JP2007531667A - 油圧式パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
Description
通常の油圧式パワーステアリング装置は、油圧モータに高圧油を送るポンプを含んでいる。油圧モータは、車両のステアリングリンク機構に接続された出力部材を駆動する可動ピストンを有している。車輪はステアリングリンク機構に取り付けられている。
ピストンの運動により出力部材が駆動されて、車輪が左右に方向転換される。右への方向転換の場合は、ピストンの一方の側に油圧油が流れ、車輪が右へ方向転換する方向へピストンを駆動する。左への方向転換の場合は、油圧油はピストンの他方の側へ流れ、逆方向へピストンを駆動して、車輪を左へ方向転換する。
制御弁は、ステアリングホイールの回動により制御弁が操作されるように該ホイールに接続されている。直進駆動中、ステアリングホイールは中立状態に置かれる。制御弁が中立状態の場合、車輪は直進方向となる。ステアリングホイールが右へ回動されると、制御弁は非中立状態となり、ピストンの一方の側へ油圧油が流れる。これにより、車輪は右へ方向転換する。ステアリングホイールが左へ回動されると、制御弁は非中立状態となり、ピストンの他方の側へ油圧油が流れる。これにより、車輪は左へ方向転換する。
制御弁を通過する油圧油は、しかし騒音を発生することがある。騒音の一般的原因は、オリフィスを流過する油圧油のキャビテーションである。キャビテーションは、油圧油がオリフィスを通過するさいに、油圧油の静圧降下の結果として油圧油内に発生する泡が原因である。圧力降下が十分に大きいと、泡が発生し、油圧油がオリフィスから排出されるさいに内破する。この内破が、乗員室内に聞こえる騒音を発生させる。
Ca=(Pa−Pv)*A2/(1/2*p*Q2)
この式において、Pa=オリフィスからの排出時の油圧油静圧
Pv=油圧油の蒸気圧
A=オリフィスの横断面積
ピストン=油圧油の質量密度
Q=オリフィスを通過する油圧油の体積流量、である。
トラックの運転台や自動車の内部を、より静かにするため、製造者に対してパワーステアリングの騒音を低減することが要求されてきた。
パワーステアリングの騒音は、キャビテーションを減少させることで低減できる。キャビテーションを減らすために、幾つかの制御弁の場合、内部に2つのオリフィスが直列配置される。各オリフィスは、単独のオリフィスより大きして、等体積の油流を通過させることができる。オリフィス横断面積を増すことによって、各オリフィスのキャビテーション係数が高くなり、キャビテーション発生の可能性が低くなる。更に、上流のオリフィスのほうが排出圧が高いので、そのキャビテーション係数は更に高くなる。
或る公知の制御弁では、上流と下流両方のオリフィスが閉じられるが、寸法は互いに等しいままである。上流オリフィスのキャビテーション係数は、常に、下流オリフィスのキャビテーション係数より高い値である。これは、上流オリフィスの排出圧が常に下流オリフィスの排出圧より高いためである。下流オリフィスは、上流オリフィスよりキャビテーション発生の可能性が高い。このために、騒音低減するための2つのオリフィスの全体的効果が制限される。
更に別の公知制御弁では、下流オリフィスが、常時、上流オリフィスより小さい。下流オリフィスのキャビテーション係数は、したがって2つの等寸法オリフィスを有する場合に比較して低い値になる。したがって、下流オリフィスのキャビテーション発生の可能性が高くなる。このため、下流オリフィスにより、騒音低減のための2オリフィスの効果が制限される。
加えて、直列配置の2オリフィスは、制御弁の信頼性に往々にして悪影響を及ぼす。製作公差によるオリフィス寸法の相違により、運転者がステアリングホイールを回動しようとするさいに、ステアリングホイールが「固着」(stick)することがある。
しかし、製作公差によるオリフィス寸法の相違のため、荷重の不均衡が発生することで、弁部材には横力が作用する。重負荷(ヘビーデューティ)用トラックのパワーステアリング装置が操作される高圧では、この横力が「粘着」(stiction)、つまり弁運動に対する抵抗を生じさせ、それが、運転者にはかじ取りハンドル回動中に固着(sticking)と感じられる。
ベアリング・キャップ内でのリリーフ弁の位置は、車両製造者の要求によって変更でき、製造者によっては、リリーフ弁をまったく使用しないこともある。異なる車両製造者の要求を満足させるためには、他の点では等しいベアリングキャップを幾種類か製造し、在庫品目に加えておかねばならない。
したがって、油圧パワーステアリング装置の騒音を低減するための改良型制御弁が必要である。この改良型制御弁は、重負荷の操作条件下で信頼性があり、リリーフ弁を有することで、在庫費用を低減するものでなければならない。
本発明による制御弁は、油路内に直列配置された第1及び第2のオリフィスを含んでいる。第1及び第2のオリフィスは各々、制御弁の操作により中立状態から閉じられる。オリフィスは、制御弁が中立状態から閉状態へ移動するのとほぼ同じ制御弁の運動で事実上完全閉状態まで閉じられる。
第2オリフィスは、第1オリフィスの下流にあり、第1及び第2のオリフィスが完全には閉状態にない場合、第1オリフィスより、事実上大きい横断面積を有している。
上流と下流のオリフィスの相対寸法は、2オリフィスのキャビテーション係数に最もよく適合するように選択され、キャビテーション発生の全体的な可能性が低減される。上流オリフィスと下流オリフィスとの比寸法は、好ましくは、制御弁を組み込んだ特定パワーステアリング装置の要求する流量と圧力とに基いて決定される。
制御弁の一好適実施例は、少なくとも2つの油圧回路を含み、各回路が1組の上流及び下流のオリフィスを有している。各組のオリフィスは、オリフィス間に中間圧区域を有している。これら複数中間圧区域が均圧路によって流体連通させられ、該中間圧区域内の圧力の均圧化が保証される。これによって、他の場合には、製作公差によるオリフィス寸法の相違に起因すると思われる粘着(stiction)が防止される。それにより、重負荷作業状態での制御弁の信頼性が高まる。
制御弁の付加的な実施例では、制御弁に、油圧油の過圧が油圧モータへ達するのを防止するリリーフ弁が含まれている。リリーフ弁はバイパス通路を含み、該バイパス通路が制御弁内で弁の入口と排出口間に油路と並列的に延在している。バイパス通路内に配置された可動の弁作用部材は、バイパス通路を閉じる常時閉位置に維持される。油圧油の過圧は弁作用部材を移動させ、バイパス通路を開き、過圧状態を減圧する。リリーフ弁の作業特性は、異なるパワーステアリング装置に適合させることができ、しかも、ベアリング・キャップ又は他の装置構成部品を変更する必要がない。
制御弁10はステアリングギヤ20内に組みつけられ、ポンプ14から油圧モータ18への油流を制御する。供給管路24には、ポンプ14から制御弁10へ油圧油が流れ、戻し管路26には、制御弁10から油タンク16へ油圧油が流れる。
同軸線的な管状作動軸62は、弁スリーブ56から延び、ピストン36を担持する従来式の再循環ボール組立体64と係合している。作動軸62は、ボール組立体64のボールとねじ係合する雄ねじ面を有している。作動軸62と弁スリーブ56とは、好ましくは一体部材として形成される(図3も参照のこと)。
ステアリングホイールの回動により制御弁10が作動し、弁コア58が中立位置、つまり非かじ取り位置から回動する。これにより制御弁10は、中立状態から非中立状態に変わる。それによって高圧の油圧油が、制御弁10から第1及び第2のモータチャンバ通路52,54をへて、ピストン36の一方の側の、モータチャンバ38,40の一方へ送られる。ピストン36は、次いで左方か右方へ移動し、油圧油を他方のモータチャンバ40,38から排出する。他方のモータチャンバから戻される油圧油は、第1又は第2モータチャンバ通路54,52をへて制御弁10へ還流する。
図3には、弁コア58と部材66とが示されている。弁スリーブ56は、概して円筒形の外周部72と、概して円筒形の内周部74(図2参照)とを有している。弁コア58は、弁スリーブ56の内周部と協働する概して円筒形の外周部76を有し、これにより、弁部材56,58間に内部油路78(図2及び図4参照)が画成される。
流入ポート92a,92bは、各弁コアのランド110a,112aと対向している。排出ポート94a,94bは、各弁コアのランド114a,114bと対向している。第1モータポート96a,96bは、各弁コアの溝116a,118aと対向している。第2モータポート98a,98bは各弁コア溝116a,118bと対向している。
弁スリーブ56及び弁コア58は、制御弁10が中立状態にある場合、共通の軸方向中心平面140に関して各々対称である。弁コアのランド110aは、弁スリーブ溝104a内でセンタリングされ、弁コアのランド114a,114bは、弁スリーブ溝108a,108b内でそれぞれセンタリングされている。弁コアのランド110b,110cは、しかし、各々、隣接スリーブのランド100b又は100aの側へ片寄っている。油圧回路90内の対応する弁コアのランドと弁スリーブのランドとは、同じような形式に構成されている。
オリフィス124は、流入ポート92aと第2モータポート98a間に位置し、弁コアのランド110aとスリーブのランド100bとにより形成される。オリフィス126,128は、双方とも第1モータポート96aと排出ポート94a間に形成される。オリフィス126は、弁コアのランド110cと弁スリーブのランド100aとにより形成され、オリフィス128は、弁コアのランド114aと弁スリーブのランド100cとによって形成される。
図5に示すように、オリフィス124−134は各々、弁コア58が中立位置にある場合に開かれる。各オリフィスの寸法は、事実上、オリフィスを形成する弁スリーブ及び弁コアのランドの関連対間の周方向間隔によって決定される。
ポンプ14からの油圧油は、流入ポート92aをへて油圧回路88に流入する。油圧回路88は、モータの流入ポート92aに関して対称であり、流入ポート92aは、油圧回路88を、流入ポート92aから排出ポート94aまで延びる第1油路136と、流入ポート92aから排出ポート94bまで延びる第2油路138とに分岐させる。
油圧回路90を通過する油流は、油圧回路88と同じように釣り合わされている。結果として、モータチャンバ38,40内の油圧は、事実上均圧であり、ピストン36は不動である。
ステアリングホイールの回動により、弁コア58は、その中立位置から回転せしめられる。これにより、油圧回路88,90内のオリフィスのうちの幾つかは閉じられ、他は開かれる。回路88を通過する油流については後述するが、その説明は、油圧回路90にも妥当するものと理解されたい。
回転により、オリフィス124,126,128は絞られ、オリフィス130,132,134は拡大される。オリフィス130は、第1油路136の入口にあり、開かれることで、油流が事実上妨げられずに流入ポート92aから油路136へ流入できる。圧力オリフィス124は、第2油路138の入口にあり、流入ポート92aから第2油路138への油流を制限する。結果として、流入ポート92aから第1油路136への流量が増し、第2油路138への流量が減る。これにより、弁コア溝116aが加圧され、油圧油が第1モータポート96aから第1モータチャンバ38へ流れ、ピストン36が、図2に見られるように左方へ移動する。
図6で注意すべき点は、弁コアのランド110bの前縁が十分に弁スリーブのランド100dから間隔をおいて位置しているため、弁コア58の逆時計回りの回転によってランド110b、100d間に流れを絞るオリフィスが形成されない点である。第2モータポート98aの下流で油路138内の流れを絞ることが望まれる場合には、ランド110b,100dを、そのような流量絞り部を形成するように寸法付けすることができる。
排出オリフィス126,128は、始めは事実上開状態で、相対的に低い背圧を発生させる。油路136の流量の大部分は、オリフィス126,128を流過し、相対的に小部分の圧力がモータポート96aに作用する。この状態では、動力補助は小さい。オリフィス126,128が閉じるにつれて、圧力が増し、モータポート96aへの圧力が増し、動力補助が大となる。完全閉状態では、流入ポート92aからの全流量(閉じたオリフィスからの漏れは除く)が、モータポート96aを流過し、動力補助が最大となる。
図8は、制御弁10の弁曲線である。この曲線は、変向角度(中立状態からの弁コア58の相対回転角度)の関数であるオリフィス124,126,128の寸法をプロットしたものである。オリフィス寸法は、弁軸線と直角方向の、オリフィス横断面の最小幅である。各オリフィスの軸線方向長さは前記幅よりはるかに大きいので、各オリフィスの有効流れ面積は、オリフィス寸法と事実上直接に比例する。
図示の実施例では、上流排出オリフィス126の初期閉じ速度は、弁スリーブのランド100aからの弁コアのランド110cの周方向間隔によって決定される。制御縁142が弁スリーブのランド100aの下に移動すると、制御縁142の傾斜により第2閉じ速度が確定する。別の実施例の場合には、他のランド間隔の構成及び多くの傾斜面を有する制御縁を含む制御縁構成も使用可能だろう。
第1操作状態152と完全閉状態156との間では、下流排出オリフィス128の開きは、上流排出オリフィス126より約3倍大きい。オリフィス126,128は約4度で完全に閉鎖されるので、下流排出オリフィス128の閉じ速度は、操作状態152,154間での上流排出オリフィス126の閉じ速度より約3倍大きい。
図9は、制御弁10が図6に示した中立状態を外れた場合の、制御弁10内の油圧回路88,90をホイートストーン図で示したものである。油圧回路88,90は流入路80と排出路82との間に並列配置されている。オリフィス130,132,134は、回転が進むにつれて開くため、この図からは省略されている。
上流及び下流の排出オリフィス126,128の構成を得るために、油圧回路88,90の数学的モデルを使用した。このモデルにより、異なる変向角度のために提案された構成の場合のオリフィス寸法が計算された。計算された面積の値は、各回路の異なる部分を通過する流量の連立方程式を解くことにより油圧回路88,90の通過流量を計算するのに使用される。
図示の実施例の場合、下流排出オリフィス128の寸法は、選択された操作条件で、上流排出オリフィス126の寸法の約3倍とすべきであることが決められた。これにより、同じ操作条件での従来式単段制御弁に比較して、制御弁10からの感覚騒音レベルが半減する。
目標弁曲線を得るために、排出オリフィス126,128に関連する弁コアと弁スリーブとのランド間隔と、制御縁142,146の傾斜とを選択した。
高圧区域156a,156bは双方とも、各流入ポート92a、92bにより弁の共通の流入路80に流体連通されている。低圧区域160a,160bは双方とも、各排出ポート94a,94bにより共通の排出路82に流体連通されている。圧力区域156,160内の圧力は流入圧力と排出圧力とにより確定され、したがって、各対の圧力区域156,160の個別区域内の圧力は互いに等しい。
しかし、製作公差により、一方の油圧回路内の一方の又は両方のオリフィスが、他方の油圧回路90内の対応オリフィスより大又は小となる可能性がある。
これらの製作公差の結果、中間圧区域158a,158b内の圧力は、おそらく等しくはならない。この圧力差が、一方の側へ弁コア58を強制する正味半径方向力を発生させる。この力が、観察された粘着(stiction)を発生させると思われる。
均圧路120は、弁コア58が逆時計回りに回転する場合に形成される中間圧区域158aと158bとを流体連通させる。これによって、オリフィス寸法の相違にもかかわらず両中間圧区域が均圧化される。均圧路122により両低圧区域は流体連通する。
図示の実施例では、均圧路120,122は、弁コア58に完全に内包された直径方向貫通孔である。別の実施例の場合、均圧路は、弁スリーブ56内に完全に又は部分的に形成されるか、又は弁ハウジングから外部へ延びる導管を含むようにして、両中間圧区域を流体連通させることができよう。
制御弁10が、弁スリーブと弁コア間に並列配置された1対の油圧回路88,90を画成することで、制御弁と油圧モータ18間に油圧油が流通する。別の実施例では、好ましくは弁コアの周囲に対称的に延びる付加的な油圧回路を形成できる。図示の均圧路120,122と機能的に等価の均圧路により、付加回路の対応する両中間圧区域が相互接続され、既述のように、均圧が保証されよう。
ベアリングキャップ32内でのリリーフカートリッジ162の配置は、車両製造者の要求に応じて変更できる。加えて、製造者がリリーフ弁を使用せず、したがってカートリッジ162を省いた装置を製造する場合もある。結果として、他の点では等しい多くのベアリングキャップ32を製造し、在庫品に加えねばならない。
弁コア216は、弁コア58に似ているので、異なる点のみを説明する。バイパス通路220は、弁コア216を貫通して延在し、流入ポートを弁スリーブ214内の排出ポートと接続している。バイパス通路220は、弁作動時、油圧回路88,90に対応する油圧回路と並列配置されている。
弁作用部材には別の形状及び材料の使用も可能である。弁作用部材222は、バイパス通路220内に形成された弁座224に対する閉位置と、弁座から離間した開位置との間で可動である。圧縮コイルばねとして構成されたばね部材226により、弁作用部材222は弁座224に対し押し付けられる。
バイパス通路220は、第1孔228と第2孔230とを含み、該孔が、各々弁コア216を貫通している。第1孔228は、弁スリーブ流入ポートと軸線方向に整合し、流入ポートから油流を受け取る。第2孔230は、第1孔228から軸線方向に間隔をおいて位置し、弁スリーブ排出ポートと整合し、油流を排出ポートへ排出する。孔228,230は、互いに周方向に90度ずらされており、それぞれ流入ポートと排出ポートとに隣接している。
ばね部材226は、第3孔232内に、それも弁部材222とプラグ238との間に挟入され、プラグは、第3孔232を密封するOリングを担持している。プラグ238の軸線方向位置は、弁作用部材222に対するばね部材226の予圧の変更を望む場合には、変更できる。ばね部材226は、正常作業圧下でリリーフ弁を閉状態に維持するのに十分な力を弁作用部材222に対し加えることができる。
過圧発生時には、バイパス通路228を通過しようとする油流は、ばね部材226の力を克服する。これにより、弁作用部材222は弁座224から離間し、リリーフ弁218が開く。バイパス通路220の通過流は、弁スリーブ214と弁コア216間の油圧回路を事実上迂回することで、過圧状態が解消される。
制御弁10,210内に画成される複数排出オリフィスは、事実上、該オリフィスを画成する弁コアのランドの軸線方向全長に沿って延在する。排出オリフィス間の油圧油は、事実上週方向流であり、事実上、軸線方向流の成分を欠いている。
制御弁310は、弁スリーブ318を有する外側部材316と弁コア320とを含んでいる。図17参照。弁スリーブ318と弁コア320とは、弁スリーブ56と弁コア58とに似ているので、異なる点だけを詳説する。
弁コア320は、油圧回路312に関係するランド326a,326b,326cと、油圧回路314に関係するランド328a,328b,328cとを有している。弁コアのランド330a,330bは両回路間で分け合っている。ランド326a−c,328a−c,330a−bは、弁コア58の各ランド110a−c,112a−c,114a−b同様の寸法及び間隔を有している。
逆時計回りの回転により、油圧回路312内のオリフィス332,334,336と、油圧回路314内の対応オリフィス(符号なし)とが閉じられる。時計回りの回転時には、これらのオリフィスが開き、油圧回路内の他の圧力オリフィス及び排出オリフィスが閉じられることは理解されよう。これは、制御弁10の場合に既に説明したとおりである。制御弁310の弁曲線は、制御弁10の弁曲線と類似している。
オリフィス334,336の特徴及びこれらのオリフィス間の中間圧区域については、詳しくは後述するが、その説明は、油圧回路312の他の分岐路及び油圧回路314の両分岐路の対応特徴にも妥当すると理解されたい。
ランド330bは、制御弁10の制御縁146に対応する制御縁340を有している。制御縁340は、相対的に短距離だけランド330bに沿って軸線方向に延び、制御弁のステアリングホイール端に向って制御縁338から軸線方向に間隔をおいて位置している。
弁コア320が図示の非中立状態へ回転すると、弁コアのランド326c,330bは、それぞれ弁スリーブのランド322a,322cの下へ移動する。オリフィス334を通過する流れは、ランドの重なりにより制限され、溝339を通る周方向の流れとなり、オリフィス336を通る流れは、重なるランドにより制限されて、溝341を通る周方向の流れとなる(ランド間の漏れは、より少ない)。制御縁338、340は、オリフィス334,336の流れ面積と閉じ速度とが、制御弁10内の対応オリフィス126,128の流れ面積及び閉じ速度と事実上等しくなるように構成されている。
オリフィス334,336間の流れ方向の変更により、オリフィス334からの排出時とオリフィス336への流入時とに中間圧区域で付加的降圧が発生する。これらの付加的な降圧は、排出オリフィス334,336による降圧と一続きで発生し、騒音及びオリフィスによるキャビテーショの可能性を低減する。
制御弁310は、また詳しくは後述される中間圧区域に付加的な軸線方向オリフィス348(図20参照)を含んでいる。オリフィス348を通過する流れは付加的な降圧を発生させ、それにより更に、制御弁310内の騒音とキャビテーションの可能性との低減が助成される。
壁部354は、壁部350に重なり、スロット352を覆い、固定面積オリフィス348を画成する。壁部350,354は、中間圧区域を、排出オリフィス34からの油圧油を受け取る上流区域356と、下流排出オリフィス336へ油圧油が流れる減圧下流区域358とに分割している。2油圧回路内の複数下流区域は、均圧路により相互接続され、上流区域も別の均圧路により相互接続されている。
本発明による制御弁は、またラック−ピニオン型パワーステアリング装置に使用でき、別種の油圧装置の構成部品への流れを制御するのにも使用できる。
以上、本発明の好適実施例を図示し、説明したが、変更態様が可能であると理解されたい。したがって、細部まで前記実施例により限定されるものではなく、特許請求の範囲内で改変及び変更がなされることが望ましい。
12 油圧式パワーステアリング装置
14 ポンプ
16 油タンク
18 油圧モータ
20 高圧テアリングギヤ
22 ピットマンアーム
24 供給管路
26 戻し管路
28 ハウジング
30 チャンバ
32 ベアリングキャップ
34 シリンダヘッド
36 モータピストン
38,40 モータチャンバ
42 歯付きラック
44 セクター歯車
46 出力軸
48 流入路
50 排出路
52 第1モータチャンバ通路
54 第2モータチャンバ通路
56,214,318 弁スリーブ
58,216,320 弁コア
62 作動軸
68 トーションバー
72 弁スリーブの外周部
74 弁スリーブの内周部
76 弁コアの外周部
78 油路
80,82,84,86 環状溝
88,90;312,314 油圧回路
92 流入ポート
94 排出ポート
96 第1モータポート
98 第2モータポート
100,102 弁スリーブのランド
104,106,108 軸線方向溝
110,112,114 弁コアのランド
116,118 弁コアのランド間の軸線方向溝
120,122 均圧路
124−136 オリフィス(油路)
142,144,146,148 制御縁
151 一定の閉じ速度
152 制御弁の第1操作状態
154 第2のより低速の閉じ速度
156 高圧区域
158 中間圧区域
160 低圧区域
162 リリーフカートリッジ
212,316 外側弁部材
218 リリーフ弁
220 バイパス通路
222 弁作用部材
224 弁座
226 ばね部材
228 第1孔
230 第2孔
232 第3孔
234 ステアリングホイール端
236 盲孔
322,324 弁スリーブのランド
326,328 弁コアのランド
334 上流排出オリフィス
336 下流排出オリフィス
338,340 制御縁
339 ランドの溝
341 溝
342 弁スリーブ溝
344 弁コア溝
346 軸線方向油路
348 固定面積オリフィス
350 周方向壁部
352 軸線方向スロット
354 壁部
356 上流区域
Claims (74)
- 車両のかじ取り可能な車輪を旋回させる油圧ステアリング装置において、該装置が、
車両のかじ取り可能な車輪を旋回させる可動出力部材と、
第1及び第2の油圧油チャンバを有する、前記出力部材を動かすための油圧モータと、
油圧油源から前記モータへ油圧油を供給するためのポンプと、
前記ポンプ/モータ間の油流を制御する制御弁と、
モータ/ポンプ/制御弁間を流体連通させる導管とを含んでおり、
前記制御弁が、制御弁の中立状態/閉状態間で軸線を中心として相対回転するようにハウジング内に支持された外側弁部材及び内側弁部材と、内側及び外側の弁部材を中立状態へ付勢する手段と、ポンプから制御弁内へ油圧油が流入する流入路と、制御弁から油圧油源へ油圧油を排出する排出路とを含み、
前記外側弁部材が内周部を含み、前記内側弁部材が、外側弁部材の内周部に隣接する外周部を含み、前記流入路が外側弁部材の内周部へ油圧油を送入し、排出路が外側弁部材の内周部から油圧油を排出し、
弁部材の前記内周部及び外周部が、弁部材間の第1及び第2の油路を画成し、該油路が並列配置され、かつ流入路と排出路とを流体連通させ、
前記制御弁が、更に第1油路と第1モータチャンバ間に油圧油を流通させるための、第1油路から延びる第1モータチャンバ通路と、第2油路と第2モータチャンバ間に油圧油を流通させるための、第2油路から延びる第2モータチャンバ通路とを含み、
前記外側弁部材の内周部と内側弁部材の外周部とが複数流量オリフィスを画成し、各オリフィスが、中立状態から閉状態へ第1方向で行われる内側弁部材の相対回転に応じて流れ面積を変更可能であり、
前記複数オリフィスが、流入路と第2モータチャンバ通路間の第2油路内に圧力オリフィスを含み、該圧力オリフィスが、第1方向での制御弁運動時に閉じることで、油圧油が、制御弁から第1モータチャンバへ流れ、第2モータチャンバから制御弁へ流れることでステアリング部材が運動し、
前記複数オリフィスが、第1油路内で直列位置にある第1及び第2の排出オリフィスを含み、第1排出オリフィスが第1モータチャンバ通路と排出路との間に位置し、第2排出オリフィスが第1排出オリフィスと排出路との間に位置しており、
前記第1及び第2の排出オリフィスの各々が、中立状態から閉状態へ第1方向で制御弁が運動するさいには閉じられ、排出オリフィスが、中立状態から閉状態への制御弁のほぼ同じ運動時には事実上完全に閉じた状態まで閉じられ、
制御弁が閉状態にない場合、前記第2排出オリフィスが、第1排出オリフィスより事実上大きい流れ面積を有している、油圧ステアリング装置。 - 前記圧力オリフィスが、中立状態から閉状態への制御弁の移動につれて第1排出オリフィスが事実上閉じる前に、事実上完全に閉じる状態まで閉じられる、請求項1に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記第2排出オリフィスが、中立状態から閉状態への制御弁の移動につれて、事実上一定速度で閉じられる、請求項1に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記内側弁部材が、中立状態から第1操作位置へ制御弁が移動する第1の方向に相対回転可能であり、かつまた制御弁の第1操作位置から閉状態へ向かって相対回転可能であり、
前記第1排出オリフィスが、中立状態から第1操作位置への制御弁の移動につれて、相対的に急速に閉じ、第1操作位置から閉状態への制御弁の移動につれて相対的にゆっくりと閉じられる、請求項1に記載された油圧ステアリング装置。 - 前記第1排出オリフィスが、中立状態から第1操作位置への制御弁の移動につれて、事実上一定の第1速度で閉じ、第1操作位置から閉状態への制御弁の移動につれて、事実上一定の第2速度で閉じる、請求項4に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記第1及び第2の排出オリフィスが各々、第1操作位置から閉状態への制御弁の移動につれて、各々の事実上一定の速度で閉じられる、請求項4に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記第2排出オリフィスの閉じ速度が、第1排出オリフィスの閉じ速度より約3倍高い、請求項6に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記圧力オリフィスが、制御弁の第1操作状態時に、事実上完全閉状態にある、請求項4に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記圧力オリフィスが、中立状態から閉状態への制御弁の移動につれて、第2油路内で事実上単独のオリフィスとなる、請求項1に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記内側及び外側の弁部材の各々の周部が複数のランドと溝とを含み、該ランドと溝とが協働して前記オリフィスを形成する、請求項1に記載された油圧ステアリング装置。
- 内側弁部材の前記複数ランド及び溝が、第1排出オリフィスと組み合わされた第1ランドと、第2排出オリフィスと組み合わされた第2ランドとを含み、
前記第1及び第2のランドが、ランドに関係するオリフィスの流れ面積変更のため各々の制御縁を含む、請求項10に記載された油圧ステアリング装置。 - 前記各制御縁が事実上平らな面を含む、請求項11に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記第1排出オリフィスと関係する面が第1傾斜角度で傾斜し、前記第2排出オリフィスと関係する面が、第1傾斜角度とは事実上異なる第2傾斜角度で傾斜している、請求項12に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記油路と、前記オリフィスと、前記モータチャンバ通路とが油圧回路を形成し、前記制御弁が、流入路と戻し通路とを流体連通させる並列配置された複数の同じような油圧回路を含む、請求項1に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記複数の油圧回路が第1油圧回路と第2油圧回路とを含み、前記第1及び第2の油圧回路の各々の第1及び第2の排出オリフィスが、該オリフィス間に回路の第1油路部分を画成し、
前記制御弁が、前記複数油路部分を流体連通させる付加油路を含み、これにより複数油路部分内の油圧が互いに事実上均圧化される、請求項14に記載された油圧ステアリング装置。 - 前記制御弁が内側弁部材に組み付けられたリリーフ弁を含む、請求項1に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記内側弁部材が、制御弁の中立状態から非中立状態へ回転可能であり、
前記制御弁が、内側弁部材の非中立状態時に、第1油路内の、第1及び第2の排出オリフィス間に絞り部を画成する構造物を含み、
これにより、第2排出オリフィスの入口圧が、絞り部によって第1排出オリフィスの排出圧より減圧される、請求項1に記載された油圧ステアリング装置。 - 第1及び第2の油圧油チャンバを有する油圧モータの制御に適した制御弁において、該制御弁が、
ハウジングと、
制御弁の中立状態及び制御弁の閉状態から第1方向で相対運動するようにハウジング内に支持された外側及び内側の弁部材と、
制御弁内へ油圧油が流入する流入路、及び制御弁から油圧油が排出される排出路とを含んでおり、
前記内側及び外側の弁部材が、該弁部材間に第1及び第2の油路を画成するように構成され、前記第1及び第2の油路が、並列配置され、流入路と排出路とを流体連通させ、
前記制御弁が、更に、第1油路と第1モータチャンバ間に油圧油を流通させるための第1油路から延びる第1モータチャンバ通路と、第2油路と第2モータチャンバ間に油圧油を流通させるための第2油路から延びる第2モータチャンバ通路とを含み、
前記内側及び外側の弁部材が協働して、第1及び第2の油路内に圧力オリフィスと、第1排出オリフィスと、第2排出オリフィスとを画成し、各オリフィスが前記第1方向での内側弁部材の運動に応じて流れ面積を変更可能であり、
第2油路内の前記圧力オリフィスが流入路と第2モータチャンバ通路間に形成され、第1及び第2の排出オリフィスが第1油路内に直列に形成され、第1排出オリフィスが第1モータチャンバ通路と排出路間に形成され、第2排出オリフィスが第1排出オリフィスと排出路間に形成され、
前記第1及び第2の排出オリフィスの各々が、制御弁の第1方向での運動時に閉じられ、両排出オリフィスが、中立状態から閉状態への制御弁のほぼ同じ運動時に、事実上完全閉状態までで閉じられ、
前記第1及び第2の排出オリフィスが中立状態と完全閉状態との間にある場合、第2排出オリフィスが、第1排出オリフィスより事実上大きい流れ面積を有する、油圧モータの制御に適する制御弁。 - 前記圧力オリフィスが、中立状態から閉状態への制御弁の移動につれて、第1排出オリフィスが事実上閉じられる前に、事実上完全閉状態まで閉じられる、請求項18に記載された制御弁。
- 前記第2排出オリフィスが、中立状態から閉状態への制御弁の移動につれて、事実上一定速度で閉じられる、請求項18に記載された制御弁。
- 前記内側弁部材が、制御弁の中立状態から第1操作状態へ、また制御弁の第1操作状態から閉状態へ第1方向に相対移動可能であり、
前記第1排出オリフィスが、中立状態から第1操作状態への制御弁の移動につれて、相対的に急速に閉じられ、かつ第1操作状態から閉状態への制御弁の移動につれて、相対的にゆっくり閉じられる、請求項18に記載された制御弁。 - 前記第1排出オリフィスが、中立状態から第1操作状態への制御弁の移動につれて、事実上一定の第1速度で閉じられ、かつ第1操作状態から閉状態への制御弁の移動につれて、事実上一定の第2速度で閉じられる、請求項21に記載された制御弁。
- 前記第1及び第2の排出オリフィスが各々、第1操作状態から閉状態への制御弁の移動につれて、事実上一定の各速度で閉じられる、請求項21に記載された制御弁。
- 第2排出オリフィスの前記閉じ速度が、第1排出オリフィスの閉じ速度のほぼ3倍高い、請求項23に記載された制御弁。
- 前記圧力オリフィスが、制御弁の第1操作状態時には、事実上完全閉状態にある、請求項21に記載された制御弁。
- 前記第2油路が、中立状態から閉状態への制御弁の移動につれて、圧力オリフィスと排出オリフィス間で事実上無閉塞となる、請求項18に記載された制御弁。
- 前記内側及び外側の弁部材が、回転軸線を中心として相対回転するように組み付けられている、請求項18に記載された制御弁。
- 前記油路と、前記オリフィスと、前記モータチャンバ通路とが油圧回路を形成しており、前記制御弁が、流入路と戻し通路とを流体連通させるように並列配置された複数の類似の油圧回路を含んでいる、請求項18に記載された制御弁。
- 前記複数油圧回路が第1油圧回路と第2油圧回路とを含み、第1及び第2の油圧回路各々の第1及び第2の排出オリフィスが、該オリフィス間に該回路の第1油路の一部分を形成し、
前記制御弁が、前記複数油路部分を流体連通させる付加的な油路を含み、これにより油路部分内の油圧が事実上互いに均圧化される、請求項28に記載された制御弁。 - 前記ハウジング内にリリーフ弁を含む、請求項18に記載された制御弁。
- 前記制御弁が、内側弁部材の非中立状態時に、第1油路内の、第1及び第2の排出オリフィス間に絞り部を画成する構造物を含み、これにより第2排出オリフィスの入口圧が、絞り部によって第1排出オリフィスからの排出圧より減圧される、請求項18に記載された制御弁。
- 車両のかじ取り可能な車輪を旋回させる油圧ステアリング装置において、該装置が、
車両のかじ取り可能な車輪を旋回させる可動出力部材と、
第1及び第2の油圧油チャンバを有する、前記出力部材を動かすための油圧モータと、
油圧油源から前記モータへ油圧油を供給するためのポンプと、
前記ポンプ/モータ間の油流を制御する制御弁と、
モータ/ポンプ/制御弁間を流体連通させる導管とを含んでおり、
前記制御弁が、制御弁の中立状態から軸線を中心として相対回転するようにハウジング内に支持された内側及び外側の弁部材と、内側及び外側の弁部材を中立状態へ付勢する手段と、ポンプから制御弁内へ油圧油を流入させる流入路と、制御弁から油圧油源へ油圧油を排出する排出路とを含み、
前記外側弁部材が内周部を含み、内側弁部材が外側弁部材の内周部に隣接する外周部を含み、流入路が外側弁部材の内周部へ油圧油を送り、排出路が外側弁部材の内周部から油圧油を排出し、
弁部材の前記内周部及び外周部が、弁部材間の第1及び第2の油圧回路を画成し、該回路が、並列配置され、かつ流入路と排出路とを流体連通させ、
各油圧回には、並列配置され、かつ流入路と排出路とを流体連通させる第1及び第2の油路と、第1油路/第1モータチャンバ間に油圧油を流通させる第1モータチャンバ通路と、第2油路/第2モータチャンバ間に油圧油を流通させる第2モータチャンバ通路とが含まれ、
外側弁部材の前記内周部と内側弁部材の前記外周部とが、複数の第1流量オリフィスを画成し、各オリフィスが、制御弁の中立状態から移動する第1方向での内側弁部材の相対回転に応じて流れ面積を変更可能であり、
前記複数の第1オリフィスが、流入路と各第2油路の第2モータチャンバ通路間の各第2油路内に圧力オリフィスを含み、該圧力オリフィスが、中立状態から移動する第1方向での制御弁運動時に閉じられることで、制御弁からの油圧油が、第1モータチャンバへ流れ、第2モータチャンバからの油圧油が制御弁へ流れることでステアリング部材が運動し、
前記複数の第1オリフィスが、各第1油路内に直列に位置する第1及び第2の排出オリフィスを含み、該第1及び第2の排出オリフィスが、第1モータチャンバ通路と各第1油路の排出路間に位置し、該第1及び第2の排出オリフィスが、それらの間に前記回路の油路部分を画成しており、
前記制御弁が、第1及び第2の油圧回路の複数油路部分を流体連通させる均圧路を含み、これにより、複数油路部分内の油圧が、製作公差に起因するオリフィス寸法の相違にもかかわらず、互いに事実上均圧化される、油圧ステアリング装置。 - 前記均圧路が完全にハウジングに内包されている、請求項32に記載された制御弁。
- 前記均圧路が内側弁部材内に形成されている、請求項32に記載された制御弁。
- 前記均圧路が、内側弁部材を貫通して延びる孔を含み、該孔が、内側弁部材の外周部の孔の反対側端部に開口を有している、請求項34に記載された制御弁。
- 前記孔が内側弁部材の直径に沿って延在する、請求項35に記載された制御弁。
- 前記均圧路が第1均圧路を形成し、前記油路部分が第1油路部分を形成しており、
外側弁部材の前記内周部と内側弁部材の前記外周部とが複数の第2流量オリフィスを画成し、複数第2オリフィスの各オリフィスが、制御弁の中立状態から第2方向での内側弁部材の相対回転に応じて流れ面積を変更可能であり、
前記複数の第2オリフィスが、流入路と各第1油路の第1モータチャンバ通路間の各第1油路内に圧力オリフィスを含み、該圧力オリフィスが、中立状態から移動する第2方向での制御弁運動時に閉じられることで、油圧油が制御弁からは、第2モータチャンバへ流れ、第1モータチャンバからは制御弁へ流れることでステアリング部材が運動し、
前記複数の第2オリフィスが、各第2油路内に直列位置にある第1及び第2の排出オリフィスを含み、該第1及び第2の排出オリフィスが第2モータチャンバ通路と各第2油路の排出路との間に位置し、該第1及び第2の排出オリフィスが、これらのオリフィス間に前記回路の第2油路部分を画成しており、
前記制御弁が、第1及び第2の油圧回路の複数第2油路を流体連通させる第2均圧路を含み、これにより複数第2油路部分内の油圧が、製作公差によるオリフィス寸法の相違にも拘わらず、互いに事実上均圧化される、請求項32に記載された制御弁。 - 前記内側弁部材が軸線に沿って延在し、第1及び第2の均圧路が、軸線方向に互いに間隔を置いて位置している、請求項37に記載された制御弁。
- 前記第1及び第2の均圧路が各々、ハウジングに内方されている、請求項37に記載された制御弁。
- 前記第1及び第2の均圧路が各々、内側弁部材内に形成されている、請求項39に記載された制御弁。
- 第1及び第2の油圧油チャンバを有する油圧モータを制御するのに適した制御弁において、該制御弁が、
ハウジングと、
制御弁の中立状態から第1方向で相対運動するようにハウジング内に支持された外側及び内側の弁部材と、
制御弁内へ油圧油が流入するための流入路、及び制御弁から油圧油が流出するための排出路とを含んでおり、
前記内側及び外側の弁部材が、弁部材間の第1及び第2の油圧回路を画成するように構成され、該油圧回路が、並列配置され、かつ流入路と排出路とを流体連通させ、
各油圧回路には、並列配置され、かつ流入路と排出路を流体連通させる第1及び第2の油路と、第1油路と第1モータチャンバ間に油圧油を流通させる第1モータチャンバ通路と、第2油路と第2モータチャンバ間に油圧油を流通させるための第2モータチャンバ通路とを含み、
前記内側及び外側の弁部材が協働して圧力オリフィスを画成し、第1排出オリフィスと、各油圧回路の第1及び第2の油路内の第2排出オリフィスとを画成し、各オリフィスが前記第1方向での内側弁部材の運動に応じて流れ面積を変更可能であり、
各第2油路内の前記圧力オリフィスが、流入路と第2油路の第2モータチャンバ通路間に形成され、各第1油路内に第1及び第2の排出オリフィスが、第1油路の第1モータチャンバ通路と排出路間に直列に形成され、第1及び第2の排出オリフィスが、それらオリフィス間に第1及び第2の排出オリフィスを内包する油圧回路の一油路部分を画成し、
前記制御弁が、第1及び第2の油圧回路の複数油路部分を流体連通させる均圧路を含み、これにより、複数油路部分内の油圧が、製作公差によるオリフィス寸法の相違にも拘わらず事実上互いに均圧化される、油圧モータを制御するのに適した制御弁。 - 前記均圧路が完全にハウジングに内包されている、請求項41に記載された制御弁。
- 前記均圧路が第1均圧路をなし、前記複数油路部分が第1油路部分をなしており、
外側弁部材の前記内周部と内側弁部材の前記外周部とが複数の第2流量オリフィスを画成し、複数第2流量オリフィスの各オリフィスが、制御弁の中立状態から第2方向での内側弁部材の相対回転に応じて流れ面積を変更可能であり、
前記複数の第2オリフィスが、流入路と各第1油路の第1モータチャンバ通路間の各第1油路内に圧力オリフィスを含み、該圧力オリフィスが、中立状態から第2方向での制御弁移動時に閉じられることで、油圧油が制御弁からは、第2モータチャンバへ流れ、第1モータチャンバからは制御弁へ流れることでステアリング部材が運動し、
前記複数の第2オリフィスが、各第2油路内で直列位置にある第1及び第2の排出オリフィスを含み、該第1及び第2の排出オリフィスが第2モータチャンバ通路と各第2油路の排出路間に位置し、該第1及び第2の排出オリフィスが、これらのオリフィス間に前記回路の第2油路部分を画成しており、
前記制御弁が、第1及び第2の油圧回路の複数第2油路部分を流体接続する第2均圧路を含み、これにより複数第2油路部分内の油圧が、製作公差によるオリフィス寸法の相違にも拘わらず、互いに事実上均圧化される、請求項41に記載された制御弁。 - 前記内側弁部材が軸線に沿って延在し、第1及び第2の均圧路が互いに軸線方向に間隔をおいて位置している、請求項43に記載された制御弁。
- 前記第1及び第2の均圧路が各々、ハウジングに内包されている、請求項43に記載された制御弁。
- 第1及び第2の油圧油チャンバを有する油圧モータの制御に適した制御弁において、該制御弁が、
ハウジングと、
弁の操作のために相対運動するようにハウジング内に支持された外側及び内側の弁部材と、
制御弁内へ油圧油が流入する流入路、及び制御弁から油圧油が流出する排出路とを含んでおり、
前記内側及び外側の弁部材が、該弁部材間に油路を画成するように構成され、該油路が流入路と排出路とを流体連通させることで、油圧油が弁を通過でき、
前記制御弁には、更に、前記油路から延び、前記油路と第1油圧油チャンバ間に油圧油を流通させるための第1モータチャンバ通路と、前記油路と第2モータチャンバ間に油圧油を流通させるための第2モータチャンバ通路と、内側弁部材内に設けられたバイパス通路とが含まれ、該バイパス通路が、前記油路と並列配置され、かつ流入路と排出路とを流体連通させており、
前記制御弁が、また内側弁部材内にリリーフ弁を含み、該リリーフ弁が前記バイパス通路内に弁作用部材を含み、該弁作用部材が、該リリーフ弁を開閉するために、開位置と常時閉位置間を可動であり、該弁作用部材を閉位置に付勢する手段が備えられ、
前記弁作用部材が、バイパス通路を通過しようとする流れにより弁作用部材が付勢手段に抗して開位置へ強制され、それによって過圧がリリーフ弁を開き、バイパス通路を油圧油が通過するように構成されている、油圧モータの制御に適した制御弁。 - 前記リリーフ弁がバイパス通路内に形成された弁座を含み、前記弁作用部材が、閉位置にある場合、弁座に着座する、請求項46に記載された制御弁。
- 弁作用部材に対する前記付勢手段がバイパス通路内にばねを含んでいる、請求項47に記載された制御弁。
- 前記バイパス通路が、第1孔と、第2孔と、第3孔とを含み、第1孔が入口から内側弁部材内へ延び、第2孔が第1孔から間隔をおいて位置し、排出口から内側弁部材内へ延び、第3孔が第1及び第2の孔と交差している、請求項46に記載された制御弁。
- 前記リリーフ弁が第3孔内に配置されている、請求項49に記載された制御弁。
- 前記第3孔が内側弁部材の一端に開放端部を含み、前記リリーフ弁が第3孔の開放端部を密閉するプラグを含む、請求項50に記載された制御弁。
- 前記付勢手段が、プラグと弁作用部材との間で圧縮されるコイルばねを含み、該コイルばねが、弁作用部材を弁座へ向うように強制するばね力を発生させ、該プラグが、ばね力を調節するために第3孔に沿って可動である、請求項51に記載された制御弁。
- 前記内側及び外側の弁部材が協働して油路内に少なくとも1つの可変オリフィスを画成する、請求項46に記載された制御弁。
- 前記内側及び外側の弁部材が回転軸線を中心として相対運動可能である、請求項53に記載された制御弁。
- 第1及び第2の弁部材を制御弁の中立位置へ付勢する手段を含む、請求項46に記載された制御弁。
- 第1及び第2の弁部材を付勢する手段が、内側及び外側の弁部材を操作接続するトーションバーを含む、請求項55に記載された制御弁。
- 弁と油圧装置間の油流を制御する油圧制御弁用の小組立体において、該小組立体が、
弁部材と弁部材内に配置されたリリーフ弁とを含み、該弁部材が、制御弁の第2弁部材内で相対運動することで制御弁を操作するように構成されており、
前記弁部材が、第1、第2、第3の面を有し、該第1面は、制御弁内に弁部材が所在する場合、油圧油を制御弁内へ流入させる流入路を少なくとも部分的に画成するように構成され、前記第2面は、制御弁内に弁部材が所在する場合、油圧油を制御弁から排出する排出路を少なくとも部分的に画成するように構成され、前記第3面は、弁部材の外周部に設けられ、制御弁内に弁部材が所在して制御弁と油圧装置間に油圧油が流通する場合、流入路と排出路とを流体連通させる油路を画成するように構成されており、
前記弁部材が、弁部材を貫通して延びるバイパス通路を含み、該バイパス通路が、第1面に流入口を、第2面に排出口を含み、前記バイパス通路が、弁部材の制御弁内に所在する時には、流入路と排出路とを油路と並列的に流体連通させるように構成されており、
前記リリーフ弁が、バイパス通路内に、バイパス通路を開閉する開位置と常時閉位置間を可動の弁作用部材と、弁作用部材を閉位置へ付勢する手段とを含み、
前記弁作用部材の構成により、バイパス通路を流れようとする油圧油は弁作用部材が開位置へ移動するように強制し、これにより過圧状態ではリリーフ弁が開かれ、制御弁を通過する油圧油が油路を迂回する、油圧制御弁用の弁小組立体。 - 前記弁部材が軸線に沿って延在し、第1及び第2の面が軸線方向に互いに隣接する、請求項57に記載された弁組立体。
- 前記バイパス通路が弁部材内へ延びる、軸線方向に間隔をおいた第1及び第2の孔を含み、第1孔が流入口を含み、第2孔が排出口を含む、請求項57に記載された弁組立体。
- 前記バイパス通路が弁部材内に第3孔を含み、該第3孔が第1及び第2の孔と交差し、前記リリーフ弁が第3孔内に、それも第1及び第2の孔間に弁座を含んでいる、請求項59に記載された弁組立体。
- 前記第3孔が弁部材の一端に開いており、前記リリーフ弁が、第3孔の開放端部を密閉するプラグを第3孔内に含んでおり、前記弁作用部材に対する前記付勢手段が、第3孔内に、それもプラグと弁作用部材間にばねを含んでいる、請求項60に記載された弁組立体。
- 前記ばねが、弁作用部材の閉位置所在時には、プラグと弁作用部材間で長さが圧縮され、前記プラグが、ばねの圧縮長さ調節のために、弁作用部材に対し接近又は離間できるように第3孔内に調節可能に組み付けられている、請求項61に記載された弁組立体。
- 前記制御弁が、弁部材を中立位置へ付勢するためのトーションバーを有する種類の弁であり、該弁部材が、弁部材にトーションバーを取り付ける手段を含んでいる、請求項57に記載された弁組立体。
- 弁部材の前記第3面が、第2弁部材と協働するように構成された少なくとも1つの流量制御面を含むことで、弁部材が制御弁内にある時には、油路内に可変流量オリフィスが形成される、請求項57に記載された弁組立体。
- 弁部材の前記外周部が溝と溝に隣接するランドとを含み、該ランドには流量制御面が設けられている。請求項64に記載された弁組立体。
- 第1及び第2の油圧油チャンバを有する油圧モータの制御に適した制御弁において、該制御弁が、
ハウジングと、
制御弁の中立状態から閉状態へ第1方向で相対運動するようにハウジング内に支持された外側弁部材及び内側弁部材と、
制御弁内へ油圧油が流入する流入路及び制御弁から油圧油が排出される排出路とを含んでおり、
前記内側及び外側の弁部材が、弁部材間に第1及び第2の油路を画成するように構成され、前記第1及び第2の油路が、並列配置され、かつ流入路と排出路とを流体連通させており、
前記制御弁が、更に、第1油路と第1モータチャンバ間に油圧油を流通させるための、第1油路から延びる第1モータチャンバ通路と、第2油路と第2モータチャンバ間に油圧油を流通させるための、第2油路から延びる第2モータチャンバ通路とを含み、
前記内側及び外側の弁部材が協働して、第1及び第2の油路内に圧力オリフィスと、第1排出オリフィスと、第2排出オリフィスとを画成し、各オリフィスが、前記第1方向での内側弁部材の運動に応じて流れ面積を変更可能であり、
前記圧力オリフィスが第2油路内に、それも流入路と第2モータチャンバ通路間に形成され、第1及び第2の排出オリフィスが第1油路内に直列に形成され、第1排出オリフィスが第1モータチャンバ通路と排出路間に形成され、第2排出オリフィスが第1排出オリフィスと排出路間に形成され、第1油路が、第1及び第2排出オリフィス間に、それも完全にハウジング内に形成されており、
第1油路内の、第1及び第2の排出オリフィス間に流量絞り部が設けられ、該絞り部が、第1排出オリフィスから排出される油圧油の圧力を、第2排出オリフィスに流入する前に減圧するように構成されている、油圧モータの制御に適する制御弁。 - 前記内側弁部材が、制御弁の中立状態から非中立状態へ回転可能であり、
前記制御弁が、非中立状態に内側弁部材がある場合に、第1油路内で第1及び第2の排出オリフィス間に絞り部を画成する構造物を含み、
これにより、第1排出オリフィスから排出される油圧油圧が、第2排出オリフィスに流入する前に絞り部によって減圧される、請求項66に記載された油圧ステアリング装置。 - 前記絞り部が、第1及び第2の排出オリフィス間に少なくとも1つの付加的流量オリフィスを含む、請求項66に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記少なくとも1つの付加的流量オリフィスが固定的な流れ面積を有する、請求項68に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記第1及び第2の排出オリフィスが各々、事実上第1方向に油圧油を流渦させ、
前記流量絞り構造物が、第1及び第2の排出オリフィス間の油圧油を第1方向とは事実上異なる第2方向に流動させることで、第1排出オリフィスから排出される油圧油の圧力を、第2排出オリフィスに流入する前に減圧する、請求項66に記載された油圧ステアリング装置。 - 流れの前記第1方向が、軸線を中心とする事実上周方向であり、流れの第2方向が、事実上軸線方向の成分、又は事実上半径方向の成分、又は軸線に対し事実上半径方向‐軸線方向の成分を含む、請求項70に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記内側及び外側の弁部材各々の周部が複数のランドを含み、各ランドが軸線方向長さを有しており、
前記第1排出オリフィスが、内側及び外側の弁部材の各第1ランドにより画成され、前記第2排出オリフィスが、内側及び外側の弁部材の各第2ランドにより画成され、前記第1ランドが第1制御縁を含み、前記第2ランドが第2制御縁を含んでおり、各制御縁が、制御縁と関係するランドの軸線方向長さより事実上短い軸線方向寸法を有しており、
制御弁の中立状態時には、複数の前記第1ランドが互いに周方向に間隔をおいて位置し、複数の前記第2ランドも互いに周方向に間隔をおいて位置し、
制御弁の非中立状態時には、前記第1ランドが重なる状態となり、第2ランドも重なる状態となり、
前記流量絞り構造物が、重なって密封するように構成されたランドの外周部を含み、制御弁の非中立状態時には、制御縁とは反対側の重なりに事実上接近し、
前記流量絞り構造物により、第1制御縁が第2制御縁から軸線方向に間隔を設けられ、これにより、制御弁の非中立状態時には、第1油路が第1及び第2の排出オリフィス間を軸線方向に延びる、請求項66に記載された油圧ステアリング装置。 - 前記流量絞り構造物が、制御弁の非中立状態時に第1及び第2の流量オリフィス間の第1油路を事実上閉じる壁部と、第1及び第2の排出オリフィスを流体連通させる、前記壁部を貫通して延びる付加的な流量オリフィスとを含む、請求項72に記載された油圧ステアリング装置。
- 前記付加的流量オリフィスを通過する流れが、軸線方向流れ成分、又は半径方向流れ成分、又は軸線に対し半径方向並びに軸線方向流れ成分を含む、請求項73に記載された油圧ステアリング装置。
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