以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図7に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。また、前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う装飾ランプ16が設けられている。また、外枠11の下部(パチンコ機10の下部)には、各種音声(効果音)を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ17が設けられている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器Hを備えた表示装置20が配設されている。前記表示装置20では、可変表示器Hの変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、可変表示器Hでは、表示演出に関連して、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。従って、本実施形態では、可変表示器Hが複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームを行う表示手段となる。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを構成する各列の図柄の種類を1〜8の8種類の数字を模した図柄としている。
そして、遊技者は、可変表示器Hに表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器Hに表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][666]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの組み合わせが表示された場合、遊技者には、大当り遊技状態が付与される。また、可変表示器Hに表示された全列の図柄が異なる種類の場合又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([234][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
また、表示装置20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う開閉羽根21を備えた始動入賞口22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図2に示す)が設けられている。前記図柄組み合わせゲームは、始動入賞口22に入賞した遊技球が始動口センサSE1によって検知されたことを契機に行われる。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた大入賞口24が配設されている。大入賞口24は、大当り遊技状態が付与され、大当り遊技に移行したことに関連して大入賞口扉23が開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。大当り遊技状態が付与されると、大当り遊技に移行し、大入賞口扉23の開閉動作により大入賞口24が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
より詳しく説明すると、パチンコ機10では、大当り遊技状態が付与されると大当り遊技に移行するようになっている。そして、その大当り遊技において、大入賞口24は、所定の継続条件の成立(例えば、1のラウンド中に特定の入賞センサに遊技球が検知される等)によって予め定めた規定ラウンド数(本実施形態では15ラウンド)を上限に開放及び閉鎖を繰り返すようになっている。大当り遊技は、最初に大当り遊技の開始を示唆するオープニング演出が行われ、該オープニング演出の終了後、大入賞口扉23の作動によって大入賞口24が開放され、1ラウンド(1R)目の遊技が開始する。1ラウンド目の遊技中に所定の継続条件が成立していると、1ラウンド目の遊技終了によって閉鎖された大入賞口24が再び開放され、2ラウンド(2R)目の遊技が開始する。同様に、所定の継続条件の成立によって、3ラウンド(3R)目の遊技→4ラウンド(4R)目の遊技→・・・→15ラウンド(15R)目の遊技の順に行われる。そして、15ラウンド目の遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示唆するエンディング演出が行われる。なお、大入賞口24は、各ラウンド遊技において、所定時間(例えば30秒間)が経過する間又は規定入賞個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口24に入賞する間、開放されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(確変)機能を備えている。確率変動機能は、最終的な大当りの組み合わせが予め定めた確変図柄(特定図柄)の組み合わせであることを条件として、大当り遊技終了後に次回の大当り遊技開始時まで大当りの抽選確率が通常確率から高確率に変動する確率変動状態(特別状態)を遊技者に付与する機能である。本実施形態では、通常確率を315.7分の1、高確率を63.1分の1と定めている。また、本実施形態では、確変図柄を1,3,5,7の4種類の図柄と定めている。一方で、最終的な大当りの組み合わせが予め定めた非確変図柄(非特定図柄)の組み合わせである場合、大当り遊技終了後、大当りの抽選確率が変動せずに通常確率を維持するようになっている。本実施形態では、非確変図柄を2,4,6,8の4種類の図柄と定めている。前記確率変動状態が付与されると、大当り抽選確率が高確率に変動して大当りが生起されやすくなるため、通常の大当り(非確変図柄による大当り)に比して確変の大当り(確変図柄による大当り)は遊技者にとってさらに有利となる。「確変」とは「確率変動」の略である。なお、最終的に表示される大当りの組み合わせを構成する図柄の種類(確変図柄か、非確変図柄か)から確率変動状態となるか否かを認識できるようになっている。また、本実施形態では、後述する「確変昇格プレート」(図3(b)参照)及び「残念プレート」(図3(c)参照)により認識できるようになっている。また、以下の説明では、確変図柄により構成される大当りの組み合わせを確変大当り図柄(特定大当り図柄)、非確変図柄により構成される大当りの組み合わせを非確変大当り図柄(非特定大当り図柄)と示す場合もある。
また、遊技盤13の遊技領域13aには、発射された遊技球が大当り遊技中に開放される大入賞口24に向かう経路上に演出始動ゲート(演出始動口)27が配設されている。演出始動ゲート27には、当該演出始動ゲート27を通過した遊技球を検知する演出始動検知手段としてのゲートセンサSE2(図2に示す)が設けられている。そして、大当り遊技中に演出始動ゲート27を通過してゲートセンサSE2により検知されると、その検知を契機に可変表示器Hにおいて行われる報知演出(再抽選演出)の始動条件が成立するようになっている。前記再抽選演出は、大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かを報知する演出である。なお、大当り遊技終了後に確変状態が付与されることを報知する再抽選演出を昇格演出(昇格報知演出)と示し、大当り遊技終了後に確変状態が付与されないことを報知する再抽選演出をガセ昇格演出(非昇格報知演出)と示す場合もある。
次に、パチンコ機10の制御構成を図2に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示装置20(可変表示器H)の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。ランプ制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。前記メインCPU30aは、各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新するようになっている。前記ROM30bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラムや、複数種類の演出パターンが記憶されている。前記RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。
前記演出パターンは、パチンコ機10で行われる演出のベースとなるパターンを示すものである。ROM30bには、図柄組み合わせゲームにおける複数種類の演出パターンが、大当り演出用及びはずれ演出用に分類されて記憶されている。前記大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、大当りの組み合わせを表示するように展開される演出である。前記はずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、はずれの組み合わせを表示するように展開される演出である。また、ROM30bには、大当り遊技における演出パターンが、オープニング演出用、ラウンド演出用、エンディング演出用に分類されて記憶されている。前記ラウンド演出は、実行されているラウンド遊技が何ラウンド目かを示す演出である。
そして、メインCPU30aは、制御プログラムに基づき、大当り判定、最終的に表示させる最終停止図柄の決定、及び演出パターンの決定などの各種処理を実行するようになっている。例えば、メインCPU30aは、図柄組み合わせゲームの開始時に大当り判定を実行する。このとき、メインCPU30aは、大当り確率を通常確率(低確率)とする場合、大当り確率を315.7分の1として大当り判定を行う。一方、メインCPU30aは、大当り確率を高確率とする場合、大当り確率を63.1分の1として大当り判定を行う。大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、メインCPU30aは、全列が同一種類となるように最終停止図柄を決定すると共に、大当り演出用の演出パターンを決定する。このとき、メインCPU30aが、最終停止図柄を1、3、5又は7に決定すると、最終的な大当りの組み合わせは、確変図柄によって構成される確変の大当りの組み合わせ[111][333][555][777]となる。また、メインCPU30aが、最終停止図柄を2、4、6、又は8に決定すると、最終的な大当りの組み合わせは、非確変図柄によって構成される通常の大当りの組み合わせ[222][444][666][888]となる。本実施形態では、メインCPU30aが、大当りの場合に最終停止図柄を決定することにより、大当り遊技終了後に、確変状態を付与するか否かを決定している。一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(はずれの場合)、メインCPU30aは、全列の図柄が同一種類とならないように各列の最終停止図柄を決定すると共に、はずれ演出用の演出パターンを決定する。
図柄組み合わせゲームにおける演出パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、最初に図柄組み合わせゲームにおける演出パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する演出パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU30aは、各列毎の最終停止図柄を指定するための図柄指定コマンドを出力する。その後に、メインCPU30aは、前記指定した演出パターンに定められている変動時間に基づいて変動停止を指示し、図柄組み合わせゲームを終了するための全図柄停止コマンドを出力する。
また、メインCPU30aは、大当りを決定した場合、決定した大当り演出用の演出パターンに基づく図柄組み合わせゲームの終了後、大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、最初に、オープニング演出における演出パターンを指定するオープニングコマンドを出力する。次に、メインCPU30aは、各ラウンド遊技の開始時に、各ラウンド演出における演出パターンを指定するラウンドコマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、最終ラウンドの終了時に、エンディング演出における演出パターンを指定するエンディングコマンドを出力して、大当り遊技を終了させる。
次に、統括制御基板31について説明する。統括制御基板31には、図2に示すように、統括CPU31aが設けられている。前記統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新するようになっている。また、統括CPU31aには、ROM31b及びRAM31cが接続されている。前記ROM31bには、前記各制御基板32〜34を統括的に制御するための制御プログラムなどが記憶されている。また、前記RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。例えば、昇格演出フラグや、昇格演出実行フラグ、ガセ昇格演出フラグ、ガセ昇格演出実行フラグ、1ラウンド指定コマンドフラグ、タイマの値、ガセ昇格演出回数の値などの情報がRAM31cに記憶(設定)されるようになっている。また、統括CPU31aは、ゲートセンサSE2と接続されており、当該ゲートセンサSE2から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力することにより、演出始動ゲート27を通過した遊技球を検知できるようになっている。
そして、メインCPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括CPU31aは、それに応じて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、当該演出パターン指定コマンドを各制御基板32〜34に出力する。また、統括CPU31aは、図柄指定コマンド又は全図柄停止コマンドを入力すると、当該各コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括CPU31aは、オープニングコマンド、各ラウンドコマンド、又はエンディングコマンドを入力すると、当該各コマンドを各制御基板32〜34に出力する。
次に、表示制御基板32について説明する。前記表示制御基板32は、サブCPU32aを備えており、該サブCPU32aにはROM32b及びRAM32cが接続されている。ROM32bには、表示制御を行うための制御プログラムや、前記各演出パターンに対応する表示演出用の演出実行データ、昇格演出に対応した昇格演出実行データ、ガセ昇格演出に対応したガセ昇格演出実行データ、及び各種画像データ等が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。前記演出実行データは、サブCPU32aが、指定された演出パターンに基づく表示演出が行われるように可変表示器Hの表示内容を制御するための情報である。また、前記昇格演出実行データは、サブCPU32aが、昇格演出が行われるように可変表示器Hの表示内容を制御するための情報であり、前記ガセ昇格演出実行データは、サブCPU32aが、ガセ昇格演出が行われるように可変表示器Hの表示内容を制御するための情報である。
そして、本実施形態のパチンコ機10は、大当り遊技中に、当該大当り遊技終了後に前記確変状態を付与するか否かを報知する再抽選演出を行うように構成されている。この再抽選演出を行うために本実施形態のパチンコ機10は、メインCPU30aが決定した最終停止図柄に基づき、遊技者に図柄組み合わせゲームの結果が大当りであることを認識させる仮の大当りの組み合わせを決定する。具体的には、パチンコ機10は、メインCPU30aが決定した最終停止図柄が確変図柄による大当りの組み合わせの場合、図柄組み合わせゲームの終了時において表示させる仮の大当りの組み合わせを構成する仮停止図柄を全ての図柄の中から決定する。パチンコ機10は、当該仮の大当りの組み合わせが表示されたことに基づき大当り遊技状態を付与する。そして、パチンコ機10は、大当り遊技に移行して、当該大当り遊技中に演出始動ゲート27を遊技球が通過してゲートセンサSE2に検知されたことを契機に、再抽選演出の実行可否を判定し、肯定判定の場合には再抽選演出を行う。前記再抽選演出は、所定の開始周期の経過時に、大当り遊技終了後に前記確変状態を付与するか否か、すなわち、最終停止図柄が確変図柄か否かを報知する演出である。前記開始周期は、再抽選演出が実行可能となる周期であり、ラウンド遊技の進行とは無関係に一定間隔(本実施形態では、8秒)毎に経過する。
なお、パチンコ機10は、メインCPU30aが決定した最終停止図柄が確変図柄による大当りの組み合わせの場合であって、確変図柄による仮の大当りの組み合わせを一旦導出すると決定した場合、再抽選演出を実行させないようになっている。また、パチンコ機10は、メインCPU30aが決定した最終停止図柄が非確変図柄による大当りの組み合わせの場合、仮停止図柄を非確変図柄の中から決定するようになっている。
前記再抽選演出について具体的に述べる。図3(a)に示すように、ラウンド遊技が開始すると、可変表示器Hには、キャラクタXが海にて釣りをする様子が表示される。なお、可変表示器Hの右上には、現在何ラウンド目のラウンド遊技であるかを示すラウンド数が表示される。そして、図3(b)に示すように、キャラクタXが釣り竿にて海からプレートYをつり上げ、当該プレートYに「確変昇格」という文字列が表示されていれば、大当り遊技終了後に前記確変状態を付与する旨を報知する再抽選演出(昇格演出)が行われたこととなる。また、図3(c)に示すように、プレートYに「残念」という文字列が表示されていれば、大当り遊技終了後に前記確変状態を付与されない旨を報知する再抽選演出(ガセ昇格演出)が行われたこととなる。再抽選演出によって確変状態が報知されると、大当り遊技終了後、確変状態が付与される。本実施形態では、前述のようにメインCPU30aが、大当りの場合に最終停止図柄を決定することにより、確変状態を付与するか否かを決定している。
このように本実施形態の再抽選演出は、演出始動ゲート27へ遊技球が通過して、ゲートセンサSE2により遊技球が検知されることを契機に所定の開始周期毎に実行されるため、再抽選演出の実行は遊技者の操作と関連付けられていることになる。即ち、再抽選演出を実行させるためには、遊技者は発射装置19を操作して遊技球を発射させ、遊技球を演出始動ゲート27へ通過させる必要があるので、再抽選演出を遊技者自身の操作によって行わせたかのような意識を与えることができる。
以下、再抽選演出を行うために、統括制御基板31の統括CPU31aが行う各種処理及び表示制御基板32のサブCPU32aが行う各種処理について詳しく説明する。最初に、統括CPU31aが、図柄組み合わせゲームを制御するために行う図柄変動処理について説明する。
統括CPU31aは、メインCPU30aから演出パターン指定コマンドを入力すると、入力した演出パターン指定コマンドで指定された演出パターンの種類を確認し、確認した演出パターンが、大当り演出用の演出パターンであるか否かを判定する。この判定結果が肯定である場合(大当りである場合)、統括CPU31aは、入力する図柄指定コマンドで指定される最終停止図柄が確変図柄であるか否か判定する。この判定結果が肯定の場合(確変図柄の場合)、統括CPU31aは、図柄組み合わせゲームの終了時において表示させる仮の大当りの組み合わせを構成する仮停止図柄を全ての図柄の中から乱数抽選により決定する。一方、この判定結果が否定の場合(最終停止図柄が非確変図柄の場合)、統括CPU31aは、仮停止図柄を非確変図柄の中から乱数抽選により決定する。仮停止図柄を決定した統括CPU31aは、メインCPU30aから入力した最終停止図柄を指定する図柄指定コマンドと共に、仮停止図柄を指定する仮停止図柄指定コマンドを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する。
一方、大当り演出用の演出パターンであるか否かの判定の判定結果が否定である場合(はずれの場合)、統括CPU31aは、仮停止図柄を決定せずに、メインCPU30aから入力した図柄指定コマンドを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する。
次に、表示制御基板32のサブCPU32aが、図柄組み合わせゲームを制御するために行う図柄変動表示処理について説明する。
サブCPU32aは、統括制御基板31を経由して主制御基板30から演出パターン指定コマンドを入力すると、入力した演出パターン指定コマンドで指定された演出パターンに対応する演出実行データに基づき図柄組み合わせゲームを行わせるように可変表示器Hの表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、統括制御基板31から図柄指定コマンドと共に、仮停止図柄指定コマンドを入力した場合(本実施形態では、大当りの場合)、図柄組み合わせゲーム終了時に、入力した仮停止図柄指定コマンドで指定された仮停止図柄による図柄組み合わせ(仮の大当りの組み合わせ)を表示させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。
その後、遊技者には、可変表示器Hに大当りの組み合わせ(仮の大当りの組み合わせ)が表示されたことにより、大当り遊技状態が付与され、大当り遊技に移行する。一方、仮停止図柄指定コマンドを入力しなかった場合、サブCPU32aは、図柄組み合わせゲーム終了時に、入力した図柄指定コマンドで指定された最終停止図柄による図柄組み合わせを表示させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。
次に、大当り遊技に移行した場合に、統括CPU31aが行う各種処理について説明する。まず、入賞検知処理について図4に基づき説明する。
大当り遊技状態が付与され、大当り遊技に移行すると、統括CPU31aは、図柄組み合わせゲームの終了時に非確変図柄による大当たりの組み合わせ(仮の大当たりの組み合わせを含む)が表示されたか否か判定する(ステップS10)。ステップS10の判定結果が肯定の場合(非確変図柄による大当たりの組み合わせが表示された場合)、統括CPU31aは、大当り遊技中、演出始動ゲート27のゲートセンサSE2から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力したか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11の判定結果が否定の場合(検知信号を入力していない場合)、統括CPU31aは、入賞検知処理を終了する。
一方、ステップS11の判定結果が肯定の場合(検知信号を入力した場合)、統括CPU31aは、次に、メインCPU30aから入力された図柄指定コマンドで指定される最終停止図柄が確変図柄であるか否か(確変大当り図柄が指定されたか否か)を判定する(ステップS12)。すなわち、統括CPU31aは、大当り遊技終了後、確変状態が付与されるか否か判定する。ステップS12の判定結果が肯定の場合(確変図柄である場合)、統括CPU31aは、昇格演出フラグが設定されていないか否か(昇格演出フラグがOFFであるか否か)を判定する(ステップS13)。この昇格演出フラグは、大当り遊技中に、すでに昇格演出が実行されたか否かを示すフラグであり、昇格演出フラグが設定されていれば(ONであれば)、昇格演出が実行されたことを示し、設定されていなければ(OFFであれば)、昇格演出が実行されていないことを示す。従って、ステップS13において、統括CPU31aは、昇格演出が実行されていないか否かを判定することとなる。
ステップS13の判定結果が肯定の場合(昇格演出フラグがOFFの場合)、統括CPU31aは、再抽選演出を実行させるか否かを乱数抽選により決定する(ステップS14)。このステップS14の決定結果が肯定の場合(再抽選演出を実行させる場合)、統括CPU31aは、次に、最終停止図柄が確変図柄であるか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15の判定結果が肯定の場合(確変図柄である場合)、統括CPU31aは、ガセ昇格演出フラグが設定されていないか否か(OFFであるか否か)を判定する(ステップS16)。前記ガセ昇格演出フラグは、ガセ昇格演出の実行回数が所定回数(本実施形態では4回)に達したか否かを示すフラグである。ガセ昇格演出フラグが設定されていれば(ONであれば)、ガセ昇格演出の実行回数が所定回数に達していることを示し、ガセ昇格演出フラグが設定されていなければ(OFFであれば)、ガセ昇格演出の実行回数が所定回数に達していないことを示す。従って、ステップS16において、統括CPU31aは、ガセ昇格演出の実行回数が所定回数に達していないか否かを判定していることとなる。
ステップS16の判定結果が肯定の場合(ガセ昇格演出フラグがOFFの場合)、統括CPU31aは、昇格演出を実行させるか否かを乱数抽選により判定する(ステップS17)。ステップS17の決定結果が肯定の場合(昇格演出を実行させる場合)又はステップS16の判定結果が否定の場合(ガセ昇格演出フラグがONの場合)、統括CPU31aは、昇格演出フラグを設定(ONに)する(ステップS18)と共に、昇格演出の実行を決定したことを示す昇格演出実行フラグを設定(ONに)する(ステップS19)。
一方、ステップS12の判定結果が否定の場合(確変図柄でない場合)、統括CPU31aは、ガセ昇格演出フラグが設定されていないか否か(OFFであるか否か)を判定する(ステップS20)。ステップS20の判定結果が肯定の場合(ガセ昇格演出フラグがOFFの場合)、統括CPU31aは、ステップS14に移行し、以後の処理を同様に行う。また、ステップS10の判定結果が否定の場合(非確変図柄による大当りの組み合わせが表示されなかった場合)及びステップS13の判定結果が否定の場合(昇格演出フラグがONの場合)、統括CPU31aは、そのまま入賞検知処理を終了する。また、ステップS14の決定結果が否定の場合(再抽選演出を行わない場合)及びステップS20の判定結果が否定の場合(ガセ昇格演出フラグがONの場合)、統括CPU31aは、そのまま入賞検知処理を終了する。
また、ステップS15の判定結果が否定の場合(確変図柄でない場合)、及びステップS17の決定結果が否定の場合(昇格演出を実行させない場合)、統括CPU31aは、RAM31cに記憶されているガセ昇格演出回数を読み出し、当該ガセ昇格演出回数に1加算する(ステップS21)。なお、ガセ昇格演出回数は、ガセ昇格演出の実行回数を示している。
次に、統括CPU31aは、ガセ昇格演出回数の値が4であるか否か判定する(ステップS22)。即ち、統括CPU31aは、ガセ昇格演出の実行回数が4回目であるか否か判定する。ステップS22の判定結果が肯定の場合(ガセ昇格演出回数=4の場合)、統括CPU31aは、ガセ昇格演出フラグを設定(ONに)する(ステップS23)。そして、統括CPU31aは、ステップS21において1加算したガセ昇格演出回数を新たなガセ昇格演出回数としてRAM31cに記憶する(ステップS24)。そして、統括CPU31aは、ガセ昇格演出の実行を決定したことを示すガセ昇格演出実行フラグを設定(ONに)し(ステップS25)、入賞検知処理を終了する。なお、ステップS22の判定結果が否定の場合(ガセ昇格演出回数≠4の場合)、統括CPU31aは、ステップS23の処理を行わずに、ステップS24の処理に移行する。
以上のように、入賞検知処理のステップS11において、検知信号を入力したか否か判定するので、遊技球が演出始動ゲート27を通過したことを契機に再抽選演出の始動条件が成立することとなる。また、ステップS13において、昇格演出フラグが設定されていないか否かを判定するので、遊技球が演出始動ゲート27を通過しても、大当り遊技中に昇格演出が既に行われているならば、それ以降、再抽選演出が行われないことととなる。このため、昇格演出が行われた後に再び再抽選演出を行うことで遊技者に前回行われた昇格演出が間違いではないかという不安を与えることがなくなる。また、昇格演出を行った後に、再び昇格演出を行うという無意味な演出の出現を防止することができる。
また、ステップS17において、昇格演出を行うか否かを乱数抽選により決定するので、確変状態が付与される場合であっても、ガセ昇格演出が行われる場合がある。このため、ガセ昇格演出が行われても、最終的には昇格演出が行われる場合があるので、遊技者に昇格演出が行われるのではないかという期待感を持たせることができる。また、確変状態が付与される場合であっても、何度も再抽選演出を行うことが可能となり、ガセ昇格演出が続いても昇格演出が行われるという期待感を持たせることができるため、遊技者の興趣を継続することができる。
また、ステップS22にてガセ昇格演出回数が所定回数に達したか否かを判定して、判定結果が肯定の場合は、ガセ昇格演出フラグにONを設定した。これにより、次回、遊技球が演出始動ゲート27を通過した場合、確変状態が付与されており、且つ、再抽選演出の実行が決定されたときには、強制的に昇格演出実行フラグを設定する。このため、確変状態が付与されるにもかかわらず、何度も(本実施形態では5回以上)ガセ昇格演出が行われることがなくなる。また、ガセ昇格演出フラグにONを設定した後に遊技球が演出始動ゲート27を通過した場合、確変状態が付与されていなくても、ガセ昇格演出は実行されない(ステップS12及びステップS20参照)。このため、確変状態が付与されない場合であっても、大当り遊技中、何度もガセ昇格演出が行われることがなくなる。
また、ステップS14において、再抽選演出を行うか否か乱数抽選により決定するので、遊技球が演出始動ゲート27を通過しても、再抽選演出が実行されない場合がある。このため、遊技球が連続して演出始動ゲート27を通過しても、大当り遊技の前半においてガセ昇格演出の実行回数が所定回数に達する可能性が毎回再抽選演出を行う場合と比べて低くなる。従って、大当り遊技中、昇格演出が実行されるのではないかという期待感を維持でき、興趣が向上する。
従って、本実施形態の統括CPU31aは、確変状態が付与されるか否かを判定する状態判定手段(確変判定手段)となる。また、統括CPU31aは、再抽選演出が実行されるときに今回の再抽選演出で確変状態が付与される旨を報知するか否かを判定する状態報知判定手段(確変報知判定手段)となる。また、統括CPU31aは、昇格演出又は非昇格演出を実行させるか否かを決定する演出決定手段となる。また、RAM31cがガセ昇格演出回数を記憶する記憶手段となる。
次に、再抽選演出開始設定処理について図5に基づき説明する。この再抽選演出開始設定処理は、大当り遊技中に、メインCPU30aから各種制御コマンドが入力されたときに実行される処理である。
統括CPU31aは、メインCPU30aから各種制御コマンドを入力すると、当該制御コマンドが、1ラウンド目のラウンド遊技の開始及び1ラウンド目のラウンド演出の演出パターンを指定するラウンドコマンドであるか否か判定する(ステップS31)。このステップS31の判定結果が肯定の場合(1ラウンド目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドである場合)、統括CPU31aは、ラウンド遊技が継続していることを示す1ラウンド指定コマンドフラグをRAM31cに設定する(ステップS32)。次に、統括CPU31aは、タイマの値をRAM31cに設定する(ステップS33)。前記タイマの値は、再抽選演出の実行を開始する開始周期を計測するために設定されるものであり、本実施形態では、8秒(8000ms)が設定される。すなわち、本実施形態では、開始周期は、8秒である。そして、統括CPU31aは、再抽選演出開始設定処理を終了する。
一方、ステップS31の判定結果が否定の場合(1ラウンド目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドでない場合)、統括CPU31aは、入力した制御コマンドが15ラウンド目のラウンド遊技の開始及び15ラウンド目のラウンド演出の演出パターンを指定するラウンドコマンドであるか否かを判定する(ステップS34)。このステップS34の判定結果が肯定の場合(15ラウンド目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドである場合)、統括CPU31aは、RAM31cに設定されている1ラウンド指定コマンドフラグをクリア(解除)する(ステップS35)。そして、統括CPU31aは、RAM31cに設定されているタイマの値をクリアする(ステップS36)。そして、統括CPU31aは、再抽選演出開始設定処理を終了する。
また、ステップS34の判定結果が否定の場合(15ラウンド目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドでない場合)、統括CPU31aは、入力した制御コマンドがエンディングコマンドであるか否かを判定する(ステップS37)。このステップS37の判定結果が肯定の場合(エンディングコマンドである場合)、統括CPU31aは、大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否か(即ち、最終停止図柄が確変大当り図柄であるか否か)を判定する(ステップS38)。
このステップS38の判定結果が肯定の場合(確変状態が付与される場合)、統括CPU31aは、昇格演出フラグがOFFであるか否か判定する(ステップS39)。このステップS39の判定結果が肯定の場合(昇格演出フラグがOFFの場合)、統括CPU31aは、昇格演出の実行開始を指示する昇格演出開始コマンドを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力し(ステップS40)、再抽選演出開始設定処理を終了する。一方、ステップS38又はステップS39の判定結果が否定の場合(確変状態が付与されない場合又は昇格演出フラグがOFFでない場合)、統括CPU31aは、そのまま再抽選演出開始設定処理を終了する。一方、ステップS37の判定結果が否定の場合(エンディングコマンドでない場合)、統括CPU31aは、入力した制御コマンドに応じた処理を実行する(ステップS41)。そして、統括CPU31aは、再抽選演出開始設定処理を終了する。
以上のように、エンディングコマンドを入力すると、ステップS38〜S40において、統括CPU31aは、確変状態が付与されているときに昇格演出が行われたか否かを判定し、その判定結果に基づいて、昇格演出開始コマンドを表示制御基板32のサブCPU32aに出力する。このため、エンディング演出が行われるまでに、大当り遊技状態終了後の遊技状態を確実に報知することとなる。従って、エンディング演出時までに入賞検知処理のステップS15の判定結果が連続して否定であり、かつ、その否定となった回数が4回以下の場合、もしくは、演出始動ゲート27に遊技球が全く通過しなかった場合であっても、遊技者はエンディング演出が行われるまでに大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かを知ることができる。
次に、再抽選演出実行処理について図6に基づき説明する。この再抽選演出実行処理は、大当り遊技中、所定の周期毎(本実施形態では、4ms毎)に統括CPU31aにより実行される処理である。
統括CPU31aは、最初に1ラウンド指定コマンドフラグがRAM31cに設定されているか否かを判定する(ステップS51)。このステップS51の判定結果が否定の場合(1ラウンド指定コマンドフラグが設定されていない場合)、統括CPU31aは、再抽選演出実行処理を終了する。一方、ステップS51の判定結果が肯定の場合(1ラウンド指定コマンドフラグが設定されている場合)、統括CPU31aは、RAM31cに設定されているタイマの値を4ms減算する(ステップS52)。次に、統括CPU31aは、タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップS53)。ステップS53の判定結果が否定の場合(タイマの値が0でない場合)、統括CPU31aは、そのまま再抽選演出実行処理を終了する。一方、ステップS53の判定結果が肯定の場合(タイマの値が0である場合)、統括CPU31aは、昇格演出実行フラグ又はガセ昇格演出実行フラグがRAM31cに設定されているか否か(ONであるか否か)を判定する(ステップS54)。
このステップS54の判定結果が肯定の場合(昇格演出実行フラグ又はガセ昇格演出実行フラグが設定されている場合)、統括CPU31aは、設定されている昇格演出実行フラグ又はガセ昇格演出実行フラグに応じて表示制御基板32(サブCPU32a)に制御コマンドを出力する(ステップS55)。具体的には、統括CPU31aは、昇格演出実行フラグが設定されているならば昇格演出開始コマンドを、ガセ昇格演出実行フラグが設定されているならばガセ昇格演出開始コマンドを、表示制御基板32に出力する。そして、統括CPU31aは、昇格演出開始コマンドを出力したならば(昇格演出実行フラグが設定されているならば)、昇格演出実行フラグをクリア(解除)し、ガセ昇格演出開始コマンドを出力したならば(ガセ昇格演出実行フラグが設定されているならば)、ガセ昇格演出実行フラグをクリア(解除)する(ステップS56)。そして、統括CPU31aは、タイマの値を8秒としてRAM31cに設定し(ステップS57)、再抽選演出実行処理を終了する。一方、ステップS54の判定結果が否定の場合(昇格演出実行フラグ及びガセ昇格演出実行フラグが設定されていない場合)、統括CPU31aは、ステップS57の処理を実行して、再抽選演出実行処理を終了する。
以上のように、再抽選演出開始設定処理のステップS32及びステップS35において1ラウンド指定コマンドフラグの設定及びクリア(解除)を行い、再抽選演出実行処理のステップS51において1ラウンド指定コマンドフラグが設定されているか否かを判定している。このため、再抽選演出は、1ラウンド目のラウンド遊技が開始されてから、15ラウンド目のラウンド遊技が開始されるまでの間、実行可能となる。また、ステップS53において、タイマの値が0であるか否かを判定し、ステップS57にてタイマの値として8秒を設定しているので、再抽選演出は、開始周期毎に(8秒ごとに)実行可能となる。すなわち、再抽選演出は、演出始動ゲート27に遊技球が通過したからといって、すぐに実行されるわけではなく、直近の開始周期が経過するのを待って実行されることとなる。
また、各ラウンド遊技の開始(1ラウンド目のラウンド遊技の開始を除く)とは、無関係に開始周期は計測されるため、再抽選演出も各ラウンド遊技の進行状況とは無関係に実行されることとなる。このため、遊技者にとって再抽選演出が実行するタイミングは、予測しにくくなる。また、再抽選演出が実行されるまで昇格演出実行フラグ又はガセ昇格演出実行フラグは設定されたままであるので(ステップS56参照)、開始周期が経過するまでに2度以上検知信号を入力しても、ステップS13の判定結果が否定となり、1度しか再抽選演出が実行されない。即ち、開始周期が経過するまでに何度遊技球が演出始動ゲート27を通過しても、2度目以降の遊技球の通過は無効となる。このため、複数回再抽選演出を実行させるには、異なる開始周期において遊技球をそれぞれ演出始動ゲート27に通過させなくてはならないので、遊技者の興趣を継続させることができる。
以上のことから、本実施形態の可変表示器Hは、大当り遊技中にゲートセンサSE2が遊技球を検知したことを契機に再抽選演出を実行する報知手段となる。そして、本実施形態の統括CPU31aは、表示制御基板32(サブCPU32a)を介して、再抽選演出を可変表示器Hに実行させる演出実行手段となる。
次に、サブCPU32aが実行する表示制御処理について説明する。この表示制御処理は、大当り遊技中、サブCPU32aが統括CPU31aから各種制御コマンドを入力すると実行される。サブCPU32aは、大当り遊技中に、統括CPU31aからオープニングコマンドを入力すると、該オープニングコマンドに対応するオープニング演出用の演出実行データをROM32bから読みだし、当該演出実行データに基づき可変表示器Hの表示内容を制御して、オープニング演出を行わせる。
また、サブCPU32aは、ラウンドコマンドを入力すると、該ラウンドコマンドに対応するラウンド演出用の演出実行データをROM32bから読み出し、当該演出実行データに基づき可変表示器Hの表示内容を制御してラウンド演出を行わせる。この制御において、サブCPU32aは、ROM32bから画像データを読み出し、当該画像データに基づき可変表示器Hの表示内容を制御して、図3(a)に示すようなラウンド遊技中の背景画像を表示させる。また、サブCPU32aは、ラウンド演出用の演出実行データに基づき、可変表示器Hの右上に現在のラウンド数を表示させる。
また、サブCPU32aは、エンディングコマンドを入力すると、該エンディングコマンドに対応するエンディング演出用の演出実行データに基づき、可変表示器Hの表示内容を制御して、エンディング演出を行わせる。
また、サブCPU32aは、昇格演出開始コマンドを入力すると、該昇格演出開始コマンドに対応する昇格演出実行データに基づき、可変表示器Hの表示内容を制御して、昇格演出を行わせる。具体的には、サブCPU32aは、可変表示器Hに、キャラクタXが海から「確変昇格」という文字が記されたプレートYを釣り上げるように表示させる(図3(b)参照)。なお、昇格演出は、開始周期よりも短い時間で実行される。本実施形態では、昇格演出は2秒間で行われる(開始周期は8秒)。このため、次の開始周期が経過したときに、昇格演出が実行中であるという状況を防止することができる。
また、サブCPU32aは、ガセ昇格演出開始コマンドを入力すると、該ガセ昇格演出開始コマンドに対応するガセ昇格演出実行データに基づき、可変表示器Hの表示内容を制御して、ガセ昇格演出を行わせる。具体的には、サブCPU32aは、可変表示器HにキャラクタXが海から「残念」という文字が記されたプレートYを釣り上げるように表示させる(図3(c)参照)。なお、ガセ昇格演出は、開始周期よりも短い時間で実行される。本実施形態では、ガセ昇格演出は2秒間で行われる(開始周期は8秒)。このため、次の開始周期が経過したときに、ガセ昇格演出が実行中であるという状況を防止することができる。
次に、再抽選演出が行われるタイミングを図7に基づき説明する。なお、図7では、ガセ昇格演出が行われる期間を「左下がり斜線」で示し、昇格演出が行われる期間を「右下がり斜線」で示す。また、開始周期の経過時は、時点A〜時点Hで示している。また、図7において、大当り遊技開始時(ラウンド遊技開始時)、統括制御基板31のRAM31cには各種フラグ、タイマ及びガセ昇格演出回数の値が設定されていないものとして説明する。また、図7では、ステップS14の決定結果は必ず肯定となるものとし、ステップS17の判定結果は必ず否定となるものとして説明する。また、図7(a)では、大当り遊技終了後に確変状態が付与されるものとし、図7(b)では、確変状態が付与されていないものとして説明する。
まず、図7(a)に基づき、昇格演出が行われるタイミングを説明する。
1ラウンド目のラウンド遊技が開始すると、統括CPU31aは、1ラウンド目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドを入力するので、再抽選演出開始設定処理(図5)により、1ラウンド指定コマンドフラグをRAM31cに設定する。それと共に、RAM31cにタイマの値を設定して、再抽選演出が実行可能な開始周期を開始させる。そして、図7(a)の時点Aと時点Bの間の時点A1で検知信号を入力すると、統括CPU31aは、入賞検知処理(図4)を実行する。このとき、前提条件より、RAM31cには各種フラグが設定されておらず、また、ステップS14の決定結果は肯定となり、また、ステップS17の判定結果は否定となるので、統括CPU31aは、ガセ昇格演出回数の値に1加算すると共に、ガセ昇格演出実行フラグをRAM31cに設定することとなる。
そして、時点Bにおいて統括CPU31aが再抽選演出実行処理(図6)を実行すると、1ラウンド指定コマンドフラグが設定されており、また、タイマの値が0であるので、統括CPU31aは、RAM31cに設定されているガセ昇格演出実行フラグに応じてガセ昇格演出開始コマンドを出力する。これにより、サブCPU32aは、図7(a)の時点Bから時点B1の間でガセ昇格演出が行われるように可変表示器Hを制御する。なお、統括CPU31aがガセ昇格演出開始コマンドを出力した後、ガセ昇格演出実行フラグはクリアされることとなる。
次に、図7(a)の時点B2で検知信号を入力すると、統括CPU31aは、入賞検知処理(図4)を実行して、前述同様、ガセ昇格演出回数の値に1加算してガセ昇格演出回数の値を「2」とし、ガセ昇格演出実行フラグをRAM31cに設定する。そして、時点Cにおいて統括CPU31aが再抽選演出実行処理(図6)を実行すると、統括CPU31aは、ガセ昇格演出開始コマンドを出力し、図7(a)の時点Cから時点C1の間でガセ昇格演出を行わせる。なお、統括CPU31aがガセ昇格演出開始コマンドを出力した後、ガセ昇格演出実行フラグはクリアされる。次に、図7(a)の時点C2で検知信号を入力すると、統括CPU31aは、入賞検知処理(図4)を実行して、前述同様、ガセ昇格演出回数の値に1加算してガセ昇格演出回数の値を「3」とし、ガセ昇格演出実行フラグをRAM31cに設定する。そして、時点Dにおいて統括CPU31aが再抽選演出実行処理(図6)を実行すると、統括CPU31aは、ガセ昇格演出開始コマンドを出力し、図7(a)の時点Dから時点D1の間でガセ昇格演出を行わせる。なお、統括CPU31aがガセ昇格演出開始コマンドを出力した後、ガセ昇格演出実行フラグはクリアされる。
次に、図7(a)の時点D2で検知信号を入力すると、統括CPU31aは、入賞検知処理(図4)を実行して、前述同様、ガセ昇格演出回数の値に1加算してガセ昇格演出回数の値を「4」とし、ガセ昇格演出実行フラグをRAM31cに設定する。このとき、ガセ昇格演出回数は「4」であるので、統括CPU31aは、ステップS23の処理を行い、ガセ昇格演出フラグを設定することとなる。そして、時点Eにおいて統括CPU31aが再抽選演出実行処理(図6)を実行すると、統括CPU31aは、ガセ昇格演出開始コマンドを出力し、図7(a)の時点Eから時点E1の間でガセ昇格演出を行わせる。なお、統括CPU31aがガセ昇格演出開始コマンドを出力した後、ガセ昇格演出実行フラグはクリアされる。
次に、図7(a)の時点E2で検知信号を入力すると、統括CPU31aは、入賞検知処理(図4)を実行する。その際、ガセ昇格演出フラグは設定されている(ONである)ので、統括CPU31aは、ステップS17の処理を行わずに、ステップS18及びステップS19の処理を実行し、昇格演出フラグ及び昇格演出実行フラグを設定する(ONにする)。そして、時点Fにおいて統括CPU31aが再抽選演出実行処理(図6)を実行すると、統括CPU31aは、昇格演出開始コマンドを出力し、図7(a)の時点Fから時点F1の間で昇格演出を行わせる。なお、昇格演出フラグが設定されるので、この後、ゲートセンサSE2が遊技球を検知しても、大当り遊技が終了するまで再抽選演出は行われないこととなる。
次に、図7(b)に基づき、ガセ昇格演出の実行が規制される様子を説明する。
1ラウンド目のラウンド遊技が開始すると、統括CPU31aは、1ラウンド目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドを入力するので、再抽選演出開始設定処理(図5)により、1ラウンド指定コマンドフラグをRAM31cに設定する。それと共に、RAM31cにタイマの値を設定して、再抽選演出が実行可能な開始周期を開始させる。そして、図7(b)の時点Aと時点Bの間の時点A1で検知信号を入力すると、統括CPU31aは、入賞検知処理(図4)を実行する。このとき、前提条件より、RAM31cには各種フラグが設定されておらず、また、ステップS14の決定結果は肯定となり、また、ステップS15の判定結果は肯定となるので、統括CPU31aは、ガセ昇格演出回数の値に1加算すると共に、ガセ昇格演出実行フラグをRAM31cに設定することとなる。
そして、時点Bにおいて統括CPU31aが再抽選演出実行処理(図6)を実行すると、1ラウンド指定コマンドフラグが設定されており、また、タイマの値が0であるので、統括CPU31aは、RAM31cに設定されているガセ昇格演出実行フラグに応じてガセ昇格演出開始コマンドを出力する。これにより、サブCPU32aは、図7(b)の時点Bから時点B1の間でガセ昇格演出が行われるように可変表示器Hを制御する。なお、統括CPU31aがガセ昇格演出開始コマンドを出力した後、ガセ昇格演出実行フラグはクリアされることとなる。
次に、図7(b)の時点B2で検知信号を入力すると、統括CPU31aは、入賞検知処理(図4)を実行して、前述同様、ガセ昇格演出回数の値に1加算してガセ昇格演出回数の値を「2」とし、ガセ昇格演出実行フラグをRAM31cに設定する。そして、時点Cにおいて統括CPU31aが再抽選演出実行処理(図6)を実行すると、統括CPU31aは、ガセ昇格演出開始コマンドを出力し、図7(b)の時点Cから時点C1の間でガセ昇格演出を行わせる。なお、統括CPU31aがガセ昇格演出開始コマンドを出力した後、ガセ昇格演出実行フラグはクリアされる。次に、図7(b)の時点C2で検知信号を入力すると、統括CPU31aは、入賞検知処理(図4)を実行して、前述同様、ガセ昇格演出回数の値に1加算してガセ昇格演出回数の値を「3」とし、ガセ昇格演出実行フラグをRAM31cに設定する。そして、時点Dにおいて統括CPU31aが再抽選演出実行処理(図6)を実行すると、統括CPU31aは、ガセ昇格演出開始コマンドを出力し、図7(b)の時点Dから時点D1の間でガセ昇格演出を行わせる。なお、統括CPU31aがガセ昇格演出開始コマンドを出力した後、ガセ昇格演出実行フラグはクリアされる。
次に、図7(b)の時点D2で検知信号を入力すると、統括CPU31aは、入賞検知処理(図4)を実行して、前述同様、ガセ昇格演出回数の値に1加算してガセ昇格演出回数の値を「4」とし、ガセ昇格演出実行フラグをRAM31cに設定する。このとき、ガセ昇格演出回数は「4」であるので、統括CPU31aは、ステップS23の処理を行い、ガセ昇格演出フラグを設定することとなる。そして、時点Eにおいて統括CPU31aが再抽選演出実行処理(図6)を実行すると、統括CPU31aは、ガセ昇格演出開始コマンドを出力し、図7(b)の時点Eから時点E1の間でガセ昇格演出を行わせる。なお、統括CPU31aがガセ昇格演出開始コマンドを出力した後、ガセ昇格演出実行フラグはクリアされる。
次に、図7(b)の時点E2で検知信号を入力すると、統括CPU31aは、入賞検知処理(図4)を実行する。前提より確変状態が付与されておらず、また、ガセ昇格演出フラグは設定されている(ONである)ので、統括CPU31aは、そのまま入賞検知処理を終了する(ステップS12及びステップS20参照)。すなわち、この後、ゲートセンサSE2が遊技球を検知しても、大当り遊技が終了するまで再抽選演出は行われないこととなる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)大当り遊技中、演出始動ゲート27のゲートセンサSE2が遊技球を検知したことを契機に、昇格演出又はガセ昇格演出が行われる。このため、遊技者は、昇格演出又はガセ昇格演出がいつ行われるかを予想できず、大当り遊技中の演出が単調にならなくなる。また、統括CPU31aは、入賞検知処理のステップS15の判定結果が肯定である場合(確変状態が付与されると判定した場合)であって、ガセ昇格演出フラグが設定されているとき(ガセ昇格演出回数が所定回数(4回)に達したとき)には、昇格演出を実行させる(昇格演出実行フラグを設定する)。このため、確変状態が付与される場合、昇格演出が実行されずに何度もガセ昇格演出が実行されるという事態を回避することができる。また、統括CPU31aは、入賞検知処理のステップS12の判定結果が否定の場合(確変状態が付与されないと判定した場合)であって、ガセ昇格演出フラグが設定されているときには、以後、ガセ昇格演出を実行させない(ガセ昇格演出実行フラグを設定しない)。このため、昇格演出が実行されないにもかかわらず、何度もガセ昇格演出が実行されるという事態を回避することができる。従って、遊技者の興趣を向上させることができる。
(2)統括CPU31aは、確変状態が付与されると判定した場合であって、ガセ昇格演出フラグが設定されていないときには、抽選により昇格演出又はガセ昇格演出を実行させる。このため、ガセ昇格演出回数が所定回数に達していないときであっても、昇格演出が実行される場合があるので、いつ昇格演出が行われるか予測できない。従って、遊技の興趣が向上する。
(3)昇格演出を実行させた後に、ガセ昇格演出を実行させた場合、遊技者は、落胆し、昇格演出の信用度が低下するため、昇格演出に対する興趣が低下することとなる。そこで、昇格演出を実行させた後は、ガセ昇格演出を実行させないようにした。これにより、遊技者を落胆させず、かつ、昇格演出の信用度を維持することができる。従って、昇格演出に対する興趣が向上することとなる。また、意味のない昇格演出の繰り返しを防止できる。
(4)演出始動ゲート27のゲートセンサSE2が遊技球を検知したことを契機に、昇格演出又はガセ昇格演出(すなわち、再抽選演出)を実行させるか否かが決定され(ステップS14参照)、当該決定に基づき昇格演出又はガセ昇格演出が実行される。このため、例えば、確変状態が付与されない旨を報知した再抽選演出の後に行われる再抽選演出で確変状態が付与される旨の報知をすることができる(図7(a)参照)。従って、一度確変状態が付与されない旨の報知を行っても、遊技者に継続して期待感を持たせることができる。すなわち、遊技演出が単調にならなくなり、興趣が向上する。
(5)昇格演出を実行させた後に再抽選演出を実行させない場合、ゲートセンサSE2による遊技球の検知回数によっては、大当り遊技の前半で再抽選演出が実行されなくなる可能性がある。そこで、ゲートセンサSE2が遊技球を検知しても実行させない場合を発生させることにより大当り遊技の後半まで再抽選演出を実行させることができる。このため、昇格演出に対する期待感を大当り遊技中維持することができる。また、ガセ昇格演出を所定回数実行させた後、再抽選演出を実行させない場合、ゲートセンサSE2による遊技球の検知回数によっては、大当り遊技の前半で再抽選演出が実行されなくなる可能性がある。この場合、遊技者は、演出始動ゲート27を遊技球が通過したにも拘わらず、再抽選演出が行われないことから、再抽選演出が規制されて、それ以上再抽選演出が行われないことを認識することができ、昇格演出が実行される可能性がないことを認識してしまう虞がある。そこで、ゲートセンサSE2が遊技球を検知しても実行させない場合を発生させることにより、大当り遊技が終了するまで昇格演出が実行されるかもしれないという期待感を維持することができる。
(6)確変状態が付与されないにも拘わらず、昇格演出を実行させた場合、遊技者は、大当り遊技終了後、確変状態が付与されないことを知ると、落胆し、また、昇格演出の信用がなくなる。そこで、確変状態が付与されないと判定した場合には、統括CPU31aは、ガセ昇格演出だけを実行させることとした。これにより、昇格演出の信用を維持し、昇格演出に対する興趣を向上することできる。
(7)再抽選演出を実行するには、ゲートセンサSE2による遊技球の検知を前提としていることから、遊技者の技量によって再抽選演出が行われるタイミングを変更することができる。また、所定の開始周期毎に再抽選演出が実行可能に構成されているので、開始周期毎に連続して再抽選演出を行うことができる。このため、再抽選演出が単調にならず、遊技者に興趣ある遊技を提供できる。
(8)開始周期(本実施形態では、8秒)よりも短い時間(本実施形態では、2秒)で再抽選演出を実行するようにした。このため、統括CPU31aが再抽選演出の実行を開始させるときに、前回行わせた再抽選演出が未だに終了していないという状況を回避することができる。従って、再抽選演出を開始周期毎に連続して実行することができる。
(9)エンディング演出が行われる際、統括CPU31aは、確変状態が付与されるか否か及び昇格演出が実行されているか否かを判定し、その判定結果に基づいて、エンディング演出時に昇格演出を実行させた。このため、大当り遊技終了時までには、大当り遊技終了後に付与される遊技状態を確実に報知することができる。
(10)演出始動ゲート27(ゲートセンサSE2)を遊技領域13aに発射された遊技球が大入賞口24に向かう経路上に配置した。このため、演出始動ゲート27(ゲートセンサSE2)に遊技球を検知させるために、大入賞口24へ入賞させるために発射する遊技球の発射強度を変更しなくても良くなる。即ち、大当り遊技中は、わざわざ演出始動ゲート27を狙う必要はなく、大入賞口24を狙って遊技球を発射させれば良く、大当り遊技によって得られる利益を損なわせることがない。
(11)統括CPU31aは、同一の開始周期内で複数の遊技球がゲートセンサSE2で検知されても、再抽選演出を1回のみ実行させるようにした。このため、複数回再抽選演出を実行させるには、異なる開始周期において遊技球をそれぞれ演出始動ゲート27に通過させて、ゲートセンサSE2に検知させなくてはならず、遊技者を飽きさせない。
(12)ラウンド遊技が行われていないインターバル期間となり、大入賞口扉23が閉鎖されていても、ゲートセンサSE2は遊技球の検知をすることができる(図7(a)の時点C2参照)。このため、インターバル期間に遊技球を打ち出しても遊技球が無駄とならず、遊技者の興趣を向上することができる。
(13)RAM31cにタイマの値を設定して開始周期を計測することにより、各ラウンド遊技の進行状況とは無関係に開始周期を進行させた。このため、ラウンド遊技が行われていないインターバル期間であっても、再抽選演出を行うことができる(図7(a)の時点F〜時点F1参照)。従って、インターバル期間の興趣を向上することができる。また、ラウンド遊技の進行状況とは無関係に再抽選演出が行われるので、遊技者は再抽選演出が実行されるタイミングを予測しにくくなり、遊技の興趣を向上することができる。また、開始周期とラウンド遊技の開始及び終了のタイミングが関係ないので、ラウンド遊技に掛かる時間によっては、1回のラウンド遊技で複数回の再抽選演出を行わせることもできる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
○上記実施形態において、開始周期が始まる時期は、任意に変更しても良い。例えば、オープニングコマンドを入力したときに、タイマの値をRAM31cに設定するようにしてもよい。
○上記実施形態において、ゲートセンサSE2を設置する位置を任意に変更しても良い。例えば、遊技領域13aの左方に配置しても良く、また、大入賞口24の上方に配置しても良い。
○上記実施形態では、ガセ昇格演出回数の上限値を5としたが、任意に変更しても良い。例えば、ガセ昇格演出回数の上限値を4又は6としても良い。
○上記実施形態では、2秒間で再抽選演出を実行するようにしたが、任意に変更しても良い。例えば、8秒間で再抽選演出を実行させても良い。また、昇格演出とガセ昇格演出とで実行する時間を変更するようにしても良い。なお、再抽選演出の実行時間は、開始周期よりも短い時間で行われることが望ましい。
○上記実施形態において、統括CPU31aは、大当りとなる場合、図柄指定コマンドで指定された最終停止図柄が確変図柄又は非確変図柄の何れであっても非確変図柄の中から仮停止図柄を決定してもよい。これにより、入賞検知処理のステップS10の処理を行わなくても良くなる。
○上記実施形態において、統括CPU31aは、同一の開始周期内で複数の遊技球がゲートセンサSE2で検知されても、再抽選演出の実行可否の抽選を1回のみ実行させるようにしたが、検知した数を累積して後の開始周期において再抽選演出の実行可否の抽選を実行させるようにしても良い。このようにすれば、ゲートセンサSE2により検知された遊技球が無駄となることがなくなる。
○上記実施形態の再抽選演出において、図柄を変動表示させるような演出を行っても良い。この場合、昇格演出では、確変図柄で停止するように図柄が変動表示されることとなり、また、ガセ昇格演出では、非確変図柄で停止するように図柄が変動表示されることとなる。
○上記実施形態において、大当り遊技状態終了後の遊技状態として変動時間短縮状態を付与するようにしても良い。変動時間短縮状態(時短状態)は、所定のゲートを通過した場合における始動入賞口22に遊技球を入賞し易くするか否か(開閉羽根21を開動作させるか否か)の抽選結果を導出する時間が短縮された状態をいう。時短状態は、始動入賞口22に遊技球が入賞し易くなることから、持ち球を減らすことなく大当りの抽選を行うことができ、遊技者に有利な状態となる。
○上記実施形態では、ガセ昇格演出フラグ又は昇格演出フラグを設定することにより、昇格演出を行った後又はガセ昇格演出回数が所定回数に達した後は、再抽選演出を実行させないようにした。この別例として、演出始動ゲート27に開閉扉を設けて、昇格演出を行った後又はガセ昇格演出回数が所定回数に達した後は、開閉扉を閉鎖させることにより、物理的に演出始動ゲート27への遊技球の通過を規制して、再抽選演出を実行させないようにしても良い。
○上記実施形態のステップS14において、再抽選演出を行うか否かを決定したが、この処理を省略して必ず行うようにしても良い。すなわち、ゲートセンサSE2が遊技球を検知した場合、必ず再抽選演出を実行させても良い。
○上記実施形態において、確変状態が付与される場合であり、且つ、昇格演出が未だに行われていない場合に、所定ラウンドのラウンド遊技開始を示すラウンドコマンドを入力した以降に検知信号を入力したとき、昇格演出実行フラグ及び昇格演出フラグを強制的に設定するようにしても良い。例えば、確変状態が付与される場合であり、且つ、昇格演出が未だに行われていない場合に、10ラウンド目のラウンド遊技の開始を示すラウンドコマンドを入力した後に検知信号を入力したとき、昇格演出実行フラグを設定して昇格演出を強制的に実行させても良い。このようにすれば、確変状態が付与されるにもかかわらず、ラウンド遊技中に昇格演出が行われないという事態を少なくすることができる。
○上記実施形態では、確変状態が付与される場合であって、ラウンド遊技中に昇格演出が行われなった場合、エンディング演出が行われる際、大当り遊技終了後に付与される遊技状態を報知していたが、報知するタイミングを任意に変更しても良い。例えば、大当り遊技終了後、最初の図柄組み合わせゲームが開始される前までに報知しても良い。
○上記実施形態では、所定の開始周期毎に再抽選演出を実行可能に構成したが、再抽選演出を所定の開始周期毎に行わなくても良い。例えば、ゲートセンサSE2が遊技球を検知すると同時に(統括CPU31aが検知信号を入力すると同時に)、再抽選演出を実行可能に構成してもよい。
○上記実施形態において、図柄組み合わせゲームにて表示される図柄によっては、確変状態が付与されたか否かを識別できない図柄によって、図柄組み合わせゲームを行っても良い。これにより、大当り遊技中における再抽選演出への興趣が向上する。
○上記実施形態では、ステップS13の判定結果が否定の場合(昇格演出フラグがONの場合)及びステップS20の判定結果が否定の場合(ガセ昇格演出フラグがONの場合)、統括CPU31aは、入賞検知処理をそのまま終了していた。この別例として、ステップS13又はステップS20の判定結果が否定の場合、ステップS14に移行したときには再抽選演出の抽選結果を必ず否定にするように設定して、ステップS14の処理に移行するようにしても良い。これにより、必ず再抽選演出の抽選が行われることとなる。
○上記実施形態において、統括CPU31aがステップS14の処理(再抽選演出を実行させるか否かを決定する処理)を行う際、統括CPU31aが再抽選演出を実行させるか否かの抽選を行っていることを示す遊技演出を、装飾ランプ16などに行わせても良い。このようにすれば、演出始動ゲート27に遊技球が入賞した際、再抽選演出を抽選にて決定しているか否かを判別することができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記演出実行手段は、前記大当り遊技中、所定の開始周期毎に前記昇格報知演出又は非昇格報知演出を実行させることが可能に構成されており、前記昇格報知演出又は前記非昇格報知演出を実行させる場合には、前記演出始動検知手段による遊技球の検知時点から直近の開始周期において、前記昇格報知演出又は前記非昇格報知演出を実行させることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。このため、ラウンド遊技に囚われることなく、昇格報知演出又は非昇格報知演出を実行させることができる。
(ロ)図柄変動ゲーム中、大当り遊技が開始されるまでは、前記特別状態が付与されるか否かについて示唆しないように前記表示手段の表示内容を制御する表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。図柄変動ゲーム終了時にて表示される大当り表示結果からは特別状態が付与されるか否か判別できないので、大当り遊技中の昇格報知演出及び非昇格報知演出に対する興趣を向上させることができる。
(ハ)前記大当り表示結果は、大当り遊技終了後に特別状態が付与されることを示唆する特定大当り図柄、又は大当り遊技終了後に特別状態が付与されないことを示唆する非特定大当り図柄によって表示されるようになっており、大当り表示結果を表示させる図柄変動ゲームの終了時においては、必ず前記非特定大当り図柄を表示させるように前記表示手段の表示内容を制御する表示制御手段を備えたことを特徴とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。図柄変動ゲーム終了時にて表示される大当り表示結果は必ず特別状態が付与されないと示唆されるので、大当り遊技中の昇格報知演出及び非昇格報知演出に対する興趣を向上させることができる。
(ニ)前記大当り表示結果は、大当り遊技終了後に特別状態が付与されることを示唆する特定大当り図柄、又は大当り遊技終了後に特別状態が付与されないことを示唆する非特定大当り図柄によって表示されるようになっており、前記状態判定手段の判定結果が肯定である場合、大当り表示結果を表示させる図柄変動ゲームの終了時において、前記特定大当り図柄又は前記特定大当り図柄に代えて非特定大当り図柄により大当り表示結果を表示させるように表示手段の表示内容を制御する表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。状態判定手段が肯定判定した場合であっても、図柄変動ゲーム終了時において特別状態が付与されないことを示唆する非特定大当り図柄により大当り表示結果が表示される場合がある。このため、図柄変動ゲーム終了時において非特定大当り図柄により大当り表示結果が表示された場合であっても、大当り遊技中に昇格報知演出が実行されるかもしれないという期待感を抱くことができる。また、特別状態が付与されることを示唆する特定大当り図柄で大当り表示結果が表示される場合があるので、図柄変動ゲーム中、特定大当り図柄で大当り表示結果が表示されるかもしれないという期待感を損ねることがなくなる。
10…パチンコ遊技機(遊技機)、20…表示装置、27…演出始動ゲート、SE2…ゲートセンサ(演出始動検知手段)、30…主制御基板、30a…メインCPU、31…統括制御基板、31a…統括CPU(演出実行手段、演出決定手段、状態判定手)、31c…RAM(記憶手段)、32…表示制御基板、32a…サブCPU、H…可変表示器(表示手段、報知手段)。