JP2004105009A - テトラフェニルホウ素化合物から成る核酸分離用試薬とそれを用いる核酸分離方法 - Google Patents

テトラフェニルホウ素化合物から成る核酸分離用試薬とそれを用いる核酸分離方法 Download PDF

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武田 由香
Munetaka Ishiyama
石山 宗孝
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志賀 匡宣
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Abstract

【課題】フェノール/クロロホルムを使用することなく、各種の生体試料から核酸を高回収量で高純度に単離・精製することのできる核酸分離技術を提供する。
【解決手段】下記の一般式(I)で表わされるテトラフェニルホウ素化合物から成る核酸分離用試薬。式中、nは、0,1または2の整数を示し、nが1または2の場合、R、R、RおよびRは、互いに同一または別異の置換基であって、ハロゲン原子、または炭素数1〜4のアルキル基もしくはエーテル基(炭素原子の一部がハロゲン原子で置換されているものを含む)を示し、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。対象とする生体試料を溶解緩衝液に溶解した後、この核酸分離用試薬の存在下に、無機塩または有機塩を添加することにより、目的の核酸以外の生体試料成分を沈殿させて、当該核酸を回収することができる。
【化1】
Figure 2004105009

【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の生体試料から核酸を単離・精製するための核酸分離用試薬とそれを用いる核酸分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゲノム解析や遺伝子操作が飛躍的な進展を遂げ、今や分子生物学分野では核酸の取り扱いは必要不可欠となっている。取り扱う核酸は、動植物あるいは大腸菌のような細菌など各種の供給源から抽出され、その際、核酸の高分子量を維持し、かつ酵素反応を阻害しない高純度の核酸の単離が要求される。特にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)やサザン解析法等の用途には、高純度の核酸を使用することが好ましい。この目的のために、多種多様な核酸の単離精製技術が報告され、また簡便なキットとして市販されている。核酸の単離精製とは、目的の核酸以外の共存成分、特にタンパクを可及的に除去する技術を如何に構築するかということである。
【0003】
フェノール/クロロホルムと試料サンプルを混合し、核酸からタンパクを変性除去する古典的な方法が、確実に高純度の核酸が得られるため今なお用いられている。しかし、この方法には、フェノールやクロロホルムの人体(取扱者)に対する影響や、使用後のその廃棄に特殊な処理が必要である等の問題があった。
【0004】
近年、フェノール/クロロホルムを使用しない方法として、以下の手法が報告されている。
(1) グアニジン塩もしくはヨウ素塩を試料サンプルに添加し、核酸からタンパクを変性除去する方法。
(2) 高濃度の過塩素酸塩を試料サンプルに添加し、核酸からタンパクを塩析除去する方法。
(3) アニオン交換樹脂に試料サンプル中の核酸を結合させ、タンパクを除去する方法。
(4) シリカゲルメンブランに試料サンプル中の核酸を結合させ、タンパクを除去する方法。
これらは、いずれもフェノール/クロロホルムを使用しない点では優れた方法であるが、(1)では完全にタンパクを変性できないため、精製後の核酸にタンパクがまだ混入している、(2)では塩析する際、核酸も一緒に塩析される、(3)および(4)では核酸の回収量が低いといった問題があり、完全な核酸の精製方法とは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、フェノール/クロロホルムを使用することなく、各種の生体試料から核酸を高回収量で高純度に単離・精製することのできる新しい核酸分離技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するために検討を重ねた結果、特定のホウ素化合物の存在下に、生体試料水溶液に無機塩または有機塩を加えると、タンパク質や糖などは沈殿するが、目的の核酸は上澄み液中に選択的に存在し得ることを見出し、本発明を導き出したものである。
【0007】
かくして、本発明に従えば、下記の一般式(I)で表わされるテトラフェニルホウ素化合物から成ることを特徴とする核酸分離用試薬が提供される。
【0008】
【化3】
Figure 2004105009
【0009】
但し、式(I)中、nは、0,1または2の整数を示し、nが1または2の場合、R、R、RおよびRは、互いに同一または別異の置換基であって、ハロゲン原子、または炭素数1〜4のアルキル基もしくはエーテル基(炭素原子の一部がハロゲン原子で置換されているものを含む)を示し、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。
【0010】
本発明に従えば、さらに、生体試料から核酸を分離する方法であって、対象とする生体試料を溶解緩衝液に溶解した後、上記の核酸分離用試薬の存在下に、無機塩または有機塩を添加することにより、目的の核酸以外の生体試料成分を沈殿させて、当該核酸を回収する工程を含むことを特徴とする方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
式(I)に包含される化合物の一部は、これまで、特定のイオンに対する沈殿試薬等として知られているが、式(I)で表わされるテトラフェニルホウ素化合物が核酸分離用試薬として利用され得ることは全く知られていなかった。
【0012】
既述したように、式(I)において、nは、0,1または2の整数を示す。すなわち、ホウ素原子(B)に結合する4個のフェニル基のそれぞれは無置換(n=0の場合)または2つの置換基を有する(n=1または2の場合)。nが1または2の場合、R、R、RおよびRは互いに同一または別異の置換基を表わすが、一般的には同一の置換基を示す。そして、R、R、RおよびRを構成する置換基は、ハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキル基もしくはエーテル基であるが、ここで、炭素数1〜4のアルキル基またはエーテル基は、その炭素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示すが、好ましいのは、ナトリウムまたはリチウムであり、ナトリウムが特に好ましい。
【0013】
かくして、本発明に従う核酸分離用試薬として用いられ式(I)で表わされるテトラフェニルホウ素化合物の特に好ましいものは下記の式(II)で表わされるテトラフェニルホウ酸のナトリウム塩(tetraphenylborate sodium salt)である。
【0014】
【化4】
Figure 2004105009
【0015】
この他に、本発明の核酸分離用試薬として用いられるのに好ましい式(I)に包含されるテトラフェニルホウ素化合物のテトラフェニルボロン酸部位の化学構造式としては、下記の式(III)〜(VI)で示されているものを例示することができる。
【0016】
【化5】
Figure 2004105009
【0017】
【化6】
Figure 2004105009
【0018】
【化7】
Figure 2004105009
【0019】
【化8】
Figure 2004105009
【0020】
本発明に従えば、以上のようなテトラフェニルホウ素化合物の存在下に、生体試料の水溶液に無機塩または有機塩を添加することにより、分離しようとする核酸(DNAまたはRNA)以外の成分、すなわち、タンパク質、糖類、非分離対象の核酸の溶解分等が沈殿するが、目的の核酸は上澄液に残存するので、これを回収した後、適当な処理剤(核酸共沈液)を用いて沈殿させることにより単離することができる。このようにして核酸の単離・精製が可能となる詳細なメカニズムは未だ分からないが、式(I)で表わされるテトラフェニルホウ素化合物がDNAやRNAの特定の構造部分を介して核酸と選択的に相互作用することにより、塩によるタンパク質等の非分離対象成分に対する塩析効果が促進されるためと考えられる。
【0021】
対象とする生体試料の種類、用いるテトラフェニルホウ素化合物や塩の種類等によるが、一般に、テトラフェニルホウ素化合物の濃度は、0.1〜1M、また、塩の濃度は、1〜10M程度の高濃度とすべきである。核酸分離用試薬となるテトラフェニルホウ素化合物の添加の態様は、状況に応じて変えることができる。例えば、生体試料の溶解緩衝液(lysis buffer)中に予めテトラフェニルホウ素化合物を添加しておいてもよく、別の態様として、塩の添加による沈殿操作のときにテトラフェニルホウ素化合物を添加してもよい。
【0022】
本発明においてタンパク質等を沈殿させるのに用いられる塩(無機塩または有機塩)としては、水中で、電離するものであれば、基本的には、使用可能である。しかし、特に高い収率で高純度の核酸の分離を行なうためには、生体試料に応じて好適な塩が見出されている。例えば、アガロースゲルから成る生体試料から核酸としてDNAを分離する場合の好適な塩は酢酸ナトリウム(sodium acetate)であり、動物組織から成る生体試料から核酸としてDNAを分離する場合の好適な塩はグアニジンチオシアネート(guanidine thiocyanate)であり、また、培養細胞から成る生体試料から核酸としてRNAを分離する場合の好適な塩は塩化ナトリウムであることが見出されている。
【0023】
以上のようにして、本発明の核酸分離用試薬および核酸分離方法は、動植物の組織や細胞、哺乳動物の血液、培養組織や細胞、アガロースゲルなどの各種の生体試料から核酸(DNAまたはRNA)を高収率且つ高純度に単離精製するのに適用することができる。
【0024】
【実施例】
以下に、本発明の特徴をさらに具体的に示すため実施例を記述するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
下記の実施例のうち、実施例1〜実施例3は、本発明に従い各種の生体試料から核酸を単離精製する具体的方法を例示するものであり、また、実施例4〜実施例7は、本発明に従えば、高収率且つ高純度に核酸を単離精製できることを示すものである。
【0025】
実施例1:アガロースゲルからDNAの単離精製
試薬調製
(1)ゲル溶解緩衝液:0.1〜1Mのテトラフェニルホウ酸のナトリウム塩〔式(II)の化合物〕および1〜10%スクロースをTE buffer(10mMトリスHCl、1mM EDTA、pH8.0)にて調製する。
(2)沈殿液:1〜10Mの酢酸ナトリウム(pH7.0)水溶液を調製する。
(3)DNA共沈液:20mg/mlのグリコーゲン溶液を滅菌水にて調製する。
【0026】
操作概要
EtBr等で染色したアガロースゲルから目的のバンドを切り出し、切り出したゲルにゲル溶解緩衝液を加える。ゲルが完全に溶解した後、沈殿液を加え、目的のDNA以外の成分を沈殿させる。遠心分離した後、上澄み液にDNA共沈用液を加え、更にエタノールを加え振盪する。遠心分離、上澄み液除去およびエタノール添加を2〜3回繰り返すことによりDNAが単離精製される。
【0027】
実施例2:動物組織からのDNAの単離精製
試薬調製
(1)溶解緩衝液:1〜20mMのトリス、1〜200mMのEDTA・2NAおよび0.1〜1%のドデシル硫酸ナトリウム(pHを7.0〜8.0)を調製する。
(2)プロテイナーゼK溶液:予め準備した溶解液(10Mのトリス、20mMのCaCl、50%(v/v)のグリセロール(pH7.5)にて1〜40mg/mlのプロテイナーゼK溶液を調製する。
(3)RNase溶液:リボヌクレアーゼA 10〜100mg(Sigma, Type I−A、カタログ番号:R 4875)を10mMの酢酸ナトリウム(pH5.2)0.9mlに溶解し、100℃、15分間加熱する。室温放置後、1Mのトリス(pH7.4)0.1mlを加える。
(4)沈殿液I:0.1〜1Mのテトラフェニルボロン酸のナトリウム塩をTE buffer (10mMのトリス1mMのEDTA、pH8.0)で調製する。
(5)沈殿液II:1〜10Mのグアニジンチオシアネート溶液を純水にて調製する。
【0028】
操作概要
対象とする動物組織に、溶解緩衝液とプロテイナーゼK溶液を添加し組織を完全に溶解させる。さらにRNase溶液を加えてRNAを分解させる。次いで、先ず沈殿液Iを加えて混和させた後、沈殿液IIを加え混和させる。遠心分離し、上澄み液にエタノールを加える。この操作を2〜3回繰り返すことにより所望のDNAを単離精製することができる。
【0029】
実施例3:培養細胞から Total  RNA(全RNA)の単離精製
試薬調製
(1)溶解緩衝液:1〜10Mのグアニジンチオシアネート、10〜30mMのクエン酸ナトリウムおよび0.1〜1%ラウロイルサルコシン酸をDEPC処理水にて調製する。
(2)DNase溶液:Macaloid clay懸濁液を用いてRNase−free DNaseを調製する。
(3)DNase稀釈液:50mMのトリス10mMのMgClを純水にて調製する。
(4)沈殿液I:0.1〜1Mのテトラフェニルボロン酸のナトリウム塩をTE buffer (10mMのトリス1mMのEDTA、pH8.0)で調製する。
(5)沈殿液II:1〜10MのNaCl溶液を純水にて調製する。
【0030】
操作概要
細胞数が例えば3×10〜1×10cellsになるように細胞懸濁液を入れ、培地を除去した後、細胞ペレットをPBSで懸濁洗浄し、遠心する。上澄みを除いた後、溶解緩衝液β−メルカプトエタノールを加えて細胞を完全に溶解する。沈殿液Iを加えて、混和した後、遠心分離する。上澄み液にエタノールを加え遠心分離し上澄みを除く残った沈殿物に20倍稀釈DNase溶液を加える。その後、先ず沈殿液Iを加え、次いで沈殿液IIを加える。遠心分離し、その上澄み液へのエタノールを添加する操作を2〜3回繰り返すことにより、所望のRNAを単離精製できる。
【0031】
実施例5:単離ゲノムDNAのUVスペクトル
単離したゲノムDNAの回収量および純度を調べた。実施例2に記述したような方法に従い、マウス肝臓等の各種生体試料から単離したDNAをサンプルとして用いた。得られたDNAペレットを500μlのTE buffer(10mMトリス、1mM EDTA)に溶解し、TE bufferをレファレンスとして分光光度計の200〜700nmにおけるスペクトルを測定した。核酸に特異的な260nmの吸収が見られた。マウス肝臓由来のDNAのスペクトルを図1に示す。また、OD値とDNA量には1OD(2本鎖DNAの260nmにおける値)=50μg/mlの関係があることが確立されており、これに基づき、OD値によりDNA量を換算した。
さらに、タンパク質に特異的な吸収280nmを測定し、そのOD260/280値を算出することで核酸の純度の目安が得られ、核酸の純度が高い場合、DNAでOD260/280値が約1.8となることも知られている。これらに基づき、各試料から得られるゲノムDNAの回収量とその純度を表1に示す。このように本発明の方法によって単離精製されたゲノムDNAは高純度であることが確認された。
【0032】
【表1】
Figure 2004105009
【0033】
実施例5:制限酵素反応
本発明の方法により単離精製したゲノムDNAをエンドヌクレアーゼ処理し、酵素阻害能を調べた。実施例2に記述した方法に従い、マウス肝臓から単離したDNAをサンプルとして用いた。またBamH1をエンドヌクレアーゼとして使用した。
操作
(1)50ug/ml濃度の単離DNA88ulに、100mMのMgCl、1MのNaClを含む500mMのトリスbuffer(pH8.0)10ulを加えた。
(2)10units/ml濃度のエンドヌクレアーゼ2ulを加え、37℃、1時間インキュベーションした。
(3)反応液40ulを0.6%アガロースにロードし、電気泳動分析した。
結果
単離DNAは30〜50Kbp付近に単一のバンドを示した。また、酵素反応によりいずれのDNAも消化され、スメアなバンドになっていることを確認した(図2)。細胞、組織および血液のいずれのサンプルでも同様の結果が得られた。したがって、本発明の方法で単離精製したDNAは酵素阻害を起こさない高純度のものであることが判明した。
【0034】
実施例6:単離 total  RNAのUVスペクトル
本発明に従い単離精製したトータルRNAの回収量および純度を調べた。実施例3に記述したような方法により、HeLa細胞から単離したRNAをサンプルとして用いた。
操作
(1)得られたRNAペレットを500ulのDEPC処理水(ジエチルピロカーボネート処理水)に溶解した。また、UVスペクトル測定の際に、TE bufferにて適当な濃度に稀釈した。
(2)TE bufferをレファレンスとして分光光度計の200〜700nmにおけるスペクトルを測定した。
結果
核酸に特異的な260nmの吸収(図3参照)がみられた。また、よく知られた1OD(260nmにおける1本鎖RNAの値)=40μg/mlという関係から、OD値によりトータルRNA量を換算した。また、タンパク質に特異的な吸収が280nmにあり、そのOD260/280値を測定することで核酸の純度の目安となり、核酸の純度が高い場合、RNAではOD260/280値が2.0前後となることが知られている。これらに基づき各試料から得られるtotalRNAの回収量とその純度を表2に示す。したがって、本発明の方法によって単離精製されるtotalRNAは高純度であることが確認された。
【0035】
【表2】
Figure 2004105009
【0036】
実施例7:RT−PCR反応
得られたTotalRNAのRT−PCR反応を行ない、cDNAの増幅能を調べることにより、その純度を確認した。HeLa細胞から単離したDNAをサンプルとし、ヒトβ−アクチン(Human β−actin)を特異的に認識するプライマーを用いた。
操作
(1)得られたRNAをDEPC処理水で溶解し、予め1ug/ulに稀釈しておく。
(2)PCR用マイクロチューブRT/Platinum Taq Mix 1ul、2×Reaction Mix(a buffer conteining 0.4mM of each dNTP, 2.4mM MgSO)25ul、Primer Mix 1ulおよびDEPC処理水を22ul入れ混合した(invitrogen Cat. No.10928−034)。
(3)(1)で調製したRNAを1ul加え、RT−PCR反応をスタートした。
(4)RT−PCRプログラム終了後、エタノール沈殿にてRT−PCR産物を回収した。
(5)回収したRT−PCR産物はTE bufferに溶解し、アガロースゲル電気泳動にて回収物の分析を行なった。
結果
結果を図4の電気泳動図に示す。得られたRT−PCR産物は、目的cDNAサイズである353bpにバンドとして確認された。したがって、本発明の方法による回収RNAはRT−PCR反応を阻害することなくcDNA増幅に寄与している高純度のものであることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって単離精製されたゲノムDNAの1例の紫外吸収スペクトルを示す。
【図2】本発明によって単離精製されたゲノムDNAが酵素阻害を起こさないことを示す電気泳動図である。
【図3】本発明によって単離精製された全RNAの1例の紫外吸収スペクトルを示す。
【図4】本発明によって単離精製された全RNAがRT−PCR反応を阻害しないことを示す電気泳動図である。

Claims (8)

  1. 下記の一般式(I)で表わされるテトラフェニルホウ素化合物から成ることを特徴とする核酸分離用試薬。
    Figure 2004105009
    〔式(I)中、nは、0,1または2の整数を示し、nが1または2の場合、R、R、RおよびRは、互いに同一または別異の置換基であって、ハロゲン原子、または炭素数1〜4のアルキル基もしくはエーテル基(炭素原子の一部がハロゲン原子で置換されているものを含む)を示し、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。〕
  2. 、R、RおよびRが互いに同一の置換基を示す請求項1に記載の核酸分離用試薬。
  3. Mがナトリウムまたはリチウムであることを特徴とする請求項2に記載の核酸分離用試薬。
  4. テトラフェニルホウ素化合物が下記の式(II)で表わされるテトラフェニルホウ酸のナトリウム塩であることを特徴とする請求項3に記載の核酸分離用試薬。
    Figure 2004105009
  5. 生体試料から核酸を分離する方法であって、対象とする生体試料を溶解緩衝液に溶解した後、請求項1〜4のいずれかに記載の核酸分離用試薬の存在下に、無機塩または有機塩を添加することにより、目的の核酸以外の生体試料成分を沈殿させて、当該核酸を回収する工程を含むことを特徴とする方法。
  6. 有機塩として酢酸ナトリウムを用い、アガロースゲルから成る生体試料から核酸としてDNAを分離することを特徴とする請求項5に記載の核酸分離方法。
  7. 有機塩としてグアニジンチオシアネートを用い、動物組織から成る生体試料から核酸としてDNAを分離することを特徴とする請求項5に記載の核酸分離方法。
  8. 無機塩として塩化ナトリウムを用い、培養細胞から成る生体試料から核酸としてRNAを分離することを特徴とする請求項5に記載の核酸分離方法。
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