JP2008007849A - 無電解めっき用プライマー組成物及び無電解めっき方法 - Google Patents

無電解めっき用プライマー組成物及び無電解めっき方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 基材表面への粗化工程を省略したり、又、基材表面へ更に受容層を設けて粗さを付与する工程を追加せずに、平滑な表面の非導電性基材に、その平滑性を低下させることなく、基材への密着性に優れためっき膜を無電解めっきによって形成することが可能な無電解めっき用プライマー組成物を提供する。
【解決手段】 金属コロイド粒子、120℃以下で硬化可能な硬化性組成物及び溶媒を含有する無電解めっき用プライマー組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無電解めっき用プライマー組成物及び無電解めっき方法に関する。
無電解めっきは、プラスチック、セラミックス、繊維等の非導電性基材の表面に導電性を付与する技術として種々の分野で広く利用されている。非導電性基材の表面に無電解めっきを施すには、触媒付与工程が必要となるが、通常、めっきの密着力を得るために触媒付与工程の前に基材表面に粗化処理が行われる。
基材表面の粗化は、無電解めっきによって析出するめっき層と基材との密着性をアンカー効果によって高めることを目的として行われている。粗化は、基材の表面をエッチングする工法、プラスチック基材の場合は、エッチング処理前にアルカリ性溶剤で膨潤させる処理を施す方法等によって行われている。
しかし、予め基材表面の粗化を行った後に、触媒付与、無電解めっきを行う方法は、工程が多く、複雑になる。また、粗化を行った場合、めっきによって形成された導電体回路が非平坦となるため、導電体回路の電気信号伝送特性が高周波領域において表皮効果の影響により悪化するという問題もある。
基材表面の粗化が不要であるめっき方法として、触媒付与前にプライマーを塗布する方法(特許文献1等)、触媒付与前に金属に配位可能な構造を有する化合物を接触(付着)させた硬化性樹脂組成物の硬化膜を形成する方法(特許文献2等)が開示されている。これらは、基材表面にめっき触媒を固定化するために前処理を行う方法であるため、工程が複雑である。
特許文献3〜4には、湿気硬化性シリコーン樹脂等の湿気硬化性樹脂又はシランカップリング剤を含むプライマーを塗布した後に、触媒付与、無電解めっきを行う金属めっき方法が開示されている。しかし、ここでは、湿気硬化性樹脂やシランカップリング剤をプライマーの成分として用いることが開示されているにすぎない。また、触媒付与前にプライマーを塗布する方法であるため、工程が複雑である。
また、めっき触媒性能を有する金属微粒子を分散させたインクを用いてパターンを形成した後に、無電解めっきを施す配線パターン形成方法が開示されている(特許文献5等)。しかし、これらにおいては、使用する金属微粒子分散液について詳細に検討されていない。また、基材とめっき膜との密着性の向上についても詳細に検討されていない。
特許文献6には、金属微粒子を含む分散液を用いて下地導電パターンを形成した後、電解めっき処理する導電パターンの形成方法において、金属膜の密着性を改良するために、分散液にジフェニルシラン等の有機ケイ素化合物を添加することが開示されている。しかし、ここに記載の方法は電解めっきを施す方法であり、無電解めっきを施す方法ではない。また、使用する分散液について詳細に検討されていない。
特許文献7には、金属の超微粒子を含むナノインクを用いてメッキ用シードパターンを形成した後、無電解メッキ処理により導電膜パターンを形成する方法が開示されており、金属膜の密着性を改良するために、有機ケイ素化合物を添加することが記載されている。しかし、ここでは、使用する分散液について詳細に検討されていない。また、粗化した基材のめっき方法が主として開示されているにすぎない。
特許文献8には、スクリーン印刷等で金属コロイド粒子を含むチキソトロピー性の高いペーストでパターニングし、パターン印刷された無電解めっき触媒となる金属コロイド上に無電解メッキを施して金属層のパターンを形成する方法が記載されている。しかし、ここでは金属コロイドを担持するシリカゾルやアルミナゾルを併用しており、無電解めっきにより得られる金属層は平滑でないとの問題がある。
特許文献9には、受容層を有する基板上にインクジェット記録方式により無電解めっき触媒として作用する金属コロイド粒子を含んだインクを噴射してパターンを形成し、無電解めっき法によりパターン上に導電性金属層を形成することが公開されている。しかし、ここではシリカゲルやアルミナゾルといった無機粒子と高分子バインダーからなる受容層を基材上に前もって形成することが必要であり、基材の価格上昇を招くといった問題がある。また、受容層は無機粒子により多孔性の構造となるために、必然的に受容層上に形成された金属層は平坦な形状とならないとの問題もある。
特開平10−317153号公報 特開2003−332738号公報 特開2001−107255号公報 特開2001−107256号公報 特開2002−134878号公報 特開2003−209341号公報 特開2004−200288号公報 特開平11−170420号公報 特開2000−311527号公報
本発明は、上記現状に鑑み、基材表面への粗化工程を省略したり、又、基材表面へ更に受容層を設けて粗さを付与する工程を追加せずに、平滑な表面の非導電性基材に、その平滑性を低下させることなく、基材への密着性に優れためっき膜を無電解めっきによって形成することが可能な無電解めっき用プライマー組成物、及び、それを用いた無電解めっき方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、金属コロイド粒子、120℃以下で硬化可能な硬化性組成物及び溶媒を含有することを特徴とする無電解めっき用プライマー組成物である。
上記金属コロイド粒子は、銀コロイド粒子、パラジウムコロイド粒子又は銀/パラジウムの複合コロイド粒子であることが好ましい。
金属コロイド粒子は、高分子量顔料分散剤の存在下で金属化合物を還元することによって得られたものであることが好ましい。
硬化性組成物は、オキサゾリン基含有化合物及び/又はカルボジイミド基含有化合物を含有することが好ましい。
上記硬化性組成物は、1分子中に2個以上の架橋可能な加水分解性置換シリル基を有する化合物を含むものであることが好ましい。
上記硬化性組成物は、第1のシランカップリング剤(i)と、上記第1のシランカップリング剤(i)が有する反応性官能基に反応可能な他の反応性官能基を有する第2のシランカップリング剤(ii)との混合物又は反応混合物を含むものであることが好ましい。
硬化性組成物は、更にカルボジイミド基含有化合物を含有するものであることが好ましい。
上記第1のシランカップリング剤(i)が有する反応性官能基がエポキシ基であり、上記第2のシランカップリング剤(ii)が有する反応性官能基がエポキシ基に反応可能な他の反応性官能基であることが好ましい。
上記エポキシ基に反応可能な他の反応性官能基が、アミノ基であることが好ましい。
上記硬化性組成物は、2個以上の反応性官能基を有する化合物(iii)と、上記反応性官能基に反応可能な他の反応性官能基を有する第3のシランカップリング剤(iv)との混合物又は反応混合物を含むものであることが好ましい。
上記2個以上の反応性官能基がエポキシ基であることが好ましい。
上記反応性官能基に反応可能な他の反応性官能基がアミノ基であることが好ましい。
上記加水分解性置換シリル基は、下記一般式;
Figure 2008007849
(式中、R、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは1、2又は3の整数を表す。)で表される官能基であることが好ましい。
本発明はまた、非導電性基材の表面に上述の無電解めっき用プライマー組成物を塗布し、120℃以下の温度条件で硬化させることによってプライマー層を形成する工程(1)及び上記工程(1)で形成されたプライマー層上に無電解めっきを行う工程(2)を含むことを特徴とする無電解めっき方法でもある。
上記無電解めっき方法において、硬化は、雰囲気中の湿気によるものであることが好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の無電解めっき用プライマー組成物(以下、単に「プライマー組成物」ともいう)は、金属コロイド粒子及び溶媒以外に、必須成分として120℃以下で硬化可能な硬化性組成物を含有するものである。上記無電解めっき用プライマー組成物がこれらの成分を含むものであるため、これを用いて非導電性基材上にプライマー層を形成させた後に、無電解めっきを行った場合、基材に強固に密着しためっき膜を得ることができる。
これは、塗布した上記硬化性組成物が硬化することによって上記金属コロイド粒子を非導電性基材上において強固に固着させられるからであると推察される。その結果、無電解めっきにおいて、固着した金属コロイド粒子がめっき核となって無電解めっきが進行するため、形成されるめっき膜も基材表面に強固に密着させることが可能となると推察される。
上記無電解めっき用プライマー組成物を用いれば、平滑な表面を有する非導電性基材に、優れた密着性を有するめっき膜を形成することができる。このため、粗化を必須工程としなくてもよい。従って、粗化で導電体回路が非平坦となることによって、電気信号伝送特性が高周波領域で悪化することを防止することができる。
本発明のプライマー組成物は、金属コロイド粒子を含むものである。上記金属コロイド粒子は無電解めっきにおける触媒能を有するものである。このような金属コロイド粒子であれば、特に限定されることなく使用することができ、製造方法等は問わない。
上記金属コロイド粒子を構成する金属としては、無電解めっきにおける触媒能を有する金属であれば特に限定されず、例えば、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等等の貴金属、銅、ニッケル、コバルトを挙げることができる。また、複合金属であってもよく、銀及びパラジウム、銀及び白金、銅及びパラジウム、銅及び白金の複合金属等を挙げることができる。なかでも、銀、パラジウム、銀及びパラジウムの複合金属であることが好ましい。
上記金属コロイド粒子は、以下の製造方法により得られる金属コロイド溶液中に含まれるものであることが好ましい。すなわち、金属コロイド粒子は、高分子量顔料分散剤の存在下で金属化合物を還元することによって得られたものであることが好ましい。この場合、めっき膜の基材に対する密着性を高めることができる。また、平滑な表面を有する非導電性基材上にも良好にめっき膜を形成することができる。
上記金属コロイド溶液の好ましい製造方法の一例としては、金属コロイド粒子及び高分子量顔料分散剤を含む溶液を製造する工程(I)と、上記工程(I)で製造された溶液中の高分子量顔料分散剤の一部を除去する工程(II)とを含む方法を挙げることができる。これにより、固形分中の金属濃度が高い金属コロイド溶液を得ることができる。
上記工程(I)において、上記金属コロイド粒子及び高分子量顔料分散剤を含む溶液は、高分子量顔料分散剤存在下で金属化合物を還元することにより得られる。
上記金属化合物は、溶媒に溶解することにより金属イオンを生じ、上記金属イオンが還元されて金属コロイド粒子を供給するものである。この方法で得られる金属コロイド粒子を形成する金属としては、例えば、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等の貴金属、銅、ニッケル、コバルトを挙げることができる。
上記金属化合物としては上述の金属を含むものであれば特に限定されず、例えば、テトラクロロ金(III)酸四水和物(塩化金酸)、硝酸銀、酢酸銀、過塩素酸銀(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(塩化白金酸)、塩化白金酸カリウム、塩化銅(II)二水和物、酢酸銅(II)一水和物、硫酸銅(II)、塩化パラジウム(II)二水和物、三塩化ロジウム(III)三水和物等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上を使用することができる。
上記金属化合物は、溶媒中の金属モル濃度が0.01mol/l以上となるように用いられることが好ましい。0.01mol/l未満であると、得られる金属コロイド溶液の金属モル濃度が低すぎて、効率的でない。
好ましくは0.05mol/l以上、より好ましくは0.1mol/l以上である。
上記溶媒としては上記金属化合物を溶解することができるものであれば特に限定されず、例えば、水、有機溶媒等を挙げることができる。上記有機溶媒等としては特に限定されず、例えば、エタノール、エチレングリコール等の炭素数1〜4のアルコール;アセトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。上記溶媒としては1種又は2種以上を用いることができる。上記溶媒が水と有機溶媒との混合物である場合には、上記有機溶媒としては、水可溶性のものが好ましく、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコール等が挙げられる。本発明においては、後工程で行う限外濾過等の高分子量顔料分散剤の一部を除去する方法に適する点から、水、アルコール並びに水及びアルコールの混合溶液が好ましい。
上記高分子量顔料分散剤は、高分子量の重合体に顔料表面に対する親和性の高い官能基が導入されているとともに、溶媒和部分を含む構造を有する両親媒性の共重合体であり、通常は顔料ペーストの製造時に顔料分散剤として使用されているものである。
上記高分子量顔料分散剤は、上記金属コロイド粒子と共存しており、上記金属コロイド粒子が溶媒中で分散するのを安定化する働きをしていると考えられる。
上記高分子量顔料分散剤の数平均分子量は、1000〜100万であることが好ましい。1000未満であると、分散安定性が充分ではないことがあり、100万を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となる場合がある。より好ましくは、2000〜50万であり、更に好ましくは、4000〜50万である。
上記高分子量顔料分散剤としては上述の性質を有するものであれば特に限定されず、例えば、特開平11−80647号公報に例示したものを挙げることができる。
上記高分子量顔料分散剤としては、種々のものが利用できるが、市販されているものを使用することもできる。上記市販品としては、例えば、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース41090(以上、アビシア社製)、ディスパービック、ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック181、ディスパービック182、ディスパービック−183、ディスパービック184、ディスパービック185、ディスパービック187、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192、ディスパービック194、ディスパービック2000、ディスパービック2001、ディスパービック2090、ディスパービック2091、ディスパービック2095(以上、ビックケミー社製)、ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453、EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49、EFKA−1501、EFKA−1502、EFKA−4540、EFKA−4550(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、フローレンDOPA−158、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンG−700、フローレンTG−720W、フローレン−730W、フローレン−740W、フローレン−745W、(以上、共栄社化学社製)、アジスパーPA−111、アジスパーPB−711、アジスパーPB−811、アジスパーPB−821、アジスパーPB−822、アジスパーPN−411、アジスパーPW−911(以上、味の素ファインテクノ社製)、ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62(以上、ジョンソンポリマー社製)等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記高分子量顔料分散剤の使用量は、上記金属化合物中の金属と高分子量顔料分散剤との合計量に対して90質量%以下であることが好ましい。90質量%を超えると、増分に見合うだけの効果が期待できない。より好ましくは、60質量%以下であり、更に好ましくは、40質量%以下である。特に好ましくは、20質量%以下である。
上記金属化合物は、上述の高分子量顔料分散剤存在下で、還元性化合物を用いて金属へ還元することができる。上記還元性化合物としては、アミンが好ましく、上記金属化合物及び高分子量顔料分散剤の溶液にアミンを添加して攪拌、混合することによって、金属イオンが常温付近で金属に還元される。上記アミンを使用することにより、危険性や有害性の高い還元剤を使用する必要がなく、加熱や特別な光照射装置を使用することなしに、5〜100℃程度、好ましくは20〜80℃程度の反応温度で、金属化合物を還元することができる。
上記アミンとしては特に限定されず、例えば、特開平11−80647号公報に例示されているものを使用することができ、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族アミン;ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピペラジン、N,N′−ジメチルピペラジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、モルホリン等の脂環式アミン;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジン等の芳香族アミン;ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、フェネチルアミン、キシリレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルキシリレンジアミン等のアラルキルアミン等を挙げることができる。また、上記アミンとして、例えば、メチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、2−(3−アミノプロピルアミノ)エタノール、ブタノールアミン、ヘキサノールアミン、ジメチルアミノプロパノール等のアルカノールアミンも挙げることができる。これらのうち、アルカノールアミンが好ましく、ジメチルエタノールアミンがより好ましい。
上記アミンの他に、従来より還元剤として使用されている水素化ホウ素ナトリウム等のアルカリ金属水素化ホウ素塩;ヒドラジン化合物;クエン酸;酒石酸;アスコルビン酸;ギ酸;ホルムアルデヒド;亜ニチオン酸塩、スルホキシル酸塩誘導体、二酸化チオ尿素等を使用することができる。入手容易なことから、クエン酸;酒石酸;アスコルビン酸が好ましい。これらは、単独又は上記アミンと組み合わせて使用することが可能であるが、アミンとクエン酸、酒石酸、アスコルビン酸を組み合わせる場合、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸はそれぞれ塩の形のものを用いることが好ましい。また、クエン酸やスルホキシル酸塩誘導体は、鉄(II)イオンと併用することによって、還元性の向上を図ることができる。
上記還元性化合物の添加量は、上記金属化合物中の金属を還元するのに必要な量以上であることが好ましい。この量未満であると、還元が不充分となるおそれがある。また、上限は特に規定されないが、上記金属化合物中の金属を還元するのに必要な量の30倍以下であることが好ましく、10倍以下であることがより好ましい。
また、これらの還元性化合物の添加により化学的に還元する方法以外に、高圧水銀灯を用いて光照射する方法も使用することも可能である。
上記還元性化合物を添加する方法としては特に限定されず、例えば、上記高分子量顔料分散剤の添加後に行うことができ、この場合は、例えば、まず溶媒に上記高分子量顔料分散剤を溶解させ、更に、上記還元性化合物又は金属化合物の何れかを溶解させて得られる溶液に、還元性化合物又は金属化合物の残った方を加えることで、還元を進行させることができる。上記還元性化合物を添加する方法としては、また、先に高分子量顔料分散剤と上記還元性化合物とを混合しておき、この混合物を金属化合物の溶液に加える形態をとってもよい。
上記還元により、平均粒子径が約5nm〜100nmである金属コロイド粒子を含む溶液が得られる。
上記還元後の溶液は、上記金属コロイド粒子及び上述の高分子量顔料分散剤を含むものであり、コロイド溶液となる。上記コロイド溶液とは、金属の微粒子が溶媒中に分散しており、溶液として視認できるような状態にあるものを意味している。
上記還元後の溶液は、上記金属コロイド粒子及び上記高分子量顔料分散剤のほかに、金属コロイド溶液の原料に由来する塩化物イオン等の雑イオン、還元で生じた塩や、場合によりアミンを含むものであり、これらの雑イオン、塩やアミンは、得られる金属コロイド溶液の安定性に悪影響を及ぼすおそれがあるので、除去しておくことが望ましい。これらの成分の除去には、電気透析、遠心分離、限外濾過の方法が用いられるが、遠心分離及び限外濾過の方法を用いた場合、同時に金属濃度が高められるので好ましい。
上記製造方法においては、無電解めっきにおける触媒能を有する複合金属である銀及びパラジウム、銀及び白金、銅及びパラジウム、銅及び白金等の複合コロイド粒子を含む金属コロイド溶液を得ることも可能である。このような金属コロイド溶液を得る場合は、例えば、以下に述べる方法で工程(I)を行うことができる。
上記複合コロイド粒子とは、2種以上の金属からなる合金等を挙げることができる。上記合金とは、2種類の金属が原子レベルから、層状、グラニュラー状、アモルファス状等のミクロなレベルで混合した状態になっていることを意味する。なお、上記混合は全体が同じ状態ではなく、ある部分は層状が支配的になっており、また、ある部分は、アモルファス状が支配的になっているといったように、部分部分でその構成が異なっているものと推察される。
上記複合コロイド粒子を含む金属コロイド溶液を製造する場合、上記工程(I)では、上記高分子量顔料分散剤存在下で、2種の金属イオン(例えば、銀イオン及び白金イオン、銅イオン及びパラジウムイオン、銅イオン及び白金イオン)を含有する2種金属溶液から金属水酸化物類を析出させた後に、還元反応させることによって、2種金属からなる複合コロイド粒子(銀及びパラジウム、銀及び白金、銅及びパラジウム、銅及び白金等の複合コロイド粒子)、高分子量顔料分散剤を含む溶液を製造することができる。
上記高分子量顔料分散剤は、上述したものと同様のものを用いることができ、2種の金属の種類に応じて適宜選択して使用すればよい。
上記2種金属溶液は、それぞれの金属を含む金属化合物を、溶媒に溶解させて得られる。上記金属化合物としては、上記溶媒に溶解して金属イオンを生成するものであればよい。
上記金属化合物の例として、上述した銀、パラジウム、白金、銅を含む化合物を用いることができる。
上記2種金属溶液に含まれる金属イオンの供給源となる金属化合物(上述した化合物)は、上記2種金属溶液中の金属モル濃度(2種金属の合計量)が0.01mol/l以上となるように用いられることが好ましい。0.01mol/l未満であると、得られる複合コロイド粒子含有溶液の金属モル濃度が低すぎて、効率的でない。好ましくは0.05mol/l以上、より好ましくは0.1mol/l以上である。
上記2種金属溶液中の溶媒としては、上記金属化合物を溶解することができるものであれば特に限定されず、例えば、上述した水、有機溶媒等を用いることができる。
上記高分子量顔料分散剤の使用量は、上記金属化合物中の金属(2種金属の合計量)と高分子量顔料分散剤との合計量に対して90質量%以下であることが好ましい。90質量%を超えると、増分に見合うだけの効果が期待できない。より好ましくは、60質量%以下であり、更に好ましくは、40質量%以下である。
上記複合コロイド粒子を含む金属コロイド溶液を製造する場合には、このようにして調製された上記2種金属溶液に沈殿剤を加えて、金属水酸化物類を析出させる。この金属水酸化物類とは、金属水酸化物、金属オキシ水酸化物、金属酸化物及びこれらの混合物を意味するものであり、用いる金属の種類によって、その構成は異なってくる。
上記沈殿剤としては、塩基性化合物を用いることができる。系を塩基性にすることで、溶媒に溶けにくい金属水酸化物類が生成すると考えられる。具体的な沈殿剤としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物や炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の塩基性アルカリ金属塩やアミンやグアニジン、イミダゾール等の水溶性の有機塩基化合物等が挙げられる。これらは、用いている金属により適宜選択され得る。特に還元作用をも有する水溶性脂肪族アミンが好適に用いられる。なお、加えられる沈殿剤の量は、沈殿させる対象の金属塩の規定度に対して、0.1〜10倍量とすることができる。
上記複合コロイド粒子を含む金属コロイド溶液を製造する場合には、この金属水酸化物類が析出した状態で還元を行う。還元は還元剤を系に添加することにより行なわれる。
上記還元剤としては、例えば、上述したアミンを用いることができる。また、上記アミンの他に、上述した従来より還元剤として使用されているものを用いることもできる。必要に応じて、アミンよりも強い還元力を有するものであることが好ましく、なかでも、安全性と反応効率の観点から、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム(ロンガリット)、炭酸ヒドラジンが好ましい。これらの還元剤は適切なものを組み合わせて使用することができる。
上記還元剤の添加量は、上記2種金属溶液に含まれる金属イオンを還元するのに必要な量以上であることが好ましく、上述した量と同様の量であることが好ましい。
上記還元剤を添加する方法として、2種の金属を含む金属水酸化物類が析出した後に、還元反応する場合には、例えば、一方の金属を含む化合物及び他方の金属を含む化合物と高分子量顔料分散剤とを溶解させて得られる溶液に、還元剤を加えることで行うことや、高分子量顔料分散剤及び還元剤を溶解させて得られる溶液に、一方の金属を含む化合物及び他方の金属を含む化合物を溶解した溶液を加えることで行うことができる。また、先に高分子量顔料分散剤と還元剤とを混合しておき、この混合物を、一方の金属を含む化合物及び他方の金属を含む化合物を溶解した溶液に加える形態をとってもよい。なお、複合コロイド粒子含有溶液の製造に際し、一方の金属を含む化合物及び他方の金属を含む化合物と高分子量顔料分散剤との混合液が濁っていてもよい。
また、上記還元剤を添加する方法としては、一方の金属を含む化合物と高分子量顔料分散剤と還元剤とを溶解させて得られる溶液に、他方の金属を含む化合物を溶解した溶液を加えることでも行うことができる。
上記複合コロイド粒子を含む金属コロイド溶液を製造する場合、上述したように工程(I)を行うことによって金属水酸化物類の析出、還元反応を進行させることにより、平均粒子径が約5nm〜100nmである、複合コロイド粒子を含む溶液が得られる。
上記製造方法においては、上記工程(I)の後に、上記工程(I)で製造された溶液中の高分子量顔料分散剤の一部を除去する工程(II)を行う。上記高分子量顔料分散剤の一部を除去することにより、金属濃度を高める。ここで上記高分子量顔料分散剤の一部を除去する対象となる金属コロイド粒子を含む溶液は、その金属コロイド粒子及び高分子量顔料分散剤からなる固形分が質量基準で0.05〜50%であることが好ましい。0.05%未満であると、金属モル濃度が低すぎて非効率的であり、50%を超えると高分子量顔料分散剤の一部を除去するのが困難な場合がある。
上記高分子量顔料分散剤の一部を除去する方法としては、遠心分離、限外濾過が挙げられる。
上記遠心分離を行うことによって、金属コロイド粒子は沈殿するが、上記不要な雑イオン、塩やアミン及び上記高分子量顔料分散剤は上澄み液中に溶解しているため、上澄み液を除くことにより、これらの成分を除去することができる。このようにして残った金属コロイド粒子は、溶剤を加えて洗浄し、更に遠心分離を繰り返して行うことにより、除去効果を高めることができる。上記遠心分離は、従来公知の方法により行うことができる。
上記限外濾過(Ultrafiltration:UF)は、精密濾過(Microfiltration:MF)に用いられる濾過膜よりも更にふるいの目が小さいものである。限外濾過は、通常、高分子量物質やコロイド物質の分離を目的として用いられるものであるが、本発明においては、金属コロイド溶液の固形分中の金属濃度を高めるために用いる。上記限外濾過は、従来公知の方法により行うことができる。
このように遠心分離及び限外濾過によって得られる金属コロイド溶液は、処理前の金属コロイド粒子及び高分子量顔料分散剤を含む溶液における固形分中の金属濃度の値により具体的な値は異なるが、処理前に比べて、固形分中の金属濃度が増加している。好ましくは、処理して得られる金属コロイド溶液の固形分中の金属濃度が80質量%以上である。更に好ましくは90質量%以上である。また、好ましくは、処理前後で固形分中の金属濃度の差が3質量%以上である。
また、上記遠心分離によって得られた金属コロイド高濃度溶液の固形分濃度は、上記限外濾過によって得られたものに比べて高いが、溶剤を加えて最終的には、固形分が1〜50質量%に調整されることが好ましい。ここでも、加える溶剤として、還元時に用いていたものと異なる種類のものを用いることで、金属コロイド溶液の溶剤を置換することが可能である。
なお、固形分中の金属濃度とは、金属コロイド溶液中に含まれる固形分100質量%中に占める金属の質量%を意味する。固形分量及び金属量は、100〜150℃及び数100℃でそれぞれ加熱して得られる残分を測定することにより求めることができる。具体的には、TG−DTAを用いて、140℃まで10℃/分で昇温した後、30分間、140℃を維持して、まず固形分量を求める。その後、500℃まで再び10℃/分で昇温した後、30分間、500℃を維持して金属量を求める。本明細書における金属濃度の測定は、特に断りのない限り、この方法を用いて行ったものである。
上記工程(II)によって得られた金属コロイド溶液は、溶剤を加えて最終的には、固形分が1〜50質量%に調整されたものであることが好ましい。ここでも、加える溶剤として、還元時に用いていたものと異なる種類のものを用いることで、金属コロイド溶液の溶剤を置換することが可能である。
上記製造方法は、銀コロイド粒子、パラジウムコロイド粒子又は銀/パラジウムの複合コロイド粒子を含む金属コロイド溶液を製造するのに特に好適に用いられる。
本発明の無電解めっき用プライマー組成物は、120℃以下の温度で硬化可能な硬化性組成物を含有するものである。120℃以下の温度で硬化可能な硬化性組成物とは、120℃以下の温度に晒すことによって、反応、硬化を進行させる組成物であり、例えば、湿気硬化性組成物、UV硬化性組成物、電子線硬化性組成物、レドックス重合硬化性組成物等を挙げることができる。この中では湿気硬化性組成物が好ましい。
上記硬化性組成物を用いることにより、めっき膜の基材への密着性を高めることができる。また、120℃以下で硬化させることができる。よって、これを含むプライマー組成物を用いてプライマー層を形成する際、金属コロイド粒子の凝集を抑制することが可能となる。そして、プライマー層中において凝集していない金属コロイド粒子は、無電解めっきにおいて、充分な触媒能が発揮され、基材表面への密着性に優れためっき膜が形成される。特に、平滑な表面を有する基材に対して適用した場合であっても、優れた密着性を有するめっき膜を得ることができる。120℃を超えると、コロイド粒子の凝集を抑制することができず、コロイド粒子が凝集することにより、その結果触媒能が低下する。
上記硬化性組成物は、20〜100℃で硬化可能なものであることが好ましく、20〜70℃で硬化可能なものであることがより好ましい。これにより、優れた密着性を有するめっき膜を得ることができる。
上記硬化性組成物は、オキサゾリン基含有化合物及び/又はカルボジイミド基含有化合物を含有することが好ましい。これらの化合物は、安全性が高く、高分子量顔料分散剤との親和性が高いからである。
上記硬化性組成物がオキサゾリン基含有化合物及び/又はカルボジイミド基含有化合物を含有する場合、上記硬化性組成物は、そのオキサゾリン基含有化合物及び/又はカルボジイミド基含有化合物が上記高分子量顔料分散剤と反応して硬化すると推測される。
上記硬化性組成物がオキサゾリン基含有化合物及び/又はカルボジイミド基含有化合物を含有する場合、そのオキサゾリン基含有化合物及び/又はカルボジイミド基含有化合物と反応し得る上記高分子量顔料分散剤として、酸性官能基を有するものを用いることができる。上記酸性官能基としては、特に限定されるものではなく、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基等を挙げることができる。上記酸性官能基のなかでは、カルボキシル基が好ましい。上記酸性官能基がリンや硫黄を有していると、めっき後に金属電極や配線として用いる場合にリンや硫黄が悪影響を及ぼすおそれがあるからである。また、酸性官能基以外の官能基、例えば、アミノ基を有するものを用いることも可能である。なお、カルボジイミド基含有化合物は、自己硬化能を有しているので、その全部が上記高分子量顔料分散剤と反応するものではないと推測される。
上述した高分子量顔料分散剤のうち、カルボキシル基等の酸性官能基を有するものとしては、例えば、ディスパービック、ディスパービック180、ディスパービック187、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック194、ディスパービック2090、ディスパービック2091、ディスパービック2095(以上、ビッグケミー社製)、アジスパーPB−821、アジスパーPB−822、アジスパーPN−411、アジスパーPA−111(以上、味の素ファインテクノ社製)等を挙げることができる。
上述した高分子量顔料分散剤のうち、アミノ基を有するものとしては、例えば、ディスパービック、ディスパービック180、ディスパービック183、ディスパービック184、ディスパービック185、ディスパービック187、ディスパービック191(以上、ビッグケミー社製)、アジスパーPB−711、アジスパーPB−821、アジスパーPB−822(以上、味の素ファインテクノ社製)等を挙げることができる。
上記硬化性組成物の硬化は、プライマー層をアセトン等の有機溶剤に浸漬して上記プライマー層の質量変化が生じるか否かによって確認することが可能である。また、上記硬化性組成物の硬化は、例えば、IRスペクトルにおける所定のピークが生成することによって確認することも可能である。
上記硬化性組成物がオキサゾリン基含有化合物を含有する場合、高分子量顔料分散剤としては、例えば、カルボキシル基を有するものを用いることができる。
なお、上記硬化性組成物が硬化する際には、上記硬化性組成物が有するオキサゾリン基と、上記高分子量顔料分散剤が有するカルボキシル基とが、下記式に示すようにアミドエステル結合するものと考えられる。
Figure 2008007849
上記オキサゾリン基含有化合物は、1分子中に、複数個のオキサゾリン基を有する化合物である。上記オキサゾリン基含有化合物としては特に限定されず、例えば、2,2′−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2′−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2′−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2′−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2′−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレン−ビス−(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−(1,3−フェニレン)−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2′−(1,3−フェニレン)−ビス−(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−(1,4−フェニレン)−ビス−(2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等のジオキサゾリン化合物;2,2′−(1,2,4−フェニレン)−トリス−(2−オキサゾリン)等のトリオキサゾリン化合物等が挙げられる。
本発明においては、上記オキサゾリン基含有化合物は、重合体であってもよい。上記オキサゾリン基を含有する重合体は、付加重合性オキサゾリン基含有化合物を、単独で、又は、該付加重合性オキサゾリン基含有化合物と共重合可能なその他の単量体と共重合させることにより容易に得ることができる。
上記付加重合性オキサゾリン基含有化合物としては特に限定されず、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等が挙げられる。なかでも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンは、工業的に入手しやすく、また、その他の単量体との反応性や重合性に優れているので好ましい。
上記その他の単量体は、オキサゾリン基と反応しない単量体であり、オキサゾリン基以外の官能基を含有する単量体であれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等が挙げられる。さらに、その他の単量体として、ヒドロキシル基を含有する不飽和化合物等を用いることもできる。上記付加重合性オキサゾリン基含有化合物及びその他の単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記のオキサゾリン基を含有する重合体の製造方法、即ち、付加重合性オキサゾリン基含有化合物とその他の単量体との反応方法は、特に限定されず、従来公知の種々の方法を用いることができる。
上記オキサゾリン基を含有する重合体としては、市販されているものを好適に使用することもできる。上記市販品としては、例えば、エポクロスWS−500、エポクロスWS−700、エポクロスWS−300(以上、日本触媒社製)等を挙げることができる。
上記付加重合性オキサゾリン基含有化合物とその他の単量体との反応における添加量の割合は、例えば、付加重合性オキサゾリン基含有化合物3質量%〜80質量%、その他の単量体97質量%〜20質量%とすることができる。上記付加重合性オキサゾリン基含有化合物の割合が3質量%未満であると、オキサゾリン基含有化合物と、高分子量顔料分散剤との硬化反応を効率よく行うことができない。上記付加重合性オキサゾリン基含有化合物の割合が80質量%を超えると、所望する物性を充分に発揮することができない場合がある。
硬化性組成物がオキサゾリン基含有化合物を含有するものである場合、上記オキサゾリン基含有化合物の含有量は、金属コロイド粒子の金属質量に対する質量比で0.1〜40%であることが好ましい。上記質量比が0.1%未満であると、高分子量顔料分散剤と硬化反応を進行させても充分な密着性を得ることが困難である。上記質量比が40%を超えると、硬化性組成物の使用量に見合った効果を得ることが困難である。より好ましくは1〜40%である。
硬化性組成物がオキサゾリン基含有化合物を含有するものであり、高分子量顔料分散剤が酸性官能基を有するものである場合、上記硬化性組成物に含まれるオキサゾリン基と高分子量顔料分散剤が有する酸性官能基との官能基当量比は、0.025≦Y/X≦40(式中、Xは酸性官能基当量数、Yはオキサゾリン基当量数を表す。)であることが好ましい。上記官能基当量比が0.025未満であるか又は40を超える場合、オキサゾリン基又は酸性官能基のいずれか一方が多過ぎるため、硬化反応が進行しても生成物が充分に硬化せず、密着性を得ることが困難である。
上記硬化性組成物がオキサゾリン基含有化合物を含有するものであり、高分子量顔料分散剤が酸性官能基を有するものである場合、塗布前のインク状の組成物の段階で硬化反応が進行することにより、凝集物の発生や、粘度の上昇が引き起こされるなどの不具合が生じる場合がある。そこで、塗布前の状態での硬化反応の進行を抑止するために、無電解めっき用プライマー組成物は、塩基性化合物を含有することが好ましい。この場合、上記塩基性化合物は、塗布後の120℃以下の加熱により揮発して系外に除外されることが好ましい。上記塩基性化合物の揮発により、塗布後の硬化反応が阻害されずに進行し、その結果、無電解めっき用プライマー組成物の充分な密着性を得ることができるからである。上記塩基性化合物としては、塗布後に揮発することで塗布後のオキサゾリン基と酸性反応基との硬化反応の妨げにならないとの観点から、アミンが好ましい。アミンとしては、例えば、上述したものを用いることができる。上述したアミンのなかでは、オキサゾリン基含有化合物及び高分子量顔料分散剤との親和性や揮発性の観点から、アルカノールアミンがより好ましい。アルカノールアミンは、常温下での揮発性が低いため、インク状の無電解めっき用プライマー組成物中に実効的に存在して塗布前の硬化反応を抑止することができるうえに、120℃程度で加熱すると効率よく揮発していき、塗布後の硬化反応を阻害することがないからである。
上記硬化性組成物がカルボジイミド基含有化合物を含有する場合、高分子量顔料分散剤としては、例えば、カルボキシル基を有するものを用いることができる。
なお、上記硬化性組成物が硬化する際には、上記硬化性組成物が有するカルボジイミド基と、上記高分子量顔料分散剤が有するカルボキシル基とが、下記式に示すように反応するものと考えられる。
Figure 2008007849
上記カルボジイミド基含有化合物としては、加熱下で反応して架橋構造を形成するために官能基を少なくとも2つ有するものであれば特に限定されないが、分子中に少なくとも2つのブロックイソシアネート基を有するもの(a)、及び、分子中に少なくとも2つのカルボジイミド基を有するもの(b)を挙げることができる。
上記分子中に少なくとも2つのブロックイソシアネート基を有するもの(a)としては、下記式
Figure 2008007849
(式中、R、Rは同一又は異なって、有機ジイソシアネートからイソシアネート基をカルボジイミド基含有化合物及び/又はオキサゾリン基含有化合物(C)除いた残基;Rはアルキル基;nは1以上の整数であり、カルボジイミド基の繰り返し数を表す。)
で表されるものを挙げることができる。
上記分子中に少なくとも2つのブロックイソシアネート基を有するもの(a)は、例えば、有機ジイソシアネートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応を利用する等の当業者によってよく知られた方法によって製造するものを挙げることができ、これによって両末端にブロックイソシアネート基を有するものを得ることができる。
上記有機ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及び、これらの混合物を用いることができ、具体的には、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
上記縮合反応には、通常、カルボジイミド化触媒が用いられる。上記カルボジイミド化触媒としては、ホスホレンオキサイドを用いることができる。上記ホスホレンオキサイドを触媒とすることにより、温度制御しやすい範囲でカルボジイミド化を行うことができる。
上記ホスホレンオキサイドとしては、1−フェニル−3−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−メチル−3−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−エチル−3−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−ブチル−3−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−(N−ピペリジニル)−3−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−モルフォリノ−3−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−メチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−ブチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェノキシ−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェニル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−エチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェニル−3−メチル−3−ホスホレン−1−スルフィド等が挙げられる。これらの中で、1−フェニル−3−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェニル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキサイド等が好ましい。
上記ホスホレンオキサイドの量は、原料の有機ジイソシアネートに対して1〜30ppmであることが好ましい。1ppm未満であると、カルボジイミド化が充分に進行せず、30ppmを超えても、添加量に見合った効果が得られない。
上記カルボジイミド化は、効率的に反応を進行させるために、上記のホスホレンオキサイドを触媒とし、120〜170℃で行われることが好ましい。120℃未満であると、カルボジイミド化が充分に進行しないおそれがあるとともに、目的とする化合物が得られないおそれがある。170℃を超えると、副反応が進行して、目的とする化合物が得られないおそれがある。
上記カルボジイミド化には、イソシアネートに対して不活性であり、イソシアネート化合物を溶解する溶剤を用いることも可能であるが、通常、無溶媒で反応が行われる。上記カルボジイミド化は、IRスペクトルにおける2100cm−1のカルボジイミド基のピークが生成することによって確認することができる。
上記のようにして得られる分子中に少なくとも2つのブロックイソシアネート基を有するカルボジイミド基含有化合物(a)は、分子中に、カルボジイミド基を1〜30個有することが好ましい。30個を超えると、融点及び粘度が高くなり、樹脂への分散及び混合が困難となる場合がある。より好ましくは、1〜15個である。
本発明において、上記分子中に少なくとも2つのブロックイソシアネート基を有するカルボジイミド基含有化合物(a)は、一般的には、上記式で表されるようにブロックイソシアネート基を含むものであるが、フリーのイソシアネート基を含むカルボジイミド基含有化合物を含むことができる。
上記ブロックイソシアネート基で用いられているブロック剤すなわち、Rを提供する化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、クロロフェノール及びエチルフェノール等のフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム及びβ−プロピオラクタム等のラクタム系;アセト酢酸エチル及びアセチルアセトン等の活性メチレン系;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、アミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルへキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、グリコール酸メチル、グリコール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸メチル及び乳酸エチル、フルフリルアルコール等のアルコール系;ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム系;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系;酢酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系;コハク酸イミド及びマレイン酸イミド等のイミド系;イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン等の2級アミン系等を挙げることができる。
上記分子中に少なくとも2つのカルボジイミド基を有するカルボジイミド基含有カルボジイミド(b)としては、下記式
−NCN−R−(NCN−R)m−NCN−R
(式中、Rは同一又は異なって、有機ジイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基、Rは同一又は異なって、モノイソシアネート化合物の残基、mは0又は1以上の整数であり、カルボジイミド基の繰り返し数を表す。)
で表されるものを挙げることができる。
上記式で表されるものは、上記の分子中に少なくとも2つのブロックイソシアネート基を有するカルボジイミド基含有化合物(a)において両末端のブロックイソシアネート基がブロックされていないもの、又は、上記例示した有機ジイソシアネートに、モノイソシアネート化合物を反応させて得ることができる。上記モノイソシアネート化合物としては、ブチルイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;シクロヘキシルイソシアネート等の脂環族イソシアネート;フェニルイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネート等の芳香族イソシアネート等の1種若しくは2種以上の混合物を例示することができる。上記式において、mは、0〜30が好ましく、より好ましくは、1〜15である。上記分子中に少なくとも2つのカルボジイミド基を有するもの(b)は、上記ブロック化において記載した方法と同様にして製造することができる。
上記カルボジイミド基含有化合物としては、市販されているものを好適に使用することもできる。上記市販品としては、例えば、カルボジイミドV−02、カルボジイミドV−02−L2、カルボジイミドV−04、カルボジイミドV−01、カルボジイミドV−03、カルボジイミドV−05、カルボジイミドV−07、カルボジイミドV−09(以上、日清紡社製)等を挙げることができる。
硬化性組成物がカルボジイミド基含有化合物を含有するものである場合、上記カルボジイミド基含有化合物の含有量は、金属コロイド粒子の金属質量に対する質量比で0.1〜40%であることが好ましい。上記質量比が0.1%未満であると、高分子量顔料分散剤と硬化反応を進行させても充分な密着性を得ることが困難である。上記質量比が40%を超えると、硬化性組成物の使用量に見合った効果を得ることが困難である。より好ましくは1〜40%である。
硬化性組成物がカルボジイミド基含有化合物を含有するものであり、高分子量顔料分散剤が酸性官能基を有するものである場合、上記硬化性組成物に含まれるカルボジイミド基と高分子量顔料分散剤が有する酸性官能基との官能基当量比は、0.025≦Z/X≦40(式中、Xは酸性官能基当量数、Zはカルボジイミド基当量数を表す。)であることが好ましい。上記官能基当量比が0.025未満であるか又は40を超える場合、カルボジイミド基又は酸性官能基のいずれか一方が多過ぎるため、硬化反応が進行しても生成物が充分に硬化せず、密着性を得ることが困難である。
なお、上記硬化性組成物がオキサゾリン基含有化合物及びカルボジイミド基含有化合物の両方を含有する場合には、上記オキサゾリン基含有化合物及びカルボジイミド基含有化合物の合計量は、金属コロイド粒子の金属質量に対する質量比で0.1〜40%であることが好ましい。
また、上記硬化性組成物がオキサゾリン基含有化合物及びカルボジイミド基含有化合物の両方を含有するものであり、上記高分子量顔料分散剤が酸性官能基を有するものである場合には、上記硬化性組成物に含まれるオキサゾリン基及びカルボジイミド基と高分子量顔料分散剤が有する酸性官能基との官能基当量比は、オキサゾリン基とカルボジイミド基との合計の当量数をZとして、上記式を満たすことが好ましい。
上記硬化性組成物は、1分子中に2個以上の架橋可能な加水分解性置換シリル基を有する化合物を含むものであることも好ましい。この場合、上記プライマー組成物を基材に塗布すると、空気中の水分による加水分解によって生成したシラノール基同士が縮合、硬化することになる。このような化合物を用いることにより、良好に本発明の効果を得ることができる。
上記加水分解性置換シリル基とは、湿気雰囲気に晒す等の水による作用でシラノール基を生成する官能基である。上記加水分解性置換シリル基は、ケイ素原子に加水分解性基が少なくとも1つ結合した構造を有する。
加水分解性基としては、水素、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、アシルオキシド基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基等が挙げられる。加水分解性置換シリル基としては、メトキシシリル基、エトキシシリル基等のアルコキシシリル基が有害な副生成物を生成しないので好ましい。
上記加水分解性置換シリル基としては、例えば、上記一般式で表される官能基([化1]で表される官能基)を挙げることができる。式中、R、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは1、2又は3の整数を表す。
上記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。なかでも、上記R、Rは、メチル基、エチル基であることが好ましい。これにより、平滑な表面の基材表面に対して優れた密着性を有するめっき膜を形成することができる。
上記R、Rは、同一の基であっても、異なる基であってもよい。上記nは、本発明の効果が好適に得られる観点から、2又は3であることがより好ましい。
上記加水分解性置換シリル基を有する化合物の主鎖構造は特に限定されない。
上記2個以上の架橋可能な加水分解性置換シリル基を有する化合物は、市販品を用いてもよい。上記市販品としては、例えば、エクセスターES−S2410、エクセスターES−S2420、エクセスターES−S3430、エクセスターES−S3630(いずれも旭硝子社製)等を挙げることができる。
上記硬化性組成物は、第1のシランカップリング剤(i)と、上記第1のシランカップリング剤(i)が有する反応性官能基に反応可能な他の反応性官能基を有する第2のシランカップリング剤(ii)との混合物又は反応混合物を含むものであることが好ましい。これにより、良好に本発明の効果を得ることができる。
シランカップリング剤は、反応性官能基及び加水分解性置換シリル基を有する化合物である。上記反応性官能基、他の反応性官能基とは、相互に反応することが可能な官能基である。上記硬化性組成物として、上記シランカップリング剤(i)及び(ii)の混合物を含むものを用いた場合、上記反応性官能基と上記他の反応性官能基とが反応するとともに、生成したシラノール基同志が縮合することにより、硬化が進行する。また、上記硬化性組成物が上記シランカップリング剤(i)及び(ii)の反応物を含むものである場合、この反応物は上記シランカップリング剤(i)及び(ii)を事前に反応させたものである。
上記加水分解性置換シリル基は、上述した官能基と同様のものを挙げることができる。
上記反応性官能基、他の反応性官能基は、相互に反応して化学結合を形成することが可能な官能基であれば特に限定されない。好ましくは、上記反応性官能基がエポキシ基であり、上記他の反応性官能基がエポキシ基に反応可能な官能基である場合である。この場合、本発明の効果をより効果的に得ることができる。上記エポキシ基に反応可能な他の反応性官能基としては、例えば、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、カルボン酸基、ヒドラジド基等を挙げることができる。なお、上記反応性官能基には、一般的には反応性官能基とされないものであっても、反応する相手化合物の種類によっては反応性を呈する官能基も含まれる。
上記硬化性組成物が上記シランカップリング剤(i)、(ii)の混合物又は反応混合物を含む場合、上記硬化性組成物は、更にカルボジイミド基含有化合物とオキサゾリン基含有化合物とのいずれか一方又は両方を含有していてもよい。これらのなかでは、カルボジイミド基含有化合物が好ましい。カルボジイミド基含有化合物を含有することで、密着性の向上を図ることができる可能性がある。また、第1のシランカップリング剤(i)がエポキシ基を有し、第2のシランカップリング剤(ii)がエポキシ基と反応可能な反応性官能基(例えば、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、カルボン酸基、ヒドラジド基)を有する場合、カルボジイミド基はこれらの反応性官能基との反応を起こすのに対し、オキサゾリン基はカルボン酸基等の一部の反応性官能基としか硬化反応を起こさないからである。それに加え、上記硬化性組成物がオキサゾリン基含有化合物を含有する場合には、アミノ基が系内に存在すると、本来硬化反応が進行するオキサゾリン基とカルボン酸基との反応が抑制されるからである。なお、アミノ基含有シランカップリング剤は、揮発性を示すことがないため、塗布後に加熱しても硬化反応は充分に進行しないものと考えられる。
上記カルボジイミド基含有化合物としては、上述したものと同様のものを用いることができる。また、上記オキサゾリン基含有化合物としては、上述したものと同様のものを用いることができる。
上記シランカップリング剤(i)、(ii)は、それぞれ上述した官能基を有する化合物であれば特に限定されないが、上記シランカップリング剤(i)が一方の末端にエポキシ基を有し、他方の末端に加水分解性置換シリル基を有するものであり、かつ、上記シランカップリング剤(ii)が一方の末端にエポキシ基に反応可能な他の反応性官能基を有し、他方の末端に加水分解性置換シリル基を有するものであることが好ましい。これにより、本発明の効果を更に発揮させることができる。この場合、上記シランカップリング剤(ii)において、上記エポキシ基に反応可能な他の反応性官能基は、上述した基を挙げることができる。
上記一方の末端にエポキシ基を有し、他方の末端に加水分解性置換シリル基を有するシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−エチル−3−{[(3−トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等のエポキシ基を有するトリアルコキシシラン類;β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基を有するジアルコキシシラン類等を挙げることができる。
上記一方の末端にアミノ基を有し、他方の末端に加水分解性置換シリル基を有するシランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)フロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するトリアルコキシシラン類;N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するジアルコキシシラン類等を挙げることができる。
上記一方の末端にウレイド基を有し、加水分解性置換シリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルジメトキシメチルシラン、γ−ウレイドプロピルジエトキシメチルシラン等を挙げることができる。
上記一方の末端にメルカプト基を有し、加水分解性置換シリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。
なかでも、上記第1のシランカップリング剤(i)が一方の末端にエポキシ基を有し、他方の末端に加水分解性置換シリル基を有するものであり、上記第2のシランカップリング剤(ii)が一方の末端にアミノ基を有し、他方の末端に加水分解性置換シリル基を有するものであることが特に好ましい。これにより、無電解めっきによって、基材への高い密着性を有するめっき膜を形成することができる。また、めっき膜の耐アルカリ性も向上させることができる。更に、めっき膜に要求される他の性質(導電性等)も優れている。
上記シランカップリング剤(i)、(ii)に含まれるエポキシ基とエポキシ基に反応可能な他の反応性官能基との官能基当量比は、0.1≦B/A≦10.0(式中、Aはエポキシ基当量数、Bはエポキシ基に反応可能な他の反応性官能基当量数を表す。)であることが好ましい。
上記官能基当量比が0.1未満であると、官能基の架橋反応が不充分となり、めっき膜の密着性が低下するおそれがある。10.0を超えると、成膜性が低下し、耐アルカリ性、めっき膜の密着性が低下するおそれがある。上記官能基当量比は、0.2≦B/A≦5.0であることがより好ましく、0.4≦B/A≦2.5であることが更に好ましい。
また、上記硬化性組成物は、2個以上の反応性官能基を有する化合物(iii)と、上記反応性官能基に反応可能な他の反応性官能基を有する第3のシランカップリング剤(iv)との混合物又は反応混合物を含むものであることが好ましい。これにより、良好に本発明の効果を得ることができる。
上記硬化性組成物として、上記化合物(iii)及び第3のシランカップリング剤(iv)の混合物を含むものを用いた場合、上記反応性官能基と上記他の反応性官能基とが反応するとともに、生成したシラノール基同志が縮合することにより、硬化が進行する。また、上記硬化性組成物が上記化合物(iii)及び第3のシランカップリング剤(iv)の反応物を含むものである場合、この反応物は化合物(iii)及び第3のシランカップリング剤(iv)を事前に反応させたものである。
上記化合物(iii)、第3のシランカップリング剤(iv)において、上記反応性官能基、他の反応性官能基、加水分解性置換シリル基は、上述した基と同様のものを挙げることができる。
上記化合物(iii)、第3のシランカップリング剤(iv)は、それぞれ上述した官能基を有する化合物であれば特に限定されないが、上記化合物(iii)が2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂化合物であり、かつ、上記第3のシランカップリング剤(iv)が一方の末端にエポキシ基に反応可能な他の反応性官能基、他方の末端に加水分解性置換シリル基を有するものであることが好ましい。これにより、本発明の効果を更に発揮させることができる。この場合、上記第3のシランカップリング剤(iv)において、上記エポキシ基に反応可能な他の反応性官能基は、上述した基を挙げることができる。
上記化合物(iii)において、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂化合物は特に限定されることなく用いることができ、例えば、通常のグリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、線状脂肪族エポキサイド型、脂環族エポキサイド型等から選ばれるエポキシ樹脂が挙げられる。
上記2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂化合物は市販品を用いても良い。上記市販品としては、デナコールEX−201、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−252、デナコールEX−313、デナコールEX−314、デナコールEX−321、デナコールEX−411、デナコールEX−421、デナコールEX−512、デナコールEX−521、デナコールEX−611、デナコールEX−612、デナコールEX−614、デナコールEX−614B、デナコールEX−622、デナコールEX−711、デナコールEX−721、デナコールEX−731、デナコールEX−810、デナコールEX−811、デナコールEX−850、デナコールEX−851、デナコールEX−821、デナコールEX−830、デナコールEX−832、デナコールEX−841、デナコールEX−861、デナコールEX−911、デナコールEX−941、デナコールEX−920、デナコールEX−931、DENAREX R−45EPT(以上ナガセケムテックス社製)、アロンオキセタンOXT−221(東亜合成社製)等が挙げられる。
上記第3のシランカップリング剤(iv)において、一方の末端にエポキシ基に反応可能な他の反応性官能基、他方の末端に加水分解性置換シリル基を有するシランカップリング剤としては、上記第2のシランカップリング剤(ii)と同様のものが挙げられる。
なかでも、上記化合物(iii)が2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂化合物であり、上記第3のシランカップリング剤(iv)が一方の末端にアミノ基、他方の末端に加水分解性置換シリル基を有するものであることが特に好ましい。これにより、無電解めっきによって、基材への高い密着性を有するめっき膜を形成することができる。また、めっき膜の耐アルカリ性も向上させることができる。更に、めっき膜に要求される他の性質(導電性等)も優れている。
上記化合物(iii)、上記第3のシランカップリング剤(iv)に含まれるエポキシ基とエポキシ基に反応可能な他の反応性官能基との官能基当量比は、0.1≦B/A≦10.0(式中、Aはエポキシ基当量数、Bはエポキシ基に反応可能な他の反応性官能基当量数を表す。)であることが好ましい。
上記官能基当量比が0.1未満であると官能基の架橋反応は不充分となり、めっき膜の密着性が低下するおそれがある。10.0を超えると、成膜性が低下し、耐アルカリ性、めっき膜の密着性が低下するおそれがある。上記官能基当量比は0.2≦B/A≦5.0であることが好ましく、0.4≦B/A≦2.5であることが更に好ましい。
上記第1のシランカップリング剤(i)、上記化合物(iii)におけるエポキシ基としては、開環反応性の高い3員環状の1,2−エポキシ基(オキシラニル基)や4員環状の1,3−エポキシ基(オキセタニル基)が好ましい。また、1,2−エポキシシクロヘキシル基のような脂環状炭化水素鎖に−O−が結合した場合でも、−O−を含む環は3つの原子から構成される3員環構造であるため、同様に好適に用いることができる。
上記シランカップリング剤(i)、(ii)及び(iv)、並びに、化合物(iii)の官能基以外の構造は、直鎖状炭化水素や脂環状炭化水素、芳香族系炭化水素や直鎖エーテル状化合物等やこれらの組み合わせた構造を持つもの等が用いられる。
上記硬化性組成物は、硬化触媒を含んでもよい。これにより、硬化を良好に進行させることが可能となる。上記硬化触媒としては、従来公知のものを用いることができ、酸触媒(無機酸、有機酸)、有機スズ化合物等を挙げることができる。
上記プライマー組成物において、上記硬化性組成物の含有量は、上記金属コロイド粒子100質量部(固形分)に対して、1〜150質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、めっき膜の密着性が低下するおそれがある。150質量部を超えると、無電解めっき触媒能が低下するおそれがある。10〜100質量部であることがより好ましい。
本発明の無電解めっき用プライマー組成物は、溶媒を含有するものである。
上記溶媒としては、上記硬化性組成物に対して相溶性のあるものであれば特に限定されず、例えば、アルコール系、エーテル系、ケトン系、エステル系等の極性有機溶媒を挙げることができる。溶媒は塗布方法においてそれぞれ好適な溶媒を用いることが好ましく、例えばインクジェットで塗布する場合には、揮発性の低い、すなわち高沸点を有するグリコールエーテル系の溶媒が好適に用いられる。上記グリコールエーテル系の溶媒の中でも、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが揮発性の観点から好ましい。これらの溶媒は単独で用いてもよく、また2種類以上を混合して用いてもよい。
上記溶媒は、水分を含まないものが好ましい。溶媒に水分が混入しているとプライマーの保存安定性に問題が生じるので、モレキュラーシーブス等で予め脱水処理してものを用いることが好ましい。
上記プライマー組成物において、上記溶媒の含有量は、プライマーを塗布する方法にとって、最適な粘性になるよう調整すればよく、特に限定されない。
上記プライマー組成物は、上記以外の他の添加剤を含有するものであってもよい。
上記プライマー組成物の製造方法としては特に限定されず、従来公知の方法により製造することでき、例えば、上述の方法より得られた金属コロイド溶液に、上記硬化性組成物、溶媒、他の添加剤を加え、攪拌する方法、等によって製造することができる。
本発明の無電解めっき方法は、非導電性基材の表面に上述の無電解めっき用プライマー組成物を塗布し、120℃以下の温度条件で硬化させることによってプライマー層を形成する工程(1)及び上記工程(1)で形成されたプライマー層上に無電解めっきを行う工程(2)を含む方法である。これにより、非導電性基材の表面に、基材表面への密着性に優れ、かつ、平滑性の高いめっき膜を形成することができる。これは、基材表面が平滑であっても、優れた密着性を有するめっき膜を形成することができる。また、得られるめっき膜は、導電性にも優れている。
上記無電解めっき方法は、第1の工程として、非導電性基材の表面に、上述した無電解めっき用プライマー組成物を塗布し、120℃以下の温度条件下で硬化させることによってプライマー層を形成する工程(1)を行うものである。上記工程(1)において、120℃以下の温度条件で硬化させる手法としては、雰囲気中の湿気で硬化する硬化性組成物を用いる方法が好ましい。
上記非導電性基材としては、電気絶縁性に優れ、本発明の方法に耐え得る性質を有するものであれば特に限定されず、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ガラス−エポキシ基板、紙−フェノール基板、シリコン基板、セラミックス基板、ガラス基板等を挙げることができる。
上記工程(1)において、プライマー組成物の塗布は、従来公知の方法により行うことができ、例えば、スプレー、スピンコート、ディップコート、ロールコート等の方法を挙げることができるが、ここに示した方法のみに限るものではない。
上記工程(1)の硬化は、120℃以下の温度条件下に晒す方法であれば特に限定されず、従来公知の方法で行うことができる。これにより、硬化したプライマー層を得ることができる。
使用するプライマー組成物が、上述したオキサゾリン基含有化合物及び/又はカルボジイミド基含有化合物を含有する場合には、例えば、50〜120℃で、30〜120分間処理することで塗布したプライマー組成物を硬化させることができる。
使用するプライマー組成物が、上述した1分子中に2個以上の加水分解性置換シリル基を有する化合物を含む硬化性組成物や、上記化合物(i)及び(ii)を含む硬化性組成物や、上記化合物(iii)及び(iv)を含む硬化性組成物である場合には、硬化が溶媒を揮発させた後、湿気により行われることから、大気中に放置しておけば硬化が進行する。溶媒揮発は用いる溶媒の沸点により異なり、適した加熱を行ってもよい。硬化は特に、40〜90℃(65〜90%RH)で5〜30分間処理することで塗布したプライマー組成物を短時間で硬化させることができる。
上記無電解めっき方法は、第2の工程として、上記工程(1)で形成されたプライマー層上に無電解めっきを行う工程(2)を行うものである。上記工程(2)によって、上記工程(1)で得られた硬化したプライマー層上に、めっき金属を被覆し(析出させ)、めっき膜が得られる。表面が平滑な非導電性基材に形成した場合であっても、形成されるめっき膜は、表面に対する密着性に優れたものである。また、導電性にも優れている。
上記工程(2)において、無電解めっきを行うめっき金属は特に限定されないが、Ni、Co、Pd、Cu、Ag、Au、Pt、Sn等を好適に用いることができる。使用する無電解めっき液(浴)としては、プライマー層中の金属種に応じて適宜選択すればよく、例えば、公知の無電解ニッケルめっき浴、無電解銅めっき浴、無電解合金めっき浴等をそのまま用いることができる。
上記無電解めっきにおいては、プライマー層が形成された非導電性基材を無電解めっき浴中に浸漬させてもよいし、無電解めっき液をプライマー層中の金属コロイド粒子(金属コロイド粒子により形成されたパターン)上に選択的に供給するようにしてもよい。無電解めっき液を選択的に供給する場合には、公知のスプレー方式で無電解めっき液を金属コロイド粒子により形成されたパターン上に噴射してもよい。
本発明の無電解めっき用プライマー組成物は、金属コロイド粒子、120℃以下で硬化可能な硬化性組成物及び溶媒を含有するものであるため、これを用いて非導電性基材上にプライマー層を形成させた後に、無電解めっきを行った場合、基材に強固に密着性しためっき膜を得ることができる。また、平滑な表面を有する非導電性基材であっても、優れた密着性を有するめっき膜を形成することができる。更に、得られためっき膜は、導電性に優れたものである。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」、「%」は特に断りのない限り「質量部」、「質量%」を意味する。
製造例1
(銀コロイドのエタノール溶液の製造)
5リットルのコルベンにディスパービック190(カルボキシル基を含有する高分子量顔料分散剤、有効成分40%の水溶液・ビックケミー社製)40.03g、及び、イオン交換水1400.0gを入れて撹拌した。別個の容器に硝酸銀335.0g及びイオン交換水1400.0gを入れて湯浴中で50℃に加熱しながら撹拌し、硝酸銀を溶解した。この硝酸銀水溶液をディスパーピック190の溶解した水溶液を有するコルベンの中に加えた。この混合水溶液を撹拌しながら湯浴中で50℃になるまで加熱した。次に、コルベン中の液温が50℃に保った状態で撹拌しなから、これに2−ジメチルアミノエタノール877.6gを瞬時に加えた。2−ジメチルアミノエタノールを加えたところ反応温度が59℃に昇温し、液が瞬時に褐色に変化した。反応温度が50℃まで下がったところで、この50℃を保ちながら2時間撹拌を続けたところ、緑みを帯びた灰色を呈した銀コロイドを含んだ水溶液を得た。
次に、限外ろ過モジュールであるAHP−1010(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数400本)、マグネットポンプ、下部にチューブ接続口のある5リットルのステンレス製容器をシリコンチューブで接続して限外ろ過処理した。上述の反応で得られた、銀コロイドを含んだ水溶液をフッ素ポリマー製容器に入れて、マグネットポンプにより循環を行った。限外ろ過モジュールから、雑イオン等を含んだ、無色透明の水溶液から、ろ液が系外に排出されることを確認できた。限外ろ過により、フッ素ポリマー製容器内の母液量が1リットルにまで減少したら、2リットルのイオン交換水を加えて、更にマグネットポンプによる循環を続け、限外ろ過を続行した。同様の操作をもう一度繰り返した。
ステンレス製容器内の母液量が1リットルにまで減少したら、今度は2リットルのエタノールを添加し、更に同様に限外ろ過処理を続けた。この後も同様にエタノールによる限外ろ過作業を繰り返し、ろ液の伝導度が5μS/cm以下となったことを確認し、母液量が1リットルになった時点で限外ろ過処理を終了させ、銀コロイドのエタノール溶液を得た。
続いて1リットルのガラス容器、限外ろ過モジュールAHP−0013(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数100本)、チューブポンプ、及び、アスピレーターからなる限外ろ過装置を組んだ。このガラス容器に、先の銀コロイドのエタノール溶液を、あふれさせないように添加し、チューブポンプによる循環をはじめ、限外ろ過による濃縮を開始した。限外ろ過の進行により、ガラス容器内の母液量の減少にしたがって、上述の工程で得られた銀コロイドのエタノール溶液全てを、ガラス容器内に添加した。母液量が700ミリリットルになった時点でポンプを停止し、限外ろ過による濃縮を終了した。その結果、固形分濃度が31.65質量%の銀コロイドのエタノール溶液を得た。
銀コロイドのエタノール溶液のTG−DTA測定を行ったところ、固形分中の銀含有率は94.8質量%であった。すなわち、この銀コロイドのエタノール溶液の組成は30.0質量%、樹脂成分が1.65質量%、エタノールが68.35質量%であることがわかった。
製造例2
(銀/バラジウム複合コロイドのエタノール溶液の製造)
5リットルのコルベンにディスパービック190(有効成分40%の水溶液・ビックケミー社製)55.14g、及び、イオン交換水1000.0gを入れて撹拌した。これを塩化パラジウム酸水溶液(パラジウム濃度が15.2%の水溶液・田中貴金属社製)39.12g、イオン交換水1000.0gを添加して撹拌した。更に、コルベンに2−ジメチルアミノエタノール820.5gを加えて攪拌し、短黄色の混合溶液を得た。これを液温が75℃となるように湯浴中で攪拌しながら加熱した。
別個の容器に硝酸銀303.2g及びイオン交換水750.0gを入れて別個の湯浴中で50℃に加熱しながら攪拌し、硝酸銀を溶解した。液温が75℃である短黄色の混合水溶液を攪拌しながら、これに硝酸銀水溶液を瞬時に加えた。硝酸銀水溶液を加えたところ、液温度は85℃に昇温し、液が瞬時に褐色に変化した。5分後、黒色に変化した。反応温度が80℃まで下がったところで、この80℃を保ちながら4時間撹拌を続けたところ、黒褐色を呈した銀/パラジウム複合コロイドを含んだ水溶液を得た。
次に、限外ろ過モジュールであるAHP−1010(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数400本)、マグネットポンプ、下部にチューブ接続口のある5リットルのステンレス製容器をシリコンチューブで接続して限外ろ過処理した。上述の反応で得られた、銀/パラジウム複合コロイドを含んだ水溶液をフッ素ポリマー製容器に入れて、マグネットポンプにより循環を行った。限外ろ過モジュールから、雑イオン等を含んだ、無色透明の水溶液から、ろ液が系外に排出されることを確認できた。限外ろ過により、フッ素ポリマー製容器内の母液量が1リットルにまで減少したら、2リットルのイオン交換水を加えて、更にマグネットポンプによる循環を続け、限外ろ過を続行した。同様な操作をもう一度繰り返した。
ステンレス製容器内の母液量が1リットルにまで減少したら、今度は2リットルのエタノールを添加し、更に同様に限外ろ過処理を続けた。この後も同様にエタノールによる限外ろ過作業を繰り返し、ろ液の伝導度が5μS/cm以下となったことを確認し、母液量が1リットルになった時点で限外ろ過処理を終了させ、銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液を得た。
続いて1リットルのガラス容器、限外ろ過モジュールAHP−0013(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数100本)、チューブポンプ、及び、アスピレーターからなる限外ろ過装置を組んだ。このガラス容器に、先の銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液を、あふれさせないように添加し、チューブポンプによる循環をはじめ、限外ろ過による濃縮を開始した。限外ろ過の進行により、ガラス容器内の母液量の減少にしたがって、上述の工程で得られた銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液全てを、ガラス容器内に添加した。母液量が650ミリリットルになった時点でポンプを停止し、限外ろ過による濃縮を終了した。その結果、固形分濃度が31.85質量%の銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液を得た。
銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液のTG−DTA測定を行ったところ、固形分中の銀含有率は94.2質量%であった。すなわち、この銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液の組成は30.0質量%、樹脂成分が1.85質量%、エタノールが68.15質量%であることがわかった。
また銀/パラジウム複合コロイド粒子の組成比は銀/パラジウム=97/3(質量比)であった。
実施例1
(無電解めっき用プライマー組成物の製造)
製造例1で得られた銀コロイドのエタノール溶液(固形分30%)100g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学工業社製)15g、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学工業社製)15g、イソプロピルアルコール870gを混合して、プライマー組成物を製造した。
(無電解めっき方法)
基材に、表面調整「コンディクリーンOPC−370」(奥野製薬工業社製)、湯せん、水洗、ソフトエッチ、水洗、酸洗い、水洗を順次施した。
次いで、得られた基材に、上記で製造されたプライマー組成物を浸漬により塗布した。塗布後、60℃×30分で溶媒を揮発させ、更に60℃、90%RH雰囲気で10分で硬化した後、無電解Cuめっき「ビルドカッパー」(奥野製薬工業社製)を施した。
使用した基材は、以下の2種であった。
無アルカリガラス(OA−10日本電気硝子 Ra=0.001μm)
ガラスエポキシ樹脂板(利昌工業 Ra=0.1μm)
実施例2
製造例1で得られた銀コロイドのエタノール溶液の代わりに、製造例2で得られた銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液を用いた以外は、実施例1と同様にした。
実施例3
(無電解めっきプライマー組成物の製造)
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(デナコールEX−212 ナガセケムテック社製)10g、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学工業社製)10gを混合し、50℃で3時間加熱し事前に反応させたものと、製造例2で得られた銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液(固形分30%)100g、イソプロピルアルコール880gを混合して、プライマー組成物を製造した。
このプライマー組成物を用いること以外は実施例1に従って無電解Cuめっきを施した。
比較例1
(無電解めっき方法)
基材に、表面調整「コンディクリーンOPC−370」(奥野製薬工業社製)、湯せん、水洗、ソフトエッチ、水洗、酸洗い、水洗を順次施した。
次いで、「プリッディップOPC−SAL M」(奥野製薬工業社製)、「キャタリストOPC−80(奥野製薬工業社製)」、水洗、「アクセレータOPC−555」(奥野製薬工業社製)、水洗を順次施すことにより触媒付与を行った。
その後、無電解Cuめっき「ビルドカッパー」(奥野製薬工業社製)を施した。
比較例2
実施例1で用いたプライマー組成物の代わりに、製造例1で得られた銀コロイドのエタノール溶液(固形分30%)100g、イソプロピルアルコール900gを混合して得られた組成物を用いた以外は、実施例1と同様にした。
なお、塗布後は、100℃×30分で溶媒を揮発させた後、無電解Cuめっきを施した。
比較例3
実施例1で用いたプライマー組成物の代わりに、製造例2で得られた銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液(固形分30%)100g、イソプロピルアルコール900gを混合して得られた組成物を用いた以外は、実施例1と同様のことを行った。
なお、塗布後は、60℃×30分で溶媒を揮発させた後、無電解Cuめっきを施した。
(密着性の評価1)
実施例1−3、比較例1−3で各基材上に形成しためっき膜の密着性を、JIS H8504「めっき密着性試験」で評価した。評価基準は、以下のとおりである。結果を表1に示した。
○;テープ試験方法で良好であった。
×;めっき処理中に剥離、脱落が生じるか、テープ試験方法で剥離した。
Figure 2008007849
実施例1−3で得られためっき膜は、表面が無アルカリガラス、ガラスエポキシ樹脂板のいずれの基材でも、基材に対して強固に密着していた。また、表面が平滑であっても密着性は優れていた。一方、比較例1−3で得られためっき膜は、密着性が劣っていた。
実施例4
製造例2で得られた銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液(固形分30%)100g、オキサゾリン基含有ポリマー(エポクロスWS−500:固形分含有率40.0質量%、日本触媒社製)9.25g、イソプロパノール190.75gを混入し、無電解めっき用プライマー組成物を得た。なお、上記オキサゾリン含有ポリマーと上記銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液中に含まれる樹脂成分の質量比は2/1であった。
基材としてガラスエポキシ樹脂板(利昌工業社製、Ra=0.1μm)に、表面調整「コンディクリーンOPC−370」(奥野製薬工業社製)、湯せん、水洗、ソフトエッチ、水洗、酸洗い、水洗を順次施した。次いで、得られた基材に、上記で得られたプライマー組成物を浸漬により塗布した。塗布後、60℃×3分で溶媒を揮発させた後、120℃で1時間加熱処理を行った。加熱処理を行った後、室温下で冷却した後、無電解Cuめっき「ビルトカッパー」(奥野製薬工業社製)を施し、めっき膜を形成した。
実施例5
製造例2で得られた銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液(固形分30%)100g、カルボジイミド基含有化合物(カルボジライトV−04、日清紡社製)9.25g、イソプロパノール190.75gを混入し、無電解めっき用プライマー組成物を得た以外は、実施例4と同様にしてガラスエポキシ樹脂板に、めっき膜を形成した。なお、上記カルボジイミド基含有化合物と上記銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液中に含まれる樹脂成分の質量比は2/1であった。
比較例4
製造例2で得られた銀/パラジウム複合コロイドのエタノール溶液(固形分30%)100g、イソプロパノール200gを混入し、無電解めっき用プライマー組成物を得た以外は、実施例4と同様にしてガラスエポキシ樹脂板に、めっき膜を形成した。
(密着性の評価2)
実施例4、5及び比較例4で各基材上に形成しためっき膜の密着性を、JIS H8504「めっき密着性試験」で評価した。評価基準は、上記密着性の評価1と同じとした。結果を表2に示した。
Figure 2008007849
実施例4、5で得られためっき膜は、基材に対して強固に密着していた。一方、比較例4で得られためっき膜は密着性が劣っていた。
実施例6
実施例3で得られた無電解めっき用プライマー組成物500g、実施例5で得られた無電解めっき用プライマー組成物150g及びイソプロピルアルコール350gを混合して無電解めっき用プライマー組成物を製造した。
基材としてガラスエポキシ樹脂板(利昌工業社製、Ra=0.1μm)に、表面調整「コンディクリーンOPC−370」(奥野製薬工業社製)、湯せん、水洗、ソフトエッチ、水洗、酸洗い、水洗を順次施した。次いで、得られた基材に、上記で得られたプライマー組成物を浸漬により塗布した。塗布後、60℃×3分で溶媒を揮発させた後、120℃で1時間加熱処理を行った。加熱処理を行った後、室温下で冷却した後、無電解Cuめっき「ビルトカッパー」(奥野製薬工業社製)を施し、めっき膜を形成した。
また、別の基材としてガラスエポキシ樹脂板(利昌工業社製、Ra=0.1μm)に、表面調整「コンディクリーンOPC−370」(奥野製薬工業社製)、湯せん、水洗、ソフトエッチ、水洗、酸洗い、水洗を順次施した。次いで、得られた基材に、上記で得られたプライマー組成物を浸漬により塗布した。塗布後、60℃×3分で溶媒を揮発させた後、60℃で90%RH雰囲気で10分間処理し、さらに120℃で1時間加熱処理を行った。これらの処理を行った後、室温下で冷却した後、無電解Cuめっき「ビルトカッパー」(奥野製薬工業社製)を施し、めっき膜を形成した。
上述した2枚の基板の夫々に形成されためっき膜の密着性を、JIS H8504「めっき密着性試験」で、上記密着性の評価1と同様にして評価したところ、2枚の基板の夫々に対してめっき膜が強固に密着していることを確認することができた。
本発明の無電解めっき用プライマー組成物は、無電解めっきの前処理に使用することができるものであり、電極や配線等の導体回路の形成等に適用することができる。

Claims (15)

  1. 金属コロイド粒子、120℃以下で硬化可能な硬化性組成物及び溶媒を含有することを特徴とする無電解めっき用プライマー組成物。
  2. 金属コロイド粒子は、銀コロイド粒子、パラジウムコロイド粒子又は銀/パラジウムの複合コロイド粒子である請求項1記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  3. 金属コロイド粒子は、高分子量顔料分散剤の存在下で金属化合物を還元することによって得られたものである請求項1又は2記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  4. 硬化性組成物は、オキサゾリン基含有化合物及び/又はカルボジイミド基含有化合物を含有する請求項1、2又は3記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  5. 硬化性組成物は、1分子中に2個以上の架橋可能な加水分解性置換シリル基を有する化合物を含むものである請求項1、2又は3記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  6. 硬化性組成物は、第1のシランカップリング剤(i)と、前記第1のシランカップリング剤(i)が有する反応性官能基に反応可能な他の反応性官能基を有する第2のシランカップリング剤(ii)との混合物又は反応混合物を含むものである請求項1、2又は3記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  7. 硬化性組成物は、更にカルボジイミド基含有化合物を含有するものである請求項6記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  8. 第1のシランカップリング剤(i)が有する反応性官能基がエポキシ基であり、第2のシランカップリング剤(ii)が有する反応性官能基がエポキシ基に反応可能な他の反応性官能基である請求項6又は7記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  9. エポキシ基に反応可能な他の反応性官能基がアミノ基である請求項8記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  10. 硬化性組成物は、2個以上の反応性官能基を有する化合物(iii)と、前記反応性官能基に反応可能な他の反応性官能基を有する第3のシランカップリング剤(iv)との混合物又は反応混合物を含むものである請求項1、2又は3に記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  11. 2個以上の反応性官能基がエポキシ基である請求項10記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  12. 反応性官能基に反応可能な他の反応性官能基がアミノ基である請求項11記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  13. 加水分解性置換シリル基は、下記一般式;
    Figure 2008007849
    (式中、R、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは1、2又は3の整数を表す。)
    で表される官能基である請求項5、6、7、8、9、10、11又は12記載の無電解めっき用プライマー組成物。
  14. 非導電性基材の表面に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載の無電解めっき用プライマー組成物を塗布し、120℃以下の温度条件で硬化させることによってプライマー層を形成する工程(1)及び前記工程(1)で形成されたプライマー層上に無電解めっきを行う工程(2)を含むことを特徴とする無電解めっき方法。
  15. 120℃以下の温度条件の硬化は、雰囲気中の湿気により硬化させるものである請求項14記載の無電解めっき方法。
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