力すると、当該コマンドを入力してから時間a(例えば1秒)の経過後に、文字情報INa又は文字情報INbが可変表示器20(特別図柄表示領域H1)で表示状態となるように表示制御を行う。そして、サブCPU28aは、文字情報INa又は文字情報INbを表示状態としてから時間b(例えば1秒)の経過後に、文字情報INa又は文字情報INbが可変表示器20(特別図柄表示領域H1)で非表示状態となるように表示制御を行う。その後、サブCPU28aは、時間aの経過後に文字情報INa又は文字情報INbを表示状態とし、時間bの経過後に文字情報INa又は文字情報INbを非表示状態とし、文字情報INa又は文字情報INbが可変表示器20(特別図柄表示領域H1)で表示状態と非表示状態を繰り返すように表示制御を行う。この表示制御においてサブCPU28aは、時間aと時間bが加算された時間Tを1周期とし、当該周期内で文字情報INa又は文字情報INbが非表示状態及び表示状態となる表示パターンを繰り返すように表示制御する。本実施形態では、非表示状態となる時間aと表示状態となる時間bを同一時間に設定している。
一方、図4に示す表示開始処理のステップS10の判定結果が否定(入力していない)の場合、サブCPU28aは、オープニング指定コマンド(OP)又は時短終了指定コマンド(ZE)を入力したか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が肯定(入力した)の場合、サブCPU28aは、入力した制御コマンド(オープニング指定コマンド又は時短終了指定コマンド)から遊技状態を認識する。より詳しくは、サブCPU28aは、オープニング指定コマンドを入力した場合には遊技状態が大当り状態であることを認識し、時短終了指定コマンドを入力した場合には遊技状態が通常状態であることを認識する。そのため、サブCPU28aは、文字情報INa又は文字情報INbを可変表示器20の特別図柄表示領域H1に表示させる表示制御を終了する(ステップS13)。前記表示制御の終了によって、文字情報INa又は文字情報INbは、非表示状態となる。なお、前記ステップS12の判定結果が否定(入力していない)の場合、サブCPU28aは、ステップS10から再び表示開始処理を行う。
次に、図5に基づき表示開始後処理を説明する。
サブCPU28aは、特図演出パターン指定コマンド(TS)を入力したか否かを判定する(ステップS20)。この判定結果が肯定(入力した)の場合、サブCPU28aは、文字情報INa又は文字情報INbが非表示状態となるように表示制御を行う(ステップS21,図6(b))。その後、サブCPU28aは、文字情報INa又は文字情報INbが可変表示器20(特別図柄表示領域H1)で表示状態と非表示状態を繰り返すように表示制御を行う(ステップS22,図6(b))。即ち、特図演出パターン指定コマンドを入力した場合、サブCPU28aは、前記ステップS21,S22において、文字情報INa又は文字情報INbを一旦非表示状態とし、その状態から文字情報INa又は文字情報INbが前記表示パターンを繰り返すように表示制御を行う。
一方、ステップS20の判定結果が否定(入力していない)の場合、サブCPU28aは、全特図停止コマンド(TE)を入力したか否かを判定する(ステップS23)。この判定結果が肯定(入力した)の場合、サブCPU28aは、前記ステップS21,ステップS22に移行して前述同様に表示制御を行う。即ち、全特図停止コマンドを入力した場合、サブCPU28aは、図6(b)に示すように、前記ステップS21,S22において、文字情報INa又は文字情報INbを一旦非表示状態とし、その状態から文字情報INa又は文字情報INbが再び前記表示パターンを繰り返すように表示制御する。なお、前記ステップS23の判定結果が否定(入力していない)の場合、サブCPU28aは、文字情報INa又は文字情報INbが前記表示パターンを繰り返すように表示制御を継続し、ステップS20から再び表示開始後処理を行う。
前記サブCPU28aが図4〜図6に示すように表示制御を行うことで、確率変動状態中又は時間短縮状態中は、可変表示器20(特別図柄表示領域H1)において文字情報INa又は文字情報INbが表示状態と非表示状態を繰り返し、遊技状態(確率変動状態又は時間短縮状態)を報知する。また、確率変動状態中又は時間短縮状態中に行われる特図ゲームにおいて、特図の変動が開始するとき及び特図の変動が停止するときには、文字情報INa又は文字情報INbが非表示状態となる。そして、前記特図ゲームにおいて、特図の変動が開始した後、特図の変動が停止する迄の間、文字情報INa又は文字情報INbが表示状態と非表示状態を繰り返し、遊技状態(確率変動状態又は時間短縮状態)を報知する。
以下、図7及び図8に基づき、確率変動状態中に特図ゲームが行われる態様を具体的に説明する。なお、図7及び図8では、普通図柄表示領域H2で行われる普図ゲームの内容を省略し、特別図柄表示領域H1において変動表示中の特図を「白抜き矢印」で示す。
高確率指定コマンドを入力したサブCPU28aは、確率変動状態であることを認識し、現在の遊技状態が確率変動状態であることを報知するように文字情報INa(「確変中」)の表示制御を行う。前記文字情報INaは、可変表示器20(特別図柄表示領域H1)の左上隅において、特別図柄表示領域H1に表示される特図(左特図、中特図)や背景の前面側に重なり合うように表示される。また、サブCPU28aは、高確率指定コマンドを入力すると、可変表示器20の背景色を通常状態のときの背景色から確率変動状態のときの背景色(左下がり斜線で示す)に代えるように表示制御を行う。そして、可変表示器20では、文字情報INaが前記表示パターンに従って表示状態と非表示状態を繰り返す。即ち、高確率指定コマンドを入力してから時間aの経過後、文字情報INaが表示状態となり(図7(a))、当該表示状態となってから時間bの経過後に文字情報INaが非表示状態となる(図7(b))。また、非表示状態となってから時間aの経過後、再び、文字情報INaが表示状態となる(図7(c))。
そして、サブCPU28aは、特図演出パターン指定コマンド及び各特図指定コマンドを入力すると、特図ゲームを行うように可変表示器20(特別図柄表示領域H1)の表示内容を制御する。その結果、可変表示器20では、図柄の変動が開始し、各列の特図が変動表示されることにより、特図ゲームが開始する(図7(d))。前記特図ゲームが開始するとき(特図の変動が開始するとき)、可変表示器20では、文字情報INaが非表示状態となる。そして、可変表示器20では、前記特図ゲームが開始してから(特図の変動が開始してから)、時間aの経過後に文字情報INaが再び表示状態となり、以降、前記表示パターンに従って表示状態と非表示状態を繰り返す。
続いて、可変表示器20では、特図ゲームが開始してから所定の時間が経過する毎に、左列(図8(a))→右列(図8(b))→中列(図8(c))の順に変動表示が終了し、左特図→右特図→中特図の順に特図が一旦停止する。この間(図8(a)〜(c))、文字情報INaは表示パターンに従って表示状態と非表示状態を繰り返し、遊技状態が確率変動状態であることを報知する。図8(a)では左特図として「4」が、図8(b)では右特図として「5」が、図8(c)では中特図として「7」が一旦停止し、可変表示器20では、はずれの組み合わせ[475]が一旦停止する。その後、可変表示器20では、全特図停止コマンドの入力により、はずれの組み合わせ[475]が停止してはずれが確定し、1回の特図ゲームが終了する(図8(d))。前記特図ゲームが終了するとき(特図の変動が終了するとき)、可変表示器20では、文字情報INaが非表示状態となる。その結果、遊技者は、文字情報INaが非表示状態となることにより、特図ゲームによって導出され、最終的に停止した図柄の組み合わせ(はずれの組み合わせ[475])を確実に把握することが可能となる。
その後、可変表示器20では、確率変動状態中において特図ゲームが行われる度に、前述同様に表示制御が行われ、文字情報INaが表示状態と非表示状態を繰り返し、遊技状態が確率変動状態であることを報知する。そして、確率変動状態中に大当りが生起され、サブCPU28aがオープニング指定コマンドを入力すると、遊技状態が大当り状態になるため、可変表示器20では、文字情報INaが非表示状態となる。即ち、サブCPU28aは、オープニング指定コマンドの入力によって前記表示制御を終了する。
因みに、サブCPU28aが、大当り状態終了後に、時短作動指定コマンドを入力した場合は、文字情報INbによって時間短縮状態であることが報知される。そして、時間短縮状態中に行われる特図ゲームにおいては、前述した確率変動状態中の特図ゲームと同様に、文字情報INbが前記表示パターンに従って表示状態と非表示状態を繰り返し、遊技状態が時間短縮状態であることを報知する。また、時間短縮状態中に行われる特図ゲームにおいても、前述同様に、特図ゲームが開始するとき(特図の変動が開始するとき)及び特図ゲームが終了するとき(特図の変動が終了するとき)に文字情報INbが非表示状態となる。そして、所定回数の特図ゲームが終了し、サブCPU28aが時短終了コマンドを入力すると、遊技状態が通常状態になるため、可変表示器20では、文字情報INbが非表示状態となる。即ち、サブCPU28aは、時短終了指定コマンドの入力によって前記表示制御を終了する。また、所定回数の特図ゲームが終了する前であって、時間短縮状態中に大当りが生起され、サブCPU28aがオープニング指定コマンドを入力すると、遊技状態が大当り状態になるため、可変表示器20では、文字情報INbが非表示状態となる。即ち、サブCPU28aは、オープニング指定コマンドの入力によって前記表示制御を終了する。
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)確率変動状態を示す文字情報INa、又は時間短縮状態を示す文字情報INbが表示状態と非表示状態を繰り返すように制御する構成とした。そのため、遊技状態情報が非表示状態とされた場合には可変表示器20(特別図柄表示領域H1)で行われる表示演出(特図ゲーム)を視認することができ、遊技状態情報が表示状態とされた場合には遊技状態情報を視認することができる。従って、表示演出と遊技状態情報の視認性が低下することなく、遊技者に遊技状態(確率変動状態中であるか、時間短縮状態中であるか)を把握させることができる。
(2)また、遊技状態情報(文字情報INa,INb)が表示状態と非表示状態を繰り返すことにより、遊技状態情報を所定の位置に固定表示する場合に比して、遊技者に現在の遊技状態を印象付けることができる。従って、遊技者に遊技状態をより確実に把握させることができる。
(3)特図の変動が開始するとき、及び特図の変動が終了するとき、確率変動状態を示す文字情報INa及び時間短縮状態を示す文字情報INbを非表示状態とするように制御する構成とした。特図の変動が開始するときは、特図ゲームの展開を示唆する演出なども行われるため、遊技者は特図がどのように変動を開始するのかという点に着目しており、表示演出における1つの視認ポイントとなる。同様に、特図の変動が終了するときは、最終的に停止した特図の組み合わせに遊技者が着目しており、表示演出における1つの視認ポイントとなる。そのため、これらの視認ポイントにおいて遊技状態情報を非表示状態とすることにより、遊技状態情報が表示状態となっている場合に比して特図が見難い、見えないといった事態を抑制でき、遊技者は、視認ポイントにおいて特図(表示演出)を確実に視認することができる。従って、可変表示器20に表示演出と共に遊技状態情報を表示した場合であっても、表示演出の視認性が低下することを抑制できる。
(4)そして、特図の変動が開始するとき、及び特図の変動が終了するときに遊技状態情報を非表示状態とした後、遊技状態情報が表示状態と非表示状態を繰り返すように構成した。従って、特図ゲームが開始してから終了する迄の間、表示演出と遊技状態情報の視認性が低下することなく、遊技者に遊技状態を把握させることができる。また、表示演出と遊技状態情報の視認性が低下しないため、遊技状態情報(文字情報INa,INb)の表示位置や大きさについて、特図(背景の画)と遊技状態情報が重ならないように配慮する必要がない。そのため、遊技者にとって見易い位置や見易い大きさで遊技状態情報を可変表示器20に表示させることができる。また、遊技状態情報の自由度が広がるため、例えば、見た目にインパクトがある遊技状態情報を表示させることもできる。
(5)特図演出パターン指定コマンド及び全特図停止コマンドを入力した際に、遊技状態情報を非表示状態とするように制御する構成とした。そのため、特図の変動が開始するとき、及び特図の変動が終了するときには、遊技状態情報を確率に非表示状態とすることができる。
(6)高確率指定コマンド又は時短作動指定コマンドを入力すると遊技状態情報の表示状態を開始し、遊技状態情報を表示することによって、確率変動状態又は時間短縮状態を確実に報知することができる。また、オープニング指定コマンド又は時短終了コマンドを入力すると遊技状態情報の表示制御を終了することにより、大当り状態や通常状態に移行した際、確率変動状態や時間短縮状態の報知を確実に終了させることができる。
(7)文字情報INa又は文字情報INbを可変表示器20に表示し、遊技状態が確率変動状態又は時間短縮状態であることを報知するように構成した。前記確率変動状態と時間短縮状態は、パチンコ機10の内部処理によって作り出されるものであって、外部(遊技者側)から判断することができない。従って、遊技状態が確率変動状態又は時間短縮状態であることを報知することにより、遊技者に現在の遊技状態を確実に把握させることができる。
(8)遊技状態情報が非表示状態となる時間aと表示状態となる時間bを同一の時間に設定した。そのため、テンポ良く遊技状態情報を表示することができる。また、表示演出と遊技状態情報の視認性のバランスを保つことができる。
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、遊技状態が通常状態であることを報知するようにしても良い。前記実施形態に示したパチンコ機10において通常状態を報知する場合、サブCPU28aは、時短終了指定コマンドを入力すると、通常状態を示す遊技状態情報を可変表示器20に表示させる制御を行う。
・前記実施形態では、全ての通常の大当りによって付与された大当り状態終了後に時間短縮状態が付与されているが、確率変動の終了の契機となる通常の大当りによって付与された大当り状態終了後に時間短縮状態を付与するように構成されたパチンコ機に適用しても良い。このパチンコ機の場合、大当り状態が終了した際に、通常状態から通常の大当りが生起されている場合、通常確率指定コマンド(遊技状態指定信号)が出力される。そのため、サブCPU28aは、通常確率指定コマンドを入力すると、通常状態を認識する。従って、前述のように通常状態を報知するように構成した場合、時間短縮状態が付与される場合には時短終了指定コマンドの入力によって通常状態を報知する表示制御を開始すると共に、時間短縮状態が付与されない場合には通常確率指定コマンドの入力によって通常状態を報知する表示制御を開始する。
・前記実施形態では、サブCPU28aが、高確率指定コマンド又は時短作動指定コマンドの入力によって確率変動状態又は時間短縮状態を認識しているが、次のように変更しても良い。即ち、エンディング指定コマンドが、確率変動の場合と時間短縮の場合に分類されている場合には、エンディング指定コマンドの入力によって遊技状態を認識し、表示制御を開始するようにしても良い。この場合、エンディング指定コマンドが、確率変動状態又は時間短縮状態を指定する遊技状態指定信号となる。また、エンディング指定コマンドを、通常状態を指定する遊技状態指定信号としても良い。
・前記実施形態において、確率変動状態を示す文字情報INa(「確変中」)や時間短縮状態を示す文字情報INb(「時短中」)の形態(内容、字体、大きさなど)は任意に変更しても良い。例えば、「確率変動」、「チャンスタイム」などでも良い。また、可変表示器20において、遊技状態情報を表示する位置は、右上隅、左下隅、右下隅など任意に変更しても良い。
・前記実施形態では、時間短縮状態中、文字情報INb(「時短中」)を表示しているが、文字情報INbに代えて又は加えて、時間短縮状態中における特図ゲームの残り回数(又は行われた回数)を表示するようにしても良い。前記回数は、特図演出パターン指定コマンドを入力する毎にサブCPU28aが計数し、当該計数値を表示させるように可変表示器20を制御する。この場合、前記回数も前記実施形態と同様に表示状態と非表示状態を繰り返すように表示され、前記回数を示す情報が時間短縮状態を示す遊技状態情報となる。
・前記実施形態において、時間短縮状態の終了の契機となる特図ゲームの回数は、任意に変更しても良い。例えば、50回でも良い。さらに、確率変動状態中又は時間短縮状態中に当り状態が付与された場合における開閉羽根22の動作パターンは任意に変更しても良い。例えば、始動入賞口23を2.0秒間、開放させる開閉動作を2回、又は始動入賞口23を4.0秒間、開放させる開閉動作を1回としても良い。
・前記実施形態では、特図の変動が開始するとき及び特図の変動が終了するときに遊技状態情報を非表示状態としているが、何れかのときのみに遊技状態情報を非表示状態とするようにしても良い。
・前記実施形態では、特図の変動が開始するとき及び特図の変動が終了するときに遊技状態情報を非表示状態とし、その後、遊技状態情報が表示状態と非表示状態を繰り返すようにしているが、次のように変更しても良い。即ち、常には遊技状態情報を表示状態にしておき、特図の変動が開始するとき及び特図の変動が終了するときに遊技状態情報を一旦非表示状態とし、所定の時間経過後に表示状態とする。
・前記実施形態では、確率変動状態及び時間短縮状態の両方の遊技状態を報知しているが、何れか一方の遊技状態のみを報知するようにしても良い。
・前記実施形態において、遊技状態情報が非表示状態となる時間aと表示状態となる時間bは、例えば、2秒、3秒など任意に変更しても良い。また、時間aと時間bは、異なる時間を設定しても良い。
・前記実施形態において、サブCPU28aは、全特図停止コマンドを入力すると、遊技状態情報を非表示状態としているが、次のように変更しても良い。即ち、特図演出パターン指定コマンドを入力し、特図の変動が開始してから停止する迄の時間を計測し、当該時間が前記コマンドで指定された特図演出パターンに定められている演出時間に達したとき、遊技状態情報を非表示状態とするようにしても良い。
・前記実施形態は、液晶式の可変表示器20に限らず、他の種類の可変表示器においても前記実施形態と同様に具体化することができる。例えば、CRT(ブラウン管)式やプラズマディスプレイ式の可変表示器でも良い。また、特図ゲームと普図ゲームは、別々の表示器を用いて行っても良い。
・前記実施形態では、1〜8までの数字の特図が採用されているが、特図の種類及び形態は任意に変更しても良い。例えば、0〜9までの10種類の数字でも良い。また、数字に代えて、文字図柄、アルファベット図柄、キャラクタ図柄などでも良い。さらに、大当りの組み合わせやはずれの組み合わせを形成する特図の列数は2列、4列、5列など任意に変更しても良い。また、可変表示器20に特図が導出される順番は、左列→中列→右列の順など任意に変更しても良く、左列→中列→右列である場合には左特図と中特図によってリーチの組み合わせが形成される。また、普図についても、その種類及び形態は任意に変更しても良い。
・前記実施形態において、特図ゲーム中に行われるリーチ演出(複数の段階に発展するリーチ演出)が最初の段階から次の段階に発展した場合に、遊技状態情報を非表示状態とするようにしても良い。この場合、サブCPU28aは、演出時間を計測し、リーチ演出が次の段階に発展する時間に達すると、遊技状態情報を非表示状態とするように表示制御を行う。
次に、前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)図柄を変動させて表示する遊技演出の表示領域に当該遊技演出が行われる遊技状態を示す遊技状態情報を表示可能な表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記遊技状態情報が表示状態と非表示状態を繰り返すように前記表示手段を制御すると共に、前記遊技演出における図柄の変動が開始するとき及び図柄の変動が停止するときのうち少なくともいずれか一方のときには前記遊技状態情報を非表示状態とするように前記表示手段を制御する遊技機。
(ロ)図柄を変動させて表示する遊技演出の表示領域に当該遊技演出が行われる遊技状態を示す遊技状態情報を表示可能な表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記遊技状態情報が表示状態又は非表示状態となるように前記表示手段を制御可能であって、前記遊技演出における図柄の変動が開始するとき及び図柄の変動が停止するときのうち少なくともいずれか一方のときから所定時間の経過に伴って前記遊技状態情報を表示状態とした後、前記遊技状態情報が表示状態と非表示状態を繰り返すように前記表示手段を制御する遊技機。
(ハ)表示制御手段は、前記遊技状態情報が表示状態となる時間と非表示状態となる時間が同一時間となるように前記表示手段を制御する。
(ニ)前記表示制御手段は、大当り状態中、又は複数の段階に発展するリーチ演出において当該リーチ演出が最初の段階から次の段階に発展した場合、前記遊技状態情報を非表示状態とするように前記表示手段を制御する。
(ホ)図柄を変動させて表示する遊技演出の表示領域に当該遊技演出が行われる遊技状態を示す遊技状態情報を表示可能な表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段と、前記遊技演出において図柄の変動が開始してから停止する迄の変動時間を計測する計測手段とを備え、前記表示制御手段は、前記遊技状態情報が表示状態と非表示状態を繰り返すように前記表示手段を制御すると共に、前記遊技演出における図柄の変動が開始するとき及び前記計測手段が所定の変動時間を計測したときには前記遊技状態情報を非表示状態とするように前記表示手段を制御する遊技機。
(ヘ)前記遊技状態情報は、現在の大当りの抽選確率に応じた遊技状態を示す確率状態情報、及び前記遊技演出を行うための契機となる始動入賞手段に対して遊技球を入賞し易くするか否かの抽選結果を導出する時間が短縮された遊技状態を示す時間短縮状態情報のうち少なくともいずれか一方の情報である。
(ト)確率状態情報は、大当りの抽選確率が通常確率の状態から高確率の状態に変動した遊技状態を示す確率変動状態情報である。
H…表示領域、H1…特別図柄表示領域、H2…普通図柄表示領域、INa…文字情報(遊技状態情報)、INb…文字情報(遊技状態情報)、10…パチンコ遊技機(遊技機)、20…表示装置(表示手段)、28…表示制御基板(表示制御手段)。