JP2007510420A - トランスジェニック植物におけるアポリポタンパク質の産生法 - Google Patents

トランスジェニック植物におけるアポリポタンパク質の産生法 Download PDF

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Abstract

植物におけるアポリポタンパク質の産生法について記載する。1つの態様では本発明は、以下の段階を含む、植物におけるアポリポタンパク質の発現法を提供する:(a)使用可能に連結された成分として5'→3'の転写方向に(i)植物細胞における発現を制御可能である核酸配列;および(ii)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列を含むキメラ核酸コンストラクトを提供する段階;(b)キメラ核酸コンストラクトを植物細胞に導入する段階;ならびに植物細胞を、アポリポタンパク質を発現する種子をつけることが可能な成熟植物体に成長させる段階。

Description

発明の分野
本発明は、植物の遺伝子工学的方法、およびアポリポタンパク質の産生に関する。具体的には本発明は、トランスジェニック植物における組換えアポリポタンパク質の産生法に関する。
発明の背景
健康な人の体では、コレステロールの輸送と除去は均衡している。低密度リポタンパク質(LDL)が高レベルとなって高密度リポタンパク質(HDL)が低レベルとなって均衡が崩れると、動脈では、除去されるコレステロールより多くのコレステロールが蓄積することになる(van Dam, M.J. et al. 2002, Lancet 359: 37-42)。動脈が狭窄または閉鎖するアテローム動脈硬化症は、プラークと呼ばれるコレステロールの反復的な蓄積の結果である(Major, A.S. et al. 2001, Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 21: 1790-1795)。
リポタンパク質は、アテローム発生的なリポタンパク質と、血管保護的な(vasoprotective)リポタンパク質に分けられる。アテローム発生性リポタンパク質は一般に、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、またはリポタンパク質(Lp(a))などの、アポリポタンパク質(Apo)Bを含む全てのリポタンパク質であるが、血管保護的なリポタンパク質は、HDLなどを含む、Apo AIである。
HDLの主要タンパク質成分であるApo AIは、コレステロールの恒常性維持に重要な役割を果たす。臨床研究および一般住民対象研究では、心血管疾患と血漿HDLレベルの間に顕著な逆相関があることが明らかにされており、Apo AIおよびHDLが、アテローム発生に対して保護的役割を果たしやすいことが示唆されている(Rubins, H. B. et al. 1993, Am. J. Cartiol. 71: 45-52)。アテローム動脈硬化症に感受性のあるトランスジェニックマウスを対象とした研究(Rubin, E. M. et al. 1991, Nature 353: 265-267)、およびトランスジェニックウサギを対象とした研究(Duverger, N. et al. 1996、Circulation 94: 713-717)では、ヒトApo AIの発現が、アテローム動脈硬化症の発症を阻害することが報告されている。この作用は、「コレステロール逆輸送」(RCT)(Glomset, J.A. 1968, J. Lipid Res. 9: 155-167)の過程における第1段階である、細胞からのコレステロール流出(Castro, G. et al. 1997, Biochemistry 36: 2243-2249)の効率的な促進と関連する可能性がある。Apo AIは、この過程を、細胞内コレステロールの優先的なアクセプターとなることで調節し(Rothblat, G.H. et al. 1999, J. Lipid Res. 40: 781-796)、レシチン-コレステロール-アシル-トランスフェラーゼ(LCAT)によるHDL結合コレステロールのエステル化の活性を7倍に高め(Jonas, A. 1991, Biochim. Biophys. Acta 1084: 205-220;Mahley, R.W. et al. 1984, J. Lipid Res. 25: 1277-1294)、またLCAT由来のコレステロールエステルの肝臓への輸送を高める(Morrison, J. R. et al. 1992, J Biol. Chem. 267: 13205-13209)。
コレステロールの合成を阻害することで体内の脂質レベルを低下させるように作用する、LIPITOR(登録商標)(アトルバスタチンカルシウム)などの合成抗高脂血症薬とは異なり(Alaupovic, P. et al. 1997, Atherosclerosis 133: 123-133)、精製Apo AIの注入は、組織から血漿中へのコレステロールの流出を促進する(Navab, M. et al. 2002, Circulation 105: 290-292)。この事実は、Apo AIが、動脈壁内の泡沫細胞からのコレステロールの流出を促し、また動脈硬化性プラークの退縮を誘導して、動脈を効率的に「掃除する(cleaning out)」可能性があることを示唆している。
ヒトではApo AIは肝臓および腸管の細胞で、グリコシル化されていないプレプロタンパク質として合成される(Gordon, J.I. et al. 1983, J. Biol Chem. 258: 4037-4044)。18アミノ酸のプレセグメントは、タンパク質が細胞から出る前に除去され、また6アミノ酸のプロセグメントは、分泌後に血漿中の未知のプロテアーゼによって切断され、成熟型の243アミノ酸のタンパク質が生じる(Saku, K. et al. 1999, Eur. J. Clin. Invest. 29: 196-203)。
アポリポタンパク質A-IMilano(Apo AI-M)は、ヒトApo AIの最初に報告された分子バリアントである(Franceschini, G. et al. 1980, J. Clin. Invest. 66: 892-900)。同タンパク質は、Arg 173がCysに置換されていることを特徴とする(Weisgraber, K.H. et al. 1983, J. Biol. Chem. 258: 2508-2513)。この変異型のアポリポタンパク質は、常染色体優性形質として伝達され、また8世代のキャリアが同定されている(Gerli, G.C. et al. 1984, Hum. Hered. 34: 133-140)。
Apo AI-Mのキャリアの状態は、HDL-コレステロールレベルの顕著な減少を特徴とする。こうした事実にもかかわらず、罹患者は見かけ上、動脈疾患のリスクの何らの上昇を示さない。そして実際に、家系図を調べることで、こうした患者がアテローム動脈硬化症から「保護されている」可能性があると考えられている。
キャリアにおけるApo AI-Mによる潜在的な保護作用機構は、1本のαへリックスの喪失と疎水性残基の露出の増大を伴う、変異型アポリポタンパク質の構造の修飾と関連するようである(Franceschini, G. et al. 1985, J. Biol. Chem. 260: 16321-16325)。複数のαへリックスの緊密な構造の喪失によって、同分子は、その柔軟性が上昇し、正常A-Iと比較して容易に脂質と結合するようになる。また、アポリポタンパク質/脂質複合体は変性に対する感受性が大きいので、変異体の場合には、脂質輸送も改善されることが示唆される。
Apo AIおよびApo AI-M変異体の治療における使用は現在、これらのアポリポタンパク質を十分な量で、適切な状態で調製可能とする方法が無いために制限されている。特にApo AIの組換え的産生は、その両親媒性、自己凝集性、および分解のために極めて困難であると報告されている(Schmidt, H.H. et al. 1997, Protein Expr. Purif. 10: 226-236)。本発明の時点において、組換え型のヒトApo AIはインビトロにおいて、バキュロウイルスで形質転換したヨトウガ(Spodoptera frugiperda)(Sf9)細胞(Sorci-Thomas, M.G. et al. 1996, J. Lipid Res. 37: 673-683)と、安定にトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(Forte, T.M. et al. 1990, Biochim. Biophys. Acta 1047: 11-18;Mallory, J.B. et al. 1987, J. Biol. Chem. 262: 4241-4247)の2つの真核生物系で発現されている。バキュロウイルスの系では、細胞が良好に形質転換されると、徹底的にスクリーニング過程を行うことで、発現に使用可能な正しいコンストラクトを有する細胞が得られる。同様にCHO細胞のコロニーは、安定に形質転換された高発現コロニーを見つけるために、スクリーニング過程を受けなければならない。加えて、いずれの細胞型とも、有意な発現が達成されて、細菌よりかなり高いレベルで発現が維持されるようになるまでには比較的長い時間が必要となる。
細菌系におけるタンパク質の組換え発現は一般に、多量の純粋なタンパク質を迅速かつ経済的に産生可能なために魅力あるものである。形質転換された大腸菌におけるApo AIの発現については複数の報告がある。しかし最近では、発現レベルの改善が一般的にある程度達成されている(Ryan, R.O. et al. 2003, Protein Expr. Purif. 27: 98-103)一方で、このような方法では収量が比較的少ないほか、または異質のアフィニティタグもしくは分泌シグナルの望ましくない存在が認められる(Bergeron, J. et al. 1997, Biochim. Biophys. Acta 1344: 139-152;Li, H.H. et al. 2001, J. Lipid Res. 42: 2084-2091;McGuire, K.A. et al. 1996, J. Lipid Res. 37: 1519-1528)。また大腸菌のエンドトキシンは、アポリポタンパク質と特に強い複合体を形成することが知られている(Emancipator et al. (1992)Infect. Immun. 60: 596-601)。アポリポタンパク質の薬学的調製物中における、このような大腸菌エンドトキシンと関連した毒性は低下するか、または除去されることが極めて望ましい。このようなエンドトキシンの除去は、技術的には可能であるが、複雑かつ高費用を要するタンパク質精製法が求められ(米国特許第6,506,879号)、ヒトの健康上のリスクを完全に除去することはできない。
組換えタンパク質を大量に産生させるために植物をバイオリアクターとして使用することは当技術分野で周知であり、またヒトの治療用タンパク質を含む数多くのタンパク質が作られている。例えば、米国特許第4,956,282号、第5,550,038号、および第5,629,175号には、植物におけるγ-インターフェロンの産生について記載されており、また米国特許第5,650,307号、第5,716,802号、および第5,763,748号には、植物におけるヒト血清アルブミンの産生について詳しく説明されている。また米国特許第5,202,422号、第5,639,947号、および第5,959,177号は、植物における抗体の産生に関する。植物ベースの組換えタンパク質産生系の顕著な利点の1つは、植物を成長させるために必要な面積を拡げることで、タンパク質産生を安価にスケールアップして大量のタンパク質を得ることが可能な点である。これとは対照的に、発酵および細胞培養の系は、大きな空間、装置、およびエネルギーを必要とするので、製造のスケールアップに多額の費用を要する。しかし、バイオリアクターとしての植物の使用に関する報告が多いという事実にもかかわらず、また上述したアポリポタンパク質の治療的応用にもかかわらず、アポリポタンパク質を植物で産生させる方法を提供する従来技術はない。
発酵や細胞培養をベースとしたシステムの実際的な代替え手段を提供するためには、植物体が健康な状態で維持されること、またかなりの量のアポリポタンパク質が植物体に蓄積することが重要である。脂質と結合するアポリポタンパク質の固有の特性に関して、組換え的に発現されたアポリポタンパク質は、内因性の植物性脂質と結合することで植物の脂質代謝に干渉する可能性がある。したがって、アポリポタンパク質の組換え的発現は、植物体の健康状態に影響を及ぼす可能性がある。あるいは、組換え的に発現されたアポリポタンパク質は、保護機構がアポリポタンパク質の分解を招く可能性があるために、有効な量で蓄積できない恐れがある。したがって、植物体におけるアポリポタンパク質の商業規模の産生を達成するために植物の合成能力を利用できるか否か、またどのように利用できるかについては不明である。
したがって、従来技術によるアポリポタンパク質の組換え産生法に関連する欠点をふまえ、当技術分野ではアポリポタンパク質の産生法を改善することが求められている。
発明の概要
本発明は、植物におけるアポリポタンパク質の産生法に関する。特に本発明は、植物の種子におけるアポリポタンパク質の産生法に関する。
したがって本発明は、以下の段階を含む、植物におけるアポリポタンパク質の発現法を提供する:
(a)使用可能に連結された成分として5'→3'の転写方向に(i)植物細胞における発現を制御可能である核酸配列;および(ii)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列を含むキメラ核酸コンストラクトを提供する段階;
(b)キメラ核酸コンストラクトを植物細胞に導入する段階;ならびに
(c)植物細胞を、アポリポタンパク質を発現可能な成熟植物体に成長させる段階。
本発明によれば、植物の種子は、アポリポタンパク質の産生に特に適していることがわかっている。したがって本発明は、以下の段階を含む、アポリポタンパク質を植物の種子で発現させる方法を提供する:
(a)使用可能に連結された成分として5'→3'の転写方向に(i)植物の種子の細胞における発現を制御可能である核酸配列;および(ii)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列を含むキメラ核酸コンストラクトを提供する段階;
(b)キメラ核酸コンストラクトを植物細胞に導入する段階;ならびに
(c)植物細胞を、アポリポタンパク質を発現する種子をつけることが可能な成熟植物体に成長させる段階。
さらに好ましい態様では、植物の種子の細胞で発現を制御可能である核酸配列は、ファゼオリンプロモーターなどの種子に好ましいプロモーターである。好ましい態様では、総種子タンパク質の少なくとも0.25%がアポリポタンパク質である。
本発明の好ましい態様では、キメラ核酸配列はさらに、アポリポタンパク質をコードする核酸配列と、読み枠で結合した安定化ポリペプチドをコードする核酸配列を含む。好ましくは安定化ポリペプチドは、アポリポタンパク質の非存在下で容易に発現可能で、植物細胞中に安定に蓄積するポリペプチドである。安定化タンパク質は、植物特異的または植物に特異的でない場合がある。本発明で使用可能な植物特異的な安定化ポリペプチドは、油体タンパク質やチオレドキシンを含む。本発明で使用可能な植物特異的でない安定化ポリペプチドは、緑色蛍光タンパク質(GFP)や、1本鎖抗体もしくはこの断片を含む。このような植物特異的または植物特異的でない安定化ポリペプチドは、切断されてアポリポタンパク質を遊離の天然の状態で放出可能なリンカーを介してアポリポタンパク質と連結させることができる。
キメラ核酸配列はさらに好ましくは、アポリポタンパク質のポリペプチドが小胞体(ER)に蓄積するか、または植物細胞内でER由来の貯蔵小胞(例えば油体)と結合する標的化シグナルを含む。したがって、キメラ核酸コンストラクトは追加的に、アポリポタンパク質のポリペプチドをERまたはER由来の貯蔵小胞に標的化可能なポリペプチドをコードする核酸配列を含む可能性がある。アポリポタンパク質をERに標的化するために使用可能である核酸配列は例えば、KDEL配列、HDEL配列、SDEL配列をコードする核酸配列を含む。アポリポタンパク質を油体に標的化するために使用可能である核酸配列は、オレオシンなどの油体タンパク質をコードする核酸配列を含む。さらに、本発明によれば、アポリポタンパク質は、アポリポタンパク質が標的化シグナルを含まないように、しかし、アポリポタンパク質をコードする核酸配列がアポリポタンパク質のプロペプチドを含む条件で、アポリポタンパク質を発現させることで、油体に標的化することが可能である。
別の好ましい態様では、キメラ核酸は、アポリポタンパク質をアポプラストに蓄積させるような標的化シグナルを含む。したがって、このような態様では、キメラ核酸コンストラクトは好ましくは追加的に、アポリポタンパク質のポリペプチドをアポプラストに標的化可能なポリペプチドをコードする核酸配列を含む。
さらに好ましい態様では、アポリポタンパク質をコードする核酸配列は、アポリポタンパク質が細胞質に蓄積するように発現させる。このような態様では、核酸配列は標的化シグナルを含まない。
さらに好ましい態様では、キメラ核酸コンストラクトを、核ゲノムへの組込み条件で植物細胞に導入する。このような条件では、キメラ核酸配列が植物のゲノムに安定に組込まれる。
さらに他の好ましい態様では、アポリポタンパク質をコードする核酸配列を植物コドン使用に関して最適化する。本発明で使用される好ましい核酸配列は、ヒト、ウシ、またはブタのアポリポタンパク質A-Iおよびプロアポリポタンパク質A-Iをコードする。
別の局面では、本発明は、アポリポタンパク質を含む植物の種子を得る方法を提供する。したがって本発明に従って、以下の段階を含む、植物の種子を得る方法を提供する:
(a)使用可能に連結された成分として5'→3'の転写方向に(i)植物の組織の細胞における発現を制御可能である核酸配列;および(ii)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列を含むキメラ核酸コンストラクトを提供する段階;
(b)キメラ核酸コンストラクトを植物細胞に導入する段階;
(c)植物細胞を、種子をつけることが可能な成熟植物体に成長させる段階;ならびに
(d)植物体から、アポリポタンパク質を含む種子を得る段階。
種子は、アポリポタンパク質を発現する複数の種子をそれぞれ含む子孫植物体群を得るために使用することができる。本発明はまた、アポリポタンパク質を発現する種子をつけることが可能な植物も提供する。本発明の好ましい態様では、種子をつけることが可能な植物は、5'→3'の転写方向に以下を含むキメラ核酸配列を含む:
(a)(b)に使用可能に連結された、植物細胞における発現を制御可能な第1の核酸配列;
(b)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする第2の核酸配列(細胞はアポリポタンパク質を含む)。
好ましい態様では、キメラ核酸配列は植物の核ゲノムに組込まれる。
本発明の他の好ましい態様では、使用される植物はシロイヌナズナ(Arabidopsis)植物体であり、また特に好ましい態様では、植物はベニバナ植物体である。
さらに別の局面では、本発明は、アポリポタンパク質を発現する植物の種子を提供する。本発明の好ましい態様では、植物の種子は、5'→3'の転写方向に以下を含むキメラ核酸配列を含む:
(a)(b)に使用可能に連結された、植物細胞における発現を制御可能な第1の核酸配列;
(b)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする第2の核酸配列。
種子は、種子の細胞によって合成される所望のアポリポタンパク質のポリペプチドを、程度の差はあるものの純粋な状態で抽出して入手可能とする供給源となる。アポリポタンパク質は、血管疾患の治療に使用することができる。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から容易に明らかになる。しかし、本発明の好ましい態様を示す詳細な説明および特定の実施例が、説明目的のみで記載されることを理解すべきである。というのは、本発明の趣旨および範囲内における、さまざまな変更および改変は、詳細な説明から当業者に容易に明らかになるからである。
発明の詳細な説明
既に述べたように、本発明は、トランスジェニック植物におけるアポリポタンパク質の作製法に関する。本発明者らは意外にも、植物におけるアポリポタンパク質の産生が容易なだけでなく、従来の方法を超える実質的な利点をももたらすことを見出した。植物ベースの産生用の原材料は安定しているが、これは特に、タンパク質が植物の種子で、さらには細菌のエンドトキシンを含まない状態で産生されるためである。したがって本発明は、アポリポタンパク質を作製するための安全な供給源材料を提供する。アポリポタンパク質の組換え的発現が、アポリポタンパク質の商業規模の作製を可能とするレベルで、程度の差はあるものの純粋な状態の天然のアポリポタンパク質をもたらす場合があることも明らかにされた。したがって本発明では、植物における、アポリポタンパク質をコードする核酸配列の発現法は、以下の段階を含む方法で提供される:
(a)使用可能に連結された成分として5'→3'の転写方向に(i)植物細胞における発現を制御可能である核酸配列;および(ii)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列を含むキメラ核酸コンストラクトを提供する段階;
(b)キメラ核酸コンストラクトを植物細胞に導入する段階;ならびに
(c)植物細胞を、アポリポタンパク質を発現する成熟植物体に成長させる段階。
本発明者らは、アポリポタンパク質の高レベルの発現が、組換えタンパク質を植物の種子で発現させることで達成可能なことを見出した。したがって本発明は、以下の段階を含む、アポリポタンパク質を植物の種子で発現させる方法を提供する:
(a)使用可能に連結された成分として5'→3'の転写方向に(i)植物の種子の細胞における発現を制御可能である核酸配列;および(ii)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列を含むキメラ核酸コンストラクトを提供する段階;
(b)キメラ核酸コンストラクトを植物細胞に導入する段階;ならびに
(c)植物細胞を、アポリポタンパク質を発現する種子をつけることが可能な成熟植物体に成長させる段階。
用語および定義
特に明記しない限り、本明細書で用いられる全ての科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される用語と同じ意味をもつ。可能であれば、本明細書で言及されたGenBank、SwissPro、および他のデータベースに登録された核酸およびポリペプチドの配列を含む全ての特許、特許出願、公開された特許出願、および他の出版物は、参照により全体が本明細書に組み入れられる。
本明細書で用いる「核酸配列」という表現は、天然の塩基、糖、および糖鎖間(バックボーン)の結合を含むヌクレオシドまたはヌクレオチドのモノマーの配列を意味する。この表現は、非天然のモノマーもしくはこの一部を含む、修飾された配列または置換された配列も含む。本発明の核酸配列は、デオキシリボ核酸の配列(DNA)またはリボ核酸の配列(RNA)の場合があり、またアデニン、グアニン、シトシン、チミジン、およびウラシルを含む天然の塩基を含む場合がある。配列は修飾塩基を含む場合もある。修飾塩基の例には、アザおよびデアザのアデニン、グアニン、シトシン、チミジン、およびウラシル;ならびにキサンチンおよびヒポキサンチンなどがある。
本明細書で互換的に使用可能な「アポリポタンパク質をコードする核酸配列」、および「アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列」という表現は、任意の哺乳類のアポリポタンパク質のポリペプチド、およびプロアポリポタンパク質、ならびにプレプロアポリポタンパク質をコードする任意の核酸配列を含むアポリポタンパク質のポリペプチドをコードする任意の、および全ての核酸配列を意味する。本明細書で用いる「プロ型のアポリポタンパク質」という表現は、翻訳後に切断されるポリペプチドを含むアポリポタンパク質のポリペプチドを意味する。天然のヒトのアポリポタンパク質の場合、プロペプチドは6アミノ酸残基のポリペプチド鎖である。「プレプロアポリポタンパク質」という表現は、ポリペプチド鎖の細胞内輸送を促すN末端のシグナル配列を追加的に含むプロ型のアポリポタンパク質分子を意味する。アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列はさらに、(i)本明細書に記載されたアポリポタンパク質のポリペプチド配列と実質的に同一なポリペプチドをコードする;または(ii)本明細書に記載された任意のアポリポタンパク質の核酸配列と、少なくとも中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件でハイブリダイズする、もしくは少なくとも中程度にストリンジェントな条件でハイブリダイズするが同義コドンを使用する、任意の、および全ての核酸配列を含む。
「実質的に同一である」という表現は、2つのポリペプチド配列が好ましくは、少なくとも70%が同一であり、またより好ましくは少なくとも85%が同一であり、また最も好ましくは少なくとも95%が同一である(例えば96%、97%、98%、または99%が同一である)ことを意味する。2つのポリペプチド配列間の同一性のパーセンテージを決定するためには、2つの配列のアミノ酸配列を例えば、Smith and Waterman(Adv. Appl. Math., 1981, 2: 482)によって改訂されたNeedleman and Wunsch(J. Mol. Biol., 1970, 48: 443)のアラインメント法によって、2つの配列間で最高のマッチが得られるように並べ、2つの配列間で同一のアミノ酸の数を決定する。2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントを計算する方法は一般に、当技術分野で知られており、例えばCarillo and Lipton(SIAM J. Applied Math., 1988, 48: 1073)に記載された方法、およびComputational Molecular Biology, Lesk, e.d. Oxford University Press, New York, 1988, Biocomputing: Informatics and Genomics Projectsに記載された方法などがある。一般に、このような計算にはコンピュータープログラムが使用される。使用可能なコンピュータープログラムには、GCG(Devereux et al., Nucleic Acids Res., 1984, 12: 387)、BLASTP、BLASTN、およびFASTA(Altschul et al., J. Molec. Biol., 1990: 215: 403)などがあるがこれらに限定されない。2つのポリペプチド間の同一性パーセントを決定する特に好ましい方法には、2つの配列間の最高のマッチを得るように、ギャップオープニングペナルティとして10を、またギャップエクステンションペナルティとして0.1を用いるBLOSUM 62のスコアリングマトリックス(Henikoff S & Henikoff, JG, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 10915-10919)を併用するClustal Wアルゴリズム(Thompson, JD, Higgines, DG and Gibson TJ, 1994, Nucleic Acid Res 22(22): 4673-4680)がある(2つの配列の一方の全長の少なくとも50%がアラインメントに関与する)。
「少なくとも中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」という表現は、条件が、溶液中における2つの相補的な核酸分子間の選択的なハイブリダイゼーションを促進するように選択されることを意味する。ハイブリダイゼーションは、核酸配列分子の全体または一部に対して生じる可能性がある。ハイブリダイズ形成部分の長さは典型的には、少なくとも15ヌクレオチド(例えば20ヌクレオチド、25ヌクレオチド、30ヌクレオチド、40ヌクレオチド、または50ヌクレオチド)である。当業者であれば、核酸2本鎖(ハイブリッド)の安定性が、ナトリウムを含む緩衝液中ではナトリウムイオン濃度と温度の関数となるTmによって決定されることを理解すると思われる(Tm=81.5℃−16.6(Log10[Na+])+0.41(%(G+C)−600/l)、またはこれと同等の式)。したがって、ハイブリッドの安定性を決定する際の洗浄条件のパラメータは、ナトリウムイオン濃度と温度である。既知の核酸分子に対して同一ではなくとも類似の分子を同定するためには、1%のミスマッチが、Tmの約1℃の低下をもたらすと仮定される場合がある。例えば仮に、核酸分子が95%を上回る同一性を有する場合であれば、最終洗浄温度は約5℃下げる。これらの点を考慮して、当業者であれば、適切なハイブリダイゼーション条件を容易に選択することができる。好ましい態様では、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件が選択される。例として、ストリンジェントなハイブリダイゼーションを達成するために以下の条件を使用することができる:Tm(上式から算出)-5℃における5×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)/5×デンハルト溶液/1.0% SDSによるハイブリダイゼーションと、これに続く60℃における0.2×SSC/0.1% SDSによる洗浄。中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、42℃における3×SSCによる洗浄段階を含む。しかし、別の緩衝液、塩、および温度を用いることで、同等のストリンジェンシーが達成可能であると理解される。ハイブリダイゼーション条件に関する他の手引きは、文献(Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y., 1989, 6.3.1.-6.3.6、およびSambrook et al., Molecular Cloning, a Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989, Vol.3)に記載されている。
本明細書で用いる「アポリポタンパク質」および「アポリポタンパク質のポリペプチド」という表現は、全ての哺乳類のアポリポタンパク質のポリペプチドの任意の、また全てのポリペプチド配列、および以下のアミノ酸残基を配列を意味する:(i)本明細書に記載された任意のアポリポタンパク質のポリペプチドを含むアミノ酸配列と実質的に同一なポリペプチド、または(ii)少なくとも中程度にストリンジェントな条件で、本明細書に記載された任意のアポリポタンパク質をコードする任意の核酸配列とハイブリダイズ可能である核酸配列、または少なくとも中程度にストリンジェントな条件で、本明細書に記載された任意のアポリポタンパク質をコードするが、同義コドンを使用する核酸配列にコードされたポリペプチド。アポリポタンパク質およびアポリポタンパク質のポリペプチドという表現は、プロアポリポタンパク質のポリペプチドを含む。アポリポタンパク質のポリペプチドは好ましくは、ヒト、ブタ、またはウシ由来である。好ましい態様では、これらのアポリポタンパク質は、アポリポタンパク質A-I(Apo AI)、アポリポタンパク質A-IV(Apo AIV)、アポリポタンパク質A-V(Apo AV)、およびアポリポタンパク質E(Apo E)を含むがこれらに限定されない。
核酸配列に関して、本明細書で用いる「キメラ」という表現は、天然の状態では連結されていない、少なくとも2つの連結された核酸配列を意味する。キメラ核酸配列は、天然の起源が異なる連結された核酸配列を含む。例えば、ヒトのアポリポタンパク質をコードする核酸配列が連結された植物のプロモーターを含む核酸配列はキメラであると見なされる。キメラ核酸配列は、天然の状態で連結された状態にない場合に、同じ天然の起源の核酸配列を含む場合もある。例えば、特定の細胞型から得られたプロモーターを含む核酸配列を、同じ細胞型から得られるが、通常は、プロモーターを構成する核酸配列とは連結されていないポリペプチドをコードする核酸配列と連結することができる。キメラ核酸配列は、任意の非天然の核酸配列が結合された任意の天然の核酸配列を含む核酸配列も含む。
アポリポタンパク質をコードするキメラ核酸配列と、植物細胞における発現を制御可能である核酸配列を含む組換え発現ベクターの調製
本発明の方法および組成物で使用可能なアポリポタンパク質をコードする核酸配列は、任意のプロアポリポタンパク質およびプレプロアポリポタンパク質を含むアポリポタンパク質のポリペプチドをコードする任意の核酸配列である場合がある。
ヒト血漿中に存在し、またリポタンパク質を特定の組織に対して作用させる、または、このようなリポタンパク質に作用する酵素を活性化させるシグナルとして作用可能な様々な多くのアポリポタンパク質が存在する(Lehninger, A. et al. Principles of Biochemistry, second edition, New York, Worth Publishers, 1993)。このようなタンパク質は、アポリポタンパク質A-I(Apo AI)(例えばSharpe CR et al., Nucleic Acids Res. 12 (9), 3917-3932 (1984)参照)、Apo AII(例えばSharpe CR et al., Nucleic Acids Res. 12 (9), 3917-3932 (1984)参照)、Apo AIV(例えば、Elshourbagy NA et al, J. Biol. Chem. 261 (5), 1998-2002 (1986)参照)、Apo AV(例えばHubacek et al. Physiol. Res. 2004. 53: 225-228参照)、Apo B-100(例えばLaw SW et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83 (21), 8142-8146 (1986)参照)、Apo B-48(例えばPowell LM et al., Cell 50 (6), 831-840 (1987)参照)、Apo C-II(例えばSharpe CR et al., Nucleic Acids Res. 12 (9), 3917-3932 (1984)参照)、Apo C-III(例えばSharpe CR et al., Nucleic Acids Res. 12 (9), 3917-3932 (1984)参照)、ApoC-IV(例えばAllan CM et al., Genomics 28 (2), 291-300 (1995))参照)、Apo D(Drayna D et al. J. Biol. Chem. 261 (35), 16535-16539 (1986)参照)、Apo E(例えばBrewslow JL et al., J. Biol. Chem. 257 (24), 14639-14641 (1982)参照)、Apo F(例えばDay JR et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 203 (2), 1146-1151 (1994) 参照)、Apo H(例えばMehdi, H., et al., Gene 108 (2), 293-298 (1991)参照)、およびApo L(例えばDuchateau, P. N., et al., J. Biol. Chem. 272 (41), 25576-25582 (1997)参照)の対立遺伝子およびイソ型を含むがこれらに限定されない。アポリポタンパク質をコードする例示的な核酸配列は当技術分野で周知であり、また一般に、ヒト(上記参照)、ブタ(例えばTrieu VN et al., Gene 134 (2), 267-270 (1993)参照)、ウシ(例えばYang,Y.W., et al. J. Mol. Evol. 32 (6), 469-475 (1991)参照)、ヒツジ(例えばRobertson, J.A., et al., J. Steroid Biochem. Mol. Biol. 67 (4), 285-292 (1998)参照)などを含む、さまざまな哺乳類供給源から容易に入手できる。使用可能なヒトアポリポタンパク質のコード配列には、SEQ ID NO:1、7、および8に記載されたポリペプチド鎖をコードする配列などがある。また本発明で使用可能な他の非ヒトのアポリポタンパク質のコード配列は、SEQ ID NO:9〜55および241〜251に記載されている。アポリポタンパク質のポリペプチド鎖をコードする個々の対応する核酸配列は、表1のアクセッション識別番号を元に容易に同定できる。このような核酸配列を用いて、他の新規のアポリポタンパク質をコードする核酸配列を、当業者に既知の手法で容易に同定することができる。例えば発現ライブラリー、cDNAライブラリー、およびゲノムライブラリーなどのライブラリーをスクリーニングし、配列決定プロジェクトで得られた配列情報を含むデータベースを検索して類似の配列を見つけることができる。アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする他の核酸配列を単離する他の方法を用いることが可能であり、また新規配列を発見して本発明に使用することができる。好ましい態様では、アポリポタンパク質をコードする核酸配列は、ヒト、ブタ、およびウシのアポリポタンパク質である。
従来技術では、数多くのアポリポタンパク質の類似体が知られており(例えばCheung MC et al.、Biochim Biophys Acta. 1988 May 2;960(1): 73-82、およびStrobl W et al., Pediatr Res. 1988 Aug;24(2): 222-8参照)、また本発明で使用可能である。本発明で使用可能な類似体は、点突然変異、欠失変異、フレームシフト変異、および化学修飾を含むがこれらに限定されない多様な天然および合成の変異および修飾が発見されているヒトのアポリポタンパク質分子を含む。本発明によれば、好ましい態様では、Apo AI-Mとして知られる天然のバリアントを使用する。本発明に使用可能な変異および修飾の例には、表2に記載された例などがあるがこれらに限定されない。
好ましい態様では、使用されるアポリポタンパク質をコードする核酸配列はプロ型のアポリポタンパク質である。
アポリポタンパク質の類似体を作製するためにアポリポタンパク質をコードする核酸配列の変化は、例えば部位特異的変異誘発、標的変異誘発、ランダム変異誘発、有機溶媒の添加、遺伝子シャッフリング、またはこれらの組み合わせ、および当業者に既知の他の手法を含む当業者に既知のさまざまな核酸修飾法で導入することができる(Shraishi et al., 1988, Arch. Biochem. Biophys, 358: 104-115;Galkin et al., 1997, Protein Eng. 10: 687-690;Carugo et al., 1997, Proteins 28: 10-28;Hurley et al., 1996, Biochem, 35: 5670-5678;Holmberg et al., 1999, Protein Eng. 12: 851-856)。
本明細書に従って、アポリポタンパク質をコードする核酸配列を、植物細胞におけるアポリポタンパク質のポリペプチドの発現を制御可能である核酸配列に連結する。したがって本発明は、植物細胞における発現を制御可能なプロモーターが連結されたアポリポタンパク質をコードする核酸配列も提供する。本明細書で使用可能な植物細胞における発現を制御可能である核酸配列は、植物におけるポリペプチドの発現を制御可能な任意の植物由来のプロモーターを含む。一般に、双子葉植物種由来のプロモーターは、本明細書で双子葉植物が選択される際に使用され、また単子葉植物プロモーターは、単子葉植物種が選択される際に使用される。1つの態様では、植物体でアポリポタンパク質のポリペプチドの発現をもたらすプロモーターが使用される。使用可能な構成的プロモーターには例えば、35Sカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)プロモーター(Rothstein et al., 1987, Gene 53 153-161)、イネのアクチンプロモーター(McElroy et al., 1990, Plant Cell 2: 163-171;米国特許第6,429,357号)、トウモロコシのユビキチンプロモーター(米国特許第5,879,903号;第5,273,894号)、およびパセリのユビキチンプロモーター(Kawalleck, P. et al., 1993, Plant Mol. Biol. 21:673-684)などのユビキチンプロモーターがある。
本発明の特に好ましい態様では、アポリポタンパク質は植物の種子で作られる。植物の種子における産生は、原材料としてのアポリポタンパク質の貯蔵および輸送に関する柔軟性をもたらす。なぜならアポリポタンパク質は、貯蔵された種子から抽出された場合に、その活性を保持するからである。また抽出に必要なバイオマス量は、植物の種子の比較的少ない含水量のために少なくてすむ。したがって本発明の好ましい態様では、植物細胞は種子の細胞であり、また植物体を、アポリポタンパク質を発現する種子をつけることが可能な成熟植物体に成長させる。さらに好ましい態様では、植物細胞における発現を制御可能である核酸配列は、ファゼオリンプロモーターなどの種子に好ましいプロモーターである。このような態様では、種子組織におけるアポリポタンパク質のポリペプチドの優先的な発現をもたらすプロモーターを使用する。このような「種子に好ましいプロモーター」は、成熟植物体に存在する組換えタンパク質の総量の好ましくは少なくとも80%が種子に存在するような、組換えタンパク質(すなわちアポリポタンパク質)の発現を制御するプロモーターである。より好ましくは、成熟植物体中に存在する組換えタンパク質の総量の少なくとも90%が種子に存在する。最も好ましくは、成熟植物体中に存在する組換えタンパク質の総量少なくとも95%が種子に存在する。使用可能な、種子に好ましいプロモーターには例えば、マメのファゼオリンプロモーター(Sengupta-Gopalan et al., 1985, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 3320-3324);シロイヌナズナの18 kDaオレオシンプロモーター(米国特許第5,792,922号)またはアマのオレオシンプロモーター(WO 01/16340);アマのレグミン(legumin)様種子貯蔵タンパク質(リニン)プロモーター(WO 01/16340);アマの2S貯蔵タンパク質プロモーター(WO 01/16340);Amy32bプロモーター(Rogers and Milliman, J. Biol. Chem., 1984, 259: 12234-12240)、Amy6-4プロモーター(Kursheed and Rogers, J. Biol. Chem., 1988, 263: 18953-18960)、またはAleurainプロモーター(Whittier et al., 1987, Nucleic Acids Res., 15: 2515-2535)、またはマメのarcelinプロモーター(Jaeger GD, et al. , 2002, Nat. Biotechnol Dec;20:1265-8)などの内胚葉に好ましいプロモーターなどがある。さまざまな植物に有用な新しいプロモーターは次々に発見されている。植物プロモーターの数多くの例は、Ohamuro et al.(Biochem. of Plnts., 1989, 15: 1-82)に記載されている。
本発明の好ましい態様では、キメラ核酸配列はさらに、アポリポタンパク質をコードする核酸配列が読み枠で連結された安定化ポリペプチドをコードする核酸配列を含む。安定化ポリペプチドは、タンパク質のフォールディングを促すために、および/または植物細胞におけるアポリポタンパク質の安定な蓄積を促すために使用される。また安定化ポリペプチドは、アポリポタンパク質を植物細胞内の所望の位置に標的化するために、および/またはアポリポタンパク質の精製を容易にするために使用することができる。好ましくは、安定化ポリペプチドは、アポリポタンパク質の非存在下で容易に発現可能で、またトランスジェニック植物の細胞に安定に蓄積するポリペプチドである。安定化ポリペプチドは、植物特異的なポリペプチドか、または植物に特異的でないポリペプチドの場合がある。本発明に使用可能な植物特異的な安定化ポリペプチドには、油体タンパク質(下記参照)、およびチオレドキシン(例えばSEQ ID NO:56のチオレドキシン)などがある。本発明に使用可能な植物に特異的でない安定化ポリペプチドには、緑色蛍光タンパク質(GFP)(Davis and Vierstra, 1996, Weeds World 3(2):43-48)(SEQ ID NO:57)、および1本鎖抗体またはこの断片などがある。好ましくは、植物に特異的でない安定化ポリペプチドは、植物における最適な発現に最適化されたコドンである。
本発明で好ましくは使用される1本鎖抗体または断片は、アポリポタンパク質の精製を容易にする1本鎖抗体またはこの断片を含む。本発明では例えば、油体または油体タンパク質との特異的な結合を可能とする1本鎖抗体またはこの断片を使用することが可能であり、このためアポリポタンパク質と、植物の種子から容易に得られる油体画分の同時精製が可能となる。好ましくは、1本鎖抗体は、アポリポタンパク質が発現される(すなわちシロイヌナズナ植物細胞が使用され、シロイヌナズナの油体タンパク質と結合可能な1本鎖抗体もしくはこの断片が選択される本発明の態様で)種子から得られる油体タンパク質と結合可能である。さらに好ましい態様では、1本鎖抗体は、シロイヌナズナの18 kDaのオレオシンと特異的に結合可能な1本鎖FV抗体(D9scFv)である。最も好ましい態様では、このような1本鎖抗体はSEQ ID NO:240で表される。本明細書で用いる「1本鎖抗体断片(scFv)」または「抗体断片」という表現は、VL-L-VHで表される、ペプチドリンカー(L)によって可変重鎖(VH)ドメインが結合された可変軽鎖(VL)ドメインを含むポリペプチドを意味する。VLドメインとVHドメインの順序を逆転することで、VH-L-VLで表されるポリペプチドが得られる。「ドメイン」は、抗原結合や抗原認識などの明瞭な機能を担うと考えられるタンパク質のセグメントである。本発明で使用される1本鎖抗体の断片は、任意の抗体の軽鎖および/または重鎖の可変ドメインに由来する場合がある。好ましくは、軽鎖および重鎖の可変ドメインは同じ抗原に特異的である。より好ましくは、このような抗原は油体タンパク質である。多価の1本鎖抗体を形成するように連結された個々の抗体断片は、同じ抗原に対する抗体である場合があるほか、異なる抗原に対する抗体である場合がある。1本鎖抗体を作製する方法は当技術分野で周知である。例えば1本鎖抗体は、1本鎖(scFV)ファージディスプレイライブラリーをスクリーニングすることで作製可能である。
ファージディスプレイライブラリーから1本鎖抗体を作製する方法は当技術分野で周知である。McCarrerty et al.(Nature 348: 552-554)では、ファージ表面における1本鎖抗体の発現を可能とする、fdファージベクターとの融合タンパク質として抗体断片が発現されるファージディスプレイ系の使用について記載されている。1本鎖抗体のファージディスプレイライブラリーの作製は例えば、Amersham Biosciences社、およびCambridge Antibody Technology社によって開発された組換えファージ抗体システムを使用して達成することができる。さらに詳細なプロトコルは、マウスのscFV分子、発現モジュール、および検出モジュールを含む3つのパーツを販売しているAmersham Biosciences社から入手できる。簡単に説明すると、1本鎖抗体の産生のためのプロトコルは以下のようなものである。メッセンジャーRNAは、マウスのハイブリドーマから、または対象抗原で免疫化されたマウスの脾臓細胞のいずれかから得られる。マウスのハイブリドーマは、抗体遺伝子をクローン化する際の最も豊富な供給源である。なぜならハイブリドーマは、1本鎖抗体の重鎖および軽鎖の遺伝子を発現するが、免疫化されたマウスの脾臓細胞を用いて抗体をクローン化可能だからである。mRNAを、逆転写酵素およびランダムヘキサマープライマーを用いてcDNAに変換する。ランダムヘキサマーを使用することで、重鎖分子および軽鎖分子の可変領域をクローン化するために十分な長さのcDNA分子が得られる。cDNA分子が得られたら、一次PCR反応を行い、重鎖および軽鎖の可変領域を個別に増幅する。プライマーは、鎖の反対側の末端にハイブリダイズすることで、重鎖または軽鎖の可変領域を増幅するように設計する。可変領域が増幅されたら、PCR反応物を対象にアガロースゲル電気泳動を行い、ゲルを精製してプライマーおよび任意の異質PCR産物を除去する。重鎖および軽鎖の可変領域が精製されたら、リンカーを用いて1つの遺伝子にまとめる。リンカー領域は、正しい読み枠が重鎖と軽鎖の間で確実に維持されるように設計する。例えば、可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)を、(Gly4Ser)3リンカーを用いて連結し、長さが約750塩基対の1本鎖抗体断片(scFv)を得ることができる。重鎖および軽鎖がリンカーで連結されたら、第2のPCR反応を行い、まとめられたscFVのDNA断片を増幅する。プライマーは、ファージミド発現ベクターへのクローニングを可能とするような制限酵素切断部位を導入するように設計すべきである。例えばSfiI切断部位およびNotI切断部位をpCANTAB 5Eベクター(Amersham Biosciences)にクローニングするために、scFv遺伝子の5'端および3'端に加えることができる。PCRが完了したらDNA断片を精製して、取り込まれなかったプライマーやdNTPを除去すべきである。この操作はスピンカラムによる精製で達成できる。DNA断片の精製および定量後に、適切な発現ベクターへのクローニングを可能とするために、断片を適切な制限酵素で切断する。次にDNA断片を発現ベクター(例えばpCANTAB 5E(Amersham Biosciences))に連結し、コンピテントな大腸菌細胞に導入する。細胞は、発現ベクターを含む細胞だけが確実に成長するために、適切な選択用培地で(すなわち、特定の炭素源および抗生物質による選択を用いて)成長させるべきである。大腸菌が成長したら、ファージミドを含むコロニーにM13ヘルパーファージ(KO7(Amersham Biosciences))を感染させ、scFv断片をディスプレイする組換えファージを得る。M13ファージはファージの複製を開始し、完全なファージ粒子が産生されて、scFv分子種を表面に発現する細胞から放出される。正しいscFv抗体をディスプレイするファージを、特異的な抗原を用いるパニングによって同定する。非特異的なファージを除去するために、組換えファージの培養物を、抗原でコーティングされた支持体(フラスコまたはチューブ)に移して洗浄することができる。正しいscFvをディスプレイするファージのみが支持体に結合することになる。次に、大腸菌の感受性株に、抗原でコーティングした支持体に結合させたファージを感染させる。ファージは、ヘルパーファージで救済することで、また抗原を複数回パニングすることで濃縮できるほか、さらなる濃縮を行わずに固形培地に直接プレーティングすることができる。適切な抗原に対して選択されたファージを感染させた大腸菌細胞をプレーティングし、個々のコロニーを選択する。次に、個々のコロニーに由来するファージを、例えばELISAアッセイ法(酵素結合免疫吸着アッセイ法)で検討する。次に、ELISAアッセイ法で陽性を示すファージ抗体を、可溶性の組換え抗体を産生させる目的で、大腸菌HB2151細胞の感染に使用することができる。適切なクローンが選択されたら、scFv抗体遺伝子の配列を同定して本発明に使用することができる。
安定化タンパク質は、切断後にアポリポタンパク質を遊離の天然の型として放出可能なリンカーを介してアポリポタンパク質に結合することができる。リンカーには、第Xa因子、IgAプロテアーゼ、またはエントロキナーゼによって認識されるペプチド配列などがある。特に好ましい態様では、リンカーは、成熟キモシンで切断可能な、PCT特許出願WO 98/49326に記載されているようなキモシンプロ配列をコードする。
好ましい態様では、キメラ核酸配列はさらに「標的化シグナル」を含む。本明細書で用いる標的化シグナルは、アポリポタンパク質のポリペプチドを発現時に、植物細胞内の所望の位置へ誘導可能な任意のアミノ酸配列を意味する。本発明で使用可能な適切な標的化シグナルには、アポリポタンパク質のポリペプチドを小胞体に、または油体やアポプラストなどの小胞体由来の貯蔵小胞に標的化可能なシグナルがある。
ERまたはER由来の貯蔵小胞におけるアポリポタンパク質の蓄積を達成するために、アポリポタンパク質をコードするポリペプチドを、アポリポタンパク質がERまたはER由来の貯蔵小胞に保持されるようにする標的化シグナルに連結する。本発明の好ましい態様では、アポリポタンパク質のER中における保持を可能とする標的化シグナルは、C末端にER保持モチーフを含む。このようなC末端のER保持モチーフの例には、KDEL配列、HDEL配列、DDEL配列、ADEL配列、およびSDEL配列などがある。他の例にはHDEF(Lehmann et al., 2001, Plant Physiol. 127(2): 436-439)、または2位と3位、3位と4位、または4位と5位に位置するN末端の近位の2つのアルギニン残基がある(Plant Biology 2001 Program, ASPB, July 2001, Providence, Rhode Island, USAの要旨集)。C末端の保持モチーフをコードする核酸配列は好ましくは、アポリポタンパク質をERに保持可能なポリペプチドがアポリポタンパク質のポリペプチドのC末端と連結されるように、アポリポタンパク質をコードする核酸配列に連結される。
アポリポタンパク質がERに保持される本発明の態様では、キメラ核酸配列は追加的に、対象核酸配列を内膜系に標的化する核酸配列(「シグナルペプチド」)を含む場合がある。KDEL、HDEL、またはSDELのポリペプチドなどの配列を用いてアポリポタンパク質のポリペプチドをERに保持させる本発明の態様では、シグナルペプチドをコードする核酸配列を含めることが特に望ましい。本発明で使用可能な例示的なシグナルペプチドには、タバコの感染特異的タンパク質(PR-S)のシグナル配列(SEQ ID NO:58)(Sijmons et al., 1990, Bio /technology, 8: 217-221)、レクチンシグナル配列(Boehn et al., 2000, Transgenic Res, 9(6): 477-86)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)のヒドロキシプロリンに富む糖タンパク質由来のシグナル配列(Yan et al., 1997, Plant Phyiol. 115(3): 915-24およびCorbin et al., 1987, Mol Cell Biol 7(12): 4337-44)、ジャガイモのパタチンシグナル配列(Iturriaga, G et al., 1989, Plant Cell 1:381-390およびBevan et al., 1986, Nuc. Acids Res. 41:4625-4638 )、およびオオムギのアルファアミラーゼシグナル配列(Rasmussen and Johansson, 1992, Plant Mol. Biol. 18(2):423-7)などがある。本発明の実施例3は、ERにおけるアポリポタンパク質の蓄積に関する。
さらに好ましい態様では、アポリポタンパク質のポリペプチドに、アポリポタンパク質のポリペプチドをER由来の貯蔵小胞に保持可能なポリペプチドを連結する。好ましい態様では、ER由来の貯蔵小胞は油体であり、またアポリポタンパク質は油体タンパク質と連結されている。使用可能な油体タンパク質は、天然の状態で油体と結合する任意のタンパク質を含む(表3のSEQ ID NO:59〜137を参照)。油体タンパク質のポリペプチド鎖をコードする、個々の対応する核酸配列は、表3に記載されたアクセッション番号から容易に同定することができる。このような核酸配列を用いて、追加的な新規の油体タンパク質をコードする核酸配列を当業者に既知の手法で容易に同定することができる。例えば発現ライブラリー、cDNAライブラリー、およびゲノムライブラリーなどのライブラリーをスクリーニングし、配列決定プロジェクトで得られた配列情報を含むデータベースを検索して類似の配列を見つけることができる。油体タンパク質のポリペプチドをコードする追加的な核酸配列を単離する他の方法を使用することが可能であり、新規配列を発見して本発明で使用することができる。特に好ましい油体タンパク質はオレオシン、例えばトウモロコシのオレオシン(Bowman-Vance et al., 1987, J. Biol. Chem. 262: 11275-11279;Qu et al., 1990, J. Biol. Chem. 265: 2238-2243)、またはアブラナのオレオシン(Lee et al., 1991, Plant Physiol. 96: 1395-1397)、カレオシン(caleosin)(例えばGenbankアクセッション番号AF067857参照)、ならびにステロレオシン(steroleosin)(Lin et al., 2002 Plant Physiol. 128(4):1200-11)である。さらに好ましい態様では、油体タンパク質は植物のオレオシンであり、シロイヌナズナから単離されるオレオシン(SEQ ID NO:138)、またはアブラナから単離されるオレオシン(SEQ ID NO:139)などの他の植物オレオシンと配列類似性を有する。別の態様では、油体タンパク質は、植物、真菌、または他の供給源に由来し、シロイヌナズナから単離されるカレオシン(SEQ ID NO:140およびSEQ ID NO:141)などの植物のカレオシンと配列相同性を有するカレオシンすなわちカルシウム結合タンパク質である。別の態様では、油体タンパク質は、ステロール結合デヒドロゲナーゼ(Lin L-J et al, (2002)Plant Physiol 128: 1200-1211)であるステロレオシン(SEQ ID NO:142)である。本発明のこの態様は実施例3に例示されている。
さらに本発明によれば、アポリポタンパク質が標的化シグナルを含まないように、しかし、アポリポタンパク質をコードする核酸配列がアポリポタンパク質のプロペプチドを含む条件でアポリポタンパク質を発現させることによって、アポリポタンパク質を油体に標的化することもできる。本発明のこの態様は、実施例3に例示されている。
アポリポタンパク質をERまたはER由来の貯蔵小胞に保持可能なポリペプチドは、典型的には切断されず、またアポリポタンパク質は例えば、融合タンパク質の状態で蓄積する可能性がある(典型的には、ポリペプチドをERに保持させるためにKDEL保持シグナルを使用する場合、またはポリペプチドを油体に保持する油体タンパク質を使用する場合)。
本発明の別の態様では、アポリポタンパク質のポリペプチドは、対象ポリペプチドがアポプラストに蓄積するように発現される。このような蓄積を達成するために、キメラ核酸配列は好ましくは、アポリポタンパク質のポリペプチドをERに導くことが可能な標的化配列(「シグナルペプチド」)を含む。本発明で使用可能な例示的なシグナルペプチドには、前述したタバコの感染特異的タンパク質(PR-S)のシグナル配列(SEQ ID NO:58)(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)、レクチンシグナル配列(Boehn et al., 2000, Transgenic Res, 9(6): 477-86)、インゲンマメのヒドロキシプロリンに富む糖タンパク質由来のシグナル配列(Yan et al., 1997, Plant Phyiol. 115(3): 915-24およびCorbin et al., 1987, Mol Cell Biol 7(12): 4337-44)、ジャガイモのパタチンシグナル配列(Iturriaga, G et al., 1989, Plant Cell 1:381-390 and Bevan et al., 1986, Nuc. Acids Res. 41:4625-4638)、およびオオムギアルファアミラーゼシグナル配列(Rasmussen and Johansson, 1992, Plant Mol. Biol. 18(2):423-7)などがある。このような標的化シグナルはインビボで、アポリポタンパク質のポリペプチドから切り離される場合がある。典型例として、タバコの感染特異的タンパク質S(PR-S)のシグナル配列(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)などのアポプラスト標的化シグナルの使用時などが挙げられる。他のシグナルペプチドは、異なる生物のアミノ酸配列中のシグナルペプチドの切断部位の存在および位置を推定するSignalPワールドワイドウェブサーバー(http://www.cbs.dtu.dk/services/SignalP/)を用いて推定できる。一般に、一次アミノ酸配列はほとんど保存性は見られないが、全般的な物理化学的な特性はある程度保存されている。シグナルペプチドの一般的な構造は3つの領域から構成され、短いアミノ末端の「n領域」は正に帯電した残基を含み、中央の疎水性の「h領域」は7〜15アミノ酸の長さであり、またカルボキシ末端の「c領域」は、極性アミノ酸、および膜結合型シグナルペプチダーゼ酵素によって認識される切断部位を含む(Nakai K., 2000, Advances in Protein Chem 54: 277-344)。本発明で使用可能な標的化シグナルには、天然のアポリポタンパク質のシグナル配列などがある(ヒト配列の場合、長さは18アミノ酸)。本発明の好ましい態様では、前述したタバコPR-S配列などのN末端に位置するアポプラスト標的化配列を、KDEL配列などのC末端に位置するER保持配列と組み合わせて使用する。
さらにより好ましい態様では、アポリポタンパク質をコードする核酸配列は、アポリポタンパク質が細胞質に蓄積するように発現される。このような態様では、核酸配列は標的化シグナルを含まない。好ましくは、このような態様では、アポリポタンパク質はさらに、緑色蛍光タンパク質(GFP)などの安定化ポリペプチドを含む。
キメラ核酸配列は、N末端および/またはC末端のポリペプチド延長部分を含む場合もある。このような延長部分は、アポリポタンパク質のポリペプチド鎖のフォールディングを安定化させるために、および/または支持するために使用することが可能であるほか、細胞内の区画(例えば油体)への標的化を促進可能な場合もある。使用可能なポリペプチド延長部分には例えば、1本鎖抗体をコードする核酸配列、もしくは緑色蛍光タンパク質をコードする核酸配列(Davis and Vierstra, 1996, Weeds World 3(2): 43-48)、またはこれらのポリペプチドの組み合わせなどがある。特に望ましい1本鎖抗体の延長部分は、油体画分と結合した状態のアポリポタンパク質の精製を容易にするために、アポリポタンパク質と油体の結合を可能とする延長部分を含む。このような延長部分は好ましくは、アポリポタンパク質が植物の種子で発現され、また種子の細胞内においてERまたはアポプラストへ標的化される本発明の態様に含まれる。
他の態様では、切断部位は、アポリポタンパク質A-IペプチドのN末端の上流またはC末端の下流に位置する場合があり、融合パートナーからアポリポタンパク質A-Iポリペプチドを切り離すことで、単離されたアポリポタンパク質A-I得ることを可能とする。このような切断部位の例はWO 98/49326(Method for the cleavage of fusion proteins)、および関連出願、ならびに文献(LaVallie et al. (1994) Enzymatic and chemical cleavage of fusion proteins In Current Protocols in Molecular Biology pp 16.4.5-16.4.17, John Wiley and Sons, Inc., New York , NY)に記載されている。好ましい態様では、キモシンを含むアスパラギン酸プロテアーゼによって切断可能な切断部位はKLIP 8(SEQ ID NO:143)である。さらに好ましい態様では、追加のメチオニン残基が、Apo AIポリペプチドまたはpro-Apo AIポリペプチドのN末端に加されている。
本発明はさらに、油体画分を分配した後に、異種タンパク質と油体タンパク質の融合体の特異的な切断を介して異種タンパク質を放出させることによって、宿主細胞成分から異種タンパク質を分離する方法を提供する。任意選択で切断部位は、融合ポリペプチドの切断と相分離によるその成分ペプチドへの分離を可能とするように、異種ポリペプチドのN末端の上流およびC末端の下流に位置させることができる。
アポリポタンパク質をコードする核酸配列を、その発現レベルを改善させるために、例えば核酸配列を、アポリポタンパク質のポリペプチドの発現に関して選択される特定の植物細胞型に好ましいコドン使用に従って最適化することで、またはmRNAを不安定化することがわかっているモチーフを変化させることで変化させることができる(例えばPCT特許出願97/02352参照)。アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列のコドン使用と、植物細胞型のコドン使用を比較することで、変更可能なコドンの同定が可能となる。コドン使用を変更することによる合成遺伝子の構築は例えば、PCT特許出願93/07278に記載されている。
好ましい態様では、使用されるアポリポタンパク質をコードする核酸配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、またはSEQ ID NO:5で表される。
アポリポタンパク質のポリペプチドの発現を促進可能な特定の遺伝エレメントを本発明で使用することができる。このようなエレメントには、AMVリーダー配列(Jobling and Gehrke, 1987, Nature, 325: 622-625)などの特定のウイルスに由来する非翻訳リーダー配列、またトウモロコシのユビキチンプロモーターに関連するイントロン(米国特許第5,504,200号)がある。一般に、キメラ核酸配列は、発現を促進可能な遺伝エレメントが、アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列の5'側に位置するように作製することができる。
本発明によれば、アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列に連結された、植物における発現を制御可能なプロモーターを含むキメラ核酸配列を、細胞内における良好な発現を確実なものとする組換え発現ベクターに組込むことができる。したがって本発明は、使用可能に連結された成分として5'→3'の転写方向に(i)植物細胞における発現を制御可能である核酸配列;および(ii)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを含む(この発現ベクターは植物細胞における発現に適している)。「植物細胞における発現に適している」という表現は、組換え発現ベクターが、植物細胞における発現を達成するために必要な遺伝エレメントに連結された本発明のキメラ核酸配列を含むことを意味する。発現ベクターに含まれる可能性のある遺伝エレメントには、転写終結領域、マーカー遺伝子をコードする1つもしくは複数の核酸配列、1つもしくは複数の複製起点ほかの配列などがある。好ましい態様では、発現ベクターはさらに、ベクターまたはこの部分の、植物細胞をアグロバクテリウムで形質転換する本発明の態様における植物細胞の核ゲノムへの組込みに必要な遺伝エレメント、例えば植物の核ゲノムへの組込みを促進するT-DNAの左右の境界配列を含む。さらに好ましい態様では、このような植物細胞は植物の種子の細胞である。
前述したように、組換え発現ベクターは一般に、転写終結のシグナルとして作用するほかに、さらにmRNAの半減期を延長可能な保護エレメントとして作用する可能性のある転写ターミネーターを含む(Guarneros et al., 1982, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 79: 238-242)。転写ターミネーターは一般に、約200ヌクレオチド〜約1000ヌクレオチドであり、また発現ベクターは、転写ターミネーターがアポリポタンパク質をコードする核酸配列の3'側に位置するように作製される。本発明で使用可能な終結配列には例えば、ノパリン終結領域(Bevan et al., 1983, Nucl. Acids. Res., 11: 369-385)、ファゼオリンターミネーター(van der Geest et al., 1994, Plant J. 6: 413-423)、アルセリンターミネーター(Jaeger GD, et al., 2002, Nat. Biotechnol 20: 1265-8)、アグロバクテリウム・ツメファシエンスのオクトピンシンターゼ遺伝子のターミネーター、または他の同様に機能するエレメントなどがある。転写ターミネーターは、文献(An, 1987, Methods in Enzym. 153: 292)に記載された方法で得られる。
本発明に従って、発現ベクターはさらにマーカー遺伝子を含む場合がある。本発明で使用可能なマーカー遺伝子は、選択可能な、およびスクリーニング可能な全てのマーカー遺伝子を含む、形質転換細胞と非形質転換細胞の区別を可能とする全ての遺伝子を含む。マーカー遺伝子は例えば、化学的な手段による形質の選択を可能とする、カナマイシン(米国特許第6,174,724号)、アンピシリン、G418、ブレオマイシン、ハイグロマイシンに対する抗生物質耐性マーカーなどの耐性マーカー、または通常は植物毒性のある糖マンノース(Negrotto et al., 2000, Plant Cell Rep. 19: 798-803)などの、化学薬剤に対する寛容マーカーの場合がある。本発明で使用可能な他の簡便なマーカーには、グリホサート(米国特許第4,940,935号;第5,188,642号)、フォスフィノスリシン(米国特許第5,879,903号)、またはスルホニル尿素(米国特許第5,633,437号)などの除草剤に対する耐性をもたらすことが可能なマーカーなどがある。耐性マーカーは、アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列の近位に結合させることで、アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列を失っていない植物細胞集団または植物体に対する選択圧を保つために使用することができる。視認による形質転換体の同定に使用可能なスクリーニング用マーカーには、β-グルクロニダーゼ(GUS)(米国特許第5,268,463号および第5,599,670号)や緑色蛍光タンパク質(GFP)(Niedz et al., 1995, Plant Cell Rep., 14: 403)などがある。
核酸配列の植物への導入に適した組換えベクターには、例えばpBIN19(Bevan, Nucl. Acid. Res., 1984, 22: 8711-8721)、pGKB5(Bouchez et al., 1993, C R Acad. Sci. Paris、Life Sciences、316: 1188-1193)、pCGNシリーズのバイナリベクター、および他のバイナリベクター(例えば米国特許第4,940,838号)を含む、TiプラスミドやRiプラスミドなどのアグロバクテリウムや根粒菌ベースのベクターなどがある。
本発明の組換え発現ベクターは、分子生物学の当業者に周知の方法で作製することができる。このような作製には典型的には、大腸菌が中間的なクローニング宿主として関与する。大腸菌ベクターならびに植物形質転換ベクターの作製は、制限酵素による切断、連結、ゲル電気泳動、DNA配列決定、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの一般に既知の手法および他の方法で達成可能である。組換え発現ベクターの作製に必要な段階を実施するためには、さまざまなクローニングベクターを利用することができる。大腸菌で機能する複製系を備えたベクターは、pBR322、pUCシリーズのベクター、M13mpシリーズのベクター、pBluescriptなどのベクターである。典型的には、これらのクローニングベクターは、形質転換細胞の選択を可能とするマーカーを含む。核酸配列を、これらのベクターに導入し、ベクターを適切な培地で成長させた大腸菌に導入することができる。組換え発現ベクターは、細胞を回収して溶解することで容易に回収できる。さらに、組換えベクターの作製に関する一般的な手引きは例えば、文献(Sambrook et al., Molecular Cloning, a Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989, Vol.3.)に記載されている。
アポリポタンパク質を発現可能な種子を含む植物の作製
本発明に従って、キメラ核酸配列を植物細胞に導入し、細胞を、アポリポタンパク質のポリペプチドを発現する成熟植物体に成長させる。
本発明に従って、任意の植物種または植物細胞を選択することができる。本発明で使用される特定の細胞には、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、ブラジルナッツ(Betholettia excelsa);ヒマ(castor bean)(Riccinus communis);ココナツ(Cocus nucifera);コリアンダー(Coriandrum sativum);ワタ(Gossypium spp.);ラッカセイ(Arachis Hypogaea);ホホバ(Simmondsia chinensis);リンシード/アマ(Linum usitatissimum);トウモロコシ(Zea mays);カラシ(Brassica spp.およびSinapis alba);アブラヤシ(Elaeis guineeis);オリーブ(Olea eurpaea);アブラナ(rapeseed)(Brassica spp.);イネ(Oryza sativa);ベニバナ(Carthamus tinctorius);ダイズ(glycine max);セイヨウカボチャ(Cucurbita maxima);オオムギ(Hordeum vulgare);コムギ(Traeticum aestivum);ウキクサ(Lemnaceae sp.)、およびヒマワリ(Helianthus annuus)から得られる細胞などがある。
本発明に従って好ましい態様では、植物種、または脂肪種子植物の植物細胞を使用する。本発明で使用可能な脂肪種子植物には、ラッカセイ(Arachis hypogaea);カラシ(Brassica spp.およびSinapis alba);アブラナ(Brassica spp.);ヒヨコマメ(Cicer arietinum);ダイズ(glycine max);ワタ(Gossypium hirsutum);ヒマワリ(Helianthus annuus);ヒラマメ(Lentil Lens culinaris);リンシード/アマ(Linum usitatissimum);シロツメクサ(Trifolium repens);オリーブ(Olea eurpaea);アブラヤシ(Elaeis guineeis);ベニバナ(Carthamus tinctorius)、およびナルボンヌエンドウマメ(Vicia narbonensis)などがある。
本発明に従って特に好ましい態様では、シロイヌナズナ、アマ、またはベニバナを使用する。
本明細書では「形質転換」とも呼ばれる、植物の組換え発現ベクターを植物細胞に導入する方法は、当技術分野で周知であり、また典型的には、選択する植物細胞に応じてさまざまな方法がある。組換え発現ベクターを細胞に導入する一般的な手法には、エレクトロポレーション;化学的手法(例えばCaCl2による核酸の取り込み);微粒子銃(biolistics);天然の感染性核酸配列(例えばウイルス由来の核酸配列)、またはアグロバクテリウムもしくは根粒菌由来の配列の使用の使用;ポリエチレングリコール(PEG)による核酸の取り込み;マイクロインジェクション;およびシリコンカーバイドウイスカーの使用などがある。
好ましい態様では、植物細胞のゲノム、また好ましくは植物細胞の核ゲノムへのキメラ核酸配列の組込みを可能とする形質転換法を選択する。このような形質転換法は本発明に従って、このような方法の使用が、有性生殖を介したにキメラ核酸配列の子孫植物体への伝達につながるために特に望ましいと見なされている。使用可能な形質転換法には、微粒子銃やアグロバクテリウムによる方法などがある。
双子葉植物種の形質転換法は周知である。一般に、全てとは言わないまでも多くの双子葉植物種に見られる、高い効率、ならびに全般的な感受性のためにアグロバクテリウムによる形質転換が用いられる。アグロバクテリウムによる形質転換は一般に、本発明のキメラ核酸配列を含む前述のバイナリベクター1つのようなバイナリベクターの大腸菌から適切なアグロバクテリウム株(例えばEHA101やLBA4404)への、例えば組換えバイナリベクターを有する大腸菌株、およびバイナリベクターの標的アグロバクテリウム株への移動を可能とするヘルパープラスミドを有する大腸菌株とのトリパレンタル接合による、またはアグロバクテリウム株のDNA形質転換による輸送を含む(Hofgen et al., Nucl. Acids. Res., 1988, 16: 9877)。双子葉植物細胞の形質転換に使用可能な他の手法には、微粒子銃(Sanford, 1988, Trends in Biotechn. 6: 299-302);エレクトロポレーション(Fromm et al., 1985, Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 82: 5824-5828);PEGによるDNAの取り込み(Potrykus et al., 1985, Mol. Gen. Genetics, 199: 169-177);マイクロインジェクション(Reich et al., Bio/Techn., 1986, 4: 1001-1004);およびシリコンカーバイドウイスカー(Kaeppler et al., 1990, Plant Cell Rep., 9: 415-418)、または例えばフラワーディッピング(flower dipping)法による植物内形質転換(in planta transformation)(Clough and Bent, 1998, Plant J., 16: 735-743)などがある。。
単子葉植物種は、微粒子銃(Christou et al., 1991, Biotechn. 9: 957-962;Weeks et al., Plant Physiol., 1993, 102: 1077-1084;Gordon-Kamm et al., Plant Cell, 1990, 2: 5603-618);PEGによるDNA取り込み(欧州特許第0292 435号;第0392 225号)、またはアグロバクテリウムによる形質転換(Goto-Fumiyuki et al., 1999, Nature-Biotech. 17: 282-286)を含む、さまざまな方法で形質転換することができる。
植物の形質転換法の詳細は、形質転換の細胞標的として選択される植物種および植物細胞型(例えば、胚軸や子葉などの実生由来の細胞型、または胚組織など)によってある程度変わる。前述したように、特に好ましい態様ではベニバナを使用する。ベニバナの形質転換体を得る方法は、文献(Baker and Dyer, Plant Cell Rep., 1996, 16: 106-110)に記載されている。他の植物種特異的な形質転換プロトコルは、文献(Biotechnology in Agriculture and Forestry 46: Transgenic Crops I(Y.P.S. Bajaj ed.), Springer-Verlag, New York (1999)、およびBiotechnology in Agriculture and Forestry 47: Transgenic Crops II;(Y.P.S. Bajaj ed.), Springer-Verlag, New York (2001))に記載されている。
形質転換に続き、植物細胞を成長させ、シュートや根などの分化組織が現れたら、成熟植物体を再生させる。典型的には、複数の植物体を再生させる。植物体を再生させる方法は一般に、植物種および細胞型によって変わり、また当業者に周知である。植物組織培養に関する、さらなる手引きは例えば、Plant Cell and Tissue Culture, 1994, Vasil and Thorpe Eds., Kluwer Academic Publishers;およびPlant Cell Culture Protocols (Methods in Molecular Biology 111), 1999, Hall Eds, Humana Pressに記載されている。
1つの局面では、本発明は、アポリポタンパク質を含む植物の種子を得る方法を提供する。したがって本発明は、以下の段階を含む、アポリポタンパク質を含む植物の種子を得る方法を提供する:
(a)使用可能に連結された成分として5'→3'の転写方向に(i)植物の種子の細胞における発現を制御可能である核酸配列;および(ii)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列を含むキメラ核酸コンストラクトを提供する段階;
(b)キメラ核酸コンストラクトを植物細胞に導入する段階;
(c)植物細胞を成熟植物体に成長させる段階;ならびに
(d)植物体から、アポリポタンパク質を含む種子を得る段階。
種子は、アポリポタンパク質を発現する複数の種子をそれぞれ含む子孫植物体群を得るために使用することができる。好ましい態様では、総種子タンパク質の少なくとも約0.25%はアポリポタンパク質である。より好ましくは、総種子タンパク質の少なくとも約0.5%がアポリポタンパク質である。より好ましくは、総種子タンパク質の少なくとも約1.0%がアポリポタンパク質である。
好ましい態様では、複数の形質転換植物体を得て、成長させ、所望のキメラ核酸配列の有無に関してスクリーニングを行い、推定形質転換体における存在を例えば、除草剤耐性マーカーを使用する選択用培地上の成長によって、植物への除草剤の直接散布によって、またはサザンブロッティングによって検討することができる。仮に、キメラ核酸配列の存在が検出されたら、形質転換植物を選択して、子孫、また究極的には、所望のキメラ核酸配列を含む複数の種子を含む成熟植物体を得ることができる。このような種子を用いてアポリポタンパク質を単離することができるほか、植えることで2世代またはこれ以上の後の世代を得ることができる。アポリポタンパク質をコードするキメラ核酸配列をそれぞれが含む種子を含むトランスジェニック植物群を得るためには、複数のトランスジェニック種子を植えることが一般に望ましい。また、組換えポリペプチドの継続した遺伝を確実なものとするために、ホモ接合の植物体を確実に得ることが一般に望ましい。ホモ接合性の植物体を選択する方法は当業者に周知である。使用可能なホモ接合性の植物を得る方法には、一倍体の細胞または組織の調製および形質転換と、これに続く一倍体植物体の再生と、これに続く、例えばコルヒチンまたは他の微小管破壊剤の処理による二倍体植物体への変換などがある。植物は、従来の農業的手法によって成長させることもできる。
別の局面では、本発明は、アポリポタンパク質を発現する種子をつけることが可能な植物体も提供する。本発明の好ましい態様では、種子をつけることが可能な植物は、5'→3'の転写方向に(a)使用可能に(b)に連結可能な、植物の種子細胞における発現を制御可能な第1の核酸配列;および(b)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする第2の核酸配列(種子はアポリポタンパク質を含む)。
好ましい態様では、キメラ核酸配列は植物の核ゲノムに安定に組込まれる。
さらに別の局面では、本発明はアポリポタンパク質を発現する植物の種子を提供する。本発明の好ましい態様では、植物の種子は、5'→3'の転写方向に(a)使用可能に(b)に連結可能な、植物の種子細胞における発現を制御可能な第1の核酸配列;および(b)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする第2の核酸配列を含む。
アポリポタンパク質のポリペプチドは例えば、胚の根および胚の葉に含まれる胚軸および胚の軸を含む、また穀類やトウモロコシなどの単子葉植物種の場合には、胚乳組織に使用される、多種多様な種子の細胞に存在する場合がある。
植物体が得られたら、アポリポタンパク質のタンパク質を抽出し、植物体から、ある程度純粋な状態で得る。
したがって本発明は、以下の段階を含む、実質的に純粋なアポリポタンパク質を調製する方法を提供する:
(a)使用可能に連結された成分として5'→3'の転写方向に(i)植物の種子の細胞における発現を制御可能である核酸配列;および(ii)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列を含むキメラ核酸コンストラクトを提供する段階;
(b)キメラ核酸コンストラクトを植物細胞に導入する段階;
(c)植物細胞を成熟植物体に成長させ;かつ植物体からアポリポタンパク質を含む種子を得る段階;ならびに
(e)アポリポタンパク質を植物の種子成分から分離して、実質的に純粋なアポリポタンパク質を得る段階。
アポリポタンパク質を種子成分から分離するためには、植物の種子を任意の破砕過程で破砕して、種子の細胞膜および細胞壁を実質的に破壊する。乾式および湿式の製粉条件(米国特許第3,971,856号;Lawhon et al., 1977, J. Am. Oil Chem. Soc., 63: 533-534)を使用することができる。適切な製粉装置には、コロイドミル、ディスクミル、IKAミル、工業用ホモジナイザーなどがある。製粉装置の選択は、種子の種類とスループットの必要条件に左右される。種皮、繊維質材料、不溶性糖質、タンパク質、および他の非水溶性の混入物などの固体の種子混入物質は、種子画分から、例えば濾過や、遠心などの重力ベースの処理などのサイズ排除ベースの方法で除去することができる。好ましい態様では、脂肪抽出に一般に使用されるヘキサンなどの有機溶媒の使用は避ける。なぜなら、このような溶媒はアポリポタンパク質のポリペプチドを損なう恐れがあるからである。本発明の好ましい態様について前述したように、アポリポタンパク質は、アポリポタンパク質のポリペプチドと種子の油体の結合を可能とするように調製する。したがって、アポリポタンパク質を含む種子の油体は、種子を例えば米国特許第6,146,645号に詳述された方法で破砕することで調製できる。したがって本発明はまた、植物の種子から得られるアポリポタンパク質を含む実質的に純粋な油体も含む。油体は、精製された植物種子画分として、アポリポタンパク質をさらに精製するために使用することができる。実質的に純粋なアポリポタンパク質は、遠心ベースの手法;例えば膜限外濾過やクロスフロー限外濾過などのサイズ排除ベースの方法;ならびに例えばイオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)、疎水性相互作用クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーによる手法などの、さまざまな他の精製法で種子から回収することができる。一般に、これらの手法を組み合わせることで、実質的に純粋なアポリポタンパク質を得ることができる。トランスジェニック植物の種子から、天然の型の実質的に純粋なアポリポタンパク質を得るための好ましい方法については本明細書の実施例で詳述する。したがって本発明はまた、植物体から得られる実質的に純粋なアポリポタンパク質も含む。
薬学的なアポリポタンパク質製剤は、精製済みのアポリポタンパク質から調製可能であり、またこのような製剤を用いて血管疾患を治療することができる。一般に、精製されたアポリポタンパク質を薬学的に許容される担体または希釈剤と、治療対象の患者に対する望ましくない副作用が存在しない、治療的に有用な作用が発揮されるために十分な量で混合する。アポリポタンパク質組成物を製剤化するためには、アポリポタンパク質の質量パーセント濃度を、選択された単体または希釈物中に、治療対象条件が改善されるような有効濃度で溶解するか、懸濁するか、分散するか、または混合する。薬学的なアポリポタンパク質製剤は好ましくは、単回用量の投与用に製剤化される。ヒトのアポリポタンパク質の非経口的な輸送の治療的有効用量は当技術分野で周知である。アポリポタンパク質の類似体が使用される場合、または他の輸送様式が使用される場合は、治療的有効用量は、当業者によって、既知の検討プロトコルで、またはインビボもしくはインビトロの試験データを外挿することで容易に実験的に決定することができる。しかし、濃度および用量は、改善対象の条件の重症度に従って変動することがわかっている。また、任意の特定の被験者に関しては、製剤投与の実施者または監督者による個々の判断に従って、特定の投与法で経時的に調節可能なことも理解される。
薬学的な溶液または懸濁液は例えば、水、乳糖、ショ糖、2カルシウムリン酸、またはカルボキシメチルセルロースなどの滅菌済みの希釈剤を含む場合がある。使用可能な担体には、溶液または懸濁物を形成する水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、グリコール、エタノールなどがある。望ましいならば、薬学的な組成物は、湿潤剤;乳化剤;可溶化剤;ベンジルアルコールやメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸や亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレーティング剤;酢酸、クエン酸、またはリン酸の緩衝液などのpH緩衝剤などの非毒性の補助物質;およびこれらの組み合わせも含む場合がある。
アポリポタンパク質の調製物の最終的な製剤は一般に、アポリポタンパク質輸送の様式によって変わる。本発明によって調製されたアポリポタンパク質は、任意の望ましい様式で輸送することができる。しかし、非経口、経口、および経鼻型の輸送が、最も高頻度で使用される輸送様式であるとみなされている。非経口用調製物は、アンプル、ディスポーザブルシリンジ、またはガラス、プラスチック、もしくは他の適切な材料製の単回投与用もしくは複数回投与用のバイアルに充填することができる。
実施例
以下の実施例を説明目的で、制限する意図無く提供する。
実施例1
アポリポタンパク質A-Iクローンの構築
Apo10
Apo10(SEQ ID NO:144)は、図3(A)、図3(B)、および図3(C)の手順で構築される、種子特異的に発現するように設計されたクローンである。図2に示すように、Apo10クローンは、成熟型Apo AIとGFPの融合タンパク質(SEQ ID NO:145)の発現を誘導する種子特異的なプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1186
Figure 2007510420
でGFPの開始部位からNcoI切断部位を除去した(ベクターpVS-GFPに由来するテンプレート)。リバースプライマー1187
Figure 2007510420
で停止コドンの後方にPstI、XbaI、およびHindIIIの切断部位を加える。PCR断片をTopoクローニングベクター(Invitrogen)のEcoRI切断部位に連結してプラスミドG1を得た(図3(A))。フォワードプライマー1190
Figure 2007510420
でApo AIの成熟配列を増幅し、また遺伝子の開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1189
Figure 2007510420
は、同じフレームにおけるGFPとの翻訳融合体(プラスミドG1)の作製を支援するために、遺伝子の停止コドンを除去してBamHI切断部位を加える。これらのプライマーのテンプレートは、ヒトのApo AI遺伝子のコード配列全体を含むpKS+ベースのベクター(Strategene)とした。PCR断片をTopoクローニングベクター(Invitrogen)のEcoRI切断部位に連結してプラスミドM2を得た。Apo AIの成熟配列を含むプラスミドM2を制限酵素NcoIおよびBamHIで切断した。GFPのコード配列を含むプラスミドG'1をBamHIおよびXbaIで切断した(図3(B)参照)。M2およびG'1の断片を、プラスミドSBS2090(図3(B)参照)のNcoIおよびXbaI切断部位にまとめて連結してプラスミド2M4を得た。プラスミド2M4をNcoIおよびHindIIIで切断してApo AI-GFP融合カセットを除去し、次に同断片を、バイナリベクターpSBS4006のNcoI/HindIII切断部位にクローン化するために使用した(図3(C)参照)。このプラスミドが、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)、およびアグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant. Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)を含むことに注目されたい。
Apo11
Apo11(SEQ ID NO:150)は、図3(A)、図3(B)、および図3(C)の手順で構築された、種子特異的に発現するように設計されたクローンである。図2に示すように、Apo11クローンは、pro-Apo AIとGFPの融合タンパク質(SEQ ID NO:151)の発現を誘導する種子特異的なプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1186
Figure 2007510420
でGFPの開始部位からNcoI切断部位を除去した(ベクターpVS-GFPに由来するテンプレート)。リバースプライマー1187
Figure 2007510420
で、停止コドンの後方にPstI、XbaIおよびHindIIIの切断部位を加えた。PCR断片をTopoクローニングベクター(Invitrogen)のEcoRI切断部位に連結してプラスミドG1を得た(図3(A))。フォワードプライマー1191
Figure 2007510420
でApo AIのプロ配列を増幅し、また遺伝子の開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1189
Figure 2007510420
は、GFPとの翻訳融合体(プラスミドG1)の作製を支援するために、遺伝子の停止コドンを除去してBamHI切断部位を加える。これらのプライマーのテンプレートは、ヒトのApo AI遺伝子のコード配列全体を含むpKS+ベースのベクター(Strategene)とした。PCR断片をそれぞれ個別にTopoクローニングベクター(Invitrogen)のEcoRI切断部位に連結してプラスミドP2を得た。pro-Apo AI配列を含むプラスミドP2を制限酵素NcoIおよびBamHIで切断した。GFPのコード配列を含むプラスミドG'1をBamHIおよびXbaIで切断した(図3(B)参照)。P2およびG'1の断片を、プラスミドSBS2090のNcoIおよびXbaI切断部位(図3(B)参照)にまとめて連結してプラスミド2P5を得た。プラスミド2P5をNcoIおよびHindIIIで切断してpro-Apo AI-GFP融合カセットを除去し、次に同断片をバイナリベクターpSBS4006のNocI/HindIII切断部位にクローン化するために使用した(図3(C)参照)。このプラスミドが、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)、およびアグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant. Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)を含むことに注目されたい。
Apo12
Apo12(SEQ ID NO:153)は、図3(A)、図3(B)、および図3(C)の手順で構築された、種子特異的に発現するように設計されたクローンである。図2に示すように、Apo12クローンは、オレオシン(van Rooijen, G.J., et al. Plant Mol. Biol. 18 (6), 1177-1179 (1992)、成熟型Apo AI、およびGFPの融合タンパク質(SEQ ID NO:154)の発現を誘導する種子特異的なプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1186
Figure 2007510420
でGFPの開始部位からNcoI切断部位を除去した(ベクターpVS-GFPに由来するテンプレート)。リバースプライマー1187
Figure 2007510420
で停止コドンの後方にPstI、XbaIおよびHindIII切断部位を加えた。PCR断片をTopoクローニングベクター(Invitrogen)のEcoRI切断部位に連結してプラスミドG1を得た(図3(A))。フォワードプライマー1190
Figure 2007510420
でApo AIの成熟配列を増幅し、遺伝子の開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1189
Figure 2007510420
は、同じフレームにおけるGFPとの翻訳融合体(プラスミドG1)の作製を支援するために、遺伝子の停止コドンを除去してBamHI切断部位を加える。これらのプライマーのテンプレートは、ヒトのApo AI遺伝子のコード配列全体を含むpKS+ベースのベクター(Strategene)とした。PCR断片をTopoクローニングベクター(Invitrogen)のEcoRI切断部位に連結してプラスミドM2を得た。Apo AIの成熟配列を含むプラスミドM2を制限酵素NcoIおよびBamHIで切断した。GFPのコード配列を含むプラスミドG'1をBamHIおよびXbaIで切断した(図3(B)参照)。M2およびG'1の断片を、プラスミドSBS2090(図3(B)参照)のNcoIおよびXbaI切断部位にまとめて連結してプラスミド2M4を得た。プラスミド2M4をNcoIおよびHindIIIで切断してApo AI-GFP融合カセットを除去し、次に同断片を、バイナリベクターpSBS4008のNcoI/HindIII切断部位にクローン化するために使用した(図3(C)参照))。このプラスミドが、Apo AI/GFP融合体の融合のために、シロイヌナズナのオレオシン遺伝子(van Rooijen G.J. et al. 1992, Plant Mol. Biol. 18 (6), 1177-1179)の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Biol., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。
Apo13
Apo13(SEQ ID NO:155)は、図3(A)、図3(B)、および図3(C)の手順で構築された、種子特異的に発現するように設計されたクローンである。図2に示すように、Apo13クローンは、オレオシン、pro-Apo AI、およびGFPの融合タンパク質(SEQ ID NO:156)の発現を誘導する種子特異的なプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1186
Figure 2007510420
でGFPの開始部位からNcoI切断部位を除去した(ベクターpVS-GFPに由来するテンプレート)。リバースプライマー1187
Figure 2007510420
で停止コドンの後方にPstI、XbaI、およびHindIIIの切断部位を加えた。PCR断片をTopoクローニングベクター(Invitrogen)のEcoRI切断部位に連結してプラスミドG1を得た(図3(A))。フォワードプライマー1191
Figure 2007510420
でApo AIのプロ配列を増幅し、また遺伝子の開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1189
Figure 2007510420
は、GFPとの翻訳融合体(プラスミドG1)の作製を支援するために、遺伝子の停止コドンを除去してBamHI切断部位を加える。これらのプライマーのテンプレートは、ヒトのApo AI遺伝子のコード配列全体を含むpKS+ベースのベクター(Strategene)とした。PCR断片をTopoクローニングベクター(Invitrogen)のEcoRI切断部位に個別に連結してプラスミドP2を得た。pro-Apo AI配列を含むプラスミドP2を制限酵素NcoIおよびBamHIで切断した。GFPのコード配列を含むプラスミドG'1をBamHIおよびXbaIで切断した(図3(B)参照)。P2およびG'1の断片を、プラスミドSBS2090のNcoIおよびXbaI切断部位にまとめて連結してプラスミド2P5を得た(図3(B)参照)。プラスミド2P5をNcoIおよびHindIIIで切断してpro-Apo AI-GFP融合カセットを除去し、次に同断片を、バイナリベクターpSBS4008のNocI/HindIII切断部位にクローン化するために使用した(図3(C)参照))。このプラスミドが、Apo AI/GFP融合体の融合のために、シロイヌナズナのオレオシン遺伝子(van Rooijen G.J. et al. 1992, Plant Mol. Biol. 18 (6), 1177-1179)の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。
Apo15
Apo15(SEQ ID NO:157)は、図3(A)、図3(B)、および図3(D)の手順で構築された、種子特異的に発現するように設計されたクローンである。図2に示すように、Apo15クローンは、成熟型のApo AIとGFPの融合タンパク質(SEQ ID NO:158)の発現を誘導する種子特異的なプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。この融合タンパク質は、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチドを用いることで、分泌経路を介した発現が標的とされた(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1186
Figure 2007510420
でGFPの開始部位からNcoI切断部位を除去した(ベクターpVS-GFPに由来するテンプレート)。リバースプライマー1187
Figure 2007510420
で停止コドンの後方にPstI、XbaI、およびHindIIIの切断部位を加えた。PCR断片をTopoクローニングベクター(Invitrogen)のEcoRI切断部位に連結してプラスミドG1を得た(図3(A))。フォワードプライマー1190
Figure 2007510420
でApo AIの成熟配列を増幅し、また遺伝子の開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1189
Figure 2007510420
は、同じフレームにおけるGFPとの翻訳融合体(プラスミドG1)の作製を支援するために、遺伝子の停止コドンを除去してBamHI切断部位を加える。これらのプライマーのテンプレートは、ヒトのApo AI遺伝子のコード配列全体を含むpKS+ベースのベクター(Strategene)とした。PCR断片をTopoクローニングベクター(Invitrogen)のEcoRI切断部位に連結してプラスミドM2を得た。Apo AIの成熟配列を含むプラスミドM2を制限酵素NcoIおよびBamHIで切断した。GFPのコード配列を含むプラスミドG'1をBamHIおよびXbaIで切断した(図3(B)参照)。M2およびG'1の断片を、プラスミドSBS2090(図3(B)参照)のNcoIおよびXbaI切断部位に連結してプラスミド2M4を得た。プラスミド2M4をNcoIおよびHindIIIで切断してApo AI-GFP融合カセットを除去し、次に同断片を、バイナリベクターpSBS4011のNcoI/HindIII切断部位にクローン化するために使用した(図3(D)参照)。このプラスミドが、PRSシグナルペプチドと融合された、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。
Apo16
Apo16(SEQ ID NO:159)は、図3(A)、図3(B)、および図3(D)の手順で構築された、種子特異的に発現されるように設計されたクローンである。図2に示すように、Apo16クローンは、pro-Apo AIとGFPの融合タンパク質(SEQ ID NO:160)の発現を誘導する種子特異的なプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。この融合タンパク質は、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチドを用いることで、分泌経路を介した発現が標的とされた(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1186
Figure 2007510420
でGFPの開始部位からNcoI切断部位を除去した(ベクターpVS-GFPに由来するテンプレート)。リバースプライマー1187
Figure 2007510420
で停止コドンの後方にPstI、XbaI、およびHindIII切断部位を加えた。PCR断片をTopoクローニングベクター(Invitrogen)のEcoRI切断部位に連結してプラスミドG1を得た(図3(A))。フォワードプライマー1191
Figure 2007510420
でApo AIのプロ配列を増幅し、また遺伝子の開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1189
Figure 2007510420
は、GFPとの翻訳融合体(プラスミドG1)の作製を支援するために、遺伝子の停止コドンを除去してBamHI切断部位を加える。これらのプライマーのテンプレートは、ヒトのApo AI遺伝子のコード配列全体を含むpKS+ベースのベクター(Strategene)とした。PCR断片をTopoクローニングベクター(Invitrogen)のEcoRI切断部位に個別に連結してプラスミドP2を得た。pro-Apo AI配列を含むプラスミドP2を制限酵素NcoIおよびBamHIで切断した。GFPのコード配列を含むプラスミドG'1をBamHIおよびXbaIで切断した(図3(B)参照)。P2およびG'1の断片を、プラスミドSBS2090(図3(B)参照)のNcoIおよびXbaI切断部位に連結してプラスミド2P5を得た。プラスミド2P5をNcoIおよびHindIIIで切断してpro-Apo AI-GFP融合カセットを除去し、次に同断片を、バイナリベクターpSBS4011のNcoI/HindIII切断部位にクローン化するために使用した(図3(D)参照)。このプラスミドが、PRSシグナルペプチドと融合されたインゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。
Apo17
Apo17(SEQ ID NO:161)は、図4(A)の手順で構築された、構成的に発現されるように設計されたクローンである。図2に示すように、Apo17クローンは、Apo AIとGFPの融合タンパク質(SEQ ID NO:162)の発現を誘導する構成的なプロモーターおよびターミネーター(ユビキチン)を含む。このクローンを構築するために、プラスミド2M4(図3(B)参照)をNcoIおよびPstIで切断してApo AI-GFP融合カセットを除去し、同断片をプラスミドpKUO3'のNcoIおよびPstI切断部位に連結してプラスミドKU2M4を得た。pKUO3'プラスミドは、アブラナのオレオシン遺伝子を含む。この遺伝子は、ベクターをNcoIおよびPstIで切断すると除去されて、パセリのユビキチンプロモーターおよびユビキチンターミネーター(Kawalleck, P. et al., 1993, Plant Mol. Biol. 21: 673-684)の制御を受けるApo AI/GFP融合コンストラクトが得られる。KU2M4プラスミドをKpnIで切断し、バイナリベクターSBS3000のKpnI切断部位に連結した(図4)。このプラスミドが、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Biol., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)を含むことに注目されたい。Apo17クローンは成熟型Apo AI-GFP翻訳融合体を含み、細胞質に標的化される。
Apo18a
Apo18a(SEQ ID NO:163)は、図4の手順で構築された、構成的に発現されるように設計されたクローンである。図2に示すように、Apo18aクローンは、pro-Apo AIとGFPの融合タンパク質(SEQ ID NO:164)の発現を誘導する構成的なプロモーターおよびターミネーター(ユビキチン)を含む。このクローンを構築するために、プラスミド2P5(図3(B)参照)をNcoIおよびPstIで切断してpro-Apo AI-GFP融合カセットを除去し、同断片をプラスミドpKUO3'のNcoIおよびPstI切断部位に連結してプラスミドKU2P5を得た。pKUO3'プラスミドは、ベクターがNcoIおよびPstIで切断されると除去されて、パセリのユビキチンプロモーターおよびユビキチンターミネーター(Kawalleck, P. et al., 1993, Plant Mol. Biol. 21: 673-684)の制御を受けるpro-Apo AI/GFP融合コンストラクトを生じるアブラナのオレオシン遺伝子を含む。KU2P5プラスミドをKpnIで切断し、バイナリベクターSBS3000のKpnI切断部位に連結した(図4)。このプラスミドが、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Biol., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)を含むことに注目されたい。Apo18aクローンはpro-Apo AI-GFP翻訳融合体を含み、細胞質に標的化される。
Apo18b
Apo18b(SEQ ID NO:163)は、図4(B)の手順で構築された、構成的に発現されるように設計されたクローンである。図2に示すように、Apo18bクローンは、pro-Apo AIとGFPの融合タンパク質(SEQ ID NO:164)の発現を誘導する構成的なプロモーターおよびターミネーター(ユビキチン)を含む。クローンApo18aおよびApo18bのいずれもが、pro-Apo AIとGFPの融合タンパク質(SEQ ID NO:164)の発現を誘導する構成的プロモーター(ユビキチン)を有することに注目されたい。2つのクローンの差は、Apo18aが、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Biol., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)を含むバイナリベクターpSBS3000のKpnI切断部位に挿入されているために生じる。これとは対照的にApo18bは、マンノースを含む選択用培地における正の選択を可能とするホスホマンノースイソメラーゼ(phosphomannnose isomerase)をコードするpmi遺伝子(Miles et al., 1984, Gene 21: 41-48)を含むバイナリベクターpSBS5001のKpnI切断部位に挿入される。pmi遺伝子は、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Biol., 21: 673-684)の制御下にある。このクローンを構築するために、Apo18aバイナリベクターをKpnIで切断してpro-Apo AI-GFP融合カセットを除去し、同断片を、アグロバクテリウムで発現させるために、プラスミドSBS5001のKpnI切断部位に連結した。Apo18bクローンはpro-Apo AI-GFP翻訳融合体を含み、細胞質に標的化される。
Apo19
Apo19(SEQ ID NO:165)は、図5(A)および図5(B)の手順で構築された、構成的に発現されるように設計されたクローンである。図2に示すように、Apo19クローンは、Apo AIとGFPの融合タンパク質(SEQ ID NO:166)の発現を誘導する構成的なプロモーターおよびターミネーター(ユビキチン)を含む。この融合タンパク質は、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチドを用いることで、分泌経路を介した発現が標的とされた(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)。このクローンを構築するために、Apo15をテンプレートとして使用する。フォワードプライマー1177
Figure 2007510420
は、開始コドンにBspHI切断部位を含む植物のプレ配列(PRS)の開始部位を増幅する。リバースプライマー1178
Figure 2007510420
は、GFPと同じフレームにおける翻訳融合体の作製を支援するために、遺伝子の停止コドンを除去してBamHI切断部位を加える。制限酵素による切断を容易にするために、両プライマーの末端に余分な塩基を残した。G1プラスミド(図3(A)参照)を、パセリのユビキチンプロモーターおよびターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Biol., 21: 673-684)を含むpubiP+iS3'に連結させるためにBamHIおよびPstIで切断した。PRS-Apo AIのPCR断片をBspHIおよびBamHIで切断し、G1断片とともにプラスミドpubiP+iS3'に連結してプラスミド19-6を得た。プラスミド19-6をEcoRIで切断して発現カセットを除去し、次に同カセットをプラスミドpKUO3'KのEcoRI切断部位に連結して(既存のカセットを除去して)(図4(A))、プラスミドKU19-6を得た。KU19-6をKpnIで切断し、断片をプラスミドSBS3000のKpnI切断部位に連結した(図5(B))。このプラスミドが、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Biol., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)を含むことに注目されたい。Apo19クローンは、成熟型Apo AI-GFP翻訳融合体を含み、それぞれ分泌経路に標的化される。
Apo20
Apo20(SEQ ID NO:169)は、図5(A)および図5(B)の手順で構築された、構成的に発現されるように設計されたクローンである。図2に示すように、Apo20クローンは、pro-Apo AIとGFPの融合タンパク質(SEQ ID NO:170)の発現を誘導する構成的なプロモーターおよびターミネーター(ユビキチン)を含む。融合タンパク質の発現は、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、分泌系を介するように標的とされた。このクローンを構築するために、Apo16をテンプレートとして使用する。フォワードプライマー1177
Figure 2007510420
は、開始コドンにBspHI切断部位を含む植物のプレ配列(PRS)の開始部位を増幅する。リバースプライマー1178
Figure 2007510420
は、GFPと同じフレームにおける翻訳融合体の作製を支援するために、遺伝子の停止コドンを除去してBamHI切断部位を加える。制限酵素による切断を容易にするために、両プライマーの末端に余分な塩基を残した。G1プラスミド(図3(A)参照)を、パセリのユビキチンプロモーターおよびターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)を含むpubiP+iS3'に連結させるためにBamHIおよびPstIで切断した。PRS-pro-Apo AI PCR断片をBspHIおよびBamHIで切断し、G1断片とともにプラスミドpubiP+iS3'に連結してプラスミド20-11を得た。プラスミド20-11をEcoRIで切断して発現カセットを除去し、次に同カセットをプラスミドpKUO3'KのEcoRI切断部位に連結して(既存のカセットを除去して)(図4(A))、プラスミドKU20-11を得た。KU20-11をKpnIで切断し、断片をプラスミドSBS3000のKpnI切断部位に連結した(図5(B))。このプラスミドが、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)を含むことに注目されたい。Apo20クローンは、pro-Apo AI-GFP翻訳融合体を含み、それぞれ分泌経路に標的化される。
Apo21
Apo21(SEQ ID NO:171)は、図6の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo21クローンは、Apo AI(SEQ ID NO:172)の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1203
Figure 2007510420
で、成熟型Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
で停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。両プライマーとも、制限酵素による切断を容易にするために5'端に余分な塩基を含む。PCR断片をNcoIおよびHindIIIで切断し、プラスミドSBS2090に連結してプラスミド5-3を得た(図6)。プラスミド5-3をNcoIおよびHindIIIで切断し、Apo AI断片をSBS4006のNcoI/HindIII切断部位に連結した(図3(C))。SBS4006は、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)、およびアグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)を含む。Apo21は、Apo AIを種子特異的に細胞質に標的化するクローンである。
Apo22
Apo22(SEQ ID NO:175)は、図7の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo22クローンは、pro-Apo AI(SEQ ID NO:176)の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1201
Figure 2007510420
で、pro-Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
で停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。両プライマーとも、制限酵素による切断を容易にするために5'端に余分な塩基を含む。PCR断片をNcoIおよびHindIIIで切断し、プラスミドSBS2090(図3(B))に連結してプラスミド4-2を得た(図7)。プラスミド4-2をNcoIおよびHindIIIで切断し、pro-Apo AI断片をSBS4006のNcoI/HindIII切断部位に連結した(図3(C))。SBS4006は、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)、およびアグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)を含む。Apo22は、pro-Apo AIを種子特異的に細胞質に標的化するクローンである。
Apo23
Apo23(SEQ ID NO:178)は、図6の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo23クローンは、oleosin/Apo AI(SEQ ID NO:179)の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1203
Figure 2007510420
で、成熟型Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
で停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。両プライマーとも、制限酵素による切断を容易にするために5'端に余分な塩基を含む。PCR断片をNcoIおよびHindIIIで切断し、プラスミドSBS2090に連結してプラスミド5-3を得た(図6)。プラスミド5-3をNcoIおよびHindIIIで切断し、Apo AI断片をSBS4008のNcoI/HindIII切断部位に連結した(図3(C))。SBS4008は、シロイヌナズナのオレオシン遺伝子(van Rooijen G.J. et al. 1992, Plant Mol. Biol. 18 (6), 1177-1179)の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)、およびアグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)を含む。Apo23は、oleosin/Apo AIを種子特異的に油体に標的化するクローンである。
Apo24
Apo24(SEQ ID NO:180)は、図7の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo24クローンは、oleosin/pro-Apo AI(SEQ ID NO:181)の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1201
Figure 2007510420
で、pro-Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
で停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。両プライマーとも、制限酵素による切断を容易にするために5'端に余分な塩基を含む。PCR断片をNcoIおよびHindIIIで切断し、プラスミドSBS2090に連結してプラスミド4-2を得た(図7)。プラスミド4-2をNcoIおよびHindIIIで切断し、pro-Apo AI断片をSBS4008のNcoI/HindIII切断部位に連結した(図3(C))。SBS4008は、シロイヌナズナのオレオシン遺伝子(van Rooijen G.J. et al. 1992, Plant Mol. Biol. 18 (6), 1177-1179)の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al.、1983、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 1897-1901)、およびアグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)を含む。Apo24は、oleosin/pro-Apo AIを種子特異的に油体に標的化するクローンである。
Apo25
Apo25(SEQ ID NO:182)は、図6の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo25クローンは、oleosin/klip8/met/Apo AI(SEQ ID NO:183)の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。このコンストラクトは、キモシンによる融合タンパク質の切断を容易にするklip8切断配列(SEQ ID NO:143)を有する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1203
Figure 2007510420
で、成熟型Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
で停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。両プライマーとも、制限酵素による切断を容易にするために5'端に余分な塩基を含む。PCR断片をNcoIおよびHindIIIで切断し、プラスミドSBS2090(図3(B))に連結してプラスミド5-3を得た(図6)。プラスミド5-3をNcoIおよびHindIIIで切断し、Apo AI断片をSBS4010のNcoI/HindIII切断部位に連結した(図7)。SBS4010は、シロイヌナズナのオレオシン遺伝子(van Rooijen G.J. et al. 1992, Plant Mol. Biol. 18 (6), 1177-1179)の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 1897-1901)、およびklip8切断部位を含む。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Biol., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo25は、oleosin/klip8/met/Apo AIを種子特異的に油体に標的化し、またklip8切断配列による精製を可能とするクローンである。
Apo26
Apo26(SEQ ID NO:184)は、図7の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo26クローンは、oleosin/klip8/met/pro-Apo AI(SEQ ID NO:185)の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。このコンストラクトは、キモシンによる融合タンパク質の切断を容易にするklip8切断配列(SEQ ID NO:143)を有する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1201
Figure 2007510420
で、pro-Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
で停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。両プライマーとも、制限酵素による切断を容易にするために5'端に余分な塩基を含む。PCR断片をNcoIおよびHindIIIで切断し、プラスミドSBS2090(図3(B))に連結してプラスミド4-2を得た(図7)。プラスミド4-2をNcoIおよびHindIIIで切断し、pro-met-Apo AI断片をSBS4010のBspHI/HindIII切断部位に連結した(図7)。SBS4010は、シロイヌナズナのオレオシン遺伝子(van Rooijen G.J. et al. 1992, Plant Mol. Biol. 18 (6), 1177-1179)の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 1897-1901)、およびklip8切断部位を含む。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo26は、oleosin/klip8/met/pro-Apo AIを種子特異的に油体に標的化し、またklip8切断配列による精製を可能とするクローンである。
Apo27
Apo27(SEQ ID NO:186)は、図8(A)の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo27クローンは、oleosin/klip8/Apo AI(SEQ ID NO:187)の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。Apo27は、シロイヌナズナのオレオシン配列(van Rooijen G.J. et al. 1992, Plant Mol. Biol. 18 (6), 1177-1179)を用いることで、その発現が、油体を標的とされており、またキモシンによる融合タンパク質の切断を容易にするklip8切断配列(SEQ ID NO:143)を有する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1200
Figure 2007510420
で、XhoI切断部位および追加のヌクレオチドを加え、pro-Apo AIの開始部位へのklip8切断配列(SEQ ID NO:143)の同じフレームでのクローニングを容易にする。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
で停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。これらのプライマーのテンプレートは、内部にXhoI切断部位を含まず、Met残基が追加された、プロ型のApo AIを含むApo33プラスミドとした。PCR断片をXhoIで切断し、pKS+のXhoI/EcoRV切断部位に連結してプラスミド6-3を得た。プラスミド6-3をXhoIおよびHindIIIで切断し、バイナリベクターSBS4010のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図7)。SBS4010が、シロイヌナズナのオレオシン遺伝子(van Rooijen G.J. et al. 1992, Plant Mol. Biol. 18 (6), 1177-1179)の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)、およびklip8切断部位を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Biol., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo27は、Apo AIを種子特異的に油体に標的化し、またklip8切断配列による精製用を可能とするクローンである。
Apo27M
Apo27M(SEQ ID NO:189)は、図8(B)の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo27Mクローンは、oleosin/klip8/met/Apo AI-M(SEQ ID NO:190)の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。このコンストラクトは、キモシンによる融合タンパク質の切断を容易にするklip8切断配列(SEQ ID NO:143)を有する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1202
Figure 2007510420
でXhoI切断部位および追加のヌクレオチドを加え、mat-Apo AIの開始部位におけるklip8切断配列と同じフレームにおけるクローニングを容易にした。フォワードプライマー1225
Figure 2007510420
は、Arg残基をCys残基に代えるためにC→Tの塩基対変異を導入する平滑末端のプライマーである。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
は、停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。両プライマーとも、制限酵素による切断を容易にするために、5'端に余分な塩基を含むようにした。これらのプライマーのテンプレートは、XhoI切断部位に既に変異が導入されたプラスミドP-10とした。2本鎖のテンプレートはDpnIで切断して除去した。PCR断片をXhoIおよびHindIIIで切断し、プラスミドpKS+のXhoI/HindIII切断部位に連結してプラスミドApoMを得た。ApoMをXhoIおよびHindIIIで切断し、断片をプラスミドSBS4010のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図7)。SBS4010は、シロイヌナズナのオレオシン遺伝子(van Rooijen G.J. et al., 1992, Plant Mol. Biol. 18 (6), 1177-1179)の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)、およびklip8切断部位を含む。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo27Mは、oleosin/klip8/met/Apo AI-Mを種子特異的に油体に標的化し、またklip8切断配列による精製を可能とするクローンである。
Apo28
Apo28(SEQ ID NO:193)は、図9の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo28クローンは、oleosin/klip8/pro-Apo AI(SEQ ID NO:194)の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1200
Figure 2007510420
でXhoI切断部位および追加のヌクレオチドを加え、klip8切断配列とpro-Apo AIの開始部位との同じフレームにおけるクローニングを容易にした。フォワードプライマー1205
Figure 2007510420
は、第1のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える平滑末端のプライマーである。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
は、停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。両プライマーとも、制限酵素による切断を容易にするために5'端に余分な塩基を含むようにした。これらのプライマーのテンプレートは、ヒトのApo AI遺伝子のコード配列全体を含むpKS+ベースのベクター(Stratagene)とした。2本鎖のテンプレートはDpnIで切断して除去した。PCR断片をXhoIおよびHindIIIで切断し、プラスミドpKS+のXhoI/HindIII切断部位に連結してプラスミドP-10を得た。P-10をXhoIおよびHindIIIで切断し、断片をプラスミドSBS4010のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図7)。SBS4010が、シロイヌナズナのオレオシン遺伝子(van Rooijen G.J. et al. 1992, Plant Mol. Biol. 18 (6), 1177-1179)の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)、およびklip8切断部位を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo28は、油体に標的化され、またklip8配列で切断されうるpro-Apo AIクローンである。
Apo29
Apo29(SEQ ID NO:196)は、図6の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo29クローンは、PRS-Apo AI(SEQ ID NO:197)の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。Apo29は、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされた。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1203
Figure 2007510420
で、成熟型Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
は、停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。両プライマーとも、制限酵素による切断を容易にするために5'端に余分な塩基を含むようにした。PCR断片をNcoIおよびHindIIIで切断し、プラスミドSBS2090に連結してプラスミド5-3を得た(図6)。プラスミド5-3をNcoIおよびHindIIIで切断し、Apo AI断片をSBS4011のNcoI/HindIII切断部位に連結した(図3D)。SBS4011は、シロイヌナズナのオレオシン遺伝子(van Rooijen G.J. et al., 1992, Plant Mol. Biol. 18 (6), 1177-1179)の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター、およびPRSシグナルペプチド(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 1897-1901)を含む。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Biol., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo29は、Apo AIを種子特異的に分泌経路に標的化するクローンである。
Apo30
Apo30(SEQ ID NO:198)は、図7の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo30クローンは、PRS-pro-Apo AI(SEQ ID NO:199)の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。pro-Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされた。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1201
Figure 2007510420
で、pro-Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
は、停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。両プライマーとも、制限酵素による切断を容易にするために、5'端に余分な塩基を含むようにした。PCR断片をNcoIおよびHindIIIで切断し、プラスミドSBS2090に連結してプラスミド4-2を得た(図7)。プラスミド4-2をNcoIおよびHindIIIで切断し、Apo AI断片をpSBS4011のNcoI/HindIII切断部位に連結した(図3D)。SBS4011は、シロイヌナズナのオレオシン遺伝子(van Rooijen G.J. et al., 1992, Plant Mol. Biol. 18 (6), 1177-1179)の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター、およびPRSシグナルペプチド(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含む。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo30は、pro-Apo AIを種子特異的に分泌経路に標的化するクローンである。
Apo31
Apo31(SEQ ID NO:200)は、図8(A)の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo28クローンは、PRS/D9 scFV/Apo AI(SEQ ID NO:201)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされた。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1200
Figure 2007510420
で、pro-Apo AIの開始部位にXhoI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
は、停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。これらのプライマーのテンプレートは、内部にXhoI切断部位が無く、追加のMet残基を含む、プロ型のApo AIを含むApo33プラスミドとした。PCR断片をXhoIで切断し、pKS+のXhoI/EcoRV切断部位に連結してプラスミド6-3を得た。プラスミド6-3をXhoIおよびHindIIIで切断し、バイナリベクターSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV/Apo AI挿入部分と同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo31は、Apo AIを種子特異的に分泌経路に標的化し、またオレオシンD9 scFV抗体による精製を可能とするクローンである。
Apo32
Apo32(SEQ ID NO:202)は、図9の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo32クローンは、D9 scFV/pro-Apo AI(SEQ ID NO:203)の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1200
Figure 2007510420
で、pro-Apo AIの開始部位にXhoI切断部位を加える。フォワードプライマー1205
Figure 2007510420
は、第1のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える平滑末端のプライマーである。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
は、停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。両プライマーとも、制限酵素による切断を容易にするために、5'端に余分な塩基を含むようにした。これらのプライマーのテンプレートは、ヒトのApo AI遺伝子のコード配列全体を含むpKS+ベースのベクター(Stratagene)とした。2本鎖のテンプレートはDpnIで切断して除去した。PCR断片をXhoIおよびHindIIIで切断し、プラスミドpKS+のXhoI/HindIII切断部位に連結してプラスミドP-10を得た。P-10をXhoIおよびHindIIIで切断し、断片をプラスミドSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV抗体と同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Biol., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo32は、pro-Apo AIを分泌経路に標的化するクローンであり、精製を容易にするために、オレオシン抗体D9と同じフレームで融合されている。
Apo33
Apo33(SEQ ID NO:204)は、図10の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo33クローンは、PRS/D9 scFV/met/Apo AI/(SEQ ID NO:205)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/met/Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされた。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1203
Figure 2007510420
で、成熟型Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
は、停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。両プライマーとも、制限酵素による切断を容易にするために、5'端に余分な塩基を含むようにした。これらのプライマーのテンプレートは、内部にXhoI切断部位を含まないプロ型のApo AIを含むP-10プラスミドとした(図9)。PCR断片をNcoIおよびHindIIIで切断し、pSBS2090のNcoI/HindIII切断部位に連結してプラスミド20-2を得た。このプラスミドをNcoIおよびHindIIIで切断し、断片をpSBS4010ベクターのBspHI/HindIII切断部位に連結してプラスミド4010+20-2を得た。このプラスミドをXhoIおよびHindIIIで切断し、断片をバイナリベクターSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図10)。SBS4055が、D9 scFV抗体と同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo33は、Apo AIを分泌経路に標的化し、また精製を容易にするために、オレオシン抗体D9と同じフレームで融合された種子特異的なクローンである。
Apo34
Apo34(SEQ ID NO:206)は、図10の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo34クローンは、PRS/D9 scFV/met/pro-Apo AI/(SEQ ID NO:207)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/met/pro-Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされた。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1201
Figure 2007510420
で、pro-Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
は、停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。両プライマーとも、制限酵素による切断を容易にするために、5'端に余分な塩基を含むようにした。これらのプライマーのテンプレートは、内部にXhoI切断部位を含まないプロ型のApo AIを含むP-10プラスミドとした(図9)。PCR断片をNcoIおよびHindIIIで切断し、SBS2090のNcoI/HindIII切断部位に連結してプラスミド19-2を得た(図3(B))。このプラスミドをNcoIおよびHindIIIで切断し、断片をSBS4010ベクターのBspHI/HindIII切断部位に連結してプラスミド4010+19-2を得た。このプラスミドをXhoIおよびHindIIIで切断し、断片をバイナリベクターSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図10)。SBS4055が、D9 scFV抗体と同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo34は、met/pro-Apo AIを分泌経路に標的化し、また精製を容易にするために、オレオシン抗体D9と同じフレームで融合された種子特異的なクローンである。
Apo35
Apo35(SEQ ID NO:208)は、図8の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo35クローンは、PRS/D9 scFV/Apo AI/KDEL(SEQ ID NO:209)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされ、またポリペプチドをERに保持するためにKDEL保持シグナル(Munro and Pelham, 1987, Cell 48: 899-907)を使用する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1200
Figure 2007510420
で、pro-Apo AIの開始部位にXhoI切断部位を加える。リバースプライマー1208
Figure 2007510420
は、停止コドンの前方にKDEL配列を加え、また停止コドンの後方にHindIII切断部位を加える。これらのプライマーのテンプレートは、内部にXhoI切断部位を含まず、Met残基が追加された、プロ型のApo AIを含むApo33プラスミドとした。PCR断片をXhoIで切断し、pKS+のXhoI/EcoRV切断部位に連結してプラスミド8-5を得た。プラスミド8-5をXhoIおよびHindIIIで切断し、バイナリベクターSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV挿入配列と同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Biol., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo35は、Apo AIを種子特異的に分泌経路に標的化してERにとどまらせ、またオレオシンD9 scFV抗体による精製を可能とするクローンである。
Apo36
Apo36(SEQ ID NO:211)は、図11の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo36クローンは、PRS/D9 scFV/pro-Apo AI/KDEL(SEQ ID NO:212)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/pro-Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされ、またポリペプチドをERに保持するためにKDEL保持シグナル(Munro and Pelham, 1987, Cell 48: 899-907)を使用する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1200
Figure 2007510420
で、klip8切断配列への同じフレームにおけるクローニングを容易にするために、pro-Apo AIの開始部位にXhoI切断部位および追加のヌクレオチドを加える。リバースプライマー1208
Figure 2007510420
は、停止コドンの前方にKDEL配列を加え、また停止コドンの後方にHindIII切断部位を加える。これらのプライマーのテンプレートは、内部にXhoI切断部位を含まないプロ型のApo AIを含むP-10プラスミドとした(図9)。PCR断片をXhoIおよびHindIIIで切断し、pKS+のXhoI/HindIII切断部位に連結してプラスミド7-12を得た。プラスミド7-12をXhoIおよびHindIIIで切断し、バイナリベクターSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV挿入配列と同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo36は、分泌経路に標的化されるpro-Apo AIを種子特異的に発現させるクローンであり、オレオシン抗体D9と同じフレームで融合されており、またKDELシグナルペプチドのために小胞体に蓄積する。
Apo37
Apo37(SEQ ID NO:213)は、図12の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo37クローンは、PRS/D9 scFV/met/Apo AI/KDEL(SEQ ID NO:214)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/met/Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされ、またポリペプチドをERに保持するためにKDEL保持シグナル(Munro and Pelham, 1987, Cell 48: 899-907)を使用する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1203
Figure 2007510420
で、成熟型Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1208
Figure 2007510420
は、停止コドンの前方にKDEL配列を加え、また停止コドンの後方にHindIII切断部位を加える。これらのプライマーのテンプレートは、内部にXhoI切断部位を含まないプロ型のApo AIを含むP-10プラスミドとした(図9)。PCR断片をpKS+プラスミドのEcoRV切断部位に連結してプラスミド10-2を得た。このプラスミドをNcoIおよびHindIIIで切断し、断片をSBS4010ベクターのBspHI/HindIII切断部位に連結してプラスミド4010+10-2を得た。このプラスミドをXhoIおよびHindIIIで切断し、断片をバイナリベクターSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV挿入配列と同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant. Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo37は、met/Apo AIを分泌経路に標的化するクローンであり、オレオシン抗体D9と同じフレームで融合されており、またKDELシグナルペプチドのために小胞体に蓄積する。
Apo38
Apo38(SEQ ID NO:215)は、図12の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo38クローンは、PRS/D9 scFV/met/pro-Apo AI/KDEL(SEQ ID NO:216)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/met/pro-Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされ、またポリペプチドをERに保持するためにKDEL保持シグナル(Munro and Pelham, 1987, Cell 48: 899-907)を使用する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1201
Figure 2007510420
で、成熟型Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加える。リバースプライマー1208
Figure 2007510420
は、停止コドンの前方にKDEL配列を加え、また停止コドンの後方にHindIII切断部位を加える。これらのプライマーのテンプレートは、内部にXhoI切断部位を含まないプロ型のApo AIを含むP-10プラスミドとした(図9)。PCR断片をpKS+プラスミドのEcoRV切断部位に連結してプラスミド9-2を得た。このプラスミドをNcoIおよびHindIIIで切断し、断片をSBS4010ベクターのBspHI/HindIII切断部位に連結してプラスミド4010+9-2を得た。このプラスミドをXhoIおよびHindIIIで切断し、断片をバイナリベクターSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV挿入配列と同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant. Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo38は、met/pro-Apo AIを分泌経路に標的化するクローンであり、オレオシン抗体D9と同じフレームで融合されており、またKDELシグナルペプチドのために小胞体に蓄積する。
Apo39
Apo39(SEQ ID NO:217)は、図13の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo39クローンは、PRS/D9 scFV/klip8/Apo AI(SEQ ID NO:218)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/klip8/Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされ、またERに保持するためにKDEL保持シグナル(Munro and Pelham, 1987, Cell 48: 899-907)を、ポリペプチドを使用する。このクローンは、キモシンによる融合タンパク質の切断を容易にするためにklip8切断配列(SEQ ID NO:143)を有する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1207
Figure 2007510420
で、開始コドンにSalI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
は、停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える(klip8の開始部位を増幅する)。PCR反応のテンプレートはプラスミドApo27とした(図8(A))。PCR産物をSalIおよびHindIIIで切断し、pKS+に連結してプラスミド13-1を得た。このプラスミドをSalIおよびHindIIIで切断し、プラスミドSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV挿入配列と同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant. Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo39は、分泌経路に標的化されるD9 scFV/klip8/Apo AIの種子に好ましい発現を可能とするクローンである。Apo AIの精製は、油体表面のオレオシンに対する親和性を有するD9 scFV抗体を用いて達成される。このタンパク質は、klip8切断部位を切断するキモシンで切断される。
Apo40
Apo40(SEQ ID NO:220)は、図13の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo40クローンは、PRS/D9 scFV/klip8/pro-Apo AI(SEQ ID NO:221)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/klip8/pro-Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされた。このクローンは、キモシンによる融合タンパク質の切断を容易にするためにklip8切断配列(SEQ ID NO:143)を有する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1207
Figure 2007510420
で、開始コドンにSalI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
は、停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。PCR反応のテンプレートはプラスミドApo27とした(図8(A))。PCR産物をSalIおよびHindIIIで切断し、pKS+に連結してプラスミド14-5を得た。このプラスミドをSalIおよびHindIIIで切断し、プラスミドSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV挿入配列と同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo40は、分泌経路に標的化されるD9 scFV/klip8/pro-Apo AIの種子に好ましい発現を可能とするクローンである。pro-Apo AIの精製は、油体表面のオレオシンに対する親和性を有するD9 scFV抗体を用いて達成される。このタンパク質は、klip8切断部位を切断するキモシンで切断される。
Apo 41
Apo41(SEQ ID NO:222)は、図14の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo41クローンは、PRS/D9 scFV/klip8/met/Apo AI(SEQ ID NO:223)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/klip8/met/Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされた。このクローンは、キモシンによる融合タンパク質の切断を容易にするためにklip8切断配列(SEQ ID NO:143)を有する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1207
Figure 2007510420
でklip8配列の開始部位を増幅し、開始コドンにSalI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
は、停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。PCR反応のテンプレートはプラスミドApo25とした(図6)。PCR産物をSalIおよびHindIIIで切断し、pKS+に連結してプラスミド11-1を得た。このプラスミドをSalIおよびHindIIIで切断し、バイナリベクターSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV挿入配列と同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo41は、分泌経路に標的化されるD9 scFV/klip8/met/Apo AIの種子に好ましい発現を可能とするクローンである。met/Apo AIの精製は、油体表面のオレオシンに対する親和性を有するD9 scFV抗体を用いて達成される。このタンパク質は、klip8切断部位を切断するキモシンで切断される。
Apo42
Apo42(SEQ ID NO:224)は、図14の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo42クローンは、PRS/D9 scFV/klip8/met/pro-Apo AI(SEQ ID NO:225)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/klip8/met/pro-Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされた。このクローンは、キモシンによる融合タンパク質の切断を容易にするためにklip8切断配列(SEQ ID NO:143)を有する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1207
Figure 2007510420
でklip8配列の開始部位を増幅し、開始コドンにSalI切断部位を加える。リバースプライマー1206
Figure 2007510420
は、停止コドンの後方にHindIII切断部位を加え、また第2のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える。PCR反応のテンプレートはプラスミドApo26とした(図7)。PCR産物をSalIおよびHindIIIで切断し、pKS+に連結してプラスミド12-1を得た。このプラスミドをSalIおよびHindIIIで切断し、バイナリベクターSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV挿入配列と同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo42は、分泌経路に標的化されるD9 scFV/klip8/met/pro-Apo AIの種子に好ましい発現を可能とするクローンである。met/Apo AIの精製は、油体表面のオレオシンに対する親和性を有するD9 scFV抗体を用いて達成される。このタンパク質は、klip8切断部位を切断するキモシンで切断される。
Apo43
Apo43(SEQ ID NO:226)は、図13の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo43クローンは、PRS/D9 scFV/klip8/Apo AI/KDEL(SEQ ID NO:227)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/klip8/Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされ、またポリペプチドをERに保持するためにKDEL保持シグナル(Munro and Pelham, 1987, Cell 48: 899-907)を使用する。このクローンは、キモシンによる融合タンパク質の切断を容易にするklip8切断配列(SEQ ID NO:143)を有する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1207
Figure 2007510420
で、開始コドンにSalI切断部位を加える。リバースプライマー1208
Figure 2007510420
は、停止コドンの前方にKDEL配列を加え、また停止コドンの後方にHindIII切断部位を加える。PCR反応のテンプレートはプラスミドApo27とした(図8(A))。PCR産物をSalIおよびHindIIIで切断し、pKS+に連結してプラスミド17-1を得た。このプラスミドをSalIおよびHindIIIで切断し、プラスミドSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV挿入配列が同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant. Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo43は、分泌経路に標的化されるD9 scFV/klip8/Apo AI/KDELの種子に好ましい発現を可能とするクローンである。Apo43は、KDELシグナルペプチドのためにERに蓄積する。Apo AIの精製は、油体表面のオレオシンに対する親和性を有するD9 scFV抗体を用いて達成される。このタンパク質は、klip8切断部位を切断するキモシンで切断される。
Apo44
Apo44(SEQ ID NO:228)は、図13の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo44クローンは、PRS/D9 scFV/klip8/pro-Apo AI/KDEL(SEQ ID NO:229)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/klip8/pro-Apo AI/KDELは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされ、またポリペプチドをERに保持するためにKDEL保持シグナル(Munro and Pelham, 1987, Cell 48: 899-907)を使用する。このクローンは、キモシンによる融合タンパク質の切断を容易にするklip8切断配列(SEQ ID NO:143)を有する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1207
Figure 2007510420
配列で、開始コドンにSalI切断部位を加える。リバースプライマー1208
Figure 2007510420
は、停止コドンの前方にKDEL配列を加え、また停止コドンの後方にHindIII切断部位を加える。PCR反応のテンプレートはプラスミドApo28とした(図9)。PCR産物をSalIおよびHindIIIで切断し、pKS+に連結してプラスミド18-2を得た。このプラスミドをSalIおよびHindIIIで切断し、プラスミドSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV挿入配列が同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant. Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo44は、分泌経路に標的化されるD9 scFV/klip8/pro-Apo AI/KDELの種子に好ましい発現を可能とするクローンである。Apo44は、KDELシグナルペプチドのためにERに蓄積する。pro-Apo AIの精製は、油体表面のオレオシンに対する親和性を有するD9 scFV抗体を用いて達成される。このタンパク質は、klip8切断部位を切断するキモシンで切断される。
Apo45
Apo45(SEQ ID NO:230)は、図14の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo45クローンは、PRS/D9 scFV/klip8/met/Apo AI/KDEL(SEQ ID NO:231)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/klip8/met/Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされ、またポリペプチドをERに保持するためにKDEL保持シグナル(Munro and Pelham, 1987, Cell 48: 899-907)を使用する。このクローンは、キモシンによる融合タンパク質の切断を容易にするklip8切断配列(SEQ ID NO:143)を有する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1207
Figure 2007510420
でklip8配列の開始部位を増幅し、開始コドンにSalI切断部位を加える。リバースプライマー1208
Figure 2007510420
は、停止コドンの前方にKDEL配列を加え、また停止コドンの後方にHindIII切断部位を加える。PCR反応のテンプレートはプラスミドApo25とした(図6)。PCR産物をSalIおよびHindIIIで切断し、pKS+に連結してプラスミド15-1を得た。このプラスミドをSalIおよびHindIIIで切断し、バイナリベクターSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV挿入配列が同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sc. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant. Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo45は、分泌経路に標的化されるD9 scFV/klip8/met/Apo AI/KDELの種子に好ましい発現を可能とするクローンである。Apo45は、KDELシグナルペプチドのためにERに蓄積する。Apo AIの精製は、油体表面のオレオシンに対する親和性を有するD9 scFV抗体を用いて達成される。このタンパク質は、klip8切断部位を切断するキモシンで切断される。
Apo46
Apo46(SEQ ID NO:232)は、図14の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo46クローンは、PRS/D9 scFV/klip8/met/pro-Apo AI/KDEL(SEQ ID NO:233)融合タンパク質の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(ファゼオリン)を含む。D9 ScFV/klip8/met/pro-Apo AIは、タバコの感染特異的配列(PRS)のシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を用いることで、その発現が分泌経路を標的とされ、またKDEL保持シグナル(Munro and Pelham, 1987, Cell 48: 899-907)を、ポリペプチドをERに保持するために使用する。このクローンは、キモシンによる融合タンパク質の切断を容易にするklip8切断配列(SEQ ID NO:143)を有する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1207
Figure 2007510420
でklip8配列の開始部位を増幅し、開始コドンにSalI切断部位を加える。リバースプライマー1208
Figure 2007510420
は、停止コドンの前方にKDEL配列を加え、また停止コドンの後方にHindIII切断部位を加える。PCR反応のテンプレートはプラスミドApo26とした(図7)。PCR産物をSalIおよびHindIIIで切断し、pKS+に連結してプラスミド16-4を得た。このプラスミドをSalIおよびHindIIIで切断し、バイナリベクターSBS4055のXhoI/HindIII切断部位に連結した(図9)。SBS4055が、D9 scFV挿入配列が同じフレームで融合したPRSシグナル配列の発現を制御する、インゲンマメのβ-ファゼオリンプロモーター/ターミネーター(Slightom et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 1897-1901)を含むことに注目されたい。このプラスミドはまた、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant. Mol. Bio., 21: 673-684)によって誘導される、宿主植物にホスフィノトリシン耐性をもたらすpat遺伝子(Wohlleben et al., 1988, Gene 70: 25-37)も含む。Apo46は、分泌経路に標的化されてERに保持されるD9 scFV/klip8/met/pro-Apo AIの種子に好ましい発現を可能とするクローンである。Apo AIの精製は、油体表面のオレオシンに対する親和性を有するD9 scFV抗体を用いて達成される。このタンパク質は、klip8切断部位を切断するキモシンを用いて切断される。
Apo47
Apo47(SEQ ID NO:234)は、図15の手順で構築される、種子に好ましいクローンである。図2に示すように、Apo47クローンは、トウモロコシのoleosin/klip8/met/Apo AI(SEQ ID NO:235)の発現を誘導する、種子に好ましいプロモーターおよびターミネーター(リニン)を含む。このコンストラクトは、キモシンによる融合タンパク質の切断を容易にするklip8切断配列(SEQ ID NO:143)を有する。このクローンを構築するために、フォワードプライマー1226
Figure 2007510420
で、klip8/met/Apo AIとの同じフレームの翻訳融合体の作製を支援するために、遺伝子の停止コドンを除去してHindIII切断部位を加えるリバースプライマー1227
Figure 2007510420
と組み合わせて、pSBS2377に由来するトウモロコシのオレオシンのコード配列を増幅し、遺伝子の開始部位にNcoI切断部位を加える。Apo25のklip8/met/Apo AIのコード配列を、配列を増幅して遺伝子の開始部位にHindIII切断部位を加えるフォワードプライマー1228
Figure 2007510420
で増幅する。リバースプライマー1229
Figure 2007510420
は、停止コドンの後方にBamHI切断部位を加える。トウモロコシのオレオシンのcDNAおよびklip8/met/Apo AIを含むPCR断片を、Topoクローニングベクター(Invitrogen)のEcoRI切断部位に連結した。プラスミドMzOleoを制限酵素NcoIおよびHindIIIで切断した。プラスミドklip8/met/Apo AIをHindIIIおよびBamHIで切断した。MzOleoおよびklip8/met/Apo AIの断片をプラスミドSBS5709のNcoIおよびBamHI切断部位に連結してプラスミドApo47を得た。pSBS5709は、WO 01/16340に記載されたリニンプロモーター/ターミネーターをマルチクローニングサイトの内部に含む。pSBS5709はまた、マンノースを含む選択用培地における正の選択を可能とするホスホマンノースイソメラーゼをコードするpmi遺伝子(Miles et al., 1984, Gene 21: 41-48)も含む。pmi遺伝子は、アグロバクテリウムによる形質転換用に、パセリのユビキチンプロモーター/ターミネーター(Kawalleck et al., 1993, Plant Mol. Biol., 21: 673-684)の制御下にある。Apo47は、トウモロコシのoleosin/klip8/met/Apo AIを種子特異的に油体に標的化し、またklip8切断配列による精製を可能とするクローンである。
実施例2
アグロバクテリウムおよびシロイヌナズナによる形質転換
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana cv. Columbia(C24))を全ての実験に使用する。種子を4インチのポット内の土壌混合物(3分の2がRedi-earthで3分の1がパーライト、pH=6.7)、またはLehle Seeds社から入手したシロイヌナズナ用の土壌混合物(パーライト、バーミュキュライト、ピート、terra-green、pH=5.5)の表面に撒く。実生を、ロゼット期の6〜8枚の葉の直径が約2.5 cmとなるまで成長させる。これらの実生を、上記の土壌混合物を含む4インチのポットに移し、メッシュに直径1 cmの5個の孔(四隅に各1個と中心に1個)を開けた窓網戸材で覆う。このポットを4℃で4日間、ドーム内に静置して冷処理を行った後に、約150μEの定常光を照射して相対湿度が50%の成長室(設定温度24℃)に移す。植物体に水を2〜3日間隔で与え、肥料(1%のPeters20-20-20)を週に1回与える。個々のポットに5つの植物体が植えられる。植物体が高さ約2 cmに達したら、一次花茎(bolt)を切って二次花茎および三次花茎の成長を促す。一次花茎を切った4〜5日後に、植物体にアグロバクテリウムを感染させる準備が整う。プラスミドは、電気的にコンピテントなアグロバクテリウムEHA101に導入した。シロイヌナズナ植物を植えたポットを逆さにし、対象となる植物形質用転換ベクターを含むアグロバクテリウムの一晩培養物の500 mLの再懸濁物に20秒間感染させる。アグロバクテリウム培養物が5%のショ糖および0.05%の界面活性剤Silwet L-77(Lehle Seeds)を含むことが極めて重要である。次にポットを、透明なプラスチック製のドームで24時間覆い、高湿度条件で維持する。植物体を成熟するまで成長させ、種子(非形質転換のものと、形質転換したもの)を回収する。トランスジェニック系列の選択に関しては、推定形質転換種子を70%エタノールで速やかに洗浄して滅菌した後に、20%の市販の漂白剤で15分間処理し、さらにddH2Oで少なくとも4回洗浄する。約1000個の滅菌済み種子を0.6%のトップアガーと混合し、0.5%のショ糖と80μMの除草剤フォスフィノスリシン(PPT)DLを含む半強度のMSプレート(Murashige and Skoog, 1962, Physiologia Plantarum 15: 473-497)に均一に拡散させる。次にプレートを光照射条件が暗8時間と明16時間の成長室(24℃)に静置する。7〜10日後に、推定トランスジェニック実生は緑色を呈していて成長途上であるが、非形質転換実生は漂白されている。根が確立した後に、推定トランスジェニック実生を個別にポットに移して(個々の植物体に3日間隔で水を与え、肥料として1%のPeters 20-20-20を5日間隔で与える)、成熟するまで成長させる。ポットを透明なプラスチック製ドームで3日間覆い、感受性のある実生を保護する。7日後に実生を、Lehle Seeds社製の種子収集機で覆い、散乱による種子の喪失を避ける。これらのトランスジェニック植物から得られた種子を個別に回収し、解析の準備が整う。
総葉抽出物の調製
シロイヌナズナの葉を液体窒素で凍結し、1.5 ml容の微量遠心用チューブ内でドリルを用いて破砕した。200〜250μlの0.5 M Tris-HCl(pH 7.5)を添加し、試料を氷上に置いた。20% SDSを最終濃度が2%となるように添加した。試料を5分間煮沸し、抽出物を遠心器で、その最大速度で5分間、遠心した。液体を別の微量遠心用チューブに移し、-20℃で保存した。可溶性のタンパク質を、BCAタンパク質アッセイ法(Pierce)で定量し、15% SDS-PAGEと、続くウェスタンブロッティングで解析した。抗Apo AIまたは抗GFPのウサギ抗血清を一次抗体として使用し、また抗ウサギ-IgG[H+L]-APコンジュゲート(Bio-Rad)を二次抗体として使用した。
総種子抽出物の調製
シロイヌナズナの約40個の種子(T2種子)を、微量遠心用チューブ内で50 μLの緩衝液(50 mM Tris、pH 7.5)中でStir-Pak実験用ミキサーを用いて破砕した。次に20% SDSを試料に、最終濃度が2%となるように添加し、試料を5分間煮沸し、最大速度で5分間遠心した。SDS-PAGEゲルへのローディングの際には、SDS-PAGE用の2Xローディング緩衝液(100 mM Tris pH 6.8、20%グリセロール、4% SDS、2 mg/mLブロモフェノールブルー、200 mM DTT)、および1 M DTTを試料に添加し、5分間煮沸し、最大速度で2分間遠心した。
実施例3
アポリポタンパク質の発現のウェスタンブロット解析
構成的発現
Apo17
実施例1に示すように、Apo17(SEQ ID NO:27)は成熟型Apo AIとGFPの融合タンパク質である。このコンストラクトの構成的発現には、ユビキチンプロモーターおよびターミネーターを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図16(A))では、12クローン中9クローンについて、総葉抽出物中に極めて少量(総葉タンパク質の0.1%未満)のApo-AI/GFP融合タンパク質が、分子量が約55 kDaの位置に検出された。しかし、検討した12クローン中11クローンについて、総種子抽出物中にApo17融合タンパク質の実質的な発現(総種子タンパク質の少なくとも1%)が、約55 kDaの位置に検出された(図16(B))。
Apo18a
実施例1に示すように、Apo18(SEQ ID NO:29)はpro-Apo AIとGFPの融合タンパク質である。このコンストラクトの発現には、ユビキチンプロモーターおよびターミネーターを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図17(A))では、検討した12クローン中3クローンについて、総葉抽出物中に極めて少量(総葉タンパク質の0.1%未満)のpro-Apo AI/GFP融合タンパク質が、分子量が約56 kDaの位置に検出された。しかし、検討した全クローンについて、総種子抽出物中にApo18融合タンパク質の実質的な発現(総種子タンパク質の少なくとも1%)が、約56 kDaの位置に検出された(図17(B))。
Apo19
実施例1に示すように、Apo19(SEQ ID NO:31)はApo AIとGFPの融合タンパク質である。このコンストラクトの発現には、ユビキチンプロモーターおよびターミネーターを使用し、また融合タンパク質のERにおける標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図18(A))では、検討した12クローン中10クローンについて、総葉抽出物中にApo AI/GFP融合タンパク質の極めて低レベルの発現(総葉タンパク質の0.1%未満)が、分子量が約58 kDaの位置に認められた。しかし、検討した18クローン中17クローンについて、総種子抽出物中にApo19融合タンパク質の実質的な発現(総種子タンパク質の少なくとも1%)が、約58 kDaの位置に検出された(図18(B))。
Apo20
実施例1に示すように、Apo20(SEQ ID NO:35)はpro-Apo AIとGFPの融合タンパク質である。このコンストラクトの発現には、ユビキチンプロモーターおよびターミネーターを使用し、また融合タンパク質のERにおける標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図19(A))では、検討した12クローン中3クローンについて、総葉抽出物中にpro-Apo AI/GFP融合タンパク質の極めて低レベル(総葉タンパク質の0.1%未満)が、分子量が約59 kDaの位置に検出された。しかし、検討した18クローン中16クローンについて、総種子抽出物中にApo20融合タンパク質の実質的な発現(総種子タンパク質の少なくとも1%)が、約59 kDaの位置に検出された(図19(B))。
種子特異的な発現
Apo10
実施例1に示すように、Apo10(SEQ ID NO:10)は成熟型Apo AIとGFPの融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用する。ポリクローナルGFP抗体によるウェスタンブロット解析(図20(A))では、検討した10クローン中7クローンについて、総種子抽出物中にApo AI/GFP融合タンパク質が、分子量が約55 kDaの位置に検出された。
Apo11
実施例1に示すように、Apo11(SEQ ID NO:16)はpro-Apo AIとGFPの融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用する。ポリクローナルGFP抗体によるウェスタンブロット解析(図20(B))では、検討した14クローン中10クローンについて、総種子抽出物中にpro-Apo AI/GFP融合タンパク質が、分子量が約56 kDaの位置に検出された。
Apo12
実施例1に示すように、Apo12(SEQ ID NO:19)は、オレオシン、成熟型Apo AI、およびGFPの融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用する。ポリクローナルGFP抗体によるウェスタンブロット解析(図21(A))では、検討した17クローンの全てについて、総種子抽出物中にApo AI/GFP融合タンパク質が、分子量が約74 kDaの位置に検出された。
Apo13
実施例1に示すように、Apo13(SEQ ID NO:21)は、オレオシン、pro-Apo AI、およびGFPの融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用する。ポリクローナルGFP抗体によるウェスタンブロット解析(図21(B))では、検討した18クローンの全てについて、総種子抽出物中にoleosin/pro-Apo AI/GFP融合タンパク質が、分子量が約75 kDaの位置に検出された。
Apo15
実施例1に示すように、Apo15(SEQ ID NO:23)は、成熟型Apo AIとGFPの融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、また融合タンパク質の分泌系における標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用する。ポリクローナルGFP抗体によるウェスタンブロット解析(図22(A))では、検討した10クローン中9クローンについて、総種子抽出物中にApo AI/GFP融合タンパク質が、分子量が約58 kDaの位置に検出された。
Apo16
実施例1に示すように、Apo16(SEQ ID NO:25)は、pro-Apo AIとGFPの融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、また融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用する。ポリクローナルGFP抗体によるウェスタンブロット解析(図22(B))では、検討した13クローン中10クローンについて、総種子抽出物中にpro-Apo AI/GFP融合タンパク質が、分子量が約59 kDaの位置に検出された。
Apo21
実施例1に示すように、Apo21(SEQ ID NO:37)はApo AIである。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図23(A))では、総種子抽出物中にApo AIタンパク質が検出された。推定分子量は約28 kDaであった。検討した12個のクローンについて、約25 kDa〜55 kDaの様々な多くのタンパク質がApo AI抗体によって検出された。Apo AIの発現が、植物の健康状態に有害に作用すること(矮性の長角果(stunted silique)および種無し)は注目すべきである。
Apo22
実施例1に示すように、Apo22(SEQ ID NO:41)はpro-Apo AIである。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図23(B))では、総種子抽出物中にApo AIタンパク質が検出された。推定分子量は約29 kDaであった。検討した6個のクローンについて、約25 kDa〜55 kDaの様々な多くのタンパク質がApo AI抗体によって検出された。クローン22-3は、適切な分子量のタンパク質を有する。pro-Apo AIの発現が、Apo23に対してコンストラクトApo21、Apo29、およびApo30を発現する植物体の健康状態と比較すると中程度の表現型を示す植物の健康状態はいくぶん好ましくないことは注目すべきである。
Apo23
実施例1に示すように、Apo23(SEQ ID NO:44)は、オレオシンとApo AIの融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図24(A))では、検討した5クローン中4クローンについて、総種子抽出物中にoleosin/Apo AI融合タンパクが、分子量が約47 kDaの位置に検出された。
Apo24
実施例1に示すように、Apo24(SEQ ID NO:46)は、オレオシとpro-Apo AIの融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図24(B))では、検討した7クローンの全てについて、総種子抽出物中にoleosin/Apo AI融合タンパク質が、分子量が約48 kDaの位置に検出された。
Apo25
実施例1に示すように、Apo25(SEQ ID NO:48)は、オレオシンとApo AI(+Met)の融合タンパク質である(klip8切断配列が2つの成分を隔てている)。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図25(A))では、検討した4クローンの全てについて、総種子抽出物中にoleosin-klip8-Apo AI(+Met)融合タンパク質が、分子量が約51 kDaの位置に検出された。
Apo26
実施例1に示すように、Apo26(SEQ ID NO:51)は、オレオシンとpro-Apo AI(+Met)の融合タンパク質である(klip8切断配列が2つの成分を隔てている)。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図25(B))では、検討した全11クローンについて、総種子抽出物中にoleosin-klip8-pro-Apo AI(+Met)融合タンパク質が、分子量が約52 kDaの位置に検出された。
Apo28
実施例1に示すように、Apo28(SEQ ID NO:60)は、オレオシンとpro-Apo AIの融合タンパク質である(klip8切断配列が2つの成分を隔てている)。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図26(A))では、検討した全7クローンについて、総種子抽出物中にoleosin-klip8-pro-Apo AI融合タンパク質が、分子量が約52 kDaの位置に検出された。
Apo29
実施例1に示すように、Apo29(SEQ ID NO:63)はApo AIである。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、またタンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図26(B))では、総種子抽出物中にApo AIタンパク質が検出された。推定分子量は約31 kDaであった。検討した10個のクローンのうち1クローンのみについてタンパク質が検出されたが、分子量は37 kDaの範囲であった。Apo AIの発現が、植物の健康状態に有害に作用すること(矮性の長角果および種無し)は注目すべきである。
Apo30
実施例1に示すように、Apo30(SEQ ID NO:65)はpro-Apo AIである。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、また融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図27)では、総種子抽出物中にApo AIタンパク質が検出された。推定分子量は約32 kDaであった。検討した13個のクローンについて、約25 kDa〜55 kDaの様々な多くタンパク質がApo AI抗体によって検出された。pro-Apo AIの発現が、植物の健康状態に有害に作用すること(矮性の長角果および種無し)は注目すべきである。
Apo32
実施例1に示すように、Apo32(SEQ ID NO:69)は、D9 scFV抗体とpro-Apo AIの融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、また融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図28(A))では、検討した全5クローンについて、総種子抽出物中にD9 scFv-pro-Apo AI融合タンパク質が、分子量が約59 kDaの位置に検出された。
Apo33
実施例1に示すように、Apo33(SEQ ID NO:71)は、D9 scFV抗体とApo AI(+met)の融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、また融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図28(B))では、検討した8クローン中1クローンについて、総種子抽出物中にD9 scFV-Apo AI(+met)融合タンパク質が、分子量が約59 kDaの位置に検出された。
Apo34
実施例1に示すように、Apo34(SEQ ID NO:73)は、D9 scFV抗体とpro-Apo AI(+met)の融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、また融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図29)では、検討した7クローン中6クローンについて、総種子抽出物中にD9 scFv-pro-Apo AI(+met)融合タンパク質が、分子量が約59 kDaの位置に検出された。
Apo36
実施例1に示すように、Apo36(SEQ ID NO:78)は、D9 scFV抗体とpro-Apo AIの融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用し、またポリペプチドをERに保持するためにKDEL保持シグナルを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図30(A))では、検討した全13クローンについて、総種子抽出物中にD9 scFv-pro-Apo AI-KDEL融合タンパク質が、分子量が約60 kDaの位置に検出された。
Apo37
実施例1に示すように、Apo37(SEQ ID NO:80)は、D9 scFV抗体とApo AI(+met)の融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用し、またポリペプチドをERに保持するためにKDEL保持シグナルを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図30(B))では、検討した全15クローンについて、総種子抽出物中にD9 scFV-Apo AI(+met)-KDEL融合タンパク質が、分子量が約59 kDaの位置に検出された。
Apo38
実施例1に示すように、Apo38(SEQ ID NO:82)は、D9 scFV抗体とpro-Apo AI(+met)の融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用し、またポリペプチドをERに保持するためにKDEL保持シグナルを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図31A)では、検討した11クローン中9クローンについて、総種子抽出物中にD9 scFv-pro-Apo AI(+met)-KDEL融合タンパク質が、分子量が約60 kDaの位置に検出された。
Apo39
実施例1に示すように、Apo39(SEQ ID NO:83)は、D9 scFV抗体、KLIP8、およびApo AIの融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用し、また切断可能なリンカーとしてKLIP8を使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図31B)では、検討した全12クローンについて、総種子抽出物中にD9 scFV-KLIP8-Apo AI融合タンパク質が、分子量が約55 kDaの位置に検出された。
Apo40
実施例1に示すように、Apo40(SEQ ID NO:87)は、D9 scFV抗体とpro-Apo AIの融合タンパク質である(klip8切断配列が2つの成分を隔てている)。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、また融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図32(A))では、検討した13クローン中12クローンについて、総種子抽出物中にD9 scFV-klip8-pro-Apo AI融合タンパク質が、分子量が約63 kDaの位置に検出された。
Apo41
実施例1に示すように、Apo41(SEQ ID NO:89)は、D9 scFV抗体とApo AI(+met)の融合タンパク質である(klip8切断配列が2つの成分を隔てている)。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、また融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図32(B))では、検討した9クローン中8クローンについて、総種子抽出物中にD9 scFV-klip8-Apo AI(+met)融合タンパク質が、分子量が約63 kDaの位置に検出された。
Apo42
実施例1に示すように、Apo42(SEQ ID NO:91)は、D9 scFV抗体とpro-Apo AI(+met)の融合タンパク質である(klip8切断配列が2つの成分を隔てている)。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、また融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図33(A))では、検討した全13クローンについて、総種子抽出物中にD9 scFV-klip8-pro-Apo AI(+met)融合タンパク質が、分子量が約64 kDaの位置に検出された。
Apo44
実施例1に示すように、Apo44(SEQ ID NO:95)は、D9 scFV抗体とpro-Apo AIの融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用し、またポリペプチドをERに保持するためにKDEL保持シグナルを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図34(A))では、検討した15クローン中4クローンについて、総種子抽出物中にD9 scFv-pro-Apo AI-KDEL融合タンパク質が、分子量が約64 kDaの位置に検出された。
Apo45
実施例1に示すように、Apo45(SEQ ID NO:97)は、D9 scFV抗体とApo AI(+met)の融合タンパク質である。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用し、またポリペプチドをERに保持するためにKDEL保持シグナルを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図34(B))では、検討した全12クローンについて、総種子抽出物中にD9 scFV-Apo AI(+met)-KDEL融合タンパク質が、分子量が約63 kDaの位置に検出された。
Apo46
実施例1に示すように、Apo46(SEQ ID NO:99)は、D9 scFV抗体とpro-Apo AI(+met)の融合タンパク質である(klip8切断配列が2つの成分を隔てている)。このコンストラクトの種子特異的な発現には、ファゼオリンプロモーターおよびターミネーターを使用し、融合タンパク質の分泌経路への標的発現には、PRSシグナルペプチドを使用し、またポリペプチドをERに保持するためにKDEL保持シグナルを使用する。ポリクローナルApo AI抗体によるウェスタンブロット解析(図35(A))では、検討した11クローン中10クローンについて、総種子抽出物中にD9 scPV-klip8-pro-Apo AI(+met)KDEL融合タンパク質が、分子量が約64 kDaの位置に検出された。
実施例4
アポリポタンパク質の局在を調べるウェスタンブロット解析
油体の単離を、文献(van Rooijen & Moloney, 1995)に記載された手順を以下のように改変して実施した。簡単に説明すると、250 mgの乾燥成熟種子の表面を70%エタノールで滅菌処理し、滅菌水で2回洗浄し、リン酸緩衝液(100 mMリン酸緩衝液、pH 8、および0.5 M NaCl)で1回洗浄した。洗浄後に、解析目的で種子をリン酸緩衝液に再懸濁し、次に滅菌済みの乳鉢と乳棒を用いて破砕した。破砕後、試料を遠心用ボトルに移して遠心した(15分、10,000 g、RT)。遠心後に、油体を含む脂肪体を水相(AQ)から除去し、1.5 mL容の微量遠心用チューブに移した。油体を低ストリンジェンシーのリン酸緩衝液(100 mMリン酸緩衝液、pH 8、および0.5 M NaCl)に再懸濁した。試料を遠心し(15分、10,000 g、4℃)、下層を除去した。下層(PW)、およびリン酸洗浄油体(PO)を対象に、アポリポタンパク質の存在を調べた。次に油体を、高ストリンジェンシーの尿素緩衝液(8 M尿素、溶媒は100 mM炭酸ナトリウム緩衝液、pH 8)に再懸濁した。試料を遠心し(15分、10,000 g、4℃)、下層を除去した。下層(UW)、および尿素洗浄油体(UO)を対象に、アポリポタンパク質の存在を調べた。油体と結合するタンパク質を除去するために、油体を低ストリンジェンシーおよび高ストリンジェンシーの洗浄液で処理することに注目されたい。オレオシンは高ストリンジェンシーの洗浄に耐性を示し、油体画分とともに残存する。約250 mgの乾燥種子を、4 mLのミクロソーム破砕用緩衝液(0.5 Mショ糖、0.2 M Hepes-NaOH緩衝液、pH 7.4)中で、乳鉢と乳棒を用いて破砕することでミクロソーム画分(ER)をスラリー状として得た。このスラリーを遠心した(10,000 g、30分、4℃)。上清を新しいチューブに移し、再び遠心して(10,000 g、さらに30分、4℃)、油体を完全に除去した。次に上清を、スイング型のバケツローターを用いた超遠心器で遠心した(2時間、100,000 g、4℃)。ペレットをミクロソーム破砕用緩衝液で洗浄し、速やかに遠心し(5分、10,000 g)、10〜15μLのミクロソーム破砕用緩衝液に再懸濁して-20℃で保存した。
非標的型コンストラクト
図36Aに示すように、さまざまな画分中におけるプロ型のApo AI-GFP融合体(Apo11)および成熟型のApo AI-GFP融合体(Apo10)(追加的な標的化シグナルは含まない)を調べた。Apo10により、成熟型Apo AI-GFP融合タンパク質が全細胞画分に検出される一方で、リン酸緩衝液と洗浄した油体および尿素洗浄画分についてより多いタンパク質の蓄積が見られることが示される。この結果は、Apo10が、油体に対するある程度の親和性をもつ一方で、高ストリンジェンシーの洗浄が、油体表面からApo10を除去するのに十分であることを示唆している。Apo11により、天然のApo AIのプロ配列の存在が、Apo AI-GFP融合タンパク質を、プロペプチドが喪失する場合より多く油体画分を標的化すること、およびタンパク質が高ストリンジェンシーの洗浄を用いる場合であっても油体に結合した状態のままであることが示される。pro-Apo AIペプチドは、pro-Apo AIを油体表面に保持するために「アンカー形成(anchoring)」配列として作用すると考えられる。これらの画分には、分解産物である可能性がある多数の低分子量バンドを検出することができる。
油体を標的とするコンストラクト
Apo AI-GFP融合タンパク質と油体の、このパターンの強い結合は、油体を標的とするコンストラクトにも見られる場合がある(図36B)。プロ型Apo AI-GFP融合体(Apo13)および成熟型Apo AI-GFP融合体(Apo12)を、油体への標的化シグナルとして作用するオレオシンのC末端と、同じフレームで融合する。非標的型のpro-Apo AI-GFP融合体について既に述べたように、タンパク質は主に、リン酸および尿素で洗浄された油体画分と結合する。これらの画分には、多数の低分子量バンドも検出されることから、油体結合画分には、分解産物の蓄積につながる何らかの固有の性質があることがわかる。
分泌系を標的とするコンストラクト
タンパク質を分泌経路に標的化するPRSシグナルペプチド(Sijmons et al., 1990, Bio/technology, 8: 217-221)を、プロ型Apo AI-GFP(Apo16)および成熟型のApo AI-GFP(Apo15)の翻訳融合体に同じフレームで加えた(図37)。この操作は通常、融合タンパク質の、植物細胞の細胞外空間(アポプラスト)への分泌につながる。しかし、2つのコンストラクトの細胞画分を調べたところ、Apo AI-GFP融合タンパク質は全画分に検出され、また、より多くのタンパク質が油体画分に検出された。組換え融合タンパク質のバンドのサイズも、ポンソーS(Ponceau-S)染色されたイムノブロットを調べると油体画分中に観察可能である(図37、上のパネル)。Apo AIの天然のプロ配列の存在は、分泌型の融合タンパク質と特異的な細胞画分との結合を変化させないようであった。植物のプレ配列認識シグナル(PRS)ペプチドは、pro-Apo AIペプチドの「アンカー形成」特性に干渉するようである。
葉におけるApo AI-GFPの構成的発現
非標的型および分泌型のプロ型および成熟型のApo AI-GFPを構成的に発現する葉の組織を調べ、Apo AI-GFP融合タンパク質が非油脂産生組織に蓄積可能か否かを判定した。非標的型のプロ型(Apo18)および成熟型(Apo17)のApo AI-GFP、ならびに分泌型のプロ型(Apo20)および成熟型(Apo19)のApo AI-GFPを構成的に発現するトランスジェニック植物系列から、葉の組織を(実施例2に記載された手順で)ホモジナイズし、イムノブロットに使用した。葉の材料は、葉における発現の負の対照として野生型の植物体(c24)から、また葉における発現の正の対照としてUR2(ユビキチン誘導oleosin-GFP)植物体およびUG-14(ユビキチン誘導GFP)植物体からも採取した。同等量のタンパク質をSDS-PAGEで分離し、Apo AI-GFP融合タンパク質を、抗GFP抗体によるイムノブロッティングで検出した(図38の下のパネル)。
非形質転換系列に関しては薄いバンドが検出されたが、一方ユビキチン誘導GFP(UG-14)およびoleosin-GFP(UR2)融合体はいずれも、抗GFP抗体によるイムノブロット上に容易に検出される。しかし、膜のポンソーS染色(図38の上のパネル)に見られるように、同等量の葉のタンパク質をイムノブロットにロードしたが、どのApo AI-GFP融合タンパク質コンストラクトについてもバンドは検出できなかった。イムノブロットのバックグラウンドに検出された薄いバンドは、葉組織に存在する最も豊富なタンパク質であるルビスコ(Rubisco)との交差反応に起因する可能性がある(Spreitzer RJ & Salvucci ME (2002) Rubisco: structure, regulatory interactions, and possibilities for a better enzyme. Annu Rev Plant Biol 53: 449-475)(イムノブロットのポンソーSで染色されたパネルで、分子量マーカーから大きさ(55 kDa)として確認される)。
種子における非標的型および分泌型のApo AIの種子特異的な発現
総種子抽出物中にプロ型または成熟型のApoAIタンパク質のいずれかについて、ある程度の蓄積が見られた個々のT2世代のApo AIトランスジェニック植物体から、1つのトランスジェニック系列を選択した。推定トランスジェニック体の植物体の系列のうち、以下の1系列のみにタンパク質の発現が認められた:Apo21(非標的型の成熟型Apo AI)、Apo22(非標的型のプロ型Apo AI)、およびApo29(分泌型の成熟型Apo AI);2系列についてはApo30(分泌型のプロ型Apo AI)。コンストラクトApo23およびApo24を含む、全てのトランスジェニック植物体の系列は、oleosin-Apo AI融合タンパク質を発現して蓄積するようであった。同等量のタンパク質をSDS-PAGEで分離したところ、Apo AIタンパク質が抗Apo AI抗体によるイムノブロッティングで検出された(図39)。イムノブロットには、非形質転換植物体(c24)に由来する類似のタンパク質抽出物を調製することで、負の対照を含めた。単独で発現されたApo AIの正しいサイズのバンド(推定分子量は、成熟型Apo AIが28.3 kDa、またプロ型Apo AIが29.3 kDa)は、系列Apo22-3(非標的型のプロ型Apo AI)についてのみ認められた。Apo21-11(非標的型の成熟型Apo AI)について検出された主要なバンドは不正な大きさであり、またApo29-11(分泌型の成熟型Apo AI)とApo30-14(分泌型のプロ型Apo AI)についてはマイナーなバンドだけが検出されるが、正しいサイズのものは認められなかった。しかし、Apo23-11(oleosin-成熟型Apo AI)とApo24-6(oleosin-pro-Apo AI)の両方のオレオシン融合体に関しては、有意な量のApo AI融合タンパク質が抗Apo AI抗体によって検出され、またポンソーSで染色されたイムノブロットでも検出可能である(上のパネル)。
非標的型のApo AI(Apo22)のT3種子の細胞内局在
非標的型のApo AIタンパク質(Apo22)のプロ型の種子特異的な発現、および成熟種子における特異的な細胞画分との結合について調べた(図40)。種子をホモジナイズし、上述の手順で処理し、細胞画分を対象に、Apo AIに対する抗体によるイムノブロッティングを行った。Apo22-3については、天然のApo AIのプロ配列の存在が、Apo AIタンパク質を油体画分に標的化すること、またタンパク質を油体から除去するために、同タンパク質を高ストリンジェンシーで洗浄する必要があることがわかる。一部のタンパク質は、水相中にも検出されることから、必ずしも全てのpro-Apo AIタンパク質が油体と結合するわけではないことがわかる。これらの画分には、分解産物である可能性のある多数の低分子量バンドが検出可能である。
実施例5
アポリポタンパク質の局在の共焦点顕微鏡による観察
ピンセットと解剖顕微鏡を用いて、滅菌水中でApo AI-GFPの長角果から未成熟の胚を切除してペトリ皿で受けた。ガラス製の顕微鏡用スライドカバーを用いて、未成熟の種子に緩やかに圧力を加えて種皮から胚を取り出した。胚をピペットで1.5 mL容の微量遠心用チューブに移し、水を加えて最終容量を1 mLとした。ナイルレッド(Nile Red; Molecular Probes)を最終濃度が1μg/μLとなるように使用した。希釈済みのナイルレッド中の胚をそのまま15分間、暗条件で室温でインキュベートした。胚を滅菌水で3回洗浄し、ガラススライド上の水中にマウントして顕微鏡で観察した。葉の表皮細胞を、小さな葉片(0.5cm2)となるようにメスで簡単に切断して調製し、カバースリップを用いて顕微鏡用スライド上の水中にマウントした。葉の切片は、表皮下層が上向きになるように配した(自己蛍光性のクロロプラストによる干渉を抑えるため)。
顕微鏡による観察用に、水中にマウントされたシロイヌナズナの胚および葉の表皮細胞を対象に、全てのGFP依存性の蛍光を解析し、Zeiss LSM 510レーザー走査型共焦点顕微鏡(Edmonton, AB)で調べた。GFPとナイルレッドの同時検出に関しては、AOTF制御式の励起(488 nmおよび543 nmの光線)による系列連続的(line-sequential)なシングルトラッキングモードを、それぞれ20%および100%に設定した。Plan-Appochromat 63x/1.4 Oil DIC対物レンズを5倍のスキャンズームをとともに使用した。ピンホールは、チャネル2(緑)については94μmに、またチャネル1(赤)については106μmに最適化した。
結果として得られた顕微鏡写真を図42〜45に示す。非標的型のpro-Apo AI-GFP融合体(Apo11)とナイルレッドで染色された油体が共局在すること(黄色で表示)は図41(D〜F)から明らかである。Apo12(オレオシンを用いて油体へ標的化されるGFPと融合させた成熟型Apo AI)(図41のG〜I)と、Apo13(オレオシンを用いて油体へ標的化されるGFPと融合させたプロ型Apo AI)(図42のA〜C)の間にも共局在(黄色で表示)が認められる。非標的型のpro-Apo AI-GFP融合体(Apo18)とナイルレッドで染色された油体が共局在すること(黄色で表示)は明らかである(図43のD〜F)。Apo AI-GFP融合タンパク質(Apo19)と油体の共局在は観察されない(図43のG〜H)。図44では、葉における共局在は明瞭には認められない。結論として、油体標的(オレオシン)の非存在下では、Apo AIの共局在は胚(中性脂質の存在下)のみにおいて、またApo AIのプロペプチドが細胞質で発現されている場合(すなわち分泌されていない場合)にのみ観察される。
実施例6
Apo 25、26、および28を発現するシロイヌナズナ種子の切断およびHPLC解析
Apo25、Apo26、およびApo28組換えタンパク質の切断
油体の単離を、以下の改変を加えた文献(van Rooijen & Moloney, 1995)記載の手順で実施した。簡単に説明すると、250 mgの乾燥成熟種子の表面を70%エタノールで滅菌し、滅菌水で2回洗浄し、リン酸緩衝液(100 mMリン酸緩衝液、pH 8+0.5 M NaCl)で1回洗浄した。洗浄後に種子をリン酸緩衝液に再懸濁して解析用とし、続いて滅菌済みの乳鉢と乳棒を用いて破砕した。破砕後、試料を遠心用ボトルに移して遠心した(15分、10,000 g、RT)。遠心後に、油体を含む脂肪体を1.5 mL容の微量遠心用チューブに移し、尿素緩衝液(8 M尿素、溶媒は100 mM炭酸ナトリウム緩衝液 pH 8)に再懸濁した。試料を遠心し(15分、10,000 g、4℃)、下層を除去した。脂肪体を滅菌済みのddH2Oに再懸濁し、遠心し(15分、10,000 g、4℃)、下層を除去した。油体を50μLの滅菌済みのddH2Oに再懸濁し、暗条件で4℃で保存した。100 mMリン酸緩衝液(pH 4.5)を含む20μLの反応溶液中で、プロテアーゼ:油体タンパク質の最終比が1:100となるように37℃で2時間の切断反応を行った。試料反応は以下の通りとする:20μgの精製Apo25、Apo26、またはApo28を、2μLの1 Mリン酸緩衝液(pH 4.5;最終濃度100 mM)、2μLのキモシン(0.1_g/_l)と混合し、滅菌済みのddH2Oを添加して最終容量を20μLとした。2時間後に切断反応物を15分間遠心し、脂肪体から下層を除去し、各相を組換えタンパク質に関して解析した。
逆相クロマトグラフィーによるApo25、Apo26、およびApo28の精製
約1000μgのApo25、Apo26、またはApo28をキモシンで37℃で2時間かけて切断した。切断反応の完了後、反応物を遠心し(15分、10,000 g、4℃)、下層を回収した。脂肪体を尿素緩衝液(8 M尿素、溶媒は0.1 mM炭酸ナトリウム緩衝液、pH 8)に再懸濁し、再び15分間、遠心した。下層または洗浄液を回収し、洗浄をさらに3回繰り返し、下層をそのつど回収して15 mL容のFalconチューブにプールした。尿素による洗浄の終了後に、洗浄液のアリコートを1.5 mL容の微量遠心用チューブに移し、15分間、遠心して、混入性の油体残渣を除去した。下層を回収し、0.2ミクロンのフィルターを用いて新しい15 mL容のFalconチューブ中に濾過した。VYDAC 214TP54 C4シリカ5ミクロン(Grace Vydac, Anaheim, CA)を使用した逆相クロマトグラフィー用カラム(0.24×25 cm)を緩衝液A(10%アセトニトリルおよび0.1%トリフルオロ酢酸)で2 mL/分の流速で平衡化した。プールしたキモシン切断済みのApo25、Apo26、またはApo28の尿素処理下層をカラムにロードした。Apo AIの溶出には、0〜60%の緩衝液B(95%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸)の線形勾配をカラムにアプライした。Apo AI(US Biological、カタログ番号A2299-10)を、Apo25、Apo26、およびApo28の切断産物を比較する際の標準として使用した。画分19.6'〜20.8'(0.2'=各0.4 mL)を回収した。214 nm、254 nm、280 nm、および326 nmにおけるDADトレースの相対強度の比較から、19.5〜21.0'のゾーンに溶出された材料が、Apo AIポリペプチドである可能性が極めて高いことがわかる(図45A)。これらのピークは、0.020 mLの同じ試料の過去の注入と比較しても強度が大きかった。Apo25(oleosin-klip8-Apo AI(met+))に由来する切断産物を精製するために、7〜25(各1 mL)からキモシン処理画分を回収した。主要なポリペプチドピークは20.5'に認められ(図45B)、これは推定されるhApo AI標準よりちょうど0.2'遅い。Apo26(oleosin-klip8-pro-Apo AI(met+))の切断産物を精製するために、7〜25'(各1 mL)から画分を回収した。主要ポリペプチドピークは18'に認められ(図45C)、これは推定されるhApo AI標準より2.4'早い。Apo28(oleosin-klip8-pro-Apo AI)の切断産物を精製するために、7〜25'(各1 mL)から画分を回収した。主要なポリペプチドピークは18'に認められる(図45D)。これは、推定されるhApo AI標準より2.4'早いが、Apo26の場合と同等である。
質量分析
質量スペクトルは、Applied Biosystems社製のVoyager-DE STRマトリックス支援レーザー脱離イオン化時間飛行型(MALDI-TOF)質量分析装置で、Doug Olson(National Research Council of Canada, Plant Biotechnology Institute BioAnalytical Spectroscopy Group, Saskatoon, SK)によって得られた。試料をOPI-TOF LC MALDI Insert(Applied Biosystems, Foster City, CA)に、30%アセトニトリル/70%水/0.1% TFAに飽和したシナピン酸のマトリックスを用いてスポットした。イオンを+20 kVに加速し、質量をリニアモードで、ウマ心臓ミオグロブリンを外部校正用標準(external calibrant)として用いて検出した。精製済みの組換え成熟型Apo25タンパク質を対象とした電気スプレーイオン化質量分析では、計算された分子量(28,319 Da)より6 Da大きい28,325 Daの分子量が得られた。この観察値と推定値の差は、試料が限られていて、ノイズに対するシグナルの比の低下、および精度の低下につながったことが理由である可能性がある。成熟型Apo AIの推定分子量は28,187 Daであるが、追加Met残基の存在のために、切断後の組換え成熟型Apo AIタンパク質は分子量が増えている。精製後の標準hApo AIタンパク質も質量分析で解析し、2本の異なるピークが25,969 Daと22,815 Daに認められた。これらの観察値はいずれも、推定値(28,187 Da)より有意に小さい。しかし、この2つの主要な分子量の低さは、イムノブロットで過去に観察されている。この分子量の減少は、RP-HPLCで認められた、ヒトの、また組換えタンパク質の溶出プロファイルのわずかな差をもたらす可能性が高い。
実施例7
ベニバナの形質転換
この形質転換プロトコルは、文献(Orlilcowska T.K. et al. (1995)Plant Cell, Tissue and Organ Culture 40: 85-91)に記載されたプロトコルと同等であるが、S-317の形質転換段階に関して、また選択マーカーとしてフォスフィノスリシンを使用する点に関して改変および改善が施されている。破損しておらず、クラックが入っておらず、または病気ではないベニバナのS-317 California種に由来する種子を、0.1% HCl2で12分間かけて除洗した後に、滅菌済みの蒸留水による4〜5回の洗浄を行う。1%ショ糖および0.25% Gelriteを添加したMS培地(Murashige T. & Skoog F (1962)Physiol. Plant. 15: 473-497)で、滅菌済みの種子を暗所で発芽させる。アグロバクテリウムの培養を、5 mlのAB最小液体培地中の凍結グリセロールストックから抗生物質選択により開始し、28℃で48時間、成長させる。この培養物の一部のアリコートを、形質転換体の選択用に5 mLのルリアブロス中で一晩、成長させる。6〜8 mLの細菌細胞をAB培地で2回洗浄し、最終細胞濃度を0.4〜0.5(OD600)に合わせる。
発芽した実生から2日齢の子葉を採取し、調製済みのアグロバクテリウム細胞に浸し、3%ショ糖、4μMのN6-ベンジルアデニン(BA)、および0.8μMナフタレンジスルホン酸(NAA)を添加したMS培地にプレーティングする。プレートを暗条件で21℃でインキュベートする。3日後に、300 mg/LのTimentinを添加した同じ培地に移す。さらに4日後、全培養物を明条件に移す。3日後に、外植片を、フォスフィノスリシンが0.5μg/Lで添加された選択用培地に移す。芽の伸長が進行中の場合は、外植片を毎週、植物ホルモンを含まないがKNO3を基礎量の量を2倍含むMS培地に移す。初期外植片から10 mm以上に伸長したシュートを切除し、選択用培地で個別に成長させる。発根に関しては、推定トランスジェニック組織である緑色のシュートを、2%ショ糖、10μMインドール酪酸、および0.5μM NAAを添加したMS培地に移す。根形成の見られるシュートを、充分に水抜きした無土壌栽培用混合物(soil-less mix)に移し、高湿度で12時間の明条件で成長させる。
実施例8
アマの形質転換プロトコル
この形質転換の手順は、3つの文献(Dong J. and McHughen A. Plant Cell Reports (1991) 10: 555-560、Dong J. and McHughen A. Plant Sciences (1993) 88: 61-71、およびMlynarova et al. Plant Cell Reports (1994) 13: 282-285)に記載された方法とほぼ同じである。破損しておらず、クラックが入っておらず、または病気ではないアマの種子を70%エタノール溶液で5〜7分間、除洗した後に、25分間、Tween 20(3〜4滴/100 ml)を添加した50%漂白液で連続的に攪拌しながら洗浄する。種子を滅菌済みの蒸留水で5〜7回洗浄する。除洗済みの種子を明条件で、マジェンタ瓶内の2%ショ糖および0.3% Gelrite(登録商標)を添加したMS培地(Murashige T. & Skoog F (1962) Physiol. Plant. 15: 473-497)上で発芽させる。形質転換に関しては、アグロバクテリウム培養物を一晩、選択用の適切な抗生物質を添加したABブロス中で成長させる。6〜8 mLの一晩培養細胞をABブロスで2回洗浄し、5 mlのABブロスに再懸濁する。このストック(2 mL)を98 mLの誘導用培地(3%ショ糖、5 μM 6-ベンジルアミノプリン(BA)、および0.25μMアルファ-ナフタレン酢酸(NAA)を添加したMS基礎培地)に添加し、最終OD600値を1.0に調整する。
子葉外植片を切り、調製済みのアグロバクテリウム細胞溶液に約4時間浸して感染させる(この間、プレートを緩やかに1〜2回揺らす)。感染期間後に、液体植菌用培地から外植片を取り出し、滅菌済みの濾紙にブロットする。15〜20個の外植片を、組織培養プレート上の、0.7%寒天で固化した誘導用培地に移す。プレートをプラスチックラップで密封し、外植片を明条件(23〜24 ℃)で48時間、共培養する。2日後に、緑色の成長点外植片を、300 mg/LのTimentinを含む同じ培地(前選択用培地)に移し、プラスチックラップで密封する。3日後に培養物を、10 mg/LのDL PPTを含む上記の培地に移す(選択1)。プレートをパラフィルム(登録商標)で密封し、明条件で24℃でインキュベートする。培養物を2週間ごとに同培地に移して1か月間維持する。シュートの伸長に関しては、培養物を2週間毎に、マジェンタ瓶内の選択用培地II(2%ショ糖、500 mg/L MES緩衝液、300 mg/L Timentin、および10 mg/L DL PPTを含むMS基礎培地)に移す。選択で死滅しなかった推定形質転換シュートは暗い緑色をしており、選択II培地に個別に移植する頃には、活発な根を7〜10日以内に形成する。根形成の見られるシュートを、小型ポット内の滅菌済みの温室用土壌混合物に移し、植物体を透明なプラスチック製カップで覆って馴化する。成熟に関しては、活発に成長中の植物体を、充分に水抜きをした土壌混合物を詰めた1ガロンのポットに移し、温室条件で成長させる。
本発明を、好ましい実施例であると現時点で見なされる要件を参照して説明したが、本発明は、開示された実施例に制限されないと理解される。むしろ本発明は、添付の特許請求項の趣旨および範囲に含まれる、さまざまな修飾および同等の処理が適用されることが意図される。
全ての出版物、特許、および特許出願は、個々の出版物、特許、または特許出願が具体的かつ個別に参照により本明細書に全体が組み入れられると示唆されているのと同様に、全体が同じ程度で参照されることで、本明細書に組み入れられる。
(表1)既知のアポリポタンパク質の配列の例
Figure 2007510420
Figure 2007510420
(表2)既知のアポリポタンパク質の変異および修飾の例
Figure 2007510420
Figure 2007510420
(表3)既知の油体タンパク質の配列の例
Figure 2007510420
Figure 2007510420
Figure 2007510420
本発明を、添付の図面に関して説明する。
ヒトのアポリポタンパク質A-I(Apo AI)(Dr. Norman Wong, Calgary Albertaから供与)(アクセッション番号NM_000039)のヌクレオチド配列(SEQ ID NO:1)および推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:2)を示す。太字で示す残基はプレ配列のシグナルペプチドを示し、下線を付した残基はプロ配列を示す。 天然のバリアントであるApo AIMilano(R173C)のヌクレオチド配列(SEQ ID NO:3)および推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:4)を示す。太字/斜体字の残基は変異アミノ酸を示す。 天然のバリアントApo AI Paris(R151C)のヌクレオチド配列(SEQ ID NO:5)および推定アミノ酸配列(SEQ ID NO:6)を示す。太字/斜体字の残基は変異アミノ酸を示す。 シロイヌナズナのトランスジェニック植物体におけるアポリポタンパク質Apo AIの発現用に作製された全バイナリコンストラクトの略図を示す。(A)植物細胞の細胞質を標的とするコンストラクトを示す。(B)植物細胞の油体を標的とするコンストラクトを示す。(C〜E)分泌経路を標的とするコンストラクトを示す。(DおよびE)小胞体に保持される追加的なKDEL配列を含む可能性のあるコンストラクトを示す。(D)Apo AIのプロ配列または成熟型Apo AIを含むコンストラクトを示す。(E)pro-Apo AIまたは成熟型Apo AIの放出用の切断可能な配列を含むコンストラクトを示す。各コンストラクトに含まれるプロモーターの型、シグナルペプチド、およびコード配列を凡例に記載した。 Apo AI-GFP翻訳融合コンストラクトに使用されるGFPのコード領域のクローニング戦略の略図を示す。 Apo AIおよび種子特異的なApo AI-GFP翻訳融合コンストラクトのプロ型および成熟型のコード領域のクローニング戦略の略図を示す。 Apo AI-GFPの種子特異的な細胞質および油体ベースの標的化のためにアグロバクテリウムEHA101細胞を形質転換するために使用されるバイナリベクターの作製のクローニング戦略の略図を示す。成熟型およびプロ型のApo AI-GFPをそれぞれ含むApo10およびApo11は細胞質に標的化される。プロ型および成熟型のApo AI-GFP翻訳融合体をそれぞれ含むApo12およびApo13は油体に標的化される。 Apo AI-GFPの種子特異的な分泌経路への標的化のためにアグロバクテリウムEHA101細胞を形質転換するために使用されるバイナリベクターの作製のクローニング戦略の略図を示す。成熟型およびプロ型のApo AI-GFP翻訳融合体をそれぞれ含むApo15およびApo16は分泌経路に標的化される。 Apo AI-GFPの構成的な細胞質への標的化のためにアグロバクテリウムEHA101細胞を形質転換するために使用されるバイナリベクターの作製のクローニング戦略の略図を示す。成熟型およびプロ型のApo AI-GFP翻訳融合体をそれぞれ含むApo17およびApo18aは細胞質に標的化される。 Apo AI-GFPの構成的な細胞質への標的化のためのクローニング戦略の略図を示す。pro-Apo AI-GFP翻訳融合体を含むApo18bは細胞質に標的化される。 Apo AIのプロ型および成熟型のコード領域、ならびにApo AI-GFP翻訳融合タンパク質の構成的発現のクローニング戦略の略図を示す。 Apo AI-GFPの構成的な分泌経路への標的化のためにアグロバクテリウムEHA101細胞の形質転換に使用されるバイナリベクターの作製のクローニング戦略の略図を示す。成熟型およびプロ型のApo AI-GFP翻訳融合体をそれぞれ含むApo19およびApo20は分泌経路に標的化される。 Apo AIの成熟型のコード領域のクローニング戦略の略図を示す。Apo21は細胞質への種子特異的な標的化用であり、Apo23は油体への種子特異的な標的化用であり、Apo25は油体への種子特異的な標的化および切断配列klip8による精製用であり、またApo29は分泌経路への種子特異的な標的化用である。 プロ型のApo AIのコード領域のクローニング戦略の略図を示す。Apo22は細胞質への種子特異的な標的化用であり、Apo24は油体への種子特異的な標的化用であり、Apo30は分泌経路への種子特異的な標的化用であり、またApo26は油体への種子特異的な標的化および切断配列klip8による精製用である。 内部のXhoI切断部位が除去され、またKDELシグナルペプチドを含む、プロ型のApo AIのコード領域のクローニング戦略の略図を示す。Apo27は、オレオシンとの同フレーム融合体としての油体への種子特異的な標的化用である。Apo31およびApo35はいずれも分泌経路に輸送される。Apo31およびApo35は、オレオシン抗体D9と同じフレームで融合されており、またApo35は、KDELシグナルペプチドのために小胞体に蓄積する。 プロ型のApo AIMilanoのコード領域のクローニング戦略の略図を示す。Apo AIMilanoの油体への種子特異的な標的化用のApo27Mは、オレオシンとの同じフレームの融合体である。 内部のXhoI切断部位が除去されたプロ型のApo AIのコード領域のクローニング戦略の略図を示す。Apo28は油体へ標的化され、またklip8配列で切断されることができる。Apo32は、オレオシン抗体D9と同じフレームで融合しており、Apo AIを分泌経路に標的化する。 コード領域の開始部位に追加的なMet残基を含み、内部のXhoI切断部位が除去された、Apo AIのプロ型および成熟型のコード領域のクローニング戦略の略図を示す。分泌経路に標的化されるApo34(プロ型Apo AI)およびApo33(成熟型Apo AI)は、オレオシン抗体D9と同じフレームで融合される。 KDELシグナルペプチドを含む内部のXhoI切断部位を有するプロ型のApo AIのコード領域のクローニング戦略の略図を示す。分泌経路に標的化されるApo36は、オレオシン抗体D9と同じフレームで融合され、KDELシグナルペプチドのために小胞体に蓄積する。 コード領域の開始部位に追加的なMet残基を含み、内部のXhoI切断部位が除去され、KDELシグナルペプチドを含む、Apo AIのプロ型および成熟型のコード領域のクローニング戦略の略図を示す。分泌経路に標的化されるApo38およびApo37は、オレオシン抗体D9と同じフレームで融合され、KDELシグナルペプチドのために小胞体に蓄積する。 Apo AIのプロ型および成熟型のコード領域およびプロテアーゼ切断部位のクローニング戦略の略図を示す。分泌経路に標的化されるApo43、Apo44、Apo39、およびApo40は、オレオシン抗体D9と同じフレームで融合している。Apo43およびApo44は、KDELシグナルペプチドのために小胞体に蓄積する可能性がある。 コード領域の開始部位に追加的なMet残基を、またプロテアーゼ切断部位を含む、Apo AIのプロ型および成熟型のコード領域のクローニング戦略の略図を示す。分泌経路に標的化されるApo42、Apo46、Apo41、およびApo45は、オレオシン抗体D9と同じフレームで融合される。Apo46およびApo45は、KDELシグナルペプチドのために小胞体に蓄積すると考えられる。 コード領域の開始部位に追加的なMet残基を、またプロテアーゼ切断部位を含む、Apo AIの成熟型のコード領域のクローニング戦略の略図を示す。Apo47は、油体へ標的化させるために、トウモロコシのオレオシンと同じフレームで融合される。 ポリクローナルApo AI抗体による、総葉タンパク質(A)(25μg)と総種子タンパク質(B)(50μg)のウエスタン解析を示す。Apo17はubi-mat-Apo AI-GFPコンストラクトである。c24の葉のタンパク質(25μg)および種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総葉タンパク質(A)(25μg)と総種子タンパク質(B)(50μg)のウエスタン解析を示す。Apo18aはubi-pro-Apo AI-GFPコンストラクトである。c24の葉のタンパク質(25μg)および種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総葉タンパク質(A)(25μg)と総種子タンパク質(B)(50μg)のウエスタン解析を示す。Apo19はubi-PRS-mat-Apo AI-GFPコンストラクトである。c24の葉のタンパク質(25μg)および種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総葉タンパク質(A)(25μg)と総種子タンパク質(B)(50μg)のウエスタン解析を示す。Apo20はubi-PRS-pro-Apo AI-GFPコンストラクトである。c24の葉のタンパク質(25μg)および種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルGFP抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo10はpha-mat-Apo AI-GFPコンストラクトである。(B)Apo11はpha-pro-Apo AI-GFPコンストラクトである。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、200 ngの精製GFPタンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルGFP抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo12はpha-oleosin-mat-Apo AI-GFPコンストラクトである。(B)Apo13はpha-oleosin-pro-Apo AI-GFPコンストラクトである。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、200 ngの精製GFPタンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルGFP抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo15はpha-PRS-mat-Apo AI-GFPコンストラクトである。(B)Apo16はpha-PRS-pro-Apo AI-GFPコンストラクトである。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、200 ngの精製GFPタンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo21はpha-mat-Apo AIである。(B)Apo22はpha-pro-Apo AIである。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo23はpha-oleo-mat-Apo AIである。(B)Apo24はpha-oleo-pro-Apo AIである。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo25はpha-oleo-klip8-mat-Apo AI(+Met)である。(B)Apo26はpha-oleo-klip8-pro-Apo AI(+Met)である。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo28はpha-oleo-klip8-pro-Apo AIである。(B)Apo29はpha-PRS-mat-Apo AIである。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo30はpha-PRS-pro-Apo AIである。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo32はpha-PRS-D9 scFv-pro-Apo AIである。(B)Apo33はpha-PRS-D9 scFv-mat-Apo AI(+met)である。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo34はpha-PRS-D9 scFv-pro-Apo AI(+met)である。(B)Apo35はpha-PRS-D9 scFv-mat-Apo AI-KDELである。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo36はpha-PRS-D9 scFv-pro-Apo AI-KDELである。(B)Apo37は、pha-PRS-D9 scFv-mat-Apo AI(+met)-KDELである。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo38はpha-PRS-D9 scFv-pro-Apo AI(+met)-KDELである。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。(B)Apo 29はpha-PRS-D9 scFv-KLIP8-Apo AIである。野生型の種子のタンパク質を負の対照として使用し、正常なヒト血漿(US Biologicals)に由来する3μgのヒトApo AIを正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo40はpha-PRS-D9 scFv-klip8-pro-Apo AIである。(B)Apo41はpha-PRS-D9 scFv-klip8-mat-Apo AI(+met)である。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo42はpha-PRS-D9 scFv-klip8-pro-Apo AI(+met)である。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo44はpha-PRS-D9 scFv-klip8-pro-Apo AI-KDELである。(B)Apo45はpha-PRS-D9 scFv-klip8-mat-Apo AI(+met)である。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 ポリクローナルApo AI抗体による、総種子タンパク質(50μg)のウエスタン解析を示す。(A)Apo46はpha-PRS-D9 scFv-klip8-pro-Apo AI(+Met)-KDELである。c24の種子のタンパク質(50μg)を負の対照として使用し、0.5μgのヒト血清タンパク質を正の対照として使用した。 種子由来の特定の細胞画分と結合する非標的型、および油体を標的とするApo AI-GFPの検討を示す。ポリクローナルApo AI抗体による、ならびに水相画分(AQ)、油体のリン酸洗浄液(PW)および尿素洗浄液(UW)(POおよびUOにはそれぞれ、約20μgの総油体タンパク質を使用)、ならびに成熟種子由来のミクロソーム画分(ER)から単離された、ほぼ等量の総タンパク質(50μg)によるウェスタンブロット解析を示す。イムノブロットのポンソーS(Ponceau-S)染色から、ゲルにロードされた相対タンパク質量がわかる(上のパネル)。ヒト血清(0.5μg)をApo AI発現の正の対照として使用した。(A)Apo10はApo AI-GFPである。Apo11はpro-Apo AI-GFPである。(B)Apo12はoleosin-Apo AI-GFPであり、Apo13はoleosin-pro-Apo AI-GFPである。 種子由来の特異的な細胞画分と結合する分泌型のプロ型および成熟型のApo AI-GFPの検討を示す。抗Apo AI抗体による、ならびに水相画分(AQ)、油体のリン酸洗浄液(PW)、および尿素洗浄液(UW)(POおよびUOにはそれぞれ、約20μgの総油体タンパク質を使用)、ならびに成熟種子由来のミクロソーム画分から(ER)単離されたほぼ等量の総タンパク質(50μg)によるウェスタンブロット解析を示す。イムノブロットのポンソーS染色から、ゲルにロードされた相対タンパク質量がわかる(上のパネル)。ヒト血清(0.5μg)をApo AI発現の正の対照として使用した。Apo15はPRS-Apo AI-GFPである。Apo16はPRS-pro-Apo AI-GFPである。 葉におけるApo AI-GFP翻訳融合コンストラクトの構成的発現。抗GFP抗体による、および葉から単離されたほぼ等量の総タンパク質(50μg)によるウェスタンブロット解析を示す。イムノブロットのポンソーS染色から、ゲルにロードされた相対タンパク質量がわかる(上のパネル)。野生型(c24)の植物体をGFP発現の負の対照として使用した。精製GFPタンパク質(200 ng)をGFPに対する正の対照として使用した。UG-14およびUR2を、葉におけるGFPタンパク質の蓄積の正の対照として含める。推定重量は以下の通りである:Apo17=55.4 kDa;Apo18=56.4 kDa;Apo19=58.3 kDa;Apo20=59.3 kDa;UG-14=26.8 kDa;UR2=50 kDa。 種子における非標的型および分泌型のApo AIの種子特異的な発現。抗Apo AI抗体による、および成熟種子から単離されたほぼ等量の総タンパク質(50μg)によるウェスタンブロット解析を示すを示す。イムノブロットのポンソーS染色から、ゲルにロードされた相対タンパク質量がわかる(上のパネル)。野生型(c24)の植物体をApo AI発現の負の対照として使用した。ヒト血清(0.5μg)をApo AI発現の正の対照として使用した。推定重量は以下の通りである:Apo21=28.3 kDa;Apo22=29.32 kDa;Apo23=46.9 kDa;Apo24=47.8 kDa;Apo25=51.5 kDa;Apo26=52.5 kDa;Apo27=51.3 kDa;Apo28=52.3 kDa;Apo29=31.3 kDa;Apo30=32.2 kDa。 Apo22-3(非標的型のpro-Apo AI)のT3世代の種子の細胞内画分の検討を示す。抗Apo AI抗体による、ならびに成熟種子由来の水相画分(AQ)、油体のリン酸洗浄液(PW)、ならびに尿素洗浄液(UW)から単離されたほぼ等量の総タンパク質(50μg)(POおよびUOにはそれぞれ、約20μgの総油体タンパク質を使用)によるウェスタンブロット解析。イムノブロットのポンソーS染色から、ゲルにロードされた相対タンパク質量がわかる(上のパネル)。ヒト血清(0.5μg)をApo AI発現の正の対照として使用した。分子量サイズは左側に示す。 後期の子葉期の胚細胞(ナイルレッド(Nile Red)で染色)で発現されたApo AI-GFPの種子特異的なコンストラクトの共焦点顕微鏡写真を示す。(A〜C)Apo10は、GFPを融合させた非標的型の成熟型Apo AIである。(D〜F)Apo11は、GFPを融合させた非標的型のpro-Apo AIである。(G〜I)Apo12は、オレオシンを用いて油体へ標的化する、GFPを融合させた成熟型のApo AIである。(カラム1)緑色チャネル。(カラム2)赤色チャネル。(カラム3)合成チャネル。バー=5μm。 後期の子葉期の胚細胞で発現されるApo AI-GFPの種子特異的なコンストラクト(ナイルレッドで染色)の共焦点顕微鏡写真を示す。(A〜C)Apo13は、オレオシンを用いて油体へ標的化する、GFPを融合させたpro-Apo AIである。(D〜F)Apo15は、分泌経路に標的化される、GFPを融合させた成熟型Apo AIである。(G〜I)Apo16は、分泌経路を標的とする、GFPを融合させたpro-Apo AIである。(カラム1)緑色チャネル。(カラム2)赤色チャネル。(カラム3)合成チャネル。バー=5μm。 後期の子葉期の胚細胞で構成的に発現される非標的型および分泌型のApo AI-GFP融合タンパク質(ナイルレッドで染色)の共焦点顕微鏡写真を示す。(A〜C)Apo17は、GFPを融合させた非標的型の成熟型のApo AIである。(D〜F)Apo18は、GFPを融合させた非標的型のpro-Apo AIである。(G〜H)Apo19は、分泌経路を標的とする、GFPを融合させた成熟型のApo AIである。(J〜L)Apo20は、分泌経路を標的とする、GFPを融合させたpro-Apo AIである。(カラム1)緑色チャネル。(カラム2)赤色チャネル。(カラム3)合成チャネル。バー=5μm。 葉の表皮細胞で発現されるApo AI-GFP構成的コンストラクトの共焦点顕微鏡写真を示す。(A〜C)Apo17は、GFPを融合させた非標的型の成熟型のApo AIである。(D〜F)Apo18は、GFPを融合させた非標的型のpro-Apo AIである。(G〜H)Apo19は、分泌経路を標的とする、GFPを融合させた成熟型のApo AIである。(J〜L)Apo20は、分泌経路を標的とする、GFPを融合させたpro-Apo AIである。(カラム1)緑色チャネル。(カラム2)赤色チャネル。(カラム3)合成チャネル。バー=5μm。 逆相クロマトグラフィーによる、Apo25、Apo26、およびApo28の精製を示す。(A)ApoAI標準のHPLCトレースを示す。(B)Apo25のHPLCトレースを示す。(C)Apo26のHPLCトレースを示す。(D)Apo28のHPLCトレースを示す。使用した個々の波長は、214 nm、254 nm、280 nm、および326 nmである。
配列の概要
SEQ ID NO:1および2はそれぞれ、ヒトのpro-Apo AIタンパク質のヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:3および4はそれぞれ、ヒトのApo AI Milanoタンパク質のヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:5および6はそれぞれ、ヒトのApo AI Parisタンパク質のヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:1、7、および8は、表1に記載された既知のヒトのアポリポタンパク質の配列である。
SEQ ID NO:9〜24は、表1に記載された既知のアポリポタンパク質A-Iの配列である。
SEQ ID NO:25〜34は、表1に記載された既知のアポリポタンパク質A-IVの配列である。
SEQ ID NO:35〜55は、表1に記載された既知のアポリポタンパク質Eの配列である。
SEQ ID NO:56は、シロイヌナズナのチオレドキシンの核酸配列を示す。
SEQ ID NO:57は、可溶性の緑色蛍光タンパク質の核酸配列を示す。
SEQ ID NO:58は、PRSシグナル配列のアミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:59〜116は、表3に記載された既知のオレオシン油体タンパク質の配列である。
SEQ ID NO:117〜129は、表3に記載された既知のカレオシン油体タンパク質の配列である。
SEQ ID NO:130〜137は、表3に記載された既知のステロレオシン油体タンパク質の配列である。
SEQ ID NO:138は、既知のシロイヌナズナのオレオシン油体タンパク質の配列を示す。
SEQ ID NO:139は、既知のアブラナのオレオシン油体タンパク質の配列を示す。
SEQ ID NO:140は、既知のシロイヌナズナのカレオシン油体タンパク質の核酸配列を示す。
SEQ ID NO:141は、既知のシロイヌナズナのカレオシン油体タンパク質の核酸配列を示す。
SEQ ID NO:142は、既知のステロレオシン油体タンパク質の核酸配列を示す。
SEQ ID NO:143は、klip8切断配列のヌクレオチド配列を示す。
SEQ ID NO:144および145はそれぞれ、Apo10クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:146は、フォワードプライマー1186のヌクレオチド配列を示す。この配列は、GFPの5'領域に相補的で、NcoI切断部位を除去するように設計されている。
SEQ ID NO:147は、リバースプライマー1187のヌクレオチド配列を示す。この配列は、GFPの3'領域に相補的で、停止コドンの後方にPstI、XbaIおよびHindIII切断部位を加えるように設計されている。
SEQ ID NO:148は、フォワードプライマー1190のヌクレオチド配列を示す。この配列は、成熟型Apo AIの5'領域に相補的で、遺伝子の開始部位にNcoI切断部位を加えるように設計されている。
SEQ ID NO:149は、リバースプライマー1189のヌクレオチド配列を示す。この配列は、成熟型Apo AIの5'領域に相補的で、GFPとの同じフレームでの翻訳融合体の作製を支援するために、遺伝子の停止コドンを除去してBamHI切断部位を加えるように設計されている。
SEQ ID NO:150および151はそれぞれ、Apo11クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:152は、フォワードプライマー1191のヌクレオチド配列を示す。この配列は、pro-Apo AIの5'領域に相補的で、遺伝子の開始部位にNcoI切断部位を加えるように設計されている。
SEQ ID NO:153および154はそれぞれ、Apo12クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:155および156はそれぞれ、Apo13クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:157および158はそれぞれ、Apo15クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:159および160はそれぞれ、Apo16クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:161および162はそれぞれ、Apo17クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:163および164はそれぞれ、Apo18クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:165および166はそれぞれ、Apo19クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:167は、フォワードプライマー1177のヌクレオチド配列を示す。この配列は、PRS/Apo AI(クローンApo15)の5'領域に相補的で、開始コドンにBspHI切断部位を含む植物のプレ配列(PRS)の開始部位を増幅するように設計されている。
SEQ ID NO:168は、リバースプライマー1178のヌクレオチド配列を示す。この配列、Apo AIの3'領域に相補的で、GFPとの同じフレームでの翻訳融合体の作製を支援するために、遺伝子の停止コドンを除去してBamHI切断部位を加えるように設計されている。
SEQ ID NO:169および170はそれぞれ、Apo20クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:171および172はそれぞれ、Apo21クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:173は、フォワードプライマー1203のヌクレオチド配列を示す。この配列は、Apo AIの5'領域に相補的で、成熟型Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加えるように設計されている。
SEQ ID NO:174は、リバースプライマー1206のヌクレオチド配列を示す。この配列は、Apo AIの3'領域に相補的で、停止コドンの後方にHindIII切断部位を加えるように設計されている。
SEQ ID NO:175および176はそれぞれ、Apo22クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:177は、フォワードプライマー1201のヌクレオチド配列を示す。この配列は、pro AIの5'領域に相補的で、pro-Apo AIの開始部位にNcoI切断部位を加えるように設計されている。
SEQ ID NO:178および179はそれぞれ、Apo23クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:180および181はそれぞれ、Apo24クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:182および183はそれぞれ、Apo25クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:184および185はそれぞれ、Apo26クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:186および187はそれぞれ、Apo27クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:188は、フォワードプライマー1200のヌクレオチド配列を示す。この配列は、成熟型Apo AIの5'領域に相補的で、klip8切断配列への同じフレームでのクローニングを容易にするために、pro-Apo AIの開始部位にXhoI切断部位および追加のヌクレオチドを加えるように設計されている。
SEQ ID NO:189および190はそれぞれ、Apo27Mクローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:191は、フォワードプライマー1202のヌクレオチド配列を示す。この配列は、ヒトApo AIの5'領域に相補的で、ヒトApo AI配列を増幅し、klip8切断配列との同じフレームでのクローニングを容易にするために、mat-Apo AIの開始部位にXhoI切断部位および追加のヌクレオチドを加えるように設計されている。
SEQ ID NO:192は、Arg残基をCys残基に変えることでApo-Milano変異を作製するためにC→Tの塩基対変異を導入する平滑末端のプライマーである、フォワードプライマー1225のヌクレオチド配列を示す。
SEQ ID NO:193および194はそれぞれ、Apo28クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:195は、フォワードプライマー1205のヌクレオチド配列を示す。この配列は、pro-Apo AIIの5'領域に相補的で、第1のXhoI切断部位を除去するためにサイレント変異を加える平滑末端のプライマーとなるように設計されている。
SEQ ID NO:196および197はそれぞれ、Apo29クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:198および199はそれぞれ、Apo30クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:200および201はそれぞれ、Apo31クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:202および203はそれぞれ、Apo32クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:204および205はそれぞれ、Apo33クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:206および207はそれぞれ、Apo34クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:208および209はそれぞれ、Apo35クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:210は、リバースプライマー1208のヌクレオチド配列を示す。この配列は、pro-Apo AIの3'領域に相補的で、停止コドンの前方にKDEL配列を、また停止コドンの後方にHindIII切断部位を加えるように設計されている。
SEQ ID NO:211および212はそれぞれ、Apo36クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:213および214はそれぞれ、Apo37クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:215および216はそれぞれ、Apo38クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:217および218はそれぞれ、Apo39クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:219は、フォワードプライマー1207のヌクレオチド配列を示す。この配列は、klip8切断配列の5'領域に相補的で、klip8配列の開始部位を増幅して開始コドンにSalI切断部位を加えるように設計されている。
SEQ ID NO:220および221はそれぞれ、Apo40クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:222および223はそれぞれ、Apo41クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:224および225はそれぞれ、Apo42クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:226および227はそれぞれ、Apo43クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:228および229はそれぞれ、Apo44クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:230および231はそれぞれ、Apo45クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:232および233はそれぞれ、Apo46クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:234および235はそれぞれ、Apo47クローンのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:236は、フォワードプライマー1226のヌクレオチド配列を示す。この配列は、トウモロコシのオレオシンの配列の5'領域に相補的で、トウモロコシのオレオシンの配列を増幅して、開始コドンにNcoI切断部位を加えるように設計されている
SEQ ID NO:237は、フォワードプライマー1227のヌクレオチド配列を示す。この配列は、トウモロコシのオレオシンの配列の3'領域に相補的で、klip8/matApo AIとの同じフレームでの翻訳融合体の作製を支援するために、トウモロコシのオレオシンを増幅し、遺伝子の停止コドンを除去してHindIII切断部位を加えるように設計されている
SEQ ID NO:238は、フォワードプライマー1228のヌクレオチド配列を示す。この配列は、Apo25クローンの5'領域に相補的で、Apo25の配列を増幅して開始コドンにSalI切断部位を加えるように設計されている。
SEQ ID NO:239は、リバースプライマー1229のヌクレオチド配列を示す。この配列は、Apo25クローンの3'領域に相補的で、Apo25の配列を増幅して停止コドンの後方にBamHI切断部位を加えるように設計されている。
SEQ ID NO:240は、1本鎖抗体D9scFvのアミノ酸配列を示す。
SEQ ID NO:241〜251は、表1に記載された既知のアポリポタンパク質AVの配列である。

Claims (49)

  1. 以下の段階を含む、植物におけるアポリポタンパク質の発現法:
    (a)使用可能に連結された成分として5'→3'の転写方向に(i)植物細胞における発現を制御可能である核酸配列;および(ii)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列を含むキメラ核酸コンストラクトを提供する段階;
    (b)キメラ核酸コンストラクトを植物細胞に導入する段階;ならびに
    (c)植物細胞を、アポリポタンパク質を発現する成熟植物体に成長させる段階。
  2. 核ゲノムへの組込み条件でキメラ核酸配列を植物細胞に導入する、請求項1記載の方法。
  3. 植物細胞が種子の細胞である、請求項1または2記載の方法。
  4. 植物細胞における発現を制御可能である核酸配列が、種子に好ましいプロモーターである、請求項1、2、または3のいずれか一項記載の方法。
  5. 種子に好ましいプロモーターがファゼオリンプロモーターである、請求項4記載の方法。
  6. 植物細胞における発現を制御可能である核酸配列が構成的プロモーターである、請求項1または2記載の方法。
  7. 構成的プロモーターがユビキチンプロモーターである、請求項6記載の方法。
  8. キメラ核酸コンストラクトが、アポリポタンパク質をコードする核酸配列と読み枠で連結された安定化ポリペプチドをコードする核酸配列を追加的に含む、請求項1記載の方法。
  9. 安定化ポリペプチドが植物に特異的である、請求項8記載の方法。
  10. 安定化ポリペプチドが植物に特異的でない、請求項8記載の方法。
  11. 植物に特異的な安定化ポリペプチドが、油体タンパク質、またはチオレドキシンもしくはこの断片である、請求項9記載の方法。
  12. 油体タンパク質が、オレオシン、カレオシン(caleosin)、およびステロレオシン(steroleosin)からなる群より選択される、請求項11記載の方法。
  13. オレオシン、カレオシン、およびステロレオシンがシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)に由来する、請求項12記載の方法。
  14. チオレドキシンがSEQ ID NO:56である、請求項11記載の方法。
  15. 植物に特異的でない安定化ポリペプチドが、緑色蛍光タンパク質、または1本鎖抗体もしくはこの断片である、請求項10記載の方法。
  16. 植物に特異的でない安定化ポリペプチドが、植物における最適な発現に最適化されたコドンである、請求項10記載の方法。
  17. 緑色蛍光タンパク質がSEQ ID NO:57である、請求項15記載の方法。
  18. 1本鎖抗体が、種子で発現されるアポリポタンパク質の精製を促進可能である、請求項15記載の方法。
  19. 1本鎖抗体が油体タンパク質と特異的に結合可能である、請求項15記載の方法。
  20. 1本鎖抗体が、シロイヌナズナの18 kDaオレオシンと特異的に結合可能な1本鎖Fv抗体(D9scFv)である、請求項15記載の方法。
  21. 1本鎖抗体がSEQ ID NO:240である、請求項15記載の方法。
  22. 安定化ポリペプチドが、切断可能なリンカーを介してアポリポタンパク質に連結されている、請求項8記載の方法。
  23. 切断可能なリンカーが、キモシンのプロ配列である、請求項22記載の方法。
  24. キモシンのプロ配列がSEQ ID NO:143である、請求項23記載の方法。
  25. キメラ核酸配列が、アポリポタンパク質の、ERまたはER由来の貯蔵小胞への標的化可能とする標的化シグナルをさらに含む、請求項1記載の方法。
  26. ER由来の貯蔵小胞が油体であり、かつ標的化配列が油体タンパク質をコードする、請求項25記載の方法。
  27. 標的化シグナルが、C末端にER保持モチーフを含む、請求項25記載の方法。
  28. C末端のER保持モチーフがKDELである、請求項27記載の方法。
  29. キメラ核酸コンストラクトが、アポリポタンパク質のポリペプチドのアポプラストへの標的化を可能とするシグナルペプチドをコードする核酸配列を追加的に含む、請求項1記載の方法。
  30. シグナルペプチドがタバコの感染特異的タンパク質(PR-S)のシグナル配列である、請求項29記載の方法。
  31. PR-Sのシグナル配列がSEQ ID NO:58である、請求項30記載の方法。
  32. アポリポタンパク質をコードする核酸配列が、ヒトのアポリポタンパク質、ヒトのプロアポリポタンパク質、ブタのアポリポタンパク質、ブタのプロアポリポタンパク質、ウシのアポリポタンパク質、およびウシのプロアポリポタンパク質からなる核酸配列の群より選択される、請求項1〜31のいずれか一項記載の方法。
  33. アポリポタンパク質をコードする核酸配列が、植物のコドン使用に最適化されている、請求項1〜32のいずれか一項記載の方法。
  34. 以下の段階を含む、アポリポタンパク質を含む植物の種子を得る方法:
    (a)使用可能に連結された成分として5'→3'の転写方向に(i)植物の種子の細胞における発現を制御可能である核酸配列;および(ii)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列を含むキメラ核酸コンストラクトを提供する段階;
    (b)キメラ核酸コンストラクトを植物細胞に導入する段階;
    (c)植物細胞を成熟植物体に成長させ;かつ種子がアポリポタンパク質を含む植物体から組織を得る段階;ならびに
    (d)植物体から、アポリポタンパク質を含む種子を得る段階。
  35. 5'→3'の転写方向に以下を含むキメラ核酸配列を含む植物体:
    (a)(b)に使用可能に連結された、植物における発現を制御可能な第1の核酸配列;
    (b)亜ポリ歩タンパク質を含むアポリポタンパク質のポリペプチドをコードする第2の核酸配列。
  36. キメラ核酸配列が植物の核ゲノムに組込まれている、請求項35記載の植物体。
  37. 使用する植物体がシロイヌナズナまたはベニバナの植物体である、請求項1〜36のいずれか一項記載の植物体。
  38. 5'→3'の転写方向に以下を含むキメラ核酸配列を含む植物の種子:
    (a)(b)に使用可能に連結された、植物の種子における発現を制御可能な第1の核酸配列;
    (b)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする第2の核酸配列。
  39. 植物から得られるアポリポタンパク質を含む実質的に純粋な油体を含む組成物。
  40. 植物細胞における発現を制御可能な核酸を含む核酸配列に連結された、アポリポタンパク質をコードする核酸配列。
  41. 植物細胞が種子の細胞である、請求項40記載の核酸配列。
  42. 植物細胞における発現を制御可能である核酸配列が、種子に好ましいプロモーターである、請求項41記載の核酸配列。
  43. 種子に好ましいプロモーターがファゼオリンプロモーターである、請求項43記載の核酸。
  44. 植物の種子における発現を制御可能である核酸配列が構成的プロモーターである、請求項43記載の核酸配列。
  45. プロモーターがユビキチンプロモーターである、請求項44記載の核酸配列。
  46. 請求項1〜45のいずれか一項記載の核酸配列を含む、植物細胞における発現に適切な組換え発現ベクター。
  47. 以下の段階を含む、実質的に純粋なアポリポタンパク質を調製する方法:
    (a)使用可能に連結された成分として5'→3'の転写方向に(i)植物の種子の細胞における発現を制御可能である核酸配列;および(ii)アポリポタンパク質のポリペプチドをコードする核酸配列を含むキメラ核酸コンストラクトを提供する段階;
    (b)キメラ核酸コンストラクトを植物細胞に導入する段階;
    (c)植物細胞を成熟植物体に成長させる段階;および
    (d)アポリポタンパク質を含む種子を植物体から得る段階;ならびに
    (e)実質的に純粋なアポリポタンパク質を得るために、アポリポタンパク質を植物の種子の成分から分離する段階。
  48. 本質的に純粋なアポリポタンパク質を得るために、請求項1〜38のいずれか一項記載の調製された植物の使用。
  49. 植物体から得られる実質的に純粋なアポリポタンパク質を含む組成物。
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