JP2007532140A - 精製rnaの単離試薬及び方法 - Google Patents

精製rnaの単離試薬及び方法 Download PDF

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Abstract

精製RNAと称する、DNAを実質的に含まない、損なわれていないRNAを単離するための組成物及び方法。任意の供給源(例えば、ヒト、他の動物、植物、ウイルスなど)からRNAを単離してよい。1つの実施態様では、4.0未満のpHのフェノールを用いてサンプルを処理し、水相から精製RNAを回収する。別の実施態様では、少量の有機溶媒を含む酸性化サンプルからRNAを沈殿させる。他の実施態様も開示する。同一の本発明の組成物を、pH調整とともに複数の実施態様に用いてもよい。本発明の方法により得られる精製RNAを、ポリメラーゼ連鎖反応などのDNA混入が所望されない分析に用いてよい。

Description

本発明は、生物サンプルからの精製RNAの単離を高める組成物及び方法を対象とする。
純粋で損なわれていないRNAの単離は、分子生物学的、臨床的、及び生物工学的応用における遺伝子発現分析のための重要な工程である。この目標を達成しようと、RNAの単離方法が開発されている。最も頻繁に使用されているRNAの単離方法は、フェノール抽出、カオトロピック塩溶液からの沈殿(precipitation)、及びシリカへの吸着(Ausubel et al, 2002)に基づく(我々の米国特許第4843155号;同第5346994号;及び同第5945515号を参照のこと)。米国特許第4843155号に記載されている方法は、よくシングルステップ方法と称されており、pH4のフェノール−グアニジン溶液を用いてRNAを抽出する。その有効性と単純性により、シングルステップ方法は、RNAを単離するための方法として最も頻繁に使用されている。
それに続く我々の米国特許第5346994号に記載されている、改良されたシングルステップ方法により、pH4〜6でのフェノール−グアニジン抽出を用いて、同一のサンプルから同時にRNA、DNA、及びタンパク質を単離することが可能となった。生物サンプルをホモジナイズし、クロロホルム又はブロモクロロプロパンなどの疎水性有機溶媒を用いて、そのホモジネートを相分離する。遠心分離後、混合物は、RNAを含む最上部の水相、並びにDNA及びタンパク質を含む中間相及び有機相に分離する。水相を回収し、アルコールを用いてRNAを沈殿させ、洗浄する。
米国特許第4843155号及び同第5346994号に記載されているシングルステップ方法では、分離した水相を慎重に回収することが、単離されたRNAの質にとって重要である。少量の中間相及び有機相が水相とともに容易に取り出され得るので、その結果として、単離されたRNAへのDNA及びタンパク質の混入(contamination)がもたらされる。さらに、水相の回収には、手作業による方法が必要であり、これがシングルステップ方法を自動化するための障害となっている。
米国特許第4843155号及び同第5346994号に記載されている試薬及び方法により、実質的に純粋で分解されていないRNAが得られる。しかし、米国特許第4843155号及び同第5346994号に従って単離されたRNAには、逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ(RT−PCR)により検出され得る、残存量のゲノムDNAが含まれている。従って、米国特許第4843155号及び同第5346994号に従って単離されたRNAは、DNAを含まなくするためにさらに精製されなければならない(Guan et al, 2003;Girotti and Zingg, 2003)。混入したゲノムDNAは、DNAポリメラーゼに対する鋳型となり、さらなる増幅産物をもたらし、RNA依存性のRT−PCRを歪める。RT−PCRにおけるDNAの混入は、ゲノムDNAのエクソン−イントロン配列を包含するプライマー対を用いても、部分的にしか軽減され得ない。なぜなら、イントロンを全く含まない偽遺伝子の存在により、このアプローチの信用性が失われるからである(Mutimer 1998)。
シングルステップ方法を変形することにより、単離されたRNAの質が改善されている。1つの変形では、塩化リチウム沈殿工程を追加することにより、RT−PCR阻害因子を除去した(Puissant, 1990;Mathy, 1996)。別の変形では、塩の存在下でRNAをアルコール沈殿することにより、単離されたRNAの純度を高めた(Chomczynski, 1995)。しかし、これらの変形は、DNAの混入を除去することに対して効果的ではなかった。
混入DNAを除去するための一般的な方法は、RNA含有サンプルをデオキシリボヌクレアーゼ(DNase)で処理することである。DNase処理の後、フェノールとクロロホルムを用いて連続的にRNA含有サンプルを抽出する。DNAの混入を制限するために、シングルステップ方法にさらなるDNA沈殿工程を含めた。1/3倍量(体積)の95重量%エタノールを添加することにより、水相から混入DNAを沈殿させた(Siebert, 1993)。エタノールの最終濃度は、約24重量%であった。この低いエタノール濃度では、DNAが沈殿する一方で、RNAは溶液中に残ると著者は指摘していた。追加のアルコールを添加することにより、RNAを溶液から沈殿させた。しかし、このプロトコルでは、依然としてDNAが混入したRNAが得られており、これは、エチジウムブロマイドで染色したアガロースゲル上の単離されたRNAを分析する際に可視化されるバンド及びRT−PCRによっても明らかであった。
シングルステップ方法において、DNAの混入を減らし、RNAの質を高めるための別の試みは、Monstein(1995)によるものであり、これは、フェノール抽出のpHを4.1〜4.7へと増加させ、サンプルをプロテナーゼKで処理し、それに続いて、フェノール抽出、沈殿、及びエタノール洗浄をもう一回繰り返すという骨の折れる手順であった。この長い手順にも関わらず、RT−PCRで使える状態の、DNAを含まないRNAを得るためには、依然としてDNase処理が必要であった。
グアニジン塩を添加しない、pH4でのフェノール抽出により、DNAからRNAを分離することも達成された(Kedzierski, 1991)。しかし、この手順の間にグアニジン塩が存在しないことにより、RNAはリボヌクレアーゼ(RNase)の影響を受けやすくなり、その結果、RNAは分解された。その後改善されたこのプロトコルでは、ドデシル硫酸ナトリウムの存在下、pH4.2のフェノール抽出バッファーを用いた(Chattopadhyay et al., 1993)。シングルステップ方法と、それに続くシリカカラム手順とを組み合わせた方法を用いたRNA単離方法においても、DNase処理が必要とされた(Bonham, 1996)。この二重の精製プロトコルの使用により、DNAの混入は減少したが、単離されたRNAには、依然として、RT−PCRにより検出されるゲノムDNAが含まれていた。RNAを単離するための別の方法では、10重量%〜60重量%のフェノールを含む単一相の水溶液(monophase aqueous solution)を用いた(米国特許出願公開第2003/0204077号)。カオトロープの不在下、水溶液中にフェノールを保つために、15重量%〜55重量%のモノアルコール、ジオール、又はポリオールを用いた。
従って、米国特許第4843155号及び同第5346994号に記載されている方法により単離されたRNAに存在する残存量のDNAにより、DNase処理を含めることによる手順の増加が必要となった。これは、手順を長くし、かつDNase処理及び追加の精製工程の間に分解する可能性にRNAを不必要にさらすこととなり、この方法の有用性を低下させた。しかし、RNA調製物から残ったDNAを除去することは、RT−PCRに基づく遺伝子発現のマイクロアレイ測定には必要である。
米国特許第4843155号及び同第5346994号に記載のとおり、RNAを単離するための以前の方法は、pH4以上で実施されるフェノール抽出に基づいていた。シングルステップ方法の以前の変形では、pH4未満でフェノール抽出を行うことによりRNAの質を高めることを意図したものはなかった。それとは反対に、最初の米国特許第4843155号で使用されたpH4を、次の米国特許第5346994号では、pH4〜6に増加させた。同様に、Monstein(1995)によって記載されたプロトコルでは、フェノール抽出のpHを、4.7に増加させた。シングルステップ方法を改善するための別の入念な試みでは、グアニジン−フェノール抽出液のpHを5.2に増加させた(Suzuki, 2003)。
RNA単離のシングルステップ方法の別法は、米国特許第5973137号に開示されており、これは、非カオトロピック酸性塩を用いていた。しかし、シングルステップフェノール抽出方法は、RNAの単離のために、依然として最も頻繁に用いられている方法である。シングルステップ方法を記載している文献(Chomczynski, 1987)は、American Chemical Society及びInstitute for Scientific Informationのデータベースにおいて、4番目に最も引用されている論文であり、過去20年以内に出版された論文では最も引用されている論文である(CAS 2003, American Chemical Society)。
米国特許第4843155号明細書 米国特許第5346994号明細書 米国特許第5945515号明細書
従って、単離されたRNAの純度を高める新規な方法が所望されている。
[発明の要旨]
本発明は、DNAを実質的に含まず、それにより逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)で使える状態のRNAを、生物サンプルから単離できる試薬及び方法を開示する。このようなRNAは、実質的に純粋なRNAと称され、臨床的、研究的、及び他の応用における遺伝子発現の適切な診断のために必要とされている。
1つの実施態様は、酸性フェノールを用いた相分離方法であって、この場合、RNAは水相に分離される。これは、pH4未満で行うフェノール抽出により、実質的に純粋なRNAを単離できるという予期せぬ発見に基づいている。
別の実施態様は、DNA及びタンパク質の酸性フェノール沈殿であって、この場合、RNAは可溶性画分に残っている。これは、特定濃度の酸性フェノールは、DNA、タンパク質及び他の細胞成分を選択的に沈殿させ、RNAは可溶性形態のままにするという予期せぬ発見に基づいている。DNA及びタンパク質を選択的に沈殿させるために酸性フェノールを使用することにより、相分離の必要性が排除され、さらに、毒性の相分離溶媒の使用も排除される。このアプローチは、RNA単離プロセスを著しく単純化する。
別の実施態様は、フェノール、カオトロープ、及び少量の有機溶媒を含む溶液からの、選択的なRNA沈殿である。この実施態様は、最大で約200ヌクレオチドまでのRNA分子を選択的に沈殿させるために用いられもよい。より短いRNA分子(より低分子量のRNA)及び/又はDNAを回収してもよい。有機溶媒の濃度を少なくとも約50重量%に増加させることにより、サンプルからDNAを回収してもよい。
別の実施態様は、少なくとも1種の塩を含む溶液のpHを最大で3.3に調整することによる、前記溶液からのRNA沈殿である。
本発明の組成物及び方法により単離されたRNAは、RNA単離のための以前の方法(例えば、米国特許第4843155号;同第5346994号;及び同第5945515号に開示された方法であって、それぞれの特許の開示の全てを参照して本明細書に明確に援用する)と比較して、より高い純度を有する、すなわち、DNA及び/又はタンパク質によるRNAのコンタミネーションがほとんどないので、RT−PCRに直接使用され得る。単離されたRNAは、一本鎖(ssRNA)であっても二本鎖(dsRNA)であってもよく、かつ動物、植物、酵母菌、バクテリア、及びウイルスを含む様々な生物源から単離されてよい。本発明の方法及び本発明の組成物を用いて単離されたRNAは、分子生物学、生物工学、及び臨床科学で使用されてよい。さらに、本発明の試薬は、単独で使用されても、実質的に純粋なDNA(RNA及びタンパク質を実質的に含まないDNA)及び実質的に純粋なタンパク質(RNA及びDNAを実質的に含まないタンパク質)を単離するための他の方法と組み合わせて使用されてもよい。
これらの利点及び他の利点は、以下の詳細な説明及び実施例に照らして、明確になるだろう。
[本発明の詳細な説明]
生物サンプルから精製RNAを調製するための方法及び組成物を開示する。生物サンプルは、in vivoであろうと、in vitroであろうと、ex vivoであろうとも、生物源からの任意のサンプルである。サンプルは、ヒト、動物、植物、バクテリア、ウイルス、菌類、寄生動物、マイコプラズマなどに由来してよい。精製RNAは、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)により分析される際に、実質的に分解されておらず、かつDNA混入のないRNAである。
(相分離)
本発明の1つの実施態様は、pH4.0未満でRNA含有サンプルのフェノール抽出を行うことによる、単離されたRNAの純度を高める方法及び試薬を提供する。1つの実施態様では、pHの範囲は、約3.9〜約3.6である。pH4.0未満でのフェノール抽出は、pH4.0以上でのフェノール抽出よりも、DNAからRNAをより効率的に分離する。
本発明の相分離方法で使用されるRNA単離試薬には、フェノール水溶液と、pHを約3.6〜4.0未満の範囲内に維持するためのバッファーとが含まれる。1つの実施態様では、pHは、3.7〜3.9の範囲である。RNA単離試薬中のフェノールの有効濃度は、約10重量%〜約60重量%の範囲である。1つの実施態様では、フェノールの濃度は、約25重量%〜約45重量%の範囲である。
本組成物にはまた、他の成分、例えば、リボヌクレアーゼ(RNase)阻害剤、塩類、キレート剤、可溶化剤、界面活性剤、カオトロープ、及びフェノール誘導体などが含まれていてもよい。
ある実施態様では、低いRNase活性を有するサンプル中、例えば培養細胞中などのRNAを、約3.6〜4.0未満のpHの酸性フェノールを用いて抽出してよく、これはRNA分解を十分に保護できる。しかし、フェノールは、サンプル又はコンタミネーションした実験器具に由来する細胞RNaseによるRNA分解を十分に防がないおそれがある。従って、少なくとも1種の有効量のRNase阻害剤が、本組成物中に含まれていてよい。RNase阻害剤は、サンプルをホモジナイズする間、及び/又は酸性フェノール抽出の間に存在してよい。RNase阻害剤には、プロテナーゼK、ヒト胎盤由来リボヌクレアーゼ阻害剤、バナジルリボヌクレオシド複合体(vanadyl ribonucleoside complex)、及びカオトロピック塩が含まれる。カオトロピック塩には、チオシアン酸グアニジン、塩酸グアニジン、及びこれらの混合物が含まれる。1つの実施態様では、カオトロピック塩の有効濃度は、約0.5M〜約6Mの範囲である。別の実施態様では、カオトロピック塩の有効濃度は、約2M〜約4Mの範囲である。
バッファーは、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、フタル酸塩、酒石酸塩、又は乳酸塩の少なくとも1種の塩であってよい。バッファーの濃度は、本組成物のpHを約3.6〜4.0未満に維持するのに十分な濃度にすべきである。1つの実施態様では、pHは、約3.75〜約3.85の範囲である。サンプルをホモジナイズする前又は後に、相分離試薬とは別々に、又は相分離試薬とともに、バッファーを添加してよい。高い緩衝能力を有するある種のサンプル、例えば、血液及び植物組織などは、所望の範囲内にpHを調整するために、追加量の酸を必要としうる。
本発明の組成物にはまた、ナトリウム、カリウム、リチウム及びアンモニウムの、塩化物、リン酸塩、酢酸塩、及びチオシアン酸塩などの有機塩及び無機塩が含まれてもよい。本発明の組成物には、クエン酸塩及びエチレンジアミン四酢酸塩などのキレート剤が含まれてよい。本発明の組成物には、ポリオキシエチレンソルビタン、ドデシル硫酸ナトリウム、及びサルコシンなどの界面活性剤が含まれてよい。塩類、キレート剤、及び界面活性剤は、組織の可溶化及び実質的に純粋なRNAの沈殿を促進する。フェノールの可溶化を助けるために、水性組成物には、1種の可溶化剤、又は可溶化剤の混合物が含まれてよい。可溶化剤には、グリセロールなどのポリアルコールが、約1重量%〜約10重量%の濃度で含まれており、その上限は、単離されたRNAへのDNA混入を増加させないように選択される。可溶化剤にはまた、グアニジン塩も含まれる。
本発明の組成物には、約60重量%以内のフェノール、最大で約5重量%までのフェノール誘導体(フェノール自体よりも低い毒性である)が含まれてよい。これらの誘導体には、フェニルエタノール、プロピレンフェノキシトール、チモール、又はブチルフェノールが含まれる。1つの実施態様において、これらの誘導体は、約1重量%〜約5重量%の範囲の量で存在する。本組成物にはまた、不溶性又は部分的に水溶性の有機化合物、例えば、シクロヘキサノール、シクロヘキシルブロマイド、及びジクロロ安息香酸などが含まれてもよい。これらの化合物は、本組成物の密度(density)を増加させ、かつフェノールの代わりとなり、それにより、本組成物の毒性を最小限に抑える。
相分離方法の1つの実施態様では、本発明の組成物中で、一般的にはホモジナイズするか溶解するかにより、サンプルを調製する。ホモジネート又は溶解物からの沈降(sedimentation)又は濾過により、DNA及び粒子状物質の大部分を除去してよい。ホモジネート又は溶解物を、疎水性有機溶媒又は溶媒の混合物(例えば、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモナフタレン、ブロモアニソール又はブロモクロロプロパンなど)と混合することにより、水相と有機相とに分離する。遠心分離、例えば、約4℃〜約10℃での遠心分離により、混合物を沈降させてよい。最上部の水相にはRNAが含まれ、中間相及び有機相にはDNA及びタンパク質が含まれる。
低級アルコールなどの水溶性有機溶媒を用いて水相からRNAを沈殿させる。沈殿させたRNAを沈降又は濾過により洗浄し、水、ホルムアミド、又はバッファーに溶解(solubilize)させる。最終的なRNA調製物は実質的に純粋であり、すなわち、RT−PCRで試験する際に、分解されず、DNA混入を本質的に含まないものである。
加えて、本発明の相分離方法は、RNA、DNA、及びタンパク質の同時単離のための方法に適合する。中間相及び有機相に分離されたDNA及びタンパク質を、Chomczynski, 1993;TRI Reagent brochure, 2003に記載のとおり、回収してよい。別法として、0.3倍量(体積)のエタノール(0.3 volume of ethanol)を添加することによりDNAを有機相及び中間相から沈殿させ、それに続いて、より多量のエタノールを用いることでタンパク質を沈殿させる。例えば、pH7.0以上の水溶液を用いて、中間相及び有機相からDNAを再抽出することができる。再抽出されたDNAを、エタノールを用いて水溶液から沈殿させる。明らかなとおり、本発明の組成物及び方法を用いて、同一のサンプルから、実質的に純粋なRNA、実質的に純粋なDNA(すなわち、RNAを本質的に含まないDNA)、及びタンパク質を単離してよい。3種類の全ての成分の単離は、遺伝子発現パターンとDNA配列における変化及び生物サンプルにおけるタンパク質含有量との相関関係を可能にするとともに、多数の他の応用も可能にする。
1つの実施態様では、サンプルをホモジナイズ又は溶解するために用いられる組成物は、1種以上の成分を欠いていてよく、これはその後、単独で、又は相分離溶媒(例えば、クロロホルム)とともに、ホモジネート又は溶解物に添加されるだろう。別の実施態様では、サンプルのホモジナイズ又は溶解を、4.0を超えるpHで実施してよく、この場合、ついで、ホモジネート又は溶解物のpHを約3.6〜4.0未満の範囲内にするのに十分な量の酸又はバッファーを、ホモジナイズされたか又は溶解されたサンプルに添加する。この量の酸又はバッファーは、ホモジネート又は溶解物に直接添加されても、相分離溶媒に溶解されてもよい。相分離溶媒とともに添加される場合、この酸は、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、アミノカプロン酸、乳酸、又はクロロフェニル酢酸であってよい。酸溶解性を促進するため、相分離溶媒には、グリコールなどの可溶化剤が含まれていてよい。
1つの実施態様では、サンプルのホモジナイズ又は溶解は、RNase阻害剤を含むフェノール非含有溶液中で実施される。ホモジナイズ又は溶解後、最終濃度が約10重量%〜約60重量%の範囲となるようにフェノールを添加し、約3.6〜4.0未満のpHで抽出を行う。抽出の間のこのpH範囲は、水溶液の一部であるか、若しくはフェノールに添加されているか、又は別々に添加されてよいバッファーにより維持される。遠心分離による相分離後、アルコールを用いて水相からRNAを沈殿させる。沈殿させたRNAを洗浄し、水、バッファー、又はホルムアミドなどの溶媒に溶解させてよい。
(上清にRNAを残す、DNAの酸性フェノール沈殿)
本発明の1つの実施態様は、相分離を行わずに、酸性フェノール溶液を用いて実質的に純粋なRNAを単離する。特定濃度の酸性フェノールは、DNA(一本鎖DNA[ssDNA]及び二本鎖DNA[dsDNA]の両方とも)、タンパク質、及び他の細胞成分を選択的に沈殿させる一方で、RNAは可溶性形態のままである。この予期せぬ現象を用いて、水相、有機相及び中間相を分離することなくRNAを単離するための試薬及び方法を考え出した。
酸性フェノール沈殿方法は、RNAの単離工程を単純化する。この方法はまた、相分離方法で用いられ得る毒性有機溶媒も排除する。この組成物は、チューブの底に固いペレットを形成するようにDNA及びタンパク質を動かし(propel)、DNA及びタンパク質分子がRNAを含む上清画分へと偶発的に移動する危険性を緩和する。ピペッティング、サイフォニング(siphoning)、デカンティング、又は濾過により安全に上清を回収することができ、これらそれぞれは、RNA単離のための自動化手順での使用のために、自動化されてよい。加えて、酸性フェノール沈殿方法の全てを室温で実施してよく、これにより、相分離方法で使用され得る冷却遠心器の必要性が排除される。
酸性フェノール沈殿で用いられる組成物には、約3重量%〜30重量%未満の濃度範囲のフェノール水溶液が含まれる。1つの実施態様では、フェノールの濃度は、約3重量%〜約25重量%の範囲である。別の実施態様では、フェノールの濃度は、約8重量%〜約20重量%の範囲である。酸性沈殿の実施態様におけるフェノールの濃度は、米国特許第4843155号及び同第5346994号に記載されているフェノール濃度である30重量%〜60重量%よりも低い濃度である。
本発明の組成物は、約3.6〜約5.5の範囲内のpHを維持するのに十分な量のバッファー又は酸で酸性化されている。1つの実施態様では、pHの範囲は、約3.9〜約4.5である。バッファーは、これに限定されないが、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、フタル酸塩、酒石酸塩、及び/又は乳酸塩を含む、有機又は無機バッファーから選択され得る。
RNA単離の効率を高めるために、酸性フェノールには、RNase阻害剤、塩類、キレート剤、フェノール可溶化剤及び/又は界面活性剤が追加されてよい。RNase阻害剤には、バナジルリボヌクレオシド複合体及びプロテナーゼK又はこれら阻害剤の組み合わせ物が含まれる。RNase阻害剤にはまた、カオトロピック剤又はカオトロープ(例えば、グアニジン塩など)が、約0.5M〜約6Mの濃度範囲で含まれる。1つの実施態様では、カオトロープの濃度は、約1.5M〜約2.5Mである。カオトロピック塩は、フェノールを水溶液中に保持することによるフェノール可溶化剤としての役割を果たしてよい。酸性フェノール組成物には、さらに、ナトリウム、カリウム、リチウム、及びアンモニウムの、塩化物、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、及びチオシアン酸塩などの有機塩及び/又は無機塩が含まれてよい。この組成物にはまた、クエン酸塩及びエチレンジアミン四酢酸塩などのキレート剤が含まれていてもよい。この組成物にはまた、ポリオキシエチレンソルビタン、ドデシル硫酸ナトリウム、及びサルコシンを含む界面活性剤が含まれていてもよい。この組成物にはまた、フェノールよりも毒性の低い溶媒及び試薬が最大で5重量%まで含まれていてもよく、これは、例えば、チモール、フェニルエタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキシルブロマイド、及びジクロロ安息香酸などである。これらの追加成分は、組織の可溶化及び純粋なRNAの沈殿を促進する。
酸性フェノール沈殿試薬には、水溶液中でのフェノール保持を助けるための、追加の可溶化剤、又は可溶化剤の混合物が含まれてよい。フェノール可溶化剤には、グリコール、ポリアルコール、及び低級アルコールが含まれる。約1重量%〜約10重量%の量で酸性フェノール沈殿試薬にこれらを添加でき、その上限は、単離されたRNAへのDNA混入を増加させないように選択される。
酸性フェノール沈殿方法の1つの実施態様では、沈殿試薬中で生物サンプルをホモジナイズ又は溶解させる。得られたホモジネート又は溶解物を遠心分離又は濾過し、沈殿したDNA、タンパク質、及び他の細胞成分を除去する。RNAは可溶性形態のままであり、その後、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びブタノールを含む低級アルコールなどの水溶性有機溶媒を用いて上清から沈殿させる。ついで、RNAペレットを洗浄し、水、バッファー、又はホルムアミドに溶解させてよい。
酸性フェノール沈殿方法の別の実施態様では、約3倍(3×)〜約1.5倍(1.5×)に濃縮した酸性フェノール沈殿試薬中で生物サンプルをホモジナイズする。濃縮試薬を使用することにより、1種の試薬を用いての固形組織及び多量の液体サンプルの処理が可能となる。多量の液体サンプルは、濃縮試薬に少量の水を添加することによって、補正され得る。濃縮試薬は、生物サンプル中の大部分の成分を溶解し、細胞組織から効率的にRNAを放出させる。例えば、2倍(2×)濃縮試薬中でサンプルをホモジナイズしてよい。ホモジナイズ後、同体積の水を前記ホモジネートに混合する。水を添加することにより、フェノール、グアニジン、及び他の成分を所望の濃度の範囲内に調整する。これにより、RNA含有サンプルから効率的にDNA及びタンパク質を沈殿させ除去するための条件がつくり出される。
ホモジネート又は溶解物の遠心分離又は濾過後、RNAは上清又は濾液中に残る一方で、DNA、タンパク質、及び他の細胞成分は、チューブの底に固いペレットを形成する。前述したとおりに、水溶性有機溶媒を用いて、上清又は濾液からRNAを沈殿させる。RNA沈殿物を洗浄し、水、バッファー、又はホルムアミドに溶解させてよい。
本発明の1つの実施態様では、相分離方法又は酸性フェノール沈殿方法のいずれにおいても、単一の試薬が使用されてよい。この二重用途の試薬には、相分離方法で用いられる試薬の成分と、酸性フェノール沈殿方法で用いられる2×濃度の試薬とが含まれる。前述のとおり、相分離方法のためのpHは、約3.6〜4.0未満の範囲であってよく、酸性フェノール沈殿方法のためのpHは、約3.6〜約5.5の範囲であってよい。従って、二重用途の実施態様では、1つの方法からもう1つの方法へと転換する前に、試薬のpH調整が必要となる。例えば、酸性フェノール沈殿方法のためのpH4.2の2×試薬は、相分離方法で用いる前に、pH4.0未満へとさらに酸性化されなければならない。
本発明の相分離方法を、多量の脂肪を含む試料、例えば、脂肪組織、及び特定の腫瘍又は新生物組織などに用いてよい。植物及び脂肪含有組織などの高レベルの混入物質を有するサンプルは、酸性フェノール沈殿方法と相分離方法とを組み合わせた二重用途手順により処理されてよい。1つの実施態様では、2×酸性フェノール沈殿試薬中で生物サンプルをホモジナイズする。ついで、酸性フェノール沈殿試薬の濃度範囲(すなわち、約3重量%〜30重量%未満のフェノール)に達するまで、このホモジネートを水で希釈する。希釈後、沈殿したDNA、タンパク質、及び他の細胞成分を、沈降又は濾過により除去する。得られた上清又は濾液を回収し、相分離溶媒と混合する。1つの実施態様では、1倍量(体積)の上清当たり、0.05倍量(体積)〜0.01倍量(体積)の相分離溶媒を添加する。相分離溶媒又は溶媒の混合物は、これに限定されないが、カプロラクトン、エチレングリコールジアセテート、ポリエチレングリコールジベンゾアートを含む少なくとも1種の疎水性溶媒、及び相分離方法で用いられる溶媒である。混合物を遠心分離し、最上部の水相、中間相、及び有機相を得る。RNAを含む水相を回収し、1倍量(体積)の低級アルコールと混合してRNAを沈殿させる。沈殿させたRNAを洗浄し、水、バッファー、又はホルムアミドに溶解させる。
本発明の酸性フェノール溶液に基づく精製RNAを提供する方法は、生物工学的、分子生物学的、及び臨床的応用で使用されるRT−PCTに基づくマイクロアレイを用いた、遺伝子発現プロファイリングに有用である。これは、癌細胞及び他のタイプの病理組織標本における特定の遺伝子発現パターンの検出により裏付けられ得る。
(少量の有機溶媒を用いた選択的なRNA沈殿)
前述のとおり、本発明の相分離方法における水相から、及び本発明の酸性フェノール組成物からRNAを沈殿させてよい。いずれの場合にも、最終的な有機溶媒の濃度を約50重量%にするために約1倍量(体積)の有機溶媒を添加することにより、RNAを沈殿させる。しかし、ある種のサンプル調製物では、1倍量(体積)の有機溶媒が、多糖類及びタンパク質、例えばプロテオグリカンなどをRNAとともに共沈させる。以前は、混入物質の共沈を避けるために、シングルステップRNA精製方法を変形し、0.9Mのナトリウムイオンの存在下、25重量%のアルコールを用いてRNAを沈殿させた(Chomczynski, 1995)。別法では、13重量%〜23重量%の有機溶媒を有するフェノール非含有カオトロープ溶液を、溶液のpHが6〜7.5の範囲内になるようにして、RNAを沈殿させた。
本発明の方法では、最終的な有機溶媒の濃度を約10重量%〜約40重量%にするために有機溶媒又は溶媒の混合物を添加することにより、フェノール−カオトロープ溶液から実質的に純粋なRNAを沈殿させる。有機溶媒(1種以上)は、アセトン、テトラメチレンスルホン、低級アルコール、グリコール、ポリアルコール、アセトン、エチレングリコールジアセテート、及び/又はメチルスルホキシドであってよい。この方法により、相分離方法における水相、又は酸性フェノール沈殿方法におけるDNA及びタンパク質を含まない上清のいずれかからRNAを沈殿させた時に、実質的に純粋なRNAが提供される。この方法は、フェノール−カオトロープ溶液に塩類を添加することを必要としない。
以前に示唆されたように(Chomczynski, 1995)、フェノール−カオトロープ溶液に塩を補充することなく、有機溶媒の濃度が約10重量%〜約40重量%であるフェノール−カオトロープ溶液から実質的に純粋なRNAが沈殿するということは予期せぬことであった。実際に、アルコールとともに塩を添加すると、単離されたRNAの純度は低下した。10重量%〜40重量%のアルコールだけで、フェノール−カオトロープ溶液からRNAが沈殿するという発見はまた、フェノール−カオトロープ溶液に0.3倍量(体積)のアルコール(最終濃度が24重量%)を添加することによりDNAが沈殿し、RNAは可溶性形態のままであるという報告(Siebert, 1993)に反していた。
1つの実施態様では、本組成物中の有機溶媒(1種以上)の最終濃度は、約20重量%〜約25重量%である。別の実施態様では、本組成物中の有機溶媒(1種以上)の最終濃度は、約10%〜約40%である。フェノール−カオトロープ溶液のpHは、約2.0〜約9.0の範囲であってよい。1つの実施態様では、フェノール−カオトロープ溶液のpHは、約3.5〜約5.0の範囲である。
約10重量%〜約40重量%の濃度の有機溶媒は、高分子量のRNAと考えられる約200塩基対を超えるRNA分子を沈殿させる。約200塩基対未満のRNAフラグメントは、多糖類及びプロテオグリカンとともに溶液中に残る。高分子量のRNAを沈殿させた後、有機溶媒の最終濃度を約50重量%以上、例えば、約90重量%にするための追加量の有機溶媒を用いて沈殿させることにより、それより低分子量のRNAを溶液から回収できる。
約10重量%〜約40重量%の有機溶媒を用いてRNAを沈殿させるという本発明の方法はまた、RNA調製物中の混入DNAの量を減少させるためにも使用され得る。この選択的なRNAの沈殿は、少量の混入DNAしか溶液中に存在しない場合のみ、例えば、1μgのRNA当たり10ng未満のDNAが溶液中に存在する場合のみ有効である。約10重量%〜約40重量%の有機溶媒を用いてRNAを沈殿させることはまた、我々の以前の米国特許第4843155号及び同第5346994号に記載されている方法に沿って、高収量の実質的に純粋で分解されていないRNAが得られるように、単離されたRNAの質も高める。
(塩含有溶液からの酸性RNA沈殿)
DNAに加えて、実質的に純粋なRNAを、約3.3未満のpHでのpH依存性のRNA沈殿により、塩を含む水溶液から得てよい。酸性pHの塩溶液からRNAを沈殿させることは、米国特許第5973137号で報告された内容に反する。この米国特許第5973137号では、pH6未満の溶液において、非カオトロピック塩がDNAを沈殿させる一方で、RNAは可溶性形態のまま残ることが開示されている。
本発明の方法では、pHが3.3以下となるのに十分な量のバッファー酸(buffer acid)をRNA溶液に添加する。1つの実施態様では、得られるpHは、約3.0〜約2.7の範囲である。前記の酸は、有機酸であっても無機酸であってもよい。前記の酸は、塩酸、リン酸、酢酸、及び/又は乳酸であってよい。1つの実施態様では、本組成物中の塩は、グアニジン塩であってよい。
この実施態様は、本発明の相分離方法及び/又は本発明の酸フェノール沈殿方法のいずれかに組み込まれてよい。酸フェノール沈殿方法での使用のために、酸又はバッファーは、水又は有機溶媒のいずれかに溶解され得る。この酸は、選択的にRNAを沈殿させ、多糖類及びタンパク質は可溶性形態のまま残す。RNAを沈殿させるために用いられる酸の体積は、少量であり、RNA単離の間、低サンプル量が可能となる。1つの実施態様では、酸の体積は、RNA溶液の体積の約0.1重量%〜約25重量%の範囲である。
本発明に記載の、少量の有機溶媒と酸性pHを用いたRNAの沈殿はまた、我々の以前の米国特許第4843155号及び同第5346994号に開示されている方法を用いて、RNAの質を高めるためにも使用され得る。
少量の有機溶媒を用いたRNA沈殿、又は塩含有溶液からの酸性RNA沈殿により得られたRNA含有サンプルを処理することにより、高分子量のRNAが沈殿する。高分子量のRNAには、リボソームRNA(rRNA、例えば、18S及び28S RNA)及びメッセンジャーRNA(mRNA)が含まれる。残りの低分子量のRNAは、約200ヌクレオチド未満であり、これにはトランスファーRNA(tRNA)、5S RNA、及び遺伝子発現を制御する低分子干渉RNA(siRNA)が含まれる。追加量の有機溶媒で処理することにより、上述の溶液から低分子量のRNAを回収する。1つの実施態様では、1倍量(体積)の低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどでサンプルを処理し、低分子量のRNAを沈殿させる。
本発明の例となる溶液及び方法を以下の実施例に記載する。
[実施例1]
(ラット肝臓からの相分離によるRNAの単離)
1つの実施態様では、RNAの相分離のために以下の組成物を使用した:4Mのチオシアン酸グアニジン、0.2Mのチオシアン酸アンモニウム、5重量%のグリセロール、40重量%のフェノール、0.1重量%のサルコシン、10mMのクエン酸ナトリウム、及び0.1Mの酢酸ナトリウムバッファー(pH3.8)。
ラット肝臓(38mg)を1.5mLの上記組成物中でホモジナイズした。その後、0.15mLのブロモクロロプロパンをホモジネートに添加した。得られた混合物を振り混ぜ、4℃、12,000×gで15分間沈降させた。沈降後、水相、中間相、及び下部の有機相が形成された。RNAが水相に分離する一方で、DNA及びタンパク質は中間相及び有機相に分離した。
0.75mLのイソプロパノールを添加することにより、RNAを水相から沈殿させた。RNA沈殿物を10,000×gで5分間遠心分離した。得られたペレットを0.75mLの75重量%エタノールで洗浄し、10,000×gで5分間遠心分離した。最終的なRNAペレットを水に溶解させ、当業者に公知の方法により、A260/280で分光光度的にRNA濃度を測定した。
RNAの収量は0.22mgであった。A260/280比は1.76であり、これはタンパク質が混入していないことを示していた。単離されたRNAは、グリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)、アクチン、及びc−fos遺伝子に対するプライマーを用いたRT−PCRにうまく使うことができた。Invitrogen社(Carlsbad CA)のSuperScript transcriptaseを用いて逆転写を行い、Sigma社(St. Louis MO)のTaq DNA polymeraseを用いてPCRを行った。RT−PCR産物を1%のアガロース−エチジウムブロマイドゲル上で分析した。逆転写がない場合、単離されたRNA中にDNAは全く検出されなかった。単離されたRNAのノーザンブロット分析を、1%−ホルムアルデヒド−アガロースゲルを用いて行い、ナイロンメンブレンに移した。エチジウムブロマイド及びメチレンブルー染色により、分解されていないリボソームのバンドが示された。ビオチン標識プローブでのハイブリダイゼーションにより、GAPDH、アクチン、及びc−fosに対するmRNAの分解されていないバンドが示された。
[実施例2]
(ヒト血液からの相分離によるRNAの単離)
ヒト血液(0.5mL)を、75μLの氷酢酸及び5mLの実施例1に記載の組成物と混合した。その後、この混合物に0.5mLのブロモクロロプロパンを添加した。混合物を振り混ぜ、4℃、12,000×gで15分間沈降させた。沈降後、混合物は、水相、中間相、及び下部の有機相を形成した。RNAが水相に分離する一方で、DNA及びタンパク質は中間相及び有機相に分離した。
1.25mLのイソプロパノールを添加することにより、水相からRNAを沈殿させた。RNA沈殿物を、12,000×gで5分間遠心分離した。得られたペレットを5mLの75%エタノールで洗浄し、10,000×gで5分間遠心分離した。最終的なRNAペレットを水に溶解させ、当業者に公知の方法により、A260/280で分光光度的にRNA濃度を測定した。
RNAの収量は18.9μgであった。A260/280比は1.70であり、これはタンパク質が混入していないことを示していた。単離されたRNAは、GAPDHプライマーを用いたRT−PCRにうまく使うことができた。逆転写していない単離されたRNAのPCRにより、DNA混入は全く検出されなかった。単離されたRNAのノーザンブロット分析により、リボソームRNAの分解されていないバンド及びGAPDH mRNAの分解されていないバンドが示された。
[実施例3]
(相分離及び酸性化ブロモクロロプロパンによるRNAの単離)
ラット脾臓(21mg)を、3.5Mのチオシアン酸グアニジン、50mMの酢酸カリウム、43重量%のフェノール、0.1%のTriton X−100を含む1mLの水溶液(pH4.1)中でホモジナイズした。ホモジネートを12,000×gで10分間遠心分離してDNAと粒子状物質の大部分を除去した。透明なホモジネートを、14重量%の酢酸を含む0.1mLのブロモクロロプロパンと混合した。得られた混合物のpHは3.7であった。混合物を振り混ぜ、4℃、12,000×gで10分間沈降させた。沈降後、混合物は、水相、中間相、及び下部の有機相を形成した。RNAが水相に分離する一方で、DNA及びタンパク質は中間相及び有機相に分離した。
0.5mLのエタノールを添加することにより、水相からRNAを選択的に沈殿させた。沈殿したRNAを、10,000×gで5分間沈降させ、ついで75重量%エタノールで洗浄し、10,000×gで5分間沈降させた。最終的なRNAペレットを水に溶解させ、当業者に公知の方法により、A260/280で分光光度的にRNA濃度を測定した。
RNAの収量は77μlであった。A260/280比は1.74であり、これはタンパク質が混入していないことを示していた。単離されたRNAは、GAPDHプライマーを用いたRT−PCRにうまく使うことができ、DNA混入は全く検出されなかった。単離されたRNAのノーザンブロット分析により、リボソームRNAの分解されていないバンド及びGAPDH mRNAの分解されていないバンドが示された。
[実施例4]
(相分離及びフェノール非含有カオトロープ溶液中でのホモジナイズによるRNAの単離)
ラット骨格筋(29mg)を、3Mのチオシアン酸グアニジン及び5mMの酢酸ナトリウムの0.5mLの水溶液中でホモジナイズした。ホモジネートを、0.5mLのフェノール及び0.1Mの酢酸ナトリウムバッファー(pH3.7)と混合した。得られた混合物を0.1mLのブロモクロロプロパンとともに振り混ぜ、4℃、12,000×gで15分間沈降させた。沈降後、混合物は、水相、中間相、及び下部の有機相を形成した。RNAが水相に分離する一方で、DNA及びタンパク質は中間相及び有機相に分離した。
50重量%エタノールを含む0.5mLの水溶液を添加することにより、水相からRNAを選択的に沈殿させた。実施例1に記載のとおりにRNA沈殿物を洗浄し、処理し、かつ分析した。
RNAの収量は16μgであった。A260/280比は1.70であり、これはタンパク質が混入していないことを示していた。単離されたRNAは、GAPDHプライマーを用いたRT−PCRにうまく使うことができ、DNA混入は全く検出されなかった。単離されたRNAのノーザンブロット分析により、リボソームRNAの分解されていないバンド及びGAPDH mRNAの分解されていないバンドが示された。
[実施例5]
(1重量%のドデシル硫酸ナトリウム中でのホモジナイズを用いた相分離によるRNAの単離)
25cmのプラスチックボトルで増殖させた初代培養ヒト線維芽細胞(Clonetics, San Diego CA)を、50μg/mlのプロテナーゼKを追加した、1重量%のドデシル硫酸ナトリウム及び10mMのクエン酸ナトリウムを含む1.5mLの溶液(pH7.0)で覆った(overlay)。得られた細胞溶液を室温(約20℃)で1時間インキュベートし、遠心分離用チューブに移し、12重量%の水及び100mMの酢酸ナトリウムを含む1.5mLの酸性フェノール(pH3.7)と混合した。4℃で15分間遠心分離した後、混合物は、水相、中間相、及び有機相を形成した。相分離後、それぞれ、RNAは水相に分離する一方、DNA及びタンパク質は中間相及び有機相に分離した。
0.75mLのエタノールを添加することにより、水相からRNAを沈殿させ、10,000×gで5分間沈降させた。RNAペレットを75%エタノールで洗浄し、10,000×gで5分間遠心分離し、水に溶解させた。
RNAの収量は18μgであった。A260/280比は1.71であり、これはタンパク質が混入していないことを示していた。単離されたRNAは、GAPDHプライマーを用いたRT−PCRにうまく使うことができ、DNA混入は全く検出されなかった。単離されたRNAのノーザンブロット分析により、リボソームRNAの分解されていないバンド及びGAPDH mRNAの分解されていないバンドが示された。
[実施例6]
(酸性フェノール沈殿によるRNAの単離)
1つの実施態様では、RNAの酸性フェノール沈殿のために以下の組成物を用いた:20重量%のフェノール、2Mのチオシアン酸グアニジン、15mMのクエン酸ナトリウム、0.1Mの塩化リチウム、0.05重量%のサルコシン、1.5重量%のグリセロール、及び酢酸ナトリウムバッファー(pH4.2)。ラット肝臓(52mg)を、1mLのこの組成物中でホモジナイズした。ホモジネートを、室温(約20℃)、10,000×gで5分間遠心分離して、沈殿したDNA、タンパク質、及び他の細胞成分を除去した。
得られた上清をクリーンチューブに移し、1mLのエタノールと混合してRNAを沈殿させた。沈殿したRNAを、10,000×gで5分間沈降させ、75重量%エタノールで洗浄し、水に溶解させた。
RNAの収量は187μgであった。A260/280比は1.74であり、これはタンパク質が混入していないことを示していた。単離されたRNAは、GAPDHプライマーを用いたRT−PCRにうまく使うことができ、DNA混入は全く検出されなかった。単離されたRNAのノーザンブロット分析により、リボソームRNAの分解されていないバンド及びGAPDH mRNAの分解されていないバンドが示された。
[実施例7]
(2倍濃縮試薬を用いた酸性フェノール沈殿によるRNAの単離)
ラット肝臓(47mg)を、実施例6に示した濃度の2倍濃度の、実施例6に記載の試薬1mL中でホモジナイズした。濃縮試薬には、さらに1重量%のフェニルエタノールを含めた。沈殿試薬を形成するために、ホモジネートを1mLの水と混合した。
沈殿したDNA、タンパク質、及び他の細胞成分を、室温(約20℃)、10,000×gで5分間遠心分離することにより沈降させた。得られた上清をクリーンチューブに移し、1mLのエタノールと混合してRNAを沈殿させた。沈殿したRNAを10,000×gで5分間沈降させ、75重量%エタノールで洗浄し、水に溶解させた。
RNAの収量は178μgであった。A260/280比は1.77であり、これはタンパク質が混入していないことを示していた。単離されたRNAは、GAPDHプライマーを用いたRT−PCRにうまく使うことができ、DNA混入は全く検出されなかった。単離されたRNAのノーザンブロット分析により、リボソームRNAの分解されていないバンド及びGAPDH mRNAの分解されていないバンドが示された。
[実施例8]
(本発明の2段階手順によるRNAの単離)
ラット脳(61mg)を、実施例7に記載の2倍濃縮試薬1mL中でホモジナイズした。ホモジネートを1mLの水と混合し、得られた混合物を、室温(約20℃)、10,000×gで5分間遠心分離して、沈殿したDNA、タンパク質、及び他の細胞成分を除去した。上清をクリーンチューブに移し、0.05mLのブロモクロロプロパンと混合した。混合物を遠心分離し、最上部の水相、中間相、及び有機相に分離させた。
RNAを含む水相を新しいチューブに移し、イソプロパノール中の5Mの乳酸でpH2.9に酸性化した。RNA沈殿物を10,000×gで5分間沈降させ、75重量%エタノールで洗浄し、水に溶解させた。
RNAの収量は33μgであった。A260/280比は1.77であり、これはタンパク質が混入していないことを示していた。単離されたRNAは、GAPDHプライマーを用いたRT−PCRにうまく使うことができ、DNA混入は全く検出されなかった。単離されたRNAのノーザンブロット分析により、リボソームRNAの分解されていないバンド及びGAPDH mRNAの分解されていないバンドが示された。
本発明の他の変形又は実施態様もまた、上述の説明及び実施例から当業者は理解するであろう。従って、上述の実施態様は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。

Claims (38)

  1. 最終濃度が約3重量%〜98重量%の範囲であるフェノールと、最終組成物のpHを3.6〜4.0未満の範囲に維持するのに十分なバッファーとを含む、精製RNAを単離するためのフェノールを含む組成物。
  2. 最終濃度が3重量%〜30重量%未満の範囲であるフェノールと、最終組成物のpHを3.9〜5.5の範囲に維持するのに十分なバッファーとを含む、精製RNAを単離するためのフェノールを含む組成物。
  3. 前記バッファーが、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、フタル酸塩、酒石酸塩及び乳酸塩の少なくとも1種、又はこれらの混合物から選択される、請求項1又は2記載の組成物。
  4. 少なくとも1種のリボヌクレアーゼ阻害剤をさらに含む、請求項1又は2記載の組成物。
  5. フェニルエタノール、プロピレンフェノキシトール、チモール及びブチルフェノールの少なくとも1種、又はこれらの混合物から選択される、最終濃度が最大で5重量%までのフェノール誘導体をさらに含む、請求項1又は2記載の組成物。
  6. ポリアルコール、モノアルコール、及びグアニジン塩の少なくとも1種から選択されるフェノール可溶化剤をさらに含む、請求項1又は2記載の組成物。
  7. 前記組成物の密度を増加させるのに十分な1重量%〜5重量%の範囲の濃度で、少なくとも1種の有機化合物をさらに含む、請求項1記載の組成物。
  8. 少なくとも1種のリボヌクレアーゼ阻害剤と、組成物のpHを3.6〜4.0未満に維持するのに十分なバッファーであって、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、フタル酸塩、酒石酸塩及び乳酸塩の少なくとも1種、又はこれらの混合物から選択されるバッファーとを含む、精製RNAを単離するためのフェノール非含有水性組成物。
  9. 界面活性剤をさらに含む、請求項1、2、又は8のいずれか一項記載の組成物。
  10. 無機又は有機塩、及びキレート剤をさらに含む、請求項1、2、又は8のいずれか一項記載の組成物。
  11. 最終濃度が10重量%〜40重量%の範囲である少なくとも1種の疎水性有機溶媒と、相分離の間、pHを3.6〜4.0未満の範囲に維持するのに十分な少なくとも1種の酸と、任意の酸可溶化剤とを含む相分離による精製RNAの単離に使用するためのフェノール非含有相分離組成物。
  12. 前記有機溶媒が、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモクロロプロパン、ブロモナフタレン、又はブロモアニソールの少なくとも1種である、請求項11記載の組成物。
  13. 前記酸が、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、アミノカプロン酸、乳酸、又はクロロフェニル酢酸の少なくとも1種である、請求項11記載の組成物。
  14. a)最終濃度が10重量%〜60重量%の範囲であるフェノールと、少なくとも1種のリボヌクレアーゼ阻害剤とを含む試薬で生物サンプルを処理する工程、
    b)pHを3.6〜4.0未満の範囲に維持しながら、前記サンプルと少なくとも1種の疎水性溶媒とを混合する工程、
    c)精製RNAを沈殿させるために約同体積の水溶性有機溶媒が添加されている水相から前記精製RNAを回収する工程、及び
    d)前記の沈殿したRNAを洗浄し、溶解する工程、
    を含む、生物サンプルから精製RNAを単離するための方法。
  15. 前記工程a)の試薬が、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、フタル酸塩、酒石酸塩及び乳酸塩の少なくとも1種、又はこれらの混合物から選択されるバッファーをさらに含む、請求項14記載の方法。
  16. 前記工程a)の試薬が、少なくとも1種のリボヌクレアーゼ阻害剤をさらに含む、請求項14記載の方法。
  17. 前記工程a)の試薬が、界面活性剤をさらに含む、請求項14記載の方法。
  18. 前記工程a)の試薬が、無機又は有機塩、及びキレート剤をさらに含む、請求項14記載の方法。
  19. 前記工程a)の試薬が、フェニルエタノール、プロピレンフェノキシトール、チモール及びブチルフェノールの少なくとも1種、又はこれらの混合物から選択される、最終濃度が最大で5重量%までのフェノール誘導体をさらに含む、請求項14記載の方法。
  20. 前記工程a)の試薬が、ポリアルコール、モノアルコール、及びグアニジン塩の少なくとも1種から選択されるフェノール可溶化剤をさらに含む、請求項14記載の方法。
  21. 前記工程a)の試薬が、前記組成物の密度を増加させるのに十分な1重量%〜5重量%の範囲の濃度で、少なくとも1種の有機化合物をさらに含む、請求項14記載の方法。
  22. 前記工程a)の前に、請求項8又は11記載のフェノール非含有組成物で前記サンプルを初めに処理する、請求項14記載の方法。
  23. 前記工程a)の試薬が、3.6〜4.0未満の範囲にpHを維持するために緩衝化されている、請求項14又は20記載の方法。
  24. 前記工程a)を3.9〜9.0の範囲のpHで実施し、ついで3.6〜4.0未満の範囲のpHに前記サンプルを調整する、請求項14又は22記載の方法。
  25. a)最終濃度が3重量%〜30重量%未満の範囲であるフェノールと、組成物のpHを3.6〜5.5の範囲に維持するのに十分なバッファーとを含む試薬で生物サンプルを処理する工程、
    b)DNA、タンパク質、及び細胞成分を実質的に含まない精製サンプルを得るために、前記サンプルを沈降又は濾過する工程、及び精製RNAを沈殿させるために、前記精製サンプルに同体積の水溶性有機溶媒を添加する工程、
    d)前記の沈殿したRNAを沈降又は濾過する工程、及び
    e)前記の沈殿したRNAを洗浄し、溶解する工程、
    を含む、生物サンプルから精製RNAを単離するための方法。
  26. a)最終濃度が3重量%〜30重量%未満の範囲であるフェノールと、少なくとも1種のカオトロープと、組成物のpHを3.6〜5.5の範囲に維持するのに十分なバッファーとを含む試薬で生物サンプルを処理する工程、
    b)DNA、タンパク質、及び細胞成分を実質的に含まない精製サンプルを得るために、前記サンプルを沈降又は濾過する工程、
    c)少なくとも1種の疎水性有機溶媒と、前記精製サンプルのpHを3.6〜4.0未満の範囲に維持するのに十分なバッファーとを前記精製サンプルに添加する工程、
    d)精製RNAを沈殿させるために同体積の水溶性有機溶媒が添加されている水相から前記精製RNAを回収する工程、
    e)前記の沈殿したRNAを沈降又は濾過する工程、及び
    f)前記の沈殿したRNAを洗浄し、溶解する工程、
    を含む、生物サンプルから精製RNAを単離するための2段階方法。
  27. 前記疎水性有機溶媒が、相分離の間に前記有機相を分離させるために十分に密度が高い、請求項26記載の方法。
  28. 前記疎水性有機溶媒が、カプロラクトン、エチレングリコールジアセテート、ポリエチレングリコールジベンゾアート、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモクロロプロパン、ブロモナフタレン及びブロモアニソールの少なくとも1種、又はこれらの混合物から選択される、請求項25又は26記載の方法。
  29. 前記サンプルが、1.5×〜2.5×濃度で前記工程a)の組成物で処理され、得られたサンプルが、濃縮されていない溶液にするために希釈される、請求項25又は26記載の方法。
  30. RNAを沈殿させるために添加される前記溶媒が、低級アルコール、ポリアルコール、アセトン、エチレングリコールジアセテート及びメチルスルホキシドの少なくとも1種、又はこれらの混合物である、請求項14、22、25、又は26のいずれか一項記載の方法。
  31. 最大で3.3のpHを得るのに十分な量のバッファーで、RNA及び塩含有溶液のpHを調整する工程、及びその後精製RNAを沈殿させる工程を含む、RNA及び塩含有溶液から精製RNAを単離するための方法。
  32. 前記pHが、3.0〜2.7の範囲である、請求項31記載の方法。
  33. 前記バッファーが、有機酸又は無機酸の少なくとも1種である、請求項31記載の方法。
  34. 前記塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、及びグアニジン塩からなる群から選択される、請求項31記載の方法。
  35. 前記溶液が、1重量%〜60重量%の濃度のフェノールを含む、請求項31記載の方法。
  36. 生物サンプルから高分子量のRNAを選択的に沈殿させるために、最終濃度が1重量%〜60重量%の範囲であるフェノールと、少なくとも1種のカオトロープと、組成物のpHを2.0〜9.0の範囲に維持するのに十分な濃度のバッファーと、10重量%〜40重量%の濃度の少なくとも1種の水溶性有機溶媒とを含む水性組成物で前記サンプルを処理する工程、及び
    前記サンプルから高分子量の精製RNAを沈殿させる工程、
    を含む、生物サンプルから高分子量のRNAを選択的に沈殿させる方法。
  37. その後、低分子量のRNAを沈殿させるために、前記有機溶媒の濃度を少なくとも50重量%に増加させるのに十分な追加の有機溶媒を添加する工程、及び前記サンプルから低分子量の精製RNAを沈殿させる工程をさらに含む、請求項36記載の方法。
  38. RNAの水溶液を得るために、請求項14、22、25、又は26のいずれか一項記載の前記生物サンプルを準備する工程、及び前記水溶液からRNAを沈殿させる工程を含む、請求項36記載の方法。
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