JP2007513041A - ナノスケールの結晶質シリコン粉末 - Google Patents

ナノスケールの結晶質シリコン粉末 Download PDF

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Abstract

50m/gより大きいBET表面積を有する凝集した結晶質シリコン粉末。該粉末は、少なくとも1の蒸気状もしくは気体状のシランおよび場合により少なくとも1の蒸気状もしくは気体状のドープ物質および不活性ガスを反応器へを連続的に供給し、かつここで成分を混合し、その際、シランの割合は、シラン、ドープ物質および不活性ガスの全ての合計に対して0.1〜90質量%であり、該混合物をエネルギーの入力により反応させ、その際、10〜1100ミリバールの圧力でマイクロ波領域の電磁線を用いてエネルギーを入力することによりプラズマを発生させ、反応混合物を冷却させ、かつ反応生成物を気体状の物質から粉末の形で分離することにより製造される。該粉末は電子部品の製造のために使用することができる。

Description

本発明は、ナノスケールの結晶質シリコン粉末、該粉末の製造および使用に関する。
ナノスケールのシリコン粉末は、その特別な光学的および電子技術的特性に基づいて極めて重要である。
シラン(SiH)を熱分解することによりシリコンを製造することは公知である。US4661335には、管型反応器中、500℃〜700℃の温度でシランを熱分解することにより得られる、低い密度および1〜2m/gのBET表面積を有する凝集した、大部分多結晶質のシリコン粉末が記載されている。このような粉末はもはや今日の要求を満足しない。該方法はさらに未反応のシランの含有率が大きいことに基づいて経済的ではない。
Laser Physics、第10巻、第939頁〜第945頁(2000)でKuz’min等は、減圧下でのシランのレーザー誘起分解によるナノスケールのシリコン生成物の製造を記載している。この方法により製造される粉末の個々の粒子は、3〜20nmの多結晶質コアおよび150nmまでの直径を有する非晶質被覆を有する。シリコン粉末の表面に関する情報は記載されていない。
J.Mater.Sci.Technol.第11巻、第71頁〜第74頁(1995)でLi等は大気圧で希釈ガスとしてのアルゴンの存在下で、シランをレーザー誘起分解することにより、凝集した多結晶質シリコン粉末を合成することを記載している。シリコン粉末の表面に関する情報は記載されていない。
Costa等はVacuum、第45巻、第1115頁〜第1117頁(1994)に、その表面が大きな割合の水素を含有する非晶質シリコン粉末を記載している。シリコン粉末は、真空下で高周波プラズマ反応器によりシランを分解することによって製造される。
Makimura等は、Jap.J.Appl.Physics、第41巻、第144頁〜第146頁(2002)で、真空下に水素およびネオンの存在下でシリコンターゲットをレーザー摩擦することにより、水素を含有するシリコンナノ粒子を製造することを記載している。シリコンナノ粒子が結晶質の形で存在しているのか、非晶質の形で存在しているのかについての情報は記載されていない。
EP−A−680384は、減圧下にマイクロ波プラズマ中でシランを分解することにより支持体上に非多結晶質シリコンを堆積させるための方法を記載している。シリコンの表面特性に関する情報は記載されていない。
ホットウォール反応器中で、凝集したナノスケールのシリコン粉末を製造することは公知である(Roth等、Chem.Eng.Technol.24(2001)、3)。この方法の欠点は、所望の結晶質シリコンは、熱い反応器壁面上のシランの反応により形成される非晶質シリコンと一緒に生じることである。結晶質シリコンはさらに、20m/gを下回る低いBET表面積を有し、従って一般に電子技術的な適用にとっては粗すぎる。さらに、Roth等によればドープされたシリコン粉末が得られる方法は記載されていない。このようなドープされたシリコン粉末は、これらの半導体特性に基づいて、電子技術産業では極めて重要である。しかし欠点は、該シリコン粉末が反応器壁に堆積し、かつ断熱材料として作用することである。反応器中の温度分布は連続的に変化し、従って製造されるシリコン粉末の特性も変化する。
従来技術はシリコン粉末に極めて高い関心を示している。本発明の対象は、従来技術の欠点を回避するシリコン粉末を提供することである。特に、シリコン粉末は均一に変性されたものであるべきである。該粉末は、電子部品の製造における小型化のための高まりつつある要求を満足することができるべきである。
従って本発明の対象は、この粉末を製造する方法でもある。
本発明は、50m/gより大きいBET表面積を有することを特徴とする凝集した多結晶質シリコン粉末を提供する。
有利な実施態様では本発明によるシリコン粉末は100〜700m/gのBET表面積を有していてもよく、200〜500m/gの範囲が特に有利である。
凝集した、という用語は、例えば第一に反応において形成され、反応のその後の過程で合着してアグリゲートを形成する、球形もしくは大部分球形の一次粒子を意味するものと理解する。アグリゲートの結合の度合いは、方法パラメータにより影響を与えることができる。これらのアグリゲートは、反応のその後の過程でアグロメレートを形成してもよい。一般に一次粒子へと分解することができないか、または部分的に分解することができるのみであるアグリゲートと比較して、アグロメレートはアグリゲートの緩いコンクリーションを形成するのみである。
結晶質、という用語は、粉末の少なくとも90%が結晶質であることを意味するものと理解する。結晶性のこのような度合いは、本発明による粉末の[111]、[220]および[311]シグナルの強度を、公知の結晶性および結晶サイズのシリコン粉末と比較することにより決定することができる。
本発明の文脈では、少なくとも95%の結晶質フラクションを有するシリコン粉末、特に有利には少なくとも98%の結晶質フラクションを有するシリコン粉末が有利である。TEM画像の評価および結晶質の状態の特徴として格子の格子線を示す一次粒子の計数は、結晶度を決定するために適切である。
本発明によるシリコン粉末は10モル%までの水素負荷率を有していてもよく、1〜5モル%の範囲が有利である。NMR分光分析法、例えばH−MAS−NMR分光分析、またはIR分光分析は、飽和の度合いを決定するために適切である。
さらに、本発明によるシリコン粉末はドープされていてもよい。以下の元素を、特に電子部品における半導体としての使用のためのドープ成分として有利に使用することができる:リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ユーロピウム、エルビウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、イッテルビウムまたはルテチウム。本発明によるシリコン粉末中のこれらの元素の割合は1質量%までであってよい。一般に、ドープ成分がppmまたはppbの範囲で含有されているシリコン粉末が所望される。ドープ成分1013〜1015原子/cmの範囲は有利である。
さらに、本発明によるシリコン粉末がドープ成分としてリチウムを含有することが可能である。シリコン粉末中のリチウムの割合は53質量%までであってよい。リチウム20〜40質量%までのシリコン粉末が特に有利である。
同様に、本発明によるシリコン粉末はドープ成分としてゲルマニウムを含有していてもよい。この場合、ゲルマニウムの割合は40質量%までである。ゲルマニウムを10〜30質量%含有するシリコン粉末は特に有利である。
最後に、元素の鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金および亜鉛はシリコン粉末のドープ成分として使用されていてもよい。これらの割合はシリコン粉末の5質量%までであってよい。
ドープ成分はこの関連において粉末中に均一に分布していてよく、あるいは一次粒子の被覆またはコア中に濃縮されているか、または挿入されていてもよい。ドープ成分は有利にはシリコンの格子部位に組み込まれている。これは実質的にドープ物質の性質および反応条件に依存する。
ドープ成分、という用語は、本発明の文脈では、本発明による粉末中に存在する元素を表すものと理解される。ドープ物質、という用語は、ドープ成分を得るための方法において使用される化合物を表すものと理解される。
本発明は本発明によるシリコン粉末を製造する方法も提供し、該方法は、
− 少なくとも1の蒸気状もしくは気体状のシランおよび場合により少なくとも1の蒸気状もしくは気体状のドープ物質を、
− 不活性ガスと一緒に、
− 連続的に反応器へ移し、かつここで混合し、
− その際、シランの割合は、シラン、ドープ物質および不活性ガスの全ての合計に対して0.1〜90質量%であり、
− かつプラズマを10〜1100ミリバールの圧力でマイクロ波領域の電磁線を用いたエネルギー入力によって発生させ、
− 反応混合物を冷却させるか、または冷却し、かつ反応生成物を気体状の物質から粉末の形で分離する
ことを特徴とする。
本発明による方法は極めて均質な生成物につながり、かつ高真空下で操作される方法と比較して、高い変換率を可能にする適切なプラズマを発生させることを特徴とする。一般にシランの変換率は少なくとも98%である。
本発明による方法は、気体流中のシランの割合が、場合によりドープ成分を含めて、0.1〜90質量%であるように実施する。高いシラン含有率は高い処理量につながり、ひいては経済的に有利である。しかし極めて高いシラン含有率と共に、より大量のアグリゲートの形成が予測される。1〜10質量%のシラン含有率が本発明の文脈で有利である。この濃度で一般に1μmより小さい直径を有するアグリゲートが得られる。
本発明の文脈では、シランは反応条件下でシリコン、水素、窒素および/またはハロゲンを生じるシリコン含有化合物であってよい。SiH、Si、ClSiH、ClSiH、ClSiHおよび/またはSiClが有利に使用され、SiHが特に有利である。さらに、N(SiH、NH(SiH、HN(SiH)、(HSi)NN(SiH、(HSi)NHNH(SiH)またはHNN(SiHを使用することも可能である。
本発明の意味でのドープ物質は、共有結合により、またはイオン結合により結合したドープ成分を含有し、かつドープ成分、水素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素および/またはハロゲンを反応条件下で生じる化合物であってよい。有利にはリン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ユーロピウム、エルビウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、リチウム、ゲルマニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金または亜鉛の、水素を含有する化合物を使用する。特に有利であるのはジボランおよびホスファンまたは置換されたホスファン、例えばtBuPH、tBuP、tBuPhPまたはtBuPhPおよびトリスメチルアミノホスファン((CHN)Pである。ドープ成分としてリチウムを使用する場合、金属リチウムまたはリチウムアミド(LiNH)をドープ物質として使用することが最も有利であることが証明されている。
不活性ガスとして、主に窒素、ヘリウム、ネオンまたはアルゴンを使用することができ、アルゴンが特に有利である。
エネルギー入力は制限されない。有利にはエネルギー入力は、後方散乱式の吸収されないマイクロ波放射が最小であり、かつ安定したプラズマが形成されるように選択すべきである。一般に本発明による方法ではパワー入力は100W〜100KW、および特に有利には500W〜6KWである。この関連で粒径分布は放射されたマイクロ波エネルギーにより変化する。従って、理想的な気体組成および体積流量に関して、より高いマイクロ波エネルギーは、より小さい粒径およびより狭い粒径分布につながる。
図1Aは、220〜360Wで放射されるマイクロ波出力、全体積流量4000sccmおよびSiH濃度0.375%で示差移動度分析装置(differential mobility analyser:DMA)を使用して決定される粒径分布を示している。より小さい平均粒径およびより鮮明な粒径分布に加えて、粒径分布の開始はより小さい値へとシフトする。
図1Bは、全体積流量8000sccm、放射されるマイクロ波エネルギー540および900WおよびSiH濃度0.375%での合成に関して初期の粒子成長の詳細を示している。
図1Aおよび1Bは、定性的に同一の結果を示している。2つを比較することにより、より高い体積流量で、比較可能な大きさの粒子を製造するために、より多くのエネルギーが利用可能になるようにしなくてはならないことが明らかである。プロットされた数値は相互に比較することはできない。というのも、測定方法を適合させるために、異なった希釈段階を使用しなくてはならないからである。
本発明による方法の圧力範囲は10ミリバール〜1100ミリバールである。このことは、より高い圧力は一般に、より低いBET表面積を有する本発明によるシリコン粉末につながり、他方、より低い圧力はより大きい表面積を有する本発明によるシリコン粉末につながることを意味する。従って、100ミリバールまでの範囲では、700m/gまでのBET表面積を有する大きな表面積のシリコン粉末が得られ、その一方で、約900〜1100ミリバールの範囲では、50〜150g/mのBET表面積を有するシリコン粉末が得られる。
マイクロ波領域とは、本発明の文脈では900MHz〜2.5GHzの範囲を示すものと理解され、915MHzの周波数は特に有利である。
反応混合物の冷却は例えば反応器の外部の壁面の冷却または不活性ガスの導入により行うことができる。
有利には本発明による方法は、水素が、場合により不活性ガスとの混合物として、付加的に反応器に導入されるように実施してもよい。水素の割合は1〜96体積%の範囲である。
さらに、10〜1100ミリバールの圧力でマイクロ波領域の電磁線放射によってエネルギーを入力することによって生じる反応混合物を熱により後処理するように、本発明による方法を実施することが有利である。反応混合物とはこの文脈で、本発明によるシリコン粉末および別の反応生成物ならびに未反応の出発生成物からなる混合物を表すものであると理解される。
アグリゲートの構造、シリコン粉末のBET表面積および場合により水素含有率は、熱による後処理によって変化しうる。同様に熱による後処理は、シリコン粉末の結晶性の増大につながるか、または結晶格子中の欠陥の密度が低減される。
熱による後処理は、少なくとも1のドープ物質の存在下に実施することができ、該ドープ物質は不活性ガスおよび/または水素と一緒に導入される。
特に有利には反応混合物の熱による後処理のために壁面加熱式ホットウォール反応器を使用することができ、ホットウォール反応器の寸法は、選択されるドープ物質が分解され、かつドープ成分としてシリコン粉末へ組み込まれるような大きさである。このことに依存して、ホットウォール反応器中での滞留時間は0.1秒〜2秒、有利には0.2秒〜1秒である。この種のドープは有利には低いドープの度合いでのみ使用される。ホットウォール反応器中の最高温度は有利には1000℃を超えないように選択する。
反応混合物の熱による後処理に加えて、10〜1100ミリバールの圧力でマイクロ波領域での電磁線放射によるエネルギー入力、次いで冷却および気体状の物質の分離の後に存在する反応生成物の熱による後処理により本発明によるシリコン粉末を得ることも可能である。この関連で、少なくとも1のドープ物質の存在下で熱による後処理を実施することも可能である。
図2A〜Cは、本発明による方法の可能な実施態様を示しており、ここでa=シラン、b=不活性ガス、c=ドープ物質、d=水素である。さらにA=マイクロ波反応器、B=熱による後処理、C=気体状の反応生成物からのシリコン粉末の分離である。ドープ物質cは一般に不活性ガスと一緒に導入される。図2Aは、マイクロ波反応器のみを使用する配置を示しており、他方、図2Bおよび2Cは、熱による後処理を含む。
図2Aのブロックは本発明による方法のための2つの本質的な成分、つまりシリコンおよび不活性ガスからのシリコン粉末の製造を示している。さらに図2Bは、マイクロ波反応器からの反応混合物の熱による後処理と、その後のシリコン粉末の分離を示している。
図2Cは、気体状の反応生成物および出発物質から、先行する工程で分離されたシリコン粉末の熱による後処理を示している。本発明による方法は有利には図2Aに記載されているように実施することができる。
本発明は電子部品、電子回路および電気的に活性な充填剤を製造するための本発明による粉末の使用を提供する。
実施例:
分析:BET表面積は、DIN66131により決定される。ドープの度合いは、グロー放電質量分析法(GDMS)により決定される。水素負荷率はH−MAS−NMR分光分析によって決定される。
装置:プラズマを発生させるためにマイクロ波発生装置(Muegge company)を使用する。マイクロ波放射はチューナー(3ロッド・チューナー)により反応空間に焦点調節する。安定したプラズマは導波管の設計により10ミリバールから1100ミリバールまでの圧力範囲で、および100〜6000Wのマイクロ波出力で発生させ、微調整はチューナーおよび電極として作用するノズルの正確な位置決めによる。
マイクロ波反応器は、直径30mm(外径)および長さ120mmの石英ガラス管からなり、これはプラズマアプリケーター中で使用される。
ホットウォール反応器は、マイクロ波反応器の下流に接続されていてもよい。このために、長さ600mmを有するより長い石英ガラス管を使用する。マイクロ波反応器から出ていく混合物を外部から加熱される帯域(長さ約300mm)により加熱する。
例1:
SiH 100sccm(毎分あたりの標準立方センチメートル;1sccm=0℃および大気圧に対するガス1cm/分)および900sccmのアルゴンのSiH/アルゴン混合物(混合物1)ならびにアルゴンおよび水素のそれぞれ10000sccmの混合物(混合物2)を2流体ノズルによりマイクロ波反応器に供給する。マイクロ波発生装置から500Wの出力を気体状の混合物に供給し、かつこのことによってプラズマを発生させる。ノズルを通って反応器から出ていくプラズマフレアは、反応器と比較して体積が約20l大きい空間へと膨張する。この空間および反応器における圧力を200ミリバールに調整する。粉末状の生成物を、下流に接続されたフィルターユニット中の気体状の物質から分離する。
得られた粉末は130m/gのBET表面積を有する。図3はシリコン粉末のX線回折図を示している。
例2〜7を、例1と同様に実施するが、ただしパラメータを変更する。これらのパラメータは第1表に記載されている。
例5は、ホウ素でドープされたシリコン粉末の製造を記載している。このために、ジボラン/アルゴン混合物(アルゴン中B0.615%)を付加的に混合物1と混合する。GDMSにより決定されるドープの度合いは、ジボランの添加量に相応する。
例6は、リンでドープされたシリコン粉末を記載している。このために、トリ−t−ブチルホスファン/アルゴン混合物(アルゴン中、(tBu)P0.02%)をさらに混合物1と混合する。GDMSにより決定されるドープの度合いはトリ−t−ブチルホスファンの添加量に相応する。
例7は、マイクロ波反応器およびホットウォール反応器の組み合わせによるシリコン粉末の製造を示している。マイクロ波反応器のみを使用して実施した例4と比較して、シリコン粉末のBET表面積はわずかに低減している。さらに、2400cm−1および2250cm−1でのIR信号の強度は例4と比較して著しく低減し、他方、2100cm−1での信号の強度は増大する。
本発明によるシリコン粉末の利点は次のとおりである:該粉末はナノスケールの結晶質であり、かつ大きな表面積を有し、かつドープされてもよい。XRDおよびTEM画像によれば該粉末は非晶質成分を含有しておらず、かつBET表面積は700m/gまでの値であると想定することができる。
Figure 2007513041
示差移動度分析装置を使用して決定される粒径分布を示す図 初期の粒子成長を示す図 シリコンおよび不活性ガスからのシリコン粉末の製造を示す図 マイクロ波反応器からの反応混合物の熱による後処理と、その後のシリコン粉末の分離を示す図 気体状の反応生成物および出発物質から分離されたシリコン粉末の熱による後処理を示す図 例1のシリコン粉末のX線回折図および電子線回折画像を示す図

Claims (23)

  1. 凝集した結晶質シリコン粉末において、50m/gより大きいBET表面積を有することを特徴とする、凝集した結晶質シリコン粉末。
  2. BET表面積が100〜700m/gであることを特徴とする、請求項1記載の凝集した結晶質シリコン粉末。
  3. 10モル%までの水素負荷率を有することを特徴とする、請求項1または2記載の凝集した結晶質シリコン粉末。
  4. リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ユーロピウム、エルビウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、ルテチウム、リチウム、ゲルマニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金または亜鉛によりドープされていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の凝集した結晶質シリコン粉末。
  5. ドープ成分のリン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ユーロピウム、エルビウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムの割合が1質量%までであることを特徴とする、請求項4記載の凝集した結晶質シリコン粉末。
  6. ドープ成分のリチウムの割合が53質量%までであることを特徴とする、請求項4記載の凝集した結晶質シリコン粉末。
  7. ドープ成分のゲルマニウムの割合が40質量%までであることを特徴とする、請求項4記載の凝集した結晶質シリコン粉末。
  8. ドープ成分の鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金および亜鉛の割合が5質量%までであることを特徴とする、請求項4記載の凝集した結晶質シリコン粉末。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項記載のシリコン粉末の製造方法において、
    − 少なくとも1の蒸気状もしくは気体状のシランおよび場合により少なくとも1の蒸気状もしくは気体状のドープ物質、
    − および不活性ガス、
    − を連続的に反応器へ移し、かつここで混合し、
    − その際、シランの割合はシラン、ドープ物質および不活性ガスの全ての合計に対して0.1〜90質量%であり、
    − かつプラズマを10〜1100ミリバールの圧力でマイクロ波領域の電磁線を用いたエネルギー入力によって発生させ、
    − 反応混合物を冷却し、かつ反応生成物を気体状の物質から粉末の形で分離する
    ことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のシリコン粉末の製造方法。
  10. 気体流中のシランの割合は、場合によりドープ成分を含めて、1〜10質量%であることを特徴とする、請求項9記載の方法。
  11. 化合物SiH、Si、ClSiH、ClSiH、ClSiHおよび/またはSiClの群からシランを選択することを特徴とする、請求項9または10記載の方法。
  12. 化合物N(SiH、HN(SiH、HN(SiH)、(HSi)NN(SiH、(HSi)NHNH(SiH)、HNN(SiHの群からシランを選択することを特徴とする、請求項9から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ユーロピウム、エルビウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、リチウム、ゲルマニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金または亜鉛の水素含有化合物の群からドープ物質を選択することを特徴とする、請求項9から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. ドープ物質がリチウム金属またはリチウムアミド(LiNH)であることを特徴とする、請求項9から12までのいずれか1項記載の方法。
  15. 不活性ガスとして窒素、ヘリウム、ネオンまたはアルゴンを使用することを特徴とする、請求項9から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 水素を付加的に反応器へ導入することを特徴とする、請求項9から15までのいずれか1項記載の方法。
  17. 水素の割合が、1〜96体積%の範囲であることを特徴とする、請求項16記載の方法。
  18. 反応混合物を熱により後処理することを特徴とする、請求項9から17までのいずれか1項記載の方法。
  19. 少なくとも1のドープ物質の存在下で熱による後処理を実施し、その際、ドープ物質を不活性ガスおよび/または水素と一緒に導入することを特徴とする、請求項18記載の方法。
  20. 壁面加熱式のホットウォール反応器を用いて反応混合物の熱による後処理を実施することを特徴とする、請求項18または19記載の方法。
  21. 冷却後の反応生成物を再び熱により後処理することを特徴とする、請求項9から20までのいずれか1項記載の方法。
  22. 少なくとも1のドープ物質の存在下で熱による後処理を実施することを特徴とする、請求項21記載の方法。
  23. 電子部品、電子回路および電気的に活性な充填剤を製造するための、請求項1から8までのいずれか1項記載のシリコン粉末の使用。
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